【発明の詳細な説明】
改良されたプラスチック/金属積層物
本発明は一般には、種々の支持体に対する改良された接着性、改良されたヒー
トシール適性、およびより低い摩擦係数(“COF″)を有する改良されたプラス
チック/金属積層物に関する。本発明の改良されたプラスチック/金属積層物はさ
らに、本発明のプラスチック/金属積層物を使用してケーブルや他の成形したプ
ラチック/金属複合物品を製造する際に、減少した破損率および実質的に減少し
たフレーキングとダスティングを示す。本発明はさらに、電気通信用ケーブルと
して据付および/または使用するのが適切であると考えられるプラスチック/金
属複合物品もしくはプラスチック/金属積層物、ならびに家庭電化製品用ハウジ
ング、加熱ダクト、および種々の自動車用品等として使用できると考えられる金
属/プラスチック/金属積層物に関する。
1つ以上の金属層および前記金属層に接着された熱可塑性ポリマー材料の1つ
以上の層もしくは被膜を有する支持体を含んだ種々の積層物品からのケーブルお
よび他の成形したプラスチック/金属複合物品の製造においては、種々の最終用
途に対する適性を決定する制御ファクターは、プラスチック/金属積層物を成形
できる程度、およびこのような積層もしくは複合物品における種々のポリマー層
と金属層との間の接着力の程度である場合が多い。
本発明のプラスチック/金属積層物の特に有用な用途の1つは電気ケーブルで
ある。電気ケーブル、特に遠距離通信ケーブル(例えば電話ケーブル)を設計・
製造する技術においては、絶縁導体またはグラスファイバーをコアーにして組み
立て、それをシールド部材や外被部材で取り囲むことが知られている。このシー
ルド部材はしばしば、“シールド、スクリーン、シールドテープ、または外装綱
帯”と呼ばれる。
一般には、プラスチック/金属積層物(例えば、シールドテープや外装綱帯)
をケーブルに造り上げる方法は、通常0.5インチ(1.27cm)〜8.0インチ(20.32c
m)の幅を有するプラスチック/金属積層物をコルゲーター(corrugator)に移送
する巻き戻しスタンド(unwind stand)を使用することを含む(平滑な最終ケー
ブル
が要求される場合は、コルゲーターを迂回させる)。プラスチック/金属積層物
を、コルゲーターから予備成形機(preformer)またはフォーミングトレー(for
ming tray)に送り、そこで積層物からチューブへの成形が始まる。次いで予備
成形した積層物を少なくとも1つのフォーミングダイに送り、この時点で、積層
物がオーバーラップシーム(overlap seam)を有するチューブに成形される。フ
ォーミングダイにおいては、成形したプラスチック/金属チューブの内部にコア
ーを供給する。コアーを含んだプラスチック/金属チューブを、フォーミングダ
イから少なくとも1つのサイジングダイに送り、そこでプラスチック/金属チュ
ーブは所定の寸法をもった所望のケーブルに造られる。加熱源を使用してオーバ
ーラップシームの接着を促進することができる。次いで、このプラスチック/金
属チューブを被覆する形で外被樹脂を押し出す。プラスチック/金属チューブに
対して外被樹脂を押し出した後、最終ケーブルを水浴中で冷却し、そして通常は
コイルに巻き取る。最終ケーブルのサイズおよび所望するケーブルの種類に応じ
て、ケーブル製造プロセスのライン速度は8フィート/分(2.44m/分)〜300フィ
ート/分(91.44m/分)の範囲で変わる。
従来の技術においては、一般には、予備成形機、フォーミングダイ、およびサ
イジングダイの表面に対するプラスチック/金属積層物の表面接触エネルギーが
かなり高いためにプラスチック/金属積層物のブロッキングが引き起こされ。こ
の結果、プラスチック/金属積層物に幾らかの揺動運動(jerking motion)が起
こり、プラスチック/金属積層物がケーブル製造プロセスを通して引っぱられる
。こうしたブロッキングと揺動運動の結果、プラスチック/金属積層物の破損が
起こることが多い。このブロッキングとそれによる揺動運動は、フォーミングダ
イとサイジングダイのクリアランスが少ないこと、および従来技術のプラスチッ
ク/金属積層物の COF が一般には高いことによるものである。表面接触エネルギ
ーがかなり高い(このため、プラスチック/金属積層物がケーブル製造プロセス
を通して引っぱられる)ので、熱可塑性ポリマーの表面がかなり摩耗され、特に
、予備成形機、フォーミングダイ、およびサイジングダイの周りに(より典型的
にはサイジングダイの後に)熱可塑性ポリマーのフレーキングやダスティングが
生じる。こうし
て生じるダストやフレークは製造プロセス全体にわたって堆積し、プロセスの停
止時間を長くする。さらに、成形されたプラスチック/金属チューブがサイジン
グダイを通して引っぱられるとき、それに対応してサイジングダイの温度が増大
する。
摩耗、フレーキング、及びダスティングを少なくし、ダイ温度を下げ、そして
積層物の破損率を減少させるために、業界がとっている好ましい対処法は、製造
プロセスの予備成形操作の前に、プラスチック/金属複合物の表面に潤滑油を施
すことである。潤滑油を使用する目的は、予備成形機、フォーミングダイ、及び
サイジングダイと接触しているプラスチック/金属複合物表面の COF を低下させ
ることにある。しかしながら、潤滑油を使用すると、外被部材に対するプラスチ
ック/金属積層物の接着性能が大幅に低下するだけでなく、オーバーラップシー
ムにおける接着性も低下することがときどきある。潤滑油を使用するとさらに、
プラスチック/金属積層物と影響を受けたプロセス表面との間に誘導問題(guida
nce problem)を引き起こすことがときどきある。
したがって業界においては、減少した破損率を示し、減少したフレーキングと
ダスティングを示し、外被部材に対する接着力を保持もしくは増大させ、そして
オーバーラップシームにおける接着力を保持もしくは増大させると共に、電気ケ
ーブルのような物品に製造する際に必要となる潤滑油を使用しなくて済むか、あ
るいは前記潤滑油の使用量を大幅に減少できるようなプラスチック/金属積層物
が求められている。
本発明は、プラスチック/金属積層物をケーブルや他の成形プラスチック/金属
物品に造形および成形するときに、プラスチック/金属積層物(たとえば、プラ
スチック被覆したケーブルシールドテーブ)の摩耗、フレーキング、ダスティン
グ、および破損などの問題点を実質的に解消すると共に、潤滑油を使用する必要
性を実質的に少なくするか又はなくす。プラスチック/金属複合物のプラスチッ
ク層に充分な量のエンボッサー(embosser)を導入して積層物の摩擦係数を実質
的に低下させることによって、そしてプラスチック層の表面をエンボスすること
によって、これらの問題点が実質的に解決される、ということを発明者は見いだ
した。
本発明のプラスチック/金属積層物は、プラスチック/金属複合物品(たとえば電
気ケーブル)中に組み込むと、改良されたヒートシール適性および外側外被部材
に対する改良された接着性を示す。
したがって1つの態様においては、本発明は、金属支持体、および前記金属支
持体に直接または中間ポリマー層を介して接着された少なくとも1つの表面層を
含んだプラスチック/金属積層物であり、このとき前記表面層は本質的に、ベー
ス接着剤ポリマー、または積層物の摩擦係数を実質的に低下させるのに充分な量
の、そして前記表面層をエンボスするのに充分な量のエンボッサーとポリマーと
のブレンドからなる。
他の態様においては、本発明は、少なくとも1種の絶縁導体またはグラスファ
イバーで造られたコアー、前記コアーを取り囲んでいるシールド、および前記シ
ールドを取り囲んでいて前記シールドに接着されている外側プラスチック外被を
含んだ、より最終製品に近いプラスチック/金属複合物品であり、このとき前記
シールドは、金属支持体、および前記金属支持体に直接または中間ポリマー層を
介して接着された表面層を含み、前記表面層は本質的に、ベース接着剤ポリマー
、またはポリマーとエンボッサーとのブレンドからなり、前記シールドが、エン
ボッサーがその中に存在していない点のみ異なる類似のシールドに比較して、前
記外側プラスチック外被に対してより大きな結合強さを示し、また前記シールド
が、エンボッサーがその中に存在していない点のみ異なる類似のシールドに比較
して、より大きなヒートシール値を示す。
図1は、本発明の実施態様に対するヒートシール適性の試験結果をグラフで表
したものである。
1つの実施態様においては、本発明は、単層または複数層の熱可塑性接着剤系
である。本発明の接着剤系は、ベース接着剤樹脂および接着剤系の摩擦係数(COF
)を低下させるのに充分な量の、そして接着剤系をエンボスするのに充分な量の
エンボッサーから本質的になる少なくとも1つの層を含む。本発明の接着剤系は
一般に、0.1ミル(2.54μm)〜5ミル(127μm)の厚さを有する。0.2ミル(5.08
μm)〜5ミル(127μm)の厚さを有する接着剤系がさらに好ましく、1ミル(25.
4μm)
〜2.5ミル(63.5μm)の厚さを有する接着剤系最も好ましい。
本発明の他の実施態様は、本発明の接着剤系を、ストリップまたはテープの形
態で金属支持体の一方または両側に施すことによって形成されるプラスチック/
金属積層物である。本発明の接着剤系は、当業界によく知られている方法(たと
えば、押出被覆や押出貼り合わせ)によって施すことができる。本発明のプラス
チック/金属積層物は、一般には2ミル(50.8μm)〜25ミル(635μm)の厚さを
有し、好ましくは4ミル(101.6μm)〜15ミル(381μm)の厚さを有する。
本発明のさらに他の実施態様は、コアー部材、前記コアー部材を取り囲んでい
るシールド部材、および前記シールド部材を取り囲んでいて前記シールド部材に
接着されている外側熱可塑性外被部材、を含んだ複合構造物であり、このとき前
記シールド部材は、本質的に本発明のプラスチック/金属積層物からなる。
本発明の接着剤系は、プラスチック/金属積層物の金属支持体と、前記積層物
が組み込まれる複合物品の外被部材の両方に接着できなければならない。複数層
接着剤系においては、外側層もしくは表面層(すなわち、外被部材に接着させよ
うとする層)は、必要かつ充分な量のエンボッサーを含有していなければならな
い。複数層接着剤系においては、表面層以外の層は、必ずしもエンボッサーを含
有する必要はなく、表面層と同じ又は異なったベース接着剤樹脂を含んでもよい
。
本発明のベース接着剤樹脂に使用するのに適した熱可塑性ポリマー(ベース接
着剤ポリマー)は、通信用ケーブルを製造するのに有用な積層物を造ることので
きる、当業界に一般的に知られているものである。好ましいベース接着剤ポリマ
ーとしては、過半量のエチレンと半量未満(たとえば、コポリマーの重量を基準
として、一般には1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%)のエチレン性飽和カ
ルボン酸モノマーとの通常知られている固体ランダムコポリマーがある。このよ
うな適切なエチレン性不飽和カルボン酸(この用語は、一塩基酸、多塩基酸、酸
無水物、および多塩基酸の部分エステルだけでなく、これらの種々の金属塩も含
む)の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマール
酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイ
ン酸モノエチル、フマール酸モノメチル、フマール酸モノエチル、マレイン酸ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテル、およびマレイン酸エチレングリコ
ールフェニルエーテルなどがある。カルボン酸モノマーは、1分子当たり3〜8
個の炭素原子を有するα/β−エチレン性不飽和のモノ及びポリカルボン酸とこ
れらの酸無水物、ならびにこのようなポリカルボン酸の部分エステルから選ぶの
が好ましく、このとき酸部分は少なくとも1つのカルボン酸基を有し、アルコー
ル部分は1 〜20個の炭素原子を有する。このようなコポリマーは、本質的に上記
エチレン性不飽和の酸コモノマーもしくは無水物コモノマーの1種以上とエチレ
ンとからなっていてもよいし、あるいはエチレンと共重合可能な少量の他のモノ
マーを含有してもよい。したがってコポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、
およびこれらに類似の酸のエステルを含めた他の共重合可能なモノマーを含有し
てもよい。このようなタイプのランダムコポリマー、およびこれらの製造法につ
いては当業界において知られている。
本発明において使用するのに適した他の熱可塑性ポリマーとしては、一般には
エチレン性オレフィンポリマーである公知のオレフィンポリマー〔たとえば種々
のエチレンホモポリマー(たとえば、0.82〜0.96g/ccの範囲の密度を有する超低
密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、および高密度ポリエチレン)〕、過半量のエチレンと半量未満の公知
の共重合可能なモノマー〔たとえば、より炭素数の多い(たとえばC3〜C12の
)α−オレフィン、エチレン性不飽和エステルモノマー(たとえば、酢酸ビニル
やアクリル酸エチルなど)〕を含んだコポリマー、およびこのようなエチレン性
ホモポリマーやコポリマーのグラフト変性物(たとえば、アクリル酸や無水マレ
イン酸などでグラフトしたもの)がある。上記タイプのオレフィンポリマーやオ
レフィンコポリマー、化学的変性を施した上記タイプのオレフィンポリマーおよ
び/またはオレフィンコポリマー、ならびにこれらの製造法については当業界に
おいてよく知られている。
本発明の1つの実施態様においては、ベース接着剤樹脂は、(a)エチレンと
エチレン性不飽和カルボン酸モノマーとのランダムコポリマーと、(b)少なく
とも1種の異なったエチレン性オレフィン、および/またはエチレン/不飽和カ
ルボン酸のランダムコポリマーではないエチレン性オレフィンポリマー樹脂のコ
ポリマーとのブレンドである。ベース接着剤樹脂は、ベース接着剤樹脂の重量を
基準として好ましくは5〜95%の、さらに好ましくは50〜95%の、そして最も好
ましくは65〜95%の(a)を含む。ベース接着剤樹脂はまた、ベース接着剤樹脂
の重量を基準として好ましくは0〜95%の、さらに好ましくは0〜50%の、そし
て最も好ましくは5〜20%の(b)を含む。
さらに、“エチレンとエチレン性不飽和カルボン酸とのランダムコポリマー”
というとき、この言葉は、当業界において“アイオノマー”と通常呼ばれている
公知の部分中和もしくは完全中和物も含むものと理解しなければならない。さら
に、“異なったエチレン性オレフィン、および/またはエチレン/不飽和カルボ
ン酸のランダムコポリマーではないエチレン性オレフィンポリマー樹脂のコポリ
マー”というとき、この言葉は、エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物もしくは
無水物前駆体、エチレン性不飽和ジカルボン酸のエステル、およびこれらのゴム
変性誘導体を使用して、共重合法またはグラフト共重合法によって変性を施すこ
とのできるエチレン性オレフィンポリマーを含むものと理解しなければならない
。
一般には、本発明において有用なエンボッサーは、当業界において有機充填剤
もしくは無機充填剤としても知られているものである。本発明での使用に適切な
エンボッサーは、実質的に非相容性で、化学的に不活性で、且つベース接着剤ポ
リマーに対して不溶性であるのが望ましい。“非相容性である”とは、ベース接
着剤ポリマーとの化学結合(たとえばポリマー結合)を実質的に起こさないこと
、そして好ましくはフィルム中の他のいかなる物質に対しても化学結合を起こさ
ない、ということを表している。“化学的に不活性である”とは、ベース接着剤
ポリマーに対して、あるいは好ましくはベース接着剤樹脂中の他の全ての成分に
対して実質的に溶解できない、ということを表している。“不溶性である”とは
、エンボス加工された表面の物理的保全性が実質的に保持されるような程度まで
は、ベース接着剤ポリマーに対して実質的に溶解できない、ということを表して
いる。
エンボッサーの量は、フラスチック/金属積層物のCOFを実質的に低下させるに
の充分な、且つプラスチック/金属積層物の表面をエンボスするのに充分な量で
な
ければならない。プラスチック/金属積層物の表面をエンボスするとは、高さが
接着剤層の厚さの1/100〜1/4のボスが表面に存在するようにする、というこ
とを意味している。ボスがより大きいと表面が粗くなりすぎ、フィルムの強度及
び他の特性が悪影響を受ける。ボスがより小さいと、一般には、プラスチック/
金属積層物のCOFを減少させる上であまり効果的でなくなる。表面のエンボスは
、ASTM D374にしたがって熱可塑性ポリマーの接触測定値の差を測定することに
よって、および ASTM E252にしたがって熱可塑性ポリマーの重量測定値の差を測
定することによって評価した。
表面層は、0.1〜16重量%のエンボッサーを含有するのが好ましく、2〜16重
量%のエンボッサーを含有するのがさらに好ましく、そして4〜8重量%のエン
ボッサーを含有するのが最も好ましい。
本発明において使用するのに適した有機エンボッサーの例としては、粒状のポ
リエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、ポリスチレン、
耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、アクリロ
ニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、およびポリカーボネートなどがある。
適切な無機エンボッサーとしては、粒状のグラファイト、マイカ、白亜、硫酸カ
ルシウム、炭酸カルシウム、タルカムパウダー、ベントナイト、バライト、カオ
リン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ミネラルコロイ
ド、葉ろう石、セライト、シリカ、および白土などがある。好ましいエンボッサ
ーは、ベース接着剤ポリマー中において非相容性で、非吸湿性で、そして非微孔
質であるようなエンボッサーである。最も好ましいエンボッサーはマイカであり
、マイカは、プラスチック/金属積層物に均一なエンボス表面を効果的に付与す
る能力だけでなく、プラスチック/金属積層物の接着特性を改良する能力も有す
る。
プラスチック/金属複合物のCOFを実質的に減少させるとは、生じる静止摩擦係
数もしくは初期摩擦係数、および生じる動摩擦係数もしくはすべり摩擦係数の両
方が、いかなるエンボッサーも存在していないこと以外は本質的に同一のプラス
チック/金属積層物の静止摩擦係数および動摩擦係数より低いということを意味
している。 ASTM D1894の変法を使用して、プラスチック/金属積層物の静止摩
擦係
数と動摩擦係数を測定した(実施例Iを参照)。プラスチック/金属積層物の静
止摩擦係数は、ASTM D184の変法による測定にて、0.40以下であるのが好ましく
、0.30以下であるのがさらに好ましく、そして0.20以下であるのが最も好ましい
。プラスチック/金属積層物の動摩擦係数は、ASTM D184の変法による測定にて、
0.40以下であるのが好ましく、0.30以下であるのがさらに好ましく、そして0.20
以下であるのが最も好ましい。
本発明のプラスチック/金属積層物は改良された接着力を示す。接着特性は、A
STM B736の変法にしたがって、プスチック/金属積層物の剥離強さを測定するこ
とによって評価した(実施例IIを参照)。外被部材に通常使用される材料に対す
るプラスチック/金属積層物の接着力は、ASTM 1876 の変法を使用して測定した
(実施例Vを参照)。さらに、ここで言う“改良された接着力”とは、接着力が
、エンボッサーが存在しないこと以外は本質的に同一のプラスチック/金属積層
物もしくは複合物品を使用したときに観察される接着力より改良されている、と
いうことを意味していることに留意しなければならない。
本発明の複数層接着剤系の層間の接着力は、ASTM B736の変法による測定にて
、少なくとも5ポンド/インチであるのが好ましく、少なくとも8ポンド/インチ
(142.86kg/m)であるのがさらに好ましく、そして少なくとも12ポンド/インチ
(214.30kg/m)であるのが最もこのましい。被覆層(すなわち、電気ケーブルに
おける外側絶縁外被層)と本発明のプラスチック/金属積層物との間の接着力は
、ASTM 1876の変法による測定にて少なくとも8ポンド/インチであるのが好まし
く、少なくとも10ポンド/インチ(178.58kg/m)であるのがさらに好ましく、そ
して少なくとも15ポンド/インチ(267.87kg/m)であるのが最も好ましい。
本発明において使用される金属支持体(たとえばシート、ストリップ、及び箔
など)の厚さは重要なことではない。金属支持体は、一般には3ミル(76.2μm
)〜25ミル(635.00μm)の厚さを有し、好ましくは4ミル(101.60μm)〜15ミ
ル(381.00μm)の厚さを有する。金属支持体は、たとえばアルミニウム、アル
ミニウム合金、合金クラッドアルミニウム、銅、表面変性銅、青銅鋼、錫非含有
鋼(tin free steel)、ブリキ板鋼、アルミナイズ鋼、アルミニウムクラッド鋼
、
ステンレス鋼、銅クラッドステンレス鋼、銅クラッド低炭素鋼、ターンプレート
鋼、亜鉛めっき鋼、クロムめっき鋼、クロム処理鋼、鉛、マグネシウム、錫、お
よびこれらの類似物等の多種多様な金属材料で構成されていてよい。当然のこと
ながら、このような金属は表面処理してもよいし、必要であれば表面に化成被覆
を有していてもよい。特に好ましい金属支持体としては、クロム/酸化クロム被
覆鋼(当業界では錫非含有鋼とも呼ばれる)、ステンレス鋼、アルミニウム、お
よび銅で構成されるものがある。
本発明の接着剤系は、所望する適切な方法で金属支持体に施すことができる。
たとえば、従来の押出被覆法を使用して、選択した金属支持体に接着剤系を施す
ことができる。これとは別に、従来のフィルム貼り合わせ法を適切に使用して、
接着剤皮膜系を所望の金属支持体に接着させることもできる。さらに、従来の同
時押出法とフィルム貼り合わせ法との組合せも利用することができる。たとえば
、先ず最初に接着剤系をフィルムとして押出もしくは同時押出して、このフィル
ムを金属支持体の1つまたは2つの表面に積層するのが望ましい。実施例
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれらの実
施例によって限定されることはない。特に明記しない限り、以下の実施例におけ
る部およびパーセントは全て重量基準である。実施例I
本実施例においては、従来のインフレート法を使用して厚さ1.6ミル(40.64μm
)の単層接着剤フィルムを作製した。この接着剤フィルムは、ベース接着剤樹脂
および高密度ポリエチレンと40重量%のマイカ〔デュポン・カナダから市販のマ
イカフィル(Micafil)40〕とのブレンドを含有した。ベース接着剤樹脂は、エ
チレン/アクリル酸(″EAA″)ランダムコポリマーとオレフィンポリマーとの
ブレンドであった。EAAコポリマーは、コポリマーの重量を基準として6重量%
のアクリル酸を含有し、メルトインデックスは5.5であった。使用したオレフィ
ンポリマーは、5.5のメルトインデックスと0.916g/ccの密度を有するポリエチレ
ン(″LDPE-1″)または5.0のメルトインデックスと0.958g/ccの密度を有するポ
リエチレン
(″HDPE-1″)であった。種々のサンプルにおいて使用したEAA、LDPE-1、HDPE-
1、およびマイカフィル40の量を表Iに示す。
厚さ7.5ミル(190.5μm)のアルミニウムシートの一方の側に種々のフィルム
サンプルを積層した。このようなサンプルの作製において、空気循環炉中にて金
属を300°F(148.89℃)で1分予備加熱し、次いでこの予備加熱された金属シー
トと指示の単層フィルムとを一組のゴムニップロールを通して引っ張ることによ
って、指示の単層フィルムを積層した。こうして得られた積層物を、空気循環炉
中にて1分間 300°F(148.89℃)で後加熱した。種々の試験を行う前に、こう
して得られた後加熱積層物を、50%の相対湿度を有する73°F(22.78℃)の空気
中で少なくとも12時間平衡化させた。
得られた積層物サンプルを、型板を使用して2.75インチ(6.99cm)×4.00イン
チ(10.16cm)のピース(大きい方の寸法が縦方向)にカットした。5インチ/分
のクロスヘッド速度、2000gのロードセル、#7の高ラスターステンレス鋼プレ
ート、および1kgのスレッドを使用したこと、コンディショニングが73°F(22.
78℃)にて50%相対湿度で少なくとも12時間であったこと、そしてが少なくとも
5個の試験片に対して試験を行ったこと以外は、ASTM D1984にしたがって、標準
的で一定の実験室条件にて積層物サンプルを摩擦係数(COF)試験に付した。COF
試験の結果を表Iに示す。
積層物を作製するのに使用される接着剤フィルム中にマイカを組み込まなかっ
たこと以外は、上記実施例と同様の方法で対照標準サンプルを作製して試験した
。
表Iの結果から、比較的高いレベルの高密度ポリエチレンを使用している積層
物は、対照標準によって示されるCOF値より低いCOF値を示すことがわかる(サン
プルI-1 vs 対照標準)。しかしながら表Iの結果はさらに、サンプル積層物中
にマイカを組み込むと、COF値がより一層減少することを示している。実施例II
実施例Iの積層物の場合と同様の方法で積層物を作製した。実施例Iに使用さ
れているオレフィンポリマー(すなわち、LDPE-1とHDPE-1)に加えて、1.9のメ
ルトインデックスと0.925g/ccの密度を有する追加の低密度ポリエチレン(LDPE-
2)を使用した。得られた積層物を、1インチ(2.54cm)幅×6インチ(15.24cm
)の
サンプル(大きい方の寸法が縦方向)にカットした。
12インチ/分のクロスヘッド速度、25kgのロードセル、300°F(148.89℃)の
ヒートシール温度、40psigのヒートシール圧力、および2秒の滞留時間を適用し
たこと、コンディショニングが73°F(22.78℃)にて50%相対湿度で少なくとも
5分であったこと、そしてが少なくとも5個の試験片に対して試験を行ったこと
以外は、ASTM B736にしたがって、標準的な実験室条件にて積層物サンプルを90
℃の熱安定性試験に付した。
比較のため、対照標準サンプルを作製し、他のサンプルと同じ手順で試験した
。対照標準サンプルは、HDPE-1またはマイカフィル40を含有しなかった。
各サンプルに対する熱安定性試験の結果を表IIに示す。
表IIの結果から、EAAとのブレンド中に比較的高いレベルの高密度ポリエチレ
ンを加えると、対照標準サンプルと比較してサンプルの接着特性が大幅に低下す
る
ことがわかる。さらに、低密度および高密度ポリエチレンとのブレンド中にマイ
カを加えると、積層物の接着特性が大幅に低下することがわかる。しかしながら
、エチレン/カルボン酸ランダムコポリマーとのブレンドにおいてマイカ(たと
えばマイカフィル40)と高密度ポリエチレンとのパランスが適切であると、対照
標準積層物と比較してヒートシール適性と接着特性の大幅な改良が得られる(II
-12vs 対照標準)。実施例III
実施例IとIIサンプルと類似の手順でサンプルを作製し試験した。しかしなが
らこの場合、サンプルを作製するのに使用した接着フィルムは、厚さ2.3ミル(5
8.42μm)の2層接着フィルムであって各層の厚さが等しい。この接着フィルム
は、インフレートフィルム法ではなく従来のキャストフィルム法によって作製し
た。比較のため、2.3ミル(58.2μm)厚さの単層フィルムを使用して対照標準サ
ンプルを作製した。実施例IIIの各サンプルは、対照標準と同じ組成を有する金
属と接触している1つの層を有する。各サンプルにおける他の層(表面層)の組
成を表IIIに示す。実施例IおよびIIのサンプルの場合と同様の手順でサンプル
を試験した。得られた結果を表IIIに示す。
実施例IV
実施例IIIのサンプルの場合と同様の手順で二組のサンプルを作製した。一方
の組のサンプルの厚さは1.6ミル(40.64μm)であり、他方の組のサンプルの厚
さは2.3ミル(58.42μm)であった。サンプルの各組は、サンプルIII-対照標準
とサンプルIII-7の両方にしたがって作製したサンプルを含んだ。これらのサン
プルを1インチ×6インチ片にカットした(大きい方の寸法が縦方向)。
200、250、300、350、および400°F(204.44℃)のヒートシール温度を使用
したこと以外は、実施例IIIと同じ ASTM B736 の変法にしたがってサンプルを熱
安定性試験に付した。試験の結果を図1に示す。図1に示されている結果から、
低いヒートシール適性温度にて、ヒートシール適性の実質的な改良が達成される
ことがわかる。図1の結果はさらに、サンプルの厚さの影響は、たとえあるとし
ても殆どないことを示している。実施例V
2層接着フィルムの全厚さが2.3ミル(58.42μm)ではなく1.6ミル(40.64μm
)
であること以外は、実施例IIIのサンプルの場合と同じ手順でサンプルを作製し
た。典型的な外被部材に対する接着性を試験するために、これらのサンプルを異
なった二組の75ミル(1905μm)厚さのポリエチレンシートに圧縮成形して複合
構造物を形成させた。第1の組のシートは高密度ポリエチレン(ユニオンカーバ
イド社から市販のUC3479)を使用して作製し、第2の組のシートは中密度ポリエ
チレン(ユニオンカーバイド社から市販のUC864)を使用して作製した。どちら
の組のシートも、約2.6重量%のカーボンブラックを含有した。
これらの複合構造物を形成するための圧縮成形操作においては、段プレスを使
用した。積層物サンプルをプレス中のシートと接触した状態で配置し、230℃の
温度および15psigの圧力にて3分間圧縮成形を行った。次いで、得られた複合構
造物を段プレス中にて室温に冷却し、プレスから取り出し、そして引き続き1イ
ンチ幅×6インチのストリップにカットした(大きい方の寸法が縦方向)。
2インチ/分のクロスヘッド速度および25kgのロードセルを使用したこと、状
態調節が73°F(22.78℃)50%相対湿度にて12〜48時間であること、ポリマー
層の結合および非結合長さがそれぞれ2.5インチおよび0.5インチであること、そ
して10個の試験片ではなく少なくとも3個の試験片に対して試験を行ったこと以
外は、ASTM D1876にしたがってストリップの幾つかを支持板付き180°剥離試験
(180°peel with backing plate testing)に付した。他のストリップを140°F
(60℃)で7日、30日、60日、および120日にわたって水中に浸漬(すわなちエー
ジング)して平衡化させ、73°F(22.78℃)50%相対湿度にて一晩乾燥し、そ
れから前記の180°剥離試験に付した。
比較のため、使用する接着フィルムが2.3ミル(58.42μm)厚さの単層フィル
ムであること以外は、他のサンプルと同じ手順で対照標準サンプルを作製し、試
験した。各サンプルに対する剥離試験結果を、HDPE-2シートに関しては表 V-Aに
、MDPEシートに関しては表V-Bに示す。表V-Aと表V-Bに示されている結果からわ
かるように、本発明の実施例はエージング後の接着性の改良が認められる。
実施例VI
本実施例においては、実施例IIIの場合と同じ手順で積層物を作製した。得ら
れた積層物を 1 11/16インチ(4.29cm)幅のテープにカットし、造形し、そして
本特許出願明細書に記載の従来のケーブル製造プロセスを使用して電気および/
または通信ケーブルを形成させた。ケーブルを製造するのに使用した積層物を表
VIに示す。また幾つかのケーブル加工データを表VIIに示す。
表VIIの結果から、本発明の積層物を使用すると、プラスチック/金属積層物を
電気および/または通信ケーブルに造り上げる上で実質的な改良を達成できるこ
とがわかる。
特定の実施態様と実施例を挙げて本発明を説明してきたが、これによって本発
明が限定されることはない。
【手続補正書】
【提出日】1997年10月3日
【補正内容】
請求の範囲を次のように訂正する。
『1.a) 金属支持体;および
b) 前記支持体に直接または中間のポリマー層を介して接着された表面
層、このとき前記表面層は本質的に、ベース接着剤樹脂と、積層物の摩擦係数を
実質的に低下させるのに充分な量の、且つ前記表面層をエンボスするのに充分な
量のエンボス材とからなる;
を含む積層物。
2. 前記積層物が、少なくとも5ポンド/in(89.29kg/m)のピークヒートシ
ールと少なくとも5ポンド/in(89.29kg/m)の平均ヒートシールを有する、請求
の範囲第1項に記載の積層物。
3. 前記積層物が、少なくとも8ポンド/in(142.86kg/m)のピークヒート
シールと少なくとも8ポンド/in(142.86kg/m)の平均ヒートシールを有する、
請求の範囲第1項に記載の積層物。
4. 前記ベース接着剤樹脂が本質的に、(a)エチレンとエチレン性不飽和
カルボン酸モノマーとのランダムコポリマーと、(b)少なくとも1種のエチレ
ン性オレフィンおよび/またはエチレン/不飽和カルボン酸ランダムコポリマー
ではないエチレン性オレフィンポリマー樹脂のコポリマーとのブレンドからなる
、請求の範囲第1項に記載の積層物。
5. 前記エチレン性オレフィンポリマー樹脂が、エチレンホモポリマー、お
よびエチレンと重合可能および/またはエチレンと反応する半量未満のコモノマ
ーと過半量のエチレンとを含んだエチレンコポリマーからなる群から選ばれる、
請求の範囲第1項に記載の積層物。
6. 前記エチレンオレフィンポリマーが高密度ポリエチレンである、請求の
範囲第1項に記載の積層物。
7. 前記エンボス材がマイカである、請求の範囲第1項に記載の積層物。
8.a) 金属支持体;
b) 前記金属支持体の少なくとも一方の表面に接着された熱可塑性ポリ
マー中間層、このとき前記中間層は、エチレンとエチレン性不飽和カルボン酸モ
ノマーとのランダムコポリマーを含む;および
c) 本質的に、
i) エチレンとエチレン性不飽和カルボン酸モノマーとのランダムコ
ポリマー;
ii) エチレンとエチレン性不飽和カルボン酸モノマーとのランダムコ
ポリマーではない少なくとも1種のオレフィンポリマー樹脂;および
iii) 積層物の摩擦係数を実質的に低下させるのに充分な量の、且つ
表面層をエンボスするのに充分な量のエンボス材;
からなる、前記中間層に接着された表面層;
を含むプラスチック/金属積層物。
9. 前記積層物が、少なくとも5ポンド/in(89.29kg/m)のピークヒートシ
ールと少なくとも5ポンド/in(89.29kg/m)の平均ヒートシールを有する、請求
の範囲第8項に記載の積層物。
10. 前記積層物が、少なくとも8ポンド/in(142.86kg/m)のピークヒート
シールと少なくとも8ポンド/in(142.86kg/m)の平均ヒートシールを有する、
請求の範囲第8項に記載の積層物。
11. 前記エチレン性オレフィンポリマー樹脂が、エチレンホモポリマー、お
よびエチレンと重合可能および/またはエチレンと反応する半量未満のコモノマ
ーと過半量のエチレンとを含んだエチレンコポリマーからなる群から選ばれる、
請求の範囲第8項に記載の積層物。
12. 前記エチレンオレフィンポリマーが高密度ポリエチレンである、請求の
範囲第8項に記載の積層物。
13. 少なくとも1種の絶縁導体で造られたコアー、前記コアーを取り囲んで
いるシールド、および前記シールドを取り囲んでいて前記シールドに接着されて
いる外側プラスチック外被を含んだ物品であって、このとき前記シールドが本質
的に請求の範囲第1項または第8項に記載の積層物からなる、前記物品。
14. 前記外側外被に対する前記シールドの結合強さが少なくとも
8ポンド/in(142.86kg/m)である、請求の範囲第13項に記載の物品。』
(2) 明細書第19頁末行の次に下記を挿入する。
『 本発明の実施態様は次の通りである。
1.a) 金属支持体;および
b) 前記支持体に直接または中間のポリマー層を介して接着された表面
層、このとき前記表面層は本質的に、ベース接着剤樹脂と、積層物の摩擦係数を
実質的に低下させるのに充分な量の、且つ前記表面層をエンボスするのに充分な
量のエンボス材とからなる;
を含む積層物。
2. 前記積層物が、少なくとも5ポンド/in(89.29kg/m)のピークヒートシ
ールと少なくとも5ポンド/in(89.29kg/m)の平均ヒートシールを有する、上記
第1項に記載の積層物。
3. 前記積層物が、少なくとも8ポンド/in(142.86kg/m)のピークヒート
シールと少なくとも8ポンド/in(142.86kg/m)の平均ヒートシールを有する、
上記第1項に記載の積層物。
4. 前記ベース接着剤樹脂が本質的に、(a)エチレンとエチレン性不飽和
カルボン酸モノマーとのランダムコポリマーと、(b)少なくとも1種のエチレ
ン性オレフィンおよび/またはエチレン/不飽和カルボン酸ランダムコポリマー
ではないエチレン性オレフィンポリマー樹脂のコポリマーとのブレンドからなる
、上記第1項に記載の積層物。
5. 前記エチレン性オレフィンポリマー樹脂が、エチレンホモポリマー、お
よびエチレンと重合可能および/またはエチレンと反応する半量未満のコモノマ
ーと過半量のエチレンとを含んだエチレンコポリマーからなる群から選ばれる、
上記第1項に記載の積層物。
6. 前記エチレンオレフィンポリマーが高密度ポリエチレンである、上記第
1項に記載の積層物。
7. 前記エンボス材がマイカである、上記第1項に記載の積層物。
8.a) 金属支持体;
b) 前記金属支持体の少なくとも一方の表面に接着された熱可塑性ポリ
マー中間層、このとき前記中間層は、エチレンとエチレン性不飽和カルボン酸モ
ノマーとのランダムコポリマーを含む;および
c) 本質的に、
i) エチレンとエチレン性不飽和カルボン酸モノマーとのランダムコ
ポリマー;
ii) エチレンとエチレン性不飽和カルボン酸モノマーとのランダムコ
ポリマーではない少なくとも1種のオレフィンポリマー樹脂;および
iii) 積層物の摩擦係数を実質的に低下させるのに充分な量の、且つ
表面層をエンボスするのに充分な量のエンボス材;
からなる、前記中間層に接着された表面層;
を含むプラスチック/金属積層物。
9. 前記積層物が、少なくとも5ポンド/in(89.29kg/m)のピークヒートシ
ールと少なくとも5ポンド/in(89.29kg/m)の平均ヒートシールを有する、上記
第8項に記載の積層物。
10. 前記積層物が、少なくとも8ポンド/in(142.86kg/m)のピークヒート
シールと少なくとも8ポンド/in(142.86kg/m)の平均ヒートシールを有する、
上記第8項に記載の積層物。
11. 前記エチレン性オレフィンポリマー樹脂が、エチレンホモポリマー、お
よびエチレンと重合可能および/またはエチレンと反応する半量未満のコモノマ
ーと過半量のエチレンとを含んだエチレンコポリマーからなる群から選ばれる、
上記第8項に記載の積層物。
12. 前記エチレンオレフィンポリマーが高密度ポリエチレンである、上記第
8項に記載の積層物。
13. 少なくとも1種の絶縁導体で造られたコアー、前記コアーを取り囲んで
いるシールド、および前記シールドを取り囲んでいて前記シールドに接着されて
いる外側プラスチック外被を含んだ物品であって、このとき前記シールドが本質
的に上記第1項または第8項に記載の積層物からなる、前記物品。
14. 前記外側外被に対する前記シールドの結合強さが少なくとも
8ポンド/in(142.86kg/m)である、上記第13項に記載の物品。』
(3) 明細書中の下記の箇所に「エンボッサー」とあるを、すべて『エンボス
材』に訂正する。
頁 行
3 26
4 8、16、16〜17、19及び25〜26
5 15及び16
7 16、18及び27
8 9、10、10〜11、12、16、19、21及び26