JP3782514B2 - プラスチックレンズのグラジエント染色法 - Google Patents

プラスチックレンズのグラジエント染色法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡用プラスチックレンズのグラジエント染色法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、眼鏡用プラスチックレンズは、そのファッション性などの観点から、全体を染色したり、濃度勾配をつけた染色、すなわちグラジエント染色(ハーフ染色)を施したりする。しかしながら、プラスチックレンズは難染色性であるため、染色性を向上させるため、染色浴中に染色助剤を添加して染色を行っている。グラジエント染色を行う場合には、従来、プラスチックレンズを濃度勾配をつけたい部分まで、染色助剤を含む染色浴中に浸漬し、そのレンズを徐々に引き上げることによって行われている。そして、一般に、多数のレンズを異なる色に染色するため、多数の染色槽を用意し、各槽にレンズを保持する治具が必要である。また、染色助剤を含む染色浴は、染色助剤や染料の蒸発を招きやすく、染色助剤が染料の昇華・蒸発を促進するため、そのポットライフが短く、また、色相のコントロールも難しく、さらに、グラジエント染色時にレンズが汚染されやすい等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、各色の染色槽毎に特別な治具や処理を必要とすることなく、プラスチックレンズの染色性を向上させ、レンズを汚染することなく濃度勾配のついた染色を行うことができるプラスチックレンズのグラジエント染色法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、予め、プラスチックレンズをまとめて染色助剤溶液中に浸漬し、徐々に引き上げることによって、その助剤によるレンズ表面の改質度に所望の染色濃度勾配をつけることができ、その後の染色を通常の浸漬染色法で行っても所望のグラジエント染色が可能であるとの知見に基づいて、上記課題を達成したものである。すなわち、本発明のプラスチックレンズのグラジエント染色法は、プラスチックレンズを濃度勾配をつけたい部分まで染色助剤水溶液中に浸漬し、徐々に引き上げ、洗浄後、レンズを染色液中に浸漬染色する染色法において、染色助剤としてアルキルナフタリン系又はクロルベンゼン系のものを使用することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において、プラスチックレンズに特に制限はなく、プラスチックレンズ素地は、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート重合体、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレンなど、各種のプラスチックレンズ素材から成るものであってよい。
【0006】
本発明の方法においては、プラスチックレンズをまず、染色助剤水溶液中に浸漬する。染色助剤としては、プラスチックレンズに浸透し、かつ、染料に対して親和力のあるもので、染料分子をレンズ表面上に引きつけることのできることが必要であり、特に、メチルナフタリン等のアルキルナフタリン系の染色助剤あるいはトリクロルベンゼン、ジクロルベンゼン、クロルベンゼン等のクロルベンゼン系の染色助剤が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。染色助剤水溶液の染色助剤濃度は、0.1〜3.0重量%であるのが好ましく、0.5〜2重量%であるのがより好ましい。染色助剤濃度が0.1重量%未満であると、染料吸着の促進効果が充分に得られず、3重量%を超えると、プラスチックレンズ表面を侵すおそれがある。
【0007】
染色助剤が水に不溶性又は難溶性である場合、アルカリセッケン、有機アミンセッケン、高級アルコールの硫酸エステル、合成界面活性剤等の乳化剤を用いてエマルジョン化して用いる。
【0008】
染色助剤水溶液は、95℃以下の温度、好ましくは80〜95℃の温度に加温して用いる。このように染色助剤水溶液を加温しておくことにより、浸漬されたプラスチックレンズ中に染色助剤が浸透しやすくなる。95℃を超えると、蒸発が激しくなり、水溶液の安定性が悪くなる。また、染色助剤水溶液中への浸漬は、上記のような染色助剤濃度の水溶液中に95℃以下の温度で数分〜数十分行えば充分である。
【0009】
レンズを濃度勾配をつけて染色したい部分まで染色助剤水溶液中に浸漬し、徐々に引き上げて染色助剤の浸透濃度に勾配をつける。その後、レンズを水洗し、乾燥した後、各染色槽で通常の浸漬染色、すなわち、浸染を行う。これにより、各染色槽に特別な治具や処理を要することなく、染色助剤溶液に長く浸漬されていた部分が濃く染まり、濃度勾配のついた染色が可能となる。
【0010】
本発明に使用する染料には、特に制限はなく、例えば、分散染料、反応性染料、酸性染料、カチオン染料などが挙げられ、さらに具体的には、アントラキノン系、フタロシアニン系、ニトロ系、アゾ系、キノリン系、ラクトン系などの各染料を1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。分散染料は、通常、水に分散して染色浴とされるが、溶媒としてメタノール、エタノール、ベンジルアルコールなどの有機溶媒を併用してもよい。
【0011】
染色浴には、染料に対する分散剤としてさらに界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤としては、例えば、高級アミンハロゲン酸塩、ハロゲン化アルキルピリジニウム、第四アンモニウム塩などの陽イオン界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ラウリル硫酸塩などの陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチルアルキルエーテル、アルキルアミンエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤などが挙げられる。これらの界面活性剤は、レンズの着色濃度に応じて、使用する染料の量に対して5〜200重量%の範囲で使用するのが好ましい。
【0012】
浸染は、分散染料及び界面活性剤を水又は水と有機溶媒との混合物中に分散させて染色浴を調製し、この染色浴中にプラスチックレンズを浸漬し、所定温度で所定時間染色を行う。染色温度及び時間は、所望の着色濃度により変動するが、通常、95℃以下で数分〜30分程度でよい。
また、染色浴の染料濃度は0.1〜1重量%であるのが好ましい。
上記のようにして染色されたプラスチックレンズは、良好にグラジエント染色されており、この上にハードコート膜及び/又は反射防止膜を公知方法で形成することができる。
【0013】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
【0014】
実施例1
旭光学株式会社製プラスチックレンズ“ストライトHIX”を3色分用意し、メチルナフタリン20gを水1リットルに溶解させ、90℃に加温した染色助剤水溶液中にホルダーを用いて同時に全面浸漬し、約10分かけて徐々に引き上げた。
処理後、水洗、乾燥を行い、それぞれのレンズを下記の各種染料を溶解した染色液中に80℃で10分の浸漬染色を行ったところ、それぞれきれいなグラジエント染色が得られた。
グレー配合
MLP−Red2(三井東圧染料株式会社製染料) 1g
MLP−Yellow2(三井東圧染料株式会社製染料) 2g
MLP−Blue(三井東圧染料株式会社製染料) 1g
水 1リットル
ブラウン配合
MLP−Red2(三井東圧染料株式会社製染料) 2g
MLP−Yellow2(三井東圧染料株式会社製染料) 2g
水 1リットル
パープル配合
MLP−Red2(三井東圧染料株式会社製染料) 1g
MLP−Blue(三井東圧染料株式会社製染料) 1g
水 1リットル
【0015】
実施例2
実施例1と同様にプラスチックレンズを用意し、クロルベンゼン20gを水1リットルに溶解させ、90℃に加温した染色助剤水溶液中にホルダーを用いて同時に全面浸漬し、約10分かけて徐々に引き上げた。
処理後、水洗、乾燥を行い、それぞれのレンズについて実施例1で用いた染色液で80℃で10分の浸漬染色を行ったところ、それぞれきれいなグラジエント染色が得られた。
【0016】
【発明の効果】
本発明の染色法によれば、予め、プラスチックレンズをまとめて染色助剤溶液中に浸漬し、徐々に引き上げることによって、その助剤によるレンズ表面の改質度に所望の染色濃度勾配と同様の勾配をつけることができ、その後の染色を通常の浸漬染色法で行っても所望のグラジエント染色が可能となり、また、各色の染色槽毎に特別な治具や処理を必要とせず、レンズを汚染することなく、容易に濃度勾配のついた染色を行うことができる。

Claims (2)

  1. プラスチックレンズを濃度勾配をつけたい部分まで染色助剤水溶液中に浸漬し、徐々に引き上げ、洗浄後、レンズを染色液中に浸漬染色する染色法において、染色助剤としてアルキルナフタリン系又はクロルベンゼン系のものを使用することを特徴とするプラスチックレンズのグラジエント染色法。
  2. 染色助剤水溶液が0.1〜3重量%の染色助剤を含む水溶液である請求項1記載のプラスチックレンズのグラジエント染色法。
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