JPH105325A - 湿潤時に易滑性化表面を持つ医療用具とその製造方法 - Google Patents

湿潤時に易滑性化表面を持つ医療用具とその製造方法

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JPH105325A
JPH105325A JP8158723A JP15872396A JPH105325A JP H105325 A JPH105325 A JP H105325A JP 8158723 A JP8158723 A JP 8158723A JP 15872396 A JP15872396 A JP 15872396A JP H105325 A JPH105325 A JP H105325A
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JP
Japan
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water
medical device
coating film
urethane prepolymer
soluble polymer
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JP8158723A
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Tetsuya Kikuchi
哲也 菊地
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NIPPON SHERWOOD KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カテーテルやガイドワイヤーなどを体腔内等
への挿入を容易にするため表面が易滑性化された医療用
具を提供する。 【解決手段】 医療用具表面に、ブロックイソシアネー
ト基をもつ水溶性ウレタンプレポリマおよび水溶性ポリ
マを主成分とする水性原液を塗布した後、加熱処理する
ことにより親水性水不溶性皮膜を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿潤時に易滑性化
表面を持つ医療用具とその製造方法に関し、特に主とし
て体内に挿入する医療用具であり、体腔中に挿入し易い
ように滑りやすい表面を形成した医療用具、より具体的
には体腔中に挿入し易いカテーテル、ガイドワイヤー、
およびステント等の医療用具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】血管、尿道など体腔中あるいは組織中に
挿入されるカテーテルやガイドワイヤー、ステントなど
の使用にあたっては、これら医療用具による組織の損傷
を最小限にとどめることが望ましい。この目的で体内挿
入時に、これら医療用具の表面にしばしばオイルなどの
潤滑剤が塗布されてきた。しかし、これらは操作性が十
分でないことから、摩擦係数の低い素材を使用したり、
これら素材を被覆するなどの種々の技術的改良が試みら
れている。これらの中では表面に親水性層を設ける手法
が最も優れているため、各種の素材が開発され、提案さ
れているが、実用性のある従来の技術は、大きくは次の
3型に分類できる。
【0003】グラフト重合の例:何らかの方法で、医
療用具の基材表面に発生させたラジカルを利用し、親水
性ポリマをグラフト重合させるものである。 イソシアネートと有機溶媒を使用する例:数多くの公
知例が見られる技術で、これを要約すると、医療用具の
基材表面に予め反応性官能基としてイソシアネート基を
持つ層を付与しこれに活性水素を含む親水性化合物を反
応させることにより医療用具表面に親水性層を形成させ
るものである。基材表面にイソシアネート層を形成させ
る方法としては、メチルエチルケトンなどのような有機
溶剤にイソシアネート化合物を溶解した原液を塗布する
方法が知られている(特公昭59−19582、特公平
1−33181など)。しかし、これらの原液は水分吸
収などにより不安定化し易く原液の寿命が短いと共に、
有機溶剤系の使用による労働衛生および公害防止上の問
題が避けられなかった。また、これらの従来技術では、
基材表面へのイソシアネート層の形成と、それに続く親
水性化合物の反応という2段の塗布工程を必要としてい
た。 イソシアネートを用いないが、有機溶剤の使用は避け
られない例:有機溶剤、バインダーおよび親水性ポリマ
から構成させるコーティング剤を用い、湿潤性を発揮さ
せる方法(特開平7−47120、特開昭47−151
59など)。本発明は、これらと全く異なる新しいカテ
ゴリーに属する技術を提供するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、医療
用具の基材表面を親水性層とする従来技術の問題点を解
決することにあり、具体的には、従来の処理技術の複雑
さを避け、処理プロセスが単純であり、処理工程での有
機溶媒を使用することなく、労働衛生・公害上の問題を
低減でき、イソシアネート含有原液の不安定の問題を解
決し、処理原液が長期間安定であり、さらに得られる表
面層が湿潤時優れた潤滑性及び耐久性を示す実用性の高
い医療用具とその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の医療用具は、表
面層として、活性水素をもつ水溶性ポリマとブロックイ
ソシアネート基をもつ水溶性ウレタンプレポリマとを含
む水溶液から得られた塗布膜を加熱処理して形成した親
水性水不溶性被覆膜層を有することを特徴とする医療用
具である。本発明の医療用具の製造方法は、医療用具に
表面処理剤を付与して湿潤時に易滑性化表面を持つ医療
用具を製造するに際し、表面処理剤として活性水素をも
つ水溶性ポリマとブロックイソシアネート基をもつ水溶
性ウレタンプレポリマとを含む水溶性を用い、医療用具
の表面に該水溶液を塗布して塗布膜を形成し、次いで加
熱処理して水溶性ポリマとウレタンプレポリマとを反応
させ親水性水不溶性被覆膜層を形成せしめることを特徴
とする湿潤時に易滑性化表面を持つ医療用具の製造方法
である。
【0006】以下本発明について詳しく説明する。本発
明の医療用具の特徴はその表面層にあり、湿潤時に易滑
性表面を持つことを要する医療用具、である限りその種
類は特に限定されず、カテーテル、ガイドワイヤー、ス
テント等をその典型例として挙げることができる。本発
明の表面層を付与すべき医療用具の基材も特に限定され
ないが、プラスチック表面をもつもの、特にウレタン系
ポリマ表面をもつもの、たとえばウレタン系ポリマから
なる各種カテーテル類、ウレタン系ポリマを被覆したガ
イドワイヤーなどが特に好ましく用いられる。本発明の
表面層は直接医療用具の基材表面に付与可能だが、バイ
ンダー付与、薬品処理、放電処理などの簡単な易接着化
前処理を施した後に本発明の表面層を付与してもよい。
基材の種類に応じ適宜の前処理を施すことにより、広範
囲な基材をもつ医療用具がより好適に本発明に利用可能
となる。本発明の表面層を形成するための処理液は水系
溶液であること、架橋剤成分と主鎖成分を水系溶液に共
存させること、架橋剤成分としてブロックイソシアネー
ト基をもつ水溶性ウレタンプレポリマを用い主鎖成分と
して活性水素をもつ水溶性ポリマを用いることを特徴と
している。
【0007】本発明の処理液を構成する主要成分の一つ
である水溶性ポリマはイソシアネート基と反応しうる活
性水素をもつ水溶性ポリマであればその種類は特に限定
されず、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサ
イド、ポリビニールアルコール、ヒドロキシエチルセル
ロースなど、水酸基に基づく活性水素をもつ水溶性ポリ
マなどが例示される。これら水溶性ポリマの重合度も特
に限定されないが、通常100以上が好ましい。水溶性
ポリマとして特に好ましいのはポリエチレングリコール
である。本発明の処理液を構成する主要成分の一つであ
るブロックイソシアネート基をもつ水溶性ウレタンプレ
ポリマはよく知られるようにジオールとジイソシアネー
トとから未満にイソシアネート基をもつウレタンプレポ
リマをつくり、遊離のイソシアネート基をブロック剤で
ブロックしたものである。ブロック剤はイソシアネート
基を保護し加熱により脱離してイソシアネート基を再生
するものであり、オキシム、ラクタム、第3級アルコー
ル、フェノール、第2級芳香族アミン、アセチルアセト
ン、重亜硫酸塩などのイソシアネート基と反応してアミ
ド型化合物を形成するものなどが知られている。この技
術は、R.R.Myersra ら編“Treateseon Corting ”Vol.
1.A.Damusis ら“Urethane Coating”p431などに記載
されている。ブロック剤の種類によって解離温度が異な
る。本発明では低い解離温度、通常150℃以下、好ま
しくは100℃以下、特に好ましくは80℃以下の解製
温度をもつブロック剤が好ましく、特に重亜硫酸塩は好
ましいブロック剤である(特公昭52−39720,特
公昭53−29198など)。尚本発明では水溶性ウレ
タンプレポリマと表現したが、水溶性を示す限りその重
合度は特に限定されず2量体以上狭義の重合体(ポリ
マ)も包含するものである。
【0008】水溶性ポリマと水溶性ウレタンプレポリマ
の使用量は意図する架橋密度やそれぞれの重合度等に応
じ適宜決定しうるが、通常水溶性ポリマ100重量部当
たり0.5〜30重量部の水溶性ウレタンプレポリマ
(固形成分)が用いられる。処理液中のこれら主要成分
の濃度も塗布手段やそれぞれの重合度等に応じ適宜決定
しうる。通常固形分濃度換算で3〜40重量%程度が用
いられる。処理液は両主要成分の水溶液どうしを混和す
ることによって容易に調製できる。かくして調製した処
理液は適宜の手段で医療用品基材表面に塗布される。塗
布手段の具体例としては処理液中への浸漬、刷毛による
塗布、スプレーによる吹き付けなどがある。このように
して処理液を塗布した医療用品基材表面を乾燥し加熱処
理する。乾燥はブロックイソシアネートの解離温度より
低温であることが好ましく、通常室温〜50℃程度で風
乾される。加熱処理の最適温度はブロック剤の種類によ
って異なるブロックイソシアネートの解離温度等によっ
て異なるが、通常80〜150℃程度、好ましくは90
〜120℃程度である。加熱処理時間は通常5〜20分
程度である。勿論医療用品の基材の種類や用いる熱処理
炉の工学的要件などに応じて最適条件は異なるが、それ
ぞれの組合せに応じ当業者が簡単な実験により容易に決
めることができる。
【0009】このようにして加熱処理することにより、
水溶性ウレタンプレポリマのブロックイソシアネート基
が遊離のイソシアネート基に変換されて水溶性ポリマの
活性水素と反応して架橋結合を形成し高品質の親水性水
不溶性被覆膜が形成される。加熱処理後若干の未反応物
質等の水溶性成分が残存する可能性があるため温水で抽
出処理することが好ましい。この抽出処理はたとえば5
0〜80℃の温水で10分〜3時間程度行われる。次い
で乾燥することにより湿潤状態で優れた易滑性をもつ表
面が医療用具に付与される。
【0010】
【実施例】次に実施例により本発明を説明する。 (摩擦係数の測定)カテーテルあるいはガイドワイヤー
などの円柱状基材は2本平行にガラス板に張り付け、5
0gの底面を扁平にした分銅を基材上にのせ、生理食塩
水中で、ガラスを徐々に傾斜させて分銅が始動するとき
の傾斜角θを測定した。摩擦係数μはμ=tanθとし
て求めた。用具が小径で柔軟な基材のカテーテルにあっ
ては、カテーテルの中空に適合する芯線を挿入すること
により測定中の変形を避け、ガイドワイヤーではそのま
ま測定した。なお、同様な手段で測定した代表的な市販
ガイドワイヤー〔A〕に対する測定値は0.03〜0.
04であり、市販ガイドワイヤー〔B〕のそれは0.1
2〜0.15であった。
【0011】(耐久性試験)次の(1)機械的摩擦抵抗
試験および(2)乾湿繰り返し試験を行った。 (1)機械的摩擦抵抗試験は静摩擦係数測定時と同様に
試料をセットし、50g分銅により湿潤下、1,000
回擦過した前後の静摩擦係数を測定比較した。 (2)乾湿繰り返し試験は、水中での湿潤と5℃での乾
燥を繰り返し、サイクルと静摩擦係数の変化を測定する
もので、被覆湿潤膜の構造も合わせ反映する特徴を持
つ。
【0012】実施例1 水溶性ポリマとしてポリエチレングリコール(分子量3
5,000(PEG35000))を選択した。PEG
35000(メルク社製)は15wt%水溶液として用
いた。また、重亜硫酸塩をブロック剤としたブロックイ
ソシアネート基をもつ水溶性ウレタンプレポリマ(UP
P)として第一工業製薬製「エラストロン」H−38を
用いた。水溶性ポリマ90部と「エラストロン」(有効
成分20%、NCO含有率5%)6.7部を混和し、さ
らに、熱解離触媒として10wt%酢酸亜鉛水溶液0.
7部を混合し、塗れ性改善のためパーフルオロアルキル
カルボン酸カリウム塩溶液(大日本インキ社製)3部を
添加して塗布用原液とした。この原液のNCO/ON比
は2.0である。塗布原液をポリウレタン(「テコフレ
ックス」)製のカテーテル用チューブ(外径:1.9m
m、内径:1.3mm)にディッピング法により塗布し
た。該処理原液を塗布したカテーテルを室温で24時間
風乾し、循環型熱処理機で表1第2列(所定温度)およ
び第3列(所定時間)に示した条件で熱処理を施した。
熱処理後のカテーテル用チューブを70℃に保った温水
中に1時間浸漬し、さらに冷水で洗浄した後乾燥した。
これらの工程を経たカテーテル用チューブの湿潤状態
(生理食塩水中)での静摩擦係数を測定した。熱処理温
度と静摩擦係数の関係を表1、実験番号1〜12に示し
た。被覆膜形成に必要な熱処理温度範囲は広く、基材の
劣化の無い限り約120℃で約数分から、100℃で2
0〜30分以上まで、さらに、90℃では約30分程度
の間で設定することが出来る。
【0013】
【表1】
【0014】実施例2 本実施例では、ポリエチレングリコール(35000)
(分子量35,000)原液の濃度およびUPP/PE
Gで示したウレタンプレポリマ(UPP)の添加量の影
響を調べた。熱処理は110℃、15分間とし、これ以
外の条件は、実施例1に記載に従った。さて、ここでは
表面の静摩擦係数の測定と共に、表面被覆膜の基材との
密着性を観測した。表2.の最終列には膜の基材への密
着性を示した。○印は密着性が十分であるが、×印はそ
れが不十分であることを意味している。さて、静摩擦係
数に及ぼすPEG溶液濃度、また原液中のウレタンプレ
ポリマ量とPEG量の比(UPP/PEG)の影響は少
ないが、原液中のウレタンプレポリマ量が過剰になると
基材表面に形成された被覆膜層と基材との密着性は不十
分となり、耐久性が劣る傾向となる。
【0015】
【表2】
【0016】実施例3 本実施例では、水溶性ポリマの分子量および使用する水
溶液濃度の影響として前実施例1および実施例2で使用
したPEG(35000)以外に、分子量6,000、
分子量20,000のポリエチレングリコールに加え、
ポリエチレンオキサイド(分子量135,000および
分子量400,000)を対比した。熱処理条件は、1
10℃で15分間とし、それ以外の条件は実施例1に準
じた。原液粘度を50〜100cps程度の範囲に濃度
調製したが、分子量400,000のポリエチレンオキ
サイドで濃度3%原液で200cps、原液濃度4%で
約1,000cpsとなり、これら原液から形成された
塗膜はやや不均一であった。なお、分子量6,000の
低分子量物からのものは、静摩擦係数は満足できるもの
の感触的にはぬめり感の少ないものであった。
【0017】
【表3】
【0018】実施例4 水溶性ポリマとしてのポリビニルアルコール(クラレ
製)およびハイドロキシエチルセルロース(住友精化
製)を選定した。原液粘度を50〜1,000cpsと
するように原液濃度を調節した。ポリビニルアルコール
(分子量55,000)の濃度を4,7および10%と
した。熱処理は110℃で15分間とし、それ以外は実
施例1と同様な条件で被覆処理し、その静摩擦係数を測
定した。静摩擦係数はそれぞれ0.09,0.09およ
び0.08であった。また、ヒドロキシエチルセルロー
スは原液粘度を2%、および4%とし、同様に処理した
ものの静摩擦係数は0.06および0.07であり、い
ずれも特に実施例1の例に比べ高値であるが実用的範囲
にある。
【0019】実施例5 ブロックイソシアネート基をもつ水溶性ウレタンプレポ
リマとして、以上の実施例で用いた「エラストロン」
(ポリエーテル系)H−38に代わり、第一工業製薬製
「エラストロン」H−3(ポリエステル系)、E−37
(ポリエステル系)、W−11P(ポリエーテル系)、
F−29(ポリエーテル系)およびC−9ポリエーテル
系)を使用した以外は実施例1における実験番号8と同
様な条件で実施した。静摩擦係数の測定結果は、H−3
が0.03、E−37が0.09、W−11Pが0.0
8、F−29が0.43、そしてC−9が0.41であ
った。H−38以外にもH−3、E−37およびW−1
1などが実用範囲内にあるウレタンプレポリマといえ
る。
【0020】実施例6 実施例1〜5で対象とした基材はカテーテルであった。
本実施例は、ガイドワイヤーに本発明の技術を適用した
結果を示す。実施例1に記載の方法、すなわち、水溶性
ポリマとしてポリエチレングリコール(分子量35,0
00(PEG35000))を選択した。PEG(35
000)(メルク社製)は15wt%水溶液として用い
た。また、重亜硫酸塩をブロック剤としたブロック化イ
ソシアネートを含む水溶性ウレタンプレポリマ(UP
P)として第一工業製薬製「エラストロン」H−38を
用いた。水溶性ポリマ90部と「エラストロン」(固形
成分20%、NCO含有率5%)6.7部を混和し、さ
らに、熱解離触媒として10wt%酢酸亜鉛水溶液0.
7部を混合し、塗れ性改善のためパーフルオロアルキル
カルボン酸カリウム塩溶液(大日本インキ社製)3部を
添加して塗布用原液とした。ポリウレタン(ペレセン)
を被覆したガイドワイヤー(外径0.9mm)にディッ
ピング法により被覆処理を行った。熱処理条件は110
0℃で15分間および120℃で15分間の条件を選定
した。これらの静摩擦係数は両者とも0.03であり、
ペレセン素材のガイドワイヤーでもテコフレックス素材
のカテーテルと同等の処理効果を受けることが確認され
た。
【0021】実施例7 実施例7では耐久性試験結果を示した。 (1)機械的摩擦抵抗試験:50g分銅による1,00
0回擦過試験を実施例1の実験番号6および9の試料を
用いて実施した。試験前後の静摩擦係数間に有意差が認
められなかった。なお、市販ガイドワイヤー〔A〕およ
び〔B〕とも試験前後の変化は認められなかった。 (2)乾湿繰り返し試験:本試験には実施例1の実験番
号6および10の試料を用いた。乾湿繰り返しを10サ
イクル実施したが、試験前後の静摩擦係数間には有意の
差が認められなかった。市販ガイドワイヤー〔A〕では
10サイクル後も値の変化はなかったが、市販ガイドワ
イヤー〔B〕では3サイクル後の静摩擦係数は急激な上
昇を示し5サイクル後には0.5以上に達した。
【0022】実施例8 本発明の技術による易滑性化ポリウレタンのin vi
tro血液適合性評価を行った。試料はテコフレックス
の面積25mm2 (5mm×5mm)、厚さ1mmのプ
レートを用い、実施例1実験番号8の条件で処理後、温
水洗浄した。一方、対照試料として、未処理プレートを
準備した。評価は、シャーレの底に置いたプレートに犬
のPRPを注加し、37℃、2時間インキュベーション
した。プレート上に付着した血小板をグルタールアルデ
ヒドで固定化した。対照試料も同様に処理し、両者の血
小板付着状態を走査型電子顕微鏡で比較観察した。この
結果、本発明の技術による被覆処理物は、明らかに血小
板の付着量も少なく、その凝集状態も軽度であった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、処理工程で有機溶剤を
用いることがなく、公害および労働衛生上の問題を引き
起こすことの少なく、かつ、シンプルな技術により医療
用具の表面を易滑性化することができ、得られた医療用
具は湿潤時の潤滑性およびその耐久性が優れ、体腔など
への挿入が容易である。さらに、この医療用具を構成す
る易滑性化表面は、優れた血液適合性を示すことがin
vitro試験によって確認されており、本発明によ
り、総合的に実用性に富んだ極めて有用な医療用具を提
供することが可能となった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面層が、活性水素をもつ水溶性ポリマ
    とブロックイソシアネート基をもつ水溶性ウレタンプレ
    ポリマとを含む水溶液から得られた塗布膜を加熱処理し
    て形成した親水性水不溶性被覆膜層であることを特徴と
    する医療用具。
  2. 【請求項2】 医療用具が体内に挿入して使用される医
    療用具である請求項1記載の医療用具。
  3. 【請求項3】 医療用具に表面処理剤を付与して湿潤時
    に易滑性化表面を持つ医療用具を製造するに際し、表面
    処理剤として活性水素をもつ水溶性ポリマとブロックイ
    ソシアネート基をもつ水溶性ウレタンプレポリマとを含
    む水溶性を用い、医療用具の表面に該水溶液を塗布して
    塗布膜を形成し、次いで加熱処理して水溶性ポリマとウ
    レタンプレポリマとを反応させ親水性水不溶性被覆膜層
    を形成せしめることを特徴とする湿潤時に易滑性化表面
    を持つ医療用具の製造方法。
JP8158723A 1996-06-20 1996-06-20 湿潤時に易滑性化表面を持つ医療用具とその製造方法 Pending JPH105325A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008515495A (ja) * 2004-10-07 2008-05-15 コロプラスト アクティーゼルスカブ 濡れた親水性塗膜を有する医療機器

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JP2008515495A (ja) * 2004-10-07 2008-05-15 コロプラスト アクティーゼルスカブ 濡れた親水性塗膜を有する医療機器

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