JPH1051998A - スピンドルモータ及びその関連技術 - Google Patents

スピンドルモータ及びその関連技術

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JPH1051998A
JPH1051998A JP8223131A JP22313196A JPH1051998A JP H1051998 A JPH1051998 A JP H1051998A JP 8223131 A JP8223131 A JP 8223131A JP 22313196 A JP22313196 A JP 22313196A JP H1051998 A JPH1051998 A JP H1051998A
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JP
Japan
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magnetostrictive
bearing
temperature
spindle motor
magnetic field
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JP8223131A
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Inventor
Hirokazu Fukuoka
裕和 福岡
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Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膨張率による軸受材料の限定、必要以上の加
工精度の要求、高温域における軸受隙間の狭小化、及び
信頼性の低下を回避しつつ、温度の高低によらず動圧流
体軸受の剛性をほぼ一定レベルに保持することができ
る。 【解決手段】 固定軸体12の貫通孔内に、軸心方向に
磁化された永久磁石体21と、磁路部材22と、円柱状
の磁歪部材23を嵌合し、上端部に閉塞ねじ24を螺合
固定する。磁歪部材23の全外周面を固定軸体12の内
周面に強固に接着する。常温以下では、永久磁石体21
による磁束が磁路部材22を良く通る。磁歪部材23は
軸心方向に強く磁化され、磁歪により軸心方向に伸長し
て外径が縮小し、軸部12aも外径が縮小して軸受隙間
は拡大する。高温域では磁路部材22は常磁性化し、磁
歪部材23はほとんど磁化されないので、磁歪部材23
及び軸部12aの外径は拡大し、軸受隙間は縮小する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度の高低による
剛性と軸損の変動が少ない動圧流体軸受を用いた、ハー
ドディスク又はその他の記録媒体の駆動等に使用される
スピンドルモータ、動圧流体軸受、及び動圧流体軸受の
剛性制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ハード
ディスク駆動等に使用されるスピンドルモータにおいて
動圧流体軸受が用いられている場合、その動圧流体軸受
において潤滑剤として用いられる潤滑油の粘度は、一般
に温度の上昇に伴って低下する。従って、通常の動圧流
体軸受の発生動圧は、温度の上昇に伴い低下する。
【0003】そのため、使用温度範囲の上限において軸
受剛性を確保すべく軸受仕様を設定すれば、常温での軸
受剛性及び軸損が過大となり、常温での軸受剛性及び軸
損を適正にすべく設定すれば、使用温度上限近くでは剛
性不足となってしまう。何れにせよ、モータ特性の温度
依存性が比較的大きい。
【0004】これを解決する手段として、軸部材の膨張
率をスリーブ部材のそれより大きくして軸受隙間が温度
上昇に伴い縮小するよう構成し、軸受剛性の温度依存性
を補償することも考えられる。
【0005】しかしながらこの場合、軸受を構成する材
料が膨張率によって狭く限定されると共に、軸部材の円
筒状外周面及びスリーブ部材の円筒状内周面にそれぞれ
軸受として必要な程度を超える高い加工精度が要求さ
れ、製造が困難になるという問題が生じる。而も、高温
時には、軸受隙間が予想を超えて極端に小さくなり、軸
部材に対してスリーブ部材がロックされる危険性があ
り、信頼性に問題がある。
【0006】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、膨張率による軸受材料の限定、必要以上の加工
精度の要求、高温域における軸受隙間の狭小化、及び信
頼性の低下を回避しつつ、温度の高低によらず動圧流体
軸受の剛性をほぼ一定レベルに保持することができるス
ピンドルモータ、動圧流体軸受、及び動圧流体軸受の剛
性制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のスピンドルモータは、動圧流体軸受を介して固定部
に対し回転部を回転自在に支持してなるスピンドルモー
タであって、動圧流体軸受の固定部および/または回転
部の少なくとも一部が磁歪部であり、その磁歪部が変形
することにより固定部および/または回転部が変形して
軸受隙間の大きさが変化するよう構成されると共に、そ
の磁歪部を所定の向きに磁化して変形させるための磁界
を形成する磁化手段と、動圧流体軸受における潤滑剤の
温度の上昇及び下降に応じそれぞれ軸受隙間を縮小及び
拡大させるために、前記磁化手段により磁歪部に形成さ
れる磁界を調節する磁界調節手段とを有することを特徴
とする。
【0008】磁歪部というのは、磁歪(磁気ひずみ)が
生ずる部分、すなわち磁化によってひずみが生ずる部分
を意味し、磁歪材、室温磁歪材により構成することがで
き、磁化により生ずるひずみがなるべく大きいものによ
り構成することが好ましい。より好ましくは、磁気異方
性補償型合金ターフェノル−D(Terfenol−
D)TbxDy1-xFey等の超磁歪材と称される材料で
ある。
【0009】磁化手段というのは、永久磁石、或は電磁
石等の電磁手段などの磁石手段、及び、必要に応じ、磁
束を導くための強磁性材料製の磁路からなり、磁歪部を
所定の向きに磁化してその磁歪部に所要の変形を起こさ
せ得るものを意味する。
【0010】また磁界調節手段というのは、磁化手段に
より磁歪部に形成される磁界の強さを、動圧流体軸受に
おける潤滑剤の温度変化に応じて調節するもの、すなわ
ち変化させるものであり、磁化手段の一部を構成する場
合もある。磁界の調節は、例えば、磁界の向きを一定と
して、磁界の強さを、実質的に0とみなせる強さと所要
強さの間で変化させるものとすることができる。
【0011】動圧流体軸受の固定部および/または回転
部の少なくとも一部が磁歪部であり、その磁歪部を磁化
手段により所定の向きに磁化して変形させることによ
り、固定部および/または回転部が変形して軸受隙間の
大きさが変化する。磁界調節手段は、潤滑剤の温度の上
昇及び下降に応じそれぞれ軸受隙間が縮小及び拡大する
ように、潤滑油等の潤滑剤の温度変化に応じ、磁化手段
により磁歪部に形成される磁界を調節して磁歪部の磁化
の強さを変化させる。磁化による磁歪部の変形は、磁化
手段及び磁界調節手段等により予め定まる一定範囲内で
あるため、予想外の変形により軸受隙間が小さくなりす
ぎることは防がれる。
【0012】動圧流体軸受における潤滑剤の粘度は、そ
の温度が上昇すると低下し、下降すると上昇するが、磁
化手段及び磁界調節手段により、潤滑剤の温度の上昇及
び下降に応じそれぞれ軸受隙間が縮小及び拡大するの
で、常温等の低温域における軸損の増大を回避しつつ、
温度上昇による軸受剛性の低下を防ぐことができ、温度
変化に伴うモータ特性の変動を可及的に低減させること
ができる。
【0013】次に、本発明のスピンドルモータにおける
上記磁界調節手段は、磁界調節手段は、磁化手段により
磁歪部を磁化する磁界を形成するための磁気回路を変更
することにより磁界を調節するものとすることができ
る。
【0014】磁気回路を変更するというのは、磁路を変
えることを意味する。磁気回路の変更により、磁界を変
化させて磁歪部の磁化を変えることができる。
【0015】このような磁界調節手段は、磁化手段と磁
歪部の間の磁気回路の少なくとも一部を、強磁性材料製
の磁路部材により構成してなるものとし、前記磁路部材
は、潤滑剤の温度の上昇及び下降に対応する温度の上昇
及び下降に応じ磁化の強さがそれぞれ減少及び増大する
ものとすることができる。
【0016】動圧流体軸受の潤滑剤の温度が上昇し、そ
れに対応して磁路部材の温度が上昇すると、その磁路部
材の磁化の強さが減少するので、磁化手段による磁束は
磁路部材を通りにくくなり、或は通らなくなって、磁歪
部の磁化が低下し、或は磁歪部が磁化されない状態とな
る。そのため、磁気ひずみによる磁歪部の変形が小さく
なり、或はなくなり、軸受隙間は縮小する。
【0017】一方、潤滑剤の温度が下降し、それに対応
して磁路部材の温度が下降すると、その磁路部材の磁化
の強さが増大するので、磁化手段による磁束は磁路部材
を通り易くなり、或は通るようになって、磁歪部の磁化
が増大し、或は磁歪部が磁化された状態となる。そのた
め、磁気ひずみによる磁歪部の変形が大きくなり、或は
磁気ひずみにより磁歪部が変形して、軸受隙間は拡大す
る。
【0018】このような磁路部材の材料としては、潤滑
剤の温度変化に対応する磁路部材の温度変化により、磁
歪部の磁化が十分に変化する程度に磁化の強さが増減す
る強磁性材料を選択する必要がある。例えば、磁路部材
がとり得る一定温度以上で常磁性になるようなキュリー
点を有する、フェライト等の強磁性材料を選択すること
もできる。一般に、潤滑油は比較的低温域において、温
度の低下に伴い急激に(いわば指数関数的に)粘度が上
昇するので、この粘度が急激に上昇する低温域、例えば
20乃至30℃のキュリー点を有する感温磁性材からな
る磁路部材を用い、キュリー点以下に温度が低下するこ
とにより磁路部材が強磁性化して磁歪部が磁化され始
め、温度の低下と共に磁路部材の磁化の強さが増大して
軸受隙間が拡大するよう構成することにより、熱膨張差
の利用による温度変化に比例した軸受隙間の増減では十
分に対処し得ない潤滑剤の粘度変化に効果的に対応さ
せ、低温域における軸損の低減と高温域における軸受剛
性の確保を効果的に両立することができる。
【0019】磁路部材を設ける位置は、動圧流体軸受の
軸受隙間内の潤滑剤の温度の上昇及び下降に、磁路部材
の温度の上昇及び下降がよく対応するように、軸受隙間
に近接した位置とすることが望ましい。
【0020】また、本発明のスピンドルモータは、上記
磁化手段が電磁手段からなるものであり、磁界調節手段
が、その電磁手段に供給する電流を潤滑剤の温度変化に
応じ制御する電流制御手段であるものとすることができ
る。
【0021】磁化手段が電磁石等の電磁手段からなるも
のである場合、磁界調節手段としての電流制御手段によ
って、電磁手段に供給する電流を、潤滑剤の温度の上昇
及び下降(例えば温度センサによって感知することがで
きる)に応じそれぞれ増大及び減少させることにより、
磁歪部の磁化を温度変化に伴う潤滑剤の粘度の変化に応
じて変化させることができる。
【0022】次に、本発明のスピンドルモータは、動圧
流体軸受の固定部または回転部と磁歪部とが径方向に結
合しており、磁歪部が軸心方向に伸縮することによりそ
の磁歪部の径方向寸法が変化し、それに伴い、その磁歪
部に径方向に結合した固定部または回転部の径方向寸法
が変化して軸受隙間が拡大又は縮小するものとすること
ができる。
【0023】磁歪部が軸心方向に伸びるとその磁歪部の
径方向寸法が縮小し、磁歪部が軸心方向に縮むとその磁
歪部の径方向寸法は拡大する。磁歪部と径方向に結合し
た固定部または回転部の径方向寸法は、磁歪部の径方向
寸法の変化に従って変化する。
【0024】この場合、動圧流体軸受を構成する軸体内
に磁歪部が配されてその軸体と磁歪部とが径方向に結合
しており、軸心方向に磁歪部が伸縮することによる磁歪
部の径方向寸法の変化に対応して軸体の径方向寸法が変
化することにより軸受隙間が拡大又は縮小するものとす
ることができる。
【0025】このスピンドルモータの場合、磁歪部が軸
心方向に伸びてその径方向寸法が縮小すると、軸体の径
方向寸法も縮小し、磁歪部が軸心方向に縮んでその径方
向寸法が拡大すると、軸体の径方向寸法も拡大する。
【0026】また次に、本発明のスピンドルモータは、
動圧流体軸受の固定部または回転部と磁歪部とが軸心方
向に結合しており、軸心方向に磁歪部が伸縮することに
より、その磁歪部に軸心方向に結合した固定部または回
転部が軸心方向に伸縮し、その軸心方向伸縮に伴いその
固定部または回転部の径方向寸法が変化することによ
り、軸受隙間が拡大又は縮小するものでとすることがで
きる。
【0027】磁歪部が軸心方向に伸びると、磁歪部と軸
心方向に結合した固定部または回転部が軸心方向に伸び
てその径方向寸法が縮小する。磁歪部が縮むとその固定
部または回転部が軸心方向に縮んでその径方向寸法は拡
大する。
【0028】この場合、動圧流体軸受を構成する軸体内
に磁歪部が配されてその軸体と磁歪部とが軸心方向に結
合しており、軸心方向に磁歪部が伸縮することにより軸
体が軸心方向に伸縮し、その軸心方向伸縮に伴い軸体の
径方向寸法が変化することにより、軸受隙間が拡大又は
縮小するものとすることができる。
【0029】このスピンドルモータの場合、磁歪部が軸
心方向に伸びると軸体が軸心方向に伸び、軸体の径方向
寸法は縮小する。磁歪部が軸心方向に縮むと軸体の径方
向寸法は拡大する。
【0030】この場合更に、磁化手段としてのソレノイ
ド内に磁歪部が挿通されたものが軸体内に配され、磁界
調節手段が、そのソレノイドに供給する電流を潤滑剤の
温度変化に応じ制御する電流制御手段であるものとする
ことができる。
【0031】このスピンドルモータの場合、磁界調節手
段としての電流制御手段によって、ソレノイドに供給す
る電流を、潤滑剤の温度の上昇及び下降(例えば温度セ
ンサによって感知することができる)に応じそれぞれ増
大及び減少させることにより、磁歪部の磁化を温度変化
に応じて変化させて磁歪部を軸心方向に伸縮させ、それ
により軸体の径方向寸法を変化させることができる。
【0032】本発明のスピンドルモータは、磁歪部の磁
化により軸受隙間が拡大するものとすることが望まし
い。磁歪部が磁化手段により磁化されていない状態にお
いて軸受隙間が最も小さく、磁化されることにより軸受
隙間が拡大するので、磁歪部の磁化により動圧流体軸受
の固定部および/または回転部が予想外に変形して軸受
隙間が小さくなりすぎることがより確実に防がれる。
【0033】この場合、動圧流体軸受における潤滑剤の
温度が常温以下である場合に、磁歪部の磁化により軸受
隙間が拡大状態にあるよう、磁界調節手段が、磁化手段
により磁歪部に形成される磁界を調節するものとするこ
とができる。潤滑剤の温度が常温又はそれ以下である場
合に磁歪部が磁化していて軸受隙間が拡大状態にあり、
潤滑剤が高温域にある場合に磁歪部が磁化されない状態
となり、或は磁歪部の磁化が低下して軸受隙間が縮小す
る。
【0034】次に、本発明の動圧流体軸受は、動圧流体
軸受の固定部および/または回転部の少なくとも一部が
磁歪部であり、その磁歪部が変形することにより固定部
および/または回転部が変形して軸受隙間の大きさが変
化するよう構成されると共に、その磁歪部を所定の向き
に磁化して変形させるための磁界を形成する磁化手段
と、動圧流体軸受における潤滑剤の温度の上昇及び下降
に応じそれぞれ軸受隙間を縮小及び拡大させるために、
前記磁化手段により磁歪部に形成される磁界を調節する
磁界調節手段とを有することを特徴とする。
【0035】磁歪部、磁化手段、及び磁界調節手段の意
味、並びに本発明の動圧流体軸受の作用は、本発明のス
ピンドルモータについて上記したところと同様である。
【0036】また、本発明の、動圧流体軸受の剛性制御
方法は、動圧流体軸受の固定部および/または回転部の
少なくとも一部を磁歪部とし、その磁歪部の変形により
固定部および/または回転部が変形して軸受隙間の大き
さが変化するようにすると共に、動圧流体軸受における
潤滑剤の温度の上昇及び下降に応じそれぞれ軸受隙間が
縮小及び拡大するように、、前記磁歪部の磁化を調節す
ることを特徴とする。
【0037】磁歪部の意味は、本発明のスピンドルモー
タについて上記したところと同様である。
【0038】潤滑剤の温度が高くなるとその粘度が低下
し、温度が低くなると粘度が増大するが、この方法にお
いては、磁歪部の変形により固定部および/または回転
部が変形して軸受隙間の大きさが変化するようにし、動
圧流体軸受における潤滑剤の温度の上昇及び下降に応じ
磁歪部の磁化を調節してそれぞれ軸受隙間を縮小及び拡
大させる。これによって、常温等の低温域における軸損
の増大を回避しつつ、温度上昇による軸受剛性の低下を
防ぐことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参
照しつつ説明する。
【0040】図1は、ハードディスク駆動用スピンドル
モータの断面図を示す。
【0041】ブラケット10の上方開口の円形凹部10
aの中央に、軸心方向の貫通孔を有する固定軸体12が
上下方向に立設され、その円形凹部10a内における径
方向中間位置の環状凸部10bに、ステータコイル14
が巻回されたステータコア16が外嵌固定されている。
【0042】非磁性材料製の固定軸体12は、略円筒形
状の軸部12aと、その軸部12aの上端に設けられた
環状板形状のスラスト板部12bからなる。
【0043】円形凹部10a内における軸部12aの下
端外周部は下方に向かって縮径するテーパ部12cに形
成されている。スラスト板部12bの環状をなす下面1
2b1及びそれに対応する環状をなす上面12b2に
は、それぞれ動圧発生用の上面溝部及び下面溝部が設け
られている。
【0044】回転スリーブ体18は、非強磁性材料製の
スリーブ部材18aと、そのスリーブ部材18aの上端
に嵌合固定された円板状のスラストキャップ18bから
なる。
【0045】スリーブ部材18aは、内側の円筒状スリ
ーブ部18cと外側の円筒状外周壁部18dが上部にお
いて結合されてなる略二重円筒形状をなす。円筒状スリ
ーブ部18cは軸部12aに外嵌されている。スリーブ
部材18aの内周における円筒状スリーブ部18cの上
側は、スラスト環状面18eを介して拡径され、そのス
ラスト環状面18eとスラストキャップ18bの間にス
ラスト板部12bが収容されている。
【0046】円筒状スリーブ部18cの内周上下部に、
動圧発生用の上溝部18f及び下溝部18gが設けられ
ている。これらの動圧発生用溝及び前記上下面溝部とし
ては、例えば公知のスパイラル溝、ヘリングボーン溝等
を適宜採用し得る。
【0047】固定軸体12と回転スリーブ体18の間の
軸受隙間には潤滑油20が充填されており、回転スリー
ブ体18は、この潤滑油20を介して固定軸体12に対
し回転自在に支持されている。潤滑油20の端部は、軸
部12a下端のテーパ部12cと円筒状スリーブ部18
cの下端部の間で毛細管現象により保持されている。
【0048】軸部12aと円筒状スリーブ部18cとそ
の間の潤滑油20によりラジアル軸受部が構成されてお
り、そのうち主に上下溝部18f・18gにおいて、潤
滑油20に回転スリーブ体18の円筒状スリーブ部18
cを径方向に支持する圧力を発生させる。また、スラス
ト板部12bとスラスト環状面18e及びスラストキャ
ップ18bとその間の潤滑油20によりスラスト軸受部
が構成されており、そのうち主に上面溝部及び下面溝部
において、潤滑油20に回転スリーブ体18のスラスト
環状面18e及びスラストキャップ18bを軸心方向に
支持する圧力を発生させる。
【0049】固定軸体12の貫通孔内には、軸心方向に
磁化されている円柱状の永久磁石体21と、円柱状の磁
路部材22と、円柱状の磁歪部材23が、下からこの順
に嵌合しており、上端部には閉塞ねじ24が螺合固定さ
れている。この閉塞ねじ24は、強磁性材料製であるこ
とが好ましい。なお、スラスト板部12bの側から順に
永久磁石体21、磁路部材22及び磁歪部材23が嵌合
していても勿論差し支えない。
【0050】このうち磁歪部材23(磁歪部の一例)
は、下端のテーパ部12cが存在する部分を除くほぼ軸
部12aの全長にわたっており、その全外周面は、固定
軸体12の内周面に接着剤により強固に接着されてい
る。これにより、固定軸体12の軸部12aと磁歪部材
23とが径方向に結合されている。磁歪部材23の材料
としては、磁化により生ずるひずみがなるべく大きい磁
歪材、室温磁歪材が好ましく、より好ましくはターフェ
ノル−D等の超磁歪材と称される材料である。
【0051】また磁路部材22は上下面がそれぞれ磁歪
部材23の下面及び永久磁石体21の上面に接してお
り、この状態で磁路部材22及び永久磁石体21は固定
軸体12の内周面に接着剤により接着されている。これ
らの永久磁石体21及び磁路部材22が磁化手段を構成
し、そのうち磁路部材22が、磁界調節手段を構成す
る。磁路部材22は軸部12aの下端部内周面に当接し
ているので、磁路部材22の温度は潤滑油20の温度に
よく対応する。
【0052】磁路部材22の材料としては、例えば、と
り得る温度範囲(例えば−10〜75℃)内の常温を越
える一定温度(例えば20〜30℃)以上で常磁性にな
るようなキュリー点を有する、フェライト等の強磁性材
料、いわゆる感温磁性体を選択することがができる。
【0053】潤滑油20が常温付近或はそれ以下であ
り、それに対応して磁路部材22の温度が常温以下であ
る場合は、磁路部材22の磁化が強い状態であるため、
永久磁石体21による磁束は、実線tで示すように、磁
路部材22を良く通り、磁歪部材23は軸心方向に強く
磁化されている。その磁化による磁歪のため、磁歪部材
23は軸心方向に伸長し、それにより外径が縮小してい
る。これにより、固定軸体12の軸部12aも外径が縮
小しており、固定軸体12の軸部12aと回転スリーブ
体18の円筒状スリーブ部18cの間の軸受隙間は、拡
大した状態となっている。
【0054】潤滑油20が使用温度範囲の高温域にあ
り、それに対応して磁路部材22の温度が使用温度範囲
の高温域にある場合おいては、磁路部材22は常磁性化
しているため、永久磁石体21による磁束は、1点鎖線
uで示すように、磁路部材22をほとんど通らず、磁歪
部材23はほとんど磁化されていない。そのため磁歪部
材23は、軸心方向においても径方向においても、磁化
による磁歪のない通常の寸法となる。すなわち、常温の
場合に比べれば、磁歪部材23及び軸部12aの外径は
大きくなっており、軸部12aと円筒状スリーブ部18
cの間の軸受隙間は縮小しているが、これは軸部12a
本来の外径寸法及びそれに基づく軸受隙間の大きさに過
ぎない。
【0055】従って、軸部12aの本来の外径寸法に基
づく円筒状スリーブ部18cとの間の軸受隙間の大きさ
は、使用温度範囲の上限付近における潤滑油20の粘度
において必要な軸受剛性が得られるように設定され、常
温付近における軸部12aと円筒状スリーブ部18cの
間の軸受隙間は、軸受剛性を確保しつつ軸損が可及的に
低減されるよう設定される。例えば使用温度範囲の上限
において十分な軸受隙間を確保しつつ必要な粘度が得ら
れるようにやや粘度の高い潤滑油を用いることにより、
軸受隙間を狭小化させることなく軸損を効果的に低減さ
せることができる。
【0056】また、温度変化に対する磁路部材22の磁
化の特性を適宜選択することにより、温度変化に伴う潤
滑剤20の粘度の変化により効果的に対応させることが
できる。例えば、温度の低下に伴い急激に(いわば指数
関数的に)潤滑油20の粘度が上昇する比較的低温域
に、磁路部材22が常磁性化するキュリー点を設定する
ことにより、熱膨張差の利用による温度変化に比例した
軸受隙間の増減では十分に対処し得ない潤滑剤20の粘
度変化に効果的に対応させることができる。
【0057】なお、固定軸体12と回転スリーブ体18
の膨張率は、使用温度範囲内において軸受隙間が小さく
なりすぎたり大きくなりすぎたりしない範囲であれば、
同等であっても何れかが大きくてもよい。
【0058】スリーブ部材18aの円筒状外周壁部18
dにはロータハブ26が外嵌固定されており、ロータハ
ブ26の下端外周部に設けられた鍔状部26aの下側に
円筒状ロータヨーク28が固定され、そのロータヨーク
28に内嵌固定された円筒状のロータマグネット29が
ステータコア16と径方向間隙を隔てて相対している。
【0059】図2は、別のスピンドルモータ用の固定軸
体の断面図を示す。
【0060】固定軸体40が有する軸心方向の貫通孔4
0a内に、円柱状の磁歪部材42が挿入され、その磁歪
部材は、上下端面が、貫通孔40aに螺合した上下固定
ねじ44・46により挟圧されることによって軸心方向
に固定されている。これにより、固定軸体40と磁歪部
材42とが軸心方向に結合されている。磁歪部材42が
占める軸心方向の位置は、回転スリーブ(図示せず)が
軸受隙間を介して外嵌される部分のほぼ全長に相当す
る。磁歪部材42の材料は、前記と同様である。
【0061】上固定ねじ44は、固定軸体40内の上端
に固定され、下固定ねじ46は固定軸体40内の下部中
間位置に固定されており、固定軸体40内の下固定ねじ
46の下側には、軸心方向に磁化された永久磁石体48
が嵌合固定されている。下固定ねじ46は、磁路部材と
して作用するものであり、その位置よりして、下固定ね
じ46の温度は軸受隙間に充填される潤滑油の温度によ
く対応する。下固定ねじ46の材料は前記の磁路部材と
同様である。
【0062】軸受隙間における潤滑油が常温付近或はそ
れ以下であり、それに対応して下固定ねじ46の温度が
常温以下である場合は、磁路部材としての下固定ねじ4
6の磁化が強い状態であるため、永久磁石体48による
磁束は下固定ねじ46を良く通り、磁歪部材42は軸心
方向に強く磁化されている。その磁化による磁歪のた
め、磁歪部材42は軸心方向に伸長し、上下固定ねじ4
6を介して固定軸体40も軸心方向に伸長している。こ
れにより、固定軸体40の外径が縮小した状態となって
いる。従って、固定軸体40に外嵌される回転スリーブ
との間の軸受隙間は、拡大した状態となっている。
【0063】使用温度範囲の高温域においては、下固定
ねじ46は常磁性化しているため、永久磁石体48によ
る磁束は下固定ねじ46をほとんど通らず、磁歪部材4
2はほとんど磁化されていない。そのため磁歪部材42
の軸心方向長さは磁化による磁歪のない通常の寸法とな
る。すなわち、常温の場合に比べれば、磁歪部材42及
び固定軸体40の軸心方向長さは短くなり、固定軸体4
0の外径が大きくなって、固定軸体40に外嵌される回
転スリーブとの間の軸受隙間は縮小した状態となる。但
し、これは固定軸体40本来の外径寸法及びそれに基づ
く軸受隙間の大きさに過ぎない。
【0064】図3は、更に別のスピンドルモータ用の固
定軸体の断面図を示す。
【0065】固定軸体60が有する軸心方向の貫通孔内
60aに、ソレノイド62内に挿通した状態の円柱状の
磁歪部材64が挿入され、その磁歪部材64は、その上
下端面が、貫通孔に螺合した上下固定ねじ66・68に
より挟圧されることによって軸心方向に固定されてい
る。これにより、固定軸体60と磁歪部材64とが軸心
方向に結合されている。ソレノイド62の引き出し部6
2aは、下固定ねじ68に設けられた引き出し孔68a
を通じて外部へ引き出され、電流制御回路を備えた電源
70に接続されている。磁歪部材64が占める軸心方向
の位置は、回転スリーブ(図示せず)が軸受隙間を介し
て外嵌される部分のほぼ全長に相当する。磁歪部材64
の材料は、前記と同様である。
【0066】潤滑油20の温度を感知する手段として、
例えば固定軸体60の内周面に温度センサを設け、ソレ
ノイド62に供給する電流をその温度センサにより感知
される温度に基づいて電源70の電流制御回路により制
御することにより、磁歪部材64を軸心方向に伸縮させ
て固定軸体60の長さ及び外径を変化させ、軸受隙間の
大きさを調節することができる。この場合、ソレノイド
62及び電源70が磁化手段を構成し、電源70におけ
る電流制御回路が磁界調節手段を構成する。
【0067】温度感知手段により感知される温度が例え
ば常温等の低い範囲にある場合は、ソレノイド62に供
給する電流を大きくして磁歪部材64の磁化を強くし、
磁歪部材64を軸心方向に伸長させることにより、固定
軸体60が軸心方向に伸長して外径が縮小し、軸受隙間
が拡大する。温度感知手段により感知される温度が上昇
し、潤滑油の粘度が低下するのにあわせて、ソレノイド
62に供給する電流を低減させ或は停止すれば、磁歪部
材64の磁化が低下し或は非磁化状態となって、磁歪部
材64及び固定軸体60の軸心方向の伸びが小さくなり
或は伸びがなくなって固定軸体60の外径の縮小が減少
し或は縮小がなくなって本来の外径になり、軸受隙間が
縮小する。磁歪部材64の磁化による軸受隙間の大きさ
の制御を、潤滑剤の温度変化に伴う粘度の変化に応じて
電流制御手段によりきめ細かく行うことができるので、
温度の高低によらず動圧流体軸受の剛性をより効果的に
一定化させることができる。
【0068】この例では、スピンドルモータの軸体内に
おいて磁歪部材をソレノイド内に挿通させているが、ス
ピンドルモータの動圧流体軸受の固定部および/または
回転部の少なくとも一部(例えば固定軸体内)に設けた
磁歪部材を、適当な磁路を介して、スピンドルモータの
外部に設けた電磁石により磁化するようにすることもで
きる。例えばスピンドルモータの固定軸体の両端がハー
ドディスク駆動装置の基盤と蓋体に固定された状態でそ
のスピンドルモータがハードディスク駆動装置内に組み
込まれており、その固定軸体内に磁歪部材が設けられて
いる場合に、ハードディスク駆動装置内のスペースに電
磁石を設け、基盤と蓋体に設けた磁路を介して磁歪部材
を磁化することができる。
【0069】なお、以上の説明はラジアル軸受部のみを
対象としたが、スラスト軸受部についても同様の手段に
より軸受隙間の大きさを潤滑油20の温度変化に応じ調
節することができる。また、軸回転型のスピンドルモー
タ及び動圧流体軸受についても勿論適用できる。
【0070】以上の実施の形態についての記述における
上下位置関係は、単に図に基づいた説明の便宜のための
ものであって、実際の使用状態等を限定するものではな
い。
【0071】
【発明の効果】本発明のスピンドルモータ、動圧流体軸
受、及び動圧流体軸受の剛性制御方法によれば、潤滑剤
の温度の上昇及び下降に応じ磁歪部の磁化を調節するこ
とにより、それぞれ軸受隙間を縮小及び拡大させて動圧
流体軸受の剛性をほぼ一定レベルに保持することができ
る。そのため、温度変化によるモータ特性又は軸受特性
の変動を効果的に抑制し得ると共に、常温等の低温域に
おける軸損の増大を回避しつつ、温度上昇による軸受剛
性の低下を防ぐことができ、定格電流の低減も実現する
ことができる。而も、熱膨張による軸受隙間の制御の場
合と異なり、膨張率により軸受材料が狭い範囲に限定さ
れることがなく、また、磁化による磁歪部の変形は磁化
手段及び磁界調節手段等により予め定まる一定範囲内で
あるため、予想外の変形により軸受隙間が小さくなりす
ぎて軸受がロックする危険性は防がれ、必要以上の加工
精度の要求及び信頼性の低下が回避される。
【0072】請求項3のスピンドルモータによれば、強
磁性材料製の磁路部材の温度上昇に伴う自発磁化の強さ
の減少又は常磁性体化を利用して、温度変化の感知及び
温度変化に応じた磁歪部の磁化の調節を行い、温度の高
低によらず流体軸受の剛性をほぼ一定レベルに保持する
ことができる。
【0073】請求項4及び請求項9のスピンドルモータ
によれば、ソレノイド等の電磁手段により磁歪部を磁化
する磁界を、潤滑剤の温度変化に伴う粘度の変化に応じ
て電流制御手段によりきめ細かく調節して、温度の高低
によらず動圧流体軸受の剛性をより効果的に一定化させ
ることができる。
【0074】請求項10及び請求項11のスピンドルモ
ータにおいては、磁歪部が磁化されることにより軸受隙
間が拡大するので、磁歪部の磁化により動圧流体軸受の
固定部および/または回転部の予想外の変形により軸受
隙間が小さくなりすぎて軸受がロックする危険性がより
確実に防がれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハードディスク駆動用スピンドルモータの断面
図である。
【図2】別のスピンドルモータ用の固定軸体の断面図で
ある。
【図3】更に別のスピンドルモータ用の固定軸体の断面
図である。
【符合の説明】
12 固定軸体 12a 軸部 18c 円筒状スリーブ部 20 潤滑油 21 永久磁石体 22 磁路部材 23 磁歪部材 24 閉塞ねじ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動圧流体軸受を介して固定部に対し回転部
    を回転自在に支持してなるスピンドルモータであって、
    動圧流体軸受の固定部および/または回転部の少なくと
    も一部が磁歪部であり、その磁歪部が変形することによ
    り固定部および/または回転部が変形して軸受隙間の大
    きさが変化するよう構成されると共に、その磁歪部を所
    定の向きに磁化して変形させるための磁界を形成する磁
    化手段と、動圧流体軸受における潤滑剤の温度の上昇及
    び下降に応じそれぞれ軸受隙間を縮小及び拡大させるた
    めに、前記磁化手段により磁歪部に形成される磁界を調
    節する磁界調節手段とを有することを特徴とするスピン
    ドルモータ。
  2. 【請求項2】磁界調節手段が、磁化手段により磁歪部を
    磁化する磁界を形成するための磁気回路を変更すること
    により磁界を調節するものである請求項1記載のスピン
    ドルモータ。
  3. 【請求項3】磁界調節手段が、磁化手段と磁歪部の間の
    磁気回路の少なくとも一部を、強磁性材料製の磁路部材
    により構成してなるものであり、前記磁路部材は、潤滑
    剤の温度の上昇及び下降に対応する温度の上昇及び下降
    に応じ磁化の強さがそれぞれ減少及び増大するものであ
    る請求項2記載のスピンドルモータ。
  4. 【請求項4】磁化手段が電磁手段からなるものであり、
    磁界調節手段が、その電磁手段に供給する電流を潤滑剤
    の温度変化に応じ制御する電流制御手段である請求項1
    記載のスピンドルモータ。
  5. 【請求項5】動圧流体軸受の固定部または回転部と磁歪
    部とが径方向に結合しており、磁歪部が軸心方向に伸縮
    することによりその磁歪部の径方向寸法が変化し、それ
    に伴い、その磁歪部に径方向に結合した固定部または回
    転部の径方向寸法が変化して軸受隙間が拡大又は縮小す
    るものである請求項1、2、3又は4記載のスピンドル
    モータ。
  6. 【請求項6】動圧流体軸受を構成する軸体内に磁歪部が
    配されてその軸体と磁歪部とが径方向に結合しており、
    軸心方向に磁歪部が伸縮することによる磁歪部の径方向
    寸法の変化に対応して軸体の径方向寸法が変化すること
    により軸受隙間が拡大又は縮小するものである請求項5
    記載のスピンドルモータ。
  7. 【請求項7】動圧流体軸受の固定部または回転部と磁歪
    部とが軸心方向に結合しており、軸心方向に磁歪部が伸
    縮することにより、その磁歪部に軸心方向に結合した固
    定部または回転部が軸心方向に伸縮し、その軸心方向伸
    縮に伴いその固定部または回転部の径方向寸法が変化す
    ることにより、軸受隙間が拡大又は縮小するものである
    請求項1、2、3又は4記載のスピンドルモータ。
  8. 【請求項8】動圧流体軸受を構成する軸体内に磁歪部が
    配されてその軸体と磁歪部とが軸心方向に結合してお
    り、軸心方向に磁歪部が伸縮することにより軸体が軸心
    方向に伸縮し、その軸心方向伸縮に伴い軸体の径方向寸
    法が変化することにより、軸受隙間が拡大又は縮小する
    ものである請求項7記載のスピンドルモータ。
  9. 【請求項9】磁化手段としてのソレノイド内に磁歪部が
    挿通されたものが軸体内に配され、磁界調節手段が、そ
    のソレノイドに供給する電流を潤滑剤の温度変化に応じ
    制御する電流制御手段である請求項8記載のスピンドル
    モータ。
  10. 【請求項10】磁歪部の磁化により軸受隙間が拡大する
    ものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は
    9記載のスピンドルモータ。
  11. 【請求項11】動圧流体軸受における潤滑剤の温度が常
    温以下で高粘度の状態である場合、磁歪部の磁化により
    軸受隙間が拡大状態にあるよう、磁界調節手段が、磁化
    手段により磁歪部に形成される磁界を調節するものであ
    る請求項10記載のスピンドルモータ。
  12. 【請求項12】動圧流体軸受の固定部および/または回
    転部の少なくとも一部が磁歪部であり、その磁歪部が変
    形することにより固定部および/または回転部が変形し
    て軸受隙間の大きさが変化するよう構成されると共に、
    その磁歪部を所定の向きに磁化して変形させるための磁
    界を形成する磁化手段と、動圧流体軸受における潤滑剤
    の温度の上昇及び下降に応じそれぞれ軸受隙間を縮小及
    び拡大させるために、前記磁化手段により磁歪部に形成
    される磁界を調節する磁界調節手段とを有することを特
    徴とする動圧流体軸受。
  13. 【請求項13】動圧流体軸受の固定部および/または回
    転部の少なくとも一部を磁歪部とし、その磁歪部の変形
    により固定部および/または回転部が変形して軸受隙間
    の大きさが変化するようにすると共に、動圧流体軸受に
    おける潤滑剤の温度の上昇及び下降に応じそれぞれ軸受
    隙間が縮小及び拡大するように、、前記磁歪部の磁化を
    調節することを特徴とする動圧流体軸受の剛性及び軸損
    制御方法。
JP8223131A 1996-08-05 1996-08-05 スピンドルモータ及びその関連技術 Withdrawn JPH1051998A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006116605A3 (en) * 2005-04-27 2007-11-01 Univ California Method for forming hollow out-of-plane microneedles and devices formed thereby
DE102011005360A1 (de) * 2011-03-10 2012-09-13 Brose Fahrzeugteile Gmbh & Co. Kg, Hallstadt Antriebseinrichtung mit aktiv gelagerter Antriebswelle

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