JPH1057102A - 靴 底 - Google Patents

靴 底

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JPH1057102A
JPH1057102A JP23852196A JP23852196A JPH1057102A JP H1057102 A JPH1057102 A JP H1057102A JP 23852196 A JP23852196 A JP 23852196A JP 23852196 A JP23852196 A JP 23852196A JP H1057102 A JPH1057102 A JP H1057102A
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Yasunori Kaneko
靖仙 金子
Sadaji Kawasaki
貞治 川崎
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Mizuno Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、主に運動靴に用いられる靴底であ
って、走行時などに地面から受ける衝撃を効果的に吸収
するとともに、靴底に要求される屈曲性を阻害しない靴
底を提供する。 【解決手段】 本発明に係る靴底は、靴底本体(1)に
比べて低弾性でかつ高粘性な素材からなる衝撃吸収パッ
ド(2)、または靴底本体(1)に比べて高弾性な素材
からなる衝撃分散プレート(3)を用い、あるいは該衝
撃吸収パッド(2)及び該衝撃分散プレート(3)を組
み合わせて用いたことを特徴とする靴底である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明に係る靴底は、主に運
動靴に用いられる靴底であって、走行時などに地面から
受ける衝撃を効果的に吸収するとともに、靴底に要求さ
れる屈曲性を阻害しない靴底に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、靴底が地面から受ける衝撃を
緩和する目的でさまざまな手段が用いられている。一般
に用いられる手段としては、弾性率の低い発泡体、ポリ
ウレタンエラストマー、ゴムなどで形成された部材を靴
底本体内に装着する手段や、各種気体や液体をポリウレ
タンなどのカプセルに封入した衝撃緩衝部材を靴底本体
内に装着する手段などが用いられていた。また、弾性率
の高いプラスチック製の円筒形部材や棒状部材を靴底本
体内に埋設したり、着脱自在に挿入する技術も紹介され
ている。更に、靴底にシャンク効果を付与し、靴底本体
の土踏まず部の落ち込みを防止する目的で、靴底本体の
土踏まず部付近に硬質合成樹脂や金属で形成された板状
部材を固着する手段が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの手段
においては以下のような課題があった。即ち、弾性率の
低い発泡体、例えばポリウレタンスポンジやポリスチレ
ンスポンジを衝撃吸収部材として用いた場合、弾性率が
比較的低いため十分な衝撃吸収性を得るためには、相当
な厚みを必要とする。そのため、靴底の自然な屈曲が阻
害されるといった問題があった。
【0004】また、ポリウレタンエラストマー、ゴムな
どで形成された衝撃吸収部材を用いた場合、これらの素
材は低弾性率のものから高弾性率のものまで様々な物性
のものを調合することができ、設計の自由度が高い。し
かしその反面、これらの素材は比較的比重が大きく、軽
量性を要求される運動靴などに使用する場合には少量に
限られていた。そのため、十分な衝撃吸収性を発揮でき
ないといった問題があった。
【0005】更に、各種気体をカプセルに封入した衝撃
緩衝部材を靴底本体内に装着する手段においては、長期
間の使用によりカプセルが破れやすく、これによって封
入された気体が抜けてしまい衝撃吸収性を発揮できなく
なる。液体またはゲル状物質をポリウレタンなどのカプ
セルに封入した衝撃緩衝部材を靴底本体内に装着する手
段においては、それらの物質を封入するために複雑な工
程を必要とする上に、液体物質やゲル状物質自体の比重
が大きいため、靴全体の重量の増加につながり軽量性を
要求される運動靴などに使用するには不利であった。
【0006】また、運動靴などには靴底本体も比較的柔
軟な素材が用いられる場合が多く、これらの衝撃緩衝部
材をもちいた場合、接地時の衝撃を緩衝し軽減する作用
はある程度期待できるが、靴底本体自体が柔軟なので接
地時の衝撃で不必要な屈曲を生じ、足裏の筋や健に負担
をかけ故障を引き起こす原因となっていた。
【0007】そこで、本発明は軽量でかつ接地時に十分
な衝撃吸収性を発揮する衝撃吸収パッドと、靴底本体の
不必要な屈曲を防止するとともに、受けた衝撃を分散す
る衝撃分散プレートとを靴底本体に組み合わせることに
より歩行や走行に適した靴底を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記観点より
軽量で十分な衝撃吸収性を有する部材として、靴底本体
に比べて低弾性でかつ高粘性な素材からなる衝撃吸収パ
ッドを、靴底本体の接地面の一部をなすように一体形成
した。また、靴底本体の不必要な屈曲を抑制し、受けた
衝撃を分散させる部材として靴底本体に比べて高弾性な
素材からなる衝撃分散プレートを、靴底本体の接着面の
一部をなすように一体形成した。
【0009】更に上記衝撃吸収パッドを靴底本体の接地
面の一部をなすように一体形成するとともに、上記衝撃
分散プレートを靴底本体の接着面の一部をなすように一
体に組み合わせて形成した。その際、前記衝撃吸収パッ
ドを靴底本体に固着する方法としては、該靴底本体の厚
み方向に設けられた貫通孔に嵌合固着するか、若しくは
該靴底本体に設けられた凹部に嵌合固着する方法が取ら
れる。いずれの場合においても衝撃吸収パッドの一部が
靴底本体の接地面の一部をなすように一体形成されてい
ることを特徴とする。前記衝撃分散プレートは、前記貫
通孔の接着面側を封鎖するように、あるいは前記凹部の
裏面に接着面の一部をなすように固着する。
【0010】前記衝撃分散プレートが踵部まで延設し、
ヒールカップ構造やスタビライザー構造といった踵部安
定化構造と一体形成することにより、踵部の安定性を向
上させることも可能である。また、前記衝撃分散プレー
トに屈曲溝を設けることにより、人体解剖学的見地よ
り、歩行時や走行時に屈曲が必要とされる部位に屈曲性
を付与することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、以下の形態で実施され
る。本発明に係る靴底は、靴底本体と衝撃吸収パッド及
び衝撃分散プレートからなる。本発明に係る靴底本体
は、発泡EVA等の軽量で柔軟な素材から形成されてお
り、靴底本体自体も衝撃吸収性を有するものが好適であ
る。具体的には、比重が0.15〜0.3程度で硬度が
ASKER(C)硬度45〜65程度のものが好適であ
り、特に運動靴に用いられる場合においては、比重が
0.2程度で硬度がASKER(C)硬度55程度のも
のが最適である。該靴底本体の成型方法としては、従来
から用いられている注型製法、インジェクション製法あ
るいは熱成形法などが用いられる。その成型時点で、後
述する衝撃吸収パッドと衝撃分散プレートを装着するた
めの凹部等を同時に形成するのが工程上好ましい。
【0012】本発明に係る衝撃吸収パッドは、軽量で十
分な衝撃吸収性を有する部材として、例えば合成ラバー
やポリウレタンのように靴底本体に比べて低弾性でかつ
高粘性な素材であって反撥弾性の低い素材を用いて形成
する。また、該衝撃吸収パッドは、靴底本体の接地面の
一部をなすように一体形成されるため、耐摩耗性にも優
れた素材を用いるのが好適である。具体的には、反撥弾
性が20%以下であることが好適である。ここで、反撥
弾性とは、物体に入力されたエネルギー量に対し、その
物体が吸収し切れずに再放出されたエネルギー量を百分
率で表した数値である。反撥弾性が20%以下である素
材を選択することにより、限られた厚みの中で十分な衝
撃緩和効果を得られる。具体的には、比重が0.5〜
0.8程度であって、反撥弾性が80〜90%程度、硬
度がASKER(C)硬度で65〜75程度のものが好
適である。このように、低弾性でかつ高粘性な素材を衝
撃吸収パッドに用いることにより、衝突の際に衝突領域
が弾性的に変形し、衝撃力を緩和する効果を奏するのみ
ならず、高粘性であるがゆえに衝撃吸収パッドの変形自
体抑制され緩やかに弾性変形するため、低粘性弾性体の
欠点であったいわゆる「底付き現象」が起こらず適度な
衝撃緩和効果が得られる。該衝撃吸収パッドは、上記素
材からなるシート部材を後述する所望形状に裁断した
り、若しくはインジェクション製法または圧縮成型法、
発泡ラバー成型法などにより成型される。
【0013】該衝撃吸収パッドの形状は、靴底が用いら
れる靴の用途や、特に運動靴に用いられる場合は競技種
目によって異なった形状に形成される。具体的には、足
圧分布履歴計測方法により決定される。ここで足圧分布
履歴計測方法とは、プレート型センサー上にて比較的平
坦な意匠を有する靴を履いた被験者を歩行させ、靴底が
該プレート型圧力センサーの上面に接している領域にお
ける圧縮応力の分布を足圧分布データとして微小単位時
間ごとに測定し、プロセッサーを介して所定の出力手段
で出力する方法をいう。本発明に係る靴底をランニング
シューズに用いる場合、該靴底の接地面上で前記衝撃吸
収パッドの形状を決定するにあたり、前記足圧分布履歴
計測法により出力された足圧分布データのうち接地局面
における足圧分布データを用いる。
【0014】図7及び図8に走行時の接地局面における
足圧分布図を示す。これらの図は、ランニング動作をす
る被験者のシューズが、走路面に接地した瞬間からシュ
ーズの靴底面全体が接地するまでの間、1/100秒ご
とに接地領域を測定し、同一座標平面上に重ねあわせて
表示した図であって、図7は高速走行時、図8は低速走
行若しくは歩行時の足圧分布図ある。この足圧分布図中
に、靴底底面のうち最初に接地する領域I及び領域II
が示されるが、前記衝撃吸収パッドの形状は該領域の外
周形状に沿って形成し、該領域に設置するのが望まし
い。このように設置することによって、接地の瞬間から
靴底底面全体が接地するまでの間に足裏が受ける衝撃を
有効に吸収することができる。
【0015】また、靴底本体の不必要な屈曲を抑制し、
受けた衝撃を分散させる部材として靴底本体に比べて高
弾性な素材からなる衝撃分散プレートを、靴底本体の接
着面の一部をなすように一体形成した。該衝撃分散プレ
ートには、ポリウレタンやポリアミド(ナイロン)等の
合成樹脂であって、前記靴底本体に比べて硬質で弾力性
に富んだ素材が用いられる。具体的にはSHORE
(D)硬度50〜65程度であって、曲げ弾性率が20
00〜3000kg/cm2 程度のものが好適である。
【0016】該衝撃分散プレートは、0.5mm〜3.
0mm程度の厚みを有するものが適当であり、好ましく
は1.0mm〜2.0mmが好適である。これらより薄
いと衝撃を分散する効果が期待できず、厚いと重量増に
つながり不利だからである。また、該衝撃分散シートの
形状は、前記衝撃吸収パッドの裏面をカバーできるよう
な形状が望ましく、該衝撃吸収パッドが走路面から受け
る衝撃を足裏にまで伝播させることなく遮断する効果を
奏する。具体的には、図2に示すように踏み付け部を含
む前足部に対応する領域であって前記衝撃吸収パッドの
裏面を覆う形状に形成し、屈曲溝を設けたり、あるいは
図4に示すように足裏の屈曲を阻害しないように適当な
切込部を設けたりすることによって、人体解剖学的見地
から歩行時や走行時に屈曲が必要とされる部位に屈曲性
を付与することもできる。更に、図4に示すように該衝
撃分散プレートの一部を中足部にまで延設し、該中足部
に剛性付与構造を設けてシャンク効果を持たせることも
可能である。剛性付与構造としては、リブ構造を形成し
たり、図示はしないがシャンク部材を一体に固着した
り、FRPシートを一体に貼着する等、従来から用いら
れている構造より適宜選択できるものである。また、図
3に示すように踵部にまで延設しヒールカップ構造やス
タビライザー構造といった踵安定化構造と一体に形成
し、踵部の安定性を向上させることも可能である。
【0017】本発明に係る靴底は、図5に示すように上
記衝撃吸収パッドを靴底本体の接地面の一部をなすよう
に一体形成するとともに、上記衝撃分散プレートを靴底
本体の接着面の一部をなすように一体に組み合わせて形
成した。その際、前記衝撃吸収パッドを靴底本体に固着
する方法としては、該靴底本体の厚み方向に設けられた
貫通孔に接着剤等を用いて嵌合固着するか、若しくは図
6に示すように該靴底本体に設けられた凹部に接着剤等
を用いて嵌合固着する方法が取られる。いずれの場合に
おいても衝撃吸収パッドの一部が靴底本体の接地面の一
部をなすように一体形成されていることを特徴とする。
前記衝撃分散プレートを前記貫通孔の接着面側を封鎖す
るように、あるいは前記凹部の裏面に接着面の一部をな
すように固着する。
【0018】
【実施例】本発明に係る靴底の実施例について、図面を
用いて説明する。図1及び図2に示す本実施例に係る靴
底は、主にランニングシューズに用いられる靴底であっ
て、靴底本体1、衝撃吸収パッド2、衝撃分散プレート
3及びアウトソール4からなる。本実施例に係る靴底本
体1は、発泡EVAをインジェクション製法で成形され
たものであり、比重が0.2程度で硬度がASKER
(C)硬度55程度であって、靴底本体自体も柔軟性と
衝撃吸収性を有する。該靴底本体1は、図5及び図6に
示すように、成形時点で衝撃吸収パッド2と衝撃分散プ
レート3を装着するための貫通孔5や凹部6を同時に形
成されている。また、靴底本体1の一般的な形状とし
て、踵部Cは比較的厚く形成され、中足部Bから前足部
Aに向かって徐々に薄くなる形状をとる。したがって、
前足部Aに装着される衝撃吸収パッド2の厚みは、おの
ずと限られたものとなる。
【0019】本実施例に係る衝撃吸収パッド2は、靴底
本体に比べて低弾性でかつ高粘性な素材であって反撥弾
性の低い素材である発泡ラバーを用い、発泡ラバー成型
法により形成される。具体的には、比重が0.8程度で
あって、硬度がASKER(C)硬度で70程度のもの
を用い、反撥弾性は15%である。このように反撥弾性
が20%以下である素材を選択することにより、十分な
衝撃緩和性能を限られた厚みの中で実現することができ
る。このように、低弾性でかつ高粘性な素材を衝撃吸収
パッド2に用いることによりランニング中の着地時の衝
撃を直接吸収し、身体に有害な衝撃力を効果的に遮断す
ることが可能となる。また、該衝撃吸収パッド2の厚み
を不必要に厚くすることなく、十分な衝撃緩和効果を得
ることが可能となる。
【0020】本実施例に係る衝撃吸収パッドの形状は、
ランニングシューズに好適な形状に形成されている。具
体的には、図7及び図8に示す足圧分布図を用いて該形
状が決定される。図7及び図8に示す足圧分布図は、前
記足圧分布履歴計測方法によって収集されたデータのう
ち、靴底底面が接地した瞬間から靴底底面全体が接地す
るまでの接地局面における接地領域を、同一座標平面上
に重ね合わせて表示したものである。
【0021】図7に示す足圧分布図中の領域Iは、比較
的高速で走行する選手の靴底底面のうち最初に接地する
領域を示し、また、図中の領域IIは、歩行時や比較的
低速で走行する選手の靴底底面のうち最初に設置する領
域を示すが、前記衝撃吸収パッドの形状は該領域の外周
形状に沿って形成し、該領域に該当する部位に設置され
る。このように設置することによって、該領域が接地し
た瞬間から靴底底面全体が接地するまでの間に足裏が受
ける衝撃を有効に吸収することができる。
【0022】本実施例に係る靴底には、靴底本体1の不
必要な屈曲を抑制し、受けた衝撃を分散させる部材とし
て靴底本体1に比べて高弾性な素材からなる衝撃分散プ
レート3を、靴底本体の接着面Yの一部をなすように一
体形成した。該衝撃分散プレート3には、前記靴底本体
1に比べて硬質で弾力性に富んだ素材であって、SHO
RE(D)硬度55程度、曲げ弾性率が2000kg/
cm2 程度のポリアミド製のプレートが用いられる。
【0023】該衝撃分散プレート3は、厚みが1.0m
mに形成されており、大幅な重量増とならない範囲で、
該衝撃吸収パッド2が走路面から受ける衝撃を、足裏に
まで伝播させることなく遮断する効果を奏するに十分な
厚みに形成されている。また、該衝撃分散プレート3の
形状は、図2に示すように踏み付け部を含む前足部Aに
対応する領域であって前記衝撃吸収パッド2の裏面を覆
う形状に形成した。該衝撃分散プレートには屈曲溝7を
設けたり、あるいは図4に示すように各趾指の付け根部
分近傍に、適当な切込部8を設けたりすることによっ
て、人体解剖学的見地から歩行時や走行時に屈曲が必要
とされる部位に屈曲性を付与することもできる。
【0024】他の実施例として、図4に示すように該衝
撃分散プレートの一部を後方に延設し、中足部にリブ構
造9を設けてシャンク効果を持たせることにより、衝撃
分散機能に加えて、中足部の落ち込みを防止し足裏の疲
労を軽減する効果を付与することもできる。更に、他の
実施例として、図3に示すように踵部Cにまで延設し、
ヒールカップ構造10と一体に形成することにより、踵
部の安定性を向上させ過回外や過回内といった足部の故
障につながる不具合な挙動を抑制することができる。
【0025】本実施例に係る靴底は、図5に示すように
上記衝撃吸収パッド2を靴底本体1の接地面の一部をな
すように一体形成するとともに、上記衝撃分散プレート
3を靴底本体1の接着面の一部をなすように一体に組み
合わせて形成した。その際、前記衝撃吸収パッド2を靴
底本体1に固着する方法としては、該靴底本体1の厚み
方向に設けられた貫通孔5に接着剤等を用いて、あるい
は同時成形により嵌合固着する。前記衝撃分散プレート
3は、前記貫通孔5の開口部の一方であって、靴底本体
1の接着面Y側を封鎖するように固着する。
【0026】衝撃吸収パッド2の固着方法として、図6
に示すように該靴底本体に設けられた凹部6に接着剤等
を用いて、あるいは熱成形法により嵌合固着する方法を
用いることも可能である。前記衝撃分散プレート3は、
靴底本体1に設けられた凹部6の裏面に接着面Yの一部
をなすように固着する。いずれの場合においても、衝撃
吸収パッドの一部が靴底本体の接地面Xの一部をなすよ
うに一体形成されていることを特徴とする。また、これ
ら実施例においては、図5及び図6に示すように、靴底
本体1の接地面側の耐摩耗性を向上させるため、耐摩耗
性に優れた素材から形成されたアウトソール4を積層一
体化した。これらの場合においても、アウトソール4の
接地面Xと前記衝撃吸収パッド2の接地面がほぼ同一平
面上に位置するように形成される。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る靴底は、上記のように構成
されるので下記のような効果を奏する。即ち、本発明に
係る衝撃吸収パッドは、低弾性でかつ高粘性な素材であ
って、反発弾性が低い素材からなるため、該パッド自身
の厚みを薄く保つことができ靴底本体の自然な屈曲性を
阻害することがない。
【0028】また、該衝撃吸収パッドに用いられる素材
は、比較的比重の小さい素材であるため、十分な衝撃吸
収性を発揮しつつ重量増を最小限に押さえられるといっ
た効果も期待できる。
【0029】更に、該衝撃吸収パッドは、各種気体、液
体あるいはゲル状物質をカプセルに封入した衝撃緩衝部
材のように、長期間の使用によりカプセルが破れて封入
された物質が流失してしまい、衝撃吸収性を発揮できな
くなるといった不都合も発生しない。また、製造工程上
もそれらの物質をカプセルに封入するといった複雑な工
程を必要としないため、製造コストの低減にも寄与する
ことができる。
【0030】本発明に係る靴底は適度な反発性を有する
衝撃分散プレートを有するため、前記衝撃吸収パッドが
走路から受ける衝撃を足裏に伝播させることなく遮断す
るといった効果を奏する。また、運動靴など靴底本体に
比較的柔軟な素材が用いられた場合においても、接地時
の衝撃を遮断する効果に加えて、柔軟な靴底本体が接地
時の衝撃で不必要に屈曲するのを抑制し、足裏の筋や健
にかかる負担を軽減することによって足部の故障を防止
する効果を奏する。更に、該衝撃分散プレートの一部を
後方に延設し、中足部にリブ構造を設けてシャンク効果
を持たせることにより、衝撃分散機能に加えて、中足部
の落ち込みを防止し足裏の疲労を軽減する効果を付与す
ることもできる。そのほかに、該衝撃分散プレートの一
部を踵部にまで延設し、ヒールカップ構造等の踵安定化
構造と一体に形成することにより、踵部の安定性を向上
させ過回外や過回内といった足部の故障につながる不具
合な挙動を抑制する効果をも付加することができる。
【0031】このように、本発明に係る靴底は、軽量で
あるうえ接地時に十分な衝撃吸収性を発揮し、靴底本体
の不必要な屈曲を防止するとともに、受けた衝撃を分散
し遮断する効果を奏するため、歩行や走行に極めて適し
た靴底であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る靴底の一実施例を接地面側から見
た平面図である。
【図2】本発明に係る靴底の一実施例を接着面側から見
た平面図である。
【図3】本発明に係る靴底の他の実施例を接着面側から
見た平面図である。
【図4】本発明に係る靴底の他の実施例を接着面側から
見た平面図である。
【図5】本発明に係る靴底の一実施例の長手方向の断面
図である。
【図6】本発明に係る靴底の他の実施例の長手方向の断
面図である。
【図7】高速走行時の接地局面における足圧分布図であ
る。
【図8】低速走行時の接地局面における足圧分布図であ
る。
【符号の説明】
1 靴底本体 2 衝撃吸収パッド 3 衝撃分散プレート 4 アウトソール 5 貫通孔 6 凹部 7 屈曲溝 8 切込部 9 リブ構造 10 ヒールカップ構造 A 前足部 B 中足部 C 踵部 X 接地面 Y 接着面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 靴底本体に比べて低弾性でかつ高粘性な
    素材からなる衝撃吸収パッドを、靴底本体の接地面の一
    部をなすように一体形成したことを特徴とする靴底。
  2. 【請求項2】 靴底本体に比べて低弾性でかつ高粘性な
    素材であって反発弾性が20%以下である素材からなる
    衝撃吸収パッドを、靴底本体の接地面の一部をなすよう
    に一体形成したことを特徴とする靴底。
  3. 【請求項3】 靴底本体に比べて高弾性な素材からなる
    衝撃分散プレートを、前足部において靴底本体の接着面
    の一部をなすように一体形成したことを特徴とする靴
    底。
  4. 【請求項4】 靴底本体に比べて低弾性でかつ高粘性な
    素材からなる衝撃吸収パッドを、靴底本体の接地面の一
    部をなすように一体形成し、靴底本体に比べて高弾性な
    素材からなる衝撃分散プレートを、前足部において靴底
    本体の接着面の一部をなすように一体形成したことを特
    徴とする靴底。
  5. 【請求項5】 前記衝撃吸収パッドを靴底本体の厚み方
    向に設けられた貫通孔に嵌合固着して靴底本体の接地面
    の一部をなすように一体形成し、前記衝撃分散プレート
    を前記貫通孔の接着面側を封鎖するように固着したこと
    を特徴とする請求項4に記載された靴底。
  6. 【請求項6】 前記衝撃吸収パッドを靴底本体の厚み方
    向に設けられた凹部に嵌合固着して靴底本体の接地面の
    一部をなすように一体形成し、前記衝撃分散プレートを
    前記凹部の裏面に固着したことを特徴とする請求項4に
    記載された靴底。
  7. 【請求項7】 前記衝撃分散プレートが踵部まで延設さ
    れ、踵部安定化構造と一体形成されたことを特徴とする
    請求項3乃至6のいずれか一項に記載された靴底。
  8. 【請求項8】 前記衝撃分散プレートが中足部まで延設
    され、剛性付与構造と一体形成されたことを特徴とする
    請求項3乃至6のいずれか一項に記載された靴底。
  9. 【請求項9】 前記衝撃分散プレートに屈曲溝を設けた
    ことを特徴とする請求項3乃至8のいずれか一項に記載
    された靴底。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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