JPH1057080A - L−アスパラギナーゼ活性を有する哺乳類由来のポリペプチド - Google Patents
L−アスパラギナーゼ活性を有する哺乳類由来のポリペプチドInfo
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- JPH1057080A JPH1057080A JP9160625A JP16062597A JPH1057080A JP H1057080 A JPH1057080 A JP H1057080A JP 9160625 A JP9160625 A JP 9160625A JP 16062597 A JP16062597 A JP 16062597A JP H1057080 A JPH1057080 A JP H1057080A
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Abstract
来のポリペプチド、当該ポリペプチドをコードするDN
A、当該ポリペプチドをコードするDNAを含む組換え
DNA、当該ポリペプチドをコードするDNAを導入し
てなる形質転換体並びに、当該ポリペプチドの製造方法
及び、当該ポリペプチドを有効成分として含んでなる感
受性疾患剤を提供する。 【解決手段】 特定のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドと、当該ポリペプチドをコードするDNAと、当該ポ
リペプチドをコードするDNAと自律複製可能なベクタ
ーを含んでなる複製可能な組換えDNAと、当該ポリペ
プチドをコードするDNAを適宜宿主に導入してなる形
質転換体並びに、当該形質転換体を培地中で培養し、産
生したポリペプチドを培養物から採取することを特徴と
する当該ポリペプチドの製造方法及び、当該ポリペプチ
ドを有効成分として含んでなる感受性疾患剤により解決
する。
Description
ーゼ活性を有する新規なポリペプチド、詳細には、L−
アスパラギナーゼ活性を有する哺乳類由来のポリペプチ
ドに関する。
1.1)は、L−アスパラギンを加水分解してL−アス
パラギン酸とアンモニアを生ずる反応を触媒する酵素で
ある。L−アスパラギナーゼの抗腫瘍剤としての研究
は、ジェー・ジー・キッズが『ジャーナル・オブ・エキ
スペリメンタル・メディスン』、第98巻、565乃至
582頁(1953年)において、モルモットの血清に
リンパ腫に対する抗腫瘍作用が認められることを報告し
たことに端を発する。その後、ジェー・ディー・ブルー
ムは『ネイチャー』、第191巻、1114乃至111
5頁(1961年)において、この抗腫瘍作用の実体が
L−アスパラギナーゼであることを明らかにした。現
在、その作用機作は次のように説明されている。即ち、
急性リンパ性白血病細胞等の腫瘍細胞は、L−アスパラ
ギンシンテターゼを欠損しているため、生体内のL−ア
スパラギンが必須栄養素となることから、生体内にL−
アスパラギンが不足するか存在しない条件下では増殖で
きないので、生き続けることができない。ところがL−
アスパラギンは正常細胞にとっては必須栄養素ではない
ので、悪性腫瘍患者においては、L−アスパラギナーゼ
により生体内のL−アスパラギンを加水分解すれば、腫
瘍細胞のみを選択的に死滅させ、悪性腫瘍を治療するこ
とができるというものである。以来、L−アスパラギナ
ーゼの抗腫瘍剤としての実用化を目指して精力的な研究
が続けられ、その結果、現在では、大腸菌由来のL−ア
スパラギナーゼは白血病及びリンパ腫の治療剤として用
いられるようになった。
ギナーゼは、人体からみれば、所詮、異種蛋白質であ
り、これを配合使用する従来の治療剤は、患者に投与す
ると、アナフィラキシーショック、蕁麻疹、浮腫、喘
鳴、呼吸困難などの過敏反応を始めとする深刻な副作用
を頻発させることとなった。斯くして、従来の治療剤は
用量及び投与頻度を大幅に制限せざるを得ない状況にあ
り、そのため、斯かる副作用を軽減乃至解消するための
提案が幾つかなされてきた。
公報に見られるように、2−O−置換ポリエチレングリ
コール−4,6−ジクロロ−S−トリアジンにより大腸
菌由来のL−アスパラギナーゼにおけるアミノ基の65
%以上を封鎖し、L−アスパラギナーゼそのものを化学
的に修飾しようというものである。第二は、特開平4−
320684号公報又は特開昭55−19018号公報
に見られるように、ある種のヒト細胞株の培養物又は人
尿から、ヒトのL−アスパラギナーゼを採取しようとい
うものである。第一の提案には、大量に入手の容易な大
腸菌のL−アスパラギナーゼを利用できる利点はあるも
のの、修飾反応の制御が困難なうえに、副作用を完全に
解消するまでには到らないという問題がある。第二の提
案によるヒトのL−アスパラギナーゼは、大腸菌が産生
するものと違って、患者に投与しても抗体を産生し難い
利点はあるものの、特開平4−320684号公報に開
示されたヒト細胞はL−アスパラギナーゼ産生能が充分
高いとは言えず、L−アスパラギナーゼを量産しようと
すると、細胞を大量に培養しなければならない問題があ
り、また特開昭55−19018号公報で開示された方
法においても、工業的規模で継続して新鮮な人尿を得る
ことが困難であるという問題がある。
には目覚しいものがある。今日では、目的とするポリペ
プチドをコードするDNAを単離することができれば、
そのDNAと自律複製可能なベクターから組換えDNA
を作製し、これを微生物や動植物の細胞に導入して得ら
れる形質転換体を培養することにより、所望量のポリペ
プチドが容易に取得できるようになった。しかしながら
今日に至るまで、L−アスパラギナーゼをコードする哺
乳類由来のDNAは未だ単離されておらず、当然のこと
ながら、組換えDNA技術により、哺乳類由来のL−ア
スパラギナーゼが製造されてもいない。
も早く活性なL−アスパラギナーゼをコードする哺乳類
由来のDNAが単離され、その単離されたDNAに組換
えDNA技術を適用することにより、L−アスパラギナ
ーゼ活性を有する哺乳類由来のポリペプチドを大量生産
する技術の確立が待ち望まれている。
は、L−アスパラギナーゼ活性を有する哺乳類由来のポ
リペプチドを提供することにある。
チドをコードするDNAを提供することにある。
チドをコードするDNAと自律複製可能なベクターを含
んでなる組換えDNAを提供することにある。
NAを適宜宿主に導入してなる形質転換体を提供するこ
とにある。
体を用いる上記ポリペプチドの製造法を提供することに
ある。
チドを有効成分として含んでなる感受性疾患剤を提供す
ることにある。
課題をL−アスパラギナーゼ活性を有する哺乳類由来の
ポリペプチドにより解決するもである。
スパラギナーゼ活性を有する哺乳類由来のポリペプチド
をコードするDNAにより解決するものである。
スパラギナーゼ活性を有する哺乳類由来のポリペプチド
をコードするDNAと自律複製可能なベクターを含んで
なる組換えDNAにより解決するものである。
アスパラギナーゼ活性を有する哺乳類由来のポリペプチ
ドをコードするDNAを適宜宿主に導入してなる形質転
換体により解決するものである。
アスパラギナーゼ活性を有する哺乳類由来のポリペプチ
ドをコードするDNAを適宜宿主に導入してなる形質転
換体を培養し、産生したポリペプチドを培養物から採取
してなるポリペプチドの製造方法により解決するもので
ある。
アスパラギナーゼ活性を有する哺乳類由来のポリペプチ
ドを有効成分として含んでなる感受性疾患剤により解決
するものである。
アスパラギンに作用し、L−アスパラギン酸とアンモニ
アを生成する。
ベクターに挿入して組換えDNAとし、この組換えDN
Aを、通常当該ポリペプチドを産生しないけれども、容
易に増殖させることのできる適宜宿主に導入して形質転
換体とすることにより、当該ポリペプチドの産生を発現
する。
常、当該ポリペプチドを産生しないけれども、容易に増
殖させることのできる適宜宿主に導入して形質転換体と
することにより、当該ポリペプチドの産生を発現する。
該ポリペプチドの産生を発現する。
体を培養すれば、所望量のポリペプチドが容易に得られ
る。
ると重篤な副作用なく、顕著な治療・予防効果を発揮す
る。
ドするモルモット及びヒト由来のDNAを世界で初めて
単離し、その塩基配列を解明するのに成功した。すなわ
ち、モルモット由来のDNAは、配列表における配列番
号15に示す塩基配列を、また、ヒト由来のDNAは、
配列表における配列番号16に示す塩基配列を有してい
ることを明らかにした。この知見は、同じ出願人による
特願平第7−42564号明細書(特開平8−2148
85号公報)に開示されている。本発明はこれら知見に
基づくものであって、L−アスパラギナーゼ活性を有す
る哺乳類由来のポリペプチドを世界で初めて提供するも
のである。
が哺乳類に由来するものであって、かつ、L−アスパラ
ギナーゼ活性を有する限りその出所・由来は問わない。
この発明のポリペプチドは哺乳類由来の遺伝子を発現さ
せることにより得ることができ、通常、配列表における
配列番号1、2及び3に示すアミノ酸配列を含んでい
る。ただし、その配列番号3に示すアミノ酸配列におい
て、符号「Xaa」を付して示したアミノ酸はグルタミ
ン又はアルギニンを表すものとする。個々のポリペプチ
ドとしては、例えば、配列表における配列番号4乃至9
に示すいずれかのアミノ酸配列のポリペプチドが挙げら
れる。ただし、斯界の技術水準に鑑み、その配列番号4
乃至9に示すアミノ酸配列に対して、L−アスパラギナ
ーゼ活性を実質的に喪失させることなく、そのアミノ酸
の1個又は2個以上を他のアミノ酸で置換することは比
較的容易である。一方、同じDNAに由来するポリペプ
チドであっても、それを導入する際に用いるベクターの
種類や、それを導入する宿主の種類又はそのDNAを含
む形質転換体の培養に使用する培地の成分・組成や培養
温度・pHなどによっては、宿主内酵素によるDNA発
現後の修飾や精製の過程で、所期の活性は保持している
ものの、N末端及び/又はC末端におけるアミノ酸が1
個又は2個以上欠失するか、N末端及び/又はC末端に
1個又は2個以上のアミノ酸が付加したり、産生したポ
リペプチドに糖鎖の付加が生じることがある。斯かる状
況に鑑み、配列表における配列番号4乃至9に示すいず
れかのアミノ酸配列をそっくりそのまま有するポリペプ
チドは言うに及ばず、L−アスパラギナーゼ活性を有す
る限り、それらの相同体も、当然この発明に包含され
る。なお、この発明のポリペプチドは、通常多量体の形
態、望ましくは、4量体の形態をとるときにL−アスパ
ラギナーゼ活性を有する。
DNA技術により製造される。すなわち、この発明のポ
リペプチドは、通常、それをコードするDNAを含む形
質転換体を培養し、産生したポリペプチドを培養物から
採取することにより製造することができる。斯かる形質
転換体は、例えば、配列表における配列番号10乃至1
5に示すいずれかの塩基配列を含んでいる組換えDNA
を適宜宿主に宿主に導入することにより得ることができ
る。なお上記の塩基配列は、遺伝子コードの縮重を利用
して、コードするアミノ酸配列を変えることなく、塩基
の1個又は2個以上を他の塩基で置き換えても良い。ま
た、DNAの宿主中での当該ポリペプチドの産生を促す
ために、当該ポリペプチド又はその相同体をコードする
塩基配列における、塩基の1個又は2個以上を他の塩基
で適宜置換し得ることは云うまでもない。さらには、当
該ポリペプチド又はその相同体をコードする塩基配列に
おける塩基の5′末端及び/又は3′末端に1個又は2
個以上のアミノ酸をコードする配列及び/又はアミノ酸
をコードしない配列を付加し得ることも云うまでもな
い。
Aは、その発現産物たるポリペプチドがL−アスパラギ
ナーゼ活性を有している限り、それが天然から得られた
ものであっても、人為的に合成されたものであってもか
まわないし、また天然から得られたものと配列の一致す
る野生型DNAであっても、野生型DNAに対するDN
A相同体であっても構わない。この発明のポリペプチド
をコードするDNAの天然の給源としては、例えば、モ
ルモットの肝臓が挙げられ、そこからは常法により、例
えば、配列番号15に示す塩基配列を含んでいる野生型
DNAが得られる。すなわち、同じ出願人による特願平
7−42564号明細書(特開平8−214885号公
報)に開示されているように、先ず、モルモット肝臓よ
り精製したポリ(A)付加RNAを材料として、常法に
よりcDNAライブラリーを作製する。ここに、モルモ
ット血清より精製したL−アスパラギナーゼの部分アミ
ノ酸配列に基づき化学合成したオリゴヌクレオチドをプ
ローブとして用いて、プラークハイブリダイゼーション
法を適用し、この発明のポリペプチドをコードするDN
Aを含むファージクローンを採取する。斯くして得られ
たファージクローンを通常一般の方法により処理すれ
ば、当該DNAが得られる。また、配列表における配列
番号15に基づいてDNAを化学合成することも可能で
ある。野生型DNAに対する相同体の例としては、例え
ば、配列表における配列番号10乃至14に示す塩基配
列を含む個々のDNAが挙げられる。配列表における配
列番号10に示す塩基配列を含むDNAは、配列表にお
ける配列番号15に示す、上述のようにして得られる野
生型DNAに、斯界において慣用の方法、例えば、PC
R法や点突然変異導入法を、配列表における配列番号1
0の塩基配列に基づいて適用することにより得ることが
できる。配列表における配列番号11乃至14に示す塩
基配列を含むDNAは、いずれも以下のようにして得る
ことができる。すなわち、先ず、同じ出願人による特願
平7−42564号明細書(特開平8−214885号
公報)に開示されたような、ヒト肝臓cDNAライブラ
リーのスクリーニング等により、配列表における配列番
号16に示す塩基配列を含む野生型DNAを得る。そし
て次に、この野生型DNAに、斯界において慣用のPC
R法や点突然変異導入法などを、配列表における配列番
号11乃至14の塩基配列に基づき適用すればよい。ま
た、配列表における配列番号10乃至14に示す塩基配
列に基づいてDNAを化学合成することも可能である。
態で宿主に導入される。組換えDNAは、通常DNAと
自律複製可能なベクターを含んでなり、DNAが入手で
きれば、通常一般の組換えDNA技術により比較的容易
に調製することができる。斯かるベクターの例として
は、例えば、pKK223−3、pGEX−2T、pR
L−λ、pBTrp2 DNA、pUB110、YEp
13、Tiプラスミド、Riプラスミド、pBI12
1、pCDM8、pBPV、BCMGSneo等のプラ
スミドベクターが挙げられ、このうち、この発明のDN
Aを大腸菌、枯草菌等の原核細胞で発現させるにはpK
K223−3、pGEX−2T、pRL−λ、pBTr
p2 DNAおよびpUB110が、また酵母或いは動
植物由来の細胞すなわち、真核細胞で発現させるにはY
Ep13、Tiプラスミド、Riプラスミド、pBI1
21、pCDM8、pBPV及びBCMGSneoが好
適である。
するには、斯界において通常一般の方法が採用される。
具体的には、例えば、先ず、自律複製可能なベクターを
制限酵素により切断する。次にPCR法を応用して、こ
の発明のDNAの5′末端及び3′末端に、先にベクタ
ーの切断に用いたのと同一の制限酵素切断部位を導入し
二本鎖とした後、同制限酵素で切断する。次に、該ベク
ターと該DNA断片の混合液に、DNAリガーゼを作用
させて連結する。斯くして得られた組換えDNAは、適
宜宿主に導入して形質転換体とし、これを培養すること
により無限に複製可能である。
枯草菌、放線菌、酵母、植物細胞、動物細胞を始めとす
る適宜の宿主に導入することができる。宿主が大腸菌の
場合には、例えば、宿主を組換えDNAとカルシウムイ
オンの存在下で培養すればよく、一方宿主が枯草菌の場
合には、例えば、コンピテントセル法やプロトプラスト
法を適用すればよい。また宿主が動物細胞の場合には、
例えば、DEAE−デキストラン法やエレクトロポレー
ション法によればよい。形質転換体をクローニングする
には、ハイブリダイゼーション法を適用するか、培地で
培養し、L−アスパラギナーゼを産生するものを選択す
ればよい。
養すると、菌体内外又は細胞内外に当該ポリペプチドを
産生する。培地には、通常、炭素源、窒素源、ミネラル
さらには必要に応じてアミノ酸やビタミンなどの微量栄
養素を補足した通常一般の液体培地が使用され、ここの
炭素源としては、澱粉、澱粉加水分解物、グルコース、
果糖、蔗糖などの糖質が、また窒素源としては、例えば
アンモニア乃至アンモニウム塩、尿素、硝酸塩、ペプト
ン、酵母エキス、脱脂大豆、コーンスティープリカー、
肉エキスなどの含窒素無機乃至有機物が挙げられる。形
質転換体を斯かる培地に接種し、栄養培地を温度25乃
至65℃、pH5乃至8に保ちつつ、通気攪拌などによ
る好気的条件下で約1乃至10日間培養すれば、当該ポ
リペプチドを含む培養物が得られる。この培養物は、感
受性疾患剤としてそのまま使用可能なこともあるが、通
常は、例えば、使用に先立ち必要に応じて、超音波や細
胞壁溶解酵素により菌体又は細胞を破砕した後、濾過、
遠心分離などにより当該ポリペプチドを菌体破砕物又は
細胞破砕物から分離し、精製する。又例えば、培養物か
ら菌体又は細胞を濾過、遠心分離などにより除去した培
養上清を回収し、精製する。精製には、菌体又は細胞破
砕物由来の不溶性成分を除去した上澄液や、培養上清
に、例えば、塩析、透析、濾過、濃縮、ゲル濾過クロマ
トグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、親和性
クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、等電点
電気泳動及びゲル電気泳動などの、蛋白質を精製するた
めの斯界における通常一般の方法が採用でき、必要に応
じて、これら方法を適宜組み合わせればよい。そして、
最終使用形態に応じて、精製したポリペプチドを濃縮・
凍結乾燥して液状又は固状にすればよい。
用いられる方法は斯界において慣用のものであり、例え
ば、ジェイ・サムブルックら、『モレキュラー・クロー
ニング・ア・ラボラトリー・マニュアル』(1989
年)、コールド・スプリング・ハーバー発行や、松村正
実、『ラボマニュアル遺伝子工学』(1988年)、丸
善発行などにも詳述されている。
来のL−アスパラギナーゼをコードする野生型DNA
は、同じ出願人による特願平7−42564号明細書
(特開平8−214885号公報)に開示された方法に
準じて調製した。このDNAは、配列表における配列番
号15に示す塩基配列を有していた。以後、その配列番
号15に示す塩基配列において、ポリペプチドをコード
する領域すなわち、当該塩基配列における第20乃至第
1714の塩基よりなる配列を有するDNAを『GPA
/WT DNA』と呼ぶ。また、GPA/WT DNA
の発現産物たる、配列表における配列番号15に並記し
たアミノ酸配列を有するポリペプチドを、以後『モルモ
ット野生型L−アスパラギナーゼ』と呼ぶ。なお、配列
表における配列番号17には、GPA/WT DNAの
塩基配列とともに、そのコードするアミノ酸配列が併記
されている。
CR緩衝液を10μl、25mM dNTPミックスを
1μl、鋳型として、実験例1−1(a)で得たモルモ
ット由来のL−アスパラギナーゼをコードする野生型D
NAを1ngとり、配列表の配列番号15に並記したア
ミノ酸配列におけるN末端及びC末端付近の配列に基づ
き化学合成したオリゴヌクレオチドをセンスプライマー
及びアンチセンスプライマーとして適量加え、滅菌蒸留
水で99.5μlとした後、2.5単位/μlアンプリ
タックDNAポリメラーゼを0.5μl加えた。センス
プライマーは、配列が5′−AATCTCGAGCCA
CCATGGCGCGCGCATCA−3′であり、配
列表における配列番号15に併記したアミノ酸配列のN
末端をコードする部分の上流に、エム・コザックが『ニ
ュークレイック・アシッド・リサーチ』、第15巻、8
125乃至8148頁(1987年)に示した動物細胞
における共通配列を付加し、さらにその上流に制限酵素
Xho I切断部位を付加したものである。アンチセン
スプライマーは、配列が5′−CTGCGGCCGCT
TATCAGATGGCAGGCGGCAC−3′であ
り、配列表における配列番号15に併記したアミノ酸配
列のC末端をコードする部分の下流に2個の終始コドン
を付加し、さらにその下流に制限酵素Not I切断部
位を付加した配列に相補的な配列のものである。常法に
より、上記混合物を94℃で1分間、55℃で1分間、
72℃で3分間の順序でインキュベートするサイクルを
40回繰り返すことによりPCRを行いDNAを増幅さ
せ、GPA/WT DNAを含むDNAを得た。このD
NAを制限酵素Xho I及びNot Iで切断するこ
とにより得られる約1.7kbpのDNA断片を25n
gとり、これに予め制限酵素XhoI及びNot Iで
切断しておいたインビトロジェン社製プラスミドベクタ
ー『pCDM8』を10ngを加え、さらに宝酒造製ラ
イゲーション・キット・バージョン2の溶液Iを先のD
NA混合溶液と同容量加えた後、16℃で2時間インキ
ュベートして、複製可能な組換えDNA『pCGPA/
WT』を得た。
テントセル法によりインビトロジェン社製大腸菌MC1
061/P3株に導入し、得られた形質転換体を20μ
g/mlのアンピシリン及び10μg/mlのテトラサ
イクリンを含むLブロス培地(pH7.2)に接種し、
37℃で18時間振とう培養した。培養物を遠心分離し
て形質転換体を採取し、通常のアルカリ−SDS法を適
用して組換えDNApCGPA/WTを抽出した。蛍光
光度計を使用する自動シーケンサにより分析したところ
pCGPA/WTは、その3′末端に終止コドンが連結
されたGPA/WT DNAを含んでおり、またGPA
/WT DNAは、CMVプロモーター下流に5′末端
から3′末端方向に連結されていることが確認された。
の発現には、いずれもサル腎臓由来の細胞株であるCO
S−1細胞(ATCC CRL−1650)を宿主とし
た系を用いた。この系は一過性発現系であるため、形質
転換体内では導入されたDNAが安定して、すなわち数
日を超えて保持されず、形質転換体を用いて繰り返し目
的とするペプチドを産生できないという欠点がある。し
かし、該細胞に先述のプラスミドベクター『pCDM
8』のようなSV40ウイルス複製起点を有するベクタ
ーを導入した場合には、その細胞あたりのコピー数が一
次的に 105個程度に上昇することが知られており、こ
のために目的とするDNAの発現産物の解析が極めて容
易であるという利点がある。
例1−1(b)で調製した組換えDNA pCGPA/
WTを、フレデリック・エム・オースベルらが『カレン
ト・プロトコール・イン・モレキュラー・バイオロジ
ー』(1987年)、ジョン・ワイリー・アンド・サン
ズ・インク発行、チャプター9.2.1乃至9.2.3
及び、チャプター9.2.5乃至9.2.6で紹介して
いるDEAE−デキストラン法に準じてCOS−1細胞
に導入し、発現させた。詳細には、先ず口径3.5cm
のベクトン・ディッキンソン・ラブウェア製6穴マルチ
ウエルプレート『3046』の1穴に2.5mlの10
%(v/v)牛胎児血清を含むDME培地を入れ、1.
8×105 個のCOS−1細胞を接種し、5%(v/
v)CO2 インキュベーター内で37℃で培養した。翌
日、培養上清をアスピレーターで除去し、50mMトリ
ス−塩酸(pH7.4)を含むDME培地で細胞を洗浄
後、2.8μg/mlのpCGPA/WT、50mMの
トリス−塩酸(pH7.4)、0.4mg/mlのDE
AE−デキストラン、0.1mMのクロロキンを含むD
ME培地を、1穴あたり2.5mlずつ加え、5%(v
/v)CO2 インキュベーター内で37℃で4時間静置
した。その後上清を除去し10(v/v)%DMSOを
含む10mMリン酸食塩緩衝液(以後PBSという)を
1穴当たり2.5ml添加して室温で2分間静置し、上
清を除去して50mMトリス−塩酸(pH7.4)を含
むDME培地で細胞を洗浄し、2.5mlのコスモバイ
オ社製COS培地を加え、5%(v/v)CO2インキ
ュベーター内で37℃で3日間培養し、目的DNAを発
現させた。なお、対照区としてプラスミドベクターpC
DM8を用いてこれと同一の実験をも行った。
0℃で静置して凍結させた後、室温で融解させる操作を
3回繰り返して細胞を破砕させた。その後全培養物を遠
沈管に移し取り、遠心分離により不溶性成分を沈澱とし
て除去し、全可溶性画分を得た。そしてこれを膜濃縮
し、1穴由来の全可溶性画分を0.5mlに調整して、
以降の分析に用いた。
ーゼ活性は、次のようにして測定した活性値(単位)で
表示した。すなわち、1.5ml反応管に被検試料を5
0μlずつ分注する一方、L−アスパラギンを1.4m
g/mlになるように50mMリン酸緩衝液(pH7.
0)に溶解し、溶液を1反応管あたり200μlずつ加
え反応混合液とした。同反応管を37℃で0、1、2、
4、6及び16時間静置した後、反応混合液中のL−ア
スパラギン酸をアミノ酸分析機により測定した。これと
並行して、1.0、0.5又は0.25単位/mlに希
釈した大腸菌由来のL−アスパラギナーゼ標品を用いる
系を設け、37℃で0及び1時間静置した後、L−アス
パラギン酸測定結果から求めたL−アスパラギン酸の増
加量に基づき検量線を作成した。被検試料の系で測定さ
れたL−アスパラギン酸の増加量をこの検量線に内挿
し、被検試料の活性値を推定した。活性の低い被検試料
は反応時間を2時間以上にのばした系での測定結果から
活性値を推定した。なお、L−アスパラギナーゼ1単位
は、上記条件下で反応させたとき、1分間にL−アスパ
ラギンからアンモニアを1μmol遊離する量と定義し
た。
れぞれにこの処理を施し、3.6×105 個のCOS−
1細胞由来の全可溶性画分中に検出されたL−アスパラ
ギナーゼ活性の総量として表示した。その結果、モルモ
ット野生型L−アスパラギナーゼの活性は0.083単
位であった。対照区では、検出されなかった。
り、抗L−アスパラギナーゼ抗体を調製した。すなわ
ち、常法に従って化学合成した、Gly−Ser−Gl
y−Asn−Gly−Pro−Thr−Lys−Pro
−Asp−Leu−Leu−Gln−Glu−Leu−
Arg−Cysにより表される配列のオリゴペプチドの
C末端にキーホール・リンペット・ヘモシアニンを結合
させ、精製した後、常法に従いウサギに免疫した。2週
間間隔で6回免疫した後、全採血し50%(w/v)硫
安塩析にて精製し、抗L−アスパラギナーゼ・ウサギ抗
血清を得た。次に、ユー・ケー・レムリが『ネイチャ
ー』、第227巻、680乃至685頁(1970年)
に報告した方法に準じて、実験例1−1(c)で得た、
全可溶性画分のうち0.2mlを、還元剤存在下で1
2.5%(w/v)SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動(以後SDS−PAGEという)に供し、泳動さ
れた全ポリペプチドをSDS−ポリアクリルアミドゲル
からニトロセルロース膜に転写した後、先の抗L−アス
パラギナーゼ・ウサギ抗血清を用いて、エイチ・トービ
ンが『プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユー・エス・
エー』、第76巻、4350乃至4354頁(1979
年)に報告した方法に準じてウエスタン・ブロッティン
グを行った。発色はアルカリフォスファターゼ発色系に
よった。対照と比較して、試料で特異的に染色されたバ
ンドを確認するとともに、染色されたバンドを分子量マ
ーカーと比較してL−アスパラギナーゼのサブユニット
あたりの分子量を求めた。用いた分子量マーカーは、ウ
シ血清アルブミン(67kDa)、オボアルブミン(4
5kDa)、大豆トリプシンインヒビター(20.1k
Da)及びα−ラクトアルブミン(14.4kDa)で
あり、これらはアミドブラックにて染色した。実験例1
−1(c)で得た全可溶性画分は明瞭なバンドは示さな
かった。
(c)で得た、COS−1細胞由来の全可溶性画分のう
ち2mlを、PBSで平衡化したファルマシア製『ハイ
ロード・スーパーデックス・200・カラム』(内径1
6mm×60cm)を用いてゲル濾過カラムクロマトグ
ラフィーに供し、溶出フラクションのL−アスパラギナ
ーゼ活性を調べることにより、モルモット野生型L−ア
スパラギナーゼのネイティブな分子量を調べた。分子量
マーカーとして、チログロブリン(669kDa)、フ
ェリチン(440kDa)、カタラーゼ(232kD
a)、アルドラーゼ(158kDa)、ウシ血清アルブ
ミン(67kDa)及びオボアルブミン(43kDa)
を用た。その結果、溶出画分のL−アスパラギナーゼ活
性のピークは分子量約300kDaに相当する位置に認
められた。
ンドを示さなかったため、モルモット野生型L−アスパ
ラギナーゼの解離した状態での分子量は測定できなかっ
た。そのネイティブな状態での分子量は、ゲル濾過の結
果から、約300kDaと見積もられた。これに対し
て、モルモット血清L−アスパラギナーゼを精製し、ネ
イティブな状態での分子量をゲル濾過により分子量を求
めると、約190kDaと見積もられる。因みに、SD
S−PAGEにより解離した状態での分子量を求めると
約43kDaと見積もられる。一方、同じ出願人による
特願平7−42564号明細書(特開平8−21488
5号公報)に開示されたモルモット血清L−アスパラギ
ナーゼの3個の部分アミノ酸配列は、モルモット野生型
L−アスパラギナーゼのアミノ酸配列における、第10
乃至第236のアミノ酸残基よりなる領域内に認められ
る。また、イー・ハームズらが『フェブス・レター』、
第285巻、55乃至58頁(1991年)で大腸菌由
来のL−アスパラギナーゼ等を用いた実験結果から提唱
した、L−アスパラギナーゼ活性に必須な2つの共通配
列すなわち、配列表における配列番号1及び2に示すア
ミノ酸配列は、モルモット野生型L−アスパラギナーゼ
のアミノ酸配列上ではそれぞれ、第16乃至第19のア
ミノ酸残基及び第114乃至第118のアミノ酸残基よ
りなる配列と一致する。これらのことと実験例1−1に
示した結果から本発明者は、モルモット野生型L−アス
パラギナーゼにとって、当該アミノ酸配列における第1
乃至第400のアミノ酸残基又はその前後のアミノ酸残
基よりなる部分が、その活性発現に必須であろうと推測
した。そこで、実験例2−1ではモルモット由来のL−
アスパラギナーゼ相同体であるC末端欠失変異体の活性
を調べるべく、モルモット由来のDNA相同体の発現産
物の性質・性状について試験する。
パラギナーゼをコードする野生型DNAは、同じ出願人
による特願平7−42564号明細書(特開平8−21
4885号公報)に開示された方法に準じて調製した。
このDNAは配列表における配列番号16に示す塩基配
列を有していた。以後、その配列番号16に示す塩基配
列においてポリペプチドをコードする領域すなわち、当
該塩基配列における第93乃至第1811の塩基よりな
る配列を有するDNAを『HA/WT DNA』と呼
ぶ。また、HA/WT DNAの発現産物たる配列番号
16に並記したアミノ酸配列を有するポリペプチドを、
以後『ヒト野生型L−アスパラギナーゼ』と呼ぶことも
ある。なお、配列表における配列番号18には、HA/
WT DNAの塩基配列とともに、そのコードするアミ
ノ酸配列が併記されている。
プライマー以外は実験例1−1(b)と同一の条件でP
CRを行った。鋳型は、この実験例1−2で得たヒト由
来のL−アスパラギナーゼをコードする野生型DNA、
センスプライマーは配列が5′−AATCTCGAGC
CACCATGGCGCGCGCGGTG−3′である
オリゴヌクレオチド、アンチセンスプライマーは配列が
5′−CTGCGGCCGCTTATCAGACACC
AGGCAGCAC−3′であるオリゴヌクレオチドで
あった。この結果増幅されたDNAを引き続き実験例1
−1(b)と同じ方法で処理し、組換えDNA『pCH
A/WT』を調製した。同様に配列を確認した後、CO
S−1細胞に導入し、発現させて、実験例1−1と同様
に分析した。
は対照的に、ヒト野生型L−アスパラギナーゼは、本実
験系においては活性が検出できなかった。この原因のひ
とつとして、例えば、ヒト野生型L−アスパラギナーゼ
はモルモット野生型L−アスパラギナーゼに比べ、比活
性が低いことが考えられた。そこで、次の実験例2−2
においては、ヒト由来のDNA相同体の発現産物の性質
・性状について試験する。
来の野生型DNAの、特定の位置の塩基配列が終止コド
ンに置換されたDNA相同体を次のように調製した。す
なわち、配列表の配列番号17に示す塩基配列におけ
る、第1090乃至第1092の塩基よりなる配列を終
止コドンに置換したDNA、及び第1012乃至第10
14の塩基よりなる配列を終止コドンに置換したDNA
を、PCR法を適用して調製した。アンチセンスプライ
マーの配列以外は、全て実験例1−1(b)と同一の条
件でPCRを行った。それぞれのDNA調製のために使
用したアンチセンスプライマーの配列は、5′−CTG
CGGCCGCTTATCATGCCGTGGGCAG
TGT−3′及び5′−CTGCGGCCGCTTAT
CAGCCCAACACGTAGGA−3′であった。
この結果増幅されたDNAを引き続き実験例1−1
(b)と同様に処理し、組換えDNA『pCGPA/D
364stp』及び『pCGPA/L338stp』を
調製した。同様に配列を確認したところ、pCGPA/
D364stp及びpCGPA/L338stpは、そ
れぞれモルモット野生型L−アスパラギナーゼにおけ
る、第1乃至第363のアミノ酸残基及び第1乃至第3
37のアミノ酸残基よりなる配列をコードするDNA
と、それぞれの3′末端側に介在配列なく存在する終止
コドンを含むものでった。以後これらのポリペプチドを
コードする部分のDNAを、それぞれ『GPA/D36
4stp DNA』及び『GPA/L338stp D
NA』と呼ぶ。GPA/D364stp DNA及びG
PA/L338stp DNAはCMVプロモーター下
流に、5′末端から3′末端方向に連結されていた。以
後これらのDNAの発現産物を『モルモットL−アスパ
ラギナーゼ相同体』と呼ぶこともある。
ってCOS−1細胞に導入した後、同様に試験した。対
照区として、実験例1−1(b)で調製した組換えDN
ApCGPA/WT及びpCDM8を同様に処理し試験
した。結果を表1に示す。
由来する野生型DNA及びその相同体のうち、GPA/
WT DNA及びGPA/D364stp DNAの発
現産物では活性が認められたが、GPA/L338st
p DNA発現産物では活性は検出されなかった。この
ことは、モルモット由来のL−アスパラギナーゼが十分
な活性を示すためには、野生型L−アスパラギナーゼの
アミノ酸配列上、第1乃至第363のアミノ酸残基より
なる領域があれば十分であることを示唆している。この
第1乃至第363のアミノ酸残基よりなる配列は、配列
表における配列番号4に示したものである。これをコー
ドするDNAの塩基配列は、配列表における配列番号1
0に示したものである。またモルモット野生型L−アス
パラギナーゼのアミノ酸配列は、配列表における配列番
号5に示されている。
NAの特定の位置の塩基配列を終止コドン又は他のアミ
ノ酸に対するコドンに置換したDNA相同体を調製し
た。先ず、配列表の配列番号18に示す塩基配列におけ
る第1096乃至第1098の塩基よりなる配列を終止
コドンに置換したDNA相同体を、PCR法を適用して
調製した。すなわち、鋳型、センスプライマー及びアン
チセンスプライマー以外は、全て実験例1−1(b)と
同一の条件でPCRを行った。鋳型は、実験例1−2で
得たヒト由来のL−アスパラギナーゼをコードする野生
型DNA、センスプライマーは配列が5′−AATCT
CGAGCCACCATGGCGCGCGCGGTG−
3′であるオリゴヌクレオチド、アンチセンスプライマ
ーは配列が、5′−CTGCGGCCGCTCATTA
CACCGAGGGTGGCGT−3′であるオリゴヌ
クレオチドであった。この結果増幅されたDNAを実験
例1−1に従って処理し、組換えDNA『pCHA/E
366stp』を調製し、配列を確認した。pCHA/
E366stpは、配列表の配列番号16に併記したア
ミノ酸配列における第1乃至第365のアミノ酸残基よ
りなる配列をコードするDNAと、その3′末端に介在
配列なく存在する終止コドンを含むものであった。以後
このコード部分のDNAを『HA/E366stp D
NA』と呼ぶ。HA/E366stpDNAは、CMV
プロモーターの下流に5′末端から3′末端方向に連結
されていた。
酸に対するコドンへ置換するには、ロバート・エム・ホ
ートンらが『メソッズ・イン・エンザイモロジー』、ア
カデミック・プレス発行、第217巻、270乃至27
9頁(1993年)で紹介しているオーバーラップ・エ
クステンション法に従って行った。その概要を図1に示
すと共に以下に説明する。第1、変異を導入すべき位置
の塩基を、目的とする別の塩基に置換した互いに相補な
変異プライマーA及び変異プライマーSを調製する。こ
こで、変異プライマーAはアンチセンス鎖であり、変異
プライマーSはセンス鎖である。他方、目的とするDN
Aの全域を増幅し得るプライマーのセット、すなわち、
5′末端プライマー及び3′末端プライマーを調製す
る。ここで5′末端プライマーはセンス鎖であり、3′
末端プライマーはアンチセンス鎖である。第2、基の塩
基配列のDNAを鋳型として、先の5′末端プライマー
と変異プライマーAを用いて通常のPCRを行う。これ
と並行して、同じDNAを鋳型として、先の3′末端プ
ライマーと変異プライマーSを用いて通常のPCRを行
う(第1段PCR)。第3、第1段PCRにより増幅し
た2つのDNA、第1段PCRで使用した5′末端プラ
イマー及び3′末端プライマーを、同一の反応管で混合
し、PCRを行う(第2段PCR)。第1段PCRで増
幅された2つのDNA断片は、鋳型兼プライマーとして
変異が導入されたDNAの生成に用いられ、5′末端プ
ライマー及び3′末端プライマーは変異が導入されたD
NA増幅のためのプライマーとして用いられる。この方
法により、7とおりの塩基置換を導入したDNAすなわ
ち、7種のDNA相同体を調製した。7とおりの塩基置
換の内容と、それに伴うアミノ酸配列の変化の内容を表
2にまとめて示した。この7種のDNA相同体の調製に
用いた、鋳型DNAと変異プライマーA及び変異プライ
マーSの配列を表3にまとめて示した。一方、7個のD
NA相同体の調製に用いた、5′末端プライマー及び
3′末端プライマーはそれぞれ、この実験例2−2で先
に示したpCHA/E366stpの調製時に用いたセ
ンスプライマー及びアンチセンスプライマーと同一であ
る。
例1−1に従って処理し、組換えDNA『pCHA/M
UT1』、『pCHA/MUT2』、『pCHA/MU
T3』、『pCHA/MUT4』、『pCHA/MUT
5』、『pCHA/MUT6』及び『pCHA/MUT
7』を得た。以後、この実験例2−2で得た、以上のD
NA相同体の発現産物を、『ヒトL−アスパラギナーゼ
相同体』と呼ぶこともある。同様に配列を確認した後、
COS−1細胞へ導入し発現させ、試験した。対照区と
して、実験例1−2で得たpCHA/WT及びpCDM
8を同様に処理・試験した。また、この実験例2−2で
は各発現産物の量的な比較のための参考としてウエスタ
ン・ブロッティングで検出されたバンドのシグナル強度
を、デンシトメトリーにより数値化した。以上の結果を
表4に示した。
ナーゼは野生型でも、その相同体の一つであるC末端欠
失変異体(HA/E366stp DNA発現産物)で
もモルモット由来のそれらに比べ、比活性が低いことを
示唆している。また、これに対し、ヒト由来の野生型L
−アスパラギナーゼ本来のアミノ酸配列の内のいくつか
を他のアミノ酸に置換した点突然変異体の中には、検出
され得る程度に比活性が上昇するものがあることをも示
している。発現産物が少なくとも検出され得る程度の活
性を示すことが確認された、ヒト由来のDNA相同体
HA/MUT1DNA、HA/MUT2 DNA、HA
/MUT3 DNA及びHA/MUT5 DNAは、そ
れぞれ配列表における配列番号11、12、13及び1
4に示す塩基配列を有すものであり、そのコードするポ
リペプチドは、それぞれ配列表における配列番号6、
7、8及び9に示すアミノ酸配列を有すものである。
リペプチドが、少なくとも実験例1及び2で用いた発現
系・活性測定系で検出され得る程度のL−アスパラギナ
ーゼ活性を示すためには、従来公知の、配列表における
配列番号1及び2に示すアミノ酸配列の他に、例えば、
同じく配列番号3に示すアミノ酸配列を有する必要があ
ることを見出した(ただし、符号「Xaa」を付して示
したアミノ酸はグルタミン又はアルギニンを表すものと
する)。因みに、モルモット野生型L−アスパラギナー
ゼは、そのアミノ酸配列上第298乃至第302の残基
よりなる部分ににこの配列を有している。配列表におけ
る配列番号1乃至3に示すアミノ酸配列を全て有するポ
リペプチドとしては、例えば、モルモットに由来する、
配列表における配列番号4乃び5に示すアミノ酸配列を
有するポリペプチドと、ヒトに由来する配列表における
配列番号6乃至9に示すアミノ酸配列を有するポリペプ
チドが挙げられる。
パラギナーゼ活性を有する哺乳類由来のポリペプチドを
発明するに至った。以下実施例に基づきこの発明を説明
するが、ここで選択した方法はいずれも斯界において慣
用のものである。当然ながら、この発明を実施するため
の方法は、これらに限定されるわけではない。
野生型ポリペプチド〉
R緩衝液を10μl、25mM dNTPミックスを1
μl、鋳型として、実験例1−1で得た組換えDNA
pCGPA/WTを1ngとり、GPA/WT DNA
の5′末端及び3′末端の配列に基づき化学合成したオ
リゴヌクレオチドをセンスプライマー又はアンチセンス
プライマーとして適量加え、滅菌蒸留水で99.5μl
とした後、2.5単位/μlアンプリタックDNAポリ
メラーゼを0.5μl加えた。センスプライマーは、配
列が5′−GCGAATTCATGGCGCGCGCA
TCA−3′であり、GPA/WT DNAの5′末端
の上流に制限酵素Eco RI切断部位を付加したもの
である。アンチセンスプライマーは、配列が5′−GC
AAGCTTTCAGATGGCAGGCGGCAC−
3′であり、GPA/WT DNAの3′末端の下流に
終始コドンを付加し、さらにその下流に制限酵素Hin
dIII切断部位を付加した配列に相補的な配列のも
のである。常法により、上記混合物を94℃で1分間、
55℃で1分間、72℃で3分間の順序でインキュベー
トするサイクルを40回繰り返すことによりPCRを行
い、DNAを増幅させた。このDNAを制限酵素Eco
RI及びHin dIIIで切断することにより約
1.7kbpのEco RI−Hin dIII断片を
得た。このDNA断片を25ngとり、これに予め制限
酵素Eco RI及びHin dIIIで切断しておい
たファルマシア製プラスミドベクター『pKK223−
3』を10ngを加え、さらに宝酒造製ライゲーション
キット・バージョン2の溶液Iを先のDNA混合溶液と
同体積加えた後、16℃で2時間インキュベートするこ
とにより、複製可能な組換えDNA『pKGPA/W
T』を得た。
テントセル法によりファルマシア製大腸菌JM105株
に導入し、ここで得られる形質転換体『J−GPA/W
T』を50μg/mlのアンピシリンを含むLブロス培
地(pH7.2)に接種し、37℃で18時間振とう培
養した。培養物を遠心分離して形質転換体を採取し、通
常のアルカリ−SDS法を適用して組換えDNA pK
GPA/WTを抽出した。蛍光光度計を使用する自動シ
ーケンサで分析することにより、このpKGPA/WT
においては、図2に示すごとく配列表における配列番号
17に示す塩基配列のGPA/WT DNAがタックプ
ロモーターの下流に5′末端から3′末端方向に連結さ
れているのが確認された。また、GPA/WT DNA
の3′末端側には、介在配列なく終止コドンが存在して
いることも確認された。
50μg/mlのアンピシリンを含むLブロス培地(p
H7.2)に接種し、37℃で18時間振とう培養し
た。次に30l容ジャーファーメンタに新鮮なLブロス
培地を18lとり、先に培養しておいた種培養物を1%
(v/v)の割合で接種し、37℃で通気攪拌培養し
た。培養物の一部を厚さ1cmのキュベットにとり、波
長650nmにおける吸光度を測定しつつ培養し、吸光
度が約1.5に達した時点でIPTGを終濃度0.1m
Mとなるように添加し、さらに5時間培養した。その
後、遠心分離により培養物から回収される菌体を、13
9mM塩化ナトリウム、7mMリン酸水素二ナトリウム
及び3mMリン酸二水素ナトリウムを含む混液(pH
7.2)に懸濁し常法により超音波処理して菌体を破砕
し、菌体破砕物を遠心分離して上清を回収した。
0%(w/v)まで加え、均一に溶解し、暫時静置し遠
心分離後、沈澱を採取した。この沈澱を20mMトリス
塩酸緩衝液(pH8.0)に溶解させ、同緩衝液に透析
後、同緩衝液で平衡化したファルマシア製『キュー・セ
ファロース・エフ・エフ・カラム』に負荷し、同緩衝液
で充分に洗浄後、0から0.5Mの塩化ナトリウムの濃
度勾配下、20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を
通液した。塩化ナトリウム濃度が0.1乃至0.3M付
近で溶出した画分を採取し、膜濃縮しながら10mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に溶媒交換した。
同緩衝液で平衡化したシグマ製『L−アスパラギン・ア
ガロース』に負荷し、同緩衝液で洗浄後0.5M塩化ナ
トリウムを含む10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH
7.5)で溶出させた。溶出画分を膜濃縮し、10%
(v/v)グリセリンを含むトリス塩酸−塩緩衝液(p
H8.0)で平衡化したファルマシア製『ハイロード・
スーパーデックス・200・カラム』に負荷し、約30
0kDa付近の溶出画分を採取したところ、純度90%
以上の精製ポリペプチドが、培養液あたり約0.1mg
/mlの収量で得られた。
し、その理化学的性質を明らかにした。精製ポリペプチ
ドのネイティブな分子量は、実験例1−1(e)に準じ
てゲル濾過により求めた。その結果、溶出画分のL−ア
スパラギナーゼ活性のピークは分子量約300kDaに
相当する位置に認められた。精製ポリペプチドの、解離
した状態での分子量は、実験例1−1(e)中に示した
SDS−PAGEにより求めた。その結果、分子量50
±10kDaの位置に、主たるバンドが認められた。こ
の結果は、精製ポリペプチドは、ネイティブな状態では
多量体を形成していることを示している。2種類の方法
の測定誤差及び、大腸菌を始めとする哺乳類以外の従来
公知のL−アスパラギナーゼのネイティブな状態での形
態が全て4量体であることを考慮に入れると、この結果
は精製ポリペプチドが4量体を形成していることを示し
ていると考えられる。またこの精製ポリペプチドを、実
験例1−1(d)に示した方法に供した結果、L−アス
パラギナーゼ活性を有していることが確認された。
野生型ポリペプチド〉
センスプライマー及びアンチセンスプライマーの配列以
外は、全て実施例A−1(a)と同一の条件でPCRを
行った。センスプライマーの配列は、5′−GTGAA
TTCGGAGGTTCAGATGGCGCGCGCA
TCA−3′であり、アンチセンスプライマーの配列
は、5′−CTGCGGCCGCTCAGATGGCA
GGCGGCAC−3′であった。ここで増幅されたD
NAを制限酵素Eco RI及びNot Iで切断し、
約1.7kbpのEco RI−Not I断片を得
た。このDNA断片70ngと、予め制限酵素Xho
I及びNot Iで切断しておいたファルマシア製プラ
スミドベクター『pBPV』50ng及び、リンカーと
して次の塩基配列よりなる4種のオリゴヌクレオチド
を、それぞれ25ngずつ混合した。第1のオリゴヌク
レオチドの配列は、5′−TCGAGCCACCATG
AAGTGTTCGTGGGTTATT−3′、第2の
それは、5′−TTCTTCCTGATGGCCGTA
GTGACAGGAGTG−3′、第3のそれは、5′
−AATTCACTCCTGTCACTACGGCCA
TCAGGA−3′であり、第4のそれは、5′−AG
AAAATAACCCACGAACACTTCATGG
TGGC−3′である。なおリンカーとして用いたオリ
ゴヌクレオチドは、いずれも常法に従い合成後、ファル
マシア製T4ポリヌクレオチド・キナーゼを作用させた
後、エタノール沈澱により精製したものを用いた。この
DNA混合溶液に、等容の宝酒造製ライゲーション・キ
ット・バージョン2の溶液Iを加え、16℃で2時間保
持することにより複製可能な組換えDNA『pBIgG
PA/WT』を得た。
ンピテントセル法により大腸菌HB101株に導入し、
得られる形質転換体を50μg/mlのアンピシリンを
含むLブロス培地(pH7.2)に接種し、37℃で1
8時間振とう培養した。培養物を遠心分離して菌体を回
収し、通常のアルカリ−SDS法を適用して組換DNA
pBIgGPA/WTを抽出した。自動シーケンサで
配列を分析すると、このpBIgGPA/WTは図4に
示すような構造をしていることが確認された。すなわ
ち、モロニー・マウス肉腫ウイルスのロング・ターミナ
ル・リピート由来のエンハンサー(Emsv)とマウス
・メタロチオネインI遺伝子由来のプロモーター(Pm
ti)からなる転写調節域の下流に、ディー・エフ・ス
ターンが『サイエンス』、第235巻、321乃至32
4頁(1987年)で紹介しているイムノグロブリンの
分泌シグナル配列を含むペプチド部分をコードするDN
A、Ig sec DNA が連結されており、さらに
その下流に同じ読み枠で、GPA/WT DNAが5′
末端から3′末端方向に連結されていた。また、GPA
/WT DNAの3′末端には介在配列なく終止コドン
が存在していることも確認した。
を、ライフ・テクノロジーズ製リポフェクチン試薬を用
い、添付のプロトコールに従って、マウス由来細胞株C
127(ATCC CRL−1616)に導入した。該
組換えDNAが導入された形質転換体は、第一段階とし
て、増殖の制御能力の喪失すなわちフォーカス形成能に
よって選択した。第二段階として、フォーカスを含む近
傍の細胞を滅菌濾紙にて回収し、目的とする形質転換体
を通常の限界希釈法により、L−アスパラギナーゼ活性
の産生能に基づき単細胞化した。斯くして形質転換体
『C−GPA/WT』を得た。
を、先ず種培養として2.5mlの10%(v/v)ウ
シ胎児血清を含むDME培地を添加した口径3.5cm
のベクトン・ディッキンソン・ラブウェア製6穴マルチ
ウエルプレート『3046』の1穴に接種し、コンフル
エントにまで培養した。ここから細胞をトリプシン処理
することにより剥離させ、その一部を種細胞として、同
培地を添加した別の新たな6穴プラスチックプレートの
6穴に接種し培養した。同様の操作を順次培養器を拡張
させながら繰り返し、細胞数を増加させて、150cm
2 培養フラスコ50本を用いて、該形質転換体を通常の
連続培養に供した。最終的に培養上清100lを回収
し、実施例A−1(b)の菌体破砕物の上清の処理方法
と同様に、硫酸アンモニウム沈澱、沈澱溶解液のキュー
・セファロース・エフエフ・カラムを用いたクロマトグ
ラフィー、その溶出画分のL−アスパラギン・アガロー
ス・を用いたクロマトグラフィー及びその溶出画分のハ
イロード・スーパーデックス・200・カラムを用いた
クロマトグラフィーの順で処理した。その結果、純度9
0%以上の精製ポリペプチドが、培養液あたり約1μg
/mlの収量で得られた。
性質を、実施例A−1(c)と同様に調べると、実施例
A−1(b)で得た精製ポリペプチドと同等の性質を示
すものであることが確認された。
ト由来のポリペプチド相同体〉
チセンスプライマー以外は実施例A−1(a)に示した
方法と同一条件でPCRを行い、得られたDNAを実施
例A−1(a)と同様に処理することにより組換えDN
A『pKGPA/D364stp』、『pKHA/MU
T1』、『pKHA/MUT2』、『pKHA/MUT
3』及び『pKHA/MUT5』を得た。それぞれの組
換えDNAの調製のために用いた鋳型DNAの名称、セ
ンスプライマー及びアンチセンスプライマーの塩基配列
を表5にまとめて示す。実施例A−1(a)と同様に塩
基配列を分析し、これらの組換えDNAの構造確認し
た。これらの組換えDNAの構造は、図5乃至9に示し
ている。
A−1(a)に従って処理し、形質転換体『J−GPA
/D364stp』、『J−HA/MUT1』、『J−
HA/MUT2』、『J−HA/MUT3』及び『J−
HA/MUT5』を得た。
施例A−1(b)と同様に培養、菌体の破砕、菌体破砕
物の硫酸アンモニウム沈澱、沈澱溶解液のキュー・セフ
ァロース・エフエフ・カラムを用いたクロマトグラフィ
ー、及びその溶出画分のL−アスパラギン・アガロース
を用いたクロマトグラフィーの順で処理した。この結果
得られた溶出画分は実施例A−1(b)と同様に膜濃縮
した後、ハイロード・スーパーデックス・200・カラ
ムを用いたクロマトグラフィーに供し、約140kDa
付近の溶出画分を採取したところ、いずれも純度90%
以上の精製ポリペプチドが培養液あたり約0.1mg/
mlの収量で得られた。これらの精製ポリペプチドを実
施例A−1(c)の方法により分析し、理化学的性質を
明らかにした。実施例A−1で得た結果とあわせて表6
に示した。
現させ精製された、それぞれの野生型ポリペプチド或い
はポリペプチド相同体は、いずれもL−アスパラギナー
ゼ活性を示すことが分かる。またこれらのポリペプチド
は4量体を形成していることが示されている。
ト由来のポリペプチド相同体〉
チセンスプライマー以外は実施例A−1(a)に示した
方法と同一条件でPCRを行った。得られたDNAを実
施例A−2(a)で用いたのと同一のリンカーを用い、
同一の条件で連結することにより、組換えDNA『pB
IgGPA/D364stp』、『pBIgHA/MU
T1』、『pBIgHA/MUT2』、『pBIgHA
/MUT3』及び『pBIgHA/MUT5』を得た。
それぞれの組換えDNAの調製のためのPCRに用いた
鋳型DNAの名称、センスプライマー及びアンチセンス
プライマーの塩基配列を表7にまとめて示す。実施例A
−1(a)と同様に塩基配列を分析し、これらの組換え
DNAの構造を確認した。これらの組換えDNAの構造
は、図10乃至14に示している。
A−2(a)と同様に処理することにより、それぞれ形
質転換体『C−GPA/D364stp』、『C−HA
/MUT1』、『C−HA/MUT2』、『C−HA/
MUT3』及び『C−HA/MUT5』を得た。
(b)と同様に培養し、培養上清を実施例A−1(b)
の菌体破砕の処理方法と同様に硫酸アンモニウム沈澱、
沈澱溶解液のキュー・セファロース・エフ・エフ・カラ
ムを用いたクロマトグラフィー及びその溶出画分のL−
アスパラギン・アガロース・ゲルを用いたクロマトグラ
フィーの順で処理した。この結果得られた溶出画分は実
施例A−1(b)と同様に膜濃縮した後、ハイロード・
スーパーデックス・200・カラムを用いたクロマトグ
ラフィーに供し、約140kDa付近の溶出画分を採取
したところ、純度90%以上の精製ポリペプチドが培養
液あたり約1μg/mlの収量で得られた。これらの精
製ポリペプチドを実施例A−1(c)の方法により分析
し、理化学的性質を明らかにした。実施例A−3で得た
結果とあわせて表8に示した。
発現させ精製された、それぞれの野生型ポリペプチド或
いは、ポリペプチド相同体は、いずれもL−アスパラギ
ナーゼ活性を示すことが分かる。またこれらのポリペプ
チドは4量体を形成していることが示される。
リペプチドは、いずれもL−アスパラギナーゼ活性を示
す。したがって、この発明の感受性疾患剤は、ヒトに投
与すると、体内のL−アスパラギンを加水分解し、L−
アスパラギナーゼ感受性疾患の治療・予防に効果を発揮
する。この発明でいう感受性疾患とは、L−アスパラギ
ン依存性腫瘍細胞の存在に起因する疾患全般を意味する
ものとし、具体的には、例えば、急性白血病・急性転化
した慢性白血病・T細胞白血病等の白血病、非ホジキン
病・ホジキン病等の悪性リンパ腫を挙げることができ
る。斯くしてこの発明の感受性疾患剤は、上記のごとき
感受性疾患を治療・予防するための抗腫瘍剤としての用
途を有することとなる。剤型並びに感受性疾患の種類及
び性状にもよるが、この発明の感受性疾患剤は、通常、
液状、ペースト状又は固状に調製され、当該ポリペプチ
ドを0.000001乃至100%(w/w)、望まし
くは、0.0001乃至100%(w/w)含んでい
る。
ド単独の形態はもとより、当該ポリペプチドとそれ以外
の生理的に許容される、例えば、基剤、賦形剤、可溶
剤、緩衝剤、安定剤、さらには必要に応じて、他の生理
活性物質乃至は他の薬剤のうちから選ばれる1種又は2
種以上との組成物としての形態をも包含する。基剤、賦
形剤、可溶剤、緩衝剤及び安定剤としては具体的には、
例えば、日本医薬品添加剤協会編集、『医薬品添加物辞
典』(1994年)、薬事日報社発行や、日本医薬品添
加剤協会編集、『医薬品添加物辞典追補 1995』
(1995年)、薬事日報社発行などに記載のものが挙
げられる。他の生理活性物質乃至他の薬剤としては具体
的には、例えば、インターフェロン−α、インターフェ
ロン−β、インターフェロン−γ、インターロイキン
1、インターロイキン2、インターロイキン3、TNF
−α、TNF−β、GM−CSF、カルボコン、シクロ
フォスファミド、アクラルビシン、チオテパ、ブスルフ
ァン、アンシタビン、シタラビン、フルオロウラシル、
テトラヒドロフリルフルオロウラシル、メトトレキサー
ト、アクチノマイシンD、クロモマイシンA3、ダウノ
ルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、メルカプ
トプリン、プレドニゾロン、マイトマイシンC、ビンク
リスチン、ビンブラスチン、金コロイド、クレスチン、
ピシバニール、レンチナン及び丸山ワクチンなどが挙げ
られる。
単位形態の薬剤をも包含し、その投薬単位形態の薬剤と
は、当該ポリペプチドを、例えば、1回当たりの用量又
はその正数倍(4倍まで)若しくはその約数(1/40
まで)に相当する量を含んでおり、投薬に適する物理的
に分離した一体の剤型にある薬剤を意味する。この様な
投薬形態の薬剤としては、注射剤、液剤、散剤、顆粒
剤、錠剤、カプセル剤、舌下剤、点眼剤、点鼻剤、座剤
などが挙げられる。
ても非経口的に投与しても、いずれの場合にも、感受性
疾患の治療・予防に効果を発揮する。感受性疾患の種類
や症状にもよるが、具体的には、患者の症状や投与後の
経過を観察しながら、成人当たり約0.1μg乃至50
0mg/回、望ましくは約0.1乃至100mg/回の
ポリペプチドを1乃至4回/日又は1乃至7回/週の用
量で1日乃至1年間にわたって経口投与するか、皮内、
皮下、筋肉内又は静脈内に非経口投与すればよい。ま
た、この発明の感受性疾患剤のその他の一形態として
は、例えば、遺伝子治療を応用した形態が挙げられる。
つまり、この発明のポリペプチドをコードするDNAを
適宜宿主に導入してなる形質転換体を投与し、この発明
のポリペプチドを感受性疾患患者の生体内で産生させる
ことにより、上記の投与形態と同等の効果を発揮する。
なお、遺伝子治療を実施するための一般的手順は、例え
ば、島田隆、斎藤泉、小澤敬也編集、『実験医学別冊バ
イオマニュアルUPシリーズ遺伝子治療の基礎技術』
(1996年)、羊土社発行に詳述されている。
ペプチドの生物活性について、実験例4に基づき、この
発明のポリペプチドの安全性について説明する。
CC No.CRL−1593)及びヒトリンパ芽球由
来細胞株Molt4(ATCC No.CRL−158
2)を、10%(v/v)ウシ胎児血清を含むRPMI
1640培地で予め経代培養しておいた。対数増殖期に
あるそれぞれの細胞培養系から、細胞を遠心分離により
回収し、同培地で2×105 個/mlの細胞濃度に調整
し、該細胞懸濁液をベクトン・ディッキンソン・ラブウ
ェア製24穴マルチウエルプレート『3047』プレー
トに、1穴あたり1mlで合計13穴に接種した。ここ
に実施例A−1乃至A−4で調製した12種類の精製ポ
リペプチドのPBSによる希釈液をそれぞれ添加し、5
%(v/v)CO2 インキュベーター内で、37℃で7
2時間培養した。各精製ポリペプチドの終濃度は、L−
アスパラギナーゼ活性として1単位/mlであった。対
照区として、PBSを等容添加して同じく培養する系を
設けた。培養後細胞を回収し、トリパン・ブルーにより
死細胞を染色して、精製ポリペプチド添加系の細胞生存
率を対照区と比較した。その結果、いずれの精製ポリペ
プチドを添加した系も、細胞生存率は対照区と比較して
有意に低い値を示した。このことは、実施例A−1乃至
A−4で得られた精製ポリペプチドは、いずれもU93
7及びMolt4に対する細胞障害性を有することを示
している。
ターに登録されているマウスリンパ腫細胞株6C3HE
Dを、常法により1×107 個/匹で8日ごとにその脇
腹に皮下注射することによって経代移植されているC3
Hマウスをモデルマウスとして用いた。該細胞の移植後
4日目から7日目までの毎日、該モデルマウスに実施例
A−1乃至A−4で得られた精製ポリペプチドを、40
0単位/匹で、静脈注射にて投与した。移植後4及び8
日目の腫瘍の大きさを肉眼で観察した。なお精製ポリペ
プチドは、0.15Mの塩化ナトリウム溶液で希釈した
後、ミリポア製の孔径0.45μmのメンブランフィル
ターで濾過した後に投与した。対照区として、0.15
M塩化ナトリウム溶液を同様に処理した系を設けた。そ
の結果、対照区では腫瘍の明らかな肥大が認められたの
に対し、精製ポリペプチドを投与した系では腫瘍の明ら
かな退縮又は消失が認められた。このことは、実施例A
−1乃至A−4で調製される精製ポリペプチドが、いず
れもモデルマウスの腫瘍を治癒する能力があることを示
している。
精製ポリペプチドをそれぞれ別個に、常法にしたがって
8週齢のマウスに経皮、経口あるいは腹腔内に注射投与
した。その結果、これらの精製ポリペプチドのLD50
は、いずれの投与経路による場合も約100mg/kg
以上であった。このことは、この発明のポリペプチドが
ヒトへの投与を前提とする医薬品として安全であること
を裏付けている。
例を挙げて説明する。
ミンを含む生理食塩水に実施例A−1乃至A−4で得た
精製ポリペプチドをそれぞれ別個に0.1mg/mlと
なるように溶解させ、常法に従った精密濾過により滅菌
して液剤を得た。
急性白血病、悪性リンパ腫、慢性白血病の急性転化、T
細胞白血病を含む感受性疾患を治療・予防するための注
射剤、点眼剤、及び点鼻剤として有用である。
む生理食塩水に実施例A−1乃至A−4で得た精製ポリ
ペプチドをそれぞれ別個に0.1mg/mlとなるよう
に溶解させ、常法に従った精密濾過により滅菌して液剤
を得た。
瘍、急性白血病、悪性リンパ腫、慢性白血病の急性転
化、T細胞白血病を含む感受性疾患を治療・予防するた
めの注射剤、点眼剤、及び点鼻剤として有用である。
ラチンを含む生理食塩水に実施例A−1乃至A−4で得
た精製ポリペプチドをそれぞれ別個に50mg/mlと
なるように溶解させ、常法に従った精密濾過により滅菌
して、バイアル瓶に1mlずつ分注し、凍結乾燥後密栓
した。
急性白血病、悪性リンパ腫、慢性白血病の急性転化、T
細胞白血病を含む感受性疾患を治療・予防するための乾
燥注射剤として有用である。
ルポリマー『ハイビスワコー104』と高純度トレハロ
ースをそれぞれ濃度1.4%(w/w)及び2.0%
(w/w)になるように溶解させ、実施例A−1乃至A
−4で得た精製ポリペプチドをそれぞれ別個に均一に混
合後、pH7.2に調整して1g当たり該ポリペプチド
を約10mg含むペースト状物を得た。
性腫瘍、急性白血病、悪性リンパ腫、慢性白血病の急性
転化、T細胞白血病を含む感受性疾患を治療・予防する
ための軟膏として有用である。
トース』に実施例A−1乃至A−4で得た精製ポリペプ
チドと細胞賦活剤としてのルミンを均一に混合し、得ら
れる混合物を打錠機により打錠して製品1錠(約200
mg)当たり該ポリペプチド及びルミンをそれぞれ約5
mg含む錠剤を得た。
らに細胞賦活作用も有し、悪性腫瘍、急性白血病、悪性
リンパ腫、慢性白血病の急性転化、T細胞白血病を含む
感受性疾患を治療・予防するための錠剤として有用であ
る。
を有する哺乳類由来のポリペプチドの発見に基づくもの
である。この発明のポリペプチドは、いずれもアミノ酸
配列まで解明されている物質であり、安定したL−アス
パラギンを加水分解する活性を有する。これにより、こ
の発明のポリペプチドは、L−アスパラギン依存性腫瘍
細胞に起因する各種の疾患に対する治療剤・予防剤とし
て威力を発揮する。
ることから、ヒトに対する抗原性が低く、多量投与或い
は継続投与しても重篤な副作用を惹起することがない。
したがって、この発明のポリペプチドは、使用に際して
患者の感受性に関して厳密な管理をしなくとも、所望の
効果を発揮できる利点がある。
は、これをコードするこの発明のDNAを利用すること
により、所望量を容易に製造することができる。
するものであり、斯界に貢献すること誠に多大な意義の
ある発明であるといえる。
を示す図である。
図を示す図である。
の概要を示す図である。
素地図を示す図である。
制限酵素地図を示す図である。
地図を示す図である。
地図を示す図である。
地図を示す図である。
地図を示す図である。
tpの制限酵素地図を示す図である。
限酵素地図を示す図である。
限酵素地図を示す図である。
限酵素地図を示す図である。
限酵素地図を示す図である。
部位 Not I Not I切断部位 Xho I Xho I切断部位 GPA/WT モルモット野生型L−
アスパラギナーゼをコードするDNA(GPA/WT
DNA) D364stp モルモットL−アスパ
ラギナーゼ相同体をコードするDNA(GPA/D36
4stpDNA) HA/MUT1 ヒトL−アスパラギナ
ーゼ相同体をコードするDNA(HA/MUT1 DN
A) HA/MUT2 ヒトL−アスパラギナ
ーゼ相同体をコードするDNA(HA/MUT2 DN
A) HA/MUT3 ヒトL−アスパラギナ
ーゼ相同体をコードするDNA(HA/MUT3 DN
A) HA/MUT5 ヒトL−アスパラギナ
ーゼ相同体をコードするDNA(HA/MUT5 DN
A) Ptac tacプロモーター rrnBT1T2 リボゾームRNAオペ
ロンの転写終領域 5S 5SリボゾームRNA
遺伝子 AmpR アンピシリン耐性遺伝
子 pBR322ori 大腸菌における複製開
始点 Ig sec イムノグロブリンの分
泌シグナル配列を含むペプチド部分をコードするDNA
(Ig sec DNA) Emsv モロニー・マウス肉腫
ウイルスのロング・ターミナル・リピート由来のエンハ
ンサー Pmti マウス・メタロチオネ
インI遺伝子由来のプロモーター Poly(A) SV40由来のポリ
(A)付加シグナル BPVI ウシパピローマ・ウイ
ルスのゲノム
Claims (31)
- 【請求項1】 L−アスパラギナーゼ活性を有する哺乳
類由来のポリペプチド。 - 【請求項2】 哺乳類由来の遺伝子を発現させて得るこ
とのできる請求項1に記載のポリペプチド。 - 【請求項3】 配列表における配列番号1、2及び3
(ただし、符号「Xaa」を付して示したアミノ酸はグ
ルタミン又はアルギニンを表すものとする。)に示すア
ミノ酸配列を含んでなる請求項1又は2に記載のポリペ
プチド。 - 【請求項4】 配列表における配列番号4に示すアミノ
酸配列又はそのアミノ酸配列に相同的なアミノ酸配列を
含んでなる請求項1、2又は3に記載のポリペプチド。 - 【請求項5】 配列表における配列番号5に示すアミノ
酸配列又はそのアミノ酸配列に相同的なアミノ酸配列を
含んでなる請求項1、2又は3に記載のポリペプチド。 - 【請求項6】 配列表における配列番号6に示すアミノ
酸配列又はそのアミノ酸配列に相同的なアミノ酸配列を
含んでなる請求項1、2又は3に記載のポリペプチド。 - 【請求項7】 配列表における配列番号7に示すアミノ
酸配列又はそのアミノ酸配列に相同的なアミノ酸配列を
含んでなる請求項1、2又は3に記載のポリペプチド。 - 【請求項8】 配列表における配列番号8に示すアミノ
酸配列又はそのアミノ酸配列に相同的なアミノ酸配列を
含んでなる請求項1、2又は3に記載のポリペプチド。 - 【請求項9】 配列表における配列番号9に示すアミノ
酸配列又はそのアミノ酸配列に相同的なアミノ酸配列を
含んでなる請求項1、2又は3に記載のポリペプチド。 - 【請求項10】 モルモット又はヒトに由来する請求項
1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載のポリペ
プチド。 - 【請求項11】 多量体の形態で存在する請求項1、
2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載のポリ
ペプチド。 - 【請求項12】 請求項1乃至10に記載のポリペプチ
ドをコードするDNA。 - 【請求項13】 配列表における配列番号10に示す塩
基配列又はその塩基配列に相同的若しくは相補的な塩基
配列を含んでなる請求項12に記載のDNA。 - 【請求項14】 配列表における配列番号11に示す塩
基配列又はその塩基配列に相同的若しくは相補的な塩基
配列を含んでなる請求項12に記載のDNA。 - 【請求項15】 配列表における配列番号12に示す塩
基配列又はその塩基配列に相同的若しくは相補的な塩基
配列を含んでなる請求項12に記載のDNA。 - 【請求項16】 配列表における配列番号13に示す塩
基配列又はその塩基配列に相同的若しくは相補的な塩基
配列を含んでなる請求項12に記載のDNA。 - 【請求項17】 配列表における配列番号14に示す塩
基配列又はその塩基配列に相同的若しくは相補的な塩基
配列を含んでなる請求項12に記載のDNA。 - 【請求項18】 モルモット又はヒトに由来する請求項
12、13、14、15、16又は17に記載のDN
A。 - 【請求項19】 自律複製可能なベクターをさらに含ん
でなる請求項12、13、14、15、16、17又は
18に記載のDNA。 - 【請求項20】 自律複製可能なベクターがプラスミド
ベクターである請求項19に記載のDNA。 - 【請求項21】 自律複製可能なベクターがメタロチオ
ネインプロモーター及び/又はタックプロモーターを含
んでなる請求項19又は20に記載のDNA。 - 【請求項22】 請求項1乃至10に記載のポリペプチ
ドをコードするDNAを宿主に導入してなる形質転換
体。 - 【請求項23】 宿主が原核細胞又は真核細胞である請
求項22に記載の形質転換体。 - 【請求項24】 宿主が大腸菌である請求項22又は2
3に記載の形質転換体。 - 【請求項25】 宿主がマウス乳癌由来の細胞である請
求項22又は23に記載の形質転換体。 - 【請求項26】 請求項1乃至10に記載のポリペプチ
ドをコードするDNAを宿主に導入してなる形質転換体
を培養し、産生したポリペプチドを培養物から採取して
なるポリペプチドの製造方法。 - 【請求項27】 産生したポリペプチドを塩析、透析、
濾過、濃縮、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換
クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、疎水
クロマトグラフィー、等電点電気泳動及び/又はゲル電
気泳動により採取する請求項26に記載のポリペプチド
の製造方法。 - 【請求項28】 請求項1乃至10に記載のポリペプチ
ドを有効成分として含んでなる感受性疾患剤。 - 【請求項29】 悪性腫瘍治療剤としての請求項28に
記載の感受性疾患剤。 - 【請求項30】 白血病又はリンパ腫治療剤としての請
求項28又は29に記載の感受性疾患剤。 - 【請求項31】 安定剤として血清アルブミン、グリセ
リン、ゼラチン、トレハロース及び/又はマルトースを
含んでなる請求項28、29又は30に記載の感受性疾
患剤。
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