JPH10510835A - 芳香族ジカルボン酸の精製方法 - Google Patents

芳香族ジカルボン酸の精製方法

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JPH10510835A JP8519811A JP51981196A JPH10510835A JP H10510835 A JPH10510835 A JP H10510835A JP 8519811 A JP8519811 A JP 8519811A JP 51981196 A JP51981196 A JP 51981196A JP H10510835 A JPH10510835 A JP H10510835A
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Abstract

(57)【要約】 脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸との塩を水性溶媒中に形成し、再結晶し、かつ、水性溶媒中で脂肪族ジカルボン酸と接触させて芳香族ジカルボン酸が精製された沈殿の形で回収されるようにした、芳香族ジカルボン酸の精製方法を開示する。残留水性溶質は、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸との塩であって、特定のポリアミド(ナイロン)を製造するための出発物質として用いられる。本発明は、特に、他の方法では精製が困難な2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製に適用される。

Description

【発明の詳細な説明】 芳香族ジカルボン酸の精製方法 発明の技術分野 この発明は、芳香族ジカルボン酸の精製方法に関する。 発明の背景 芳香族ジカルボン酸は、商業的に重要な商品である。それらは、中間体として 種々の用途があるが、おそらくそれらの最大の用途は、重合用モノマーとして、 特に熱可塑性ポリエステルおよびポリアミドを製造するためのモノマーとしての 用途である。あれこれの目的のために、非常に純度の高い材料が一般に必要であ り、このような芳香族ジカルボン酸を精製するための新規な方法が絶えず追求さ れている。 フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸は、二 種以上の異なるアルキル基を有する芳香族あるいは特定のキシレンを、触媒とし て働く重金属塩および臭素と酸化反応させる酸化プロセスによって製造してもよ い。例えば、パラキシレンを酢酸に溶解した酢酸コバルトと臭化水素とからなる 触媒を用いて液相中で酸化させてテレフタル酸にしてもよい。空気のような、酸 素を含有するガスを、約200℃の高温かつ約10気圧の過圧(superatmospheri c pressure)を維持する反応器の中に注入する。反応器に注入される空気の量は 、化学量論的に必要とされる以上の過剰酸素を排ガス中に保有するのに十分な量 である。反応器から取り出される液体は、約25〜約35%の固形分を含有する 。これらの固形分は、所望のテレフタル酸だけでなく、モノカルボン酸、アルデ ヒド、非酸化材料(unoxidized material)、過酸化材料(over oxidized material )、触媒残さ等の形態で異物や不純物も含有していることがある。これらの異物 や不純物は大部分またはすべて、ポリエステルやポリアミドを 重合するためのモノマーとしての、芳香族ジカルボン酸の有用性に影響を及ぼす かもしれない。 日本国特許出願第51−52163号には、そのアンモニウム塩を形成しこれ を精製することによって2,6−ナフタレンジカルボン酸を精製する方法が記載 されている。しかし、ここには、脂肪族ジアミンの使用またはこの方法で副生さ れる有用な塩の回収は記載されていない。 本発明の目的は、比較的純度の低い芳香族ジカルボン酸から精製された芳香族 ジカルボン酸を製造するための、便利で、効率的で、有効な方法を提供すること にある。ここで述べられる方法により、ナイロンの製造に有用な副生物を得る。 発明の概要 本発明は、芳香族ジカルボン酸の精製方法に関するが、この方法では、脂肪族 ジアミンと芳香族ジカルボン酸との塩を水性溶媒中で形成し、結晶化し、かつ、 水性溶媒中で脂肪族ジカルボン酸と接触させて芳香族ジカルボン酸が純度の高い 沈殿物の形で回収されるようにしている。残存水性溶質は、脂肪族ジアミンと脂 肪族ジカルボン酸との塩であり、特定のポリアミド(ナイロン)の製造における 出発物質として用いられる。この発明は、別の方法では精製が難しい、2,6− ナフタレンジカルボン酸を精製するのに特に適用される。さらに詳しくは、本発 明は、芳香族ジカルボン酸の精製方法であって、前記方法は、 (A)水の存在下で芳香族ジカルボン酸を脂肪族ジアミンと接触させて、芳香族 ジカルボン酸と一般式H2NR1NH2の脂肪族ジアミン(式中、R1は、4〜14 の炭素原子を含む二価の飽和炭化水素基(saturated hydrocarbylene)である)と によって形成される塩を含有する水性塩溶液を形成する工程と、 (B)芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとによって形成される塩を水性塩溶 液から回収する工程と、 (C)前記回収された塩を水性溶媒に溶解して、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジ アミンとによって形成される塩を含有する別の水性塩溶液を形成する工程と、 (D)一般式HO2CR2CO2Hの脂肪族ジカルボン酸(式中、R2は2〜12の 炭素原子を含む二価の飽和炭化水素基(saturated hydrocarbylene)である)に前 記別の水性塩溶液を接触させる工程と、 (E)沈殿した精製芳香族ジカルボン酸を回収する工程、 とを具備する芳香族ジカルボン酸の精製方法に関する。 発明の詳細な説明 ここで述べられた方法は、芳香族ジカルボン酸の精製方法の1つである。「芳 香族ジカルボン酸」とは、芳香族環の炭素原子に2つのカルボキシル基が各々直 接結合しているジカルボン酸を意味する。芳香族ジカルボン酸は1つまたはそれ 以上の(溶融していても溶融していなくてもよい)芳香族環を有し、かつ、2つ のカルボキシル基は、1つ又は2つの異なった芳香族環と結合していてもよい。 芳香族ジカルボン酸は、アルキルまたはアルキレンのように、この精製方法を妨 げない、他の基または置換基を含んでいてもよい。本発明の方法は、これらに限 定されるわけではないが、ベンゼンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸およ び二安息香酸(bibenzoic acid)を含む多くの芳香族ジカルボン酸を精製するのに 役立つ。本発明の方法は、特に、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカ ルボン酸および二安息香酸などの芳香族ジカルボン酸を精製するのに役立つ。本 発明の方法は、2,6−ナフタレンジカルボン酸および4,4′−二安息香酸を 精製するのに最も好ましく用いられる。 「水性溶媒」とは、50重量%より多くの水、好ましくは85重量%より多く の水を含有し、最も好ましくは100%水である溶媒を意味する。共溶媒(cosol vent)を水と一緒に用いるならば、それが使用される比率で水と混和されなけれ ばならない。適した共溶媒には、メタノール、エタノール等の低級アルコールお よびアセトン等の低級ケトンが含まれる。 本発明の方法に有用な脂肪族ジアミンには、一般式H2NR1NH2のジアミン (式中、R1は、「二価の飽和炭化水素基」である)が含まれ、これは、炭素と 水素だけを含む二価の残基を意味し、オレフィン、アセチレンまたは芳香族の 基などの不飽和なものを含まない。二価の飽和炭化水素基には、脂環式のリング が含まれるものとする。有用な基R1には、−(CH2n−(式中、nは4から 14である)、−CH2CH(CH3)CH2CH2CH2−および が含まれる。R1は −(CH2n− であることが好ましく、この場合nは4 ,6,8,10または12であるが、nは6であることがさらに好ましい。 本発明の方法に用いられる脂肪族ジカルボン酸は、一般式HO2CR2CO2H のものである。有用な基R2には、−(CH2m−(式中、mは2〜12である )が含まれる。mは4または10であることが好ましく、mが4であることが特 に好ましい。 (生原料の)芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとの塩の水溶液は、芳香族 ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとを水性溶媒に添加することによって調製できる (水の存在下で、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとを接触させることが好 ましい)。溶液の沸点近くまたは沸点まで加熱すると(加圧して沸点を上げるよ うにしてもよいが、加圧は必ずしも通常は必要とされない)、塩の形成速度が増 し、通常、塩は低温でよりも多く溶解する。決定的に重要ではないが、芳香族ジ カルボン酸と脂肪族ジアミンとのモル比が約1:1で使用することが好ましい。 このようにすると最も有効に材料を使用したことになる。芳香族ジカルボン酸と 脂肪族ジアミンとの塩の水性溶媒中での溶解度は様々であり、用いられる特定の 芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとに依存する。概して、芳香族ジカルボン 酸および/または脂肪族ジアミン中に存在する炭素原子の数が少ないほど、塩は より溶解性を増す。多くの場合、必要量だけの少量の水性溶媒を用いることが好 ましい。このようなアプローチによると、塩を結晶化させたときの収率が高くな ることが多い。 塩の生成と溶解において不溶性物が残るならば、濾過などの通常の手段によっ てこれらを取り除くことができる。もし芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミン間 の塩の溶液が濃く着色されているか、容易に吸収される金属などの不純物を含ん でいるならば、この溶液を任意に活性炭などの吸着剤で処理してもよい。吸着剤 および吸収された不純物は、濾過またはデカンテーションなどの適当な手段で容 易に除去できる。 次いで、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとの塩を、塩の溶解度を下げる ために、最も典型的には溶液を冷却して、沈殿(結晶)させる。沈殿後、固形塩 を濾過、デカンテーションまたは遠心分離などの適当な手段によって、水性溶媒 から分離する。もし、妥当ならば、固形塩を少量の液体で洗浄して、付着した水 性溶媒を除去してもよい。この時点で塩が十分に純度が高いならば、直接純度の 高い芳香族ジカルボン酸の製造に使用してもよい。しかし必要ならば、1度また は2度以上の再結晶を(もし妥当ならば、吸着剤と接触させて)行って、芳香族 ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとの塩が、所望の純度の芳香族ジカルボン酸を得 るのに十分な純度となるようにしてもよい。 芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとの塩を、最少限の水性溶媒に高温で溶 解することによって再結晶を行った後、温度を下げることによって塩を結晶(沈 殿)させてもよい。固形塩を濾過などの適当な手段によって水性溶媒から分離し て、任意に水で洗浄する。塩を精製するための他の技術、例えば分帯精製(zone refining)などを用いてもよい。 (適した純度の芳香族ジカルボン酸が得られるような)適当な純度の、芳香族 ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとの塩がいったん得られれば、このような塩を水 性溶媒に溶解し、かつ、脂肪族ジカルボン酸を添加する。これは、「副生物」、 脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸との塩、を溶解させるように、溶液の沸点 に達するまでの高温で実施するのが好ましい。できれば多少水に溶ける脂肪族ジ カルボン酸を添加すると、水性溶媒に対して通常低い溶解性を示す芳香族ジカル ボン酸はあらゆる温度で沈殿するので、濾過、デカンテーション、遠心分離また は他の適当な手段によって、これを除去できる。次いで、固形芳香族ジカルボン 酸を抽出し、および/または溶媒で洗浄して、もし必要ならば使用前に乾燥させ てもよい。 材料を最も効果的に使用するためには、塩と用いられる脂肪族ジカルボン酸の モル比は約1:1である。固形芳香族ジカルボン酸を除去した後、残された水性 溶媒には脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸との塩が含まれている。このよう な塩の水溶液を用いて、単に熱することによって、脂肪族ポリアミド(ナイロン としても知られる)を製造してもよいことがよく知られているが、このことは、 例えばビー・エルバーら編集、第5版、ウルマンの工業化学事典、第A21巻、 (Ulmann's Encyclopedia of Industial Chemistry,5th Ed.,B.Elvers.,et a l.,Editors,Vol.A21)、1992年第179頁〜192頁、ドイツ国、D69 40 ワインハイム、ベー・ツェー・ハー出版社(VCH Verlaggesellschaft mbH ,D6940,Weinheim,1992,p.179-192)およびその中の参考文献を参照すれば分 かる。その開示事項は、引用によりここに導入される。純度の高い芳香族ジカル ボン酸を回収するために、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとの塩をこのよ うに「中和すること」は、不要な副生物を生成しないで、むしろ有用な生成物を 製造するのに用いられる塩を製造することになる。これにより、廃棄物、潜在的 な環境汚染およびコストが減少する。 実施例 実施例1 蒸留水(800ml)を磁性撹拌器、加熱マントルおよび還流冷却器を備えた 2リットルの丸底フラスコに入れた。水を100℃(沸点)まで加熱して、ヘキ サメチレンジアミン(HMD)112.0gとアモコ化学社(Amoco Chemical Co .)の生原料2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6N)200gとをゆっくり 添加した。2,6Nを添加すると、すばやく溶けて濃赤溶液を形成した。ティー スプーンに山盛り5杯分のフレッシュな10メッシュDarco(登録商標)活 性炭(fresh 10 mesh Darco activated charcoal)を撹拌しながら添加した。溶液 を、2層の濾紙を備えた熱真空(ただし真空不使用)フィルターを用いて熱濾過 して、炭素粒子と沈殿した触媒残留物をトラップした。濾液を氷/水の混合物で 約5℃まで冷却した。明るい茶色の結晶(HMD−2,6N塩)を溶液から沈殿 させた。この結晶を多孔ガラスフィルター漏斗を通して冷却濾過することによっ て液体から分離した。回収された結晶を合計約50mlの冷蒸留水で2 回洗浄した。 蒸留水(750ml)を2リットルの加熱丸底フラスコに入れて、沸点まで加 熱した。洗浄された塩の結晶を、沸騰水に溶かした。さらにティースプーン5杯 分のフレッシュなDarco(登録商標)活性炭を添加して、沸騰スラリーを約 15分間撹拌した。混合物を熱濾過器を通して熱濾過し、濾液を約5℃まで冷却 して塩をもう1回沈殿させる。濾液溶液は明るい淡黄色であった。 回収された固体を合計量50mlの冷蒸留水で2回洗浄した。回収された結晶 を5リットルの丸底フラスコ中の1500mlの沸騰蒸留水に再溶融した。溶液 はうすい淡黄色であった。 アジピン酸(135g)を熱塩溶液に添加した。アジピン酸が溶解するにつれ て、2,6Nの泡状の白色沈殿ができて、ある場合には、溶けているアジピン酸 の結晶を包み込むように見える。混合物を10分間沸騰させ、次いで熱濾過した 。2,6Nのケーキを濾過器上で冷水を用いて1回洗浄し、かつ、ケーキを20 00mlの丸底フラスコに移した。1リットルの蒸留水を回収された2,6Nに 添加してスラリーを30分間沸騰させた。この濾液は2,6N回収工程で形成さ れたHMD−アジピン酸塩を含み、うすい淡黄色であった。冷却中に、オフホワ イトの過剰アジピン酸が溶液から沈殿した。 次いで、2,6N/水のスラリーから熱を除去して、スラリーを一晩かけて室 温まで冷却した。抽出された2,6Nを室温濾過で回収し、引き続き洗浄して真 空オーブン中で乾燥した。精製された2,6Nを140g以上回収した。この材 料は雪白色であり、示差走査熱量法による融点が、オリジナル生原料の448℃ や高純度サンプル2,6N(DSC加熱速度25℃/分)に対する459℃と比 較して456.4℃であった。高純度サンプル2,6Nを、アモコ化学社(Amoco Chemicals)から入手できる(2,6Nの)蒸留ジメチルエステルの加水分解に よって製造した。エステルの加水分解は99%以上完了しているものと考えられ る。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年8月7日 【補正内容】 明細書 芳香族ジカルボン酸の精製方法 発明の技術分野 この発明は、芳香族ジカルボン酸の精製方法に関する。 発明の背景 芳香族ジカルボン酸は、商業的に重要な商品である。それらは、中間体として 種々の用途があるが、おそらくそれらの最大の用途は、重合用モノマーとして、 特に熱可塑性ポリエステルおよびポリアミドを製造するためのモノマーとしての 用途である。あれこれの目的のために、非常に純度の高い材料が一般に必要であ り、このような芳香族ジカルボン酸を精製するための新規な方法が絶えず追求さ れている。 フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸は、二 種以上の異なるアルキル基を有する芳香族あるいは特定のキシレンを、触媒とし て働く重金属塩および臭素と酸化反応させる酸化プロセスによって製造してもよ い。例えば、パラキシレンを酢酸に溶解した酢酸コバルトと臭化水素とからなる 触媒を用いて液相中で酸化させてテレフタル酸にしてもよい。空気のような、酸 素を含有するガスを、約200℃の高温かつ約10気圧の過圧(superatmospheri c pressure)を維持する反応器の中に注入する。反応器に注入される空気の量は 、化学量論的に必要とされる以上の過剰酸素を排ガス中に保有するのに十分な量 である。反応器から取り出される液体は、約25〜約35%の固形分を含有する 。これらの固形分は、所望のテレフタル酸だけでなく、モノカルボン酸、アルデ ヒド、非酸化材料(unoxidized material)、過酸化材料(over oxidized material)、触媒残さ等の形態で異物や不純物も含有していることがあ る。これらの異物や不純物は大部分またはすべて、ポリエステルやポリアミドを 重合するためのモノマーとしての、芳香族ジカルボン酸の有用性に影響を及ぼす かもしれない。 US−A−2829160号では、テレフタル酸の精製方法を開示しているが 、これでは生原料テレフタル酸を所定のアミン塩に転換する。これにより、酸の 誘導体を生成するが、必要ならば、結晶化によってさらに精製してもよい。アミ ン塩を溶媒に溶かし、かつ、生じた溶液を酸性にしてそれによりアミン塩を精製 された、不溶性のテレフタル酸に転換する(カラム1と2にかけての箇所を参照 )。テレフタル酸のアミン塩の結晶化は、水などの極性溶媒中で行われる。US −A−2829160号には、本発明で指摘されている特定の脂肪族二酸の使用 は開示されていない。 日本国特許出願第51−52163号には、そのアンモニウム塩を形成しこれ を精製することによって2,6−ナフタレンジカルボン酸を精製する方法が記載 されている。しかし、ここには、脂肪族ジアミンの使用またはこの方法で副生さ れる有用な塩の回収は記載されていない。 本発明の目的は、比較的純度の低い芳香族ジカルボン酸から精製された芳香族 ジカルボン酸を製造するための、便利で、効率的で、有効な方法を提供すること にある。ここで述べられる方法により、ナイロンの製造に有用な副生物を得る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.芳香族ジカルボン酸の精製方法であって、前記方法は、 (A)水の存在下で芳香族ジカルボン酸を脂肪族ジアミンと接触させて、芳香族 ジカルボン酸と一般式H2NR1NH2の脂肪族ジアミン(式中、R1は、4〜14 の炭素原子を含む二価の飽和炭化水素基である)とによって形成される塩を含有 する水性塩溶液を形成する工程と、 (B)芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとによって形成される塩を水性塩溶 液から回収する工程と、 (C)前記回収された塩を水性溶媒に溶解して、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジ アミンによって形成される塩を含有する別の水性塩溶液を形成する工程と、 (D)一般式HO2CR2CO2Hの脂肪族ジカルボン酸(式中、R2は2〜12の 炭素原子を含む二価の飽和炭化水素基である)に前記別の水性塩溶液を接触させ る工程と、 (E)沈殿した純度の高い芳香族ジカルボン酸を回収する工程、 とを具備することを特徴とする芳香族ジカルボン酸の精製方法。 2.前記芳香族ジカルボン酸が、ベンゼンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン 酸および二安息香酸からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の 方法。 3.前記芳香族ジカルボン酸が、2,6−ナフタレンジカルボン酸および4,4 ′−二安息香酸からなる群から選ばれることを特徴とする請求項2に記載の方法 。 4.R1が、−(CH2n− (式中、nは4〜14)、 −CH2CH(CH3)CH2CH2CH2− および からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。 5.R1が、−(CH2n−(式中、nは4,6,8,10または12である) であることを特徴とする請求項4に記載の方法。 6.nが6であることを特徴とする請求項5に記載の方法。 7.R2が、−(CH2m−(式中、mは2〜12である)であることを特徴と する請求項1に記載の方法。 8.mが4または10であることを特徴とする請求項7に記載の方法。 9.さらに、吸収剤として活性炭を用いる工程を備えていることを特徴とする請 求項1に記載の方法。 10.前記水性溶媒が100%の水であることを特徴とする請求項1に記載の方 法。 11.請求項1に記載の式中のR1が、−(CH2n− (式中、nは6である )であり、R2が、−(CH2m−(式中、mは4である)であり、かつ、前記 水性溶媒が100%の水であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 12.前記芳香族ジカルボン酸が、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジ カルボン酸および二安息香酸からなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
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