JPH10318914A - 青果物の内部品質検査方法およびその装置 - Google Patents

青果物の内部品質検査方法およびその装置

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JPH10318914A
JPH10318914A JP12982497A JP12982497A JPH10318914A JP H10318914 A JPH10318914 A JP H10318914A JP 12982497 A JP12982497 A JP 12982497A JP 12982497 A JP12982497 A JP 12982497A JP H10318914 A JPH10318914 A JP H10318914A
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light
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vegetables
apple
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JP12982497A
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English (en)
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Hisaichi Shibazaki
久市 柴崎
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Toyo Seikan Kaisha Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/02Food
    • G01N33/025Fruits or vegetables

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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 林檎の玉寸に応じて補正を加えつつ青果物の
内部品質検査を行なうことにより、一層正確な内部品質
検査を可能とする。 【解決手段】 試料受け15に林檎100を載置すると
ともに押え部材2を移動させて上記林檎の上部を押え、
この状態で上記林檎にパルス光を投射して、上記林檎を
透過する透過パルス光の強さを検出し、さらに、上記押
え部材の移動量にもとづいて林檎の大きさを測定し、上
記林檎を透過した透過パルス光の検出レベルを、測定し
た林檎の大きさに応じて補正し、この補正された検出レ
ベルを設定値と比較することによって林檎の等級,内部
褐変の程度,鮮度等を判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、林檎など
の青果物の熟度,鮮度および内部欠陥等の内部品質を検
査する際、青果物の大きさによって誤差が生じないよう
にした青果物の内部品質検査方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、青果物の検査では、主に収穫時期
にとれた青果物の大きさや重量及び外見的な形や色合い
によって、その青果物の熟度等の判断を行ない、等級な
どを決定していた。しかし、青果物の中には、熟度等の
内部品質を形や色合い等の外見で判断することが困難な
ものが多い。
【0003】たとえば、林檎は、一般的に果皮の色が赤
いものが完熟の良品とされているが、果皮の赤い色と熟
度とは無関係である。すなわち、林檎は、未熟でも強制
的に日光に晒すと赤く着色する。また、完熟した林檎で
も、葉陰にあったものは赤の着色度が少ない。特に、林
檎の果頂部(花が付いた部分)の周辺には、黄緑色ない
し黄色の部分が残るので、このような林檎は、完熟品で
あるにもかかわらず、未熟品として処理されることが多
い。
【0004】このような事情にかんがみ、本出願人は、
先に、特開平8−201290号において「林檎の内部
品質検査方法及びその装置」として、林檎の果皮の色に
影響されることなく、蜜入りの完熟状態から内容の褐変
したものまで広い範囲にわたって、その内部品質を非破
壊で正確に判別することができる技術を開示している。
これは、光の波長が林檎の果皮の色に左右されない62
0nm〜1100nmの可視光から近赤外線の透過率を
測定して判別するもので、光源にハロゲン白熱電球を用
いたものである。さらに、作業環境照明光や外来光(周
囲光)による判別誤差を軽減するために、光検出器の周
辺に黒色のスポンジ等の遮光具を設け、これを検査時に
当接させて用いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の技術
においては、検査時に、青果物の一部が周囲光にさらさ
れているので、強い周囲光の影響を受け易く、明るい作
業照明灯の下や晴天の屋外での使用では誤差が多くなる
いう問題があった。さらに、屋外等の電源設備のない場
所での使用では、大電力を消費するハロゲン白熱電球を
光源とする従来装置は現実的でなかった。
【0006】そこで本出願人は、パルス光の発光時間が
きわめて短時間であることに着目し、周囲光による明る
さを基準としたパルス電流の高さを測定してこの測定値
に基づいて青果物の内部品質を検査することにより、作
業環境に左右されることなく、また電池等の電源によっ
ても実現可能な青果物の内部品質検査方法およびその装
置を特願平8−127456号で提案している。
【0007】ところで、発明者らがさらに研究を行なっ
たところ、検査の対象となる林檎等の大きさ(玉寸)に
ばらつきがあると検査結果に誤差の生じることを見出し
た。すなわち、林檎の熟度の進行および鮮度の低下にと
もなう果肉内の気泡の増減による光の散乱減衰の程度を
測定する場合、その光の散乱減衰は、透過する厚みによ
って指数的に変化するため、林檎の大きさ(玉寸)によ
って測定値に誤差の出ることがあった。殊に、果樹園あ
るいは貯蔵庫から無選別のままで直接検査装置へ林檎を
投入した場合、それらの直径は約70mmの小玉から約
110mm位の大玉まで混在している。そのために、大
玉では蜜入り量が少なく判別され、小玉では多めに判別
される可能性がある。
【0008】そこで、本発明は、林檎の大きさ、すなわ
ち林檎の玉寸(サイズ)による測定誤差を少なくするた
め、林檎の玉寸に応じて測定値に補正を加えつつ青果物
の内部品質検査を行なうことによって、より一層正確な
内部品質検査を可能とし、特に手動式の検査に適用する
と好適な青果物の内部品質検査方法およびその装置の提
供を目的としている。
【0009】なお、青果物の内部品質検査を光あるいは
X線などの透過で行なう方法において、玉寸によって検
出感度を制御する技術は、例えば、「光学的測定方法及
びその装置」(特開平7−229840号)、あるいは
「X線を利用したスイカの空洞検査装置」(本間秀明、
食品流通技術、Vol.18 No.7)などで公表さ
れている。
【0010】このうち、前者の「光学的測定方法及びそ
の装置」は、柑橘の糖度を赤外線の分光光度計によって
測定するときに、測定精度を向上させる目的で試料の大
きさを測定して分析すべき透過光量の蓄積時間を変える
ものである。具体的には、大きさが60mmないし75
mmの蜜柑に対する透過光を分析するのに、50msな
いし150msの蓄積時間を変えており、光源はその時
間だけ連続して発光を持続させている。そして、光源と
しては、ハロゲンランプが好適であるとしている。
【0011】しかしながら、林檎では透過光量が蜜柑の
約5分の1しかないので、この技術を、林檎の検査に適
用しようとすると、蓄積時間はさらに5倍を要してしま
う。また、上記したように、大きな電力を必要とするハ
ロゲンランプを使用しているので実用的ではない。した
がって、この技術を林檎の内部品質検査を連続的に行な
う装置に適用することは困難と考えられる。また、この
技術は、林檎を透過した光量に補正を加えるものではな
い。
【0012】また、後者の「X線を利用したスイカの空
洞検査装置」は、スイカの内部空洞をX線の透視映像で
検査するのに、試料の大きさを測定して照射するX線の
強度を変え、試料の大きさによらず明瞭な画像を得よう
とするものである。具体的には、スイカの大きさを測定
した結果でX線の発生エネルギーを変える操作にはかな
りの時間を要するので、X線を照射するよりも1個分前
でスイカの大きさを測定し、0.9秒の移動時間中に発
生エネルギーの変更操作を行い、スイカが停止している
0.1秒の間にX線照射を行うようにしている。この技
術は、スイカの大きさに対して好適な映像を得るための
X線のエネルギーを変更するもので、空洞の大きさを表
す指標を補正するもの、すなわち、玉寸に応じて測定値
を補正するものではない。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の青果物の内部品質検査方法
は、試料受けに青果物を載置するとともに押え部材を移
動させて前記青果物の上部を押え、この状態で上記青果
物にパルス光を投射して、上記青果物を透過する透過パ
ルス光の強さを検出し、さらに、上記押え部材の移動量
にもとづいて青果物の大きさを測定し、上記青果物を透
過した透過パルス光の検出レベルに、測定した青果物の
大きさに応じた補正係数を与え、この補正係数を与える
ことによって得られた結果にもとづいて上記青果物の等
級,内部褐変の程度,鮮度等を判別する方法としてあ
る。
【0014】請求項2の発明は、請求項1記載の青果物
の内部品質検査方法において、透過パルスの強さを検出
した後であって、上記青果物の等級,内部褐変の程度,
鮮度等を判別する前に透過パルス光を抽出しかつ周囲光
によるノイズを遮断する方法としてある。
【0015】請求項3の青果物の内部品質検査装置は、
青果物を載置する試料受けと、この試料受けの上方に移
動可能に配置された青果物押え部材と、検査位置におけ
る青果物にパルス光を投射する光源部と、上記青果物を
透過するパルス光を検出して検出パルス信号を出力する
光センサを有する受光部と、この受光部からの検出パル
ス信号を所定のレベルまで増幅する増幅部と、上記押え
部材の移動量にもとづいて上記青果物の大きさを測定
し、測定した青果物の大きさに応じて上記増幅部でも増
幅された検出パルス信号のレベルを補正するサイズ測定
器とこの補正部からの補正信号で補正された検出パルス
信号のレベルと予め設定された判別レベルとを比較判別
し、この判別結果にもとづいて上記青果物の等級,内部
褐変の程度,鮮度等に関する信号を出力する判別部とを
備えた構成としてある。
【0016】請求項4記載の青果物の内部品質検査装置
は、上記試料受けの下部に上記光源部を配置するととも
に、上記押え部材を受光部として形成し、かつ、上記受
光部の光センサを上記光源部の光軸上に設けた構成とし
てある。
【0017】請求項5記載の青果物の内部品質検査装置
は、上記押え部材が上下動する構成であって、上記サイ
ズ測定器を、上記押え部材の移動量を抵抗値の変化とし
て測定する可変抵抗器を設けた構成としてある。
【0018】請求項6記載の青果物の内部品質検査装置
は、上記サイズ測定器が、上記増幅部からの出力電圧を
抵抗値に応じて分圧する構成としてある。
【0019】したがって、青果物の大きさに応じて測定
値に補正を加え、青果物の大きさを考慮した上で青果物
の等級,内部褐変の程度,鮮度等を判別する。具体的に
は、可変抵抗器の抵抗値を林檎のサイズに応じて変化さ
せることにより、測定値としての電圧を変化させ補正を
行なう。また、検出パルス信号が抽出され、かつ周囲光
によるノイズが遮断された後、特定範囲の検出パルス信
号のみが判別部に到達することになる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。まず、本発明の基本的な原
理を図4〜図9に基づいて説明する。図4は林檎の縦断
面図、図5は、林檎の横断面図である。未熟品の林檎1
00においては、果肉109の細胞に含まれる水分が少
なく、気泡が多い。このため、光の散乱反射が多く、果
肉が白色を呈している。しかし、熟度が上がるに従い、
果肉109の細胞の水分が増加して、細胞内を満たすよ
うになり、細胞内の気泡が消失する。そして、さらに熟
度が進行すると、水分が果肉109の細胞間にあふれた
状態、すなわち、光の通りの良い蜜入り状態となる。こ
の結果、果肉109が透明化し、光の散乱反射がなくな
る。
【0021】蜜入り状態(例えば蜜入り等級3)の林檎
100の内部を観察するために、図4に示すように、林
檎100を果柄101から果頂103の縦方向に切断
し、また、図5に示すように、林檎100の中央部を横
方向に切断した。この結果、図5に示すように、蜜入り
部分200は、種子105がある果芯107を取り囲む
10本の維管束108を中心として、島状に広がり、1
0枚の花びらが放射状に並んだような模様を形成してい
た。また、図4に示すように、密入り部分200は、果
柄101から果頂103に向かう維管束108に沿って
果肉109の内部に広がっていた。
【0022】すなわち、蜜入り部分200は、透明度の
高い導光路となって、光を林檎100の縦方向に通し易
くしている。また、10枚の花びら模様の蜜入り部分2
00は、必ずしも一様の大きさではなく、かなりの偏り
があることが観察された。
【0023】この蜜入り状態の林檎100の果柄101
の周辺部102と、果頂103の周辺部104との果皮
110を剥ぎ取り、果頂周辺部104に照射した光が果
柄周辺部102に透過する光の透過率を測定したとこ
ろ、図6に示すように、その光透過率はおおよそ5×1
-5であり、このときの果肉比重はおおよそ0.95g
/cm3 であった。
【0024】次に、蜜入りの林檎を長期保存すると、鮮
度が低下し、やがて褐変に至る。この状態を観察したと
ころ、果肉109の水分が少しづつ失われ、蜜入り状態
が2〜3ケ月で消失した。さらに、保存を続けると、水
分を失い、細胞内の気泡が増大して、光の散乱反射が多
くなり、透過する光量が著しく減少した。この蜜なし状
態での果肉109のみの光の透過率は、図6に示すよう
におおよそ2×10-6〜5×10-7であり、蜜入り状態
の場合に比べて1〜2桁も光透過率が低くなった。
【0025】また、林檎の中には、蜜入り状態であった
部分から細胞が壊死して、褐色を呈する内部褐変に至
り、やがて褐変が果肉109の全体に及ぶものがある。
また、蜜入り状態でなくても、長期間の保存によって鮮
度を失い、果肉109の全体が褐変に至るものがある。
このように褐変した果肉109の光透過率は、蜜なし状
態の林檎に比べてさらに低下し、図6に示すように、5
×10-9〜1×10-11であった。このときの果肉比重
は0.65〜0.75g/cm3 であった。これら果肉
品質と光透過率の関係を表に示すと次のようになる。
【0026】 ───────── ───────────── 果 肉 品 質 光 透 過 率 ───────── ───────────── 蜜入り等級 3 5×10-5 非蜜入り普通品 2×10-6〜5×10-7 内 部 褐 変 5×10-9〜1×10-11 ───────── ─────────────
【0027】以上のように、林檎100は、蜜入り状
態,蜜なし状態,褐変状態によって光透過率が大きく異
なり、縦方向に光を照射することによって、正確にその
状態を判別できることが判った。
【0028】次に、林檎100の果皮の色についての観
測結果について述べる。果皮110を可視光から近赤外
線の範囲の光が透過する差異の特性は、たとえば図7に
示すような曲線になった。すなわち、未熟品あるいは完
熟品であるが日光に当たらなかった黄色の果皮部分で
は、その特性が波長400nmから長波長側に向かって
穏やかに上昇し、途中620nm付近で穏やかなピーク
を有しおおよそ800nm以上で一定になった(図5の
細線)。
【0029】一方、充分に日光に当たり赤くなった果皮
の特性曲線(図7の太線)では、600nm以下の波長
を有する光の透過率が5%であり、極めて低い。そし
て、この特性曲線は、600nm付近から長波長側に向
かって次第に高い光透過率を示し、800nmから11
00nmの範囲では、光透過率が30%であり、黄緑色
の果皮における光透過率とほぼ等しかった。
【0030】すなわち、林檎100の縦方向に光を照射
すると、光は果皮110を二度通過するので、光透過率
が30%×30%となるが、上述したように、650n
m付近以上の波長を有する光を照射すれば、果皮の色に
左右されることなく、林檎の内部状態を正確に判別でき
ることが判った。
【0031】なお、1100nm以上の波長域をもつ照
射光についても、黄緑〜黄色の試料と真っ赤な試料と間
に差異が認められない範囲であれば、使用しても差し支
えない。しかし、一般的には、1200nm以上の波長
域になると、化学的官能基の諸成分による光の吸収があ
るため、光の透過率が変化して林檎100の蜜入り状態
と褐変状態を正確に判別することができない。
【0032】次に、玉寸と補正係数との関係について説
明する。本発明の内部品質検査方法(装置)の基本原理
は、林檎の熟度の進行及び鮮度の低下に伴う果肉内の気
泡の増減による光の散乱減衰の程度を測定するものであ
るので、したがって、光の散乱減衰は光の透過する林檎
の玉寸に応じて指数的に変化する。ところで、玉寸と補
正係数との関係を実際の林檎で試験するのは難しいの
で、林檎の果肉と同様に微細な気泡を無数に含んで白く
見え、ほぼ中程度の蜜入り林檎に相当する光透過量のあ
る緩衝材用の発泡スチロールの球体を用いて模擬試験し
た。実際の林檎の玉寸は、赤道部の直径で75mmから
110mmの範囲にあるので、その範囲で5mm間隔の
発泡スチロール球体を用いて光透過度の関係を調べた。
発泡スチロールの密度は場所による差があるので、その
影響をなくすために、始めに一個の大きな球体を作って
光の透過度を測定し、次に球全体をナイフで均一に削っ
て直径を5mmだけ縮小して再測定し、次第に直径を減
じながら測定を繰り返した。その結果下記の表のように
なった。
【0033】 発泡スチロール球による玉寸補正の模擬 玉寸(mm) 光透過量 減衰率 補正係数 75 18.4 1.00 80 15.2 1.21 1.20 85 12.8 1.19 1.44 90 10.7 1.20 1.73 95 8.9 1.20 2.07 100 7.3 1.22 2.49 なお、直径が100mmを超える林檎は、数が少ないの
で、本表では直径10mmの林檎まで補正係数を求め
た。
【0034】このように、光の減衰は玉寸が5mm増す
ごとに約1.2分の1となる指数関数となった。したが
って、玉寸75mmを基準に直径が5mm増加する毎に
測定値を約1.2倍となるように補正を与え、各玉寸に
対して上記表の補正係数を与えれば良いことがわかっ
た。
【0035】この補正係数が妥当か否かは、普遍的な判
断基準はないので、経験豊富な林檎生産農家数名の目視
による判断に委ねた。玉寸と蜜入りの程度も違うと思わ
れる林檎を多数用意し、初めに無補正で測定したものを
赤道部で割玉し、それが示すべきと考える蜜入りの度合
いを各々から聞き出し、次に割った玉を貼り合わせて再
度測定して、目視判断と同等の値を示すように適度な補
正係数を与えることを繰り返した。その結果、ほとんど
模擬試験による補正係数と一致した。したがって、蜜な
しの林檎から蜜が過大に入っている林檎まで、この補正
係数で補正すればよいことが判明した。
【0036】このような前提にもとづいてなされ、本発
明の目的を達成するための実施形態について説明する。
図1は本発明の第一の実施形態に係る林檎(青果物)の
内部品質検査装置を示すブロック図である。同図におい
て、内部品質検査装置は、光源部1と、受光部2と、増
幅部3と、判別部4と、表示部5を有している。
【0038】光源部1は、上面部において内外に開口す
る筐体10と、この筐体10内に収納されたフラッシュ
ランプ12および集光光学系14とを備えている。筐体
10の上面中央部には、林檎100に対する光Lの照射
面積を一定にするために、約直径50mmの絞り11が
穿設されており、試料受け15は、この絞り11と連通
する円形孔を有している。なお、この試料受け15の円
形孔で絞り11を兼ねるようにすることもできることは
勿論である。
【0039】試料受け15は、林檎100を載せるため
のものであり、林檎100を傷付けないように厚み3c
m程度の柔軟なゴム,スポンジなどで形成されている。
さらに、この試料受け15は黒色を呈しており、林檎1
00の下部に密着して漏光を防止するようになってい
る。このような試料受け15の円形孔内下部には、ラン
プ制御部17を駆動させるための位置センサ(リミット
スイッチ)16が取り付けられており、林檎100が試
料受け15に載置され可動接点が図の破線位置から実線
位置に移動したときに、ON状態となる。
【0040】位置センサ(リミットスイッチ)16がO
N状態になると、ランプ制御装置17が光源部1のフラ
ッシュランプ12を発光させる。ここで、フラッシュラ
ンプ12のパルス光の発光時間tは、図8(A)および
(B)に示すように10-5秒以下の微小時間である。こ
れに対して周囲光ノイズは殆ど静的で、蛍光灯火や水銀
灯火などの放電ランプにしても商用周波数50Hzある
いは60Hzで点灯されるので、その瞬きの時間Tは、
図8(A)および(B)に示すように10-2秒でフラッ
シュランプ12の発光時間に比べればきわめて緩やかな
変化である。すなわち、両者間の発光時間には3桁もの
違いがあるので、光電流増幅器3にパルス時間が10-4
秒程度以下の光電流を通過させる周波数フィルタを設け
れば、周囲光ノイズによる光電流は光電流増幅器3を通
過できなくなるので、周囲光ノイズによる測定誤差は基
本的になくなる。
【0041】また、フラッシュランプ12の発光スペク
トルは、図9に示すように、可視光領域を含み400n
mの紫外線から800nmの近赤外線までの領域ではい
くつかの線スペクトルを含むほぼ一様な連続の波長分布
なので疑似太陽光として用いられることが多いが、近赤
外線の800nmから1100nmまでの領域には可視
光領域よりも遥かに強力な多数の線スペクトルを含む発
光分布をもっている。しかし、このスペクトルは、本発
明を実施する上では連続したスペクトルである必要はな
く、十分な発光量と必要な範囲の波長を含んでいれば、
連続波長であれ単波長であれスペクトルの形は問わな
い。
【0042】なお、集光光学系14は、フラッシュラン
プ12の下方に配設された反射鏡14aおよびフラッシ
ュランプ12の上方に配設された集光レンズ14bから
なり、フラッシュランプ12において発光したパルス光
Lを収束して筐体10外に効率よく取り出すように構成
されている。
【0043】なお、位置センサ16から出力される信号
1 は、フラッシュランプ12を点灯するための信号の
みならず、遅延回路9を介して光センサで検出したパル
ス電流を増幅した後の信号のレベルと基準レベルとを比
較判別するための同期信号としても使用される。
【0044】一方、受光部2は、光源部1の光軸OP上
に設けられており、下面部において内外に開口する暗箱
2aと、この暗箱2a内に収納された光センサ20およ
び短波長遮断フィルタ21とを備えている。
【0045】光センサ20は、受光面積が1cm2 のシ
リコンフォトダイオードであり、透過パルス光L1 を検
出して電流の検出パルス信号S1 を増幅器3に出力する
機能を有している。この光センサ20の感度特性は、可
視光全域から近赤外線の1100nmにかけて高感度で
あり、赤色光の800nmにおいて緩やかなピ−クを有
するようになる。
【0046】すなわち、光センサ20は、フラッシュラ
ンプ12との組み合わせで林檎100の透過パルス光L
1 を測定するに最適な感度特性を有するシリコンフォト
ダイオードが用いられている。
【0047】短波長遮断フィルタ21は、遮断波長が6
50nmであるロングパスフィルタR65光フィルタか
らなり、暗箱2a内に収納され、かつ光センサ20のフ
ラッシュランプ側に配設されている。短波長遮断フィル
タ21として、ロングパスフィルタR65を用いたの
は、図9に示すようにフラッシュランプ12の発光波長
分布中に広範囲の可視光を含んでおり、かつ黄色や橙色
の650nm以下の波長も強いので、林檎100の果皮
の色によってパルス光Lの透過率が大きく変化する波長
域を取り除くためである。
【0048】なお、短波長遮断フィルタ21は光源部1
の筐体10内に設けてもよいが、作業環境照明灯等の外
来光の漏洩による精度低下を低減するためには、本実施
の形態のように受光部2の暗箱2a内に設けることが好
ましい。このような光センサー20や光フィルタ21が
装着された受光部2の下端周縁には、試料受け15と同
じようにゴムあるいはスポンジで形成された遮光器22
が取り付けられている。そして、この遮光器22の下端
周縁部には、受光面積を一定にすとともに、林檎100
の多様な形状に柔軟に面接触して外来光を遮断するため
の絞り23が形成されている。
【0049】このような構成の受光部2は、図1に示す
ように、基部を軸26によって支持台25に回動可能に
取り付けられたハンドル24に吊設されている。また、
受光部2は、引張りスプリング27によって常時上方へ
付勢されている。したがって、受光部2が引張りスプリ
ング27によって上方へ持ち上げられているときに、林
檎100を試料受け15に載せ、その後ハンドル24を
押し下げることによって、林檎100を検査可能な状態
にセットする。この場合、受光部2が林檎100の押え
部材を兼用している。また、ハンドル24の基部に設け
られた軸26には回転式の可変抵抗器30が、図示しな
い歯車を介して連結してある。この可変抵抗器30が、
林檎100のサイズ(玉寸)測定器として機能する。
【0050】増幅部3は、電流電圧変換増幅器3aおよ
び電圧増幅器3bを有しており、林檎100の蜜入り等
級を比較判別し得る大きさまでに光センサ20において
検出された検出パルス信号S1を増幅し、積分回路8を
介して判別部4に出力し得るように構成されている。ま
た、この増幅部3の増幅度は所定の大きさに調整し得る
ように構成されている。
【0051】例えば、発光強度「1J(ジュール)」の
フラッシュランプ12および蜜入り等級「3」の林檎1
00を用いると、光センサ20による検出パルス信号S
1のパルス電流値が30μAである場合に電流電圧変換
増幅器3aで0.3Vとし、さらに電圧増幅器3bで1
0倍の3Vまで増幅される。
【0052】また、蜜入りの検査に比べ、内部褐変の検
査は2〜3桁少ない光量を測定する必要があるので、増
幅器としては蜜入り検出用の増幅器に比べて増幅度が大
きい褐変検出用の増幅器を用意する必要がある。しか
し、蜜入りの検査は収穫直後に行い、褐変の検査は長期
保存品の出荷時に行うので、検査時期が異なる。したが
って、両検査が同時に行なわれないことから、蜜入り検
査用と褐変検査用との二台の増幅器を必要とせず、本実
施の形態では、一台の増幅器の回路定数をスイッチで切
り換えて、上記二種類の増幅変換率を得るようにしてい
る。
【0053】増幅部3には、両増幅器3a,3b間に介
在する低周波数遮断フィルタ(ハイパスフィルタ)3c
が含まれている。低周波数遮断フィルタ3cは、急峻な
パルス電流が通過し、緩慢な変化の周囲光ノイズによる
ノイズを遮断し得るように構成されている。この低周波
数遮断フィルタ3cの遮断周波数fc は、通過させたい
パルス時間幅tw とし、周囲光ノイズの揺らぎの周期が
W とするとき、 tw 《τ《TW ・・・(1) τ=1/2πfc ・・・(2) を選ぶと、検出パルス信号L1 のパルス電流の波形を崩
すことなく不要なノイズを除去することができる。
【0054】本実施形態の低周波数遮断フィルタ3cに
は、検出パルス信号L1 のパルス電流の時間幅と、周囲
光ノイズの揺らぎの周期とは3桁もの違いがあるため、
特に急峻な遮断特性は必要ないと考え、最も単純なCR
型一段の低周波数遮断フィルタが用いられている。この
場合、静電容量Cおよび抵抗Rを各々50nFと10k
Ωとし、CR型一段の時定数をτすると、 τ=CR ・・・(3) の関係式より低周波数遮断フィルタ3cの時定数τは5
×10-4秒となる。これにより、外来自然光によるベ−
スラインの上昇は勿論、蛍光灯等の瞬きによる信号の脈
動も認められず、かつパルス電流の波形の崩れもないこ
とが判明している。
【0055】積分回路8と判別部4の間には上記した可
変抵抗器30が接続されている。ここで、可変抵抗器3
0は、電気的には積分回路8からの出力を分圧して判別
部4に入力するように接続されている。また、図示しな
い歯車は、林檎100mmの大玉のときに可変抵抗器3
0の抵抗値が最大、直径が75mmの小玉のときに最大
値の半分となるように歯数を設定してある。可変抵抗器
30は、軸の回転角に対して直線変化型を用い、その出
力側に固定抵抗を並列に入れて各玉寸に対して必要な指
数関数の補正係数を得る分圧比となるようにした。その
回路と補正係数は、図2及び次表に示すとおりである。
【0056】 ────────────────────────────── 玉寸(mm) r12 (r2.R) 分圧比 補正値 ────────────────────────────── 75 5 5 3.33 0.400 1.00 80 6 4 3.75 0.483 1.21 85 7 3 4.12 0.579 1.45 90 8 2 4.44 0.689 1.72 95 9 1 4.74 0.826 2.07 100 10 0 5.00 1.000 2.50 ───────────────────────────────
【0057】図2において、可変抵抗器VRの分圧点よ
り入力側の抵抗値をr1 ,分圧点以下の抵抗値をr2
したとき、r2 と並列に接続された固定抵抗Rとの合成
抵抗値(r2・R)は、(r2・R)=1/(1/R+1/
2)となり、入力に対する出力の分圧比(Vout /V
IN)は、(Vout /VIN)=(r2・R)/(r2・R)+
2)となる。各抵抗値を表の如く与え、玉寸が75m
mのときの分圧を1と正規化したときの、各玉寸の分圧
比を補正計数としたところ、先に求めた模擬試験の値と
誤差範囲で一致した。
【0058】判別部4は、各々が互いに並列に接続され
た、例えば四つの比較器(図示せず)を備えており、こ
れら比較器が予め設定された設定部31の判別レベルV
0 ,V1 ,V2 ,V3 (V0 <V1 <V2 <V3 )に基
づいて作動し、例えば、林檎100の等級(蜜入り無
し,蜜入り小,蜜入り中,蜜入り大)に応じて区分けさ
れる。ここで、区分けは、発音器等を含む機構で行なわ
れる。なお、等級の区分けのほか、ある一定のレベル値
より大きい測定レベル値に対しては「良」とし、小さい
レベル値に対しては「不良」とする判別を行なうように
することもできる。さらに、積分回路8と電圧増幅器3
bとの間に、フラッシュランプ12の経年変化や各部品
の性能差によって装置毎に発生する感度差を補正するた
めに可変抵抗器からなる感度調節器を設けておくことも
できる。
【0059】また、周囲光ノイズによるノイズを除去す
るために、低周波数遮断フィルタ3cとして微分型のフ
ィルタを用いて行う例を示したが、これに限らず、ソフ
トウエア的な処理を施すことによっても行うことができ
る。例えば、パルス電流とその近傍を連続的に数値化し
て一時記憶し、パルス電流の立ち上がり直前の値とパル
ス電流のピーク値の差を測定することにより、パルス電
流のみの高さを求めることができる。
【0060】また、光源にはフラッシュランプを用いた
が、これに限らず、被検査物としての林檎100に適合
した波長のパルス光を発生するものであれば、他の種類
の光源でも十分に実用可能である。例えばパルス電流に
よって駆動する半導体レーザや発光ダイオードでもよ
い。半導体レーザおよび発光ダイオードをパルス電流で
駆動する場合には、連続通電する場合と比べて数十倍も
の電流を許容することができ、かつ多数個の発光ダイオ
ードを並設することによりフラッシュランプと同程度の
光量を得ることができる。特に、材料構成がGaAs,
GaAlAs,InGaAs等の発光ダイオ−ドおよび
レーザダイオードは発光波長が670nm〜1060n
mにあり、林檎の内部品質判別には好適である。
【0061】次に、この実施形態の内部品質検査装置を
用いた分級作業例(内部品質検査方法)について説明す
る。まず、収穫直後の蜜入り林檎100の分級作業につ
いて述べる。図1に示すように、果頂部を下に向けて林
檎100を試料受け15の上に置き、次いで、ハンドル
24を引張りスプリング27に抗して押し下げ林檎10
0の上部を受光部2で押さえ、光センサ20に林檎10
0の果柄部側を対向させる。すると、林檎100が位置
センサ16によって検出される。
【0062】これにより、ランプ制御装置17が作動
し、フラッシュランプ12に一定のパルス電流が供給さ
れ、フラッシュランプ12が発光する。この結果、パル
ス光Lが開口部11に集光して、林檎100の果頂部側
に入射する。このように、パルス光Lの入射側を林檎1
00の果頂部としたのは、果柄部や横方向から入射する
と、蜜入り部分の偏りが大きい林檎100では、パルス
光Lの透過率が林檎100の周方向によっては二倍もの
差が出てしまい、測定上、好ましくないからである。上
記動作と並行して、位置センサ16による出力信号が遅
延回路9によってパルス電流(検出パルス信号)の時間
幅だけ遅延して積分回路8に入力される。
【0063】さて、林檎100の果頂部に入射したパル
ス光Lは、林檎100内の蜜入り部分を通って、果柄部
側から透過パルス光L1 として出てくる。そして、この
透過パルス光Lは短波長遮断フィルタ21によって濾波
され、林檎100の果皮の色に影響されない波長650
〜1100nmの透過パルス光L1 のみが光センサー2
0に至る。
【0064】光センサー20で検出された透過パルス光
L1 の強さを示す検出パルス信号S1 の電流値は非常に
小さくなるが、この検出パルス信号S1は、増幅部3の
電流電圧変換増幅器3aで増幅変換され、電圧増幅器3
bでさらに所定の大きさの電圧に増幅される。上記した
ように、例えば、三等級の蜜入りの林檎100では、光
センサ20からの検出パルス信号S1はたった30μA
の電流値でしかないが、電流電圧変換増幅器3aで0.
3Vに増幅され、しかる後電圧増幅器3bで3Vに増幅
される。
【0065】一方、このときすでに、林檎100の玉寸
(サイズ)の測定は、ハンドル24を押し下げたときの
軸26の回転にともなう可変抵抗器30の作動によって
完了して(補正係数が決定されて)いる。この結果、パ
ルス光の測定値を段落番号[0056]に示す玉寸補正
係数にもとづいて補正し、その補正した値を判別部4に
設定されている判別レベル値と比較して蜜入りの程度を
判別する。
【0066】この実施形態の内部品質検査方法と装置に
よれば、林檎の玉寸によって測定値を補正するようにし
ているので、誤差の少ない測定判別が可能となる。すな
わち、林檎の品質を外観色や形だけで判断するのを是正
し、色着きが悪くとも完熟品である林檎を正常良品とし
て救済するだけでなく、林檎100の玉寸補正を行なう
ことでさらに高精度の測定判別を可能とした。
【0067】また、測定の高精度化によって従来装置で
は判別が難しかった「芯かび」という障害品も除去でき
るようになった。「芯かび」は、種の周りの「室」と称
する空洞内に発生したかびで室内壁が焦げ茶色に変色し
たもので、林檎の果柄の付け根に傷があり雨水とともに
かびの胞子が入り込んで起こるものであり、この芯かび
のある林檎は完熟蜜入り品とはいえ不良品である。
【0068】上記の実施形態では、本発明を林檎の蜜入
り判別で説明したが、長期保存林檎に稀に発生する内部
褐変も、より高精度で判別できるのは勿論である。ま
た、熟度の進行と果肉の比重の関係が林檎のそれと極め
て類似し、かつ形状も林檎以上にほとんど球体に近いメ
ロンの熟度判別にも適用できる。そのほかに、大根の赤
芯及び黒芯など、多くの青果物の熟度や鮮度あるいは変
敗などの内部品質の変化に応じて光透過率が変化する青
果物の検査にも適用できる。ただし、形状が林檎とは異
なる大根など棒状の青果物の場合の補正係数は、そのま
ま林檎の例を適用するには無理があり、また青果物によ
って減衰係数も異なるので各青果物の種類ごとに補正係
数を決める必要がある。
【0069】補正係数を与える場所は、本実施例では最
終段階の表示及び比較判断へ入力としたが、これに限る
ことなく光センサから増幅、パルス抽出、積分、表示及
び比較判別に至る途中のいずれの段階で行なっても差し
支えない。
【0070】本発明は、本質的に周囲光の影響を受け難
いことを説明したが、どの程度の明るさまで影響を受け
ないかの試験をした。その結果、蜜入りが中程度の林檎
を用い、3000ルクスの作業用照明では勿論、正午の
ころの太陽光の直射でも表示値に変化は認められなかっ
た。
【0071】図3は、本発明の他の実施形態を示すもの
である。この実施形態のものは、図1に示す実施形態の
ものと、受光部(押え部材)の上下動手段が異なってい
る。すなわち、図3に示す実施形態のものは、モータあ
るいはシリンダ等のアクチュエータ28を用いて受光部
2の上下動を行なわせ、このときの受光部2の移動量を
可変抵抗器30における抵抗値の変化として測定してい
る。このときも、補正係数は段落番号[0056]に示
す表のように設定しておけばよい。なお、アクチュエー
タ28は、下降したときに林檎100をつぶさない程度
の力に調整してあることは勿論である。このようにする
と、アクチュエータ28の図示しない作動スイッチを操
作することによって、半自動的に林檎100の玉寸を測
定することが可能となる。
【0072】上記説明では、押え部(受光部)の移動量
を可変抵抗器における抵抗値の変化に置き換えている
が、本発明は、これに限られるものではなく、押え部の
移動量によって判別部4に入力される検出レベルを補正
できるものであれば、どのような手段であってもよい。
例えば、押え部の移動に連動して、光路中に遮光板ある
いは濃度分布フィルタが出没するようにして、光センサ
に到達する光量を林檎の玉寸に応じて補正(変化)させ
るようにしたものであってもよい。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、青
果物を透過したパルス光のレベルを測定することによ
り、青果物の果皮の色に影響されることなく、青果物の
等級,内部褐変,鮮度等を非破壊で容易に判別し、分級
作業の正確化,効率化を図ることができるとともに、こ
れに加え、青果物の大きさに応じて、検出したパルス光
のレベルを補正しているので、青果物の大きさによる測
定誤差をなくすことができ、より正確な内部品質の検査
が可能となった。また、蜜入りでありながら、果芯部の
種子の周りの空洞内にかびが発生した芯かびの判別、及
び褐変をも判別するために、より高精度の判別を実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る青果物の内部品質検
査装置を示すブロック図である。
【図2】可変抵抗器の概念的構成図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る青果物の内部品質
検査装置を示すブロック図である。
【図4】林檎の縦断面図である。
【図5】林檎の横断面図である。
【図6】林檎の果肉比重と光透過率との関係を示す線図
である。
【図7】林檎の果皮の色と光透過率との関係を示す線図
である。
【図8】(A)および(B)は低周波数遮断フィルタに
よって周囲光ノイズ電流を除去したパルス電流を説明す
るために示す図である。
【図9】フラッシュランプの発光スペクトルを示す図で
ある。
【符号の説明】
1 光源部 2 受光部 3 増幅器 4 判別部 8 積分回路 9 遅延回路 12 フラッシュランプ 15 試料受け 16 位置センサ 20 光センサ 30 可変抵抗器 100 林檎 L パルス光 L1 透過パルス光 S1 検出パルス信号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料受けに青果物を載置するとともに押
    え部材を移動させて上記青果物の上部を押え、 この状態で上記青果物にパルス光を投射して、 上記青果物を透過する透過パルス光の強さを検出し、 さらに、上記押え部材の移動量にもとづいて青果物の大
    きさを測定し、 上記青果物を透過した透過パルス光の検出レベルに、測
    定した青果物の大きさに応じた補正係数を与え、 この補正係数を与えることによって得られた結果にもと
    づいて上記青果物の等級,内部褐変の程度,鮮度等を判
    別することを特徴とした青果物の内部品質検査方法。
  2. 【請求項2】 上記透過パルスの強さを検出した後であ
    って、上記青果物の等級,内部褐変の程度,鮮度等を判
    別する前に透過パルス光を抽出しかつ周囲光によるノイ
    ズを遮断することを特徴とする請求項1記載の青果物の
    内部品質検査方法。
  3. 【請求項3】 青果物を載置する試料受けと、 この試料受けの上方に移動可能に配置された青果物の押
    え部材と、 検査位置における青果物にパルス光を投射する光源部
    と、 上記青果物を透過するパルス光を検出して検出パルス信
    号を出力する光センサを有する受光部と、 この受光部からの検出パルス信号を所定のレベルまで増
    幅する増幅部と、 上記押え部材の移動量にもとづいて上記青果物の大きさ
    を測定し、測定した青果物の大きさに応じて上記増幅部
    で増幅された検出パルス信号のレベルを補正するサイズ
    測定器とこのサイズ測定器からの補正信号で補正された
    検出パルス信号のレベルと予め設定された判別レベルと
    を比較判別し、この判別結果にもとづいて上記青果物の
    等級,内部褐変の程度,鮮度等に関する信号を出力する
    判別部と、 を備えたことを特徴とする青果物の内部品質検査装置。
  4. 【請求項4】上記試料受けの下部に上記光源部を配置す
    るとともに、上記押え部材を受光部として形成し、か
    つ、上記受光部の光センサを上記光源部の光軸上に設け
    たことを特徴とする請求項3の青果物の内部品質検査装
    置。
  5. 【請求項5】上記押え部材が上下動する構成であって、
    上記サイズ測定器を、上記押え部材の移動量を抵抗値の
    変化として測定する可変抵抗器で構成したことを特徴と
    する請求項3又は4記載の青果物の内部品質検査装置。
  6. 【請求項6】上記サイズ測定器が、上記増幅部からの出
    力電圧を抵抗値に応じて分圧するものである請求項5記
    載の青果物の内部品質検査装置。
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