JPH1058475A - 熱可塑性樹脂発泡粒子の型内成形方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡粒子の型内成形方法

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JPH1058475A
JPH1058475A JP8219514A JP21951496A JPH1058475A JP H1058475 A JPH1058475 A JP H1058475A JP 8219514 A JP8219514 A JP 8219514A JP 21951496 A JP21951496 A JP 21951496A JP H1058475 A JPH1058475 A JP H1058475A
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thermoplastic resin
molding
foamed particles
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Takeshi Harunari
武 春成
Hideo Fuwa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、小スペース化、設備簡便化が可
能でかつ、多品種、小生産に適した熱可塑性樹脂発泡粒
子の型内成形方法を提供することである。 【解決手段】含水無機フィラーを含む熱可塑性樹脂発泡
粒子の充填された成形型にマイクロ波を照射することに
より、成形型内の発泡粒子を膨張、融着させて型物発泡
体を成形する方法であって、該成形型がガス抜き口を有
し、周波数1MHzのときの誘電正接が2×10-2以下
であるとともにマイクロ波透過性の材質から成る成形型
であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡粒子の型内成
形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の緩衝材、断
熱材、容器等に用いられる熱可塑性樹脂型物発泡体の成
形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性発泡粒子を型内に充填し、加熱
発泡させて得られる型物発泡成形体(いわゆるビーズ発
泡体)は緩衝性、断熱性等に優れ、緩衝材、断熱材、容
器、建築資材等広範囲に利用されている。
【0003】熱可塑性樹脂型物発泡体を成形する方法と
して、スチレン系予備発泡粒子を用いる場合には、予備
発泡粒子成形後に粒子中に残存する発泡剤を利用する方
法が用いられる。つまり、該発泡性粒子を金型内に充填
し、水蒸気加熱により粒子を再発泡させて粒子どうしを
融着させることにより、金型内面形状に沿った外観を有
する発泡スチロールとして広く知られる型物発泡体を得
る方法が工業的に広く実施されている。
【0004】また、オレフィン系予備発泡粒子を用いる
場合には、スチレン系予備発泡粒子と異なり、予備発泡
粒子成形後、粒子内に残存するガスが徐々に逸脱してし
まうため、特開昭49−85158号公報等に記載され
るように、型内発泡成形直前に気体を予備発泡粒子内に
圧入する等の発泡能の付与を行う工程を経て、スチレン
系予備発泡粒子と同様、水蒸気加熱を用いた型内発泡成
形が行われることが知られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】スチレン系、オレフィ
ン系いずれの予備発泡粒子を用いる場合にも、型内発泡
性粒子の加熱媒体として水蒸気が用いられるため、水蒸
気発生にかかるボイラー施設、輸送用パイプライン等の
大がかりな設備が必要である。また、成形にさいし、水
蒸気が使われている以上、冷却に伴う水蒸気の凝結も当
然起こり得り、得られた型物発泡体の乾燥に多大な時間
を要するといった問題がある。さらに、型内成形に使用
される成形型は高温、高圧の水蒸気に耐えうる特殊な金
型であるため、金型設備の負担が大きく、一種類の製品
形状に合わせ一つの成形型が必要な型物成形において
は、多品種の製品を製造する場合の設備負担が大きくな
る。
【0006】また、水蒸気加熱は水蒸気の樹脂膜透過を
利用して加熱を行う方法であるから、水蒸気透過性の低
い材料は内部まで容易に加熱されにくいという問題があ
る。
【0007】オレフィン系予備発泡粒子を用いる場合に
限っては、型内発泡成形直前に気体を予備発泡粒子内に
圧入する工程が追加されるとともに、発泡性粒子を型内
に充填完了するまで、圧入ガスが逃散しないよう気泡内
の圧力管理を行う必要があり、これらに伴う設備、運転
経費を要するといった問題がある。また、スチレン系予
備発泡粒子を用いる場合においても、粒子中残存発泡剤
が粒子外へ逃散しにくいとはいっても、いずれは逃散し
つくすため、型内成形に供するまでの発泡粒子の保存期
間には限界がある。
【0008】本発明はこれら問題点を解決するため考案
されたものであり、その目的は次のような熱可塑性樹脂
発泡粒子の型内成形方法を提供することにある。
【0009】1)小スペース化、設備簡便化が可能な型
物発泡体の成形方法。
【0010】2)多品種、小生産に適した型物発泡体の
成形方法。
【0011】
【課題を解決するための手段】マイクロ波による加熱
は、熱伝導率の低い物体を内部まで急速に加熱するする
ことができるため、家庭用電子レンジへの応用をはじ
め、食品の乾燥、殺菌、木材加工等さまざまな分野に利
用されている。
【0012】本発明者は、このような背景の元、含水無
機フィラーを含む熱可塑性樹脂発泡粒子の充填された成
形型に、マイクロ波を照射することにより、簡便に型物
発泡体を成形することを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0013】即ち、本発明は、含水無機フィラーを含む
熱可塑性樹脂発泡粒子の充填された成形型にマイクロ波
を照射することにより、成形型内の発泡粒子を膨張、融
着させて型物発泡体を成形する方法であって、該成形型
がガス抜き口を有し、周波数1MHzのときの誘電正接
が2×10-2以下であるとともにマイクロ波透過性の材
質から成る成形型であることを特徴とする熱可塑性樹脂
発泡粒子の型内成形方法である。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明における熱可塑性樹脂には、高密度
ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ポリプテン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオ
レフィン樹脂の他、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、1,2−ポリブタジエン、熱可塑性ポリ
ウレタン、ポリカーボネート、ナイロン、ポチエチレン
テレフタレート等が挙げられ、これらを単独又は2種以
上混合して用いることができる。また、これら重合体に
混合可能なゴム、例えば、天然ゴム、ポリブタジエンゴ
ム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合
体ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−
プロピレン共重合体ゴム等、あるいは他の一般的なプラ
スチックを混入した混合物にも応用でき、重合体、及び
混入物は架橋、無架橋を問わずに使用できる。
【0016】また、熱可塑性樹脂はフィラーを混合させ
たものであってもよく、そのフィラーとして、タルク、
炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、カーボンブラック、
金属粉、フェライト、硫酸バリウム、三酸化アンチモ
ン、三酸化モリブデン、水酸化アルミニウム、ほう酸亜
鉛、臭素化合物、セラミック粉等が使用できる。またこ
れらフィラーは単独、あるいは併用して用いることがで
きる。
【0017】熱可塑性樹脂発泡粒子を製造する方法とし
ては、特に限定されるものではないが、通常次のような
方法が好ましく利用される。
【0018】(1)耐圧容器内に含水無機フィラーを含
む熱可塑性樹脂粒子、分散剤、水性媒体、及び発泡剤を
配合し、撹拌下のもとに加熱して樹脂粒子に発泡剤を含
浸させた後、樹脂粒子と水性媒体を容器内より低圧の雰
囲気下に放出して発泡させる方法。
【0019】(2)熱可塑性樹脂、発泡剤、含水無機フ
ィラーを押出機により溶融混練した後、押出機内よりも
低圧下にストランド状に押出して発泡させ、これを造粒
することにより発泡粒子を得る方法。
【0020】(3)熱可塑性樹脂、発泡剤、含水無機フ
ィラー、及び必要に応じて有機過酸化物等の化学架橋
剤、あるいは架橋助剤を適当な方法により溶融混練して
造粒することにより発泡性粒子を得、この粒子を公知、
任意の方法により加熱発泡させて発泡粒子とする方法。
【0021】(4)熱可塑性樹脂、発泡剤、含水無機フ
ィラーを適当な方法により溶融混練して造粒することに
より発泡性粒子を得、次いで電離性放射線を得られた発
泡粒子に照射することにより、架橋構造を有する発泡性
粒子とした後、この粒子を公知、任意の方法により加熱
発泡させて発泡粒子とする方法。
【0022】方法(1)、及び(2)に用いられる発泡
剤としては、プロパン、ブタン、ヘキサン等の脂肪族炭
化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の脂環式炭化
水素、あるいはハロゲン化炭化水素、二酸化炭素、窒素
等の無機ガスが好ましい。
【0023】方法(3)、及び(4)に用いられる発泡
剤は、熱分解によりガスを発生する化学発泡剤であり、
例えばアゾジカルボンアミド等のアゾ化合物、N・N’
−ジニトロペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合
物等の有機発泡剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素アンモニウム等の無機発泡剤等があげられ
る。
【0024】方法(3)にてオレフィン系樹脂を用いる
場合、化学発泡剤の分解により発生するガス圧に耐え、
気泡が安定成長し得る粘弾性を樹脂に付与するため、架
橋を行うことが好ましい。方法(3)にて加えられる架
橋剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキ
サン、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロキシ
パーオキサイド等の有機過酸化物、あるいは1,9−ノ
ナンビススルフォンアザイド等のアジド化合物、また
は、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン等のシラン化合物等がある。またこの場合、架橋を
促進する架橋助剤として、例えばトリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、1,2−ポリブタジエン等を
併用することができる。
【0025】方法(4)に使用される電離性放射線とし
ては、α線、β線、γ線、中性子線、電子線、X線等が
挙げられる。
【0026】本発明に用いられる含水無機フィラーは、
配位水、構造水、層間水、フッ石水、オキソニウムイオ
ン結晶水、三次元骨格結晶水等を含む無機フィラーであ
り、例えばゼオライト、硫酸亜鉛、アルミナホワイト、
硫酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、アンモニウム
ミョウバン、亜硫酸ソーダ、硝酸カルシウム、カリウム
ミョウバン、塩化第一鉄、四ホウ酸ナトリウム、塩化マ
グネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、
硫酸マグネシウム、オキシ塩化ジルコニウム、ハイドロ
タルサイト等が挙げられる。
【0027】また、熱可塑性樹脂に加えられる含水無機
フィラーの充填量は、含水無機フィラーの種類、含水量
等によって異なるが、発泡倍率、発泡力等を考慮する
と、通常5wt%〜70wt%の範囲にあることが好ま
しい。
【0028】次に、本発明における熱可塑性樹脂型物発
泡体の成形方法について説明する。図1は、本発明で用
いられる成形装置の一例を模式的に示したものである。
発泡粒子は、ため込みホッパー1より発泡性粒子供給口
2を通じて成形型4内に供給される。このとき、ガス注
入口3よりガスを成形型内に圧入し、発泡性粒子を圧縮
しながら成形型内に充填することも可能である。
【0029】図1に示す成形型4は、通常、マイクロ波
照射口5、5’を有する容器内に設置されるが、容器底
部に接触するような設置方法に限定されるものではな
く、容器中心部に位置するよう支持棒等で型を持ち上げ
たり、四方より固定化したり、糸等により吊るしたりす
る設置方法も採用できる。なお、成形型4を容器底部に
接触するように設置する場合、ターンテーブル6上に設
置して、成形型4が回転するようにすれば、成形型は均
等にマイクロ波を受けることができる。また、図1に示
すマイクロ波照射口5、5’を有する容器は、立方体、
直方体、球、円柱、三角錐等さまざまな形状のものが使
用できる。このマイクロ波照射口5、5’の形状、数、
配列も特に限定されるものではないが、通常、格子状、
スリット状に開口してあることが好ましい。
【0030】成形型内に充填される発泡性粒子は、マイ
クロ波の照射を受けて加熱された結果、膨張し、表面同
士が熱融着され、型物発泡体となる。発泡性粒子がマイ
クロ波により加熱され膨張するのは、含水無機フィラー
中の水がマイクロ波加熱され、樹脂を軟化溶融させると
ともに、その気化に伴う蒸気圧により樹脂中に気泡を発
生させ、その気泡が成長していくことにより発泡粒子が
膨張するためである。水がマイクロ波により加熱される
原理は、既に公知なものとして広く工業的に利用されて
いる理由に基づくものである。つまり、マイクロ波の照
射により誘電体内の分子や極性基等が振動、回転等を起
こす結果、内部発熱により熱を発生する。
【0031】このときの発熱量(Q(W))はQ=Kf
2εtanδ(K:定数、f:周波数(Hz)、E:
印加電圧(V)、ε:誘電率(Fm-1)、tanδ:誘
電正接)で表され、発熱量(Q(W))は物質のtan
δ(誘電正接)に比例するので、この係数の大きい水は
きわめて有効に加熱される。
【0032】逆に成形型に用いられる材料はマイクロ波
を透過しつつも、マイクロ波により発熱しないもの、あ
るいは発熱量の少ない材料でなくてはならない。本発明
における成形型に用いられる材料は、周波数1MHzの
誘電正接が2×10-2以下である。成形型に用いられる
材料は、周波数1MHzの誘電正接は2×10-2以下で
あれば特に限定されないが、入手の容易性等を考慮する
と、周波数1MHzの誘電正接が2×10-4〜2×10
-2が好ましい。誘電正接が2×10-2より大きい物質を
成形型の構成材料として用いた場合には、マイクロ波の
照射により軟化し、型物成形品を得ることができず好ま
しくない。また、軟化しないまでも、発泡粒子と成形型
が融着したり、成形型と接触する発泡粒子表面が過加熱
され、外観の劣る成形品となってしまう恐れがあり好ま
しくない。上記本発明に用いられる成形型の材料として
は、例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、紙、テト
ラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリフェニレンオキサイド、硬質塩化ビニル等が挙げら
れる。ただし、マイクロ波を遮断するようなものは好ま
しくない。この様なものとしては、例えば、金属粉印刷
物、金属粉練り込み物、金属、金属含有積層体、金属箔
等が挙げられる。
【0033】また、本発明に用いられる成形型はガス抜
き口を有するものであり、ガス抜き口が無い場合には、
水の加熱、水蒸気化により発生した成形型内の水蒸気圧
力により、成形型内の内部圧が高まり、成形型が破損し
てしまったり、あるいは発泡粒子が膨張しないといった
問題が生じる。なお、これら成形型は分割することによ
り、内部の成形品が取り出せるものであり、その分割数
は2〜5のものが通常好ましく使用される。
【0034】マイクロ波の照射は一方向からに限られる
ものではなく、多方向からの同時、あるいは時間差照射
も可能である。また、マイクロ波を拡散して均一加熱を
行うため、回転反射板を図1に示すマイクロ波照射口
5、5’付近に設置することも有効である。
【0035】本発明にて用いられるマイクロ波の周波数
は、通常1000MHz〜3000MHzの範囲にあ
り、好ましくは2200〜2800MHzの範囲のもの
が用いられる。
【0036】発泡完了後においては、成形品は冷却され
た後、離型される。この冷却は、通常成形型外表面から
行われるが、その方法として例えば、水冷、ミスト吹き
付け、エアー冷却、水冷後の真空引き等公知の方法が単
独あるいは組み合わせて利用できる。本発明の成形方法
によれば、ボイラ施設、輸送パイプライン等の大型設備
を必要とせずとも、小スペースにて、簡便な設備により
発泡粒子の型内成形を行うことができる。
【0037】また、成形型は高圧、高温の蒸気に耐えう
る高価な金属金型の代わりにガラス、プラスチック等が
使用でき、さらに、成形型が軽量であることから金型交
換を安全に能率良く行うことができる。
【0038】オレフィン系樹脂を用いる場合には、発泡
粒子を型内成形に供する時点にて既に含水無機フィラー
が充填されているため、型内成形直前に予備発泡粒子へ
発泡能を付与する工程を省くことができる。
【0039】また、マイクロ波加熱は熱伝導を必ずしも
必要としないので、熱伝導率の悪い樹脂を内部まで急速
に加熱することができ、水蒸気透過性の低い水蒸気加熱
に適さないような樹脂に対しても型内成形を適用して型
物発泡体を得ることができる。この加熱工程において、
発泡粒子は内部より温度が上昇するため、粒子表面は粒
子内部よりも比較的温度の低い状態となり、発泡粒子の
表面付近の粘度が低下することによる型崩れや模様の発
生が抑えられる。さらに、発泡完了後の冷却工程におい
ても、冷却温度幅が小さくてすみむため、冷却を効率的
に行うことができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0041】実施例1エチレン−酢酸ビニル共重合体
(東ソー株式会社製:ウルトラセン540)100重量
部、ゼオライト(東ソー株式会社製:GSL−100
0)40重量部、アゾジカルボンアミド10重量部をロ
ール成形法にて110℃の条件下で溶融混練した後、造
粒した。次いでこの粒状物に電離性放射線を照射して架
橋させた後、オートクレープ中155℃にて加熱、発泡
させることにより発泡倍率10倍の発泡粒子を得た。
【0042】この発泡粒子を1日間放置後、2ヶ所の格
子状マイクロ波照射口(50mm×50mm)を有する
容器(内寸30cm×30cm×20cm)内に設置さ
れる誘電正接2×10-4(1MHz)のガラス製(厚み
1mm)成形型(内寸5cm×5cm×5cm)内に充
填した。なお、このキャビティ底部にはターンテーブル
が備わっており、成形型はこのターンテーブル上に設置
された状態にてマイクロ波照射を受けることができるよ
うにした。
【0043】発泡粒子充填後、ターンテーブルを回転さ
せつつ2カ所のマイクロ波照射口より周波数2450M
Hzのマイクロ波を成形型に向かって1分間照射したと
ころ、成形型内の発泡性粒子は膨張し、それぞれの粒子
表面が融着した。次いで、成形型外表面にエアーを吹き
付けて冷却を行った後、成形型を2分割することによ
り、成形型に忠実であるとともに、表面平滑な型物発泡
体が得られた。
【0044】実施例2ゼオライトの代わりに水酸化マグ
ネシウムを用いた以外は実施例1と同様の条件にて成形
を行い、成形型形状に忠実な型物発泡体が得られた。
【0045】実施例3ポリスチレン(大日本インキ株式
会社製:GR−2500)100重量部、ゼオライト
(東ソー株式会社製:GSL−1000)40重量部、
アゾジカルボンアミド10重量部を加圧ニーダを用いて
溶融混練した後、造粒した。次いでこの造粒物をオート
クレープ内105℃にて加熱発泡させることにより、発
泡倍率9倍の発泡粒子を得た。
【0046】この発泡粒子を1日間放置後、誘電正接5
×10-3(1MHz)のポリプロピレン製(厚み1.5
mm)成形型(内寸7cm×7cm×5cm)内に充填
したこと以外は、実施例1と同様の方法、条件にてマイ
クロ波を照射して成形型に忠実な型物発泡体を得た。
【0047】比較例1実施例1においてゼオライトを用
いず、それ以外は同様の条件にて成形を行ったところ、
マイクロ波を照射したにもかかわらず、発泡粒子は全く
変化しなかった。
【0048】比較例2発泡粒子としてポリエチレン−ポ
リスチレン共重合体ビーズ(三菱油化バーディッシュ株
式会社製:商品名エレンポール)を用いたこと以外は、
実施例1と同様の条件にてマイクロ波を照射したが、発
泡粒子は全く変化しなかった。
【0049】比較例3実施例1において発泡粒子を誘電
正接5×10-1(1MHz)のフェノール樹脂製(厚み
1mm)成形型(内寸5cm×5cm×5cm)内に充
填したこと以外は実施例1と同様の方法、条件にて成形
をおこなったところ、成形型の内表面と接触する発泡粒
子の形状がくずれ、外観の悪い成形品が得られた。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、一般に型物成形品を成
形する場合に必要とされた高価な金属金型を用いずと
も、安価で、軽量な成形型にて容易に型物成形品を成形
することができるため、多様な金型を用い多種製品を工
業生産する場合の設備負担を低減化できる。また、ボイ
ラー施設、輸送パイプライン等を必要としないため、大
規模な工場設備や敷地確保の必要がなくなる。さらに
は、効率的な加熱、冷却を行い、発泡完了後の成形品に
付着する水蒸気の乾燥工程が省けるため、短い成形サイ
クルにて成形品が得られる。
【0051】本発明における発泡粒子が含有する無機フ
ィラー中の水は安定して存在するため、発泡粒子を決め
られた期間内に型成形に供する必要が無くなり、期間、
場所、設備を省略化した型物発泡体の成形が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される成形装置の模式図である。
【符号の説明】
1:ため込みホッパー 2:発泡粒子供給口 3:ガス注入口 4:成形型 5、5’:マイクロ波照射口 6:ターンテーブル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含水無機フィラーを含む熱可塑性樹脂発泡
    粒子の充填された成形型にマイクロ波を照射することに
    より、成形型内の発泡粒子を膨張、融着させて型物発泡
    体を成形する方法であって、該成形型がガス抜き口を有
    し、周波数1MHzのときの誘電正接が2×10-2以下
    であるとともにマイクロ波透過性の材質から成る成形型
    であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡粒子の型内成
    形方法。
  2. 【請求項2】含水無機フィラーを含む熱可塑性樹脂発泡
    粒子の充填された成形型が、マイクロ波照射口を有する
    容器内に設置された状態にて、該成形型にマイクロ波が
    照射されることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹
    脂発泡粒子の型内成形方法。
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