JPH1056818A - 移動車の誘導制御装置 - Google Patents

移動車の誘導制御装置

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JPH1056818A
JPH1056818A JP8219643A JP21964396A JPH1056818A JP H1056818 A JPH1056818 A JP H1056818A JP 8219643 A JP8219643 A JP 8219643A JP 21964396 A JP21964396 A JP 21964396A JP H1056818 A JPH1056818 A JP H1056818A
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山中  之史
Yasuo Fujii
保生 藤井
Yasuo Irie
康夫 入江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行途中で外乱等による影響があっても、複
数の予定走行経路の夫々において極力適正な誘導走行を
行うことが可能となる移動車の誘導制御装置を提供す
る。 【解決手段】 移動車側に、地上側に設置された誘導線
に供給される電流により形成された、現走行経路用の磁
界の強さ並びに次走行経路用の磁界の強さを検出する磁
界検出手段GKと、次走行経路の磁界検出値を走行距離
情報に対応付けて逐次記憶するメモリMと、メモリMに
記憶されている記憶情報と、現走行経路の磁界検出情報
とに基づいて、移動車を誘導線の長手方向に沿うと共に
互いに平行な複数の走行経路の夫々に沿って誘導走行さ
せるべく操向用電動モータ9を制御する操向制御手段1
00とが備えられ、メモリMに記憶されている次走行経
路用の磁界検出部の検出値を、単位走行距離に対するそ
の変化量が小さくなるように円滑化処理する円滑化処理
手段101が設けられ、処理された後の処理情報を制御
目標に基づいて誘導走行制御を実行するように構成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地上側に、電流が
供給される誘導線が設置され、移動車側に、前記電流に
より形成される磁界の強さを検出する磁界検出手段と、
この磁界検出手段の検出情報を記憶する記憶手段と、前
記移動車の走行距離を検出する距離検出手段と、前記誘
導線の長手方向に沿うと共に互いに平行な複数の走行経
路の夫々において、前記磁界検出手段による検出情報に
基づいて、移動車を前記各走行経路に沿って誘導走行さ
せるべく車体の進行方向制御用の操向操作手段を制御す
る操向制御手段とが備えられ、前記磁界検出手段が、前
記複数の走行経路のうちの1つに沿って走行するとき
に、その走行中の走行経路に沿う前記誘導制御を実行す
るために現走行経路用の磁界の強さを検出する現走行経
路用の磁界検出部と、隣接する次の走行経路に沿って前
記移動車を走行させた際に前記現走行経路用の磁界検出
部にて検出されることになる次走行経路用の磁界の強さ
を検出する次走行経路用の磁界検出部とを備えて構成さ
れ、前記記憶手段が、前記次走行経路用の磁界検出部の
検出値を、前記距離検出手段により検出される走行距離
情報に対応付けて逐次記憶するように構成され、前記操
向制御手段が、前記隣接する次の走行経路に沿って前記
移動車を走行させるときに、前記記憶手段に記憶されて
いる記憶情報と、前記現走行経路用の磁界検出部の検出
情報とに基づいて、移動車を前記各走行経路に沿って誘
導走行させるべく操向操作手段を制御するように構成さ
れている移動車の誘導制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記構成の移動車の誘導制御装置は、誘
導線に供給される電流により形成される磁界の強さが誘
導線からの離間距離に応じて定まる特性を有することか
ら、この磁界の強さの検出情報に基づいて、誘導線に沿
う平行な複数の走行経路の夫々において、移動車を誘導
走行させることができるようにしたものである。しか
も、1つの走行経路に沿って走行する際に、隣接する次
回走行経路における磁界の強さを予め検出して走行距離
情報と対応付けて記憶しておいて、その記憶情報を制御
目標として操向制御する構成とすることで、磁界の強さ
を実測して制御目標とすることで、誘導線の設置状態や
外部環境の差異による磁界の強さのバラツキ等の影響を
受けることなく適正に誘導走行が行えると共に、複数の
走行経路における磁界の強さの基準情報を全て記憶する
必要がなく、それだけ記憶手段の容量を少なくして構成
を簡素化できるようにしたものである。
【0003】このような移動車の誘導制御装置におい
て、従来では、前記次走行経路用の磁界検出部にて検出
された検出値がそのまま記憶手段に記憶され、その記憶
情報が該当する走行経路における制御目標として利用さ
れていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成においては次のような不利な面があり改善の余地
があった。つまり、前記次走行経路用の磁界検出部にて
磁界の強さを検出するときに、例えば、走行中において
一時的に移動車が前後方向あるいは横幅方向に傾斜した
場合や、外部の磁界発生源により磁界が発生したような
場合等において、このような外乱に起因して適正な値、
即ち、当該走行経路と誘導線との相対距離に対応する値
とは異なる磁界の強さが検出されるおそれがある。上述
したような従来技術においては、前記次走行経路用の磁
界検出部にて検出された検出値がそのまま記憶される構
成であるから、上述したような外乱に起因した誤差を有
する情報がそのまま操向制御の制御目標として利用され
ることになる。このような外乱に起因した誤差は短時間
に局部的に発生することが多く、走行距離に対する検出
値の変化の割合が大きいものとなる。その結果、このよ
うな記憶情報に基づいて次走行経路にて誘導制御が実行
されると、前記外乱発生部分において急な操向操作が行
われ、適正な誘導状態に復帰するまでに応答遅れが生じ
て、更に、大きな誤差を発生してしまうことがある。そ
して、各走行経路にて移動車が走行する毎にこのような
誤差が累積されて誤差が徐々に大きなものになって、走
行経路に沿わせる適正な誘導走行が行えなくなるおそれ
があった。
【0005】本発明はかかる点に着目してなされたもの
であり、その目的は、走行途中で外乱等による影響があ
っても、複数の予定走行経路の夫々において極力適正な
誘導走行を行うことが可能となる移動車の誘導制御装置
を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の特徴構
成によれば、前記複数の走行経路のうちの1つに沿って
走行するときに、記憶手段において、距離検出手段によ
り検出される走行距離情報に対応して記憶されている前
記次走行経路用の磁界検出部の検出値が、円滑化処理手
段によって、単位走行距離に対するその変化量が小さく
なるように円滑化処理される。そして、操向制御手段
は、前記次走行経路に沿って移動車を走行させるとき
に、前記円滑化処理手段にて処理された後の処理情報を
制御目標として、この制御目標と、前記現走行経路用の
磁界検出部の検出値との偏差が小さくなるように、車体
の進行方向制御用の操向操作手段を制御することにな
る。
【0007】従って、例えば、車体の姿勢変化や外部の
磁界発生源等による外乱に起因して、記憶手段に記憶さ
れる次走行経路用の磁界検出部の検出値が局部的に変化
するような場合であっても、円滑化処理手段によって、
前記検出値が単位走行距離に対するその変化量が小さく
なるように円滑化処理されることから、次走行経路にお
いて誘導走行させる際に、操向操作手段により制御され
る車体進行方向が急激に大きく変化することがなく、極
力、滑らかに操向操作されることになり、次回走行経路
において誤差が更に大きくなることを抑制できる。
【0008】その結果、全走行経路に対応する制御目標
を記憶しておく構成に較べて、記憶すべき情報量が少な
く、それだけ構成を簡素化できると共に、各走行経路に
おいて実測された磁界の強さに基づいて、極力、前回走
行経路に対応する状態で誘導走行を行えるという従来の
利点を活かしながらも、上述したような外乱に起因して
発生する磁界検出情報の誤差が徐々に累積して大きくな
るのを抑制して、各走行経路において極力適正な誘導走
行を行うことが可能となる。
【0009】請求項2に記載の特徴構成によれば、前記
円滑化処理手段は、記憶手段に記憶されている検出値の
うち、現走行経路用の磁界検出部の検出値と制御目標と
の偏差が設定量以下となっているときの次走行経路用の
磁界検出部の適正検出値のみに基づいて、円滑化処理を
実行するように構成されている。
【0010】従って、現走行経路用の磁界検出部の検出
値と制御目標との偏差が設定量以下であるとき、つま
り、移動車が走行経路に沿って走行する適正な誘導走行
が行われているときの適正検出値だけが利用され、前記
偏差が設定量を越えている状態、即ち、種々の要因によ
って適正な誘導走行が行われておらず、次走行経路用の
磁界検出部において検出誤差が発生するおそれがある状
態における検出値は除外された状態で、円滑化処理が実
行されるので、磁界検出情報の誤差を極力少ないものに
できて、より適正な誘導走行を行うことが可能となる。
【0011】請求項3に記載の特徴構成によれば、請求
項2に記載の特徴構成に加えて、前記円滑化処理手段
が、前記偏差が前記設定量を越えているときの前記次走
行経路用の磁界検出部の検出値に代えて、それらの検出
値の走行上手側及び走行下手側における前記適正検出値
の夫々に対して均等化された処理情報を用いて、前記円
滑化処理を実行するように構成されている。
【0012】従って、局部的に発生する外乱に起因した
誤差を除去して、除去された領域の前後における適正検
出値が均等化された処理情報を用いることで、次走行経
路での全領域において走行距離情報に対応する磁界の強
さの検出情報が外乱による誤差の少ない適正な状態で記
憶されることになり、各走行経路において適正な誘導走
行を行うことができる。
【0013】請求項4に記載の特徴構成によれば、前記
円滑化処理がスプライン補間処理である。次走行経路用
の磁界検出部の検出値がスプライン補間処理により滑ら
かな曲線で近似されることになり、単位走行距離に対す
るその変化量が小さくなり、局部的に変化する外乱によ
る誤差が円滑化されると共に、誤差の最大値も極力小さ
なものに抑制できる。
【0014】請求項5に記載の特徴構成によれば、移動
車に走行経路の端部であることを検出する経路端部検出
部が設けられ、操向制御手段が、経路端部検出部により
移動車が走行経路の始端部に位置していることを検出す
るに伴って、記憶手段に記憶動作を開始させるように構
成されている。
【0015】従って、経路端部検出部により移動車が走
行経路の始端部に位置していることが検出されると、自
動的に記憶手段に記憶動作が開始されるので、例えば、
記憶動作の開始を人為的に指令する場合に較べて、次走
行経路用の磁界検出部の検出値が、確実に、適正な位置
から記憶されることになり、その記憶情報に基づく誘導
走行を適正に実行することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る移動車の誘導
制御装置について説明する。移動車の誘導制御装置は、
図1に示すように、誘導エリアの一例としての矩形形状
の圃場1内において、移動車の一例としての作業車Vを
圃場1の長手方向に沿って互いに平行な複数の走行経路
kの夫々において、無人状態で誘導走行させることがで
きるように構成されている。
【0017】圃場1の外周部における各辺(畦)には、
夫々、畦の長さとほぼ同じ長さの誘導線2が畦の長手方
向に沿わせる状態で設置され、各誘導線2には夫々各別
に電流供給手段としての電流供給源により所定周波数の
交流電流が供給される。つまり、圃場1の長尺方向に沿
う両側の畦に沿って設置される各誘導線2a,2cに
は、各電流供給源3により周波数fa(Hz)及び周波
数fc(Hz)の交流電流が夫々供給され、短尺方向に
沿う両側の畦に設置される各誘導線2b,2dには、各
電流供給源3により周波数fb(Hz)及び周波数fd
(Hz)の交流電流が夫々供給される。尚、周波数は、
数百Hz〜数十KHz程度に設定されている。
【0018】前記各誘導線2は、図2に示すように、地
中に打ち込まれた導通材料からなる複数の杭4を介して
地中を経由して前記電流が通流するように構成され、誘
導線が長い距離にわたって設置される場合であっても、
長手方向両側部で杭4を打ち込むだけで簡単に設置が行
えるように構成されている。尚、地中においては、比較
的電気抵抗の高い地表層GD1でなく、比較的電気抵抗
の低い下層の粘土層GD2を通して電流が流れるよう
に、杭4の打ち込み深さを設定している。
【0019】上述したように設置された誘導線に電流が
流れると、その電流によって磁界が形成されるが、誘導
線からの離間距離に対する磁界の強さの理論値は演算に
て求めることができ、その磁界の強さは誘導線からの離
間距離の2乗に反比例する。従って、供給される電流値
が一定であれば、図3に示すように、誘導線からの離間
距離に対する磁界の強さの変化特性が定まることにな
り、圃場1内でのある地点での磁界の強さはほぼ一定の
大きさになる。
【0020】前記作業車Vは、四輪型の走行車体5の後
部に作業装置としてのロータリー耕耘装置6が備えら
れ、走行しながら圃場1の対地作業(耕耘作業)を行う
ことができるようになっている。走行車体5にはエンジ
ンが搭載され、このエンジンの動力が、動力伝達を入切
自在な前後進切換機構7を備えた変速装置を介して各車
輪に伝えられて車体が走行するように構成されると共
に、エンジンの動力がロータリー耕耘装置6に伝えられ
るようになっている。又、左右の前輪が車体の進行方向
制御用の操向操作手段としての電動モータ9により操向
操作可能に設けられている。
【0021】前記作業車Vには、車軸の回転数を検出す
ることで車体の走行距離を検出するための例えばロータ
リーエンコーダ等から成る距離検出手段としての走行距
離センサ10、車体の方位を検出する方位検出手段とし
ての方位センサ11、前記前後進切換機構7や操向用電
動モータ9等の動作を制御するマイクロコンピュータ利
用の制御装置12等が備えられている。
【0022】又、走行車体5の前部には、前記各誘導線
に対する作業車の位置(離間距離)情報として、前記各
誘導線に供給される交流電流により形成される磁界の強
さを検出する3個の磁界センサが車体横幅方向に沿って
並設される状態で設けられ、このうち、左右両側に位置
する側部磁界センサ13R,13Lは、圃場1の長尺方
向に沿う両側の畦に沿って設置される各誘導線2a,2
cからの位置情報(離間距離情報)を、周波数fa及び
周波数fcの交流電流により形成される磁界の強さとし
て検出するように構成され、左右中央側に位置する中央
磁界センサ14は、圃場1の短尺方向に沿う両側の畦に
沿って設置される各誘導線2b,2dからの位置情報
を、周波数fb及び周波数fdの交流電流により形成さ
れる磁界の強さとして検出するように構成されている。
【0023】そして、前記制御装置12は、磁界検出手
段GKとしての各側部磁界センサ13R,13Lによる
検出情報に基づいて、複数の走行経路kの夫々において
作業車Vを各走行経路kに沿って誘導走行させる誘導走
行制御を実行し、且つ、経路端部検出部としての中央磁
界センサ14による検出情報に基づいて、各走行経路k
の終端部又は始端部に達したことを検出し、終端部に達
したことを検出すると、作業車Vを回向走行させて隣接
する次回の走行経路に進入誘導させる旋回制御を実行す
る操向制御手段100を備えて構成されている。
【0024】つまり、図4に示すように、各側部磁界セ
ンサ13R,13L、中央磁界センサ14の出力が夫
々、信号処理部15にて処理された後に制御装置12に
与えられ、これらの磁界検出情報に基づいて、各走行経
路kに沿って誘導走行されるように操向用電動モータ9
を制御すると共に、走行経路kの終端部においては、磁
界検出情報及び方位センサ11並びに走行距離センサ1
0の検出情報に基づいて、旋回走行すべく操向用電動モ
ータ9、前後進切換機構7等を制御するように構成され
ている。
【0025】前記中央磁界センサ14は、図5に示すよ
うに、誘導線に流れる交流電流により形成される交番磁
界によって誘導起電力が発生する検出コイル16aと、
この検出コイル16aの出力を所定のレベルまで増幅す
る増幅器16bと、検出コイル16aの出力のうち前記
各誘導線2b,2dに流れる電流の周波数fb,fdに
対応する出力のみ通過させる周波数フィルターとしての
バンドパスフィルターBPF、その出力を直流信号に変
換する直流変換回路DC等を備えて構成されている。
【0026】前記側部磁界センサ13R,13Lは、夫
々、誘導線2a,2cに流れる交流電流により形成され
る交番磁界の車体上下方向に沿う磁界成分を検出する上
下方向検出コイル17、車体横幅方向に沿う磁界成分を
検出する横幅方向検出コイル18、これらの各検出コイ
ルの出力を所定のレベルまで増幅する増幅器19,2
0、各検出コイル17,18の出力のうち前記各誘導線
2a,2cに流れる電流の周波数fa,fcに対応する
出力のみ通過させる周波数フィルターとしてのバンドパ
スフィルターBPF、その出力を直流信号に変換する直
流変換回路DC、及び、前記各周波数fa,fcに対応
する上下方向成分と横幅方向成分とに基づいて、夫々の
磁界の強さを演算する演算部21,22等を備えて構成
されている。前記各演算部21,22は、図12に示す
ように、車体上下方向成分pと横幅方向成分qとに基づ
いて三角形の定理に基づいて演算して、合成磁界rの強
さを求めるように構成されている。
【0027】このように構成することで、例えば、図1
2(イ)に示すように、作業車Vが走行途中で片側車輪
が凹部に入り込んで車体が水平姿勢よりの角度θだけ斜
め姿勢に傾斜したような場合であっても、誘導線に供給
される電流により形成される磁界を、互いに直交する2
方向の成分にて検出して、図12(ロ)に示すように、
それを演算にて合成磁界を求めることにより正確な磁界
の強さ、つまり、誘導線からの離間距離を精度よく検出
することができるものとなる。
【0028】このように、各側部磁界センサ13R,1
3Lは、夫々、周波数fa及び周波数fcの夫々に対応
する検出情報が出力され、中央磁界センサ14は、夫
々、周波数fb及び周波数fdの夫々に対応する検出情
報が出力されるようになっているが、信号処理部15に
おいて、それらのうち、検出レベルが高い方、即ち、作
業車Vが該当する誘導線に近い方の検出情報が選択的に
出力されるようになっている。信号処理部15は、図6
に示すように、前記各磁界センサ13R,13L,14
の出力が制御装置12に入力され、制御装置12は各磁
界センサ13R,13L,14における異なる周波数の
出力のうち、検出レベルの高い側の出力を判別して、そ
の出力を選択するように3個のアナログスイッチAS1,
AS2,AS3 に選択信号を与えるように構成されてい
る。
【0029】前記制御装置12は、中央磁界センサ14
の検出情報に基づいて、短尺方向に沿う畦に設置される
誘導線2b,2dのうちいずれかの検出レベルの高い側
の誘導線からの離間距離を算出して、その離間距離が設
定値になると、作業車Vが前記各走行経路kの端部位置
に達したことを判別するように構成されている。尚、短
尺方向に沿う畦に設置される誘導線2b,2dは、図7
に示すように、両側端部を圃場1内方側に向けて略L字
形に屈曲させた状態で設置されている。このように構成
すると、誘導線2b,2dの中間部tからの離間距離が
設定距離にある地点で誘導線2b,2dの全長にわたっ
てほぼ同一の磁界の強さになるので、この地点を走行経
路kの端部位置として設定している。この端部位置は、
端部屈曲部の長さLよりも設定距離だけ圃場1内方側に
よった地点となる。因みに、本出願人の実験によれば、
端部屈曲部の長さHが例えば3mであれば、端部位置は
誘導線から5mの離間距離の位置となる。
【0030】このように、走行経路kの端部位置を圃場
1の端部よりも内方側に設定する理由は、図1に示すよ
うに、有限長の誘導線により形成される磁界において、
離間距離が同一の地点における磁界強度分布は、誘導線
の端部付近においては、離間距離に対する磁界の強さの
関係が直線的でなく、磁界の強さに基づく誘導制御が良
好に行えないおそれがあるからである。
【0031】又、各誘導線2には、図8に示すように、
他の誘導線に流れる電流が地中を通して流入することを
抑制する電流抑制手段の一例である周波数フィルターと
して、当該誘導線に供給される電流の周波数のみの通過
を許容するバンドパスフィルター23が設けられてい
る。このバンドパスフィルター23は、コイル23aと
コンデンサ23bを直列接続した共振回路にて構成さ
れ、その共振周波数が前記電流の周波数に対応するよう
に構成されている。従って、他の誘導線から地中を通し
て異なる周波数の電流が流れ込んでも、誘導線にはその
流入電流が通流することが抑制され、各磁界センサが誤
った情報を検出するおそれを極力少なくさせている。
【0032】前記各側部磁界センサ13R,13Lの検
出情報に対応する各アナログスイッチAS1,AS3 の出
力を増幅するための増幅ゲインは、制御装置12からの
切り換え情報に基づいて複数段階(4段階)に変更調整
するように構成されている。つまり、夫々増幅ゲインの
異なる4個の増幅器24,25,26,27の出力のう
ちのいずれかを制御装置12に入力させるためのアナロ
グスイッチAS4,AS 5 に対して、制御装置12が選択
内容を指令するように構成されている。誘導線に供給さ
れる電流により形成される磁界の強さは、上述したよう
に離間距離の変化に対して大きく変化するものであり、
増幅ゲインを一定に維持した場合には、全範囲にわたっ
て適正な分解能で検出することが難しく、検出精度が低
下してしまうおそれがあるので、制御装置12に対する
入力レベルが、例えば図9に示すように、前記誘導線か
らの離間距離が単位距離変化したときに適切な磁界の強
さの変化が識別可能となるように、言い換えると、適切
な分解能を有する適正出力範囲になるように増幅ゲイン
を自動調整するのである。
【0033】前記各側部磁界センサ13R,13Lは、
車体横幅方向に設定間隔を隔てて設置されており、その
いずれか一方の側部磁界センサが、作業車Vが、複数の
走行経路kのうちの1つに沿って走行するときに、その
走行中の走行経路kに沿う誘導制御を実行するために磁
界の強さを検出するための現走行経路用の磁界検出部G
1 として機能し、他方の側部磁界センサが、隣接する
次の走行経路kに沿って作業車を走行させた際に前記現
走行経路用の磁界検出部GK1 にて検出されることにな
る磁界の強さを検出する次走行経路用の磁界検出部GK
2 として機能するように構成されている。つまり、他方
の側部磁界センサは、現走行経路kを走行しながら次走
行経路kの磁界を逐次検出するようになっており、この
検出情報は、前記走行距離センサ10により検出される
距離情報と対応付けた状態で、記憶手段としてのメモリ
Mに逐次記憶されるように構成されている。
【0034】操向制御手段100は、磁界検出情報が記
憶されている次走行経路kにおいて、メモリMに記憶さ
れている磁界検出情報と、走行距離センサ10により検
出される走行経路kの端部位置からの走行距離情報とに
基づいて、当該走行経路k上の各地点における磁界の強
さの目標値を求め、その目標値と、現走行経路用の磁界
検出部GK1 として機能する側部磁界センサの検出値と
の偏差に基づいて、走行用電動モータ9を駆動制御する
誘導走行制御を実行するように構成されている。
【0035】又、操向制御手段100は、メモリMに記
憶されている磁界検出情報に基づいて、次走行経路kに
おいて誘導走行される際における現走行経路用の磁界検
出部GK1 の出力ゲインの目標値を設定すると共に、次
走行経路kにおける誘導走行に先立って、出力ゲインを
目標値に自動調整するように構成されている。具体的に
は、メモリMに記憶されている磁界の強さの最大値が、
ゲイン調整用設定上限値を越えていれば、現行のゲイン
よりも1段低いゲインの増幅器が選択され、前記最大値
が、ゲイン調整用設定下限値を下回っていれば、現行の
ゲインよりも1段高いゲインの増幅器が選択されるよう
に、アナログスイッチAS4,AS5 に対して選択信号を
指令するようになっている。尚、各アナログスイッチA
4,AS 5 のゲインは常に同じ値に調整されるようにな
っている。前記ゲイン調整用の設定上限値及び設定下限
値は、アナログ値としての出力変化の直線性が保障され
る上下限範囲として設定される。
【0036】又、操向制御手段100は、現走行経路用
の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサの検
出値と、前記目標値との偏差に制御定数を乗じて操向操
作量、つまり、電動モータ9の目標作動量を求めるよう
に構成されている。そして、現走行経路用の磁界検出部
GK1 及び次走行経路用の磁界検出部GK2 にて検出さ
れる磁界の強さの検出情報に基づいて、次走行経路を走
行する際において、前記操作量が適正範囲になるよう
に、前記制御定数を補正するように構成されている。
【0037】次に、操向制御手段100の制御動作につ
いて説明する。圃場1内において作業車Vを誘導走行さ
せる場合、自動誘導制御に先立って、初回の走行経路k
においては、適正な走行経路kに沿わせる状態で手動操
縦により作業車Vを走行させる。そのとき、走行経路k
の始端位置から、走行を開始させるに伴って、次走行経
路側の側部磁界センサ(図1の場合には右側のセンサ1
3R)の検出情報並びに走行距離センサ10の検出情報
とを対応させた状態で、メモリMに逐次書き込み記憶さ
せておく。又、この初回走行経路を走行するに伴って設
定時間毎にサンプリングされた複数のデータのうち、走
行経路の中央付近における左右側部磁界センサ13R,
13Lの夫々の検出値の複数(n個)のサンプリングデ
ータα1 …αn 、β1 ……βn の差分値の平均値を求
め、この平均値と、予め実験等に基づいて設定された定
数γとに基づいて当該走行経路における操向制御用の制
御定数を基準制御定数G1 として求めておく。具体的に
は下記〔数1〕に基づいて演算する。
【0038】
【数1】
【0039】そして、作業車を次の走行経路kの始端部
に移動させた後に、誘導走行制御が開始されるが、図1
0に示すように、それに先立って、先ず、現走行経路用
の磁界検出部GK1 として機能する側部磁界センサ(図
1の場合には左側のセンサ13L)を初期設定する(ス
テップ1)と共に、その走行経路において適用される前
記制御定数を設定する(ステップ2)。この制御定数の
設定について説明を加えると、現在の走行経路の始端部
における左右側部磁界センサ13R,13Lの夫々の検
出値の差分値Znを求め、この差分値Znと、前記初回
走行経路における差分値Z1 並びに前記基準制御定数G
1 に基づいて、下記〔数2〕に基づいてこの走行経路に
おける制御定数Gnを算出する。尚、前記各差分値Z
n,Z1 は夫々、各走行経路において設定サンプリング
時間毎にサンプリングされた複数の検出値の平均値とし
て算出するようにしている。
【0040】
【数2】Gn=(Z1 /Zn)・G1
【0041】このような制御定数Gnの設定は各走行経
路毎に、その経路の始端部において実行されることにな
る。つまり、左右の側部磁界センサ13R,13Lを利
用して、作業車が走行する経路における車体横幅方向に
沿う前記磁界の強さの変化具合を求め、各走行経路にお
ける操向制御の為の制御定数を求めるように構成されて
いる。
【0042】そして、作業用の走行速度で作業車Vを走
行させながら、前記メモリMに記憶される磁界検出情報
と、走行距離センサ10の検出情報とに基づいて、走行
経路k上の現時点における磁界の強さの目標値を求め
て、現走行経路用の磁界検出部GK1 として機能する側
部磁界センサ13Lの検出値と前記目標値との偏差に制
御定数を乗じて操向操作量を求め、この操向操作量にな
るように、操向用電動モータ9を駆動制御する(ステッ
プ3)。この誘導走行制御が実行される際に、次走行経
路用の磁界検出部GK2 として機能する次走行経路側の
側部磁界センサ(図1の場合には右側のセンサ13R)
の検出情報を走行距離センサ10の検出情報と対応させ
た状態で、メモリMに逐次書き込み記憶させる(ステッ
プ4)。
【0043】中央磁界センサ14の検出情報に基づい
て、走行経路kの終端部に達したことが検出されると、
走行経路数nをカウントアップし(ステップ5,6)、
カウント値が圃場1内での設定経路数nsに達していな
ければ(ステップ7)、前記メモリMに書き込み記憶さ
れた磁界の強さの最大値Xmが、ゲイン調整用設定上限
値SGMを越えていれば、現行のゲインよりも1段低いゲ
インの増幅器が選択されるようにアナログスイッチAS
4,AS5 に対して選択信号を指令して、出力ゲインが下
げ側に変更される(ステップ8,9)。前記最大値Xm
が、ゲイン調整用設定下限値SGLを下回っていれば、現
行のゲインよりも1段高いゲインの増幅器が選択される
ように、アナログスイッチAS4,AS5 に対して選択信
号を指令して、出力ゲインが上げ側に変更される(ステ
ップ10,11)。尚、このように出力ゲインが変更さ
れた場合には、前記制御定数も変更量に対応して適宜修
正されることになる(ステップ12,13)。
【0044】このようにして、磁界の強さの検出値や出
力ゲインの変更状況に応じて、常に適切な制御定数にて
電動モータ9を駆動制御するようにして、制御のハンチ
ングや検出誤差の発生を極力、抑制するようにしてい
る。
【0045】次に、現走行経路用の磁界検出部GK1
して機能する側部磁界センサを、反対側のもの(右側の
センサ13R)に切り換える(ステップ14)。車体の
向きの変化によりそれらの位置関係が反転するからであ
る。
【0046】次に、車体を次走行経路kの始端部に位置
させるべく回向走行させる旋回制御を実行する(ステッ
プ15)。図13(イ)に示すように、走行経路kの終
端位置から設定距離だけ操向操作を中立状態に維持した
ままで直進走行させた後に、方位センサ11をリセット
して、車体の方位が180度反転したことが検出される
まで、最大切れ角にて旋回走行させ、その後、中央磁界
センサ14の検出情報に基づいて次の走行経路kの始端
部に達したことが検出されるまで直進走行させる(ステ
ップ16)。
【0047】尚、次の走行経路の経路始端側箇所では、
図13(ロ)に示すように、現走行経路k用の磁界検出
部として機能する側部磁界センサの検出情報と、前記メ
モリMに記憶されている記憶情報とに基づいて、次走行
経路に沿う状態になるように車体を旋回しながら前進さ
せて幅寄せを行う必要があるが、このとき、次走行経路
用の磁界検出情報が、屈曲した状態となるが、この領域
においては、初回走行経路の検出情報と、上述したよう
な磁界変化具合の検出情報とに基づいて、適正な状態に
補正するようにしている。その後、その走行経路に沿わ
せる状態で誘導走行制御を実行することになる。
【0048】そして、前記中央磁界センサ14の検出情
報に基づいて、次の走行経路kの始端部に達したことが
検出された後に、現走行経路用の磁界検出部GK1 の検
出値と目標値(記憶情報)との偏差が設定範囲内に収ま
ってから設定時間経過して、安定したときに、上述した
ような制御定数の設定を実行する。つまり、現在の走行
経路における左右側部磁界センサ13R,13Lの夫々
の検出値の差分値Znと、前記初回走行経路における差
分値Z1 並びに前記基準制御定数G1 に基づいて、上記
〔数2〕に基づいてこの走行経路における制御定数Gn
を算出する。尚、現走行経路における前記差分値Zn
は、始端側での検出情報に基づいて算出されることにな
る。
【0049】以後、上述したような誘導走行制御を実行
するが、このとき、ステップ9,11にてゲインが変更
されていれば、メモリMに記憶されている検出情報に対
しても、変化量に対応したゲインを掛けて走行用目標値
を求めることになる。そして、ステップ2〜15を繰り
返して、各走行経路kに沿わせて順次、作業車Vを誘導
走行させ、設定経路数nsに達すると制御が終了する
(ステップ7)。
【0050】現走行経路kにおいては、前走行経路kを
走行する際に記憶されている磁界の強さと現走行経路k
での検出磁界とが同じになるように制御され、しかも、
前記各側部磁界センサ13R,13Lの設置間隔は、ロ
ータリー耕耘装置6の対地作業幅よりも幅狭に設定され
ているので、ロータリー耕耘装置6による作業領域が各
走行経路kでラップすることになり、未作業領域が発生
しないようになっている。又、各側部磁界センサ13
R,13Lの設置間隔を変更調整自在に構成されてい
る。
【0051】そして、前記制御装置12には、前記メモ
リMにおいて前記走行距離情報に対応して記憶されてい
る次走行経路用の磁界検出部GK2 の検出値に対して、
単位走行距離に対するその変化量が小さくなるように、
円滑化処理の一例としての、情報処理技術分野において
周知技術であるスプライン補間処理を実行する円滑化処
理手段101が制御プログラム形式で備えられている。
尚、スプライン補間処理とは、データを滑らかな曲線で
近似する補間処理であって、区分多項式で規定される関
数であるスプラインを補間式とする関数近似による処理
方法である。
【0052】このようなスプライン補間処理を実行する
ことで、例えば図14(イ)に示すように、走行距離に
対する次走行経路用の磁界検出部GK2 の検出値の変化
特性(具体的には、所定間隔毎に検出される計測点列で
あるが、図14では便宜上、線で表している)におい
て、例えば車体の傾斜や外部の磁界発生源からの磁界等
の外乱に起因して、検出値が局部的に変化するような場
合であっても、図14(ロ)に示すように、滑らかな曲
線になるように補間処理されることとなる。
【0053】しかも、上記円滑化処理手段101は、メ
モリMに記憶されている検出値のうち、現走行経路用の
磁界検出部GK1 の検出値と、誘導走行制御の為の制御
目標との偏差が設定量以下となっているときの次走行経
路用の磁界検出部GK2 の適正検出値のみに基づいて、
スプライン補間処理を実行するように構成され、前記偏
差が前記設定量を越えているときの次走行経路用の磁界
検出部GK2 の検出値に代えて、それらの検出値の走行
上手側及び走行下手側における前記適正検出値の夫々に
対して均等化された処理情報を用いて、スプライン補間
処理を実行するように構成されている。
【0054】例えば、図15(ロ)に示すように、次走
行経路用の磁界検出部GK2 の検出値が、適正な値から
ずれて、その状態が継続するような外乱が含まれている
ような場合には、このようなデータのスプライン補間処
理を行うと、図15(ハ)に示すように、外乱発生部分
における平坦領域のデータにより曲線部分が大きく折れ
曲がり大きな誤差を含むものとなってしまう。そこで、
このような外乱は、車体が適正走行状態から位置ずれし
た状態となっているものと考えられるので、図15
(イ)に示すように、車体が適正に走行しているとき、
即ち、現走行経路用の磁界検出部GK1 の検出値と、誘
導走行制御の為の制御目標との偏差が設定量以下の小さ
い値となっているときの次走行経路用の磁界検出部GK
2 の適正検出値のみを用いると共に、前記偏差が前記設
定量を越えて大きい値になっているときの次走行経路用
の磁界検出部GK2 の検出値に代えて、それらの検出値
の走行上手側及び走行下手側における前記適正検出値の
夫々に対して均等化された処理情報を用いてスプライン
補間処理を実行することで、図15(ニ)に示すよう
に、外乱に起因した誤差を極力少なくさせた状態で、次
回走行経路の制御目標を設定することができる。尚、均
等化とは、前記走行上手側及び走行下手側における前記
適正検出値の夫々に対して、ほぼ直線的に変化するよう
なデータで補うことである。
【0055】そして、操向制御手段100は、円滑化処
理手段101にて処理された後の処理情報を制御目標と
して、上述したような誘導走行制御を実行するように構
成されている。
【0056】〔別実施形態〕 (1)上記実施形態では、誘導走行の際の偏差が設定量
を越えているときの次走行経路用の磁界検出部GK2
検出値に代えて、均等化された処理情報を用いて円滑化
処理を行うようにしたが、このような均等化された値を
用いずに、例えば、検出値が存在しない領域において
は、移動車を直進走行させるように誘導走行制御させる
ようにしてもよい。
【0057】(2)上記実施形態では、誘導走行の際の
偏差が設定量以下であるときの次走行経路用の磁界検出
部GK2 の適正検出値のみを用いて、円滑化処理を行う
ようにしたが、このような構成に代えて、全ての検出値
を用いて円滑化処理を行うようにしてもよい。
【0058】(3)上記実施形態では、円滑化処理とし
てスプライン補間処理を用いる場合を例示したが、前記
次走行経路用の磁界検出部の検出値を、単位走行距離に
対するその変化量が小さくなるように円滑化処理するも
のであればよく、スプライン補間処理に限定されるもの
では無い。
【0059】(4)上記実施形態では、経路端部検出部
として中央磁界センサにて走行経路の端部を検出するよ
うにしたが、このような構成に代えて、例えば、経路端
部にて横方向にレーザー光を照射させて、このレーザー
光を検出するセンサにて経路端部を検出するようにして
もよく、又、無線操縦にて手動にて経路端部に至ったこ
とを移動車側に指令する構成等、各種の構成にて実施し
てもよい。
【0060】(5)上記実施形態では、誘導対象エリア
の左右両側に誘導線が設置される場合を例示したが、片
側にのみ誘導線が設けられる構成としてもよく、この場
合において、誘導走行制御は、誘導線に近い方の走行経
路から順次、遠い側の経路に誘導させてもよく、誘導線
に遠い方の走行経路から順次、近い側の経路に誘導させ
てもよい。
【0061】(6)上記実施形態では、移動車として四
輪型で左右前輪が走行揺動自在に設けられる構成とした
が、四輪全てが走行揺動自在に設けられて、前後車輪が
互いに異なる方向に揺動する小旋回半径での旋回を行う
形態や、前後車輪が同じ方向に揺動して移動車が斜め方
向に平行移動するような走行形態を採る構成であっても
よい。又、左右一対のクローラ走行装置を備え、片側に
制動を加える操向操作構成を有する構成であってもよ
い。
【0062】(7)上記実施形態では、移動車としてロ
ータリー耕耘装置を備えた構成としたが、苗移植装置や
薬剤散布装置等を備えたものであってもよく、又、この
ような作業装置を備えない、運搬車等の移動車であって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘導状態を示す平面図
【図2】誘導線の設置状態を示す側面図
【図3】磁界強度分布を示す図
【図4】制御ブロック図
【図5】磁界検出部の構成図
【図6】信号処理部の構成図
【図7】誘導線の設置状態を示す平面図
【図8】誘導線の電気回路図
【図9】出力ゲインを切り換えた場合の出力特性を示す
【図10】制御動作のフローチャート
【図11】移動車の平面図
【図12】磁界検出状態を示す図
【図13】旋回制御状態を示す図
【図14】円滑化処理の状態を示す図
【図15】均等化した場合の円滑化処理の状態を示す図
【符号の説明】
2 誘導線 9 操向操作手段 10 距離検出手段 14 経路端部検出部 100 操向制御手段 101 円滑化処理手段 GK 磁界検出手段 GK1 現走行経路用の磁界検出部 GK2 次走行経路用の磁界検出部 M 記憶手段 V 移動車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 幸生 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上側に、電流が供給される誘導線が設
    置され、 移動車側に、 前記電流により形成される磁界の強さを検出する磁界検
    出手段と、 この磁界検出手段の検出情報を記憶する記憶手段と、 前記移動車の走行距離を検出する距離検出手段と、 前記誘導線の長手方向に沿うと共に互いに平行な複数の
    走行経路の夫々において、前記磁界検出手段による検出
    情報に基づいて、移動車を前記各走行経路に沿って誘導
    走行させるべく車体の進行方向制御用の操向操作手段を
    制御する操向制御手段とが備えられ、 前記磁界検出手段は、 前記複数の走行経路のうちの1つに沿って走行するとき
    に、 その走行中の走行経路に沿う前記誘導制御を実行するた
    めに現走行経路用の磁界の強さを検出する現走行経路用
    の磁界検出部と、 隣接する次の走行経路に沿って前記移動車を走行させた
    際に前記現走行経路用の磁界検出部にて検出されること
    になる次走行経路用の磁界の強さを検出する次走行経路
    用の磁界検出部とを備えて構成され、 前記記憶手段は、 前記次走行経路用の磁界検出部の検出値を、前記距離検
    出手段により検出される走行距離情報に対応付けて逐次
    記憶するように構成され、 前記操向制御手段は、 前記隣接する次の走行経路に沿って前記移動車を走行さ
    せるときに、 前記記憶手段に記憶されている記憶情報と、前記現走行
    経路用の磁界検出部の検出情報とに基づいて、移動車を
    前記各走行経路に沿って誘導走行させるべく操向操作手
    段を制御するように構成されている移動車の誘導制御装
    置であって、 前記記憶手段において前記走行距離情報に対応して記憶
    されている前記次走行経路用の磁界検出部の検出値を、
    単位走行距離に対するその変化量が小さくなるように円
    滑化処理する円滑化処理手段が設けられ、 前記操向制御手段は、 前記円滑化処理手段にて処理された後の処理情報を制御
    目標として、この制御目標と、前記現走行経路用の磁界
    検出部の検出値との偏差が小さくなるように、前記操向
    操作手段を制御するように構成されている移動車の誘導
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記円滑化処理手段は、 前記記憶手段に記憶されている前記検出値のうち、前記
    現走行経路用の磁界検出部の検出値と、前記制御目標と
    の偏差が設定量以下となっているときの前記次走行経路
    用の磁界検出部の適正検出値のみに基づいて、前記円滑
    化処理を実行するように構成されている請求項1記載の
    移動車の誘導制御装置。
  3. 【請求項3】 前記円滑化処理手段は、 前記偏差が前記設定量を越えているときの前記次走行経
    路用の磁界検出部の検出値に代えて、それらの検出値の
    走行上手側及び走行下手側における前記適正検出値の夫
    々に対して均等化された処理情報を用いて、前記円滑化
    処理を実行するように構成されている請求項2記載の移
    動車の誘導制御装置。
  4. 【請求項4】 前記円滑化処理がスプライン補間処理で
    ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動車の誘導
    制御装置。
  5. 【請求項5】 前記移動車に、前記走行経路の端部であ
    ることを検出する経路端部検出部が設けられ、 前記操向制御手段が、前記経路端部検出部により前記移
    動車が走行経路の始端部に位置していることを検出する
    に伴って、前記記憶手段に記憶動作を開始させるように
    構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の移
    動車の誘導制御装置。
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