JPH1054794A - 青果物の内部品質検査方法およびその装置 - Google Patents

青果物の内部品質検査方法およびその装置

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JPH1054794A
JPH1054794A JP12982397A JP12982397A JPH1054794A JP H1054794 A JPH1054794 A JP H1054794A JP 12982397 A JP12982397 A JP 12982397A JP 12982397 A JP12982397 A JP 12982397A JP H1054794 A JPH1054794 A JP H1054794A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 青果物における内部品質の自動判別の高速化
及び正確化を図ると共に、良好な作業環境を得る。 【解決手段】 検査位置における林檎100にパルス光
Lを投射するフラッシュランプ12を有する光源部1
と、この光源部1の光軸上に設けられ林檎100を透過
するパルス光L1 を検出して検出パルス信号S1を出力
する光センサ20を有する受光部2と、この受光部2か
らの信号を増幅する増幅部3と、林檎の大きさに応じて
増幅部3からの増幅検出パルス信号S2を補正する補正
部40と、この補正部40で補正された検出パルス信号
のレベルと予め設定された判別レベルとを比較判別しこ
の判別信号を出力する判別部40とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、林檎など
の青果物の熟度,鮮度および内部欠陥等の内部品質を検
査する青果物の内部品質検査方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、青果物の検査では、主に収穫時期
にとれた青果物の大きさや重量及び外見的な形や色合い
によって、その青果物の熟度等の判断を行ない、等級な
どを決定していた。しかし、青果物の中には、熟度等の
内部品質を形や色合い等の外見で判断することが困難な
ものが多い。以下、林檎を例として説明する。林檎は、
一般的に果皮の色が赤いものが完熟の良品とされている
が、果皮の赤い色と熟度とは無関係である。すなわち、
林檎は、未熟でも強制的に日光に晒すと赤く着色する。
また、完熟した林檎でも、葉陰にあったものは赤の着色
度が少ない。特に、林檎の果頂部(花が付いた部分)の
周辺には、黄緑色ないし黄色の部分が残るので、このよ
うな林檎は、完熟品であるにもかかわらず、未熟品とし
て処理されることが多い。
【0003】また、通常、林檎は樹上で完熟したものが
旬のものとして好まれる。このため、温度や雰囲気ガス
の制御により、鮮度を保ちつつ長期間保存する技術を用
い、旬以外の時期にとれた林檎を旬にとれた林檎と同様
の状態にして出荷する場合がある。しかし、このような
技術が施された林檎の検査においては、保存中に林檎の
鮮度が低下して内部不良が生じていても、外見からその
状態を判別することができない。
【0004】特に、ある種類の林檎の完熟品は、図3お
よび図4に示すように、林檎100の果芯107の周辺
部が、維管束108(水分と糖分とが通る管の束)に沿
って透明な蜜入り部分200が広がる、いわゆる「蜜入
り状態」となり、特有の香気と味覚とを発し、高級品と
して好まれている。このような林檎100の蜜入り部分
200の量的判断は、抜き取り試料を切断して目視検査
することにより行われている。この目視検査による密入
り状態の等級判別は、下表に示すように区分されてい
る。なお、密入り品としては等級2〜3が良好で商品価
値も高く、等級5はいわゆる過熟の状態で鮮度の日持ち
が悪い。
【0005】
【0006】しかし、このような密入りの林檎は、上記
のように長期間保存すると、保存中に、果芯107部分
や果肉109の全体が褐色に変色(褐変)して、香気や
味覚が落ちてしまうという欠陥を有している。また、蜜
の入っていない林檎でも、長期間保存すると、蜜入りの
林檎と同じように褐変するものが出てくる。そして、こ
のように褐変した林檎を外見だけで判別することはでき
ず、また、抜き取り切断検査では見落すおそれがある。
【0007】ところで、林檎は、未熟のときは、内部が
硬く水分が少ないので、光の散乱が多く光透過率が低い
が、熟すにしたがって、果肉中の水分が多くなり、透明
度が増して、光透過率が高くなるという性質を有してい
る。近年、このような林檎の性質を利用して非破壊で林
檎の内部検査を行う技術が公表されている。例えば、
「単一波長の光透過によるリンゴ果実のミツ症状の非破
壊測定」(福田博之,果樹試報 C15 P41−47
農林水産省 1988)、「近赤外透過スペクトルに
よる果実糖度の非破壊測定法」(特開平6−18615
9号公報)がある。また、検査対象は林檎ではないが、
同様の技術として「携帯型パインアップル熟度判定装置
の開発」(平田晃,食品流通技術 Vol.23 N
o.11 P61−64)がある。
【0008】ここで、「単一波長の光透過によるリンゴ
果実のミツ症状の非破壊測定」は、水浸状の組織が光を
よく透過させることを利用するもので、温度の影響を受
けない単一の波長810nmを透過させ、その吸光度の
大きさによって蜜発生程度を測定することができる技術
である。また、「近赤外透過スペクトルによる果実糖度
の非破壊測定法」は、林檎の大きさに関係する波長およ
び糖の成分に関係する幾つかの特定波長の吸光度を検出
して、林檎の甘みの程度を測定することができる技術で
ある。さらに、「携帯型パインアップル熟度判定装置の
開発」は、パインアップルの熟度と内部障害とを自然光
の透過で判定すると共に、周囲の明るさを測定し、その
測定値に基づいて判定値を補正することができる技術で
ある。
【0009】しかし、上述した「単一波長の光透過によ
るリンゴ果実のミツ症状の非破壊測定」の技術では、収
穫直後の新鮮な林檎に対しては、効果的に測定をするこ
とができるが、長期保存により内部褐変が生じている林
檎に対しては、光の透過総量が極めて少なく、正確な判
別が困難であった。
【0010】また、上述したいずれの技術も、林檎の蜜
入り判別に適用すると、同じ蜜入り状態の林檎でも、そ
の果皮の色合いによって判別に差異を生じるという問題
があった。すなわち、図5に示すように、同じ蜜入り状
態の林檎でも、黄色ないし黄緑色の果皮を有する林檎の
光透過率は、赤い果皮を有する林檎の光透過率よりも大
きいので、果皮の色合いを考慮しない技術では、大きな
判定誤差を生じてしまう。さらに、果物は一般に球形に
近い形をしたものが多いが、必ずしも一様ではなく、光
の透過率に方向性があった。したがって、光透過量の測
定方向を果物の形状に対応させて決定しておかないと、
正確に測定することができなかった。
【0011】そこで、本出願人は、先に特開平8−20
1290号に「林檎の内部品質検査方法及びその装置」
として、林檎の果皮の色に影響されることなく、蜜入り
の完熟状態から内容の褐変したものまで広い範囲にわた
って、その内部品質を非破壊で正確に判別することがで
きる技術を開示している。これは、光の波長が林檎の果
皮の色に左右されない620nm〜1100nmの可視
光から近赤外線の透過率を測定して判別するもので、光
源にハロゲン白熱電球を用いたものである。さらに、作
業環境照明光や外来光(周囲光)による判別誤差を軽減
するために、光検出器の周辺に黒色のスポンジ等の遮光
具を設け、これを検査時に当接させて用いている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の技術
においては、光源にハロゲン電球を用いているため、各
林檎の検査毎にハロゲン電球を点滅する必要があった。
これは、ハロゲン電球を連続点灯すると、林檎が検査位
置から欠落した場合にランプ光が光検出器を直撃して光
検出器の劣化や破損等によって正常な判別ができなくな
るからである。この結果、検査時の応答速度が低下し、
高速で自動判別することの阻害要因となっていた。
【0013】また、周囲光による判別誤差を少なくする
目的から、検査時に林檎に当接する遮光具を有する受光
器を用いているため、可動機構によって受光器を各林檎
の検査時に待機位置から検査位置まで移動させ、また各
林檎の検査後に検査位置から待機位置まで移動させる必
要が生じ、このことも自動判別の高速化を阻害してい
た。さらに、周囲光による判別誤差を可能な限り軽減す
るという目的から、作業用照明を暗くする必要が生じ、
作業環境を悪くしていた。
【0014】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、パルス光の発光時間がきわめて短時間であるこ
とに着目し、周囲光による明るさを基準としたパルス電
流の高さを測定してこの測定値に基づいて青果物の内部
品質を検査することにより、自動判別の高速化を図るこ
とができるとともに、良好な作業環境を得ることができ
る青果物の内部品質検査方法およびその装置の提供を第
一の目的としている。
【0015】ところで、検査の対象となる林檎等の大き
さ(玉寸)にばらつきがあると検査結果に誤差を生じる
ことがある。すなわち、林檎の熟度の進行および鮮度の
低下にともなう果肉内の気泡の増減による光の散乱減衰
の程度を測定する場合、その光の散乱減衰は、透過する
厚みによって指数的に変化する。しがたって、林檎の大
きさ(玉寸)によって測定値に誤差の出ることがあっ
た。殊に、果樹園あるいは貯蔵庫から無選別のままで直
接検査装置へ林檎を投入した場合、それらの直径は約7
0mmの小玉から約110mm位の大玉まで混在してい
る。そのために、大玉では蜜入り量が少なく判別され、
小玉では多めに判別される可能性がある。
【0016】そこで、本発明は、林檎の大きさ、すなわ
ち林檎の玉寸による測定誤差を少なくするため、林檎の
玉寸に応じて測定値に補正を加えつつ青果物の内部品質
検査を行なうことによって、より一層正確な検査を可能
とした青果物の内部品質検査方法およびその装置の提供
を第二の目的としている。
【0017】なお、青果物の内部品質検査を光あるいは
X線などの透過で行なう方法において、玉寸によって検
出感度を制御する技術は、例えば、「光学的測定方法及
びその装置」(特開平7−229840号)、あるいは
「X線を利用したスイカの空洞検査装置」(本間秀明、
食品流通技術、Vol.18 No.7)などで公表さ
れている。
【0018】ここで、「光学的測定方法及びその装置」
は、柑橘の糖度を赤外線の分光光度計によって測定する
ときに、測定精度を向上させる目的で試料の大きさを測
定して分析すべき透過光量の蓄積時間を変えるものであ
る。具体的には、大きさが60mmないし75mmの蜜
柑に対する透過光を分析するのに、50msないし15
0msの蓄積時間を変えており、光源はその時間だけ連
続して発光を持続させている。そして、光源としては、
ハロゲンランプが好適であるとしている。
【0019】しかしながら、林檎では透過光量が蜜柑の
約5分の1しかないので、この技術を、林檎に適用しよ
うとすると、蓄積時間はさらに5倍を要してしまう。し
たがって、この技術を連続高速走行中の林檎の内部品質
検査に適用することは困難と考えられる。また、この技
術は、測定値を補正するものではない。
【0020】「X線を利用したスイカの空洞検査装置」
は、スイカの内部空洞をX線の透視映像で検査するの
に、試料の大きさを測定して照射するX線の強度を変
え、試料の大きさによらず明瞭な画像を得ようとするも
のである。具体的には、スイカの大きさを測定した結果
でX線の発生エネルギーを変える操作にはかなりの時間
を要するので、X線を照射するよりも1個分前でスイカ
の大きさを測定し、0.9秒の移動時間中に発生エネル
ギーの変更操作を行い、スイカが停止している0.1秒
の間にX線照射を行うようにしている。この技術は、ス
イカの大きさに対して好適な映像を得るためのX線のエ
ネルギーを変更するもので、空洞の大きさを表す指標を
補正するもの、すなわち、玉寸に応じて測定値を補正す
るものではない。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るため、本発明の請求項1記載の青果物の内部品質検査
方法は、青果物にパルス光を投射し、青果物を透過する
透過パルス光の強さを検出し、この検出レベルに応じて
青果物の等級,内部褐変の程度,鮮度等を判別する方法
としてある。したがって、青果物を透過したパルス光の
パルス電流の高さを測定することにより、青果物の等
級,内部褐変の程度,鮮度等が判別される。
【0022】請求項2の発明は、請求項1記載の青果物
の内部品質検査方法において、透過パルスの強さを検出
した後であって、青果物の等級,内部褐変の程度,鮮度
等を判別する前に透過パルス光を抽出しかつ周囲光によ
るノイズを遮断する方法としてある。したがって、検出
パルス信号が抽出され、かつ周囲光によるノイズが遮断
された後、特定範囲の検出パルス信号のみが判別部に到
達することになる。
【0023】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
青果物の内部品質検査方法において、青果物の大きさを
測定し、該青果物を透過した透過パルス光の検出レベル
に、測定した青果物の大きさに応じた補正係数を与え、
この補正係数を与えることによって得られた結果にもと
づいて上記青果物の等級,内部褐変の程度,鮮度等を判
別する方法としてある。したがって、青果物の大きさに
応じて測定値に補正を加え、青果物の大きさを考慮した
上で青果物の等級,内部褐変の程度,鮮度等を判別す
る。
【0024】請求項4〜請求項7に記載の青果物の内部
品質検査装置は、検査位置における青果物にパルス光を
投射する光源部と、この光源部の光軸上に設けられ青果
物を透過するパルス光を検出して検出パルス信号を出力
する光センサを有する受光部と、この受光部に増幅部を
介して接続されこの増幅部によって増幅された検出パル
ス信号のレベルと予め設定された判別レベルとを比較判
別し、この判別結果にもとづいて上記青果物の等級、内
部褐変の程度,鮮度等に関する信号を出力する判別部と
を備えた構成としてある。ここで、光源部としては、キ
セノンフラッシュ放電ランプ,パルス電流で駆動される
レーザ又は発光ダイオードを用いる。
【0025】したがって、検査位置における青果物に光
源部からパルス光を投射すると、このパルス光が青果物
を透過して光センサに到達する。このパルス光は光セン
サによって検出された後、増幅部を介して判別部に出力
される。そして、増幅部によって増幅された検出パルス
信号のレベルと予め設定された判別レベルとが比較判別
され、この判別結果によって青果物の内部品質が検査さ
れる。
【0026】請求項8記載の発明は、請求項4,5,6
又は7記載の青果物の内部品質検査装置において、青果
物を透過するパルス光のうち短波長をもつパルス光を除
去する短波長遮断フィルタを光センサの受光側に設けた
構成としてある。したがって、青果物を透過するパルス
光のうち短波長をもつパルス光が短波長遮断フィルタに
よって除去され、特定の波長をもつパルス光のみが光セ
ンサで検出される。
【0027】請求項9記載の発明は、請求項4,5,
6,7又は8記載の青果物の内部品質検査装置におい
て、光センサから出力する検出パルス信号を抽出しかつ
周囲光によるノイズを遮断する低周波数遮断フィルタを
増幅部に接続した構成としてある。したがって、低周波
数遮断フィルタによって光センサから出力する検出パル
ス信号が抽出され、かつ周囲光によるノイズが遮断され
た後、特定範囲の検出パルス信号のみが判別部に到達す
ることになる。
【0028】請求項10記載の発明は、請求項4〜9の
いずれかに記載の青果物の内部品質検査装置において、
青果物の大きさを測定し、測定した青果物の大きさに応
じた補正信号を出力するサイズ測定器と、このサイズ測
定器からの補正信号にもとづいて上記検出パルス信号の
レベルを補正する補正部とを有した構成としてある。し
たがって、青果物の大きさに応じて測定値に補正を加
え、青果物の大きさを考慮した上で青果物の等級,内部
褐変の程度,鮮度等を判別する。
【0029】請求項11記載の発明は、請求項10に記
載の青果物の内部品質検査装置において、上記サイズ測
定器を、青果物の前端を検知する一つのフォトスイッチ
と後端を検知する青果物の搬送方向に並設された複数の
フォトスイッチ群で構成してあり、請求項12の発明
は、さらに、上記サイズ測定器に、フォトスイッチ群か
らの信号を論理判断して青果部の大きさに応じた補正係
数を発生する論理回路を設けた構成としてある。したが
って、青果物の大きさに応じていずれかのフォトスイッ
チが作動し、任意の補正係数を発生して、測定値の補正
を行なう。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。まず、本発明の基本的な原
理を図2〜図8に基づいて説明する。未熟品の林檎10
0においては、果肉109の細胞に含まれる水分が少な
く、気泡が多い。このため、光の散乱反射が多く、果肉
が白色を呈している。しかし、熟度が上がるに従い、果
肉109の細胞の水分が増加して、細胞内を満たすよう
になり、細胞内の気泡が消失する。そして、さらに熟度
が進行すると、水分が果肉109の細胞間にあふれた状
態、すなわち、光の通りの良い蜜入り状態となる。この
結果、果肉109が透明化し、光の散乱反射がなくな
る。
【0031】蜜入り状態(例えば蜜入り等級3)の林檎
100の内部を観察するために、図3に示すように、林
檎100を果柄101から果頂103の縦方向に切断
し、また、図4に示すように、林檎100の中央部を横
方向に切断した。この結果、図4に示すように、蜜入り
部分200は、種子105がある果芯107を取り囲む
10本の維管束108を中心として、島状に広がり、1
0枚の花びらが放射状に並んだような模様を形成してい
た。また、図3に示すように、密入り部分200は、果
柄101から果頂103に向かう維管束108に沿って
果肉109の内部に広がっていた。
【0032】すなわち、蜜入り部分200は、透明度の
高い導光路となって、光を林檎100の縦方向に通し易
くしている。また、10枚の花びら模様の蜜入り部分2
00は、必ずしも一様の大きさではなく、かなりの偏り
があることが観察された。
【0033】この蜜入り状態の林檎100の果柄101
の周辺部102と、果頂103の周辺部104との果皮
110を剥ぎ取り、果頂周辺部104に照射した光が果
柄周辺部102に透過する光の透過率を測定したとこ
ろ、図2に示すように、その光透過率はおおよそ5×1
-5であり、このときの果肉比重はおおよそ0.95g
/cm3 であった。
【0034】次に、蜜入りの林檎を長期保存すると、鮮
度が低下し、やがて褐変に至る。この状態を観察したと
ころ、果肉109の水分が少しづつ失われ、蜜入り状態
が2〜3ケ月で消失した。さらに、保存を続けると、水
分を失い、細胞内の気泡が増大して、光の散乱反射が多
くなり、透過する光量が著しく減少した。この蜜なし状
態での果肉109のみの光の透過率は、図2に示すよう
におおよそ2×10-6〜5×10-7であり、蜜入り状態
の場合に比べて1〜2桁も光透過率が低くなった。
【0035】また、林檎の中には、蜜入り状態であった
部分から細胞が壊死して、褐色を呈する内部褐変に至
り、やがて褐変が果肉109の全体に及ぶものがある。
また、蜜入り状態でなくても、長期間の保存によって鮮
度を失い、果肉109の全体が褐変に至るものがある。
このように褐変した果肉109の光透過率は、蜜なし状
態の林檎に比べてさらに低下し、図2に示すように、5
×10-9〜1×10-11であった。このときの果肉比重
は0.65〜0.75g/cm3 であった。これら果肉
品質と光透過率の関係を表に示すと次のようになる。
【0036】 ───────── ───────────── 果 肉 品 質 光 透 過 率 ───────── ───────────── 蜜入り等級 3 5×10-5 非蜜入り普通品 2×10-6〜5×10-7 内 部 褐 変 5×10-9〜1×10-11 ───────── ─────────────
【0037】以上のように、林檎100は、蜜入り状
態,蜜なし状態,褐変状態によって光透過率が大きく異
なり、縦方向に光を照射することによって、正確にその
状態を判別できることが判った。
【0038】次に、林檎100の果皮の色についての観
測結果について述べる。果皮110を可視光から近赤外
線の範囲の光が透過する差異の特性は、たとえば図5に
示すような曲線になった。すなわち、未熟品あるいは完
熟品であるが日光に当たらなかった黄色の果皮部分で
は、その特性が波長400nmから長波長側に向かって
穏やかに上昇し、途中620nm付近で穏やかなピーク
を有しおおよそ800nm以上で一定になった(図5の
細線)。
【0039】一方、充分に日光に当たり赤くなった果皮
の特性曲線(図5の太線)では、600nm以下の波長
を有する光の透過率が5%であり、極めて低い。そし
て、この特性曲線は、600nm付近から長波長側に向
かって次第に高い光透過率を示し、800nmから11
00nmの範囲では、光透過率が30%であり、黄緑色
の果皮における光透過率とほぼ等しかった。
【0040】すなわち、林檎100の縦方向に光を照射
すると、光は果皮110を二度通過するので、光透過率
が30%×30%となるが、上述したように、650n
m付近以上の波長を有する光を照射すれば、果皮の色に
左右されることなく、林檎の内部状態を正確に判別でき
ることが判った。
【0041】なお、1100nm以上の波長域をもつ照
射光についても、黄緑〜黄色の試料と真っ赤な試料と間
に差異が認められない範囲であれば、使用しても差し支
えない。しかし、一般的には、1200nm以上の波長
域になると、化学的官能基の諸成分による光の吸収があ
るため、光の透過率が変化して林檎100の蜜入り状態
と褐変状態を正確に判別することができない。
【0042】上述した観測結果に基づいて、本発明にお
ける林檎100の内部品質検査方法につき説明する。図
6に示すように、光通過窓A1 を有する試料台A上の林
檎100が位置センサBによって検出されると、この検
出信号がランプ制御装置Cを介して光源部D内のXe
(キセノン)フラッシュ放電ランプ(以下「フラッシュ
ランプ」と称する)Eに出力される。これにより、フラ
ッシュランプEがパルス光Pを発光してこのパルス光P
が反射鏡(図示せず)およびレンズ系(図示せず)によ
って収束され、試料台A上の林檎100の内部を透過す
る。
【0043】この林檎100を透過したパルス光pは、
受光部(検出部)F内において果皮の色による透過率の
変化が少ない波長範囲のパルス光を選択する光フィルタ
Gを介して半導体の光センサHで検出される。この光セ
ンサHで検出されたパルス光に応じた光電流aは、光電
流増幅器Gによって蜜入りの等級を比較判別するに十分
なまでに増幅され、さらに周波数フィルタJによって特
定範囲の短時間パルスのみが通過する。
【0044】ここで、フラッシュランプEのパルス光の
発光時間tは、図7(A)および(B)に示すように1
-5以下の微小時間である。これに対して周囲光ノイズ
は殆ど静的で、蛍光灯火や水銀灯火などの放電ランプに
しても商用周波数50Hzあるいは60Hzで点灯され
るので、その瞬きの時間Tは、図7(A)および(B)
に示すように10-2秒でフラッシュランプEの発光時間
に比べればきわめて緩やかな変化である。すなわち、両
者間の発光時間には3桁もの違いがあるので、光電流増
幅器Gにパルス時間が10-4秒程度以下の光電流を通過
させる周波数フィルタを設ければ、周囲光ノイズによる
光電流は光電流増幅器Gを通過できなくなるので、周囲
光ノイズによる測定誤差は基本的になくなる。
【0045】また、フラッシュランプEの発光波長スク
ペクトルは、図8に示すように可視光の他に近赤外線の
800nm〜1100nmに強力な放射分布をもつの
で、この波長範囲のパルス光を選択透過する光フィルタ
を共用すれば、本発明を実施するのにきわめて好都合で
ある。
【0046】そして、判別器Iにおいて光電流パルスの
高さが測定され、この測定レベルと予め設定された判別
レベルとが比較判別され、この判別結果(蜜入りの等級
に応じた判別結果)信号が仕分け機構(図示せず)に出
力される。
【0047】また、必要に応じて、林檎の内部品質が未
熟,完熟,あるいは変敗のうちの少なくとも一つの状態
にあるときのパルス光の透過量と予め求めておいた基準
値とを比較することにより、被検査物としての青果物の
内部品質の状態を判断するようにしている。
【0048】本発明は、このような原理に基づいてなさ
れたものであり、上記第一の目的を達成するため、本発
明の第一の実施形態に係る林檎の内部品質検査装置は、
パルス光を林檎の果頂部または果柄部に入射し、上記林
檎の果柄部または果頂部もしくは側面部からの透過光の
強さや明るさを検出し、その検出レベルに応じて、上記
林檎の等級,内部褐変の程度,鮮度等を判別する構成と
してある。
【0049】[第一の実施形態]図1は本発明の第一の
実施形態に係る林檎(青果物)の内部品質検査装置を示
すブロック図である。同図において、内部品質検査装置
は、光源部1と、受光部2と、増幅部3と、判別部4
と、表示部5を有している。
【0050】光源部1は、上面部において内外に開口す
る筐体10と、この筐体10内に収納されたフラッシュ
ランプ12および集光光学系14とを備えている。筐体
10の開口部10aは、林檎100に対するパルス光L
の照射面積を一定にするために、直径約50mmの絞り
孔によって形成されている。
【0051】フラッシュランプ12は、近赤外線を多量
に含むパルス光Lを試料台15上の林檎100に照射す
る光源によって構成されている。フラッシュランプ12
の点灯は、光源部1と受光部2との間に介在する搬送コ
ンベア(図示せず)の固定部に設置された光電式の位置
センサ16およびこの位置センサ16に接続されたラン
プ制御装置17によって行われる。すなわち、ランプ点
灯は、試料台15上に載置する林檎100が所定の位置
(検査位置)に到達したことを位置センサ16が検出し
たときに、この検出信号がランプ制御装置17を介して
フラッシュランプ12に出力されることにより行われ
る。
【0052】フラッシュランプ12の発光スペクトル
は、図8に示すように、可視光領域を含み400nmの
紫外線から800nmの近赤外線までの領域ではいくつ
かの線スペクトルを含むほぼ一様な連続の波長分布なの
で疑似太陽光として用いられることが多いが、近赤外線
の800nmから1100nmまでの領域には可視光領
域よりも遥かに強力な多数の線スペクトルを含む発光分
布をもっている。しかし、このスペクトルは、本発明を
実施する上では連続したスペクトルである必要はなく、
十分な発光量と必要な範囲の波長を含んでいれば、連続
波長であれ単波長であれスペクトルの形は問わない。
【0053】集光光学系14は、フラッシュランプ12
の下方に配設された反射鏡14aおよびフラッシュラン
プ12の上方に配設された集光レンズ14bからなり、
フラッシュランプ12において発光したパルス光Lを収
束して筐体10外に効率よく取り出すように構成されて
いる。
【0054】試料台15は、搬送コンベア(図示せず)
の移動部に固定されており、直径が150mmの円形状
を有し、全体が林檎100を安定して搭載するために皿
状に形成されている。また、試料台15の中央部には、
フラッシュランプ12において発光したパルス光Lを通
過させるための直径約50mmの絞り孔15aが設けら
れている。
【0055】試料台15の載置面側には、厚さが1mm
程度の寸法を有し被検査物としての林檎100を傷付け
ないために柔軟でかつ光透過がない黒色のゴムシ−ト等
からなる遮光部材11が取り付けられている。この試料
台15の遮光部材11は、絞り孔15aに連通する絞り
孔11aを有し林檎100に投射する光芒を一定面積に
するとともに、絞り孔11aの開口周縁と林檎100の
表面が柔軟に接触して無駄な漏光を防止する機能を有し
ている。
【0056】光源部1が上記のような構成となっている
ことにより、試料台15に載置された林檎100が位置
センサ16によって検出されると、ランプ制御装置17
が作動してフラッシュランプ12に電源電圧が供給され
る。この結果、フラッシュランプ12がパルス光を発光
し、パルス光が集光光学系14によって集光され、開口
部10aを透過して林檎100に投射される。
【0057】なお、位置センサ16から出力される信号
1 は、フラッシュランプ12を点灯するための信号の
みならず、後述するように光センサで検出したパルス電
流を増幅した後の信号のレベルと基準レベルとを比較判
別するための同期信号としても使用される。
【0058】一方、受光部2は、光源部1の光軸OP上
に設けられており、下面部において内外に開口する暗箱
2aと、この暗箱2a内に収納された光センサ20およ
び短波長遮断フィルタ21とを備えている。暗箱2aの
開口部2Aは、開口部10aに対応する直径約50mm
の絞り孔によって形成されている。
【0059】光センサ20は、受光面積が1cm2 のシ
リコンフォトダイオードであり、透過パルス光L1 を検
出して電流の検出パルス信号S1を増幅器3に出力する
機能を有している。この光センサ20の感度特性は、図
9に示すように可視光全域から近赤外線の1100nm
にかけて高感度であり、赤色光の800nmにおいて緩
やかなピ−クを有している。
【0060】すなわち、光センサ20は、フラッシュラ
ンプ12との組み合わせで林檎100の透過パルス光L
1 を測定するに最適な感度特性を有するシリコンフォト
ダイオードが用いられている。
【0061】短波長遮断フィルタ21は、遮断波長が6
50nmであるロングパスフィルタR65光フィルタか
らなり、暗箱2a内に収納され、かつ光センサ20のフ
ラッシュランプ側に配設されている。短波長遮断フィル
タ21として、ロングパスフィルタR65を用いたのは
図8に示すようにフラッシュランプ12の発光波長分布
中に広範囲の可視光を含んでおり、かつ黄色や橙色の6
50nm以下の波長も強いので、林檎100の果皮の色
によってパルス光Lの透過率が大きく変化する波長域を
取り除くためである。
【0062】なお、短波長遮断フィルタ21は光源部1
の筐体10内に設けてもよいが、作業環境照明灯等の外
来光の漏洩による精度低下を低減するためには、本実施
の形態のように受光部2の暗箱2a内に設けることが好
ましい。
【0063】増幅部3は、電流電圧変換増幅器3aおよ
び電圧増幅器3bを有しており、林檎100の蜜入り等
級を比較判別し得る大きさまでに光センサ20において
検出された検出パルス信号S1 を増幅し、判別部4に出
力し得るように構成されている。また、この増幅部3の
増幅度は所定の大きさに調整し得るように構成されてい
る。
【0064】例えば、発光強度「1J(ジュール)」の
フラッシュランプ12および蜜入り等級「3」の林檎1
00を用いると、光センサ20による検出パルス信号S
1のパルス電流値が30μAである場合に電流電圧変換
増幅器3aで0.3Vとし、さらに電圧増幅器3bで1
0倍の3Vまで増幅される。
【0065】また、蜜入りの検査に比べ、内部褐変の検
査は2〜3桁少ない光量を測定する必要があるので、増
幅器としては蜜入り検出用の増幅器に比べて増幅度が大
きい褐変検出用の増幅器を用意する必要がある。しか
し、蜜入りの検査は収穫直後に行い、褐変の検査は長期
保存品の出荷時に行うので、検査時期が異なる。したが
って、両検査が同時に行なわれないことから、蜜入り検
査用と褐変検査用との二台の増幅器を必要とせず、本実
施の形態では、一台の増幅器の回路定数をスイッチで切
り換えて、上記二種類の増幅変換率を得るようにしてい
る。
【0066】増幅部3には、両増幅器3a,3b間に介
在する低周波数遮断フィルタ(ハイパスフィルタ)3c
が含まれている。低周波数遮断フィルタ3cは、急峻な
パルス電流が通過し、緩慢な変化の周囲光ノイズによる
ノイズを遮断し得るように構成されている。この低周波
数遮断フィルタ3cの遮断周波数fc は、通過させたい
パルス時間幅tw とし、周囲光ノイズの揺らぎの周期が
W とするとき、 tw 《τ《TW ・・・(1) τ=1/2πfc ・・・(2) を選ぶと、検出パルス信号L1 のパルス電流の波形を崩
すことなく不要なノイズを除去することができる。
【0067】本実施形態の低周波数遮断フィルタ3cに
は、検出パルス信号L1 のパルス電流の時間幅と、周囲
光ノイズの揺らぎの周期とは3桁もの違いがあるため、
特に急峻な遮断特性は必要ないと考え、最も単純なCR
型一段の低周波数遮断フィルタが用いられている。この
場合、静電容量Cおよび抵抗Rを各々50nFと10k
Ωとし、CR型一段の時定数をτすると、 τ=CR ・・・(3) の関係式より低周波数遮断フィルタ3cの時定数τは5
×10-4秒となる。これにより、外来自然光によるベ−
スラインの上昇は勿論、蛍光灯等の瞬きによる信号の脈
動も認められず、かつパルス電流の波形の崩れもないこ
とが判明している。
【0068】なお、両増幅器3a,3bのうち電流電圧
変換増幅器3aの出力側には、念のために、直射日光等
の周囲光ノイズによる光電流レベルの強度に応じて警報
を発する、例えば表示用の警報装置6が接続されてい
る。これは、光センサ20によって検出される検出パル
ス信号S1の光電流レベルが増幅部3の正常な作動範囲
を越えることがあるからである。
【0069】判別部4は、各々が互いに並列に接続され
た、例えば四つの数値比較器(図示せず)を備えてお
り、これら数値比較器が予め設定された設定部41の判
別レベル値V0 ,V1 ,V2 ,V3 (V0 <V1 <V2
<V3 )に基づいて作動し、例えば、林檎100の等級
(蜜入り無し,蜜入り小,蜜入り中,蜜入り大)に応じ
て区分される。ここで、区分は、発音器等を含む仕分け
機構で行なわれ、また、仕分け機構は、搬送コンベア
(図示せず)によって搬送される試料台15の移動に同
期して遅延駆動される。なお、等級の区分けのほか、あ
る一定のレベル値より大きい測定レベル値に対しては
「良」とし、小さいレベル値に対しては「不良」とする
判別を行なうようにすることもできる。
【0070】判別部4の入力側には、増幅検出パルス信
号S2を数値化するアナログ−デジタル変換器7が接続
されている。アナログ−デジタル変換器7の入力端子7
aには電圧増幅器3bが積分回路8を介して接続され、
またアナログ−デジタル変換を行なうタイミング入力端
子7bには、位置センサ16が遅延回路9を介して接続
されている。
【0071】このアナログ−デジタル変換器7による数
値化は、増幅検出パルス信号S2の時間幅が短時間であ
ることから積分回路8によって増幅検出パルス信号S2
の積分値をピークホールド状態にした後に行われる。ま
た、この数値化のタイミングは、増幅検出パルス信号S
2が確実に過ぎたときとするために、遅延回路9によっ
て位置センサ16からの出力信号T1 を出力信号T2
して増幅検出パルス信号S2の時間幅程度だけ遅延させ
て行われる。
【0072】なお、積分回路8と電圧増幅器3bとの間
には、フラッシュランプ12の経年変化や各部品の性能
差によって装置毎に発生する感度差を補正するために可
変抵抗器からなる感度調節器(図示せず)が設けられて
いる。
【0073】表示部5は、アナログ−デジタル変換器7
の出力側に接続されており、増幅検出パルス信号S2が
示す電圧をデジタル化した数値を表示するように構成さ
れている。
【0074】上述したような判別部4の数値比較器や電
流電圧変換増幅器3a,電圧増幅器3b等は、通常の演
算増幅器およびA/D変換器やデジタル比較器等の集積
回路と抵抗器およびコンデンサ等によって構成されてい
る。しかし、これに限らず、市販の微小電流増幅器およ
び電圧比較器やシーケンス制御装置によって、あるいは
コンピュ−タのアナログおよびデジタルの外部入出力ユ
ニットを用いてソフトウエア的な処理を施すことにより
構成できることは勿論である。
【0075】周囲光ノイズによるノイズを除去するため
に、低周波数遮断フィルタ3cとして微分型のフィルタ
を用いて行う例を示したが、これに限らず、ソフトウエ
ア的な処理を施す等しても行うことができる。例えば、
パルス電流とその近傍を連続的に数値化して一時記憶
し、パルス電流の立ち上がり直前の値とパルス電流のピ
ーク値の差を測定することにより、パルス電流のみの高
さを求めることができる。
【0076】また、光源にはフラッシュランプを用いた
が、これに限らず、被検査物としての林檎100に適合
した波長のパルス光を発生するものであれば、他の種類
の光源でも十分に実用可能である。例えばパルス電流に
よって駆動する半導体レーザや発光ダイオードでもよ
い。半導体レーザおよび発光ダイオードをパルス電流で
駆動する場合には、連続通電する場合と比べて数十倍も
の電流を許容することができ、かつ多数個の発光ダイオ
ードを並設することによりフラッシュランプと同程度の
光量を得ることができる。特に、材料構成がGaAs,
GaAlAs,InGaAs等の発光ダイオ−ドおよび
レーザダイオードは発光波長が670nm〜1060n
mにあり、林檎の内部品質判別には好適である。
【0077】次に、第一の実施形態の内部品質検査装置
を用いた分級作業例について説明する。まず、収穫直後
の蜜入り林檎100の分級作業について述べる。図1に
示すように、果頂部を下に向けて林檎100を試料台1
5の上に置き、試料台15を搬送コンベア(図示せず)
によって検査位置に移動させ、受光部2に林檎100の
果柄部側を対向させる。すると、林檎100が位置セン
サ16によって検出される。
【0078】これにより、ランプ制御装置17が作動
し、フラッシュランプ12に一定のパルス電流が供給さ
れ、フラッシュランプ12が発光する。この結果、パル
ス光Lが開口部10aに集光して、林檎100の果頂部
側に入射する。このように、パルス光Lの入射側を林檎
100の果頂部としたのは、果柄部や横方向から入射す
ると、蜜入り部分の偏りが大きい林檎100では、パル
ス光Lの透過率が林檎100の周方向によっては二倍も
の差が出てしまい、測定上、好ましくないからである。
上記動作と並行して、位置センサ16による出力信号が
遅延回路9によってパルス電流(検出パルス信号)の時
間幅だけ遅延してアナログ−デジタル変換器7に入力さ
れ、判別部4が作動する。
【0079】さて、林檎100の果頂部に入射したパル
ス光Lは、林檎100内の蜜入り部分を通って、果柄部
側から透過パルス光L1 として出てくる。そして、この
透過パルス光Lは短波長遮断フィルタ21によって濾波
され、林檎100の果皮の色に影響されない波長650
〜1100nmの透過パルス光L1 のみが光センサー2
0に至る。
【0080】光センサー20で検出された透過パルス光
1 の強さを示す検出パルス信号S1の電流値は非常に
小さくなるが、この検出パルス信号S1は、増幅部3の
電流電圧変換増幅器3aで増幅変換され、電圧増幅器3
bでさらに所定の大きさの電圧に増幅される。例えば、
三等級の蜜入りの林檎100では、光センサ20からの
検出パルス信号S1はたった30μAの電流値でしかな
いが、電流電圧変換増幅器3aで0.3Vに増幅され、
しかる後電圧増幅器3bで3Vに増幅される。この結
果、以後の測定に充分な大きさの増幅検出パルス信号S
2が、アナログ−デジタル変換器7で数値化された後判
別部4に送られる。
【0081】このように増幅部3で増幅された電圧と林
檎100の等級とは、相関関係がある。すなわち、上記
原理で説明したように、パルス光Lの透過率が蜜入り部
分の大きさに対応するので、等級に応じた強さの透過パ
ルス光L1 が光センサー20で検出され、増幅部3で増
幅されるからである。実際、多数個の試料林檎100を
測定し、その後切断して蜜入りの等級分けをしたとこ
ろ、等級と測定電圧とが直線関係となった。したがっ
て、増幅検出パルス信号S2が蜜入り林檎100の等級
を間接的に示すこととなる。
【0082】増幅部3で増幅された増幅検出パルス信号
S2は、アナログ−デジタル変換器7で数値化された後
判別部4に入力され、判別部4の各数値比較器において
電圧比較される。例えば、林檎100が二等級のもので
ある場合には、増幅検出パルス信号の電圧が基準電圧V
1 以上かつV2 未満となるので、所定の数値比較器から
制御信号が出力される。
【0083】そして、この制御信号が仕分け機構(図示
せず)に入力されると、作業者は現在測定している林檎
100が二等級(蜜入り中)であることを容易に知るこ
とができる。このように、作業者は、仕分け機構(図示
せず)によって、現在測定している林檎100の等級を
判別することができる。
【0084】なお、未熟品については、一般に林檎10
0の果皮の色が緑〜黄緑色をしているので、従来の外観
検査によっても判別することができるが、本実施形態の
装置によれば、果皮の色を見ることなく、未熟品を判別
することができる。ところで、未熟品は、果肉の水分が
少ないので、パルス光Lの透過率が低く、蜜入りでない
正常品を長期保存したものと同等である。
【0085】次に、長期保存後の林檎100の褐変状態
検出作業について述べる。この褐変検出作業において
は、予め、増幅部3の回路定数をスイッチで切り換え、
判別部4の数値比較器のV0 〜V3 に対応させて、増幅
部3の増幅率を蜜入り検査時よりも大きくしておく。
【0086】この状態で、上記蜜入り林檎100の検査
と同様にして、内部褐変の判別作業を行うことができ
る。すなわち、林檎100の褐変の程度に応じて、透過
パルス光L1 の強さが変るので、増幅部3からの増幅検
出パルス信号S2の電圧値が褐変度に応じた大きさにな
り、その増幅検出パルス信号が上記のごとく判別部4の
各数値比較器によって比較判別され、褐変度に対応した
判別信号が仕分け機構(図示せず)に出力されることと
なる。また、褐変までは至らないが、鮮度が低下した林
檎100では、正常品に比べて水分の消失が多く、パル
ス光Lの透過率が低下するので、判別部4の各数値比較
器によって鮮度の程度を比較判別することができること
となる。
【0087】なお、本装置が正常な判別を行っているか
否かの検定を、光透過率を適度な蜜入り品と同等に調整
した直径8cmの球体状のダミー50を用いて行った。
ダミー50は乳白色のポリエチレン樹脂からなる2個の
半球体50a,50bを平面同士を合わせて球体とし、
両合わせ面50A,50B間に光透過率を決める絞りシ
ート51を挟んで用いた。この絞りシート51は球体の
直径と等しい寸法に設定された黒色シートからなり、中
心部には内径2cmの絞り孔51aが設けられている。
この絞り孔51aの内径を調節することにより蜜入りの
等級を「三」程度に調整した。検出感度の調整は、この
ダミーに指定された値となるように、増幅部3の増幅度
を調整することにより行った。
【0088】[第二の実施形態]本発明の第二の目的を
達成するため、本発明の第二の実施形態では、第一の実
施形態で測定した値を、青果物の玉寸に応じて補正する
ようにしている。上記した第一の実施形態にかかる内部
品質検査方法(装置)の基本原理は、林檎の熟度の進行
及び鮮度の低下に伴う果肉内の気泡の増減による光の散
乱減衰の程度を測定するものであるので、したがって、
光の散乱減衰は光の透過する林檎の玉寸に応じて指数的
に変化する。
【0089】次に、玉寸と補正係数との関係について説
明する。玉寸と補正係数との関係を実際の林檎で試験す
るのは難しいので、林檎の果肉と同様に微細な気泡を無
数に含んで白く見え、ほぼ中程度の蜜入り林檎に相当す
る光透過量のある緩衝材用の発泡スチロールの球体を用
いて模擬試験した。実際の林檎の玉寸は、赤道部の直径
で75mmから110mmの範囲にあるので、その範囲
で5mm間隔の発泡スチロール球体を用いて光透過度の
関係を調べた。発泡スチロールの密度は場所による差が
あるので、その影響をなくすために、始めに一個の大き
な球体を作って光の透過度を測定し、次に球全体をナイ
フで均一に削って直径を5mmだけ縮小して再測定し、
次第に直径を減じながら測定を繰り返した。その結果下
記の表のようになった。
【0090】 発泡スチロール球による玉寸補正の模擬 玉寸(mm) 光透過量 減衰率 補正係数 75 18.4 1.00 80 15.2 1.21 1.20 85 12.8 1.19 1.44 90 10.7 1.20 1.73 95 8.9 1.20 2.07 100 7.3 1.22 2.49 105 6.0 1.21 2.98
【0091】このように、光の減衰は玉寸が5mm増す
ごとに約1.2分の1となる指数関数となった。したが
って、玉寸75mmを基準に直径が5mm増加する毎に
測定値を約1.2倍となるように補正を与え、各玉寸に
対して上記表の補正係数を与えれば良いことがわかっ
た。
【0092】この補正係数が妥当か否かは、普遍的な判
断基準はないので、経験豊富な林檎生産農家数名の目視
による判断に委ねた。玉寸と蜜入りの程度も違うと思わ
れる林檎を多数用意し、初めに無補正で測定したものを
赤道部で割玉し、それが示すべきと考える蜜入りの度合
いを各々から聞き出し、次に割った玉を貼り合わせて再
度測定して、目視判断と同等の値を示すように適度な補
正係数を与えることを繰り返した。その結果、ほとんど
模擬試験による補正係数と一致した。したがって、蜜な
しの林檎から蜜が過大に入っている林檎まで、この補正
係数で補正すればよいことが判明した。
【0093】このような前提にもとづいてなされ、本発
明の第二の目的を達成するための実施形態について説明
する。この実施形態は本発明の第二実施形態であり、図
11はその検査装置を示すブロック図である。同図に示
すように、第二実施形態の検査装置は、第一実施形態の
検査装置に玉寸(サイズ)測定器30と補正部40を付
加した構成となっている。すなわち、林檎10の搬送路
上における光透過部(光源部1及び受光部2)より少し
手前に玉寸測定器30を配置するとともに、この玉寸測
定器30からの測定信号にもとづいて測定値を補正する
補正部40をアナログ−デジタル変換器7と判別部4の
間に接続した構成としてある。
【0094】図12は玉寸測定器の平面図である。同図
に示すように、玉寸測定器30は、投光器と受光器を有
する多数組のファイバ式フォトスイッチ群30−1〜3
0−8からなり、林檎の平均的な大きさである直径90
mmの中玉を果柄を上に向けて試料台に載せたときの赤
道部に相当する高さに、投受光器ファイバの先端が林檎
が通過するのに邪魔にならない間隔で対向して配置して
ある。林檎が搬送されるにつれて各フォトスイッチの光
が林檎で遮断され、最先頭のフォトスイッチが作動した
ときに、後端がどのフォトスイッチまでかかっているか
で玉寸を測定する。
【0095】具体的には、玉寸測定器30は9組のフォ
トスイッチからなり、フォトスイッチ30−0は林檎の
前端を検出し、30−1〜30−8で後端を検出する。
それぞれの間隔はフォトスイッチ30−0を基準とし
て、フォトスイッチ30−1〜30−8を75mmから
110mmまで5mm間隔で並べてあり、それらの信号
を論理回路32において論理判断して上記の玉寸補正係
数を発生するようにしてある。
【0096】本実施形態の検査装置では、林檎100の
玉寸測定を光透過の測定を行なう前に行なっているの
で、光源部1及び受光部2よりも少し上流位置の搬送路
に沿った場所に配置されている。フォトスイッチ30−
0は、最小玉寸と考えられる直径70mmの林檎の中心
が光軸に移動するまでに、補正部40へ玉寸補正係数を
与えるのに充分な時間的余裕のある位置とするため、光
源部1の光軸より搬送路の20mm上流位置に配置して
ある。すなわち、試料台15の光窓が光軸と一致するま
で約15mmの余裕がある。この距離を林檎100が走
行する時間は、林檎100に損傷を与えずに搬送及び排
出動作ができる上限の速度を毎分200個とし、150
mmの間隔で搬送するとして、約30msとなる。この
時間は、補正部40へ玉寸補正係数を与えるのには充分
な時間となっている。
【0097】また、フォトスイッチ30−0は、フラッ
シュランプ12の点灯準備を兼ねている。すなわち、フ
ォトスイッチ30−0が林檎100を検出し、かつ、フ
ォトスイッチ31が試料台と光源部の両光軸の一致を検
出したときにフラッシュランプ12を点灯させるように
している。したがって、林檎100が試料台15に載っ
ていない状態でフラッシュランプ12が点灯することは
なく、強大な光がセンサーを直射し損傷するのを防止し
ている。
【0098】林檎100を載せた試料台15が光軸と一
致したとき、フラッシュランプ12が点灯する。これに
より、林檎100を透過した光を光センサ20が検出す
ると、増幅部3は光電流を増幅するとともにフラッシュ
ランプの光によるパルス成分を抽出し、積分回路8でパ
ルスのピーク高さを検出する。このようにして、周囲光
による誤差のない測定を行なうのは第一実施形態の場合
と同じである。
【0099】一方、このときすでに、林檎100の玉寸
の測定は完了しているので、積分回路8で得られたパル
スのピーク高さに、玉寸測定器30の論理回路32から
段落番号[0090]に示すような玉寸補正係数を補正
部40に与える。この結果、パルス光の測定値を玉寸補
正係数にもとづいて補正し、その補正した値を判別部4
に設定されている判別レベル値と比較して蜜入りの程度
を判別している。
【0100】積分回路8まではアナログ演算増幅器3を
用いてアナログ的に処理しているが、それ以後の玉寸補
正,表示,設定及び比較判別はデジタル論理回路を用い
てデジタル的に処理している。蜜入りの程度を判別した
信号は、第一実施形態の場合と同様に図示しない仕分け
機構に送られ、蜜入りの程度に応じて区分けされ、排出
される。
【0101】この第二実施形態の内部品質検査方法と装
置によれば、林檎の玉寸によって測定値を補正するよう
にしているので、誤差の少ない測定判別が可能となる。
すなわち、第一実施形態の内部品質検査方法と装置によ
って、林檎の品質を外観色や形だけで判断するのを是正
し、色着きが悪くとも完熟品であるものを正常良品とし
て救済することに加え、第二実施形態では、林檎100
の玉寸補正を行なうことでさらに高精度の測定判別を可
能とした。
【0102】また、測定の高精度化によって従来装置で
は判別が難しかった「芯かび」という障害品も除去でき
るようになった。「芯かび」は、種の周りの「室」と称
する空洞内に発生したかびで室内壁が焦げ茶色に変色し
たもので、林檎の果柄の付け根に傷があり雨水とともに
かびの胞子が入り込んで起こるものであり、この芯かび
のある林檎は完熟蜜入り品とはいえ不良品である。
【0103】上記の実施形態では、本発明を林檎の蜜入
り判別で説明したが、長期保存林檎に稀に発生する内部
褐変も、より高精度で判別できるのは勿論である。ま
た、熟度の進行と果肉の比重の関係が林檎のそれと極め
て類似し、かつ形状も林檎以上にほとんど球体に近いメ
ロンの熟度判別にも適用できる。そのほかに、大根の赤
芯及び黒芯など、多くの青果物の熟度や鮮度あるいは変
敗などの内部品質の変化に応じて光透過率が変化する青
果物の検査にも適用できる。ただし、形状が林檎とは異
なる大根など棒状の青果物の場合の補正係数は、そのま
ま林檎の例を適用するには無理があり、また青果物によ
って減衰係数も異なるので各青果物の種類ごとに補正係
数を決める必要がある。
【0104】補正係数を与える場所は、本実施例では最
終段階の表示及び比較判断へ入力としたが、これに限る
ことなく光センサから増幅、パルス抽出、積分、表示及
び比較判別に至る途中のいずれの段階で行なっても差し
支えない。
【0105】また、玉寸測定器30としては、光ファイ
バ式フォトスイッチ群の代わりにリニアCCDセンサあ
るいはレーザ光によるスキャンによって無段階で補正す
ることもでき、さらには、その他の手段でも光学的ある
いは電磁的な非接触測定方式のものであれば高速連続走
行中の検査に対応することが可能である。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、青
果物を透過したパルス光の強さを測定することにより、
青果物の果皮の色に影響されることなく、青果物の等
級,内部褐変,鮮度等を非破壊で容易に判別することが
できるから、分級作業の正確化,効率化を図ることがで
きる。すなわち、青果物を切断したり傷付けたりするこ
となく、外部から青果物の等級などを検査することがで
きる。したがって、例えば最高級の林檎であるにも拘ら
ず、従来の外観のみの検査で等級外と判別されていた林
檎を救済することができる。また、内部品質が優れた青
果物の生産に寄与することができるので、単に等級分け
等が可能になっただけでなく、農業経済の向上に大きく
寄与することができるという効果がある。
【0107】しかも、青果物の品質検査に従来のように
遮光のために可動機構によって受光部を移動させる必要
がないから、検査時の応答速度を高めることができ、自
動判別の高速化を図ることができる。また、光源として
パルス光を発光する光源を用いたことは、周囲光ノイズ
による誤判定の危険性はきわめて少ないから、照明を明
るくして作業を行なうことができ、良好な作業環境を得
ることができる。
【0108】さらに、青果物の大きさに応じて検出した
パルス光の強さを補正しているので、青果物の大きさに
よる測定誤差をなくすことができ、より正確な内部品質
の検査が可能となった。また、蜜入りでありながら、果
芯部の種子の周りの空洞内にかびが発生した芯かびの判
別、及び褐変をも判別するために、より高精度の判別を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る青果物の内部品
質検査装置を示すブロック図である。
【図2】林檎の果肉比重と光透過率との関係を示す線図
である。
【図3】林檎の縦断面図である。
【図4】林檎の横断面図である。
【図5】林檎の果皮の色と光透過率との関係を示す線図
である。
【図6】本発明の原理を説明するために示すブロック図
である。
【図7】(A)および(B)は低周波数遮断フィルタに
よって周囲光ノイズ電流を除去したパルス電流を説明す
るために示す図である。
【図8】フラッシュランプの発光スペクトルを示す図で
ある。
【図9】光センサの分光感度を示す図である。
【図10】青果物の内部品質の判別検定に使用するダミ
ーを示す正面図である。
【図11】本発明の第二の実施形態に係る青果物の内部
品質検査装置を示すブロック図である。
【図12】サイズ測定器の概略平面図である。
【符号の説明】
1 光源部 2 受光部 3 増幅器 4 判別部 7 アナログ−デジタル変換器 8 積分回路 9 遅延回路 12 フラッシュランプ 15 試料台 16 位置センサ 20 光センサ 30 サイズ(玉寸)測定器 40 補正部 100 林檎 L パルス光 L1 透過パルス光 S1 検出パルス信号 S2 増幅検出パルス信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/02 G01N 33/02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 青果物にパルス光を投射し、 上記青果物を透過する透過パルス光の強さを検出し、 この検出レベルに応じて上記青果物の等級,内部褐変の
    程度,鮮度等を判別することを特徴とする青果物の内部
    品質検査方法。
  2. 【請求項2】 上記透過パルスの強さを検出した後であ
    って、上記青果物の等級,内部褐変の程度,鮮度等を判
    別する前に透過パルス光を抽出しかつ周囲光によるノイ
    ズを遮断することを特徴とする請求項1記載の青果物の
    内部品質検査方法。
  3. 【請求項3】 青果物の大きさを測定し、 該青果物を透過した透過パルス光の検出レベルに、測定
    した青果物の大きさに応じた補正係数を与え、 この補正係数を与えることによって得られた結果にもと
    づいて上記青果物の等級,内部褐変の程度,鮮度等を判
    別することを特徴とした請求項1又は2記載の青果物の
    内部品質検査方法。
  4. 【請求項4】 検査位置における青果物にパルス光を投
    射する光源部と、 この光源部の光軸上に設けられ、上記青果物を透過する
    パルス光を検出して検出パルス信号を出力する光センサ
    を有する受光部と、 この受光部に増幅部を介して接続され、この増幅部によ
    って増幅された検出パルス信号のレベルと予め設定され
    た判別レベルとを比較判別し、この判別結果にもとづい
    て上記青果物の等級,内部褐変の程度,鮮度等に関する
    信号を出力する判別部とを備えたことを特徴とする青果
    物の内部品質検査装置。
  5. 【請求項5】 光源部が、キセノンフラッシュ放電ラン
    プによって構成されていることを特徴とする請求項4記
    載の青果物の内部品質検査装置。
  6. 【請求項6】 光源部が、パルス電流で駆動されるレー
    ザによって構成されていることを特徴とする請求項4記
    載の青果物の内部品質検査装置。
  7. 【請求項7】 光源部が、パルス電流で駆動される発光
    ダイオードによって構成されていることを特徴とする請
    求項4記載の青果物の内部品質検査装置。
  8. 【請求項8】 上記青果物を透過するパルス光のうち短
    波長をもつパルス光を除去する短波長遮断フィルタを前
    記光センサの光源側に設けたことを特徴とする請求項
    4,5,6又は7記載の青果物の内部品質検査装置。
  9. 【請求項9】 上記光センサから出力する検出パルス信
    号を抽出しかつ周囲光によるノイズを遮断する低周波数
    遮断フィルタを上記増幅部に含ませたことを特徴とする
    請求項4,5,6,7又は8記載の青果物の内部品質検
    査装置。
  10. 【請求項10】 青果物の大きさを測定し、測定した青
    果物の大きさに応じた補正信号を出力するサイズ測定器
    と、 このサイズ測定器からの補正信号にもとづいて上記検出
    パルス信号のレベルを補正する補正部とを具備したこと
    を特徴とする請求項4〜9のいずれか一項に記載の青果
    物内部品質検査装置。
  11. 【請求項11】 上記サイズ測定器が、青果物の前端を
    検知する一つのフォトスイッチと後端を検知する青果物
    の搬送方向に並設された複数のフォトスイッチ群からな
    ることを特徴とした請求項10記載の青果物内部品質検
    査装置。
  12. 【請求項12】 上記サイズ測定器が、フォトスイッチ
    群からの信号を論理判断して青果部の大きさに応じた補
    正係数を発生する論理回路を具備することを特徴とした
    請求項11記載の青果物内部品質検査装置。
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