JPH10509233A - 閉鎖器具と調節器具用のパッキングエレメントとその製造の為の方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 これはパッキングエレメントで、特に閉鎖器具と調節器具用の物である。このパッキングエレメントは板形状、ピストン形状、或いは球形状で、金属系或いは非金属系の原材料製の閉塞体である。例えば、Ａｌ₂Ｏ₂・セラミック材料である。プラズマＣＶＤ方法技術により、閉塞体の作用面に炭素と珪素を含有する硬質物層、約１〜２マイクロメートルの厚さで一つの付着層分とスライド層分から成るが分離される。この際、珪素含有量が付着層分の中にスライド層分より多くある。付着層分は、その可塑的特性と、その厚さのため閉塞体の作用面に対する密着度を失うこと無く、比較的脆くて硬いスライド層分の固有応力を吸収することができる。これは、付着層より薄い厚みを持つ。

Description

【発明の詳細な説明】 閉鎖器具と調節器具用のパッキングエレメントとその製造の為の方法 本発明は、特に閉鎖器具と調節器具の為のパッキングエレメントに関するもの である。エレメントは盤形状、ピストン形状或いは球形状の閉塞体により形成さ れる。この閉塞体は金属系或いは非金属系の材料であり得る。この材料は例えば 、セラミック材料である可能性もある。これには酸化アルミニウム及び多種の珪 素カーバイドSiC，Si₂C及び窒化珪素Si₃N₄も含まれる。 この閉塞体の作業面（機密面）上にプラズマＣＶＤ或いはプラズマ重合を通じ コーティング室中で炭素と珪素分を含む硬質膜が塗着される。この際、この硬質 層は閉塞体の作業面に塗着された接着層部分とその上に載る表面被覆層（スライ ド層）部分を包括する。接着層部分は閉塞体の作用面に対する接着力を高める最 初の珪素含有量を持ち、それに追従する炭素を含有する表面被覆層分は、より低 いスライド−及び接着摩擦係数を確保する為の接着層分と比べ比較的少量の二つ 目の珪素分量を有するか珪素フリーである。 プラズマからの分離はイオン射撃による。例えば、量光放電によるか或いは添 加イオン砲を通じて行なわれる。この際、炭水化物を孕む雰囲気から耐摩耗性の 炭素含有量が分離できる。これは十分に低いスライド−及び接着摩擦係数を持つ 。 前述の様なパッキングエレメントと、これに属するプラズマＣＶＤコーティン グ法はＤＥ−ＯＳ３８３２６９２で知られている。 これによると閉塞体は、その作業面のコーティングの為のコーティング室中の プラズマに対しマイナスの極になる試品ホールダーの上に置かれる。最初に閉塞 体の作業面の物理的なアルゴンによるエッチングをするため、コーティング室は 当初スパッター設備として 運転される。それに続いてエッチングのなされた作業面の上に硬質層の接着層分 を分離させるため同じ設備がある特定の第一のプロセスパラメーター群で高周波 プラズマＣＶＤ設備として運転される。この際、コーティング室のアルゴンガス は、例えば、テトラメチルシランで置換される。変更された二セット目のプロセ スパラメーター群のもとで接着層分の分離のあと表面被覆−乃至スライド層分が テトラメチルシランとヘキサンの混合ガスから分離される。 このようにして得られたパッキングエレメント（最適な形として水道機器、例 えばワンハンド混合栓用のコーティングの施されたセラミックの盤をあげること ができる）硬質層の塗着のおかげで水の存在にもかかわらず相互間の滑動の際、 十分に低いスライド−乃至接着摩擦係数があり、今までコーティングのなされて いなかったセラミック盤の場合に必要であった密閉面に油脂を塗る必要性はもう なくなった。 既知のパッキングエレメントの不利な点は熱湯耐久性が多くの場合不満足であ ることである。特に、これが問題となるのは熱湯耐久性が塗着された硬質層が閉 塞体から剥げることなく、１０００の稼働時間以上に保たれるべきとされるとき である。 この発明の役割は文初に述べられたような十分に低い接着−乃至スライド摩擦 係数を保ちながら高い熱湯耐久性を持つパッキングエレメントを申告することで ある。好んで起用されるパッキングエレメント、特に、盤形状の物が閉塞体の硬 質物層の特に接着力が著しく悪影響を受けることなく９５℃で少なくとも稼働時 間１０００時間の熱湯耐久性を持つべきである。 この役割は、請求項１記載の発明によって解決される。有利な実施と修業の継 続は他の請求項によって解決される。 発明者にとり驚きであったのは、理想化された接着−乃至スライド層分のコー ティング室内での分離時間の選択による層圧相関関係 が閉塞体の付着層分の熱湯条件下に於ける接着特性を著しく改善する能力を持ち 、更に、付着層分の接着特性が理想化された−及びスライド層相関関係を持つパ ッキングエレメントが加えて熱処理も受けると、更に強められることであった。 この際、温度が５００℃で３０分〜６０分まで、乃至温度が９００℃で０．５分 〜１分までであると、特に良好な成果に導く。 特に有利な点として判明したのは、スライド層分を過度に薄く選ぶことである 。比較的薄いスライド層分の固有応力は、十分厚い付着層分により閉塞体に対す るその接着能力が、長時間に渡る熱湯負荷下に於いても著しい負荷を受けること なく受け止められることができる。本発明の通り、厚みの相関関係がマイクロメ ートル単位で付着層分とスライド層分の間で１：０．９〜１：０．４、好ましく は１：０．６であれば良い成果が達成できる。 理想的な付着−／スライド層の相関関係は、それから付着乃至スライド層分が 分離されるガスの選択によっても影響できる。この為、付着層分の分離の為にテ トラメチルシラン、そしてスライド層分の分離にはテトラメチルシランとヘキサ ンの混合ガスを選ぶと有利であり得る。この際、テトラメチルシランとヘキサン の混合比は、１：１．５〜１：２である。テトラメチルシランとヘキサンが類似 のガスにより置換され得ることは明らかである。 付着層分が、比較的硬く脆いスライド層分の固有応力を受け止めることができ るために、これは付着層分と比較して多めの可塑性乃至柔靭性特性を持っている 。この膨張可能で変形可能な特性は付着層分の分離の際、珪素／炭素／水素の割 合がスライド層分のそれと明らかに異なって選択されることにより得られる。と 言うことで特定の厚さの付着層部の十分な柔靭性が確保できるように付着層部分 の珪素分はスライド層部分のそれより著しく多く選ばれ、そして相応に付着層部 分の炭素分はスライド層のそれより著しく少なく選ば れる。 付着層分の分離とそれに続くスライド層分の分離の際のプロセス管理により、 有利な方法として付着層分とスライド層分の間の移行は流動的になされる。この 際、付着層分とスライド層分のそれぞれ異なった珪素／炭素／水素分は互いに段 階的或いは連続的に適合される。 本発明は、限定一切無しで一つの実施例により説明される。 コーティングにはコーティング室が起用される。その主要部分は既にＤＥ−Ｏ Ｓ３８３２６９２にて示されたコーティング室に相当する。 この既知のコーティング室は電動性のある室床からなり、それに同じく電動性 のある全方向に閉止された外被が接続されている。室床には絶縁された繋ぎが通 過口の為に設けられている。これは陰極の敷板の役目をする陰極と高周波装置の 形の電源供給の間の繋ぎをする。陰極の敷板の上に閉塞体がコーティングされる 平面を上にしておかれる。この場合、限定するわけでは無しに、油圧開閉器用の Ａｌ₂Ｏ₃製セラミック盤である。室床は真空装置と繋がる吸気用のもう一つの接 続を持つ。最後に室床にはプロセスガスをコーティング室に導入するための接続 がある。 最初に真空装置が始動されてコーティング室内の圧力が約８×１０^-5ミリバー ル（＝０．０８マイクロバール）に調節される。それに続きガス導入パイプを通 してアルゴンがガス圧約６マイクロバールに達するまでコーティング室に注入さ れる。これが終わると高周波装置が始動され量光放電がはじまる。この際、陰極 の直流電圧約６００ボルトが設定される。 この時コーティング室は、陰極敷板とその上に載るセラミック盤がイオン射撃 により１５〜２５分間、好ましくは２０分間物理的に腐刻される陰極噴霧（スパ ッター）装置として仕事をする。 腐刻周期終了の少し前に既に、室内に流れ込むアルゴンの流入量が段階的に絞 られていき、同時にテトラメチルシラン（ＴＭＳ）が室内にだんだん増量されな がら導入される。これは硬質物層の接着層部に向かいできる限り滑らかな柔らか い移行することを得る可きためである。 陰極の電圧が約５００ボルトに低減された場合、付着層部が約２０分〜３０分 間１マイクロメートルの厚みまで塗着される。これに引き続きスライド層部が接 着層部の上に分離塗着される。この時、テトラメチルシランとヘキサンの割合が １：１．５〜１：５、好ましくは１：２の混合ガスが使用される。 ここでも付着層分からスライド層分への移行部分が滑らかになるようにＴＭＳ の導入が移行時間中段階的に絞られていき、それに相応してヘキサンの導入量が 段階的に選ばれたＴＭＳ／ヘキサン混合比に達するまで増量される。スライド層 分のコーティング時間は、層厚約０．４〜０．９マイクロメートル、好ましくは ０．６マイクロメートルを得るために約１０分〜１５分かかる。 付着層分のスライド層分に対する層厚関係が１マイクロメートル対０．６マイ クロメートルの場合、高めのスライド層分の固有応力は、付着層分によりセラミ ック体の作業面に働く付着分の接着能力が悪影響を受けることなく、既に良く吸 収される。 この付着分の良好な接着条件は、コーティングの施されたセラミック体を後熱 処理をすると、更に改良が可能である。特に良い結果が出るのは、このセラミッ ク体が約５００℃で３０分〜６０分の長さ、或いは約９００℃で０．５分〜１分 の熱処理を行なう場合である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，Ｕ Ｇ)，ＡＭ，ＡＴ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，Ｂ Ｙ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ， ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，Ｌ Ｋ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ， ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，Ｔ Ｔ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 フリードリッヒ ワグナー ドイツ連邦共和国 デー−79346 エンデ ィンゲン、イム テニンガー アッカー 11

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．パッキングエレメント、特に閉塞弁類、調節機器用で板状、ピストン状或 いは球状の金属性、或いは、例えばセラミック材料の様な非金属性材料の閉塞体 で形成されたもので閉塞体の作業面（抑圧面）上にプラズマＣＶＤ或いはプラズ マ重合により装着された炭素と珪素を含有する硬質物層を持つもので、この硬質 物層は閉塞体の作業面に装填された付着層分とそれに接続する被覆層（スライド 層）分とから成り、炭素を含有する付着層分が閉塞体の作業面に対する付着の向 上を助ける最初の珪素分を有し、そして、それに後続する炭素含有被覆層分がよ り低いスライド−及び付着摩擦係数を得るために付着層分より比較的少量の珪素 分を有するか、或いは珪素フリーであるかのものに於いて、付着層分が、その柔 靭な特性及びその強度に関して比較的脆くて硬いスライド層分の固有応力を閉塞 体の作業面に対する付着能力を著しく減少すること無く受け止めることができる ことを特徴とする閉鎖器具と調節器具用のパッキングエレメントとその製造の為 の方法。 ２．請求項１のパッキングエレメントでスライド層分の厚みが過度に薄く選ば れていることを特徴とする閉鎖器具と調節器具用のパッキングエレメントとその 製造の為の方法。 ３．請求項１のパッキングエレメントでスライド層分が付着層分より薄く選ば れていることを特徴とする閉鎖器具と調節器具用のパッキングエレメントとその 製造の為の方法。 ４．請求項２或いは３のパッキングエレメントでスライド層分の厚みが１マイ クロメートル未満であることを特徴とする閉鎖器具と調節器具用のパッキングエ レメントとその製造の為の方法。 ５．請求項１のパッキングエレメントで付着層部とスライド層部の厚みの相関 関係が１：０．９〜１：０．４、好ましくは１：０．６であることを特徴とする 閉鎖器具と調節器具用のパッキングエレ メントとその製造の為の方法。 ６．請求項１のパッキングエレメントの製造方法技術で、スライド−及び付着 層分の層厚がＣＶＤコーティング室内での層の分離装着時間のパラメーターの選 択により調節されることを特徴とする閉鎖器具と調節器具用のパッキングエレメ ントとその製造の為の方法。 ７．請求項６の方法技術で付着層分の分離のための最初のプロセスガスがシラ ンであり、スライド層分の分離のための二番目のプロセスガスがシランと炭水化 物ガスの混合ガスであり、その時、シランの炭水化物ガスに対する割合が１：１ ．５〜１：５の範囲内、好ましくは約１：２であることを特徴とする閉鎖器具と 調節器具用のパッキングエレメントとその製造の為の方法。 ８．請求項７の方法技術でコーティングを施される閉塞体の作業面がアルゴン で約１５分〜２５分腐刻される。その時、コーティング室が陰極噴霧装置（スパ ッター）として使われ、それに続いて付着層分の塗着及びその上に硬質物層のス ライド層分の塗着のために、コーティング室が高周波プラズマＣＶＤ装置として 起用され、その際、２５分〜２０分間付着層分がテトラメチルシランで、それに 続き約１０分〜１５分間スライド層分がテトラメチルシランとヘキサンの混合比 が１：１．５〜１：５、好ましくは１：２の混合ガスから分離される。その時、 付着層分のスライド層に対する層厚の相関関係がマイクロメートルで約１：０． ９〜１：０．４、好ましくは１：０．６であることを特徴とする閉鎖器具と調節 器具用のパッキングエレメントとその製造の為の方法。