JPH10511016A - 注射器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 特許請求された注射器は医療用器具に関係するものであり、局所的な無痛法のために使用され得る。注射器は内側にギヤロッド（３）を備えた本体（１）と外筒（２）との結合体を有している。本体（１）は駆動爪（５）およびプランジャ（３）の復帰運動のための制動爪（６）に機械的に結合されており、駆動爪（５）およびプランジャ（３）の復帰運動のための制動爪（６）は、蝶番によって旋回ハンドル（７）に取り付けられている。両端が尖った針（１２）を固定するユニット（１１）は外筒の一端に固定され、針の１８０°までの回転をもたらす。１組の吸引エレメント（１６）およびスプリング（２１）および押し付けブッシュ（２２）によって吸引テストを実行することができる。駆動ユニットの構成は、靭帯内無痛法のための離散的計量モード、および浸透無痛法のための無制限計量モードの２つのモードでの無痛法の実行を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 注射器 技術分野 本発明は、医療器具、特に治療および／または手術の処置の過程において医療 的薬剤を導入するための装置に関するものである。特に、本発明は、注射器の構 造に関するものであり、特に、靭帯内、歯槽骨内、歯根膜内または歯髄内無痛法 、並びに歯根管のシールが行われるような歯科的処理の行われる際に使用され得 る。 特に、本発明は、そのブロッキングによってプランジャの１回分ずつに分けら れ、制限された運動を厳密に保証する駆動ユニットと、針の注入具の可動性を保 証する両端が尖った針に対する固定ユニットのような注射器の構造の詳細の特徴 、並びに注射器の単純性、信頼性および汎用性を保証するそれらの相互の構成並 びに他のエレメントに関するものである。 背景技術 しばしば当初から著しい痛みを訴える患者を歯科的治療において処置しなけれ ばならない。したがって、医療的（治療的または手術的）かかわりの当初におい て、効目のある局所的な無痛法を施さなければならないことがある。 一般に、歯科的治療において用いられる注射器の構成はその内部に適当な鎮痛 剤で満たされたカートリッジが配置されるジョイントケーシング（本体および外 筒）を含んでおり、このジョイントケー シングは通常針の一部に備えられた弾性を有する壁面を有しており、他の部分に おいてはケーシングの後部に同軸に配置されたプランジャと相互作用する可動差 込みを有している。機械的な駆動機構はプランジャの長さ方向の平行運動を与え る。このような構成は、たとえば、１９７７年に公表された国際特許分類Ａ６１ Ｍ５／２０のフランス特許出願ＦＲ２３４３４８６に記載されている。 鎮痛剤を正確に計量することは、非常に効目のある治療剤が患者の痛みを取り 除くために使用されるとき非常に重要であり、また、鎮痛剤の過度の導入（与え すぎ）を防止するためにも重要である。正確な計量は、特に靭帯内、歯槽骨内、 歯根膜内または歯髄内無痛法において望ましいものである。従来技術においては 、このような計量はプランジャと相互作用する上述のようなカートリッジが配置 されるジョイントケーシングをもつ注射器、およびプランジャの一時的固定運動 に対するラチェット爪機構の構造を準備することによってもたらされている。ラ チェット爪機構はラチェット歯を備えたプランジャと、ケーシングに対して蝶番 で取り付けられ、無痛法を実行する歯科医の手によってケーシングに押し付けら れ得るハンドルによって作動される注射器駆動システムを有している。 特許請求された装置に最も類似した装置は、差込継手によって外筒に結合され た本体と、ラチェット歯を備えたプランジャを有するピストンと、駆動システム とからなり、この駆動システムが、本体に固定された旋回ハンドルと、ローラを 備えた旋回レバーによってハンドルと相互作用する駆動爪と、蛇腹突起を備え、 スプリングによって付勢されたブッシュを有するスリーブとを有する歯科用注射 器である。 ラチェット歯と相互作用する蛇腹突起を備えたシリンダからなるプランジャの 復帰運動を妨げるためのロック機構が、ピンによって スリーブ内に固定されている。このロック機構はプランジャを外筒の方向にのみ 動かすことができる。カートリッジは外筒内に配置されており、外筒は一方にお いて弾性を有する後壁を、他方においてピストンと相互作用する運動可能な差し 込みを備えている。外筒の内側にはカートリッジの後壁に差し込まれる針が配置 されている。注入針を固定するために外筒は斜面を備えている。（ロシア発明者 証ＳＵ１５９１９８９，国際特許分類Ａ６１Ｍ５／２４，１９８８参照） この構成によれば、プランジャ表面のラチェット歯の一段分の長さに等しい距 離だけのカートリッジのピストンの運動に従って、鎮痛剤液の正確な量が注入さ れ得る。しかしながら、無痛法の実行モードにおいてかなりの量の鎮痛剤液を注 入しなければならない場合がある。この必要性により、鎮痛剤液による処置がす でに開始された後には、従来技術においては、患者の歯茎から針を抜き取って計 量注射器を歯科医の指に対する支えを備えたカートリッジピストンと相互作用す るプランジャの後端を備えた通常の注射器に交換しなければならないことになる 。 また、局所的な無痛法が実行される間に、注射針を血管内に置かないようにす るためにピストンの復帰運動（吸引テスト）を行う必要性がある。 しかしながら、従来技術によれば、カートリッジを用い、治療物質の計量され た注入を行う局所的な無痛法の間に、吸引テストを実行することはできない。 さらに、従来技術によれば、注射針の機能している部分を変形させることなく 、末梢あご部分において局所的な無痛法を実行することはできない。 発明の開示 本発明の目的は、医療的薬剤で満たされたカートリッジを用い、計量された靭 帯内無痛法等の無痛法を実行することができるような注射器を提供することにあ る。 本発明の別の目的は、無痛法実行モードにおいて吸引テストを付加的に行うこ とができるような注射器を提供することにある。 本発明のさらに別の目的は、末梢のあご部分における靭帯内、歯根膜内等への 注射の間に、注射針の機能する部分を変形させることなく、注射針の位置を制御 することができるようにすることにある。 これらおよびその他の目的は、両端が尖った針を固定するためのユニットのみ を備えた外筒に接続された本体と、ラチェット歯を備え、本体内に配置されたプ ランジャと、プランジャと相互作用し得るように配置されたプランジャの復帰運 動のための制動歯と、本体に固定された旋回ハンドルおよびハンドルに固定され た駆動歯とからなる駆動ユニットと、本体内に配置されたカートリッジ長補整器 と、外筒および両端が尖った針を固定するためのユニットの間に配置されたガイ ドエレメントを有し、両端が尖った針を固定するためのユニットは、スロットを 備えた中空の球と、このスロット内に配置され、球の表面の母線に沿って１８０ °の角度まで運動し得る両端が尖った針に対するホルダとからなり、さらに、プ ランジャの一端に固定された吸引エレメントを備え、プランジャの復帰運動のた めの制動歯は駆動歯の後方において旋回ハンドルの下側において本体内に配置さ れ、プランジャの復帰運動のための制動歯と駆動歯は蝶番によって結合され、旋 回ハンドルの助けによってプランジャとの係合状態を解除され得るようになって おり、プランジャの他端には歯科医の指に対する支えが備えられ、そして、吸引 エレメントは 槍形状またはキノコ形状を有しており、槍形状の吸引エレメントには軸方向にス リットが形成され、吸引エレメントは取り外し可能とされた注射器を構成するこ とによって達成される。 注射器に吸引エレメントを備えたことによってプランジャの端部の半径方向の 運動が妨げられ、その結果、カートリッジの壁の破壊を防止するとともに、吸引 テストを行うことができる。 キノコ形状の吸引エレメントは、差込みピストンが円筒状凹部を有しているよ うなカートリッジを用いる場合に使用さけなければならない。凹部の直径よりも 大きな直径を備えたエレメントの傘が凹部内に進入するとき、吸引エレメントは 保持効果をもたらし、それによって差込みピストンの復帰運動を行うことが可能 になる。槍形状の吸引エレメントは、ピストン内に凹部を有しないカートリッジ に対して用いられなければならない。槍形状の吸引エレメントはスリットを備え ることができる。差込みピストンが種々の硬い材料から形成されている限り、よ り効果的な保持をもたらすための弾性力を有する大きなモジュールを、弾性材料 から形成することができる。 駆動ユニットは、旋回ハンドルおよび駆動爪および復帰運動のための制動爪か ら構成され、高圧下に医療用薬剤を規定量導入することを可能とし、さらに、駆 動爪および復帰運動のための制動爪をプランジャとの係合から解除することによ って無痛法の実行を可能にする。 カートリッジ長補整器は、例えば、スプリングおよび押し付けブッシュを備え ており、カートリッジの固定並びに吸引時におけるカートリッジの軸方向の運動 を防止するように機能する。 両端が尖った針を固定するユニットは、子午線スロットを備えた中空の球を有 し、子午線スロット内には、両端が尖った針に対するホルダが、その球の表面の 母線に沿って１８０°の角度まで運動可 能に取り付けられ、ガイドエレメントは、両端が尖った針を固定するユニットと 外筒との間において球の切口内に配置されている。ガイドエレメントは、針の後 端を把持し、カートリッジの膜の変形を防止する。さもなければ、カートリッジ の膜の変形は圧力下の鎮痛剤液の漏れを生じ得る。 図面の簡単な説明 図１は、特許請求された発明による注射器の全体図を示したものである。 図２は、鎮痛剤液の計量導入モードに対する作動位置における駆動ユニットの 全体図を示したものである。 図３は、鎮痛剤液の無制限導入モードに対する作動位置における駆動ユニット の全体図を示すものである。 図４は、両端が尖った針を固定するユニットおよび作動位置におけるその針の 断面図である。 図５は、一つのタイプの差し込みに対するカートリッジピストンを備えたプラ ンジャの保持（固定）手段の変形例に示した図である。 図６は、別のタイプのプラグに対するカートリッジピストンを備えたプランジ ャの保持（固定）手段の変形例を示した図である。 次の参照番号が図面中において用いられている。 １‐注射器本体 ２‐注射器の外筒 ３‐プランジャ ４‐プランジャ表面上のラチェット歯 ５‐プランジャの駆動爪 ６‐プランジャの復帰運動のための制動爪 ７‐旋回ハンドル ８‐駆動爪および復帰運動のための制動爪に対する本体の後部に形成された縦 方向スロット ９‐駆動爪およびハンドルと相互作用する第１弾性エレメント １０‐復帰運動のための制動爪および注射器の本体の後部と相互作用する第２ 弾性エレメント １１‐両端が尖った針を固定するための球ユニット １２‐両端が尖った針 １３‐球ユニット１１内に形成されたスロット １４‐両端が尖った針１２のホルダ １５‐両端が尖った針１２に対するガイドエレメント １６‐プランジャの吸引エレメント １７‐医療用薬剤で満たされたカートリッジ １８‐カートリッジ１７のピストン １９‐カートリッジ１７の弾性を有する膜 ２０‐鎮痛剤液の充填を視覚的に制御するための注射器の外筒２に形成された スロット ２１‐カートリッジ長補整器のスプリング ２２‐カートリッジ長補整器の押し付けブッシュ ２３‐プランジャ３の端部に形成された歯科医の指に対する支え ２４‐ハンドルと相互作用する復帰運動のための制動爪の後端に形成されたプ ラットフォーム ２５‐駆動爪の固定ピン 最良の発明の実施形態 図面に示した本発明の最良の実施形態によれば、注射器は本体１ と外筒２を有している。ラチェット歯４を備えたプランジャ３は本体内に配置さ れている。駆動爪５および復帰運動のための制動爪６はプランジャ３のラチェッ ト歯４と相互作用する。駆動爪５は旋回ハンドル７に蝶番で取り付けられており 、本体１に形成された縦方向のスロット８を通じてプランジャ３のラチェット歯 ４と相互作用し得るように配置され、かつ第１弾性エレメント９によってハンド ル７に対して弾性付勢されている。復帰運動のための制動爪６は本体１に蝶番で 取り付けられており、駆動爪の後方において本体１に形成された同一の縦方向ス ロット８を通じてプランジャ３のラチェット歯４と相互作用し得るように配置さ れ、第２の弾性エレメント１０によって本体１に対して弾性付勢されている。。 両端が尖った針１２を固定するためのユニット１１は、外筒２の前端に配置さ れており、子午線スロット１３を備えた球と、スロット１３を貫通してのび、そ のスロットに沿って事実上１８０°の角度まで運動しうるように配置された両端 が尖った針１２に対するホルダ１４とからなっている。ガイドエレメント１５は 、カートリッジ１７内に差し込まれる両端が尖った針１２の端の半径方向の位置 を固定するための球の切口内に配置されている。吸引エレメント１６はプランジ ャ３の前部において連結されている。 注射器の作動の準備のために、鎮痛剤液で満たされたカートリッジ１７は中空 の外筒２の内部に配置される。カートリッジ１７は差込みピストン１８を介して プランジャ３に近接して配置され、かつ膜１９を介して両端が尖った針１２に近 接して配置されている。外筒の前部の壁にはスロット２０が形成され、鎮痛剤液 を視覚的に制御できるようになっている。スプリング２１および押し付けブッシ ュ２０からなる補整器は、本体１の内部に配置されている。プランジャ３の後端 は、歯科医の指に対する支え２３によって終わって いる。ホルダ１４が注射器の軸上に配置され、両端の尖った針１２の後端（非注 射端）がホルダ１４を通って進入し、ガイドエレメント１５を通ってカートリッ ジ１７の弾性を有する壁（膜）１９に差し込まれる。そして、針１２の注入端は 、ホルダ１４を子午線スロット１３内において動かすことによって、注射に必要 な注射器の軸に関する傾斜状態を保持して配置されうる。傾斜度のスケールがス ロットに沿って球面上に設けられ、針の傾斜角の選択を容易なものとしている。 その運動の間に、針の反対側の端の半径方向の位置はガイドエレメント１５によ って固定され、カートリッジの膜の変形が防止される。 靭帯内無痛法モードにおいて、本発明による注射器は次のように作動する。針 の歯根膜間隙中への導入の後、ハンドル７が握られ、第１弾性エレメント９を介 したこの運動が駆動爪５に伝達され、さらに、駆動爪５からプランジャ３に伝達 される。各握り動作毎にプランジャ３のラチェット歯４の一つ分の長さだけの前 進運動が生じ、吸引エレメント１６によって差込みピストン１８に影響が及ぼさ れ、その結果、鎮痛剤の計量された導入がもたらされる。復帰運動のための制動 爪６はラチェット歯４、そしてまた、それと同時に駆動爪５と係合し、その結果 、プランジャ３の復帰運動が妨げられる。自由な状態（すなわち、歯科医の手に よる圧力が及ぼされない状態）において、第１弾性エレメントは中立位置に置か れ、駆動爪５をプランジャ３に押し付けるとともに、プランジャ３のラチェット 歯４と係合せしめ、さらに、ハンドル７を本体１から復帰運動のための制動爪の 後端のプラットフォーム２４上のその支えまで握りしめることを可能にする。第 ２弾性エレメント１０はまた、中立位置に置かれ、復帰運動のための制動爪６を プランジャ３に押し付け、プランジャ３のラチェット歯４に係合せしめる。こう してハンドル７が 握られるたびごとにプランジャ３は前方に動かされる。プランジャ３の運動は吸 引エレメント１６を通じて差込みピストン１８に伝達され、その結果、鎮痛剤の 計量された導入が可能となる。 注射器を無制限導入モードに移行させるためにハンドル７が本体からその自由 端よりも離れた位置まで握りしめられ、それによって第１弾性エレメント９は駆 動爪５をプランジャ３のラチェッ歯４との係合状態から解除する。駆動爪は本体 表面上に配置された固定ピン２５によって固定されている。この握りしめ運動の とき、ハンドル７はプラットフォーム２４を復帰運動のための制動爪６の後端に 押し付け、さらに、それをプランジャのラチェット歯４との係合状態から解除し 、それによって右側の後端位置において取り外される。すなわち、注射器は歯科 医の指によって支え２３の押し付けによって医療用薬剤の無制限導入モードに移 行する。 産業上利用性 本発明は、医療的器具に関し、病気の治療時の局所的な無痛法のあらゆるモー ドを生じさせるための汎用タイプの注射器として使用することができる。 本発明による注射器は、靭帯内、歯槽骨内、歯根膜内等々の無痛法を実行する ことを可能とし、特に、最少量の非常に効目のある医療的薬剤が使用されている ときに適している。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．他端を両端が尖った針を固定するためのユニットを備えた外筒に連結された 本体と、ラチェット歯を備え、前記本体内に配置されたプランジャと、前記プラ ンジャと相互し得るように配置された前記プランジャの復帰運動のための制動爪 と、前記本体に固定された旋回ハンドルおよび前記ハンドルに固定された駆動爪 からなる駆動ユニットとを有する注射器において、 ‐前記本体内に配置されたカートリッジ長補整器と、 ‐前記外筒および前記両端が尖った針を固定するためのユニットの間に配置 されたガイドエレメントが備えられ、 ‐前記両端が尖った針を固定するためのユニットはスロットを備えた中空の 球、および前記スロット内に固定され、前記球の表面の母線に沿って前記スロッ ト内において１８０°の角度まで運動し得る両端が尖った針のホルダからなり、 さらに、 ‐前記プランジャの一端に固定された吸引エレメントと、 ‐前記駆動爪の後方であって、前記旋回ハンドルの下側において前記本体内 に配置された前記プランジャの復帰運動のための制動爪が備えられ、 ‐前記復帰運動のための制動爪および前記駆動爪は、前記旋回ハンドルの助 けによって前記プランジャとの係合状態を解除され得るように固定され、前記プ ランジャの他端には指に対する支えが設けられていることを特徴とする注射器。 ２．前記吸引エレメントは槍形状を有していることを特徴とする請求項１に記載 の注射器。 ３．前記槍形状の吸引エレメントは軸方向にスリットを備えていることを特徴と する請求項２に記載の注射器。 ４．前記吸引エレメントはキノコ形状を有していることを特徴とする請求項１に 記載の注射器。 ５．前記吸引エレメントは取り外し可能になっていることを特徴とする請求項１ に記載の注射器。