JPH1058576A - 多機能性滑り止め基材シート - Google Patents

多機能性滑り止め基材シート

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JPH1058576A
JPH1058576A JP24118696A JP24118696A JPH1058576A JP H1058576 A JPH1058576 A JP H1058576A JP 24118696 A JP24118696 A JP 24118696A JP 24118696 A JP24118696 A JP 24118696A JP H1058576 A JPH1058576 A JP H1058576A
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Takashi Tomonaga
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で柔軟性、弾力性を有し、防水性のほ
か、吸水性、耐湿熱アルカリ性、耐洗濯性、抗菌性、防
炎性等を備えた多機能性滑り止め基材シ−トを提供す
る。 【構成】 織布、編布又は不織布等の基材シ−トの少な
くとも片面に、熱膨張性マイクロカプセル粒子を混在さ
せた反応官能基を有するジエン系液状ポリマ−を主成分
とする熱硬化性樹脂組成物を塗布し、該樹脂層の硬化と
同時に前記マイクロカプセル粒子を発泡せしめた熱硬化
性バインダ−樹脂層を設けた構成とする。 【効果】 椅子、クッション等の室内装置品、玄関マッ
ト、車輌内装材の他、老人等の在宅養護者用、病院等で
の医療材料、養護施設用等の使用に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多機能性滑り止め基材シ
−トに関し、軽量で柔軟性、弾力性を有し、防水性のほ
か、吸水性、耐湿熱アルカリ性、耐洗濯性ならびに抗菌
性、防炎性等と併せ、表面摩擦滑り止めの度合い迄を少
許制御できる多機能性滑り止め基材シ−トに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マット等の敷物を室内、廊下や階
段に置いたような合、マット等が自重や僅かの荷重で定
位置より辷ったり、ずれたり或いはその上を人が歩行す
る際にに敷物が滑って移動し、特に高齢化時代では人の
転倒も発生し易い環境にある。また、食器やコップ等の
台所用品の持ち運びや或いはマイカ−の運転席前部に置
いたような場合、わずかの傾斜で滑り動いて転倒或いは
転落したり、食器等が滑動する等の不都合は日常度々経
験するところである。このような不都合を防止するため
に、滑り止め基材として、裏面に粘着性をもった材料に
よる防滑加工、摩擦係数が大きいゴム様柔軟材、或いは
弾性発泡シ−トや、樹脂ラテックスで被覆されたシ−ト
材料等を用い、これによってシ−ト状材料の裏面の摩擦
抵抗を増大させる加工等が行われている。例えば特公昭
55−12251号公報でシ−ト材料の辷り防止用下敷
ネット、特公平3−29301号公報ではスベリ止めシ
−ト材等のごとく、ゴム、或いは塩化ビニ−ル樹脂或い
はアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等のいわゆるソ
フトタイプの粘着度の強い樹脂等の層を織物、編物、紙
等の裏面に塗布または層着したもの、また、シ−ト材料
の裏面に粘着性の高い材料による防滑加工、摩擦係数の
大きいゴム様柔軟材、或いは発泡シ−トや樹脂ラテック
スで被覆したシ−ト材料等を用い、シ−ト材料の摩擦抵
抗を増大させる加工等が提案されている。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、上記の
裏面加工を施したものでは、柔軟性がない、風合いや感
触が劣り、簡単に洗濯ができない、或いは吸水性が劣る
等の多くの欠点をもっている。特に一般家庭用でも玄関
マット、風呂マット等は素足で踏むのでソフトな感触が
要求され、頻繁な洗濯が必要で、また、吸水性が望まれ
ている。さらに、花瓶等の室内装置品は室内の美観とを
兼ね、敷物等の上に置かれることが多い。また、現今の
マイカ−時代や飲料等の自動販売機の普及で運転席前部
等に置いた飲料缶等が転倒することも少なくない。さら
に従来の発泡層を有する基材では、外圧や摩擦によって
発泡体の変形や破壊し易く、また、発泡層が薄いのと熱
可塑性樹脂が用いられているので、耐熱性が悪く、防音
材や断熱材として用いることができなかった。さらに、
近年では滑り止めが顕著に改善される一方で、返って滑
り止め度合いが過剰に働くために滑動が妨げられ、滑り
度合いの過剰による載置物品の転倒防止迄も含めた多機
能型ないし複合型の滑り止め基材シ−トの改善が望まれ
ている。
【0004】また、上記弾性含泡シ−トは、それ自体の
強度が低く、嵩高である為、その用途や寸法に限度があ
り、通常変形に対する自由度が比較的低く、かつ辷べり
防止効果が十分でない欠点がある。このため、これらの
発泡体シ−ト等では、外圧によって破壊し易く、崩れて
しまう難点があり、滑り止めや止着効果が著しく減殺さ
れる等の欠点があった。このように、特に発泡体シ−ト
では、一般に変形に対する自由度が高く、その表面に凹
凸状態を形成し易い複雑な表面を有するため摩擦抵抗が
高いとはいえ、被覆層自体の堅牢性が劣り、さらに風合
い洗濯適性や、経時変化が劣るといった難点があった。
そして、滑り止めシ−ト材料としては、滑り止め効果は
もとより、さらに防水性や、湿熱アルカリ性、耐洗濯
性、或いは吸水性の他、用途上での風合い感触のほか、
近年での社会事情からも特に抗菌性や防炎性等も併せ備
えた多機能型の滑り止め基材シ−トが望まれている。
【0005】本発明は、軽量で柔軟性、弾力性を有し、
防水性、耐湿熱アルカリ性、耐洗濯性、吸水性、ならび
に抗菌性、防炎性等の多機能を併せ備え、車輌内装材
料、インテリア材料、服飾、包装材料、電気材料、スポ
−ツ用品材料、医療材料、船舶材料、航空関係、その他
産業資材関係等の広い分野に好適に用いることができる
多機能を備えた滑り止め基材シ−トを得ることを課題と
している。
【0006】本発明は、織布、編布又は不織布、フェル
ト、紙等からなる基材上の少なくとも片面に、熱膨張性
マイクロカプセル粒子が混在している熱硬化性バインダ
−樹脂層を設けたことを特徴とする多機能性滑り止め基
材シ−トを提供することを目的としている。また、本発
明の第二の目的は、優れた滑り止め効果の改善と、防水
性、耐湿熱アルカリ性、吸水性などの諸機能と併せ、必
要により表面摩擦での滑動開始角度を少許制御できる自
由度により滑り度合いを調整し、合成樹脂成形品等での
表面の滑り止め度合いの過剰による載置物品の転倒防止
を図る複合機能部材とし、実質的に多機能性を有する滑
り止め基材シ−トを工業的有利に得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為、
本発明では(1)基材シ−トには、布帛等の柔軟性を有
するシ−ト状基材を採択する。これにより従来裏面滑り
止め加工を施したもので、柔軟性がない、感触がよくな
い、簡単に洗濯できない、両面使用ができない等の欠点
の改良につながる。(2)熱硬化性樹脂組成物には反応
性活性水素の如き反応性官能基を有するジエン系液状ポ
リマ−を主成分とする熱硬化性樹脂組成物を採択する。
その皮膜は、耐熱性、耐熱アルカリ性に優れており、ま
た、極性基を有しているので、布帛等の基材シ−トに対
する接着力が優れている為、耐久性のある防水機能を付
与できる。(3)熱膨張マイクロカプセルは、通常20
〜80μより稍低い領域の平均粒径20〜40μを採択
し、かつ膨張開始温度も通常の熱処理温度130〜15
0℃に対し、稍低い領域の110〜130℃の範囲で熱
処理を行う。これによって該熱硬化性樹脂組成物中の熱
膨張マイクロカプセル粒子の発泡形成では、可及的表面
積の増加ないし均等化による摩擦抵抗の向上を図り得る
と共に、耐久性ならびに接着性を併有させ、発泡体の強
度、発泡倍率および塗工に作用し、発泡体の強度を高く
する。また、極性基をもった熱硬化性樹脂を採択するた
め、熱硬化性樹脂バインダ−層との親和性ならびに接着
力の向上を図る。(4)また、防水性等の他、吸水性や
抗菌性、防炎性等の多機能が望まれる用途では、適宜そ
の機能を付与し得る吸水剤や抗菌剤、防炎剤等を配合す
ることによって達成することができる。ただし、たとえ
ば充填剤を配合するようなとき、吸着水等の影響で製品
に発泡が生じる場合があるが、このような発泡現象防止
には、散水性に富む吸水性充填剤を剤などを単独または
2種類以上併用して使用する等、望まれる各種機能を付
与する為の配合及び組み合わせを採択することができ
る。
【0008】上記構成での熱硬化性バインダ−樹脂層で
は、表面摩擦の滑動テストの場合、滑動開始角度は滑り
止め加工なしでは約25〜30度、市販滑り止めでは約
40〜45度であるのに対し、本発明での好適な工程結
合によれば、平均滑動開始角度を少なくとも約50度以
上、好適には約60度以上を達成することができる。
【0009】さらに、本発明では、柔軟性を有する基材
シ−トの選択、ならびに熱硬化性樹脂組成物配合、熱膨
張マイクロカプセルの選択および粒子径、膨張開始温度
の設定等の要素の特定、及びこれらの組み合わせにかか
る工程結合により、例えば食器、コップ等をトレ−に載
置して移動する場合の難点である表面滑り止めの度合い
の過剰による転倒防止のため、裏面側の平均滑動開始角
度を少なくとも約50度以上、好ましくは約60度以上
とし、一方、表面側の熱硬化性バインダ−樹脂層での滑
動開始角度を約40度近傍のやや低めに設定し、表面摩
擦を少許制御できる自由度を利用し、表面滑り止めの度
合いの過剰による、たとえばトレ−等の合成樹脂成形品
の表面での載置物品の転倒防止迄を図った複合機能を併
せ備えた多機能性滑り止め基材シ−トの構成とすること
ができる。
【0010】このように、本発明においては、必要によ
り滑り止め材の別途欠点として改良が望まれ、実用上食
器等の滑り止め度合いが適当ないし最適に制御、設定で
きる構成、つまり表面滑り止め度合いの過剰による載置
物品の転倒防止のごとき滑り止め過剰現象の防止迄を図
り得る為、上記のごとき複合機能を発揮し得る滑り止め
基材シ−トの構成とすることができる。
【0011】すなわち、合成樹脂成形品として、熱可塑
性ポリウレタンエラストマ−層等のごとき滑り止め合成
樹脂成形品で、実用上理想的に制御されているとみられ
る食器、トレ−等の滑動開始角度約40度近傍に制御さ
れているが、本発明においても、必要によりほぼ均等の
滑動開始角度約40度近傍まで少許制御できる為、これ
によって滑り止め過剰防止のごとき複合機能部材の構成
とすることができる。上記のように、本発明は、優れた
滑り止め効果の改善と共に、軽量で柔軟性、弾力性を有
し、防水性のほか、耐湿熱アルカリ性、耐洗濯性、抗菌
性、防炎性等の多機能に加え、さらに表面滑り止めの度
合いを少許制御した複合機能を発揮し得る構成とした滑
り止め基材シ−トを得ることができるものである。
【0012】本発明において、バインダ−層とは、バイ
ンダ−成分を含有する層を意味し、ここでバインダ−成
分とは、反応性官能基を有する液状ポリマ−組成物を架
橋剤により架橋させることにより三次元網目模様を形成
する熱硬化性樹脂組成物である。また、液状ポリマ−組
成物とは、室温で流動性のある液状ポリマ−に熱膨張性
マイクロカプセル粒子、粉末充填剤、粘度調整材、反応
調整材等を含有するものである。
【0013】さらに、本発明で液状ポリマ−とは、分子
両末端に水酸基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプ
ト基、エポキシ基などの架橋を形成し得る官能基を有す
る平均分子量500〜10000のポリブタジェン、ポ
リイソプレン、ポリプロピレン、ポリクロロプレン、ポ
リテトラメチレン等、及びこれらの共重合ポリマ−、さ
らにこれらの2種類以上の混合物で例示される。この液
状ポリマ−において、たとえば分子末端に水酸基をもつ
液状ポリブタジエンで分子末端にアリル型1級OHを有
する反応性の高い液状ポリマ−が好ましい。
【0014】上記液状ポリマ−の物性を改良するため
に、必要により補足的にポリオ−ル、ポリアミン、ポリ
カルボン酸など、たとえばグリセリン、ポリエチレング
リコ−ル、4,4´−メチレン−ビス(2−ヒドロキシ
プロパノ−ル)アニリン、ポリプロピレングリコ−ル、
1,4ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ヒド
ロピバリン酸ネオペンチルグリコ−ルエステルなどを液
状ポリマ−100重量部当り0〜50重量部の割合で添
加してもよい。
【0015】本発明の液状ポリマ−には、さらに物性改
良のため一般に使用される配合成分として、充填剤、吸
水剤、反応調節剤、架橋剤、老化防止剤、着色剤等をブ
レンドし使用することができる。
【0016】上記充填剤としては、炭酸カルシウム、活
性炭酸カルシウム、クレ−、ホワイトカ−ボン、各種カ
−ボンブラック、水酸化アルミニウム、亜鉛華、硫酸ア
ルミニウム、タルク、炭酸マグネシウム、マイカ等の無
機粉末、着色顔料粉末、及び粘度調整用粉末等が挙げら
れる。配合量は、液状ポリマ−100重量部に対し5〜
150重量部である。好ましくは15〜100重量部で
ある。
【0017】また、特に上記の吸水性の機能が必要とさ
れる場合には、例えばデンプン−アクリル酸グラフト重
合体、カルボキシメチルセルロ−スの架橋体、ポリビニ
ルアルコ−ル架橋重合体、ポリエチレングリコ−ル・ジ
アクリレ−ト重合体、無水マレイン酸系重合体、その他
エステル系ポリマ−等より選ばれた吸水性ポリマ−が使
用できる。配合量は、液状ポリマ−100重量部に対
し、2〜50重量部である。好ましくは5〜20重量部
である。
【0018】本発明で使用する熱膨張性マイクロカプセ
ル粒子は、過熱により膨張するガス成分をマイクロカプ
セル化して得られるものであり、例えば、特公昭42−
26524号公報,揮発性流体発泡剤を含む膨張性熱可
塑性重合体粒子での記載によって製造できる。すなわ
ち、液状揮発性の膨張剤を個々に内包した単一細胞状の
熱可塑性樹脂状粒子を得ることにより達成できるが、配
合量は1〜20重量部であり、好ましくは3〜10重量
部である。
【0019】本発明に使用する架橋剤としては、トルエ
ンジイソシアネ−ト、4,4´ジフェニルメタンジイソ
シアネ−ト、キシレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレ
ンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト等及
びこれらのプレポリマ−のポリイソシアネ−ト化合物が
適当である。このような架橋剤は液状ポリマ−組成物1
00重量部に対し1〜30重量部である。好ましくは3
〜20重量部である。
【0020】次に、反応調整材は、ステアリン酸鉛、オ
クテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ジブチルスズジラウ
レ−ト等の金属化合物、トリエチレンジアミン、テトラ
メチルエチレンジアミン等のような3級アミン化合物が
適当である。この場合、反応調整材は、液状ポリマ−組
成物100重量部に対し0.5〜5.0重量部で使用す
るのが好ましい。
【0021】
【実施例】以下実施例を挙げて説明する。 実施例1 ポリエステル フィラメント 250デニ−ル,250
d×250d(組織,密度53×47)基布の裏面に、
下記熱硬化性樹脂組成物配合液をドクタ−ナイフでコ−
ティング塗布する。塗布量は、50〜200g/m2
あった。次いで、乾燥温度110〜140℃で熱処理を
施し、該熱硬化性樹脂組成物配合液中に混在した熱膨張
性マイクロカプセル粒子(平均粒径20〜40μ)、膨
張開始温度110〜130℃で膨張させ基材上に熱硬化
性バインダ−樹脂層を設けた。 熱硬化性樹脂組成物配合 末端水酸基液状ポリブタジエン(米国ARCO社)35〜55(重量部) PTMG変性ポリオ−ル(三菱化学) 10〜30 熱膨張性マイクロカプセル(日本フエライト) 4〜15 タルク一号(タルク粉末) 5〜10 ネオライトSP−U(変性炭酸カルシウム) 10〜20 ポリエ−スS−40C(エチレン酢ビ樹脂) 2〜6 老化防止剤 1〜3 オクチル酸塩(架橋促進剤) 1〜3 架橋剤(パラフェニレンジイソシアネ−ト) 4〜15
【0022】上記処理によって、適度の柔軟性と防水
性、耐久性並びに耐洗濯性の多機能を有する滑り止めシ
−トが得られた。 1)滑り止め性では、通常滑り出す時の角度を記録する
滑性テストが行われているが、滑動開始角度が未加工ブ
ランクでは25〜30度、市販滑り止め品では、40〜
45度のところ、実施例1では、滑動開始角度は60度
であり、好ましい滑り防止効果が得られた。 2)防水性能では、耐水度JIS L−1092,50
00mm以上であった。 3)湿熱アルカリ性では、3%苛性ソ−ダ/95℃×1
6時間浸漬、煮沸の物理性能及び接着性能の低下のごと
き異状はみられなかった。 4)耐洗濯性では、JIS L−1042,1959に
準拠し、テストの結果、洗濯後異状はなかった。 5)また、風合いは、ゴム剛性があり、柔軟性を保持し
ていることが判った。 6)耐磨耗性は、学振型摩擦試験機により荷重1kgで
往復1000回の摩擦試験を行ったところ、剥離は何ら
認められず異状なかった。市販品では300回で剥離開
始が認められる。 なお、表面摩擦は表面平滑な台板上に10cm×10c
mの試料を取り付け、その上に天秤分銅の1kgを置き
台板を傾斜させたときの滑動開始角度を測定することに
より行った。
【0023】上記により得られた滑り止め基材シ−ト
は、防水性と、軽量で適度な柔軟性、耐熱アルカリ性、
耐洗濯性を有し、表面摩擦の滑性テストでは、滑動開始
角度約60度で優れた滑り止め効果を示している。この
ため、椅子、クッション等の室内装置品、インテリア材
料、玄関マット、階段辷り止めや車輌内装材等で、これ
らの機能性を発揮する用途分野で好適に使用できる。
【0024】実施例2 ナイロンオックス 420デニ−ル.組織,N420d
×N420d/53×35,基布の片面に、下記の熱硬
化性樹脂組成物配合液をロ−ルオンナイフコ−ティング
方式で塗工した。塗布量は、50〜200g/m2 であ
った。熱膨張マイクロカプセルは、平均粒径20〜40
μを用い、通常は20〜80μであるが、滑り止め性能
を考慮して、上記範囲のカプセルを使用した。また、膨
張開始温度は、通常130〜150℃であるが稍低い領
域の110〜130℃の範囲で熱処理を行った。 熱硬化性樹脂組成物配合 PPGジオ−ル#3000(大日本インキ化学工業)35〜55(重量部) PTMG変性ポリオ−ル(三菱化学) 10〜30 熱膨張性マイクロカプセル(日本フエライト) 4〜15 タルク一号(タルク粉末) 5〜10 ネオライトSP−U(変性炭酸カルシウム) 10〜20 ポリエ−スS−40C(エチレン酢ビ樹脂) 2〜6 老化防止剤 1〜3 オクチル酸塩(架橋促進剤) 1〜3 架橋剤(パラフェニレンジイソシアネ−ト) 4〜15 アモルデン950(抗菌防臭剤,大和化学) 2〜10 ダイムッシュY(消臭剤,大日精化工業) 5〜10 トルエン 5〜10
【0025】上記処理によって、適度の柔軟性と防水
性、耐久性、耐洗濯性のほか、抗菌性能の多機能を有す
る滑り止めシ−トが得られた。 1)滑り止め性では、実施例1と同じく滑動開始角度は
60度であり、好ましい滑り防止め効果が得られた。 2)防水性能では、耐水度.JIS L−1092,5
000mm以上を示し、防水性でも優れている。 3)湿熱アルカリ性では、3%苛性ソ−ダ/95℃×1
6時間浸漬、煮沸の物理性能及び接着性能の低下のごと
き異状はみられなかった。 4)耐洗濯性では、JIS L−1042,1959に
準拠,実施例1と同じく洗濯後異状はなかった。 5)風合いは、ゴム剛性があり、柔軟性を保持している
ことが判った。 6)抗菌性能では、増減値差5.3で、通常値1.6以
上に比し、良好な数値を示した。 なお、抗菌性能試験(菌数測定法)では、繊維製品衛生
加工協議会の効果評価試験に準じ、テストを行った。 供試細菌・・staphylococuas ATCC
6538P 接菌細菌生菌数・・・800×105 個/ml 判定・・・増減値が、>1.6効果あり、<1.6効果
なし、>2で、この試験は成立する。 7)消臭性能では、アンモニア:元の量200に対し、
ブランク125ppmであり、実施例2では1.5pp
mであった。硫化水素:元の量20に対し、ブランク,
16.9ppm、実施例2ではゼロであった。
【0026】上記により得られた滑り止め基材シ−ト
は、優れた滑り止め効果のほか、防水性ならびに抗菌、
消臭、防臭効果があり、例えば家具、風呂場入口の足ふ
きマット、テ−ブルクロスや鞄材、或いは車輌内装材や
花瓶等の室内装置品の下敷きマット用として好適であ
る。
【0027】実施例3 ポリエステルフィラメント 250デニ−ル,組織25
0d×250d/53×47,基布の片面に、下記の熱
硬化性樹脂組成物配合液をロ−ルオンナイフコ−ティン
グ方式で塗工した。塗布量は、50〜200g/m2
あった。熱膨張マイクロカプセルは、滑り止め性能を考
慮して、通常より稍小さい平均粒径20〜40μを用
い、上記範囲のカプセルを使用した。また、膨張開始温
度は、通常より稍低い領域の110〜130℃の範囲で
熱処理を行った。 熱硬化性樹脂組成物配合 PPGジオ−ル#3000(大日本インキ化学工業) 35〜55重量部 PTMG変性ポリオ−ル(三菱化学) 10〜30 熱膨張性マイクロカプセル(日本フエライト) 4〜15 タルク一号(タルク粉末) 5〜10 ネオライトSP−U(変性炭酸カルシウム) 10〜20 ポリエ−スS−40C(エチレン酢ビ樹脂) 2〜6 老化防止剤 1〜3 オクチル酸塩(架橋促進剤) 1〜3 架橋剤(パラフェニレンジイソシアネ−ト) 4〜15 フランDDAS(臭素化合物,三酸化アンチモン) 30〜100 ハイジライト43M(水酸化アルミニウム) 20〜30
【0028】上記処理によって、適度の柔軟性と防水
性、耐久性並びに耐洗濯性のほか、防炎性能を有する滑
り止めシ−トが得られた。 1)滑り止め性では、実施例1と同じく滑動開始角度は
60度の好ましい滑り防止め効果が得られた。 2)防水性能では、耐水度.JIS L−1092,5
000mm以上を示し、防水性でも優れていることが判
った。 3)湿熱アルカリ性では、3%苛性ソ−ダ/95℃×1
6時間浸漬、煮沸の物理性能及び接着性能の低下のごと
き異状はみられなかった。 4)耐洗濯性では、JIS L−1042,1959に
準拠,実施例1と同じく洗濯後異状はなかった。 5)風合いは、ゴム剛性があり、柔軟性を保持してい
る。 6)防炎性能は、FMVSS 302に準拠し、合格。
自動車内装に適用,水平式燃焼法。
【0029】上記により得られた滑り止め基材シ−ト
は、優れた滑り止め効果のほか、防水性ならびに耐洗濯
性、消臭性能、並びに防炎性能を有し、足ふきマットや
玄関マット、車輌内装材のほか、特に老人等の在宅養護
者用、身体障害者リハビリ施設用、病院等での医療材料
や養護施設用等での使用に好適である。なお、本発明の
一実施例を示したが、本発明は上記した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設
計変更等は本発明に含まれる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、弾力性、軽量、柔軟性
ある風合いを有し、優れた滑り止め防滑効果を発揮する
と共に、防水性のほか、吸水性、耐熱性、耐洗濯性、抗
菌性や消臭性等の多機能を備えた滑り止め基材シ−トを
提供する。また、本発明の構成では、柔軟性シ−ト状基
材の選定ほか、各工程での特定及び組み合わせと変形に
より、滑動開始角度を少許制御できる自由度を利用し滑
り止め度合いの過剰による載置物品の転倒防止の如き複
合機能を発揮し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 由肥 英雄 大阪府堺市赤坂台1丁7番2号 (72)発明者 川端 昭 大阪府富田林市高辺台1丁目11−3 (72)発明者 友永 隆 大阪府岸和田市吉井町4丁目1−8−407

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織布、編布、不織布、フェルト、紙等か
    らなるシ−ト状基材上の少なくとも片面に、熱膨張性マ
    イクロカプセル粒子を混在させた熱硬化性樹脂組成物を
    塗布し、硬化と同時に該樹脂組成物中のマイクロカプセ
    ル粒子を発泡せしめた熱硬化化性バインダ−樹脂層を設
    けたことを特徴とする多機能性滑り止め基材シ−ト。
  2. 【請求項2】 前記熱硬化性樹脂組成物が、反応性官能
    基を有し平均分子量が500〜10000であるジエン
    系液状ポリマ−を主成分とするものである請求項1記載
    の滑り止め基材シ−ト。
  3. 【請求項3】 前記熱膨張性マイクロカプセル粒子が平
    均粒径40μ以下の比較的小径で、かつ膨張開始温度が
    110〜130℃である請求項1ないし2記載の滑り止
    め基材シ−ト。
  4. 【請求項4】 前記熱硬化性バインダ−樹脂層での表面
    摩擦抵抗が滑動開始角度50度以上である請求項1ない
    し3記載の滑り止め基材シ−ト。
  5. 【請求項5】 前記シ−ト状基材の裏面側を滑動開始角
    度50度以上、表面側を滑動開始角度40度近傍とし複
    合機能を備えた請求項1ないし2記載の滑り止め基材シ
    −ト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2004058014A1 (ja) * 2002-12-26 2006-04-27 永大化工株式会社 吸音遮水性に優れた置き敷きマット及びその製造方法

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