JPH10511116A - ヘリコバクター・ピロリの新規膜タンパク - Google Patents

ヘリコバクター・ピロリの新規膜タンパク

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JPH10511116A JP9514037A JP51403797A JPH10511116A JP H10511116 A JPH10511116 A JP H10511116A JP 9514037 A JP9514037 A JP 9514037A JP 51403797 A JP51403797 A JP 51403797A JP H10511116 A JPH10511116 A JP H10511116A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)の膜フラクションから得ることができ、SDSの存在下で10%ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動後の分子量が約54kDa、50kDa、32〜35kDaまたは30kDaである、実質的に精製された形態のヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)のタンパクに関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ヘリコバクター・ピロリの新規膜タンパク 本発明の目的は、実質的に精製された形態で新しく得られたヘリコバクター・ ピロリ(Helicobacter pylori)タンパク、および該タンパクを含有する医薬組 成物である。 ヘリコバクター(Helicobacter)は、グラム陰性螺旋状細菌によって特徴付 けられる細菌の属である。いくつかの種は、哺乳動物の胃腸管に集落形成する。 特に、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)、ヘリコバクター・ヘイルマニイ (H.heilmanii)、ヘリコバクター・フェリス(H.felis)およびヘリコバク ター・ムステレ(H.mustelae)が挙げられる。ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)は、最も一般的にヒト感染に関連している種であり、いくつかの一般の 認める稀なケースでは、ヒトにおいてヘリコバクター・ヘイルマニイ(H.heil manii)およびヘリコバクター・フェリス(H.felis)を単離することもできた 。 ヘリコバクター(Helicobacter)は、先進諸国における成人の人口の50% よりも多くに、および、発展途上国の成人の人口のほぼ100%に感染し、これ により、世界的に有力な感染病原体の1つとなった。 ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)は、ある程度まで独占的にヒトにおけ る胃の粘膜の表面に、さらに詳しくは、胃潰瘍および十二指腸潰瘍のクレーター 病変の周囲に見られる。この細菌は、現在、幽門洞胃炎(antral gastritis)の 病因として認識されており、潰瘍の発生に必要とされるコファクターの1つと思 われている。さらにまた、胃癌の発生がヘリコバクター・ピロリ(H.pylori) の存在と関連していると思われている。 したがって、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染を予防または治療し ようとするワクチンの開発が非常に望まれている。かかるワクチンは、ほとんど サブユニット性質のものである。 種々のヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)タンパクは、ある程度までは特 徴付けられているかまたは単離されている。該タンパクは、特に、各々30kDa および67kDaの2つのサブユニットAおよびBからなるウレアーゼ(Hu & Mob ley,Infect.Immun.(1990)58:992;Dunn et al.,J.Biol.Chem.(1990)265 : 9464; Evans et al.,Microbial Pathogenesis(1991)10: 15; Labigne et a l.,J.Bact,(1991)173: 1920);87kDaの液胞細胞毒素(VacA)(Cover & Blaster,J.Biol.Chem.(1992)267: 10570; Phadnis et al.,Infect.Immu n.(1994)62: 1557; WO 93/18150);該細胞毒素に関連する128kDaの免疫優 性抗原(CagA、TagAとも称される)(WO 93/18150; USP 5 403 924);各々 13kDaおよび58kDaの熱ショックタンパクHspAおよびHspB(Suerbaum e t al.,Mol.Microbiol.(1994)14: 595; WO 93/18150);54kDaのカタラー ゼ(Hazell et al.,J.Gen.Microbiol.(1991)137:57);20kDaの原線維 性赤血球凝集素(HpaA);15kDaのヒスチジンに富んでいるタンパク(Hpn )(Gilbert et al.,Infect.Immun.(1995)63:2682);30kD kDaの膜関連リポタンパク(Kostrcynska et al.,J.Bact.(1994)176: 5938) ならびに48〜67kDaの分子量のポーリンHopA、HopB、HopCおよびHop Dのファミリー(Exner et al.,Infect.Immun.(1995)63:1567)である。 これのタンパクのいくつかは、既に、有効なワクチン抗原として提案されてい る。特に、ウレアーゼは、この目的のために用いることができる最も好ましい抗 原であると認識されている(WO 94/9823; WO 95/3824; WO 95/22987; Michetti et al.,Gastroenterology(1994)107:1002)。特に、最適なワクチン効果を 得るためには、いくつかの抗原をワクチンに取り込まなければならないであろう と考えられるので、依然として、新しい抗原についての調査を続ける必要がある 。 概して、別の抗原を高い効力のワクチンに取り込むためには、依然としてこの 別の抗原の同定が必要とされているのは明らかである。 したがって、本発明の課題は、特に、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori) 膜フラクションから得ることができる実質的に精製された形態のヘリコバクター ・ ピロリ(H.pylori)タンパクであり、SDSの存在下で10%ポリアクリルア ミドゲル上での電気泳動後の該タンパクの分子量は、約54kDa、50kDa、3 2〜35kDaまたは30kDaであると思われる。該タンパクが約54kDaの分子 量を有する場合、さらに、抗カタラーゼ抗血清と反応しないと明記される。 抗ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)カタラーゼ抗血清は、特に、実施例 6に記載するようにクロマトグラフィーによって得られるカタラーゼ調製物を用 いて、下記実施例5に記載する免疫化工程に従って調製されてよい。 「実質的に精製された形態」とは、タンパクが自然に存在する環境から分離さ れていることを意味すると解される。特にヘリコバクター・ピロリ(H.pylori )細胞質タンパクおよび周縁細胞質タンパクを欠いている調製物であってもよい 。 見かけの分子量が約54kDaである当該膜タンパクは、以下の工程によって得 ることができる: (i)ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)細菌を1%n−オクチルβ−D グルコピラノシドで抽出し、次いで、遠心分離にかけ; (ii)細菌ペレットを回収し、リゾチームで処理し、音波処理に付し、次いで 、遠心分離にかけ、 (iii)遠心分離ペレットを回収し、20mM Tris−HClバッファー(pH7 .5)で洗浄し、次いで、遠心分離にかけ、 (iv)遠心分離ペレットからなる膜フラクションを回収し、水性媒質(好都合 には、5%ツィッタージェント(zwittergent)3−14を含有する炭酸塩緩衝 液(pH9.5)中)に懸濁させ; (v)該膜フラクションを、0〜0.5M NaCl勾配液(好都合には、0.1 %ツィッタージェント3−14を含有する炭酸塩緩衝液(pH9.5)中)を用い てQ−セファロース(Sepharose)カラム上で陰イオン交換クロマトグラフィー に付し、次いで、1M NaCl(好都合には、0.1%ツィッタージェント3−1 4を含有する炭酸塩緩衝液(pH9.5)中)で洗浄し; (vi)1M NaClによる洗浄の初めに溶出したフラクションを回収し、0〜 0.5M NaCl勾配液(好都合には、0.1%ツィッタージェント3−14を含 有 するTris−HClバッファー(pH7.5)中)を用いてDEAE−セファロース カラム上で陰イオン交換クロマトグラフィーに付し(好都合には、1M NaCl におけるフラクションを、まず、0.1%ツィッタージェント3−14を含有す るTris−HClバッファー(pH7.5)に対して透析する); (vii)0.1〜0.25M NaClで溶出したフラクションを回収する。 見かけの分子量が約50kDaである当該膜タンパクは、以下の工程によって得 ることができる: (i)ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)細菌を1%n−オクチルβ−D グルコピラノシドで抽出し、次いで、遠心分離にかけ; (ii)細菌ペレットを回収し、リゾチームで処理し、音波処理に付し、次いで 、遠心分離にかけ、 (iii)遠心分離ペレットを回収し、20mM Tris−HClバッファー(pH7 .5)で洗浄し、次いで、遠心分離にかけ、 (iv)遠心分離ペレットからなる膜フラクションを回収し、水性媒質(好都合 には、5%ツィッタージェント3−14を含有する炭酸塩緩衝液(pH9.5)中 )に懸濁させ; (v)該膜フラクションを、0〜0.5M NaCl勾配液(好都合には、0.1 %ツィッタージェント3−14を含有する炭酸塩緩衝液(pH9.5)中)を用い てQ−セファロースカラム上で陰イオン交換クロマトグラフィーに付し、次いで 、1M NaCl(好都合には、0.1%ツィッタージェント3−14を含有する炭 酸塩緩衝液(pH9.5)中)で洗浄し; (vi)1M NaClによる洗浄の初めに溶出したフラクションを回収し、0〜 0.5M NaCl勾配液(好都合には、0.1%ツィッタージェント3-14を含有 するTris−HClバッファー(pH7.5)中)を用いてDEAE−セファロース カラム上で陰イオン交換クロマトグラフィーに付し(好都合には、1M NaCl におけるフラクションを、まず、0.1%ツィッタージェント3−14を含有す るTris−HClバッファー(pH7.5)に対して透析する); (vii)0.3〜0.4M NaClで溶出したフラクションを回収する。 見かけの分子量が約30kDaである当該膜タンパクは、以下の工程によって得 ることができる: (i)ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)細菌を1%n−オクチルβ−D グルコピラノシドで抽出し、次いで、遠心分離にかけ; (ii)細菌ペレットを回収し、リゾチームで処理し、音波処理に付し、次いで 、遠心分離にかけ、 (iii)遠心分離ペレットを回収し、20mM Tris-HClバッファー(pH7. 5)で洗浄し、次いで、遠心分離にかけ、 (iv)遠心分離ペレットからなる膜フラクションを回収し、水性媒質(好都合 には、5%ツィッタージェント3−14を含有する炭酸塩緩衝液(pH9.5)中 )に懸濁させ; (v)該膜フラクションを、0〜0.5M NaCl勾配液(好都合には、0.1 %ツィッタージェント3−14を含有する炭酸塩緩衝液(pH9.5)中)を用い てQ−セファロースカラム上で陰イオン交換クロマトグラフィーに付し; (vi)0.28〜0.35M NaClで溶出したフラクションを回収し、0〜0. 5M NaCl勾配液(好都合には、0.1%ツィッタージェント3−14を含有す るTris−HClバッファー(pH7.5)中)を用いてDEAE−セファロースカ ラム上で陰イオン交換クロマトグラフィーに付し(好都合には、1M NaClに おけるフラクションを、まず、0.1%ツィッタージェント3−14を含有する Tris−HClバッファー(pH7.5)に対して透析する); (vii)直接溶出液に対応するフラクションを回収する(NaClの不在)。 見かけの分子量が約32〜35kDaである当該膜タンパクは、以下の工程によ って得ることができる: (i)ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)細菌を1%n−オクチルβ−D グルコピラノシドで抽出し、次いで、遠心分離にかけ; (ii)細菌ペレットを回収し、リゾチームで処理し、音波処理に付し、次いで 、遠心分離にかけ、 (iii)遠心分離ペレットを回収し、20mM Tris−HClバッファー(pH7 . 5)で洗浄し、次いで、遠心分離にかけ、 (iv)遠心分離ペレットからなる膜フラクションを回収し、水性媒質(好都合 には、炭酸塩緩衝液(pH9.5)中)に懸濁させ; (v)(iv)で得た懸濁液を約200,000xgで遠心分離にかけ、上清を 回収し; (vi)(v)で得た上清のpHを、好都合には、リン酸塩緩衝液(pH7)に対 して透析することにより、約pH7に低下させ; (vii)(vi)で得た調製物を、0〜0.5M NaCl勾配液(好都合には、リ ン酸塩緩衝液(pH7)中)を用いてSP−セファロースカラム上で陽イオン交 換クロマトグラフィーに付し;次いで、 (vii)0.25〜0.31M NaClにおいて溶出したフラクションを回収する 。 本発明の54kDa、50kDa、32kDaおよび30kDaタンパクは、おそらく 、内在膜タンパクまたは膜に関連するタンパクである。54kDaタンパクは、抗 カタラーゼ抗体と反応せず、ウェスタンブロット法においても、ドットブロット 法においても反応しない。30kDaタンパクは、抗ウレアーゼAサブユニット抗 体と反応せず、ウェスタンブロット法においても、ドットブロット法においても 反応しない。32kDaタンパクは、アルカリ性タンパクであることを示す;その 分子量は、ある実験条件下でわずかに大きい、例えば約35kDaであると思われ る。 ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)菌株(ATCC 43579)の50k DaタンパクのN−末端配列は、以下のとおりである(一文字記号):MKEK FNRTKPHVNIGTIGHVDH。この情報は、上記で示した方法に従っ て精製することができる等価なタンパクがわずかに異なるN−末端配列を有する ことができるという事実を排除しない。というのは、該タンパクが別の細菌株か ら誘導されるかもしれないからである。かかる差異は、実際には、同一種内で一 般的に遭遇する対立遺伝子的変化(allelic variance)の現象を反映する。例え ば、細菌種は、通常、マイナーな対立遺伝子的特徴においてお互いに異なる菌株 のグループによって表される。種々の菌株において同一の生物学的機能を満たす ポリペプチドは、全ての菌株について異ならないアミノ酸配列を有する。かかる 対立遺伝子的変化は、DNAにも存在する。 アミノ酸配列のレベルでの対立遺伝子的差異は、生物学的機能を変化させない 、アミノ酸の1つ以上の置換、欠失または付加からなっている。 「生物学的機能」とは、(たとえ該機能が絶対的に不可欠なものでなくても) 該タンパクが自然に存在する細胞の生存に関係するタンパクの機能を意味すると 解される。例えば、ポーリンの機能は、外部環境中に存在する化合物を細胞の内 側に進入させることである。該生物学的機能は、抗原機能とは異なる。タンパク は、1つ以上の生物学的機能を有してもよい。 本発明の課題は、ヘリコバクター(Helicobacter)属の細菌、例えば、ヘリ コバクター・ピロリ(H.pylori)、ヘリコバクター・ヘイルマニイ(H.heil manii)、ヘリコバクター・フェリス(H.felis)およびヘリコバクター・ムス テレ(H.mustelae)から前記のプロセスの1つに従って精製されてもよい実質 的に精製された形態のタンパクでもある。 本発明の課題は、前記プロセスのうちの1つに従って精製することができるヘ リコバクター(Helicobacter)タンパクに抗原性により類似している範囲にお ける、実質的に精製された形態のタンパクまたはポリペプチドでもある。ポリペ プチドに関する場合、該ポリペプチドは、特に、自然に存在し、かつ、精製され た形態が前記プロセスのうちの1つに従って得られてよいタンパクの、断片化に よって、または、1つ以上のアミノ酸の突然変異によって、例えば、欠失、付加 または置換によって、誘導されたポリペプチドである。かかるポリペプチドは、 特に、ペプシンまたはトリプシンなどのプロテアーゼによる酵素的消化によって 得られてよい。かかるポリペプチドは、前記プロセスのうちの1つに従って精製 される必要がない。 本明細書では、分子のサイズ(アミノ酸鎖の長さ)および起こりうる翻訳後修 飾とは無関係に「タンパク」および「ポリペプチド」なる用語を用いる。該明細 書では、以下、「ポリペプチド」なる用語は、断片化または突然変異によりタン パクから誘導された生成物を表す。 本発明のタンパクまたはポリペプチドは、前記プロセスに従って精製すること ができるヘリコバクター(Helicobacter)タンパクに対して生じた単一特異性 抗体によって認識することができる。この特異的抗原性は、多くの方法に従って 明らかにされる;例えば、ウェスタンブロット法(Towbin et al.,PNAS(1979 )76: 4350)、ドットブロット法およびELISA。 ウェスタンブロット法では、例えば精製された調製物の形態または細菌抽出物 の形態のいずれかの、試験しようとする生成物を、Laemmli U.K.,Nature(197 90)227: 680に開示されているようなSDS−Pageゲル電気泳動(10%ポリ アクリルアミド)に付す。ニトロセルロース膜での移動後、細菌抽出物の形態の 生成物を、1:50〜1:5000、好ましくは1:100〜1:500の希釈 範囲で希釈された単一特異性高度免疫血清と一緒にインキュベートする。試験生 成物に対応するバンドが前記で確立された範囲に含まれる希釈液の1つで反応性 を示すとすぐに特異的抗原性が示される。 ELISAでは、試験しようとする生成物は、好ましくはウエルを被覆するた めに用いられる。好ましくは、精製された調製物が用いられるが、全抽出物を用 いることもできる。すなわち、10μg/mlのタンパクを含有する調製物100 μlを96ウエルプレートのウエルに分配する。該プレートを37℃で2時間、 次いで、4℃で一晩インキュベートする。該プレートを、0.05%Tween 20 を含有するPBS(リン酸塩緩衝化生理食塩水)バッファー(PBS/Tweenバ ッファー)で洗浄する。該ウエルを、1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有 するPBS 250μlで飽和させる。全体を37℃で1時間インキュベートし、 次いで、該プレートをPBS/Tweenバッファーで洗浄する。単一特異性ウサギ 抗血清を、0.5%BSAを含有するPBS/Tweenバッファー中で連続希釈す る。希釈液100μlを各ウエルに添加する。該プレートを37℃で90分間イ ンキュベートし、次いで、洗浄する。該プレートを標準的な方法に従って可視化 する。例えば、ウサギイムノグロブリンに対するコンジュゲートペルオキシダー ゼ−ヤギイムノグロブリンをウエルに添加する。インキュベーションを37℃で 90分間続け、次いで、該プレートを洗浄する。適切な基質との反応を発生させ る。該反応を比色定量分析によって測定する(分光分析法によって測定した吸光 度)。 これらの条件下、OD値1が少なくとも1:50、好ましくは少なくとも1:5 00の希釈液に関連する場合に正の反応が観察される。光学密度を測定する適切 な波長は、基質に依存する。 ドットブロット法では、好ましくは、試験しようとする生成物の精製された調 製物を用いるが、全抽出物を用いることもできる。すなわち、100μg/mlの タンパクを含有する試験しようとするタンパクの調製物を50mM Tris−HCl (pH7.5)中で2回連続希釈する。各希釈液100μlを96ウエルドットブ ロット装置[バイオラド(Biorad)]において0.45μmのニトロセルロース 膜に適用する。真空下に放置して、バッファーを除去する。50mM Tris−H Cl(pH7.5)の添加によりウエルを洗浄し、膜を風乾させる。該膜をブロッ キングバッファー(50mM Tris−HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、1 0g/lスキムミルク)で飽和させ、次いで、1:50〜1:5000、好ましく は1:50〜1:500の範囲で希釈した単一特異性抗血清と一緒にインキュベ ートする。該反応を標準的な方法に従って可視化する。例えば、ウサギイムノグ ロブリンに対するコンジュゲートペルオキシダーゼ−ヤギイムノグロブリンをウ エルに添加する。インキュベーションを37℃で90分間続け、次いで、該プレ ートを洗浄する。適切な基質との反応を発生させる。該反応を比色定量分析また はケミルミネッセンスによって測定する。これらの条件下、少なくとも1:50 、好ましくは少なくとも1:500の希釈液に関連して、比色定量分析による可 視化については直接的にニトロセルロースシート上での、またはケミルミネッセ ンスによる可視化については写真フィルム上での、スポットのレベルで色が観察 されると、反応は正である。 特定の具体例によると、本発明のタンパクは、特に、ヘリコバクター(Helic aobacter)からの精製によって得られるか、または、異種系における組換えルー トにより発現される(本発明のポリペプチドについての場合でもある)。発現さ れた場合、タンパクは、最初の菌株から誘導される対応するタンパクのものと同 一ではない翻訳後修飾を示す。 本発明のタンパクまたはポリペプチドの治療効果または予防効果は、標準的な 方法に従って、例えば、マウス/ヘリコバクター・フェリス(H.felis)モデ ルなどを用いて粘膜免疫応答の誘発または治療効果または防御効果を有する免疫 応答の誘発を測定することによって、ならびに、以下の注意[該タンパクがヘリ コバクター・フェリス(H.felis)以外の種から誘導される場合、ヘリコバク ター・フェリス(H.felis)菌株の代わりに、該タンパクが誘導され、このた めに適する種に属するヘリコバクター(Helicaobacter)菌株を用いるべきであ る]をするという条件で(他の実験条件は、同一のままである)Lee e tal.,Eu r.J.Gastroenterology & Hepatology,(1995),7:303またはLee et al.,J. Infect.Dis.(1995)172: 161に開示されている方法によって評価される。例え ば、防御効果または治療効果を誘発するためのヘリコバクター・ピロリ(H.py lori)タンパクから断片化により誘導されるポリペプチドの能力は、代わりにヘ リコバクター・ピロリ(H.pylori)菌株を用いることによって試験される。か かる菌株は、例えば、Kleanthous et al.,Abstr.presented at the VIIIth In ternational Workshop on Gastroduodenal Pathology 7-9th July 1995,Edinbu rgh,Scotlandによって提案されている。防御効果は、胃組織における感染が対 照グループと比較して減少すると観察される。感染は、ウレアーゼ活性、細菌負 荷または白血球浸潤を試験することによって評価される。例えば、攻撃誘発の後 に胃組織におけるウレアーゼ活性の減少が見られる場合、それが完全に破壊され なくても、部分的な防御があると評価するのは道理に基づいている。 したがって、本発明は、(i)本発明のタンパクまたはポリペプチドおよび希 釈剤または担体からなる組成物;特に(ii)活性成分としての予防的または治療 的観点から有効な量のタンパクまたはポリペプチドからなる、特にヘリコバクタ ー(Helicobacter)感染の予防用または治療用の医薬組成物;(iii)治療剤ま たは予防剤としての本発明のタンパクまたはポリペプチドの使用;(iv)ヘリコ バクター(Helicobacter)感染の予防薬または治療薬の調製のための本発明の タンパクまたはポリペプチドの使用;ならびに(v)免疫応答を生じさせるよう に本発明のタンパクまたはポリペプチドの免疫学的に有効な量を哺乳動物に投与 することを特徴とする、哺乳動物におけるヘリコバクター・ピロリ(H.pylori )、 ヘリコバクター・ヘイルマニイ(H.heilmanii)、ヘリコバクター・フェリス (H.felis)およびヘリコバクター・ムステレ(H.mustelae)などのヘリコ バクター(Helicobacter)に対する免疫応答を誘発するための方法;特に(vi )予防的または治療的に有効な量の本発明のタンパクまたはポリペプチドを個体 に投与することからなるヘリコバクター(Helicobacter)感染の予防方法また は治療方法にも関する。 本発明の方法および医薬組成物は、ヘリコバクター(Helicobacter)感染、 したがって、かかる感染に関連する胃腸疾患を治療または予防することができる 。該胃腸疾患は、特に、慢性および萎縮性急性胃炎;消化性潰瘍、例えば、胃潰 瘍および十二指腸潰瘍;胃癌;慢性消化不良;難治性非潰瘍性消化不良;腸上皮 化生ならびにある種のリンパ腫(例えば、低級MALTリンパ腫)である。 本発明の組成物は、ワクチンの技術分野で使用される、特に、粘膜(例えば、 眼球、鼻、口、胃、腸、直腸、膣または尿道)表面を介する慣用的な経路によっ て、または、非経口(例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内または腹腔内)経路 によって投与されてもよい。投与経路の選択は、本発明のタンパクまたはポリペ プチドに関連するアジュバントなどの多くのパラメーターに依存する。例えば、 粘膜アジュバントを用いる場合、鼻経路または口経路が好ましい。脂質製剤を用 いる場合、非経口経路、好ましくは皮下経路または筋肉内経路が選択される。 本発明の組成物は、本発明のタンパクまたはポリペプチドに加えて少なくとも 1つの、ウレアーゼアポ酵素、またはこのウレアーゼのサブユニット、フラグメ ント、同族体、突然変異体もしくは誘導体などの他のヘリコバクター (Helicobacter)抗原からなってもよい。 本発明の組成物の使用については、本発明のタンパクまたはポリペプチドは、 タンパクまたはポリペプチドの標的化を促進するかまたは免疫応答を増強するよ うに、リポソーム、好ましくは、中性もしくは陰イオンリポソーム、マイクロス フェア、ISCOMSまたはウイルス様粒子(VLP)中でまたはこれを用いて 製剤化されてもよい。当業者は、困難なくこれらの化合物を得る;例えば、Lipo somes: A Practical Approach,RRC New ED,IRL press(1990)を参照。 リポソーム以外のアジュバントを用いてもよい。多くは、当業者に知られてい る。かかるアジュバントを以下に挙げる: 非経口投与については、特に、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムおよ びヒドロキシリン酸アルミニウムなどのアルミニウム化合物が挙げられる。抗原 は、標準的な方法によりアルミニウム化合物上に吸着されるかまたは沈殿する。 非経口投与のためにはイムノケム(ImmunoChem)(マサチューセッツ州ハミル トン)からのRIBIなどの他のアジュバントを用いてもよい。 粘膜投与については、特に、細菌毒素、例えば、コレラ毒素(CT)、耐熱性 イー・コリ(E.coli)毒素(LT)、クロストリジウム・ディフィシレ(Clo stridium diffcile)毒素および百日咳毒素(PT)ならびにこれらの毒素の無 毒化形態(サブユニット、トキソイドまたは突然変異体)が挙げられる。例えば 、CTのBサブユニット(CTB)および少量のCTを含有する調製物を用いて もよい。これらの毒素のフラグメント、同族体および誘導体も、アジュバント活 性を保持する限り、同様に適切である。好ましくは、低下した毒性を有する突然 変異体が用いられる。かかる突然変異体は、例えば、WO 95/17211(Arg−7− Lys CT突然変異体)、WO 95/34323(Arg−9−Lys Glu−129−Gly P T突然変異体)およびWO 96/6627(Arg−192−Gly LT突然変異体)に開 示されている。イー・コリ(E.coli)、サルモネラ・ミネソタ(Salmonella minnesota)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)また はシゲラ・フレクスネリ(Shigella flexneri)などの主要細菌リポ多糖(MP LA)のような他のアジュバントを粘膜投与のために用いてもよい。 粘膜投与および非経口投与の両方に有用なアジュバントとしては、特に、ポリ ホスファジン(WO 95/2415)、DC−chol(3−ベーター[N−(N',N'−ジメ チルアミノメタン)カルバモイル]コレステロール(USP 5 283 185およびWO 96/ 14831)およびQS−21(WO 88/9336)が挙げられる。 投与は、単投与として、または、ある期間の後に1回または数回繰り返される 投与として行われてもよい。適切な投与量は、例えば、当業者が決定することが できるような、処置される個体(成人または子供)、ワクチン抗原自体、投与モ ードおよび回数、アジュバントの存在または不在およびアジュバントが存在する 場合のアジュバントのタイプならびに所望の効果(例えば、防御または治療)な どの種々のパラメーターに従って変化する。一般に、本発明の抗原は、10μg 〜500mg、好ましくは1mg〜200mgの範囲の量で投与されてもよい。特に、 非経口投与は、1mgを超えるべきではなく、好ましくは100μgを超えるべき ではないことが示される。高投与量は、例えば経口用に処方されてもよい。製剤 とは無関係に、経口経路によりヒトに投与されるタンパクの量は、例えば、投与 当たり約1〜10mgであり、4週間おきに少なくとも3回の投与が推奨される。 本発明の組成物は、慣用的な方法で調製されてもよい。特に、本発明のタンパ クまたはポリペプチドは、医薬的に許容される希釈剤または担体、例えば、水ま たはリン酸塩緩衝化生理食塩水(PBS)などの生理食塩水と合わせられ、所望 により、例えば組成物を経口投与または胃内投与しようとする場合には0.1〜 0.5Mの、重炭酸ナトリウムなどの重炭酸塩を補足してもよい。一般に、希釈 剤または担体は、投与のモードおよび経路ならびに標準的な製薬プラクティスに 基づいて選択される。医薬的に許容され、医薬製剤における使用に必要である希 釈剤および担体は、Remington's Pharmaceutical Sciences、当該技術分野にお ける標準的な参考テキストおよびUSP/NPに開示されている。 より詳細な方法では、例えば、経口経路により本発明のタンパクまたはポリペ プチドを投与することが提案される。このために、本発明のタンパクまたはポリ ペプチドは、胃液による分解から抗原を保護するために、ゼラチンカプセル中に 単独でまたは他のヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)タンパクの存在下で被 包化されるか、または、重炭酸ナトリウムの存在下で投与されてもよい。かかる 製剤は、既に、医薬組成物のために用いられている(Black et al.,Dev.Biol .Stand.(1983),53: 9)。該タンパクは、他の文献に開示されている方法に従 ってPLGAマイクロスフェア(グリコール酸および乳酸コポリマー)中に被包 化されてもよい(Eldridge et al.,Curr.Top.Microbiol.Immuno.(1989)14 6: 59);該タンパクは、広範に開示されている慣用的な方法に従って製造された リ ポソーム中に被包化されてもよい(Liposomes: a practical approach,Ed.RRC New,D.Rickwood & B.D.Hames,1990,Oxford University Press,ISBN 0-1 9-963077-1)。 別法としては、本発明のタンパクまたはポリペプチドは、非経口経路によって 投与されてもよい。これを行うために、本発明のタンパクまたはポリペプチドは 、完全に慣用的な手段でアルミニウムゲル上に吸着される。pHが6.5付近であ るバッファー中、1mg/mlの溶液のタンパクを、AL+++で測定した10mg/ml の水酸化アルミニウムと1時間接触させる。該調製物の最終組成は、以下のとお りである:PBS中、タンパク50μg/ml、AL+++250μg/ml、メルチオ レート(merthiolate)1/10,000。経口投与の場合、先の投与から4週間 おきに3回注射するのが推奨される。 本発明のポリペプチドは、診断薬としても、例えば、血液試料などの生物学的 試料中の抗ヘリコバクター抗体の存在を検出するためにも有用である。このため に、かかるポリペプチドは、好都合には、5〜80個のアミノ酸、好ましくは、 10〜50個のアミノ酸からなっている。本発明のポリペプチド試薬は、用いら れる診断方法に従って、標識化されていてもいなくてもよい。診断方法は、本明 細書の最初の方に記載している。 他の態様によると、本発明は、本発明のタンパクまたはポリペプチドを認識す ることができる単一特異性抗体を提供するものである。 「単一特異性抗体」とは、単一のヘリコバクター(Helicobacter)タンパク と優先的に反応することができる抗体を意味すると解される。かかる抗体は、免 疫原として実質的に精製されたタンパクを用いて得ることができるのみである。 本発明の抗体は、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であっても よい;モノクローナル抗体は、キメラ的(例えば、ヒト定常部に関連するネズミ 起源の可変部からなる)であるか、または人体に適応させる(超可変部だけは、 動物起源のもの、例えばネズミ起源のものである)および/または単一鎖である 。ポリクローナル抗体は、モノクローナル抗体と同様に、例えばF(ab)'2また はFabフラグメントのような免疫グロブリンフラグメントの形態であってもよい 。 本発明の抗体は、例えばIgGまたはIgAなどのイソタイプのものであってもよ い;ポリクローナル抗体は、単一のイソタイプのものまたはそれらの全てまたは いくつかの混合物であってもよい。 以下、本明細書では、「単一特異性抗体」および「単一特異性抗血清」なる用 語は、互換性をもって用いられる。 本発明のタンパクに対して指向される抗体は、生産され、次いで、例えば、ウ ェスタンブロット法、ドットブロット法またはELISA分析法などの標準的な 免疫学的アッセイを用いて同定される(例えば、Coligan et al.,Current Prot ocols in Immunology(1994)John Wiley & Sons Inc.,New York,NY; Antibod ies: A laboratory Manual,D.Lane,(1988)Harlow Ed.を参照)。 本発明の抗体は、診断において、および、本発明のタンパクもしくはポリペプ チドの大規模な精製のためのアフィニティークロマトグラフィーにおいて有用で ある;かかる抗体は、受動免疫法において治療薬として非常に有用でもある。 したがって、本発明は、(i)本発明の抗体またはポリペプチドからなる、生 物学的試料におけるヘリコバクター(Helicobacter)の存在を検出するための 試薬;および(ii)生物学的試料を本発明の抗体またはポリペプチドと接触させ て、免疫複合体を形成させ、所望により、未結合物質を除去し、試料と本発明の 抗体またはポリペプチドとの間で形成された免疫複合体を、試料または試料が回 収された器官におけるヘリコバクター(Helicobacter)の存在のインジケータ ーとして検出する、生物学的試料におけるヘリコバクター(Helicobacter)の 存在を検出するための診断方法を提供するものである。 容易に理解され得るように、本発明の抗体は、胃抽出物におけるヘリコバクタ ー(Helicobacter)の存在についての試験を可能にする。 診断試験において用いるためには、試薬は、遊離形態で提供されるか、または 、固体支持体上に固定化されていてもよい。該固体指示体は、管、ビーズまたは ウエルなどの当該技術分野で一般的に用いられる支持体であってよい。固定化は 、直接的手段または間接的手段によって得られる。直接的手段は、支持体と試薬 との間の受動的吸着(非共有結合)または共有結合からなる。「間接的手段」と は、 試薬と相互に関係することができる抗試薬化合物をまず固体支持体に結合させる ことを意味する。例えば、ポリペプチド試薬を用いる場合、該試薬を結合するこ とができる抗体は、生物学的試料において存在する抗体の認識に関係しないポリ ペプチドのエピトープに結合することができることを条件として、抗試薬として 用いられる。間接的手段は、リガンド−受容体系を介して、例えば、ビタミンな どの分子をポリペプチド試薬上に融合させ、次いで、固体形態で対応する受容体 を固定化することによって、行われてもよい。これは、例えば、ビオチン−スト レプトアビジン系などによって説明される。別法としては、間接的手段は、例え ば、化学的手段などによりペプチドテールを試薬に付加し、次いで、融合された 生成物を受動的吸着またはペプチドテールの共有結合により固定化することによ って用いられる。 本発明は、生物学的試料を、本発明の単一特異性抗体を用いてアフィニティク ロマトグラフィーに付すことを特徴とする、生物学的試料から本発明のタンパク またはポリペプチドを精製するための方法にも関する。 このためには、抗体は、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体で あってもよく、好ましくは、IgGタイプのものである。精製されたIgGは、一 般的に用いられる方法に従って抗血清から調製される(例えば、Coligan et al. を参照)。 抗体を融合させる標準的な方法と同様に、慣用的なクロマトグラフィー支持体 は、例えば、Antibodies: A Laboratory Manual,D.Lane,Harlow Ed.(1988) に開示されている。 すなわち、生物学的試料、好ましくは、バッファー溶液を、好ましくは生物学 的試料の希釈に用いられるバッファーで平衡化されたクロマトグラフィー材料に 適用して、本発明のタンパクまたはポリペプチド(抗原)を該材料に吸着させる ことができる。本発明の抗体に関連するゲルまたは樹脂などの該クロマトグラフ ィー材料は、浴またはカラムの形態で提供される。未結合のままの成分を洗浄に よって除去し、次いで、該抗原を、例えばグリシンバッファーまたはグアニジン −HClなどのカオトロピック剤もしくは塩リッチ濃縮物(例えば、3M MgCl2 ) を含有するバッファーなどの適切な溶離バッファー中で溶離する。溶出したフラ クションを回収し、次いで、例えば280nmで吸光度を測定することによって、 抗原の存在を検出する。 かかる精製工程は、例えば、全抽出物からタンパクを精製するために用いてよ い。しかしながら、抗体が完全には単一特異性でない場合、精製しようとするタ ンパクの量に関してイムノアフィニティクロマトグラフィーに付される物質を予 め豊富化するのが望ましい。例えば、かかる工程は、SP−セファロース上での 精製の工程からなる前記工程に従って得られるような32kDaタンパクの精製を 行うために用いてよい。 本発明の治療的または予防的有用性は、本発明のタンパクまたはポリペプチド について前記で提案されたLee et al.による防御試験に従って示される。した がって、本発明の課題は、(i)本発明の単一特異性抗体および希釈剤または担 体からなる物質の組成物;特に、(ii)治療的または予防的観点から有効な量の 本発明の単一特異性抗体からなる医薬組成物;(iii)ヘリコバクター(Helico bacter)感染の治療薬または予防薬の調製における本発明の単一特異性抗体の使 用;ならびに(iv)ヘリコバクター(Helicobacter)感染(例えば、ヘリコバ クター・ピロリ(Helicobacter pylori)、ヘリコバクター・フェリス(Helico bacter felis)、ヘリコバクター・ムステレ(Helicobacter mustelae)または ヘリコバクター・ヘイルマニイ(Helicobacter heilmanii))の治療または予 防を必要とする個体に治療的または予防的に有効な量の本発明の抗体を投与する ことを特徴とする、ヘリコバクター(Helicobacter)感染の治療方法または予 防方法でもある。 このためには、単一特異性抗体は、ポリクローナル抗体であってもモノクロー ナル抗体であってもよく、好ましくは(有力的には)、IgAイソタイプのもの である。受動的免疫化方法に関して、該抗体は、好都合には重炭酸塩バッファー の存在下、経口経路または胃内経路によって、粘膜経路によって、例えば、胃粘 膜のレベルで、哺乳動物に投与される。本発明の単一特異性抗体は、単一の活性 成分として、または、ヘリコバクター(Helicobacter)ポリペプチドの各々に 特異的な少なくとも1つの単一特異性抗体からなる混合物として投与されてよい 。この方法で用いられるべき抗体の投与量は、当業者によって容易に決定され得 る。例えば、投与量は、抗体100〜1000mgの日用量で1週間、または、投 与量は、1日3回投与される抗体100〜1000mgからなる投与量で2〜3日 間によって特徴付けられる。 本発明の抗体からなる医薬組成物は、本発明のタンパクまたはポリペプチドか らなる組成物について前記した規則に従って調製される。同様に、同一の医薬的 指示が適用される。 以下の図面を引用して以下に本発明を説明する: 図1は、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)膜フラクションI、IIおよび IIIの調製のための方法の概要を示す。 図2は、10%ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動に付し、クマシーブル ーで染色することによる該膜フラクションI、IIおよびIIIの分析を示す。負荷 した試料は、膜フラクションI(レーン2)、膜フラクションII(レーン3)、 膜フラクションIII(レーン4)および分子量マーカー(レーン1)である。 図3は、10%ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動に付し、クマシーブル ーで染色することによる分取用ゲルから精製したタンパクの分析を示す(レーン 3〜7)。負荷した試料は、HpP1フラクション(レーン3)、HpP2フラク ション(レーン4)、HpP4フラクション(レーン5)、HpP5フラクション (レーン6)、HpP6フラクション(レーン7)、分子量マーカー(レーン1 および8)および膜フラクションI(レーン2)である。 図4は、フラクション7および9(Q−セファロース上での溶離の後に得られ た)のDEAE−セファロース上でパッセージから得たフラクションの分析を示 す。該フラクションを10%または12.5%ポリアクリルアミドゲル上での電 気泳動により分離し、クマシーブルーで染色した。負荷した試料は、フラクショ ン7(レーン2A)、フラクション7.1(レーン3A)、フラクション7.2( レーン4A)、フラクション9(レーン2B)、フラクション9.1(レーン3 B)、フラクション9.2(レーン4B)、フラクション9.3(レーン5B) および分子量マーカー(kDa)(レーン1Aおよび1B)である。 図5は、10%ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動に付し、クマシーブルー で染色した後の、膜フラクションIIIのQ−セファロースカラム上でのクロマト グラフィーから得られたDフラクションの電気泳動プロフィル(レーン3)およ びフラクションDのA−セファロースカラム上でのクロマトグラフィーから得ら れたフラクションD'の電気泳動プロフィル(レーン4)を示す。レーン1は、 分子量マーカーに相当し、レーン2は、膜フラクションIIIに相当する。 実施例1:膜フラクションの調製 1A − 培養 10リットルの発酵槽中、液体媒質中、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori )菌株ATCC 43579を培養した。 グリセロール中の微生物の冷凍試料を用いて、いわゆる「二相」培地(6%ヒ ツジ新鮮血液を含有するコロンビア寒天中の固相および20%ウシ胎児血清を含 有するダイズトリプカーゼ中の液相)を含有する75cm2フラスコに接種した。 微好気性条件下、24時間の培養の後、この培養物の液相を用いて、ヒツジ血液 の不在下の二相培地中、いくつかの75cm2フラスコに接種した。24時間の培 養の後、液相を、10g/リットルのベーターシクロデキストリンを含有する液 体ダイズトリプカーゼ培地中、2リットルのバイオファーメンターに接種するこ とができた。OD 1.5−1.8のこの培養物を、液体培地中、10リットルの 発酵槽に接種した。24時間の培養の後、4℃で30分間、4000xgで遠心 分離にかけて、細菌を収穫した。発酵槽中のヘリコバクター・ピロリ(H.pylo ri)ATCC 43579の培養物10リットルから細菌約20〜30g(湿重量 )を得ることができた。 1B − n−オクチルβ−D−グルコピラノシド(OG)による抽出 上記で得られた微生物のペレットを、培養物のリットル当たり、PBS(リン 酸塩緩衝化生理食塩水;リットル当たり、NaCl 7.650g、リン酸二ナトリ ウム0.724g、リン酸一カリウム0.210g;pH7.2)500mlで洗浄した 。次いで、微生物を、同一条件下、再度、遠心分離にかけた。 得られた細菌ペレット(C1)を、1%のOG溶液[シグマ(Sigma)](培 養物のリットル当たり30ml)に再懸濁させた。細菌懸濁液を、室温で1時間、 磁気撹拌しつつインキュベートし、次いで、4℃で30分間、17,600xg で遠心分離にかけた。 該ペレット(C2)を次の処理のために貯蔵した。 得られた上清(S2)を、4℃で一晩、磁気撹拌しつつ、1/2に希釈したPBS 1リットルに対して2回透析した(MWCO=10000Da、Spectra/por) 。透析の間に形成された沈殿物を、4℃で30分間、2600xgで遠心分離に かけて回収した。上清(S2d)を除去し、膜タンパクを含有するペレット(Cs2 d )を−20℃で貯蔵した。 1C − 微生物の破壊 OGで処理した微生物の遠心分離後に得られたペレット(C2)を20mM Tr is−HClバッファー(pH7.5)および100μMペファブロック(Pefabloc )(バッファーA)に再懸濁させ、次いで、ウルトラ−ターラックス(Ultra-t urrax)(3821、ジャンク・アンド・クンゲル(Janke & Kungel))によ りホモジナイズした。得られたホモジネートをリゾチーム(最終0.1mg/ml) およびEDTA(最終1mM)に暴露した。 該ホモジネートを、4℃で2分間、3回、音波処理し(プローブφ=0.5cm 、パワー=20%、ソニファイヤー450ブランソン(Sonifier 450 Bran son))、次いで、4℃で3分間、210,000xgで超遠心分離にかけた。細 胞質タンパクおよび周縁細胞質タンパクを含有する上清(S3)を除去し、ペレ ットを回収し、バッファーAで洗浄し、次いで、4℃で30分間、210,00 0xgで超遠心分離にかけた。上清(S4)の除去後、ペレット(C4)を−20 ℃で貯蔵した。このペレットは、イントリンジック(intrinsic)膜タンパクお よび周辺膜タンパクを含有した。 周辺膜タンパクを除去するために、ペレットC4を2回洗浄することによって 、この方法を続けた。ペレットC4を50mM NaCO3バッファー(pH9.5) 、100μMペファブロック(Pefabloc)(バッファーB)に再懸濁させた。 懸 濁液を、4℃で30分間、210,000xgで超遠心分離にかけた。上清(S5 )を除去し、次いで、ペレット(C5)を、前記と同一条件下で、洗浄し、超遠 心分離にかけた。上清(S6)の除去後、実質的にイントリンジック膜タンパク を含有するペレット(C6)を−20℃で貯蔵した。 以下、フラクションC4、C6およびCs2dを、各々、膜フラクションI、II およびIIIと称する。 1D − 膜フラクションの分析 Laemmli法(1970)に従って、SDSの存在下、ポリアクリルアミドゲル電気 泳動により種々の膜フラクションを分析した。クマシーブルー染色の後、タンパ クを可視化した。 各フラクションの主要なタンパクを考えると、SDS−PAGEプロフィル( 図2)は、膜フラクションIが膜フラクションIIに非常に類似していることを示 した。他方、これらの2つは、膜フラクションIIIと実質的に異なった。 膜フラクションIのプロフィルは、各分子量87kDa、76kDa、67kDa、 54kDa、50kDa、47kDaおよび32〜35kDaの7つの主要なタンパクバ ンドを示した(レーン2)。抗ureB抗体または抗カタラーゼ抗体の存在下での ウェスタンブロット法により、67kDaのバンドは、ウレアーゼのBサブユニッ トに相当し、54kDaのデンドは、カタラーゼに相当することを示した。これら の2つのタンパクは、フラクションIIのプロフィル(レーン3)には存在しない 。というのは、炭酸塩緩衝液での洗浄は、膜にあまり関連しないタンパクを除去 するからである。膜フラクションIIIのタンパクプロフィルについてと同様に、 76kDa、67kDa、50kDaおよび30kDaの4つの主要なバンドの存在を示 した(レーン4)。 実施例2:分取用SDS−PAGEによる膜フラクションIのタンパクの精製 5%スタッキングゲルおよび10%セパレーティングゲルを用いて、Laemmli 法(1970)に従ってポリアクリルアミドゲル上で電気泳動を行った。膜フラクシ ョンをバッファーAに再懸濁させ、次いで、2X試料バッファーで2分の1に希 釈した。該混合物を95℃で5分間加熱した。タンパク約19mgを大きさ16× 1 2cmおよび厚み5mmのゲル上に負荷した。50Vで2時間、予備移動を行い、6 5Vで一晩、移動させた。該ゲルをクマシーブルーR250(限外濾過に付した 水中0.05%)で染色して、バンドを良好に可視化した。 主要なバンドHpP1、HpP2、HpP4、HpP5およびHpP6を外科用メ スで切断し、25mM Tris−HCl(pH8.8)、8M尿素、10%SDS、1 00μMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)および100μMペ ファブロック(Pefabloc)を含有する抽出バッファー(バッファーC)10ml または20mlの存在下、ウルトラ−ターラックス(Ultra-turrax)中で粉砕し た。各粉砕生成物を、室温で、7barの気圧下、押し出し機の助けにより、ミリ ポア(Milipore)AP20プレフィルター(φfilter=4.7cm、φpore=20 μm)上で濾過した。各粉砕生成物をバッファーC 5〜10mlで洗浄し、上記の とおり濾過した。各々対応する粉砕生成物から得た2つの濾液を合わせた。 各濾液を、3倍容量の、75%メタノールおよび75%イソプロパノールの5 0:50混合物で沈殿させ、次いで、70 TFTローター(J8−55、ベッ クマン(Beckman))上、10℃で16時間、240,000xgで超遠心分離 にかけた。 各ペレットを、10mM NaPO4(pH7.0)、1M NaCl、0.1%サルコ シル、100μM PMSF、100μMペファブロック(Pefabloc)および6 M尿素を含有する可溶化バッファー(バッファーD)2ml中にを取った。溶解し た試料を、連続して、4M尿素および0.1%サルコシルを含有するバッファー D 100mlに対して、2M尿素および0.5%サルコシルを含有するバッファー D 100mlに対して、次いで、尿素を含まず0.5%サルコシルを含有するバッ ファーD 100mlに対して2回、透析した。該透析は、室温で1時間、磁気撹 拌しつつ行った。最終透析物を氷浴中で30分間インキュベートし、次いで、4 ℃で10分間、低速で遠心分離にかけた(バイオフュージ(Biofuge)A、ヘレ ウス・セパテク(Heraeus Sepatech))。上清を回収し、0.45μmのミリポ アフィルター上で濾過し、−20℃で貯蔵した。 各フラクションについてSDS−PAGE分析を行った(図3)。 各フラクションの電気泳動プロフィルの分析は、フラクションHpP1、HpP 2およびHpP4がこれらのフラクショの各々について単一のゲルバンド(各々 、87kDa、76kDaおよび54kDa)を有する純粋なものであることを示した 。フラクションHpP5は、47kDaのバンドで僅かに汚染されている50kDa に高い強度のバンドを有した;同様に、フラクションHpP6は、35kDaのバ ンドで僅かに汚染されている32kDaに高い強度のバンドを有した。 実施例3:膜フラクションIからの30kDa、50kDaおよび54kDaの膜タ ンパクの精製 3A − Q−セファロースカラム上での陰イオン交換クロマトグラフィー 製造者[ファルマシア(Pharmacia)]の推奨に従って、40mlのQ−セファ ロースカラム(φ=2.5cm、h=8cm)を調製した。該カラムを、100μM ペファブロック(Pefabloc)および0.1%ツィッタージェント(zwittergent )3−14を含有する50mM NaCO3バッファー(pH9.5)で洗浄し、次い で、平衡化させた。カラムの流出口で280nmでUV検出することによりクロマ トグラフィーをモニターした。 膜フラクションIの予め溶解させたタンパク140mgをカラムに負荷し、次い で、280nmでの吸光度が安定するまで、平衡化バッファー(50mM NaCO3 (pH9.5)、100μMペファブロック(Pefabloc)および0.1%ツィッタ ージェント(zwittergent)3−14)で洗浄した。平衡化バッファー中0.1〜 0.5M NaCl勾配液によりタンパクを溶離し(10倍VT)、0.5および1M NaClを含有する平衡化バッファーで洗浄した(2倍VT)。回収したフラクシ ョンをSDS−PAGEにより分析し、それらの電気泳動プロフィルに従って種 々のプールに合わせ、次いで、−20℃で貯蔵した。該フラクションは、以下の とおりである: タンパク評価により、タンパクの53%が0〜0.5M NaCl勾配液で溶離さ れ、タンパクの14%がカラムに付着せず、タンパクの33%が1M NaClに おける洗浄の間に溶離されたことが判明した。カラムに結合しなかったタンパク は、pH7.5で正に荷電されるアルカリ性タンパクに相当し、一方、1M NaC lで溶離されたタンパクは、このpHで非常に荷電される酸性タンパクに相当する 。 フラクション7および9の精製を以下のとおり続けた。 3B − DEAE−セファロースカラム上での陰イオン交換クロマトグラフィ ーによるフラクション7および9のタンパクの分離 約10mlのゲル容量について製造者[ファルマシア(Pharmacia)]の推奨に 従ってDEAE−セファロースカラムを調製した(φ=1.5cm、h=5cm)( ゲルのml当たりタンパク最大10mg)。該カラムを、100μMペファブロック (Pefabloc)および0.1%ツィッタージェント(zwittergent)3−14を含 有する50mM Tris−HClバッファー(pH7.5)で洗浄し、次いで、平衡化 させた。前記のとおりカラムの流出口で280nmでのUV検出によりクロマトグ ラフィーをモニターした。 タンパク10mgを含有する平衡化バッファー(50mM Tris−HCl(pH7. 5)、100μMペファブロック(Pefabloc)および0.1%ツィッタージェン ト(zwittergent)3−14)に対して予め透析したフラクション7をDEAE −セファロースカラム上に負荷した。次いで、280nmでの吸光度が安定するま で、該カラムを平衡化バッファーで洗浄した。平衡化バッファー中0〜0.5M NaCl勾配液によりタンパクを溶離し(10倍VT)、次いで、1M NaClを含 有する平衡化バッファーで洗浄した(2倍VT)。回収した回収したフラクショ ンをSDS−PAGEにより分析し、次いで、それらのタンパクプロフィルに従 って種々のプールに合わせ、−20℃で貯蔵した。SDS−PAGEにより、該 フラクション7.1(直接溶出液)は、関心のあるものであることが判明した。 タンパク31mgを含有するフラクション9について同様の精製を繰り返した。 SDS−PAGEにより、各々0.1〜0.25M NaCl、0.3〜0.4M Na Clおよび1M NaClで溶出したフラクション9.1、9.2および9.3は、関 心のあるものであることが判明した。 フラクション7について(図4A)、得られた結果により、30kDaのタンパ クだけ(レーン3;フラクション7.1)が豊富化され、DEAE−セファロー スカラムを介するパッセージの後に部分的に分離され、他のタンパクは、分離さ れなかったことが判明した。フラクション9について(図4B)、電気泳動プロ フィルは、54kDaおよび15kDaの2つのタンパク(レーン3および5;フラ クション9.1および9.3)が分離され、50kDaのタンパクが豊富化された( レーン4;フラクション9.2)ことが判明した。フラクション9.1の54kDa のタンパクは、抗カタラーゼ抗体と反応しなかった。 実施例4:膜フラクションIからの32kDaの膜タンパクの精製 膜フラクションIを50mM NaCO3バッファー(pH9.5)に、室温で30 分間、撹拌しつつ溶解させた。次いで、該懸濁液を、+4℃で30分間、200 ,000xgで遠心分離にかけた。上清を50mM NaPO4バッファー(pH7. 4)に対して透析し、次いで、予め同一のバッファーで平衡化させたSP−セフ ァロースカラム上に負荷した。同一のバッファーでカラムを洗浄した後、該カラ ムを0〜0.5M NaCl勾配液に付した。0.26M〜0.31Mで溶出したフラ クションは、32kDaのタンパクを含有した。 実施例5:フラクションHpP5およびHpP6に対する高度免疫血清の調製 ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の主要な膜タンパクに対して特異的な ポリクローナル血清を、分取用SDS−PAGEによって精製した抗原HpP5 およびHpP6で各々ウサギを高度免疫化することにより得た。フロイント完全 アジュバント中に乳化膜タンパク50μgを含有する調製物で第一注射D0(皮 下マルチサイトおよび筋肉内)を行い、次いで、フロイント不完全アジュバント 中の膜タンパク25μgの注射によりブースターD21およびD42を行った。 該動物をD60で殺した。得られた血清を56℃で30分間補体除去し、0.2 2μmの多孔性の膜(ミリポア)上で濾過することにより滅菌した。 抗HpP5抗血清は、実施例3で得たフラクション9.2において単離した50 kDaタンパクと反応させた。抗HpP6抗血清は、実施例4で得たSP−セファ ロース上で0.26〜0.31M NaClで溶出したフラクションにおいて単離し た32kDaタンパクと反応した。 前記免疫化方法を用いて、実施例3で精製したタンパクの各々に対する抗血清 を生産させることは非常に明白である。これらの実施例において得られた調製物 を、SDS−PAGEゲル上での分取用電気泳動に好都合に付すことができる。 タンパクバンドは、免疫化のための調製物を得るように前記のとおり処理される 。 実施例6:ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)からのカタラーゼの精製 実施例1Aの記載に従って、培養を行った。洗浄した細菌ペレットを、100 μM PMSF(フェニルメチルスルホニルフルオリド シグマ(Sigma))を 含有する50mMリン酸ナトリウムバッファー(pH7.5)(バッファーA)に 、ミリリットル当たり0.1g(湿重量)の最終濃度で再懸濁させた。該懸濁液を 、ウルトラターラックス(Ultraturrax)タイプのミキサーによりホモジナイズ した。次いで、細菌ペレットを、直径1.8cmのプローブを装着したソニファィ ヤー(Sonifier)タイプの装置(ブランソン(Branson))により音波処理に よって破壊した。音波処理は、断続的に、音波処理1分および氷上での静置1分 で行った。10分の音波処理は、懸濁液中の微生物5gを完全に破壊するのに充 分であった。かくして得られた溶解物を、4℃で15分間、4000gで遠心分 離にかけ た。懸濁液を回収し、次いで、再度、4℃で30分間、100,000gで遠心 分離にかけた。この第2の遠心分離からの上清(S2)をクロマトグラフィー精 製のために回収した。この方法で調製したフラクションS2は、Hazell et al. (前掲)の技術またはBeer & Sizer,J.Biol.Chem.(1952)195: 133の技術に 従って測定すると、全「カタラーゼ」酵素活性の約90%を保持していた。 該フラクションS2を、予めバッファーAで平衡化させたS−セファロースカ ラム(ファルマシア(Pharmacia))上に負荷した。該カラムを同一のバッファ 々で洗浄した。該タンパクについて280nmでUV検出器により、カタラーゼに ついて酵素活性により該クロマトグラフィーをモニターした。未結合タンパクの 除去後(基線に戻された280nmでの吸光度)、次いで、カラムをバッファーA 中0〜1M NaClで洗浄した。カタラーゼ活性ピークに対応するフラクション を回収し、分子量切断が100,000ダルトンである膜を装着したアミコン( Amicon)タイプ濃縮セル中で濃縮した。得られた濃縮フラクションを、予めP BSバッファーで平衡化したセファクリル(Sephacryl)S−300HRカラム 上に負荷した。カタラーゼ活性を含有するフラクションを合わせ、1mg/mlに濃 縮し、PBSバッファーに対して透析した。最終溶液を0.22μmの多孔性の膜 上で濾過し、−70℃で貯蔵した。 精製したタンパクは、以下の特徴を有した: (i)ペルオキシダーゼ活性の不在下、典型的なカタラーゼ酵素活性。 (ii)血液タンパクの典型的な可視スペクトル、406nmでのソレット(Sor et)ピークならびに520nm〜550nmのアルファおよびベータピーク。 (iii)以下のN−末端配列を有するSDS−PAGEにおける54kDaでの 単量体形態。 実施例7:イムノアフィニティによる50kDaの膜タンパクの精製 7.A − IgGの精製 実施例5で調製したフラクションHpP5に対する高度免疫血清を、予め10 0mM Tris−HCl(pH8.0)中で平衡化させたタンパクAセファロース4高 速カラム(Protein A Sepharose 4 Fast Flow column)[ファルマシア (Pharmacia)]上に負荷した。樹脂を10倍カラム容量の100mM Tris− HCl(pH8.0)で、次いで、10倍カラム容量の10mM Tris−HCl(pH 8.0)で洗浄した。IgGを0.1Mグリシンバッファー(pH3.0)で溶離し た。IgGをフラクション5mlとして回収し、これに1M Tris−HCl(pH8. 0)0.25mlを添加した。280nmで溶出液の光学密度を測定し、IgGを含有 するフラクションを合わせ、所望により、−70℃で冷凍した。 7.B − カラムの調製 ファルマシア(Pharmacia)によって製造された適当な量のCNBr−活性化 セファロース4Bゲル(乾燥ゲル1gにより水和ゲル約3.5mlが得られ、ゲル の許容量がゲルのml当たりIgG 5〜10mgであることが知られている)(ref :17−0430−01)を1mM NaClバッファーに懸濁させた。次いで、該 ゲルを、少量の1mM HClを添加することによってブフナーの助けにより洗浄 した。用いた1mM HClの総量は、ゲルのg当たり200mlであった。 精製したIgGを、50倍容量の500mMリン酸ナトリウムバッファー(pH 7.5)に対して20+5℃で4時間透析した。次いで、該透析物を500mMリ ン酸ナトリウムバッファー(pH7.5)中で最終濃度3mg/mlに希釈した。 IgGをゲルと一緒に、5+3℃で一晩、回転式撹拌しつつインキュベートし た。ゲルをクロマトグラフィーカラム中に置き、2倍カラム容量の500mMリ ン酸塩バッファー(pH7.5)で洗浄した。次いで、ゲルを管の中に移し、室温 で、100mMエタノールアミン(pH7.5)中で撹拌しつつインキュベートし た。次いで、2倍カラム容量のPBSで洗浄した。ゲルをPBSメルチオレート (merthiolate)1/10,000中に貯蔵した。初期IgG溶液と直接溶出液+ 洗液との間で280nmでの光学密度の差異を測定することによって、ゲルに結合 したIgGの量を測定した。 7.C − 抗原の吸着および溶出 50mM Tris−HCl(pH8.0)、2mM EDTA中の抗原のタンパク調製 物、例えば、膜フラクションIまたはII(実施例1Cで得られ、ツィッタージェ ントに溶解したフラクションC4またはC6)を、0.45μmの膜を介して濾過 し、次いで、50mM Tris−HCl(pH8.0)、2mM EDTAで予め平衡 化したカラム上に約10ml/時の流速で負荷した。次いで、カラムを20倍容量 の50mM Tris−HCl(pH8.0)、2mM EDTAで洗浄した。別に、吸着 は、浴中で行った;インキュベーションを5+3℃で一晩撹拌しつつ続けた。 ゲルを、2〜6倍容量の10mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.8)で 洗浄した。抗原を100mMグリシンバッファー(pH2.5)で溶離した。溶出 液をフラクション3mlに収穫し、これに1Mリン酸ナトリウムバッファー(pH 8.0)150μlを添加した。各フラクションの光学密度を280nmで測定した ;抗原を含有するフラクションを一緒に合わせ、−70℃で貯蔵した。10%S DS−Pageゲル上での電気泳動による分析は、50kDaで唯一のバンドを示し た。 実施例8:イムノアフィニティによる32kDaの膜タンパクの精製 実施例4の記載に従って0.26〜0.31M NaClで溶出したフラクション の精製を続けるために、フラクションHpP6に対する抗血清を用いて実施例7 を繰り返した。溶離後に回収した、およびタンパクを含有するフラクションを単 一の調製物に合わせた;後者を10%ゲル上でSDS−Page電気泳動により分 析した。単一のバンドが32kDaで出現した。 実施例9:凝集検査 9.A − 培養 −70℃でグリセロール中で貯蔵したヘリコバクター・ピロリ(H.pylori) ATCC 43579の菌株(アメリカ合衆国ミズーリ州ロックヴィル、パーク ローン・ドライブ12301番のATCCから入手可能)を、二相培地を含有す る25cm2のフラスコに接種した。二相培地は、6%ヒツジ新鮮血液を補足した コロンビア寒天10mlからなる固相および20%ウシ胎児血清を含有するダイズ トリプカーゼブロス[ディフコ(Difco)]3mlからなる液相からなる。該フラ スコを「ジェナーバッグ」(generbag)と称される密封バッグ(BBL)中に置 き、マイクロエアー・システム(Microaer System)(BBL)により得られ た微好気性条件下(8〜10%CO2、5〜7%O2および85〜87%N2)、 37℃で48時間、ゆっくりと回転式振盪しつつインキュベートした。 この48時間培養物を用いて、二相培地を含有するフラスコに再度接種した。 600nmでのこの培養物の最初の吸光度は、0.15〜0.2であった。該フラス コを前記と同様の条件下でインキュベートした。 48時間後、細菌懸濁液を試験管に移した。この培養物の吸光度を測定し、6 00nmで3.0〜3.5であった。グラム染色後、顕微鏡下で微生物の出現をチェ ックした。 9.B − 抗血清 実施例5で得た抗血清を0.45μmの膜上で濾過して、使用前に存在する場合 の小さな凝集物を除去した。 9.C − 凝集検査 黒い底のイムノプレシピテーションプレート(プロラボ(Prolabo)ref.1 0050)上で、第1ウエル中で生理食塩水20μl、中央ウエル中で免疫化前 に回収した血清20μl、第3ウエル中で抗血清20μlを沈殿させた。3つのウ エルの各々にヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の細菌懸濁液20μlを添 加し、次いで、密封した丸いチップを有するパスツールピペットの助けにより混 合した。 凝集の開始は、混合のせいぜい5分後、拡大鏡下で観察された。凝集は、混合 物が大きな凝集物からなる透明溶液の形態で出現する場合に完全である。生理食 塩水または予備免疫化血清による負の対照は、濁ったままであり、細菌懸濁液が 無傷であることを明らかにした。 フラクションHpP5に対する抗血清およびフラクションHpP6に対する抗血 清は、非常に強い凝集反応を示した。試験条件下、ヘリコバクター・ピロリ(H .pylori)細菌は、迅速に凝集し、該反応は、1分後に完了した。この結果によ り、50kDaおよび32kDaのタンパクがおそらくヘリコバクター・ピロリ(H .pylori)の表面で暴露されることが判明した。 実施例10:54kDa、50kDa、30kDaおよび32kDaの膜タンパクの防 御効果のデモンストレーション 実施例3に記載したクロマトグラフィーによって、または実施例8に記載した イムノアフィニティーによって精製した54kDa、50kDaまたは30kDaの抗 原、または実施例7に記載したイムノアフィニティーによって精製した50kDa の抗原(好ましい)1μg、5μg、25μg、50μgまたは100μgで胃内経 路により、6〜8週齢のスイス・ウェブス(Swiss Webster)マウス[ニュー ヨーク州ジャーマンタウンのタコニック・ラブズ(Taconic Labs)]約10匹 のグループを免疫化した。該抗原をPBS中または0.24M重炭酸ナトリウム を含有するPBS中で希釈した。抗原をコレラ毒(CT)[サンディエゴのカル ビオケム(Calbiochem)]5もしくは10μgまたは非耐熱性毒(LT)[フロ リダ州コーラル・ゲイブルズのベルナ・プロダクツ(Berna Products)]で補 足した。マウスをまずイソフルランで麻酔し、次いで、カニューレにより約0. 5mlの容量で投与した。7〜10日間隔で各マウスに4回投与した。最後の投与 の2週間後、胃内経路により投与したヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)O RV2002菌株(PBS 200μl中生菌1×107個;OD550約0.5)の 単投与でマウスを攻撃誘発した。抗原を投与せず対照として供されるグループに 同様に攻撃誘発した。攻撃誘発の2週間後、マウスを殺した。防御のパーセンテ ージは、ウレアーゼ活性を測定することによって、または、Lee et al.(上掲 )に開示されているような組織学により細菌負荷を評価することによって、また は、直接ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の定量的培養によって測定した 。54kDa、50kDa、30kDaおよび32kDaのタンパクの各々について、こ れらの条件下、対照グループと比較して、25μgで免疫化したマウスのほとん どにおいて感染負荷の実質的な減少を観察することが可能であった;これは、5 4kDa、50kDa、30kDaおよび32kDaのヘリコバクター・ピロリ(H.py lori)抗原が少なくとも部分的に防御的であると結論を出すことができる;最も 良好な結果は、32kDaのタンパクで得られた(約100%防御)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 1/22 C07K 16/12 16/12 C12P 21/02 A C12P 21/02 C12Q 1/04 C12Q 1/04 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/569 F 33/569 A61K 37/02 //(C12P 21/02 C12R 1:01) (C12Q 1/04 C12R 1:01)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)膜フラクションから得 ることができ、SDSの存在下で10%ポリアクリルアミドゲル上での電気泳動 後の分子量が約54、50、32〜35または30kDaである(ただし、分子量 が54kDaである場合、該タンパクは、抗カタラーゼ抗血清と反応しない)、実 質的に精製された形態のヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)タン パク。 2.見かけの分子量が約54kDaであり、以下の工程: (i)ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)細菌を1%n−オクチルβ−D グルコピラノシドで抽出し、次いで、遠心分離にかけ; (ii)細菌ペレットを回収し、リゾチームで処理し、音波処理に付し、次いで 、遠心分離にかけ、 (iii)遠心分離ペレットを回収し、20mM Tris−HClバッファー(pH7 .5)で洗浄し、次いで、遠心分離にかけ、 (iv)遠心分離ペレットからなる膜フラクションを回収し、水性媒質に懸濁さ せ; (v)該膜フラクションを、0〜0.5M NaCl勾配液を用いてQ−セファロ ースカラム上で陰イオン交換クロマトグラフィーに付し、次いで、1M NaCl で洗浄し; (vi)1M NaClによる洗浄の初めに溶出したフラクションを回収し、0〜 0.5M NaCl勾配液を用いてDEAE−セファロースカラム上で陰イオン交換 クロマトグラフィーに付し; (vii)0.1〜0.25M NaClで溶出したフラクションを回収すること によって得ることができる請求項1記載のタンパク。 3.見かけの分子量が約50kDaであり、以下の工程: (i)ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)細菌を1%n−オクチルβ−D グルコピラノシドで抽出し、次いで、遠心分離にかけ; (ii)細菌ペレットを回収し、リゾチームで処理し、音波処理に付し、次いで 、遠心分離にかけ、 (iii)遠心分離ペレットを回収し、20mM Tris−HClバッファー(pH7 .5)で洗浄し、次いで、遠心分離にかけ、 (iv)遠心分離ペレットからなる膜フラクションを回収し、水性媒質に懸濁さ せ; (v)該膜フラクションを、0〜0.5M NaCl勾配液を用いてQ−セファロ ースカラム上で陰イオン交換クロマトグラフィーに付し、次いで、1M NaCl で洗浄し; (vi)1M NaClによる洗浄の初めに溶出したフラクションを回収し、0〜 0.5M NaCl勾配液を用いてDEAE−セファロースカラム上で陰イオン交換 クロマトグラフィーに付し; (vii)0.3〜0.4M NaClで溶出したフラクションを回収すること によって得ることができる請求項1記載のタンパク。 4.N−末端配列として配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する請求項3 記載のタンパク。 5.見かけの分子量が約30kDaであり、以下の工程: (i)ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)細菌を1%n−オクチルβ−D グルコピラノシドで抽出し、次いで、遠心分離にかけ; (ii)細菌ペレットを回収し、リゾチームで処理し、音波処理に付し、次いで 、遠心分離にかけ、 (iii)遠心分離ペレットを回収し、20mM Tris−HClバッファー(pH7 .5)で洗浄し、次いで、遠心分離にかけ、 (iv)遠心分離ペレットからなる膜フラクションを回収し、水性媒質に懸濁さ せ; (v)該膜フラクションを、0〜0.5M NaCl勾配液を用いてQ−セファロ ースカラム上で陰イオン交換クロマトグラフィーに付し; (vi)0.28〜0.35M NaClで溶出したフラクションを回収し、0〜0. 5M NaCl勾配液を用いてDEAE−セファロースカラム上で陰イオン交換ク ロマトグラフィーに付し; (vii)直接溶出液に対応するフラクションを回収すること(NaClの不在) によって得ることができる請求項1記載のタンパク。 6.見かけの分子量が約32〜35kDaであり、以下の工程: (i)ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)細菌を1%n−オクチルβ−D グルコピラノシドで抽出し、次いで、遠心分離にかけ; (ii)細菌ペレットを回収し、リゾチームで処理し、音波処理に付し、次いで 、遠心分離にかけ、 (iii)遠心分離ペレットを回収し、20mM Tris−HClバッファー(pH7 .5)で洗浄し、次いで、遠心分離にかけ、 (iv)遠心分離ペレットからなる膜フラクションを回収し、水性媒質(好都合 には、炭酸塩緩衝液(pH9.5)中)に懸濁させ; (v)(iv)で得た懸濁液を約200,000xgで遠心分離にかけ、上清を 回収し; (vi)(v)で得た上清のpHを約pH7に低下させ(好都合には、リン酸塩緩 衝液(pH7)に対して透析することにより); (vii)(vi)で得た調製物を、0〜0.5M NaCl勾配液(好都合には、リ ン酸塩緩衝液(pH7)中)を用いてSP−セファロースカラム上で陽イオン交 換クロマトグラフィーに付し;次いで、 (vii)0.25〜0.31M NaClにおいて溶出したフラクションを回収する こと によって得ることができる請求項1記載のタンパク。 7.請求項1〜6のいずれか1項記載のタンパクに対して生じた抗血清によっ て認識され得る実質的に精製した形態の、ヘリコバクター(Helicobacter)タ ンパクまたは断片化および/または突然変異により該タンパクから誘導されたポ リペプチド。 8.活性成分として請求項1〜7のいずれか1項記載のタンパクまたはポリペ プチドからなる、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染の予防用または治 療用医薬組成物。 9.請求項1〜7のいずれか1項記載のタンパクまたはポリペプチドを認識す ることができる単一特異性抗体。 10.活性成分として請求項9記載の単一特異性抗体からなる、ヘリコバクタ ー・ピロリ(H.pylori)感染の予防用または治療用医薬組成物。 11.生物学的試料を請求項9記載の抗体または請求項7記載のポリペプチド と接触させ、免疫複合体を形成させ、所望により未結合物質を除去し、該試料と 抗体またはポリペプチドとの間で形成された免疫複合体を検出することを特徴と する、生物学的試料中のヘリコバクター(Helicobacter)の存在を検出するこ とができる診断方法。 12.生物学的試料を、請求項9記載の単一特異性抗体を用いてアフィニティ ークロマトグラフィーに付すことを特徴とする、生物学的試料からの請求項1〜 7のいずれか1項記載のタンパクまたはポリペプチドの精製方法。
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