JPH1060047A - N−ビニルアミド重合体及び該重合体の製造方法 - Google Patents

N−ビニルアミド重合体及び該重合体の製造方法

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JPH1060047A
JPH1060047A JP22272996A JP22272996A JPH1060047A JP H1060047 A JPH1060047 A JP H1060047A JP 22272996 A JP22272996 A JP 22272996A JP 22272996 A JP22272996 A JP 22272996A JP H1060047 A JPH1060047 A JP H1060047A
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vinylamide
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vinylacetamide
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JP22272996A
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Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
Akira Hashimoto
昭 橋本
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学的安定性に優れ、特に電解質溶液に影響
を受けることなく増粘性を示し、不溶性成分の懸濁・エ
マルジョンの安定化に寄与し、またアルコール等極性溶
媒に対しても親和性のある水溶性重合体を得ることを目
的とする。 【解決手段】 一般式 CH2 =CHNR1 COR2 (R1 、R2 は、HまたはCH3 )のN−ビニルアミド
を重合させて得られる、20℃における還元粘度が0.
2〜3.0dl/gであるN−ビニルアミド重合体およ
び重合溶媒として、N−ビニルアミドを溶解し、かつN
−ビニルアミド重合体を溶解しない有機溶媒を使用する
N−ビニルアミド重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な水溶性重合
体およびその製造方法に関する。更に詳しくは、化学的
安定性に優れ、特に電解質溶液に影響を受けること無く
増粘性を示し、不溶性成分の懸濁・エマルションの安定
化に寄与し、またアルコール等極性溶媒に対しても親和
性のある水溶性重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水溶性の増粘剤、分散剤とし
てポリカルボン酸をはじめとする高分子電解質が使用さ
れてきた。この高分子電解質は、電解質を含まない水に
対しては優れた増粘性能を示すものの、天然抽出物、界
面活性剤、香料、着色料、捺染用反応性染料、セメント
スラリー等の電解質を多量に含む水性液体に対しては著
しく低い増粘性しか示さないという欠点がある。この様
な現象は電解質の存在下では主鎖の高分子電解質の解離
が抑えられるため鎖の広がりが小さくなった結果として
現れると考えられている。更に多価金属イオンが存在す
る場合は更に主鎖カルボン酸を介してイオン架橋が起こ
り実質的に架橋重合体となることが増粘性能の低下の一
因となる。このような欠点を解決するために、電解質の
影響を実質的に受けない非イオン系の増粘剤が開発され
ている。この非イオン系増粘剤の代表的なものとしてポ
リアクリルアミドやポリビニルアルコールがあるが、ポ
リアクリルアミドは残留モノマーに強い毒性があり、か
つ、容易に加水分解されて性能が低下するといった問題
があるし、ポリビニルアルコールは腐敗しやすく、か
つ、その水溶液が低温でゲル化しやすいなど使用上の問
題がある。
【0003】これらの欠点を克服した非イオン系の増粘
剤として、N−ビニルアミド系の増粘剤が近年開発され
つつある。その製造方法としては、例えば特公平5−5
6763号公報に記載されているようなラジカル重合開
始剤を用いた炭化水素溶媒中での逆相懸濁重合法があ
り、該公報には1.3〜5×106 の平均分子量を有す
るホモポリマーが得られたと記載されている。その他の
製造方法として、カチオン重合により600〜2500
の比較的低分子量のN−ビニルアミド重合体を得る方法
(特開平6−157670号公報)、還元粘度0.00
1〜0.04dl/g(分子量に換算すると約200〜
2000)のN−ビニルホルムアミドオリゴマーをカチ
オン重合法により得る方法(特開平6−228232号
公報)などがある。また、この様にして得られる重合体
およびオリゴマーは、その分子量に応じて水処理、三次
油採取、および製紙の分野、塗料、インキ、接着剤、樹
脂の改質剤等の分野で用いられるとしている。
【0004】また、分子量が中程度のN−ビニルアミド
重合体の製造例としては、例えば、ラジカル重合開始剤
存在下でN−ビニルホルムアミドを重合し、還元粘度が
約0.04dl/gより大きいN−ビニルホルムアミド
を得る方法(特開昭58−23809号公報)、メタノ
ールなどの重合溶媒を用いてN−ビニルアセトアミドを
ラジカル重合し、分子量4000〜85万のN−ビニル
アセトアミド重合体を得る方法(米国特許第40188
26号)などが開示されている。しかしながらこれらの
製造例では、得られる重合体がある幅広い分子量範囲内
にあると記載されているだけであり、例えば分子量数十
万の重合体を製造するためにはどの様な重合処方とした
らよいかについては全く記載がない。尚、増粘剤として
の機能を考えた場合、用途によってはオリゴマーでは増
粘性が不足するためもう少し分子量の大きなものが必要
であり、また、分子量数百万では凝集作用があり、不溶
性成分の懸濁・エマルジョン安定化は成し得ないという
のが現状であり、分子量数十万の重合体が特に性能を発
揮することがある。さらに、特開平6−228232号
公報には、N−ビニルホルムアミドが溶解し、かつ、オ
リゴマーは溶解しない(析出する)有機溶媒中でプロト
ン酸の存在下カチオン重合する沈澱重合法が開示されて
いるが、この重合法の重合開始剤はプロトン酸であり、
ラジカル重合開始剤を用いたものではないし、得られる
重合体も該公報ではオリゴマーであって分子量数十万の
重合体が得られるという例示はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑み、電解質溶液でも増粘性能が高く、化学的に安定
で、さらにアルコール等の極性溶媒に対しても親和性の
ある、特定の分子量を有する新規水溶性重合体、および
該重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の分
子量範囲のN−ビニルアミド重合体が様々な用途に有用
であり、また、特定の有機溶媒中でN−ビニルアミドを
ラジカル重合することにより該重合体が効率よく得られ
ることを見いだし本発明に到達した。
【0007】すなわち本発明は、(1)下記一般式
(I)で示されるN−ビニルアミドを重合させて得られ
る20℃における還元粘度が0.2〜3.0dl/gで
あるN−ビニルアミド重合体に関し、 CH2 =CHNR1 COR2 (I) (式中、R1 およびR2 は、それぞれ同一でも相異なっ
ていてもよく、水素原子またはメチル基を表す。) (2)前記N−ビニルアミド重合体の製造方法におい
て、重合溶媒として、前記N−ビニルアミドを溶解し、
かつN−ビニルアミド重合体を溶解しない有機溶媒を使
用することを特徴とするN−ビニルアミド重合体の製造
方法に関し、(3)前記N−ビニルアミドがN−ビニル
アセトアミドである(1)の重合体に関し、および
(4)前記N−ビニルアミドがN−ビニルアセトアミド
である(2)の製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明を説明す
る。本発明の重合体は上記一般式(I)で表される化合
物から導かれる構造単位から構成されており、原料とな
るN−ビニルアミドとしてはN−ビニルホルムアミド
、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニル
ホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミドが
挙げられるが、N−ビニルホルムアミドやN−メチル−
N−ビニルホルムアミドは比較的容易に加水分解されて
しまい増粘剤として安定的に使用できないので、N−ビ
ニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミ
ドを使用することが好ましく、N−ビニルアセトアミド
が特に好ましい。N−ビニルアミドが主成分であり、そ
の重合体が実質的にN−ビニルアミド重合体の性質を有
する限り、原料にN−ビニルアミド以外のエチレン性不
飽和モノマーを添加しても良い。
【0009】N−ビニルアミドを重合して得られる本発
明の重合体は、ポリカルボン酸等、従来の高分子電解質
系の重合体に比べ、化学的安定性に優れ、特に電解質溶
液の影響を受けること無く増粘する性能を示し、またア
ルコール等極性溶媒に対しても親和性がある。これは重
合体鎖に非イオン性である一般式(I)で示される化合
物から導かれる構成単位を主成分として含むために従来
の高分子電解質であるポリカルボン酸系のものと異な
り、無機塩等の電解質やpHの影響で重合体主鎖の広が
りが妨げられることが無く、更に多価金属イオンが存在
する場合にカルボン酸を介してイオン架橋が起こり見か
け上架橋した重合体となるために増粘性能の低下を示す
ようなことも無いためである。また一般式(I)の重合
体はポリカルボン酸の様に光や熱により容易に分解する
ことも無く化学的安定性が高いため、水溶液での増粘性
能が長期間に渡って保たれる。
【0010】本発明のN−ビニルアミド重合体を製造す
るには、N−ビニルアミドが溶解し、かつ、その重合体
は溶解しない(析出する)有機溶媒中でラジカル重合開
始剤を用いて重合する沈澱重合法が特に好適である。こ
の際使用できる有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、酢酸イソプロピル、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン、
アセトニトリル、メチルピロリドン等、N−ビニルアミ
ドを溶解し、N−ビニルアミド重合体を溶解しない有機
溶媒であればあらゆる溶媒が使用可能である。また、こ
れらの有機溶媒は分子量の調節等必要に応じて混合して
使用することも可能であり、水、メタノール、エタノー
ル等のN−ビニルアミド重合体を溶解する溶媒を少量
(例えば10重量%未満)混合して使用することも可能
である。重合する際のN−ビニルアミド濃度は通常1〜
40重量%、好ましくは5〜20重量%である。
【0011】ラジカル重合開始剤としては該有機溶媒に
溶解するものであればいかなる化合物でもよく、一例を
挙げればアゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾ
ビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニ
トリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニト
リル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カ
ルボニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メ
チルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキサイド、タ
ーシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ジ(2−エ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート)の様なものが
ある。重合開始剤の添加量は、N−ビニルアミドに対し
て0.01〜10重量%、好ましくは、0.05〜5重
量%である。さらに、目的とする適度な粘度のものを得
るために、ブチルメルカプタン、ドデカンチオール、ブ
ロモトリクロロメタン、イソプロパノール、チオグリコ
ール酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等の連鎖
移動剤を添加することもできる。連鎖移動剤の添加量と
しては、N−ビニルアミドに対して0.001〜10重
量%、好ましくは、0.01〜5重量%であり、10重
量%以上添加してもそれ以上の連鎖移動効果は得られな
い。 また、重合温度としては、30℃以上から使用す
る有機溶媒の沸点の範囲で適宜選択される。重合温度が
低すぎると重合終了までに長時間を有し、また、重合体
の収率の低下の原因となることがあるため好ましくな
く、好ましくは40℃以上、特に好ましくは有機溶媒の
沸点付近の温度である。また、必要に応じて有機溶媒中
の溶存酸素を脱気してから重合を行うこともできるし、
有機溶媒の沸点付近で重合を行う場合には特に脱気せず
重合を行うこともできる。
【0012】以上の様にして沈澱重合法により得られた
N−ビニルアミド重合体は、通常凝集剤用途の重合体等
を製造するために水溶液塊状重合法により得られたゲル
を乾燥、粉砕した粉末状の製品や、逆相懸濁重合法から
得られたビーズ状の製品とは違い、非常に微粉末な製品
(通常粒径は数μm以下)であり、かつ、その分子量が
適度に制御されるているため水中及び有機溶媒中で最適
な増粘性能を発揮する。さらに、沈澱重合法では、重合
体が有機溶媒中に沈澱物として得られるため、濾過等に
より容易に粉末状態のものが得られる。従来行われてき
た水溶液重合法等でも、連鎖移動剤、重合開始剤を多量
に用いて重合を行なえば、分子量数十万のN−ビニルア
ミド重合体を得ることが全く不可能であるとは言えない
が、まず第一に連鎖移動剤、重合開始剤に多大なコスト
がかかり、また、その分子量の制御は非常に難しく、さ
らに、重合体は溶媒に溶解した低濃度の液体状態で得ら
れるため、粉末状態にするためには再沈澱等を行なう必
要があり操作が煩雑であって、経済的観点からこの重合
法を採用することは不可能である。
【0013】以上の本発明の方法で得られるN−ビニル
アミド重合体は、いずれも水や多価アルコールを含む種
々のアルコール等の極性溶媒に溶解し、適度に増粘した
粘稠液を与える。得られたN−ビニルアミド重合体の還
元粘度は、1N食塩水を用いて重合体を1.0g/dl
の溶液に調整し、その溶液の20℃でのキャノンフェン
スケ粘度計により測定したときに、0.2〜3.0dl
/gの範囲にある。この還元粘度が、0.2dl/gよ
り低いと目的とする増粘性能が得られず、3.0dl/
gより高いと凝集作用により分散物の安定化が図れな
い。尚、還元粘度0.2〜3.0dl/gの重合体をゲ
ルパーミエイションクロマトグラフィーで分析すると、
プルラン換算での重量平均分子量が10万〜60万の範
囲にあった。本発明に係るN−ビニルアミド重合体は、
塩化ナトリウム、塩化カルシウム等を加えても粘度の低
下が起こらないため無機塩等を含む各種水溶液に対して
も効果が発揮され、また、ある種の有機溶媒にも溶解す
る。さらに、化学的安定性に優れる。該重合体は増粘効
果、分散効果等の機能を利用した様々な用途に使用で
き、その具体例を列挙すれば次の通りである。
【0014】(1) 化粧品、例えばシャンプーやリンスや
ローションのような化粧品の乳化安定剤、潤滑剤、乳化
型化粧料(乳化剤として使用)、皮膜型パック剤、セッ
ト剤、(2) メディカル分野、例えば薬剤保持・徐放(例
えば錠剤(徐放性薬剤)、腸溶性薬剤、パップ剤用の基
材、外用軟膏剤、薬剤放出制御製剤、胃内浮遊徐放性製
剤、粘膜投与製剤、外皮用組成物(医療用フィルム)、
創傷被覆保護材、口腔(歯科用材料、口腔用吸収剤、歯
間清掃具)、消毒用オートクレープで加熱され反復使用
される尿道カテーテル・浣腸器などの医療器具用潤滑
剤、診断薬の粘度調整剤、(3) トイレタリー製品、例え
ば液体洗剤(衣料用、台所用、トイレ・タイル用)、歯
磨き、クレンザー、柔軟仕上げ剤、(4) 農園芸用途、例
えば種子の発芽・生長助材、(例えば野菜、花等の種子
の播種助材、種子の発芽促進材、種子コーティング
剤)、植物の生長培地用(例えば育苗床、土壌改良、植
物栽培用保水剤、菌種等の培養基材)植物への薬剤投与
方法(例えば樹幹への薬剤投与デバイス、農薬徐放
剤)、その他(例えば、防霜用被覆材、結露防止材
料)、(5) 工業用増粘剤、例えば捺染糊剤(反応性染
料、分散染料、媒染染料等を用いる捺染糊剤)、カーペ
トのバッキング糊剤、経糸糊剤、塗料、インキ(6) 粘着
剤及びその助剤、(7) 土木・建築用、例えば急斜面の緑
化方法、土質改質剤、(8) その他、例えば芳香消臭剤、
無機塩溶液類の吸収剤、乾燥剤、発酵助剤、パッキン用
材料、水膨張性塗料、船底防汚塗料、古壁等の剥離剤、
糸巻ゴルフボールの芯材、玩具、汗取り装身具、超音波
探傷用接触媒質、超音波探触子、電池・センサー等の電
解質支持体、以上のように、広い分野に好適に使用する
ことができる。
【0015】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて、本発明を
さらに詳細に説明するが、勿論これらに限定されるもの
ではない。なお、実施例及び比較例において「部」は、
特に断わらない限り「重量部」を示す。
【0016】実施例1 N−ビニルアセトアミド100部を、酢酸エチル900
部に溶かし、これを沸騰させ、ラジカル重合開始剤とし
てアゾビスイソブチロニトリル0.002部を加え、そ
のまま沸騰の状態を保った。重合が進行するにしたがっ
て、生成したN−ビニルアミド重合体が酢酸エチル中に
析出してくるのでくるので、そのまま3時間保持した。
放冷後重合体を吸引濾過し、50℃、24時間真空乾燥
して解砕することにより微粉末状のN−ビニルアミド重
合体98部を得た。この重合体の性能を中性付近(pH
6〜8)の1%脱イオン水溶液の粘度により評価した。
この結果を表1に示した。さらにその溶液に塩化ナトリ
ウム、塩化カルシウムを添加した時の耐塩性能をその粘
度によって評価した。この結果を表2に示した。
【0017】[脱イオン水溶液粘度測定法]200mL
のトールビーカーに精製水198gを入れ、激しく攬拌
しながら実施例で得られた重合体2gを塊ができないよ
うにきれいに分散・溶解させる。このようにして得られ
た1%脱イオン水溶液の粘度を、BL型粘度計を用いN
o.1ローター、 30rpm 、20℃の条件で測定した。 [耐塩性試験]脱イオン水溶液粘度測定法で調製した1
%脱イオン水溶液に、表2に示すような液中の固形分濃
度となるようにNaCl、CaCl2 を添加し溶解させ
て、B型回転粘度計にて水溶液の粘度を測定した。
【0018】[還元粘度]試料重合体を、1N塩化ナト
リウム水溶液を用いて1.0g/dlの溶液に調整し、
その溶液の20℃での還元粘度をキャノンフェンスケ型
粘度計により測定した。 [重量平均分子量]試料重合体を以下の測定条件でゲル
パーミエイションクロマトグラフィーで分析し、プルラ
ン換算での値を求めた。尚、プルランは昭和電工(株)
製の検量線作成用プルランを用いた。 測定条件 カラム Shodex SB-805HQ+SB-802.5HQ+SB-802HQ 測定温度 40℃ 移動相 脱イオン水 流速 1.0ml/min 検出器 示差屈折率計 Shodex RI−71 試料濃度 400ppm 注入量 100μl
【0019】実施例2 N−ビニルアセトアミドに代えてN−ビニルホルムアミ
ドを用いた以外は、実施例1と同様にして重合体を得
た。増粘性能、耐塩性能の試験結果を表1及び表2に示
した。
【0020】実施例3 重合溶媒を酢酸エチルに代えてベンゼンを用いた以外
は、実施例1と全く同様に反応を行い、実施例1と同様
にして重合体を得た。増粘性能、耐塩性能の試験結果を
表1及び表2に示した。
【0021】実施例4 N−ビニルアセトアミド100部、連鎖移動剤としてチ
オグリコール酸0.5部、酢酸エチル900部に溶か
し、これを沸騰させ、ラジカル重合開始剤としてアゾビ
スイソブチロニトリル0.002部を加え、そのまま沸
騰の状態を保った。重合が進行するにしたがって、生成
したポリマーが酢酸エチル中に析出してきた。その後、
実施例1と同様にして重合体を得た。増粘性能、耐塩性
能の試験結果を表1及び表2に示した。
【0022】実施例5 連鎖移動剤として、チオグリコール酸に代えてブチルメ
ルカプタンを用いた以外は、実施例4と全く同様に反応
を行った。増粘性能、耐塩性能の試験結果を表1及び表
2に示した。
【0023】実施例6 N−ビニルアセトアミド100部を、酢酸エチル900
部に溶かし、この溶液に窒素を1l/minで30分間
バブリングさせた後70℃に昇温させ、ラジカル重合開
始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.002部を
加え、そのまま窒素雰囲気下70℃の状態を保った。重
合が進行するにしたがって、生成したポリマーが酢酸エ
チル中に析出してきた。その後、実施例1と同様にして
重合体を得た。増粘性能、耐塩性能の試験結果を表1及
び表2に示した。
【0024】比較例 N−ビニルアセトアミド100部を、脱イオン水900
部に溶かし、この溶液に窒素を1l/minで60分間
バブリングさせた後50℃に昇温させ、ラジカル重合開
始剤として2,2’−アゾビスアミジノプロパン塩酸塩
2部と連鎖移動剤としてチオグリコール酸1部を加え、
そのまま3時間窒素雰囲気下50℃の状態を保った。得
られた重合体の粘稠な液体を強撹拌下で5000部のア
セトンに注ぎ、析出した重合体を50℃、24時間真空
乾燥、その後粉砕して粉末状の重合体を得た。増粘性能
の試験結果を表1に示した。
【0025】 〔表1〕 還元粘度 水溶液粘度 重量平均分子量 (dl/g) (cps) 実施例1の重合体 1.51 5.1 39万 実施例2 〃 1.48 5.1 38万 実施例3 〃 1.36 4.9 36万 実施例4 〃 0.601 4.0 27万 実施例5 〃 0.610 4.0 28万 実施例6 〃 1.65 5.3 43万 比較例 の重合体 4.21 6.4 80万
【0026】 〔表2〕 耐塩性試験 (1)NaCl NaCl濃度(重量%) 5% 10% 20% 実施例1の重合体 5.1 5.1 5.5 実施例2 〃 5.1 5.1 5.5 実施例3 〃 4.9 4.9 5.4 実施例4 〃 4.0 4.0 4.4 実施例5 〃 4.0 4.0 4.1 実施例6 〃 5.3 5.3 5.2 ポリアクリル酸ナトリウム 4.8 2.3 1.9
【0027】 (2)CaCl2 CaCl2 濃度(重量%) 5% 10% 20% 実施例1の重合体 5.1 5.0 5.6 実施例2 〃 5.1 5.0 5.7 実施例3 〃 4.9 4.8 5.5 実施例4 〃 4.0 3.8 4.4 実施例5 〃 4.0 3.9 4.2 実施例6 〃 5.3 5.3 5.6 ポリアクリル酸ナトリウム 沈 澱 沈 澱 沈 澱 (ポリアクリル酸ナトリウム水溶液にCaCl2 を添加
したところ重合体が沈澱してしまったため、水溶液粘度
は測定できなかった。)
【0028】
【発明の効果】本発明によると入手容易な安価なN−ビ
ニルアミド化合物から簡便な方法で造られる、電解質水
溶液または、極性有機溶媒に対して親和性が優れ、増粘
性能の良好なN−ビニルアミド重合体が提供される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるN−ビニル
    アミドを重合させて得られる、20℃における還元粘度
    が0.2〜3.0dl/gであるN−ビニルアミド重合
    体。 CH2 =CHNR1 COR2 (I) (式中、R1 およびR2 は、それぞれ同一でも相異なっ
    ていてもよく、水素原子またはメチル基を表す。)
  2. 【請求項2】 前記N−ビニルアミド重合体の製造方法
    において、重合溶媒として、前記N−ビニルアミドを溶
    解し、かつN−ビニルアミド重合体を溶解しない有機溶
    媒を使用することを特徴とするN−ビニルアミド重合体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記N−ビニルアミドがN−ビニルアセ
    トアミドである請求項1記載の重合体。
  4. 【請求項4】 前記N−ビニルアミドがN−ビニルアセ
    トアミドである請求項2記載の製造方法。
JP22272996A 1996-08-23 1996-08-23 N−ビニルアミド重合体及び該重合体の製造方法 Pending JPH1060047A (ja)

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