JPH106229A - 高強度研磨工具 - Google Patents

高強度研磨工具

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JPH106229A
JPH106229A JP19689196A JP19689196A JPH106229A JP H106229 A JPH106229 A JP H106229A JP 19689196 A JP19689196 A JP 19689196A JP 19689196 A JP19689196 A JP 19689196A JP H106229 A JPH106229 A JP H106229A
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polishing
polishing tool
diameter
polished
shaped
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Michiyo Abe
美智代 阿部
Masako Kubota
正子 窪田
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  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で、軽量で、取り扱いが容易で、研磨
性能に優れた研磨工具を提供する。加工形状や加工条件
に応じて、構成を適切に選択し組合せることで、木材や
金属や脆性材料からなる工作物に幅広く適用できる研磨
工具を提供する。 【解決手段】 ひも状、平板状、あるいは丸棒状に成形
された繊維強化プラスチック基材の表面に硬質砥粒を接
着した研磨加工部分と、これと一体となるように製作さ
れた非研磨加工部分あるいは柄の部分を持つ持つ研磨工
具。ひも状および丸棒状の研磨工具の場合は、研磨加工
部分の直径が非研磨加工部分の直径と同等か、もしくは
大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材や金属や脆性
材料からなる部材を研磨するための研磨工具に関する。
【0002】
【従来の技術】木材や金属や脆性材料を、切断したり、
穴加工したり、切削加工した表面には粗い凹凸が残って
いる。この粗い凹凸を研磨して滑らかな面を得るため
に、サンドペーパー、金ヤスリ、砥石、そして特開平0
1−222865に公開の無機長繊維を樹脂で保持した
ラッピング材(以下、ラッピング材とよぶ)が用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来から用いられてい
るサンドペーパー、金ヤスリ、砥石、ラッピング材には
以下のような課題が残されている。
【0004】サンドペーパーは、紙からなる基材の表面
に硬質砥粒が接着された構造となっているため、破れや
すいという問題がある。例えば、工作物に大きなバリや
凸部がある場合、局部的な力を受けて基材の紙は容易に
破れてしまう。また、直径の小さい穴や幅の狭い溝の内
面研磨の場合、これらの大きさに合わせてサンドペーパ
を切り取って使用せざるを得ないが、基材の紙の強度が
低いため容易に変形して研磨に必要な力を与えることが
出来ず、研磨効率は極めて低い。研磨効率を上げようと
して強い力を加えると、やはり基材の紙が破れてしま
う。破れたサンドペーパーは使えなくなってしまうた
め、交換せざるをえず、加工コストを高める原因とな
る。
【0005】金ヤスリは、平板あるいは丸棒状の金属の
表面に切刃となるアヤメ状の凹凸が刻まれた研磨加工部
分と、これに続くくさびの部分が木製の柄に打ち込まれ
た構造となっている。研磨能率を上げ、切刃寿命を長く
するには、切刃はより硬質であることが望ましいため、
金ヤスリの場合は熱処理などにより切刃となる表面を硬
質化させている。しかしながら、このような処理により
表面は硬質化するものの、全体としては脆弱になって、
折れやすくなる。特に、薄い平板状の金ヤスリや直径の
小さな丸棒状の金ヤスリの場合には、折損が頻発して研
磨作業が中断して作業能率が低くなり、また工具コスト
を高める原因となる。
【0006】折れにくいように強度を上げるためには、
研磨加工部分の金属製基材を厚くしたり、直径を大きく
する必要があるが、重くなってしまい、自在に取り扱う
ことが困難になったり、幅の狭い溝や直径の小さい穴の
内側を研磨することが出来なくなる。
【0007】砥石は、金ヤスリで研磨した面を、より凹
凸の小さい仕上げ面にするために用いられることが多
い。一般に、砥石はガラス質のボンドで砥粒が保持され
ている構成となっている。そのため、砥石の場合は金ヤ
スリ以上に脆弱であり、折損がより頻繁に起きやすい。
このように頻繁に折損が起きると、作業能率が大幅に低
下して、工具コストも高くなってしまうという問題があ
る。
【0008】ラッピング材は、切刃となる無期長繊維が
樹脂に保持された構造となっている。このラッピング材
を用いて表面の粗い工作物を能率良く研磨するには、よ
り太い繊維を使用することが必要となる。しかしなが
ら、工業的に入手可能な無期長繊維の繊維径は数十μm
程度であるため、このラッピング材では高能率な研磨加
工が困難であるという課題が残されていた。
【0009】また、ラッピング材は、幅が数mmないし
十数mm、長さが数十ないし百数十mm、厚さが数mm
程度の細長い平板状であるか、同程度の寸法の円柱状の
形状となっている。このように工具が細長い形状である
ため、特に手に持って研磨作業を行う場合は、持ちにく
いため作業性が悪く、研磨効率が低いという課題があっ
た。
【0010】以上述べたように、従来の研磨工具は、切
刃を支える基材がサンドペーパーのように非常に破れや
すいか、金ヤスリや砥石のように脆弱であるか、ラッピ
ング材のように研磨能率が低く、また持ちにくく作業性
があまりよくないという課題が残されており、より強度
が高く、より軽量で持ちやすく、研磨能率が良い研磨工
具が求められている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するために行われたものであり、繊維強化プラスチッ
クからなる高強度基材の表面に、切刃となる硬質砥粒を
接着したことを特徴とする構造の研磨工具を提供するも
のである。
【0012】硬質砥粒を接着した研磨加工部分の形態
は、ひも状、平板状、丸棒状となっている。これらの研
磨工具は、作業時に工具を保持するための、非研磨加工
部分あるいは柄の部分を持っていることが望ましい。非
研磨加工部分あるいは柄の部分は、研磨加工部分と一体
となるように成形あるいは製作するとよい。
【0013】ひも状あるいは丸棒状の研磨工具において
は、研磨加工部分の直径は、非研磨加工部分の直径と等
しいか、あるいは大きくなるように成形するとよい。
【0014】丸棒状の研磨工具においては、柄部分の断
面形状を円形とし、かつ研磨加工部分と同軸にすると、
工作機械の回転軸のチャックに取り付けて、回転させな
がらより精度良く研磨することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の研磨工具の研磨加工部分
はひも状、平板状、丸棒状となっている。まず最初に、
これらに共通する形態について説明する。
【0016】研磨加工部分の基材は、補強材の繊維とプ
ラスチックとからなる。補強材としては、市販のガラス
繊維、アルミナや炭化珪素などのセラミック繊維、炭素
繊維、あるいは金属繊維の長繊維や短繊維を使用するこ
とが可能である。プラスチックは、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル、ポ
リウレタンなどの熱硬化性樹脂や、ABS樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレン、ポリカーボネード、ナイロン
などの熱可塑性樹脂の中から、工作物の材質、補強繊維
の種類、必要な強度、使用する環境などに応じて選ぶこ
とが出来る。
【0017】このように基材が繊維強化プラスチックで
構成されているため、金ヤスリと比較すると、軽量で取
り扱いが容易であり、弾性に富んでいる。また、紙ヤス
リと比較すると極めて強度が高い。
【0018】硬質砥粒には、アルミナ系のA砥粒やWA
砥粒、炭化珪素系のC砥粒やGC砥粒、ジルコニア系の
Z砥粒のような、いわゆる在来砥粒や、ダイヤモンドお
よびCBN(立方晶窒化ホウ素)といった、いわゆる超
砥粒を使用することができる。これらの砥粒は、研磨す
る工作物の材質や得ようとする粗さに応じて、在来砥粒
または超砥粒あるいはこれらの混合砥粒を使用すること
ができ、その粒度を選択することが可能である。このよ
うに、本発明の研磨工具では、切刃として硬質砥粒を使
用しているため、金属が切刃となっている金ヤスリより
も切れ味が良く、研磨能率が高い。
【0019】硬質砥粒をプラスチック基材に接着する接
着剤としては、エポキシ樹脂やアラルダイトなど、プラ
スチック基材および硬質砥粒との接着力がより強力なも
のを選択することが好ましい。
【0020】次に、ひも状、平板状、丸棒状の研磨加工
部分をもつ研磨工具の場合について、それぞれの形態
を、図1から図6を用いて説明する。まず、ひも状の研
磨工具の形態の例を図1に示す。ひも状の研磨工具は研
磨加工部分1と、非研磨加工部分2とからなる。研磨加
工部分1はひも状の繊維強化プラスチック基材3の表面
に硬質砥粒4が接着剤5によって固定されている。プラ
スチック基材3は、ひもとしての柔軟性が得られるよう
に繊維やプラスチックを選択することが望ましい。
【0021】ひも状の研磨工具の場合、長手方向に引張
り力を受けるため、補強材の繊維方向を長手方向に配向
して、より大きな引張り強度を持たせることが好まし
い。このようなひも状の研磨工具は、木材や金属そして
ガラスなどの工作物の穴の内面の研磨やスリット状に加
工された細長い孔の研磨に用いることが出来る。
【0022】また、砥粒を接着した研磨加工部分の直径
は、全長にわたり一定のものや、一部分の直径を太くし
たものを使用することができる。例えば、図2の例のよ
うに、AおよびCの部分の直径よりも、Bの部分の直径
の方が大きくなっており、穴の内面を研磨する際に、ひ
も状研磨工具を穴に容易に挿入する事ができる。このよ
うなひも状研磨工具であれば、図3の例のように厚い材
料に設けられた長い穴の内面の研磨加工であっても、穴
の外側に近い部分Dに、点線で示したようなダレを生じ
させずに中央部分の研磨を能率よく行うことができる。
【0023】前述の説明では、Bの部分の直径が一定の
場合について説明したが、本発明の研磨工具ではこれに
限定されるものではなく、工作物の材質や形状に応じ
て、Bの部分の直径をテーパー状に変化させるようにし
てもよい。
【0024】次に、図4を用いて、平板状の研磨工具の
場合の実施の形態について説明する。本研磨工具は、平
板状のプラスチック基材6の表面に硬質砥粒4が接着剤
5によって接着された研磨加工部分1と、これと一体と
なるように製作された柄の部分7とからなる。
【0025】柄の部分は、研磨加工部分1のプラスチッ
ク基材と一体成形された構造となっているか、あるいは
別々に成形した後に一体化した構造となっている。柄と
なる部分の断面形状は、例えば円形や楕円形あるいはコ
ーナー部分を丸くした長方形にして、手で持ち易い形状
にすることが出来る。このような形状にすることで、研
磨加工の際に、研磨加工部分に効果的に力を加えること
ができ、能率よく研磨することが可能である。
【0026】柄の部分を接着する場合は、柄の材質を砥
粒加工部分と同じように繊維強化プラスチックとする
と、全体として軽量化が可能で、強度も高めることがで
きて好ましい。また、同じ材質のものを接着することに
なるため、接着力をより大きくすることも可能になる。
【0027】このような構成の研磨工具は、従来の平板
状の金属ヤスリと比べると、軽量であるため取扱いが容
易で、柄の部分があるためラッピング材よりも持ちやす
く、効果的に研磨のための力を与えることが出来る。し
たがって、金ヤスリでは困難な細かい部分の作業でもよ
り精度の高い研磨作業を行うことが可能で、また、粗い
表面の工作物に対してラッピング材よりも能率の高い研
磨加工を行うことが可能になる。
【0028】さらに、平板状のプラスチック基材の材質
および強化繊維の組成と厚さとを適切に設計すること
で、研磨加工部分が力を受けたとき、鞭がしなる様に弾
性変形して、研磨加工部分と工作物とがより広い面積で
接触することができ、効率的な研磨が可能になる。この
ように、工具自体が弾性を持っていると、工具に与える
力を、工具の弾性変形の状態により視覚的に知ることが
出来るため、工具が破壊してしまうような力をかけるこ
とを未然に防止することもできる。従来の薄い金ヤスリ
では、折損に至る力を金ヤスリ自体の変形によって事前
に知ることは困難であったため、大幅に安全性が向上す
ることになる。
【0029】次に、図5を用いて、丸棒状の研磨工具の
場合の実施の形態について説明する。本研磨工具は、丸
棒状のプラスチック基材8の表面に硬質砥粒4を接着し
た研磨加工部分1と、これと一体となるように製作され
た柄の部分7とからなる。本研磨工具では研磨加工部分
の基材形状を丸棒状として、曲率のある穴や溝の内面を
研磨できるようにしたこと以外は、図4の平板状の研磨
工具の構造に準じる。
【0030】このように基材が繊維強化プラスチックか
らなる丸棒状の研磨工具では、平板状の場合と同様に、
金属製のヤスリと比較して軽量で、高強度かつ高弾性で
あるため、従来の金ヤスリよりも、より直径の小さい穴
や曲率をもつ面の研磨加工を能率よく行うことができ
る。
【0031】さらに、図6に示すように、研磨加工部分
の直径を、非研磨加工部分の直径よりも大きくなるよう
に成形することによって、ひも状の研磨工具の場合と同
様に、穴加工された面をダレないように研磨することが
出来る。また、柄の部分を研磨加工部分と同軸の円柱状
にする事によって、フライス盤などに取り付けて研磨加
工することも可能になる。
【0032】ひも状の研磨工具の場合は、工作物の材質
や求められる加工面の品質により異なるが、例えば5m
m以下の直径の細い穴やスリットの内面を研磨に用いる
事ができ、丸棒状の研磨工具の場合は、例えば10mm
以上の直径の穴や同様の曲率を持つ曲面の研磨に用いる
ことが出来る。これらの中間の研磨加工では、加工しよ
うとする工作物の材質や形状応じて研磨工具を選択する
ことが好ましい。
【0033】以上述べた、ひも状、平板状、丸棒状の研
磨工具のプラスチック基材の成形としては、圧縮成形
法、トランスファー成型法、射出成形法、押出成型法、
カレンダ掛け、積層成型法、手重ね成形法、フィラメン
トワインディング法などの多種多様な成型法の中から、
使用するプラスチックの種類や形状に合わせて適正な方
法を選択することが出来る。
【0034】このように、本発明の研磨工具は、高強度
で、軽量で、取り扱いが容易で、研磨能力が高いため、
効率的な研磨作業が可能である。
【0035】
【実施例1】図1に示すような形態のひも状の研磨工具
を作製した。まず、フィラメントワインディング法によ
り、繊維径が約25μmのガラス長繊維を熱硬化性のエ
ポキシ樹脂に含浸させながら、直径131mm、幅12
0mmのロールに、厚さ0.8mm、幅105mmとな
るまで巻き付けた後、ロールの軸方向に切り開いてシー
ト状にした。ガラス繊維の充填率は50wt%になるよ
うに設定した。次に、このシートを、ガラス繊維の配向
方向に対して、幅1mm、長さ400mmとなるように
切断した。ここで使用したエポキシ樹脂は、硬化温度が
80℃の中温硬型である。
【0036】これを、直径1mm、長さ400mmの半
円柱状の凹みを持つ下側金型に入れ、同じ形状を持つ上
側金型を載せた後、プレスしながら80℃に加熱して、
直径1mm、長さ400mmのひも状のプラスチック基
材を得た。
【0037】この基材の両端の50mmを除いた部分の
表面に、砥粒径が100μmのGC砥粒を常温硬化型の
エポキシ樹脂を用いて接着して、研磨加工部分の長さが
300mmのひも状研磨工具を得た。
【0038】
【実施例2】図2に示すような形態のひも状の研磨工具
を作製した。各部の寸法は、AおよびCの直線部分の直
径が1mm、それぞれの直線部分の長さが130mm、
この直線部から直径の大きなBにつながる部分の長さが
それぞれ10mm、Bの部分が直径2mm、長さ40m
m、全長が300mmである。この形状を半割りした凹
みを持つ下側金型と、同様の形状を持つ上側金型とを合
わせてプレスし、射出成形機からエポキシ樹脂を注入し
た。
【0039】このエポキシ樹脂には、繊維径25μm、
長さ10mmのガラス短繊維が補強材として混入してあ
る。ガラス短繊維の充填率は40wt%とした。ここで
使用したエポキシ樹脂は、硬化温度が80℃の中温硬化
型である。注入の際には、金型を80℃に加熱した。こ
のようにして、Bの部分が太いひも状のプラスチック基
材を得た。
【0040】この基材のBの部分に、砥粒径が200μ
mのGC砥粒を、常温硬化型のエポキシ樹脂を用いて接
着し、長さ40mmの研磨加工部分を持つひも状の研磨
工具を得た。
【0041】
【実施例3】図4に示すような形態の平板状の研磨加工
部分を持つ研磨工具を作製した。まず、フィラメントワ
インディング法により、繊維径が約25μmのガラス長
繊維を熱硬化性のエポキシ樹脂に含浸させながら、直径
194mm、幅120mmのロールに厚さ1.5mm、
幅100mmとなるまで巻き付けた後、ロールの軸方向
に切り開いてシート状にした。ガラス繊維の充填率は5
0wt%になるように設定した。さらに、このシート
を、ガラス繊維の配向方向に対して、幅10mm、長さ
200mmとなるように切断した。ここで使用したエポ
キシ樹脂は、硬化温度が80℃の中温硬化型である。
【0042】この切断片を、幅10mm、長さ100m
m、深さ0.75mmの長方形状の凹みと、この長方形
部分に続く長さ120mmの柄の部分の凹みを設けた下
側金型に入れた。したがって、切断片の長さのうち10
0mmは柄の部分に内含された構造となる。同様の形状
の凹みが設けてある上側金型を下側金型に合わせてプレ
スし、金型に予め設けた柄の部分につながる通路に射出
成形機から中温硬化型のエポキシ樹脂を注入した。
【0043】このエポキシ樹脂には、繊維径25μm、
長さ10mmのガラス短繊維が補強材として混入してあ
る。ガラス短繊維の充填率は30%とした。注入の際に
は、金型を80℃に加熱した。このようにして、厚さ
1.5mm、幅10mm、長さ100mmの平板部分
と、これと一体となった柄の部分とを持つプラスチック
基材を得た。
【0044】この基材の平板部分の両面に、砥粒径が2
00μmのGC砥粒を、常温硬化型のエポキシ樹脂を用
いて接着し、厚さ1.5mm、幅10mm、長さ100
mmの平板状の研磨加工部分と柄の部分とを持つ平板状
の研磨工具を得た。
【0045】
【実施例4】図5に示すような形態の丸棒状の研磨加工
部分を持つ研磨工具を作製した。まず、フィラメントワ
インディング法により、繊維径が約25μmのガラス長
繊維を熱硬化性のエポキシ樹脂に含浸させながら、直径
194mm、幅120mmのロールに、厚さ8. 8m
m、幅99mmとなるまで巻き付けた後、ロールの軸方
向に切り開いてシート状にした。
【0046】ガラス繊維の充填率は50wt%になるよ
うに設定した。さらに、このシートを、ガラス繊維の配
向方向に対して、幅9mm、長さ200mmとなるよう
に切断した。ここで使用したエポキシ樹脂は、硬化温度
が80℃の中温硬化型である。
【0047】この切断片を、直径10mm、長さ100
mmの半円柱状の凹みと、この半円柱部分に続く長さ1
20mmの柄の部分の凹みを設けた下側金型に入れた。
したがって、切断片の長さのうち100mmは柄の部分
に内含される構造となる。同様の形状の凹みが設けてあ
る上側金型を下側金型に合わせてプレスし、金型に予め
設けた柄の部分につながる通路に射出成形機から中温硬
化型のエポキシ樹脂を注入した。
【0048】このエポキシ樹脂には、繊維径25μm、
長さ10mmのガラス短繊維が補強材として混入してあ
る。ガラス短繊維の充填率は30%とした。注入の際に
は、金型を80℃に加熱した。このようにして、直径1
0mm、長さ100mmの丸棒部分と、これと一体とな
った柄の部分とを持つプラスチック基材を得た。
【0049】この基材の丸棒部分の表面に、砥粒径が1
50μmのGC砥粒を、常温硬化型のエポキシ樹脂を用
いて接着し、直径10mm、長さ100mmの丸棒状の
研磨加工部分と柄の部分とを持つ丸棒状の研磨工具を得
た。
【0050】
【実施例5】図6に示すような形態の、丸棒状の研磨工
具を作製した。非研磨部加工部分2が直径8mm、長さ
50mm、研磨加工部分1の直線部分が直径10mm、
長さ50mm、この直線部分の両側に設けた、徐々に直
径が8mmになるまで小さくなる部分がそれぞれ長さ1
0mmとなっている丸棒状の形状を、半割りした凹み
と、これに続く柄の部分7の凹みを持つ下側金型と、同
様の形状を持つ上側金型とを合わせてプレスし、射出成
形機から中温硬化型のエポキシ樹脂を注入した。柄の部
分は、研磨加工部分と同軸の、直径15mmの円柱状に
成形した。
【0051】このエポキシ樹脂には、繊維径25μm、
長さ10mmのガラス短繊維が補強材として混入してあ
る。ガラス短繊維の充填率は40wt%とした。注入の
際には、金型を80℃に加熱した。このようにして、研
磨加工部分1の直径が非研磨加工部分2の直径よりも大
きい丸棒状のプラスチック基材を得た。
【0052】この基材の表面に、砥粒径が150μmの
GC砥粒を、常温硬化型のエポキシ樹脂を用いて接着
し、丸棒状の研磨工具を得た。
【0053】
【実施例6】実施例1で得たひも状の研磨工具を用い
て、厚さ20mmの木材に直径1.5mmのドリルであ
けた丸穴の内面の研磨加工を行った。研磨作業は、まず
最初にひも状研磨工具を穴に通し、両側の非研磨部分を
金属製の丸棒に巻き付けて保持して、ひも状研磨工具に
引張りを加えながら左右に移動させて研磨した。
【0054】木材を順次回転させながら研磨加工を行っ
た結果、硬質砥粒を使用してあるため切れ味が極めて良
く、丸穴の内面はきれいに研磨されて、ドリルの送り目
や、ささくれたった木材の繊維も除去できた。
【0055】同様の研磨加工を、サンドペーパーにて行
おうとしたが、穴の直径が小さく内部にサンドペーパを
入れることが出来ず、研磨できなかった。
【0056】
【実施例7】実施例2で得たひも状の研磨工具を用い
て、厚さ70mmの木材に直径2.5mmのドリルであ
けた丸穴の内面の研磨加工を行った。研磨作業は、まず
最初にひも状研磨工具を穴に通し、両側の非研磨部分を
金属製の丸棒に巻き付けて保持しながら、ひも状研磨工
具に引張りを加えながら左右に移動させて研磨した。
【0057】木材を回転させながら研磨加工を行った結
果、硬質砥粒を使用してあるため切れ味が極めて良く、
丸穴の内面はきれいに研磨されて、ドリルの送り目や、
ささくれたった木材の繊維も認められなかった。また、
図3に示すDの部分のダレも極めて少なかった。
【0058】同様の研磨加工を、サンドペーパーにて行
おうとしたが、穴の直径が小さく内部にサンドペーパを
入れることが出来ず、研磨できなかった。
【0059】また、直径が2mmの丸棒状の金ヤスリを
用いた場合は、切刃が金属であるため切れ味が悪く、ま
た直径が小さいため脆弱で、頻繁に金ヤスリが折損して
しまい、研磨が終わるまでに本発明の研磨工具の3倍以
上の時間を要した。さらに、図3に示すDの部分も大き
くダレてしまっていた。
【0060】
【実施例8】実施例3で得た平板状の研磨工具を用い
て、フライス加工したアルミ合金の表面の研磨加工を行
った。アルミ合金の表面には表面粗さRmaxが約7μ
mの粗い切削条痕が残されている。研磨加工の際には、
工作物のアルミ合金を万力を用いて固定し、研磨工具に
体重を預けるようにして研磨作業を行った。仕上げ粗さ
の目標値はRmaxで2μm以下とした。
【0061】比較例として、平板状の金ヤスリを用いて
同様の研磨加工を行った。使用した金ヤスリは、木製の
柄の部分に、先端がくさび状にとがった金属製の研磨加
工部分が打ち込まれた一般に市販されているものであ
る。
【0062】まず、比較例の金ヤスリの場合は、能率良
く研磨加工を行おうとして、体重を預けるようにして研
磨荷重を与えたところ、木製の柄の部分に打ち込まれた
くさびの部分が抜けてしまい、その都度、木製の柄の部
分にくさびを打ち込まざるを得ず、研磨に多大な手間と
時間を要した。
【0063】これに対して、本発明の平板状の研磨工具
の場合は、柄と研磨加工部分とが一体に製作されている
ため、金ヤスリの様に抜けてしまうことはなかった。ま
た、金ヤスリよりも軽量であるため、取り扱いが容易で
あり、かつ切刃が硬質であるため、切れ味が良好で、比
較例の金ヤスリの1/3以下の作業時間で目標の粗さに
達することが出来た。
【0064】
【実施例9】実施例4で得た丸棒状の研磨工具を用い
て、厚さ20mmのアルミ合金に直径11mmのドリル
であけた丸穴の内面の研磨加工を行った。アルミ合金の
表面には表面粗さRmaxが約5μmの粗い切削条痕が
残されている。研磨加工の際は、工作物のアルミ合金を
万力を用いて固定し、研磨工具に体重を預けるようにし
て研磨作業を行った。仕上げ粗さの目標値はRmaxで
1.5μm以下とした。
【0065】比較例として、丸棒状の金ヤスリを用いて
同様の研磨加工を行った。まず、比較例の金ヤスリの場
合は、実施例8の場合と同様に、木製の柄の部分からく
さびの部分が抜けてしまい、その都度、木製の柄の部分
にくさびを打ち込まざるを得ず、研磨に多大な手間と時
間を要した。
【0066】これに対して、本発明の平板状の研磨工具
の場合は、柄と研磨加工部分とが一体に成形されている
ため、金ヤスリの様に抜けてしまうことはなかった。ま
た、金ヤスリよりも軽量であるため、取り扱いが容易で
あり、かつ切刃が硬質であるため、切れ味も良好で、比
較例の金ヤスリの1/4以下の作業時間で目標の粗さに
達することが出来た。
【0067】
【実施例10】実施例5で製作した丸棒状の研磨工具を
用いて、厚さ70mmのアルミ合金に直径11mmのド
リルであけた丸穴の内面の研磨加工を行った。アルミ合
金の表面には表面粗さRmaxが約5μmの粗い切削条
痕が残されている。工作物のアルミ合金はフライス盤の
テーブルに固定し、丸棒状の研磨工具は柄の部分をフラ
イス盤にチャックした。研磨工具を400rpmで回転
させて、テーブルを前後左右に微小移動して丸穴の内面
を研磨した。研磨加工の際には、図6に示す、非研磨加
工部分2のしなり具合を目視で確認しながら、テーブル
の移動量を調整した。
【0068】比較例として、丸棒状の金ヤスリを用いて
同様の研磨加工を試みた。しかし、木製の柄の部分を精
度良くフライス盤のチャックに固定することが難しく、
切刃となる金属部分の振れが大きくなって、危険であっ
たため、フライス盤を用いて加工することが出来なかっ
た。
【0069】したがって、実施例9の金ヤスリの場合と
同様に、工作物を万力に固定して手で研磨した。工作物
が厚いため、研磨加工には極めて多大な時間を要し、実
施例9の金ヤスリの場合の約11倍の時間を必要とし
た。また、穴の外側に近い部分は、図3のDの点線に示
すように、大きくダレてしまっていた。
【0070】これに対して、本発明の丸棒状の研磨工具
の場合は、柄と研磨加工部分とが精度良く一体成形され
ているため、振れが極めて少なく、安定した状態でフラ
イス盤による研磨加工を行うことが出来た。
【0071】また、工具全体が弾性に富んだ繊維強化プ
ラスチックで出来ているため研磨状態を工具のしなりで
判断する事が可能で、かつ、切れ味の良い硬質砥粒を用
いているため極めて能率良く研磨加工を行うことが可能
であった。その結果、比較例の金ヤスリの1/15以下
の作業時間で目標の粗さに達することが出来た。さら
に、穴の外側に近い部分にもダレは認められなかった。
【0072】
【発明の効果】本発明の研磨工具は、高強度で、軽量
で、取り扱いが容易である。本発明の研本発明の研磨工
具は、高強度で、軽量で、取り扱いが容易である。本発
明の研磨工具を用いることにより、直径の小さい穴の内
面から直径の大きな穴の内面や、スリット状に加工され
た孔や溝の内面、そして平面や曲面の研磨加工を能率良
く高精度に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のひも状の研磨工具の形態の例を示す斜
視図である。
【図2】ひも状の研磨工具において、研磨加工部分の直
径が非研磨加工部分の直径よりも大きい場合の形態の例
を示す側面図である。
【図3】穴加工された工作物の例を示す断面図である。
【図4】本発明の平板状の研磨工具の形態の例を示す斜
視図である。
【図5】本発明の丸棒状の研磨工具の形態の例を示す斜
視図である。
【図6】丸棒状の研磨工具において、研磨加工部分の直
径が非研磨加工部分の直径よりも大きい場合の形態の例
を示す側面図である。
【符号の説明】
1…研磨加工部分 2…非研磨加工部分 3…ひも状のプラスチック基材 4…硬質砥粒 5…接着剤 6…平板状のプラスチック基材 7…柄の部分 8…丸棒状のプラスチック基材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化プラスチックからなる基材の表
    面に、硬質砥粒を接着したことを特徴とする研磨工具。
  2. 【請求項2】 ひも状に成形された繊維強化プラスチッ
    ク基材の表面に、硬質砥粒を接着した研磨加工部分を持
    つことを特徴とする請求項1に記載の研磨工具。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のひも状研磨工具におい
    て、研磨加工部分の直径が、非研磨加工部分の直径より
    も大きくなるように成形したことを特徴とする研磨工
    具。
  4. 【請求項4】 平板状に成形された繊維強化プラスチッ
    ク基材の表面に硬質砥粒を接着した研磨加工部分と、こ
    れと一体となるように製作された柄の部分とを持つこと
    を特徴とする請求項1に記載の研磨工具。
  5. 【請求項5】 丸棒状に成形された繊維強化プラスチッ
    ク基材の表面に硬質砥粒を接着した研磨加工部分と、こ
    れと一体となるように製作された柄の部分とを持つこと
    を特徴とする請求項1に記載の研磨工具。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の丸棒状の研磨工具にお
    いて、研磨加工部分の直径が、非研磨加工部分の直径よ
    りも大きくなるように成形したことを特徴とする研磨工
    具。
  7. 【請求項7】 請求項5および請求項6に記載の丸棒状
    の研磨工具において、柄の部分の断面形状が円形になっ
    ており、かつ研磨加工部分と同軸になっていることを特
    徴とする研磨工具。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008264976A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Xebec Technology Co Ltd 板状砥石、金型の加工方法、およびワークの加工方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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