JPH105673A - プラスチックレンズのグラジエント染色法 - Google Patents
プラスチックレンズのグラジエント染色法Info
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Abstract
することなく、プラスチックレンズの染色性を向上さ
せ、レンズを汚染することなく濃度勾配のついた染色を
容易に行いうるレンズのグラジエント染色法を提供する
こと。 【解決手段】 プラスチックレンズを濃度勾配をつけた
い部分まで染色助剤水溶液中に浸漬し、徐々に引き上
げ、洗浄後、レンズを染色液中に浸漬染色することを特
徴とするプラスチックレンズのグラジエント染色法。
Description
クレンズのグラジエント染色法に関する。
のファッション性などの観点から、全体を染色したり、
濃度勾配をつけた染色、すなわちグラジエント染色(ハ
ーフ染色)を施したりする。しかしながら、プラスチッ
クレンズは難染色性であるため、染色性を向上させるた
め、染色浴中に染色助剤を添加して染色を行っている。
グラジエント染色を行う場合には、従来、プラスチック
レンズを濃度勾配をつけたい部分まで、染色助剤を含む
染色浴中に浸漬し、そのレンズを徐々に引き上げること
によって行われている。そして、一般に、多数のレンズ
を異なる色に染色するため、多数の染色槽を用意し、各
槽にレンズを保持する治具が必要である。また、染色助
剤を含む染色浴は、染色助剤や染料の蒸発を招きやす
く、染色助剤が染料の昇華・蒸発を促進するため、その
ポットライフが短く、また、色相のコントロールも難し
く、さらに、グラジエント染色時にレンズが汚染されや
すい等の問題があった。
槽毎に特別な治具や処理を必要とすることなく、プラス
チックレンズの染色性を向上させ、レンズを汚染するこ
となく濃度勾配のついた染色を行うことができるプラス
チックレンズのグラジエント染色法を提供することを目
的とする。
チックレンズをまとめて染色助剤溶液中に浸漬し、徐々
に引き上げることによって、その助剤によるレンズ表面
の改質度に所望の染色濃度勾配と同様の勾配をつけるこ
とができ、その後の染色を通常の浸漬染色法で行っても
所望のグラジエント染色が可能であるとの知見に基づい
て、上記課題を達成したものである。すなわち、本発明
のプラスチックレンズのグラジエント染色法は、プラス
チックレンズを濃度勾配をつけたい部分まで染色助剤水
溶液中に浸漬し、徐々に引き上げ、洗浄後、レンズを染
色液中に浸漬染色することを特徴とする。
ンズに特に制限はなく、プラスチックレンズ素地は、ジ
エチレングリコールビスアリルカーボネート重合体、ポ
リウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリスチレンなど、各種のプラスチックレンズ素材
から成るものであってよい。
ンズをまず、染色助剤水溶液中に浸漬する。染色助剤と
しては、プラスチックレンズに浸透し、かつ、染料に対
して親和力のあるもので、染料分子をレンズ表面上に引
きつけることのできるものであれば、制限はなく、従
来、染色浴に添加されていた任意のものを使用すること
ができ、例えば、メチルナフタリン等のアルキルナフタ
リン系、ジフェニル、o−フェニルフェノール等のジフ
ェニル系、トリクロロベンゼン、ジクロルベンゼン、ク
ロルベンゼン等のクロルベンゼン系、エチレングリコー
ル、ベンジルアルコール等のアルコール系助剤が挙げら
れ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができ
る。染色助剤水溶液の染色助剤濃度は、0.1〜3.0
重量%であるのが好ましく、0.5〜2重量%であるの
がより好ましい。染色助剤濃度が0.1重量%未満であ
ると、染料吸着の促進効果が充分に得られず、3重量%
を超えると、プラスチックレンズ表面を侵すおそれがあ
る。
合、アルカリセッケン、有機アミンセッケン、高級アル
コールの硫酸エステル、合成界面活性剤等の乳化剤を用
いてエマルジョン化して用いる。
ましくは80〜95℃の温度に加温して用いる。このよ
うに染色助剤水溶液を加温しておくことにより、浸漬さ
れたプラスチックレンズ中に染色助剤が浸透しやすくな
る。95℃を超えると、蒸発が激しくなり、水溶液の安
定性が悪くなる。また、染色助剤水溶液中への浸漬は、
上記のような染色助剤濃度の水溶液中に95℃以下の温
度で数分〜数十分行えば充分である。
まで染色助剤水溶液中に浸漬し、徐々に引き上げて染色
助剤の浸透濃度に勾配をつける。その後、レンズを水洗
し、乾燥した後、各染色槽で通常の浸漬染色、すなわ
ち、浸染を行う。これにより、各染色槽に特別な治具や
処理を要することなく、染色助剤溶液に長く浸漬されて
いた部分が濃く染まり、濃度勾配のついた染色が可能と
なる。
く、例えば、分散染料、反応性染料、酸性染料、カチオ
ン染料などが挙げられ、さらに具体的には、アントラキ
ノン系、フタロシアニン系、ニトロ系、アゾ系、キノリ
ン系、ラクトン系などの各染料を1種又は2種以上を組
み合わせて用いることができる。分散染料は、通常、水
に分散して染色浴とされるが、溶媒としてメタノール、
エタノール、ベンジルアルコールなどの有機溶媒を併用
してもよい。
らに界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤と
しては、例えば、高級アミンハロゲン酸塩、ハロゲン化
アルキルピリジニウム、第四アンモニウム塩などの陽イ
オン界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アル
キルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ラウリル硫酸
塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチルアルキ
ルエーテル、アルキルアミンエーテル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤
などが挙げられる。これらの界面活性剤は、レンズの着
色濃度に応じて、使用する染料の量に対して5〜200
重量%の範囲で使用するのが好ましい。
水と有機溶媒との混合物中に分散させて染色浴を調製
し、この染色浴中にプラスチックレンズを浸漬し、所定
温度で所定時間染色を行う。染色温度及び時間は、所望
の着色濃度により変動するが、通常、95℃以下で数分
〜30分程度でよい。また、染色浴の染料濃度は0.1
〜1重量%であるのが好ましい。上記のようにして染色
されたプラスチックレンズは、良好にグラジエント染色
されており、この上にハードコート膜及び/又は反射防
止膜を公知方法で形成することができる。
に説明するが、本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。
X”を3色分用意し、メチルナフタリン20gを水1リ
ットルに溶解させ、90℃に加温した染色助剤水溶液中
にホルダーを用いて同時に全面浸漬し、約10分かけて
徐々に引き上げた。処理後、水洗、乾燥を行い、それぞ
れのレンズを下記の各種染料を溶解した染色液中に80
℃で10分の浸漬染色を行ったところ、それぞれきれい
なグラジエント染色が得られた。 グレー配合 MLP−Red2(三井東圧染料株式会社製染料) 1g MLP−Yellow2(三井東圧染料株式会社製染料) 2g MLP−Blue(三井東圧染料株式会社製染料) 1g 水 1リットル ブラウン配合 MLP−Red2(三井東圧染料株式会社製染料) 2g MLP−Yellow2(三井東圧染料株式会社製染料) 2g 水 1リットル パープル配合 MLP−Red2(三井東圧染料株式会社製染料) 1g MLP−Blue(三井東圧染料株式会社製染料) 1g 水 1リットル
ベンゼン20gを水1リットルに溶解させ、90℃に加
温した染色助剤水溶液中にホルダーを用いて同時に全面
浸漬し、約10分かけて徐々に引き上げた。処理後、水
洗、乾燥を行い、それぞれのレンズについて実施例1で
用いた染色液で80℃で10分の浸漬染色を行ったとこ
ろ、それぞれきれいなグラジエント染色が得られた。
チックレンズをまとめて染色助剤溶液中に浸漬し、徐々
に引き上げることによって、その助剤によるレンズ表面
の改質度に所望の染色濃度勾配と同様の勾配をつけるこ
とができ、その後の染色を通常の浸漬染色法で行っても
所望のグラジエント染色が可能となり、また、各色の染
色槽毎に特別な治具や処理を必要とせず、レンズを汚染
することなく、容易に濃度勾配のついた染色を行うこと
ができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 プラスチックレンズを濃度勾配をつけた
い部分まで染色助剤水溶液中に浸漬し、徐々に引き上
げ、洗浄後、レンズを染色液中に浸漬染色することを特
徴とするプラスチックレンズのグラジエント染色法。 - 【請求項2】 染色助剤水溶液が0.1〜3重量%の染
色助剤を含む水溶液である請求項1記載のプラスチック
レンズのグラジエント染色法。 - 【請求項3】 染色助剤がアルキルナフタリン系、ジフ
ェニル系、クロルベンゼン系及びアルコール系から選択
された少なくとも1種である請求項1記載のプラスチッ
クレンズのグラジエント染色法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16583396A JP3782514B2 (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | プラスチックレンズのグラジエント染色法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16583396A JP3782514B2 (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | プラスチックレンズのグラジエント染色法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH105673A true JPH105673A (ja) | 1998-01-13 |
JP3782514B2 JP3782514B2 (ja) | 2006-06-07 |
Family
ID=15819873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16583396A Expired - Fee Related JP3782514B2 (ja) | 1996-06-26 | 1996-06-26 | プラスチックレンズのグラジエント染色法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3782514B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7854959B2 (en) | 2003-03-31 | 2010-12-21 | Eidgenossische Technische Hochschule Zurich | Controlled surface chemical gradients |
-
1996
- 1996-06-26 JP JP16583396A patent/JP3782514B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7854959B2 (en) | 2003-03-31 | 2010-12-21 | Eidgenossische Technische Hochschule Zurich | Controlled surface chemical gradients |
JP4755989B2 (ja) * | 2003-03-31 | 2011-08-24 | イジュノシッヒ テクニッヒ ホッフシューラ チューリッヒ | 制御された表面化学勾配 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP3782514B2 (ja) | 2006-06-07 |
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