JPH10509983A - ヘモグロビンのための多官能性架橋剤および架橋ヘモグロビン複合体 - Google Patents

ヘモグロビンのための多官能性架橋剤および架橋ヘモグロビン複合体

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JPH10509983A JP9502439A JP50243997A JPH10509983A JP H10509983 A JPH10509983 A JP H10509983A JP 9502439 A JP9502439 A JP 9502439A JP 50243997 A JP50243997 A JP 50243997A JP H10509983 A JPH10509983 A JP H10509983A
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    • C07K14/805Haemoglobins; Myoglobins

Abstract

(57)【要約】 タンパク質を架橋するのに有用な多官能基試薬であって、架橋反応が終了した後も、別の化学反応に使える反応部位をまだ2つ以上有している多官能基試薬を提供する。これらの試薬は広義の芳香族化合物であって、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ビナフチルなど(これに制限されるものではない)の芳香核とこの芳香核に直接または間接に結合した4つの独立に選択された電気陰性な置換基とからなっている。

Description

【発明の詳細な説明】 ヘモグロビンのための多官能性架橋剤および 架橋ヘモグロビン複合体 本発明はヘモグロビンのようなタンパク質のための架橋剤に関し、より詳細に はその架橋剤は複数の反応部位を有し、その反応部位のいくつかはヘモグロビン のグロビン鎖と反応してグロビン鎖間の架橋を行い、少なくとも2つの反応部位 は架橋後もフリーのまま残り、それを利用してバイオ分子のような分子を複合化 (conjugation)させることができる化学架橋剤に関する。 われわれは今回ヒトヘモグロビンの特定修飾に役立つ部位特異的架橋剤を開発 した。架橋されたタンパク質は赤血球代替物質としてまたバイオ複合体形成のキ ャリヤーとしても使用できる可能性がある。我々は構造に特徴のある架橋部分と 高度に選択的な複数の反応部位を有する架橋剤がタンパク質中に特定の架橋を生 じさせることができることを見いだした。これによって修飾タンパク質の特性の 変化を明瞭にその構造と関連づけることが可能となる。 普通の架橋剤は2つの反応部位を有しているが、われわれは3つの反応部位を 有する試薬が非常に高い効率と新規な有用性をもってタンパク質を架橋しうるこ とを見いだした。この架橋剤の2つの部位が反応した後は、第3の部位はタンパ ク質の基の1つと反応するか、または外部の反応物質と反応できる状態に留まる 。結果は架橋剤の官能基の種類で決まる。たとえば、トリメソイルトリス(メチ ルホスフェート)はデオキシヘモグロビンの2つのβ−サブユニットのβ−val 1のα−アミノ基とIys 82のε−アミノ基と反応するが、トリメソイルトリス( 3,5−ジブロモサリチレート)(TTDS)は2つのβ−サブユニットのβ− lys 82においてのみ反応し、第3のエステル基は加えた求核物質と反応できる状 態で残る。バイオ複合体化工程を一層効率的にするためにはさらなる反応部位が 利用可能であることが望ましい。したがって、われわれは架橋工程後になお有効 な2つの反応部位を有する試薬を製造する研究を行った。すなわち、TTDSの ようにメタ置換ジカルボン酸の3,5−ジブロモサリチル酸エステルを有し、し かも さらに2つの有効な反応部位を有するような物質を探し求めたのである。これら の構造的問題を釣合を保って解決するものが添付図面の図1に示した(3,5, 3’,5’−ビフェニルテトラカルボニルテトラキス(3,5−ジブロモサリチ レート;BTDS)である。われわれはこの新規物質の合成法を開発し、この物 質をヘモグロビンと反応させると2つの反応部位を有する架橋されたタンパク質 が高い効率で生産されることを見いだした。これと類似の試薬でヘモグロビンの 架橋後に複数の有効な反応部位を与えより効率的なバイオ複合体化と薬剤供給を 可能にするものの作成にも成功した。これを図2に示す。これらの化台物におい て図示されている臭素置換基は、全部または部分的に他のハロゲンすなわち塩素 、フッ素、ヨウ素で容易に置換可能である。 さらに別の態様においては、TTDSでヘモグロビンを架橋してできた生成物 、すなわち遊離官能基(カルボキシル)を1つ有する物質を、フマル酸のジ(3 ,5−ジブロモサリチレート)と反応させ、ヘモグロビンのグロビン鎖間にさら なる架橋、すなわちα、α’−架橋結合をつくり、遊離官能基はそのままに残し た。その結果p50が15.9mmHgでHill係数n=2.3(25℃)である興味 ある修飾ヘモグロビンが得られた。 この技術をさらに進展させて、その試薬とヘモグロビンと反応させた時に、付 加部分が任意の数の反応基を有するように誘導体化されたヘモグロビンを与える 架橋剤を製造することもできる。 架橋剤を適当に換えることにより、2つまたはそれ以上のグロビン鎖のそれぞ れで1つまたはそれ以上の反応部位が架橋されている修飾ヘモグロビンを作るこ とができる。これらの架橋剤は他の架橋剤と組み合わせて使用することができ、 これにより2つ以上の部位で、反応基を提示しているひとつまたはそれ以上の架 橋部分により架橋されているようなヘモグロビンを得ることができる。実験 材料と方法 有機試薬はAldrich Chemical Companyから購入した。溶媒はAldrich Chemical Company とBDH Canada Ltd.,から、重水素を含む溶媒はCambridge Isotope Labo ratoriesから購入した。市販の試薬は精製せずにそのまま使用した。溶媒は使用 前に乾燥した。生化学材料 HPLCグレードのアセトニトリルと水はMallinckrodtから入手し、トリフルオロ 酢酸(TFA)はPierce Chemical Company から入手した。グロビン鎖の酵素消 化のためにはWothington Biochemical Company (Freehold,NJ) から入手したト リプシンとBoehringer Mannheim Biochemical(Indianapolis,IN)から入手したS taphylococcus aureus V8 エンドプロテイナーゼ Glu-Cを使用した。SephadexG -25はPharmacia Fine Chemicals AB(Uppsala,Sweden)から入手した。ヘモグロ ビン修飾やクロマトグラフィー用の緩衝液ならびに展開液を調製するための試薬 はすべて分析グレードまたはそれ以上であった。スペクトル NMRスペクトルはVarian Gemini(200MHz)分光計を使用して記録した。実施例1 3,5,3’,5’−ビフェニルテトラカルボニルテトラキス(3、 5−ジブロモサリチレート)の合成 t−ブチリル3,5−ジブロモサリチレート1.41g(4.0mmol)と t−ブトキシドカリウム0.45g(4.0mmol)を無水THF30ml中で 20分間撹拌した。無水THF15ml中3,5,3’,5’−ビフェニルテトラ カルボニルテトラクロライド0.40g(1.0mmol)の溶液を添加して撹 拌を一晩続けた。この混合物に水を添加し生成物をエーテルで抽出した。その溶 液をMgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。白色固体を20mlの無水トリ フルオロ酢酸に溶解して1時間放置した。このあと、エーテル20mlを溶液に加 えた。生じた白色沈殿をフィルターに集めて乾燥した。この生成物をエタノール −水から再結晶した。実施例2 デオキシ−ヘモグロビンと3,5,3’,5’−ビフェニルテトラカ ルボニルテトラキス(3,5−ジブロモサリチレート)との反応 50mMのビス−トリス緩衝液(pH6.5)中1.40mMCOHb溶液2. 0mlを、50mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)で平衡化したSephadex G ー 25 カラムに通した。COHbは酸素気流下0℃で2時間さらしてそのオキシ型 に変換した。オキシ−Hbは窒素雰囲気下38℃で2時間デオキシ化された。架 橋剤8.1mg(0.0056mmol)をジオキサン1.0mlに溶解し、50m Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)2.8mlを添加した。この溶液を真空下 、3回窒素を添加して脱酸素化した。このあとその溶液をデオキシ−Hbの溶液 に嫌気的に添加した。この反応混合物を2時間38℃に保持し水で飽和させた窒 素を回転フラスコに連続的に流した。2時間経過後、フラスコを一酸化炭素で満 たした。未反応試薬を分離するためこの修飾されたHbの溶液を0.1MのMO PS緩衝液(pH7.2)で平衡化したSephadex G-25 カラムに通した。 この結果得られた生成物、(3,5−ジブロモサリチル−ビフェニルテトラカ ルボニル−((Lys-β- 82)-(Lys-β'-82)-ヘモグロビンを以下DBSB−Hbと 呼ぶ。 架橋されたβ−サブユニットに対応するピークをC−4逆相HPLCカラムを 使用して分離した。この物質はそのイオンスプレイ質量スペクトルによって同定 した。M+:32,585(実測値)、32,586(計算値)。実施例3 DBSB−Hbとエチレンジアミンとの反応 架橋操作は上記と同様に実施した。出発物質として5mMトリス緩衝液(pH7 .6)中の1.17mMCOHb1.0mlを使用した。反応はpH8.0で行った 。反応が終わってから反応容器を一酸化炭素で満たした。このあと未反応試薬を 分離するため、修飾されたヘモグロビンの溶液を50mMpH8.0ホウ酸ナトリ ウム緩衝液で平衡化したSephadex G-25 カラムに通した。 上記の溶液に、0.2Mのエチレンジアミン溶液230μl を添加した(反応 物質溶液のpHは濃HCl で8.0に調整した)。反応バイアルをシールして37 ℃の温度に2時間保持した。このあと過剰のエチレンジアミンを分離するために 、50mMpH8.0ホウ酸ナトリウム緩衝液で平衡化したSephadex G-25 カラム に通した。 生成物をC−4逆相HPLCカラムを使用して分離し、イオンスプレイ質量分 析によって同定した。M+:32,109(実測値)、32,114(計算値)。 タンパク質、タンパク質鎖およびペプチドのクロマトグラフィー ヘモグロビンの分離はAX300 陰イオン交換HPLCカラムで行った。ヘムとグ ロビン鎖はC−4逆相HPLCによって分離した。ペプチド断片はC−18逆相H PLCによって分離された。すべての方法はすでに記載されているものである3 。 グロビン鎖の酵素加水分解 すでに記載されているものである3結果と検討 BTDSの合成 3,5,3’,5’−ビフェニルテトラカルボン酸は文献1で公知の化合物で ある。これは市販されている5−ブロモ−m−キシレンから合成された。テトラ カルボニルテトラクロライドは塩化チオニルと触媒量のDMFを使用して製造さ れた。 目的分子はテトラカルボニルテトラクロライドからKlotz 等の方法2によって 製造された。すなわち、4当量のt−ブチル3,5−ジブロモサリチリレートと 無水THF中で化合させた。無水トリフルオロ酢酸を使用した脱保護により好収 率で所望生成物が得られた。この反応図式は添付の図3に示されている。 BTDSによるヘモグロビンの架橋 ヘモグロビンの一酸化炭素型とデオキシ型の両者とBTDSとの反応はいくつ かのpH (7.2、8.0、9.0) で実施された。BTDSはジオキサンとそれそれの緩 衝液に溶解し、得られた溶液を脱酸素化した。デオキシ−Hbとの反応は回転フ ラスコの中で実施され、そのフラスコに水飽和窒素を流し、架橋剤を嫌気的に添 加した。COHbの場合にはヘモグロビン溶液を一酸化炭素で飽和させてから、 架橋剤の添加後反応容器をシールした。 COHbの場合には、いずれのpHにおいても有意味量の修飾タンパク質の生成 は見られなかった。しかしデオキシ−HbはBTDSと容易に反応する。架橋剤 を2当量使用した場合には上記pHのいずれにおいても反応混合物中には未変性H bはまったく残らなっかった。最良の結果はpH8.0において得られた。C−4 逆相HPLCクロマトグラム(グロビン鎖分離)によると、主生成物は架橋反応 中に生成された修飾ヘモグロビン混合物の約95%に相当した。 修飾タンパク質の構造決定 グロビン鎖をC−4逆相HPLCカラムで分離した。C−4クロマトグラムの 主ピークに相当する物質のイオンスプレイMSはこの物質がBTDSによって架 橋された2本のβ−鎖であり、BTDSの他の2つの3,5−ジブロモサリチレ ート基は未反応であったことを示している。 グロビン鎖は最初トリプシンで、続いてエンドプロテイナーゼ Glu-C で消化 された。生じたペプチドはC−18逆相HPLCカラムで分離された。修飾の部位 を確定するため、修飾されたβ−鎖と未変性β−鎖のそれぞれのペプチドパター ンを比較した。その結果によると、架橋は2つのβサブユニットのLys-82残基の 間で起こっている。生成物DBSB−Hbは添付の図4に示されている。 上記の結果が示すように、BTDSはHbの2つのβ−鎖のLys-82残基のε− アミノ基に対して高度の特異性をもつアシル化剤である。デオキシ型と反応する と2つのβサブユニットの間が架橋され、優れた収率でDBSB−Hbを与える 。この物質の酸素結合特性によっては、ヘモグロビンをベースとした酸素キャリ ヤーの適当な候補物質となりうる。 BTDSによる2つのβサブユニットのLys-82残基の間の架橋には2つの可能 なやりかたがあるので、この生成物の正確な構造はX線結晶学によってのみ確定 可能である。しかしながら、イソフタリル架橋剤6とトリメシル架橋剤3、5を使用 してすでに得られた結果に基づくと、BTDSは同じベンゼン環に存在する複数 の活性エステル基のうちの2つが架橋反応に関与していると思われる。別の可能 性も排除できないが、DBSB−Hbは上記の構造を有しているものと推定され る。 上述したように、BTDSの活性エステル基のうちの2つはヘモグロビンとの 架橋操作において未反応のまま残る。これらは求核基を有する分子に特異的な複 合部位を提供する。3,5−ジブロモサリチルトリメシルー((Lys-β- 82)-(1y s-β'-82)−ヘモグロビン(DBST−Hb)が各種の生化学的に興味ある求核 試薬のための特異性単官能基アシル化剤であることはすでに報告されている4。 しかしながら、DBSB−Hbはヘモグロビン1分子当り2つの活性エステル基 を含有し、2当量の求核試薬の導入を許容する。以下に記す実験において、DB SB−Hbが2官能基アシル化剤として使用しうることを示す。 エチレンジアミンとDBSB−Hbとの反応 この反応は架橋の直後に実施された。200倍過剰のジアミンを使用し反応は pH8.0、温度37℃で実施された。大過剰の試薬は3,5−ジブロモサリチレ ート基の競合的加水分解を最低限におさえるために必要である。反応はヘムとグ ロビン鎖を分離する条件下でのC−4逆相HPLCカラムで追跡された。 生成物の分離と同定 反応の間に生じた新しい主ピークをC−4逆相HPLCカラムで分離した。こ の物質のイオンスプレイ質量スペクトルはそれがBTDSで架橋結合された2つ のβサブユニットであり、架橋剤にエチレンジアミン2分子が結合していること を示した。この生成物の図式的構造を添付の図3に示す。 架橋されたヘモグロビン内のBTDSの残る2つの反応部位に求核試薬2分子 が結合できることがはっきりと示されている。このことは将来DBSB−Hbが 前記したDBST−Hb4よりも2倍も効果的な半天然薬物キャリヤーとして使 用できることを請け合うものであろう。実施例4 1,2−ビス{2−[3,5ビス(3,5−ジブロモサリチルオキシ カルボニル)フェノキシ]エトキシ}エタンの合成 結果 テトラカルボニルテトラクロライドの合成はCollman の方法7を変更すること によって達成された。無水THF中ジエチル5−ヒドロキシイソフタレートで1 ,2ビス(2−ヨードエトキシ)エタンのヨウ素を求核置換してテトラエステル を得、これを次にシリカカラムで精製した。エタノール中過剰の水酸化ナトリウ ムで加水分解してテトラカルボン酸を得た。テトラカルボニルテトラクロライド は塩化チオニルと触媒量のDMFを使用して製造された。 目的分子はKlotz 等の方法2によりテトラカルボニルテトラクロライドから製 造された。テトラキス(t−ブチル3,5−ジブロモサリチレート)はこのテト ラクロライドをt−ブチル3,5−ジブロモサリチレートと反応させて生成され た。トリフルオロ酢酸で脱保護して所望の生成物が得られた。実験 テトラエステルの合成 ジエチル5−ヒドロキシイソフタレート952mg(4mmol)とカリウムt −ブトキシド475mg(4.25mmol)を無水THF20ml中で30分間撹 拌した。ついで、無水THF20ml中1、2ビス(2−ヨードエトキシ)エタン 740mg(2mmol)の溶液を添加しこの反応混合物を窒素雰囲気下で48時 間還流させた。水を添加し生成物をエーテルで抽出した。得られた溶液をMgSO4 で乾燥し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。シリカゲルカラム(ヘキサン−EtOA c1:1)で精製して白色粉末(0.60g,51%)を得た。 テトラ酸の合成 上記テトラエステル0.60g(1.02mmol)をエタノール30mlに溶 解してこの溶液を65℃まで加熱した。ついで、水1mlに溶解した水酸化ナトリ ウム0.25g(6mmol)を添加しこの反応混合物を65℃に22時間保持 した。生じた白色沈殿を濾過分離して水10mlに溶解した。テトラ酸を濃塩酸で 沈殿析出させこれを濾過分離した。この生成物を真空乾燥した(0.46g,9 5%)。 テトラカルボニルテトラクロライドの合成 上記テトラ酸225mg(0.47mmol)を塩化チオニル15mlに溶解して DMH3滴を添加した。この溶液を5時間窒素雰囲気下で還流させた。溶媒を真 空蒸発させた。生成物(黄色味を帯びた油)を真空乾燥して一晩固化させた(2 60mg、100%)。これをさらに精製することなく使用した。 テトラキス(t−ブチル−3,5−ジブロモサリチレート)の合成 t−ブチル−3,5−ジブロモサリチレート663mg(1.88mmol)と カリウムt−ブトキシド211mg(1.88mmol)を無水THF15ml中で 30分間撹拌した。ついで、無水THF15ml中テトラカルボニルテトラクロラ イド260mg(0.47mmol)の溶液を添加し、この反応混合物を室温で一 晩撹拌した。溶液をMgSO4で乾燥し濾過し、溶媒を真空蒸発させた。(白い泡状 、750mg、88%)。 テトラキス(3,5−ジブロモサリチレート)の合成 上記t−ブチル保護化合物745mg(0.41mmol)を無水TFA15ml に溶解し室温に2.5時間放置した。このあと乾燥エーテル15mlを添加した。 この時沈殿が生じた。4℃に一晩保持した後、生成物を濾過分離して真空乾燥し た。(白色粉末、550mg、84%)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パール,クリスズチーナ ドイツ国,エキング デー − 85386 バートル − マイエル − ヴェク 5

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.官能基のうちの2つはタンパク質と反応してそれを架橋することができ、官 能基の他の2つは架橋されたタンパク質がさらに反応するのに利用可能な部位を 提供することができる少なくとも4つの官能基を有する多官能基架橋剤であって 、下記一般式I (式中、 mは4−12の整数; nは1−5の整数; Rはフェニル、ナフチル、ビフェニル、ビナフチル、フェニル−アルキレン− フェニル、ナフチル−アルキレン−ナフチル、フェニル−ポリエーテル−フェニ ルおよびナフチレン−ポリエーテル−ナフチルからなる群から選択される芳香族 基、ここでアルキレン鎖とポリエーテル鎖は線形にのびる2乃至20個の原子を 含む; Xは直接結合、エチレン基または−NH−基を意味する、 Yは−O−、−S−または直接結合を意味する、 Zは1つまたはそれ以上の互いに独立に選択された、正のHammett シグマ値を 示す電気陰性基を意味する) に対応する多官能基架橋剤。 2.一般式Iの中のYが−O−である請求項1記載の架槁剤。 3.一般式Iの中のZがアセトアミド、アセトキシ、アセチル、カルボメトキシ 、カルボキシ、ハロゲン、シアノ、エトキシ、ヒドロキシ、メタンスルホニル、 メトキシ、ニトロ、フェニル、トリフルオロメチル、トリメチルアン モニオ、ホスフェート、スルホネート、サルフェート、ジホスフィネートからな る群から選択される請求項2記載の架橋剤。 4.一般式Iの中の整数nが2または3である請求項3記載の架橋剤。 5.一般式Iの中のZがカルボキシル、ホスホネート、スルホネート、サルフェ ート、ホスフィネート、ハロゲンからなる群から選択される請求項4記載の架橋 剤。 6.一般式Iの中の基 が3,5−ジブロモサリチルである請求項5記載の架橋剤。 7.3,5,3’,5’−ビフェニルテトラカルボニルテトラキス(3,5−ジ ブロモサリチレート)である請求項6記載の架橋剤。 8.1,2−ビス{2−[3,5−ビス(3,5−ジブロモサリチルオキシカル ボニル)−フェノキシ]エトキシ}エタンである請求項6記載の架橋剤。 9.1,3,5−トリス{[3,5−ビス(3,5−ジブロモサリチルオキシカ ルボニル)フェノキシ]メチル}ベンゼンである請求項6記載の架橋剤。 10.ヘモグロビンを架橋剤と反応させることによって架橋されたヘモグロビンを 製造する方法において、さらに別の化学反応のために利用可能な、架橋剤の残基 から誘導された複数の自由官能性を有する架橋されたヘモグロビンを製造するた め、ヘモグロビンを請求項1に定義した架橋剤と反応させることを特徴とする製 造方法。 11.ヘモグロビンがヒトヘモグロビンである請求項10記載の方法。 12.ヘモグロビンをデオキシの形でかつ酸素の不存在で架橋剤と反応させる請求 項11記載の方法。 13.架橋剤が3,5,3’,5’−ビフェニルテトラカルボニルテトラキス(3 ,5−ジブロモサリチレート)である請求項11記載の方法。 14.架橋剤が1,2−ビス{2−[3,5−ビス(3,5−サリチルオキシカ ルボニル)フェノキシ]エトキシ}エタンである請求項11記載の方法。 15.ヘモグロビンに共有結合した架橋剤残基を有する架橋ヘモグロビンからなる ヘモグロビン−バイオ分子複合体であって、該架橋剤残基は少なくとも2つの反 応部位を提供し、少なくとも1つのバイオ分子が架橋剤残基の反応部位に共有結 合している、ヘモグロビン−バイオ分子複合体。 16.ヘモグロビンがヒトヘモグロビンである請求項15記載のヘモグロビン−バ イオ分子複合体。 17.バイオ分子が該架橋剤残基に該バイオ分子の第1または第2アミン基を使用 して結合されている請求項15記載のヘモグロビン−バイオ分子複合体。 18.バイオ分子がアミノ酸、ポリヒドロキシルアミン、ペプチド、酵素補因子類 似体、ホルモン、ハプテン、補酵素、求核基含有薬剤、糖、脂質、核酸からなる 群から選択される請求項15記載のヘモグロビン−バイオ分子複合体。
JP9502439A 1995-06-16 1996-06-14 ヘモグロビンのための多官能性架橋剤および架橋ヘモグロビン複合体 Pending JPH10509983A (ja)

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