JPH1051366A - ダイバーシチ受信器 - Google Patents

ダイバーシチ受信器

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JPH1051366A
JPH1051366A JP8204970A JP20497096A JPH1051366A JP H1051366 A JPH1051366 A JP H1051366A JP 8204970 A JP8204970 A JP 8204970A JP 20497096 A JP20497096 A JP 20497096A JP H1051366 A JPH1051366 A JP H1051366A
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JP
Japan
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tap coefficient
tap
output
delay line
signal
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JP8204970A
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English (en)
Inventor
Satoru Tano
哲 田野
Yasushi Shirato
裕史 白戸
Yoichi Saito
洋一 斉藤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 等化器の演算量が少なくと、それでいて十分
な信号受信特性の得られるダイバーシチ受信器を提供す
る。 【解決手段】 トレーニング区間はデータを復調する必
要が無いことに着目し、その間は演算量の低減のために
逐次最小二乗アルゴリズムを適用した選択型ダイバーシ
チを用い、データ区間では、最小二乗平均アルゴリズム
を適用した合成型ダイバーシチを用いる。さらに、トレ
ーニング区間とデータ区間とで構成が変化することに対
応し、特性劣化なくタップ係数を変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディジタル信号伝送
における受信装置に利用する。特に、ある送信信号を複
数のアンテナにより受信するダイバーシチ受信器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】無線伝送路では信号受信レベルが準周期
的に落ち込むフェージングと呼ばれる現象が発生し、信
号伝送品質を著しく劣化させることがある。有効なフェ
ージング補償技術としては、空間的に離れた複数のアン
テナにより受信し、これらを基に復調するダイバーシチ
受信器が知られている。ダイバーシチ受信器の特性につ
いては、 文献1:P.Monsen, "MMSE Equalization of Interferen
ce on Fading DiversityChannels", IEEE Trans.Comm
u., vol.COM-32 No.1, January 1984 文献2:吉野、鈴木、「移動無線におけるDFE型トラ
ンスバーサル合成ダイバーシチ方式の干渉キャンセル特
性」、信学論(B−II)、vol.J76−B−II、N
o.7、1993 文献3:石川、小林、「ディジタル移動無線における等
化・ダイバーシチ合成方法の特性比較」、平成5年秋季
信学全大B−255、1993に詳しい。ダイバーシチ
受信器の基本的な構成としては、選択ダイバーシチ、等
利得合成および最大比合成の三つがある。これらの構成
について以下に説明する。
【0003】図6は従来例の選択ダイバーシチ受信器を
示すブロック構成図である。この従来例は、二つの受信
信号が別々に入力される二つの入力端子101、102
と、この入力端子101、102に入力された各受信信
号のレベルを比較するレベル比較器103と、このレベ
ル比較器103により切り替えられ入力端子101、1
02の一方の受信信号を選択するスイッチ回路104
と、スイッチ回路104により選択された受信信号を復
調する復調器105と、この復調器105の復調出力が
出力される出力端子106とを備える。この構成では、
各ブランチの入力信号のレベルをレベル比較器103に
より求め、レベルの高いブランチをスイッチ回路104
により選択して復調器105に入力する。
【0004】図7は従来例の等利得合成ダイバーシチ受
信器を示すブロック構成図である。この従来例は、二つ
の受信信号が別々に入力される二つの入力端子111、
112と、この二つの入力端子111、112の少なく
とも一方、この例では入力端子112、の受信信号に可
変の遅延を与える遅延量可変回路113と、二つの信号
を加算する加算器114と、この加算器114により加
算された信号の位相差を検出する位相差検出器115
と、この位相差検出器115の出力に応じて遅延可変回
路113の遅延量を設定する制御回路116と、加算器
114の出力を復調する復調器117と、この復調器1
17の復調出力が出力される出力端子118とを備え
る。この構成では、2系統入力のうち片側に配置された
遅延量可変回路113により両入力信号の位相を一致さ
せ、加算器114により両信号を合成し、復調器117
により信号を復調する。
【0005】図8は従来例の最大比合成ダイバーシチ受
信器を示すブロック構成図である。この従来例は、二つ
の受信信号が別々に入力される二つの入力端子121、
122と、この二つの入力端子121、122に入力さ
れた受信信号を増幅する可変利得増幅器123、124
と、少なくとも一方の受信信号に可変の遅延を与える遅
延量可変回路125と、増幅され一方に遅延が与えられ
た二つの受信信号を加算する加算器126と、この加算
器126により加算された信号の信号対雑音比(SN
R)を検出するSNR検出器127と、このSNR検出
器127の出力に応じて可変利得増幅器123、124
の利得および遅延量可変回路125の遅延量を制御する
制御回路128と、加算器126の出力を復調する復調
器129と、この復調器129の復調出力が出力される
出力端子130とを備える。この構成では、各受信信号
を信号対雑音比に比例して可変利得増幅器123、12
4により各々増幅し、各受信信号の位相が一致するよう
に遅延量可変回路125により片側の受信信号の位相を
変化させ、加算器126により加算し、復調器129に
より復調する。
【0006】これらの三つの構成において、最大比合成
が最も優れた特性を示し、次に等利得合成、そして選択
ダイバーシチの順となる。
【0007】フェージングに加えて符号間干渉のある伝
送路では、以上説明したダイバーシチ受信器に等化器を
組み合わせることで、より特性を向上させることが可能
である。特に、伝送路の特性変化に対応して等化特性を
変化させることのできる適応等化器として、判定帰還型
等化器(DFE:Decision Feedback Equalizer )およ
び最尤系列推定(MLSE:Maximum Likelihood Seque
nce Estimation)型等化器がある。最尤系列推定型等化
器は、判定帰還型等化器に比較して高い等化能力を誇る
が、演算量が大きいという欠点がある。特に、遅延量の
大きな伝送路に対応するにはメモリ長を長くとらねばな
らず、最尤系列推定のためにはメモリ長に対して指数関
数的に演算量が増大するため、そのような伝送路に適用
することは現実上不可能である。一方、判定帰還型等化
器は等化能力は最尤系列推定型等化器には及ばないもの
の、移動伝送路でも十分な等化能力を発揮し、回路の簡
易化を図れば演算量低減が可能であり、遅延波の大きな
伝送路にも十分に適用可能である。
【0008】図9は判定帰還型等化器を利用した従来例
の最大比合成ダイバーシチ受信器を示すブロック構成図
であり、フィードフォワード4タップ、フィードバック
1タップの判定帰還型等化器を利用した場合の構成例を
示す。この従来例は、二つの入力端子131、132
と、入力端子131からの入力信号を順次遅延させる三
つの遅延回路133と、入力端子132からの入力信号
を順次遅延させる三つの遅延回路134と、遅延回路1
33により得られる遅延時間の異なる四つの信号にそれ
ぞれタップ係数を乗算する四つの乗算器135と、遅延
回路134により得られる遅延時間の異なる四つの信号
にそれぞれタップ係数を乗算する四つの乗算器136
と、識別信号を遅延させる遅延回路137と、遅延回路
137の出力にタップ係数を乗算する乗算器138と、
乗算器135、136および138の出力を加算する加
算器139と、この加算器139の出力を符号識別する
識別器140と、この識別器140の出力する識別信号
から加算器139の出力を減算する減算器141と、こ
の減算器141の出力により乗算器135、136およ
び138がそれぞれ乗算するタップ係数を設定するタッ
プ係数制御回路142と、識別回路140からの識別信
号が出力される出力端子143とを備える。
【0009】すなわち、この回路では、各入力信号をタ
ップ付遅延線により重み付け加算し、これに、1シンボ
ル前の識別信号を入力とするフィードバックフィルタか
らの信号をさらに加算して復調信号とする。この構成で
は、等化器を利用しているため、符号間干渉の存在下に
おいても、タップ係数を適当に制御することで、最大比
合成を実現できる。
【0010】タップ係数を制御するには、逐次最小二乗
(RLS)アルゴリズム、あるいは最小二乗平均(LM
S)アルゴリズムによりタップ係数を推定する。逐次最
小二乗アルゴリズムでは、数1に示す演算を行う。
【0011】
【数1】 また、最小二乗平均アルゴリズムでは、数2に示す演算
を行う。
【0012】
【数2】 これらの数式において、dk は識別信号あるいはトレー
ニング信号、Rk は受信信号{rk ,…,rk-L-1 }よ
りなるL次元ベクトル、Wk はタップ係数ベクトル、μ
はステップサイズパラメータを示す。また、* は複素共
役、〔・〕H はエルミート共役を示す。変数はすべて複
素数により表される。
【0013】逐次最小二乗アルゴリズムは高速同期が可
能であり、スロット利用効率の点で有利である。しか
し、タップ数の二乗に比例して演算量が増大してしま
う。このため、ダイバーシチを行わない場合に比べて2
倍のフィードフォワードタップとフィードバックタップ
とが必要となる図9の従来例に対しては、演算量が増大
しすぎてしまう。また、最小二乗平均アルゴリズムを利
用すれば、演算量を低減することはできるが、同期特性
が悪いためスロット利用効率が劣化してしまう。
【0014】図10は判定帰還型等化器を利用した従来
例の選択ダイバーシチ受信器を示すブロック構成図であ
り、フィードフォワード4タップ、フィードバック1タ
ップの判定帰還型等化器を利用した場合の構成例を示
す。この従来例は、二つの入力端子151、152と、
入力端子151からの入力信号を順次遅延させる三つの
遅延回路153と、入力端子152からの入力信号を順
次遅延させる三つの遅延回路154と、遅延回路153
により得られる遅延時間の異なる四つの信号にそれぞれ
タップ係数を乗算する四つの乗算器155と、遅延回路
154により得られる遅延時間の異なる四つの信号にそ
れぞれタップ係数を乗算する四つの乗算器156と、識
別信号を遅延させる遅延回路157、158と、遅延回
路157、158のそれぞれの出力にタップ係数を乗算
する乗算器159、160と、乗算器155および15
9の出力を加算する加算器161と、乗算器156およ
び160の出力を加算する加算器162と、加算器16
1の出力を識別する識別器163と、加算器162の出
力を識別する識別器164と、識別器163の出力する
識別信号から加算器161の出力を減算する減算器16
5と、識別器164の出力する識別信号から加算器16
2の出力を減算する減算器166と、減算器165の出
力により乗算器135および159がそれぞれ乗算する
タップ係数を設定するタップ係数制御回路167と、減
算器166の出力により乗算器136および160がそ
れぞれ乗算するタップ係数を設定するタップ係数制御回
路168と、減算器165、166によりそれぞれ得ら
れる誤差の二乗和の平均値の小さい方を選択する誤差検
出器169と、この誤差検出器169の情報を基により
符号誤りの小さなブランチを選択し、そのブランチの識
別信号を遅延回路157および158ならびに出力端子
171に出力するスイッチ回路170とを備える。
【0015】この従来例では、各受信信号が独立にタッ
プ係数制御され、それぞれ等化および復調される。ただ
し、復調した信号の中でより誤差の小さい方、すなわち
より符号誤りの小さいと推定できるブランチよりの識別
信号を、各フィードバックタップに入力すると同時に、
復調信号として出力する。
【0016】タップ係数制御回路167、168として
は、逐次最小二乗アルゴリズムまたは最小二乗平均アル
ゴリズムによりタップ係数を推定するものを用いる。ま
た、この例では、図6に示したようにレベル比較により
ブランチを選択するのではなく、信号対雑音比を測定し
てその大きい方を選択するものとした。
【0017】この構成の選択ダイバーシチ受信器に逐次
最小二乗アルゴリズムを適用すると、演算量的には合成
型より小さくなるものの、基本的には選択ダイバーシチ
の特性しか得られない。また、最小二乗平均アルゴリズ
ムを適用した場合には、初期収束に時間がかかり、スロ
ット利用効率が低下してしまう。選択型で動作させ、等
化された各ブランチの信号をもう一度最小二乗合成する
技術も知られているが、余分に最小二乗合成器が必要と
なり、必然的に演算量を増大させてしまう。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】適応等化器を利用した
ダイバーシチ受信器として合成型構成を適用し、そのタ
ップ係数推定アルゴリズに逐次最小二乗アルゴリズムを
適用した場合、逐次最小二乗アルゴリズムはタップ長の
二乗に比例して演算量を増大させるため、ダイバーシチ
ブランチ数倍のタップ数を必要とする合成型構成では、
必然的に演算量が膨大なものとなる。また、データ区間
だけは演算量の少ない最小二乗平均アルゴリズムを適用
した場合には、ある程度の演算量低減は可能であるが、
トレーニング区間における課題が解消されるわけではな
い。
【0019】ダイバーシチ受信器に選択型等化器を利用
した場合には、各ブランチのタップ長が合成型に比較し
て半分になり、逐次最小二乗アルゴリズムの演算量を低
減できるという利点がある。しかし、選択型は合成型に
比較して特性が著しく低下してしまう。選択型で動作さ
せ、等化された各ブランチの信号を最小二乗合成するこ
とで合成型に近い特性を示すものもあるが、余分に最小
二乗合成器が必要となり、この場合にも演算量を増大さ
せてしまう。
【0020】判定帰還型等化器の場合には、以上の課題
に加えて、選択型構成において演算量を低減するために
データ区間に最小二乗平均アルゴリズムを適用した場合
に、同じアルゴリズムを適用した合成型に比較してフィ
ードバックタップ数が2倍になる。最小二乗平均アルゴ
リズムはタップ数の1次関数として演算量を増大させる
ため、選択型は、特性を劣化させるばかりか、演算量も
また増大させてしまう。
【0021】本発明は、以上の課題を解決し、等化器の
演算量が少なく、それでいて十分な信号受信特性の得ら
れるダイバーシチ受信器を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明では、トレーニン
グ区間はデータを復調する必要が無いことに着目し、演
算量の低減のみをめざして逐次最小二乗アルゴリズムを
適用した選択型ダイバーシチを用い、データ区間では、
最小二乗平均アルゴリズムを適用した合成型ダイバーシ
チを用いる。さらに、トレーニング区間とデータ区間と
で構成が変化することに対応し、特性劣化なくタップ係
数を変換する。
【0023】すなわち、本発明のダイバーシチ受信器
は、複数N個の受信器からの出力信号が各々入力される
N個のタップ付遅延線フィルタと、このN個のタップ付
遅延線フィルタの出力を加算する加算器と、この加算器
の出力を識別して復調信号を生成する識別器と、この識
別器の入出力信号の差を求める減算器と、この減算器の
出力とN個のタップ付遅延線フィルタに入力される信号
とからN個のタップ付遅延線フィルタを一つのフィルタ
とみなした場合のタップ係数を推定してN個のタップ付
遅延線フィルタに設定する第一のタップ係数設定手段と
を備えたダイバーシチ受信器において、複数N個の受信
器からの出力信号にはトレーニング区間とデータ区間と
が含まれ、トレーニング区間に受信される信号があらか
じめ記憶されたトレーニング信号メモリと、このトレー
ニング信号メモリに記憶された信号とN個のタップ付遅
延線フィルタの出力との誤差をそれぞれ求める減算手段
と、この減算手段の出力とN個のタップ付遅延線フィル
タの入力信号とから個々のタップ付遅延線フィルタのタ
ップ係数を別個に推定して設定する第二のタップ係数設
定手段と、この第二のタップ係数設定手段により推定さ
れたタップ係数をトレーニング区間からデータ区間への
移行時に第一のタップ係数設定手段に初期値として与え
る初期化手段と、第一のタップ係数設定手段の出力と第
二のタップ係数設定手段の出力とをトレーニング区間と
データ区間とで切り替えるスイッチ手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0024】初期化手段はN個のタップ付遅延線フィル
タのタップ係数に重み付けを行う手段を含むことが望ま
しい。
【0025】本発明の原理について判定帰還型等化器を
用いた場合を例に説明するが、線形等化器も判定帰還型
等化器のフィードバックタップ数を零とした場合とみな
すことができる。判定帰還型等化器を用いた選択型ダイ
バーシチ出力信号を最小二乗合成することで、合成判定
帰還型等化器とほぼ同等の特性が得られることが、例え
ば、 文献4:上田、村上、藤野、「等化器を用いた最小2乗
合成ダイバーシチ方式」、平成6年信学総全大B−38
8、1994に示されている。
【0026】すなわち、最小二乗合成により最大比合成
ダイバーシチとほぼ同等の効果が得られることになる。
ここで、選択型の場合の第n系のブランチの判定帰還型
等化器のタップ係数を{hf,0 (n) ,hf,1 (n) ,…,
f,L-1 (n) ,hb,1 (n) ,…,hb,M-1 (n) }とした
場合に、これらのn本のブランチを最大比合成した場合
の合成信号Sk は以下のように表される。ただし、添字
のfとbとはフィードフォワードタップとフィードバッ
クタップを、kは時刻を示す。
【0027】
【数3】 この式において、yk (1) は時刻kにおけるiブランチ
の等化後出力信号を示し、ai は重み付け係数であり、
各ブランチの包絡線を雑音電力で割った係数として次式
で与えられる
【0028】
【数4】 ここで、各ブランチからの等化後信号は、等化器のタッ
プ係数により振幅・位相が補償されているため、数2に
おける仮定である「位相が一致していること」という条
件は自動的に満たされている。また、数2における包絡
線レベルsi もすべてのブランチで一定である。したが
って、数2は次のように書き替えることができる。
【0029】
【数5】 ただし、数5では雑音ni の値に応じてsk の振幅が変
動する。等化器に適用されているアルゴリズムでは位相
と同時に振幅変動も補償しようと動作するため、振幅が
正常な値から変化するとすぐに再引き込み動作に入るた
めに特性が劣化する。そこで、振幅が一定になるように
正規化を行うと、次のようになる。
【0030】
【数6】 ここで、フィードバックタップへの入力信号は、より正
確な識別信号をすべてのブランチで共通に用いることを
考えると、すべて同じとなる。そうした場合に、数6は
次のように書き替えられる。
【0031】
【数7】 数6は明らかに、フィードフォワードタップL×2、フ
ィードバックタップMの合成型判定帰還型等化器の等化
処理を示している。したがって、選択型からの変換され
たフィードフォワードタップ係数としてwf,i (j) 、フ
ィードバックタップ係数としてwb,i (j) とすれば、次
式で表されるタップ係数をデータ区間における合成型判
定帰還型等化器の初期値として用いることで、データ区
間の最小から合成型等化器として動作することが可能と
なる。
【0032】
【数8】 本発明は、選択型の判定帰還型等化器から最大合成比を
実現する合成型の判定帰還型等化器へタップ係数を変換
することを可能とし、トレーニング区間では最小二乗平
均アルゴリズムを適用した合成型の判定帰還型等化器と
して動作できるため、等化特性は合成型の判定帰還型等
化器と同じ特性を実現しながら演算量低減効果が得られ
る。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態を示すブ
ロック構成図である。このダイバーシチ受信器は、複数
N個の受信器からの出力信号が各々入力端子1から入力
されるN個のタップ付遅延線フィルタ2と、このN個の
タップ付遅延線フィルタ2の出力を加算する加算器3
と、この加算器3の出力を識別して復調信号を生成する
識別器4と、この識別器4の入出力信号の差を求める減
算器5と、N個のタップ付遅延線フィルタ2のタップ係
数を推定して設定するタップ係数設定器6とを備え、識
別器4の出力が出力端子7に出力される。
【0034】タップ係数設定器6は、減算器5の出力と
N個のタップ付遅延線フィルタ2に入力される信号とか
らN個のタップ付遅延線フィルタ2を一つのフィルタと
みなした場合のタップ係数を推定するタップ係数推定器
14を備え、さらに、入力端子1から入力される信号の
うちトレーニング区間に受信される信号があらかじめ記
憶されたトレーニング信号メモリ12と、このトレーニ
ング信号メモリ12に記憶された信号とN個のタップ付
遅延線フィルタ2の出力との誤差をそれぞれ求めるN個
の減算器13と、このN個の減算器13の出力とN個の
タップ付遅延線フィルタ2の入力信号とから個々のタッ
プ付遅延線フィルタ2のタップ係数を別個に推定して設
定するN個のタップ係数推定器14と、このN個のタッ
プ係数推定器14により推定されたタップ係数をトレー
ニング区間からデータ区間への移行時にタップ係数推定
器11に初期値として与える初期化回路15と、タップ
係数推定器11の出力とN個のタップ係数設定器14の
出力とをトレーニング区間とデータ区間とで切り替える
スイッチ回路16とを備える。
【0035】各ダイバーシチブランチより入力された受
信信号は入力端子1より各々タップ付遅延線フィルタ2
に入力される。タップ係数設定器6は、受信信号がトレ
ーニング区間のとき、各タップ付遅延線フィルタ2の出
力信号とトレーニング信号メモリ12の誤差を減算器1
3で求め、この誤差を基にトレーニング区間用のタップ
係数推定器14によりタップ係数を演算し、その出力信
号をトレーニング区間とデータ区間とでタップ係数のパ
スを切り替えるスイッチ回路16を介してタップ付遅延
線フィルタ2のタップ係数として出力する。
【0036】データ区間のときには、タップ係数推定器
14の出力信号をすべて初期化回路15に入力し、ここ
で数8に示すタップ係数の変換を行い、データ区間用の
タップ係数推定器11の初期値として入力する。同時に
タップ付遅延線フィルタ2の出力信号をすべて加算器3
に入力し、その出力信号を識別器4に入力し、希望信号
(復調信号)を発生させる。この希望信号と識別器入力
信号との誤差を減算器5で求め、その出力信号をデータ
区間のタップ係数推定器11に入力し、N個あるタップ
付遅延線フィルタ2のすべてのひとつのフィルタとみな
した場合の最適タップ係数を出力する。このタップ係数
は、スイッチ回路16を介してタップ付遅延線フィルタ
2に入力される。
【0037】すなわち、この構成では、トレーニング区
間ではN個あるタップ付遅延線フィルタ2を各々個別の
フィルタとしてタップ係数を更新し、トレーニング区間
からデータ区間に切り替わるときに、初期化回路15に
よりN個のタップ付遅延線フィルタ2のすべてを一つの
フィルタとみなした場合の最適タップ係数に変換し、以
後、データ区間ではN個のタップ付遅延線すべてを一つ
のフィルタとみなしてタップ係数を更新する。
【0038】図2は初期化回路15の構成例を示すブロ
ック構成図である。この初期化回路15はN個のタップ
付遅延線フィルタ2のタップ係数に重み付けを行う構成
となっている。すなわち、減算器13の出力が供給され
るN個の入力端子21と、タップ係数推定器14からの
タップ係数が入力される入力端子22と、入力端子21
にそれぞれ入力された信号の電力を計算するN個の二乗
回路23と、このN個の二乗回路23の出力をそれぞれ
積分するN個の累積加算器24と、このN個の累積加算
器24の出力のうちN−1個ずつを乗算する乗算器25
と、N個の累積加算器24の出力をすべて加算する加算
器26と、乗算器25の出力を加算器26の出力で除算
する除算器27と、この除算器27の出力をそれぞれ重
み係数とし、入力端子22から入力されたトレーニング
終了時の各タップ遅延線フィルタ2のタップ係数に乗算
して出力端子29に出力するベクトル乗算器28とを備
える。この構成により、線形等化器を対象として数8の
演算を行うことができる。
【0039】
【実施例】図3は本発明を2ブランチダイバーシチ受信
器で実施した例を示すブロック構成図である。このダイ
バーシチ受信器は、図1に示したタップ付遅延線フィル
タ2として、入力端子31、入力端子31から入力され
た信号を順次遅延させる3段構成の遅延回路33、この
3段構成の遅延回路33の各段の信号にタップ係数を乗
算する四つの乗算器35およびこの四つの乗算器35の
出力を加算する加算器37から構成されるタップ付遅延
線フィルタと、同じく入力端子32、3段構成の遅延回
路34、四つの乗算器36および加算器38から構成さ
れるタップ付遅延線フィルタとを備える。
【0040】トレーニング区間用の二つのタップ係数推
定器14は、二つのタップ遅延線フィルタを独立のフィ
ルタとみなし、逐次最小二乗アルゴリズムによりそれぞ
れ対応するタップ遅延線フィルタのタップ係数を推定す
る。これらのタップ係数推定器14は、高速動作が可能
な逐次最小二乗アルゴリズムを適用しているため、トレ
ーニング区間を短くできる。また、データ区間に入ると
きには、逐次最小二乗アルゴリズムで推定したタップ係
数を数8の演算により変換し、データ区間でのタップ係
数の初期値として用いる。データ区間では、タップ係数
推定器11により、初期化回路15からの入力信号を初
期値とみなして、最小二乗平均アルゴリズムでタップ係
数を更新する。
【0041】図4は本発明を判定帰還型等化器を用いた
3ブランチダイバーシチ受信器で実施した例を示すブロ
ック構成図である。このダイバーシチ受信器は、タップ
付遅延線フィルタとして、入力端子41、入力端子41
から入力された信号を順次遅延させる3段構成の遅延回
路43、この3段構成の遅延回路43の各段の信号にタ
ップ係数を乗算する四つの乗算器45、識別信号を遅延
させる遅延回路47、この遅延回路47の出力にタップ
係数を乗算する乗算器49および乗算器35および49
の出力を加算する加算器51から構成されるタップ付遅
延線フィルタと、同じく入力端子42、3段構成の遅延
回路44、四つの乗算器46、遅延回路48、乗算器5
0および加算器52から構成されるタップ付遅延線フィ
ルタとを備える。また、フィードバックタップの遅延回
路47に入力される識別信号をトレーニング信号メモリ
12からの信号と識別器4の出力とで切り替えるために
スイッチ回路53を備え、データ区間にはフィードバッ
クタップの遅延回路48への識別信号に入力を停止する
スイッチ回路54を備える。
【0042】この構成の場合にも図3に示した実施例と
同様に、トレーニング区間用の二つのタップ係数推定器
14は、二つのタップ遅延線フィルタを独立のフィルタ
とみなし、逐次最小二乗アルゴリズムによりそれぞれ対
応するタップ遅延線フィルタのタップ係数を推定する。
これらのタップ係数推定器14は、高速動作が可能な逐
次最小二乗アルゴリズムを適用しているため、トレーニ
ング区間を短くできる。また、データ区間に入るときに
は、逐次最小二乗アルゴリズムで推定したタップ係数を
数8の演算により変換し、データ区間でのタップ係数の
初期値として用いる。データ区間では、初期化回路15
からの入力信号を初期値とみなし、最小二乗平均アルゴ
リズムでタップ係数を更新する。このとき、フィードバ
ックタップは1種類しか必要とならないため、片側の判
定帰還型等化器は線形等化器となる。すなわち、スイッ
チ回路54により、遅延回路48には信号が入力されな
いようにする。
【0043】図5は本発明を判定適応型等化器を用いた
2ブランチダイバーシチで実施した場合の特性例を示
す。この特性は、変調方式をQPSK、エアインタフェ
ースを1.5Mbpsとしている。伝送路は2波独立の
レイリーフェージングであり、遅延波の遅延量は1μ
秒、最大ドップラー周波数は10Hzである。適応等化
器はフィードフォワードタップ6タップ、フィードバッ
クタップ2タップの判定帰還型等化器であり、トレーニ
ング区間は忘却係数0.99の逐次最小二乗アルゴリズ
ムを適用し、データ区間ではステップサイズパラメータ
を0.06とした最小二乗平均アルゴリズムを適用し
た。従来方式として、選択ダイバーシチに同様の判定帰
還型等化器を用いたものの特性と、通常の合成型の判定
帰還型等化器の特性とを示す。ただし、演算量一定とい
う条件のもとで特性比較しているため、通常の合成型判
定帰還型等化器は本発明に比較してトレーニング信号が
少なくなっている。本発明が同じ演算量のもとでは、従
来技術に比較し、BER=1.0×10-4点において3
dBの利得があることがわかる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のダイバー
シチ受信器は、等化器をトレーニング時は選択型等化器
として動作させ、データ時には合成型等化器として動作
させる。これにより、特性劣化なく演算量を低減でき
る。特に、高速引き込みのためにトレーニング区間で逐
次最小二乗アルゴリズムを適用した場合には、著しい演
算低減効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック構成図。
【図2】初期値回路の構成例を示すブロック構成図。
【図3】本発明を2ブランチダイバーシチ受信器で実施
した例を示すブロック構成図。
【図4】本発明を判定帰還型等化器を用いた3ブランチ
ダイバーシチ受信器で実施した例を示すブロック構成
図。
【図5】本発明を判定適応型等化器を用いた2ブランチ
ダイバーシチで実施した場合の特性例を示す図。
【図6】従来例の選択ダイバーシチ受信器を示すブロッ
ク構成図。
【図7】従来例の等利得合成ダイバーシチ受信器を示す
ブロック構成図。
【図8】従来例の最大比合成ダイバーシチ受信器を示す
ブロック構成図。
【図9】判定帰還型等化器を利用した従来例の最大比合
成ダイバーシチ受信器を示すブロック構成図。
【図10】判定帰還型等化器を利用した従来例の選択ダ
イバーシチ受信器を示すブロック構成図。
【符号の説明】
1、21、22、41、32、41、42 入力端子 2 タップ付遅延線フィルタ 3、26、37、38、51、52 加算器 4 識別器 5、13 減算器 6 タップ係数設定器 7、29 出力端子 11、14 タップ係数推定器 12 トレーニング信号メモリ 15 初期化回路 16、53、54 スイッチ回路 23 二乗回路 24 累積加算器 25、35、36、45、46、49、50 乗算器 27 除算器 28 ベクトル乗算器 33、34、43、44、47、48 遅延回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数N個の受信器からの出力信号が各々
    入力されるN個のタップ付遅延線フィルタと、 このN個のタップ付遅延線フィルタの出力を加算する加
    算器と、 この加算器の出力を識別して復調信号を生成する識別器
    と、 この識別器の入出力信号の差を求める減算器と、 この減算器の出力と前記N個のタップ付遅延線フィルタ
    に入力される信号とから前記N個のタップ付遅延線フィ
    ルタを一つのフィルタとみなした場合のタップ係数を推
    定して前記N個のタップ付遅延線フィルタに設定する第
    一のタップ係数設定手段とを備えたダイバーシチ受信器
    において、 前記複数N個の受信器からの出力信号にはトレーニング
    区間とデータ区間とが含まれ、 トレーニング区間に受信される信号があらかじめ記憶さ
    れたトレーニング信号メモリと、 このトレーニング信号メモリに記憶された信号と前記N
    個のタップ付遅延線フィルタの出力との誤差をそれぞれ
    求める減算手段と、 この減算手段の出力と前記N個のタップ付遅延線フィル
    タの入力信号とから個々のタップ付遅延線フィルタのタ
    ップ係数を別個に推定して設定する第二のタップ係数設
    定手段と、 この第二のタップ係数設定手段により推定されたタップ
    係数をトレーニング区間からデータ区間への移行時に前
    記第一のタップ係数設定手段に初期値として与える初期
    化手段と、 前記第一のタップ係数設定手段の出力と前記第二のタッ
    プ係数設定手段の出力とをトレーニング区間とデータ区
    間とで切り替えるスイッチ手段とを備えたことを特徴と
    するダイバーシチ受信器。
  2. 【請求項2】 前記初期化手段は前記N個のタップ付遅
    延線フィルタのタップ係数に重み付けを行う手段を含む
    請求項1記載のダイバーシチ受信器。
JP8204970A 1996-08-02 1996-08-02 ダイバーシチ受信器 Pending JPH1051366A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005502263A (ja) * 2001-07-27 2005-01-20 クゥアルコム・インコーポレイテッド 多数の受信機アンテナを有する通信システムにおける組合わせの空間および時間の信号等化のための方法および装置
JP2012114601A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Nec Corp ダイバーシティ受信装置、ダイバーシティ受信システム及びそれらに用いるダイバーシティ受信方法

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Effective date: 20040309