JPH1062599A - 放射線画像変換パネルの製造方法及び製造装置 - Google Patents

放射線画像変換パネルの製造方法及び製造装置

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JPH1062599A
JPH1062599A JP21841696A JP21841696A JPH1062599A JP H1062599 A JPH1062599 A JP H1062599A JP 21841696 A JP21841696 A JP 21841696A JP 21841696 A JP21841696 A JP 21841696A JP H1062599 A JPH1062599 A JP H1062599A
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JP
Japan
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substrate
heating
heating means
image conversion
stimulable phosphor
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Application number
JP21841696A
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English (en)
Inventor
Atsushi Saito
篤志 斉藤
Yoshiro Toda
義朗 戸田
Kuniaki Nakano
中野  邦昭
Tomonori Gidou
智紀 儀同
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気相堆積法によって形成された輝尽性蛍光体
層を有する中央部分も周縁部分もともに感度と粒状性と
鮮鋭性に優れた放射線画像変換パネルの製造装置の提
供。 【解決手段】 排気手段で減圧される蒸着室に基板配置
手段と、基板配置手段に配置される基板の表面側の輝尽
性蛍光体蒸発手段と、基板配置手段に配置される基板の
裏面側の基板加熱手段とを備え、前記基板加熱手段によ
り基板を加熱した状態で前記輝尽性蛍光体蒸発手段によ
り基板上に輝尽性蛍光体層を形成する放射線画像変換パ
ネルの製造装置において、前記基板加熱手段が基板の裏
面側を中央部分から周縁部分までの複数域に区分するの
に対応した複数の独立に加熱条件を制御される加熱手段
から成り、基板の裏面側に前記複数域の区分に対応して
貼付される複数の温度センサーの検出情報に基づいてそ
れぞれ前記対応した複数の加熱手段の制御を行う制御手
段を備えた構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被写体を透過した
X線等の放射線画像を輝尽性蛍光体(以下単に、蛍光体
とも言う)層に蓄積記憶させた後、蛍光体層を励起光で
走査することにより輝尽発光させて画像情報を得るのに
用いられる放射線画像変換パネル(以下単に、パネルと
も言う)に関し、特に、基板上に気相堆積法によって形
成された蛍光体層を有するパネルの製造方法及び製造装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】パネルには、基板上に結着樹脂溶液の蛍
光体粒子分散液を塗布乾燥する方法によって形成された
分散タイプの蛍光体層を有するものと、基板上に気相堆
積法によって形成された蒸着タイプの蛍光体層を有する
ものとがあり、何れにしてもパネルに要求される特性
は、放射線の感度と画像の粒状性及び鮮鋭性である。
【0003】蒸着タイプの蛍光体層は、分散タイプの蛍
光体層に比較すると、蛍光体100%であるから、蛍光
体が同じ場合、同じ層厚では感度が優れ、放射線吸収率
が高いことで相対的に量子モトルが減少して粒状性も優
れるパネルを与え、感度を同じ程度にすれば層厚を薄く
できて、層厚内での放射線や励起光の拡散が減少し鮮鋭
性の優れたパネルを与える筈であるが、感度の優れたパ
ネルを与えることは上述のように容易であっても、粒状
性と鮮鋭性も共に優れたパネルを与えることは容易でな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】感度、粒状性、鮮鋭性
の何れもが優れたパネルを得るための研究が重ねられた
結果、基板の表面側に気相堆積法で十分な感度の得られ
る層厚の蛍光体層を形成する際に、基板を裏面側から加
熱手段で加熱して基板温度を適当な温度に維持すると、
堆積蛍光体の結晶構造が微細化して、図3に示した蛍光
体にRbBr:Tlを用いた例の基板温度と粒状性及び
鮮鋭性の関係グラフから分かるように、粒状性と鮮鋭性
を改善することができ、感度のほか粒状性と鮮鋭性も優
れたパネルの得られることが判明した。
【0005】しかし、上述の技術も、加熱手段が一体的
に加熱条件を制御されるものであると、得られたパネル
が大半を占める中央部分で粒状性と鮮鋭性に優れても、
周縁部分で粒状性と鮮鋭性の一方又は両方の劣ったもの
になったり、又はその逆の、周縁部分で粒状性と鮮鋭性
に優れても、中央部分で粒状性と鮮鋭性の劣ったものに
なったりすると言う問題がある。
【0006】本発明は、上述の問題を解消するためにな
されたものであり、中央部分も周縁部分もともに感度と
粒状性と鮮鋭性に優れたパネルを得ることができるパネ
ルの製造方法及び製造装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、基板の裏
面側を加熱する基板加熱手段が一体的に加熱条件を制御
されるものであると、基板を堆積蛍光体の微細な結晶構
造の得られる温度に一様に加熱しようとしても、中央部
分と周縁部分で20%前後周縁部分の方が低くなる温度
差が生じ易く、そのために上述の問題が発生すること、
それに対して、基板加熱手段を基板の裏面側を中央部分
から周縁部分までの複数域に区分するのに対応した複数
の独立に加熱条件を制御される加熱手段から成るものに
して、その複数の加熱手段により基板の裏面側を前記複
数域の温度を堆積蛍光体の微細な結晶構造の得られる温
度に加熱してやると、中央部分も周縁部分も同じく感度
と粒状性と鮮鋭性に優れたパネルが容易に得られるよう
になることを見出した。
【0008】本発明は、上述の本発明者らの知見に基い
てなされたものであり、基板上に気相堆積法によって形
成された輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネル
の製造方法において、基板の表面側に気相堆積法によっ
て輝尽性蛍光体層を堆積させる際に、基板の裏面側を中
央部分から周縁部分までの複数域に区分するのに対応し
た複数の独立に加熱条件を制御される加熱手段により前
記複数域の温度を同じ所定の温度にするために加熱する
ことを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法、及
び、排気手段で減圧される蒸着室に基板配置手段と、基
板配置手段に配置される基板の表面側の輝尽性蛍光体蒸
発手段と、基板配置手段に配置される基板の裏面側の基
板加熱手段とを備え、前記基板加熱手段により基板を加
熱した状態で前記輝尽性蛍光体蒸発手段により基板上に
輝尽性蛍光体層を形成する放射線画像変換パネルの製造
装置において、前記基板加熱手段が基板の裏面側を中央
部分から周縁部分までの複数域に区分するのに対応した
複数の独立に加熱条件を制御される加熱手段から成り、
基板の裏面側に前記複数域の区分に対応して貼付される
複数の温度センサーの検出情報に基づいてそれぞれ前記
対応した複数の加熱手段の制御を行う制御手段を備えた
ことを特徴とする放射線画像変換パネルの製造装置にあ
り、これらの構成によって前記目的を達成する。
【0009】すなわち、本発明の製造方法及び製造装置
によれば、基板の裏面側を中央部分から周縁部分までの
複数域に区分するのに対応した複数の独立に加熱条件を
制御される加熱手段により基板の複数域の温度を微細な
堆積蛍光体の結晶構造が得られる同じ温度に加熱できる
から、基板の表面側の前面に一様に微細な結晶構造の堆
積蛍光体層を形成することができ、中央部分も周縁部分
も同じく感度と粒状性と鮮鋭性に優れたパネルを容易に
製造することができる。
【0010】また上述の本発明の製造方法において、複
数の加熱手段により加熱する基板の複数域の温度を15
0〜350℃の範囲、好ましくは240±30℃の範囲
の一定の温度にすることにより、一層感度と粒状性と鮮
鋭性に優れたパネルを得ることができる。特に蛍光体に
RbBrを主体とした蛍光体を用いた場合に、効果はよ
り一層著しいものとなる。
【0011】同じく本発明の製造装置において、基板配
置手段と輝尽性蛍光体蒸発手段との間に蒸気通過開口の
スリットを形成する蒸気流規制手段を設けて、輝尽性蛍
光体蒸発手段により基板上に輝尽性蛍光体層を形成する
間、基板配置手段が配置された基板と共に複数の加熱手
段も前記スリットの幅方向に移動させるものとするこ
と、また複数の加熱手段を面抵抗発熱体から成るものと
し、その集まりの基板加熱手段の面積が基板の面積の
1.1〜1.5倍であり、その基板加熱手段と基板とを
間隙が30mm以下の平行とすること、また基板配置手
段に配置された基板の端部側又は更に基板加熱手段の同
じ端部側又は更に基板加熱手段の裏面側を熱遮蔽板で囲
うことにより、一層感度と粒状性と鮮鋭性に優れたパネ
ルを与える堆積輝尽性蛍光体層が得られるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下更に図1,2を参照して本発
明の実施の形態を説明する。
【0013】図1は本発明の方法の実施に用いられる装
置の例を示す構成概要図、図2は基板加熱手段の例を示
す部分平面図である。
【0014】図1において、蒸着室1は、不図示の前段
排気手段によりメインバルブ2を介して10-4Torr
以下の真空にされ、また不図示の後段排気手段によりリ
ークバルブ3を介して所定真空度に維持される。この蒸
着室1には、必要に応じてガス導入バルブ4を介してN
2,Ar,Ne,Heと言った不活性ガスが雰囲気ガス
として導入される。
【0015】蒸着室1には、図1の紙面に直角方向の長
さが幅に対して数倍以上も長い細長の蒸発開口を有する
蒸着源容器5に収容された蛍光体又は蛍光体構成材料か
ら成る蒸発源体6に、ピアス式電子銃7から蒸発源体6
の長さ方向に走査する電子ビーム8を繰り返し入射し
て、蒸発源体6の移動する電子ビーム入射部分から蒸気
を放出させる蛍光体蒸発手段が設けられている。図示例
の蛍光体蒸発手段の蒸発源容器5には、蒸発源体6を少
量宛組成均一に蒸発させるように、局部加熱昇温させる
ための冷却用パイプ9が接続されている。
【0016】蒸発源体6から蒸気流が上昇して行く10
〜60cm上方には、蒸気通過開口のスリット10aを
形成する蒸気流規制手段10が設けられており、更にそ
の直ぐ上方には、被蒸着体の基板11をその周縁部を受
けることで載置する基板載置枠12と、スリット10a
を通過した蒸気流が基板11の下面を走査して基板11
の下面に蛍光体を堆積させるように基板載置枠12を往
復動させる牽引索を用いた往復動手段13と、基板載置
枠12を案内するガイドレール14とから成る基板配置
手段が設けられている。
【0017】前述の蒸着源容器5の蒸発開口の長さは、
基板11の幅すなわち移動方向に直角の方向の長さの
0.4〜2倍好ましくは0.7〜1.4倍の範囲とする
のがよく、0.4倍以下になると基板11の幅に亙って
均一厚さの蛍光体層を堆積させるのが困難になるし、2
倍以上になると蒸着効率が悪くなる。
【0018】基板載置枠12は下面が基板11の周縁部
を受ける枠になっている箱体から成り、基板11の載置
部分の上方に加熱制御手段15によってそれぞれ独立に
駆動制御される詳細を図2に示したような中央部加熱手
段16と左右及び前後の加熱手段17及び18とから成
る基板加熱手段が配置されている。中央部、左右、前後
加熱手段16〜18で網掛けして示した部分は電極部
分、その間の斜線影を施して示した部分は電極部分と共
に抵抗発熱する部分であり、左右と前後の加熱手段17
と18はそれぞれ一体的に直列接続された例を示してい
るが、それぞれ並列接続されているもの、一方が直列接
続で他方が並列接続のもの、左右と前後の一方又は両方
が独立の加熱手段であるものでもよい。また図示例の中
央部と周縁部の2段階区分に限らず、更に同心円的に3
段階以上の多段階区分された加熱手段としてもよいこと
は言うまでもない。
【0019】箱体の基板載置枠12は側壁及び天井壁が
基板11の四周端部側と基板加熱手段の四周端部側及び
裏面側を囲って放熱を防止する熱遮蔽板の役割を果たし
ている。
【0020】基板11としては、アルミナ等のセラミッ
クス板、化学的強化ガラス等のガラス板、結晶化ガラス
等のガラスセラミックス板、アルミニウム、鉄、銅、ク
ロム等の金属板或いはそれら金属の酸化物被膜を有する
金属板が好ましく用いられ、その他ポリイミドフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリエステルフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミド
フィルム、トリアセテートフィルム、セルロースアセテ
ートフィルム、等のプラスティックフィルムも用いられ
る。
【0021】基板11の蛍光体層を設けられる表面すな
わち下面は、滑面であっても、蛍光体層との接着性を向
上させるためのマット面であっても、或いは画像の鮮鋭
性を一段と向上させるための微小タイル貼り状のモザイ
ク面であってもよい。また、基板11の表面に、蛍光体
層との結合を強化するためにポリエステル又はゼラチン
などの高分子物質を塗布して接着性を付与する下塗り層
を設けても、感度や画像の粒状性と鮮鋭性を一層向上さ
せるために二酸化チタン,Al等の金属膜など光反射性
物質からなる光反射層、或いはカーボンブラックなどの
光吸収物質からなる光吸収層などを設けてもよい。それ
らの構成は目的、用途などに応じて任意に選択できる。
基板11の厚さは材質等によって異なるが、一般的には
80〜2,000μmの範囲の厚さのものが用いられ
る。
【0022】基板11の上面側には、基板加熱手段の前
述の構成に対応して、中央部分と左右及び前後の縁部分
にサーミスターや熱電対等の温度センサー20〜22が
貼付され、加熱制御手段15は、蒸発源体6の基板11
への蒸着が行われる際に、温度センサー20〜22の検
出情報に基いて、それらの検出温度が同じ所定温度例え
ば、蒸発源体6の蛍光体が図3のRbBr:Tlの場合
には240±30℃、好ましくは240±20℃の範囲
の一定温度となるように、それぞれ中央部加熱手段16
と左右及び前後の加熱手段17及び18を駆動制御す
る。それによって基板11に中央部分も周縁部分も均一
に微細な結晶構造の堆積蛍光体層を十分な感度の得られ
る層厚に形成することができて、その基板11により粒
状性も鮮鋭性も優れたパネルを得ることができる。
【0023】蒸発源体6の好ましい蛍光体としては、ア
ルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体(BaFBr:E
u、BaFI:Eu、BaFBr1-xx:Eu、BaF
Cl:Eu、BaFBr:Ce、BaBrI:Eu、B
aBrCl:Eu、SrFBr:Eu、BaBr2:E
u等)、アルカリハライド系蛍光体(RbBr:Tl、
RbI:Tl、CsI:Na、RbBr:Eu、Rb
I:Eu、CsI:Eu)等、硫化物系蛍光体(Sr
S:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、CaS:Eu,
Sm等)、アルミン酸バリウム系蛍光体(BaO・xA
23:Eu等)、アルカリ土類金属珪酸塩系蛍光体
(MgO・xSiO2:Eu等)、希土類オキシハロゲ
ン化物系蛍光体(LaOBr:Bi,Tb,Pr等)、
燐酸塩系蛍光体(3Ca3(PO42CaF2:Eu等)
が挙げられ、このうち特にアルカリハライド系のRbB
rを主体とした蛍光体が好ましい。しかし、蛍光体はこ
れらに限定されるものではなく、放射線エネルギーを吸
収した後、可視光や赤外線など電磁波の励起光で励起さ
れて蓄積していた放射線エネルギーを輝尽発光光すなわ
ち蛍光の形で放出する蛍光体であれば使用できる。
【0024】前述の基板加熱手段によって加熱する基板
11の一定温度は、蒸発源体6がRbBrを主体とした
蛍光体のときは240±30℃の範囲とすることで前述
と同様の効果が得られ、それ以外の上述のような好まし
い蛍光体のときは150〜350℃の範囲から同様の効
果の得られる温度を求めることができ、その他の蛍光体
のときも同様の効果の得られる温度を実験によって求め
ることができる。異なった種類の蛍光体から成る複数層
の蛍光体層を形成する場合は、各構成層毎に蛍光体に応
じた基板温度にすることが好ましいことは言うまでもな
い。
【0025】また基板11に一定組成の蛍光体を蒸着さ
せるためには図示例の走査電子ビームの入射による加熱
で蒸発源体6から蒸気を放出させる方式が好ましいが、
用いる気相堆積法は図示例に限られるものではなく、蒸
発源体6の抵抗発熱や外側からの輻射加熱或いは伝導加
熱により蒸発源体6から蒸気を放出させる方式でも、ス
パッタ法でもよい。
【0026】以上により基板11に蛍光体層を形成した
ものをパネルとして用いるには、蛍光体層の劣化を防止
してパネルの繰り返し使用の耐久性を得るために、蛍光
体層の表面を物理的、化学的に保護する透明な保護層す
なわち保護膜を設けることが必要となる。その透明保護
層は、上述の保護の目的を達成して、しかも粒状性や鮮
鋭性を低下させることがないように、蛍光体層上の透明
保護層の層厚が2〜20μmの範囲特に5〜10μmの
範囲にあるものが好ましい。
【0027】透明保護層は、例えば酢酸セルロース、ニ
トロセルロースなどのセルロース誘導体、或いはポリメ
チルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカー
ボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコ
ポリマーなどの合成高分子物質の単独又は混合したもの
を適当な溶剤に溶解して調製した溶液を基板11上の蛍
光体層表面に塗布して乾燥する方法により設けることが
できる。なお、保護層を架橋剤添加の塗布液により形成
する場合は塗布の直前に架橋剤を添加することが望まし
い。また透明保護層は、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアミドなどからなる透明プラスチックシ
ートを透明接着剤により蛍光体層の表面に接着するなど
の方法で設けることもできる。
【0028】特に好ましい保護層は、有機溶媒に可溶性
の弗素系樹脂を含む塗布膜からなるものであり、その弗
素系樹脂としてはフルオロオレフィンの重合体、もしく
はフルオロオレフィンを共重合体成分とした共重合体が
用いられる。弗素系樹脂の塗布膜から成る保護層は架橋
されていてもよい。弗素系樹脂の保護層は、膜強度に優
れ、手脂やその他の汚れが保護層内部に染み込みにく
く、拭き取りなどによって容易に汚れを除去できる利点
がある。そこで、膜強度の改良等の目的で、弗素系樹脂
と他の高分子物質を混合して保護層形成に用いてもよ
い。
【0029】また、パネルを特開平1−131499号
公報に記載されているような低屈折率層を含むガラスに
よる封止構造とすることによって、耐久性は一段と向上
する。
【0030】以上により、安定して繰り返し使用するこ
とができて、放射線記憶の感度に優れ、粒状性、鮮鋭性
に優れた画像の再生を可能にするパネルが得られる。
【0031】以下更に本発明の具体的実施例を比較例と
共に示す。
【0032】実施例1 蒸発源容器5から規制幅が95mmで一定のスリット1
0aを形成する蒸気流規制手段10までの距離38c
m、基板載置枠12までの距離43cm、蒸発源容器5
の蒸発源体6の収容開口長さ48cm、基板載置枠12
の載置部開口370mm×435mm、基板載置枠12
の往復動方向は載置部開口の長手方向であり、堆積蛍光
体層の層厚を一定にする蒸気流制御方法として電子ビー
ム8の強度を走査位置により変化させる方法を採用した
図1の装置を用いる。
【0033】蒸発源容器5に蛍光体材料のRbBr:
0.002TlBrを蒸発源体6として充填し、基板載
置枠12に389mm×445mm×0.5mmのサイ
ズの表面が平滑なAl板の基板11を載置した後、蒸着
室1内をArガス雰囲気の1×10-3Torrに維持し
て、中央部、左右部、前後部の加熱手段16〜18によ
り基板11を温度センサー20〜22によって検出され
る温度が220℃となるように加熱保持する。その状態
で往復動手段13により基板11を50cm/分の速度
で往復動させながら、電子銃7から走査位置にしたがっ
て強度の変化する電子ビーム8を走査線速度一定の走査
幅48cmで蒸発源体6に入射する。それによって、基
板11に2μm/分の蒸着速度で蛍光体層が形成され、
層厚が300μmとなったときに蒸着を終了させた。
【0034】得られた基板11の蛍光体層を有する面に
厚さ10μmのポリメチルメタクリレートの塗布膜から
成る保護層を設けてパネルとした。このパネルは、放射
線記憶の感度に優れ、粒状性と鮮鋭性に優れた画像を再
生できた。
【0035】実施例2 BaFBr:Eu2+蛍光体を蒸発源体6とし、加熱手段
16〜18により基板11を加熱保持する温度を250
℃とした以外は、実施例1と同様に層厚300μmの蛍
光体層を有するパネルを作成した。このパネルも、実施
例1のパネルと略同様に感度、粒状性、鮮鋭性の優れる
ものであった。
【0036】実施例3 RbBr:Tl蛍光体を蒸発源体6として、抵抗発熱体
からの加熱により蒸発源容器5の蒸発源体6を熔融蒸発
させる蛍光体蒸発手段を用い、堆積蛍光体層の層厚を一
定にするように蒸気流を制御するのは電子ビーム8の強
度を変えずにスリット10aの基板往復動方向の規制幅
を直角方向の位置によって変化させる方法によることと
し、基板11を加熱保持する温度を240℃とした以外
は実施例1と条件を同様にして、パネルを作成した。得
られたパネルは、実施例1のものと同様に、感度、粒状
性、鮮鋭性の優れるものであった。
【0037】実施例4 BaFBr:Eu2+蛍光体を蒸発源体6とし、基板11
を加熱保持する温度を235℃とした以外は、実施例3
と同じ条件でパネルを作成した。得られたパネルは、実
施例2のものと同様に、感度、粒状性、鮮鋭性の優れる
ものであった。
【0038】実施例5 スパッタ法によって蒸発源体6から蒸気を放出させる蛍
光体蒸発手段を用いて、基板11を加熱保持する温度を
265℃とした以外は実施例3と条件を同様にして、パ
ネルを作成した。得られたパネルは、実施例3のものと
同様に、感度、粒状性、鮮鋭性の優れるものであった。
【0039】比較例1 基板11を加熱保持する温度を200℃とした以外は、
実施例1と同じ条件でパネルを作成した。得られたパネ
ルは、実施例1〜5の何れのパネルよりも再生画像の粒
状性が明らかに劣るものであった。
【0040】比較例2 基板11を加熱保持する温度を275℃とした以外は、
実施例1と同じ条件でパネルを作成した。得られたパネ
ルは、実施例1〜5の何れのパネルよりも再生画像の粒
状性と鮮鋭性が若干劣るものであった。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の方法と装
置によれば、放射線記憶の感度よく、粒状性、鮮鋭性に
優れた画像を再生し得る気相堆積法によって形成された
輝尽性蛍光体層を有するパネルを容易に製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の実施に用いられる装置の例を示
す構成概要図である。
【図2】基板加熱手段の例を示す部分平面図である。
【図3】蛍光体蒸着時の基板温度と得られたパネルによ
る放射線画像の粒状性及び鮮鋭性の関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 蒸着室 2 メインバルブ 3 リークバルブ 4 ガス導入バルブ 5 蒸発源容器 6 蒸発源体 7 電子銃 8 電子ビーム 10 蒸気流規制手段 11 基板 12 基板載置枠 13 往復動手段 14 ガイドレール 15 加熱制御手段 16 中央部加熱手段 17 左右加熱手段 18 前後加熱手段 19 膜厚モニター 20、21、22 温度センサー
フロントページの続き (72)発明者 儀同 智紀 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に気相堆積法によって形成された
    輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルの製造方
    法において、基板の表面側に気相堆積法によって輝尽性
    蛍光体層を堆積させる際に、基板の裏面側を中央部分か
    ら周縁部分までの複数域に区分するのに対応した複数の
    独立に加熱条件を制御される加熱手段により前記複数域
    の温度を所定の温度にするために加熱することを特徴と
    する放射線画像変換パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の温度が150〜350℃の範
    囲の温度であることを特徴とする請求項1に記載の放射
    線画像変換パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 基板の表面側に堆積させる輝尽性蛍光体
    層をRbBrを主体とした輝尽性蛍光体の層とし、前記
    所定の温度を240±30℃の範囲の温度としたことを
    特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネルの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 排気手段で減圧される蒸着室に基板配置
    手段と、基板配置手段に配置される基板の表面側の輝尽
    性蛍光体蒸発手段と、基板配置手段に配置される基板の
    裏面側の基板加熱手段とを備え、前記基板加熱手段によ
    り基板を加熱した状態で前記輝尽性蛍光体蒸発手段によ
    り基板上に輝尽性蛍光体層を形成する放射線画像変換パ
    ネルの製造装置において、前記基板加熱手段が基板の裏
    面側を中央部分から周縁部分までの複数域に区分するの
    に対応した複数の独立に加熱条件を制御される加熱手段
    から成り、基板の裏面側に前記複数域の区分に対応して
    貼付される複数の温度センサーの検出情報に基づいてそ
    れぞれ前記対応した複数の加熱手段の制御を行う制御手
    段を備えたことを特徴とする放射線画像変換パネルの製
    造装置。
  5. 【請求項5】 前記基板配置手段と輝尽性蛍光体蒸発手
    段との間に蒸気通過開口のスリットを形成する蒸気流規
    制手段が設けられていて、輝尽性蛍光体蒸発手段により
    基板上に輝尽性蛍光体層を形成する間、基板配置手段が
    配置された基板を前記スリットの幅方向に移動させると
    共に、前記複数の加熱手段も移動させることを特徴とす
    る請求項4に記載の放射線画像変換パネルの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の加熱手段が面抵抗発熱体から
    成っていて、前記基板加熱手段の面積が基板の面積の
    1.1〜1.5倍であり、基板加熱手段と基板とが平行
    で、両者の間隙が30mm以下であることを特徴とする
    請求項4又は5に記載の放射線画像変換パネルの製造装
    置。
  7. 【請求項7】 前記基板配置手段に配置された基板の端
    部側又は更に前記基板加熱手段の同じ端部側又は更に基
    板加熱手段の裏面側を熱遮蔽板で囲ったことを特徴とす
    る請求項4乃至6の何れか一項に記載の放射線画像変換
    パネルの製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1426977A1 (en) * 2002-10-25 2004-06-09 Agfa-Gevaert Storage phosphor screen and preparation method
JP2004170405A (ja) * 2002-11-07 2004-06-17 Fuji Photo Film Co Ltd 放射線像変換パネルの製造方法

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