JPH10509037A - 機能不全プロテアーゼ形成によるタンパク質分解活性の抑制 - Google Patents

機能不全プロテアーゼ形成によるタンパク質分解活性の抑制

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JPH10509037A JP8516173A JP51617396A JPH10509037A JP H10509037 A JPH10509037 A JP H10509037A JP 8516173 A JP8516173 A JP 8516173A JP 51617396 A JP51617396 A JP 51617396A JP H10509037 A JPH10509037 A JP H10509037A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、HIV(例えばHIV−1またはHIV−2)の欠陥モノマーをコードするポリヌクレオチドを含む、ウイルス成熟を干渉させるために使用する組換えベクターを提供する。欠陥モノマーは、不活性なプロテアーゼ異種ダイマーの形成をもたらし、したがってウイルスの成熟と感染力に必須であるポリタンパク質のプロセッシングを阻害する。

Description

【発明の詳細な説明】 機能不全プロテアーゼ形成によるタンパク質分解活性の抑制 発明の背景 本発明は、多単位体酵素(multimeric enzyme)の活性を阻害する組成物およ び方法に関する。具体的には、本発明は機能不全プロテアーゼ多単位体の形成に よるプロテアーゼの阻害に関する。 タンパク質の構造は、典型的には4つの階層から考察される。一次構造はアミ ノ酸配列である。二次構造は、直線状断片の規則的な局所構造の全て、例えばα −ヘリックスである。三次構造は折り畳まれたポリペプチド鎖全体のトポロジー である。四次構造は、単一のポリペプチドまたはサブユニットの集合であり、機 能的分子を形成する。 タンパク質の多くは、同じであっても異なっていてもよい、2つまたは3つ以 上のポリペプチド鎖の集合体として存在する。サブユニット間の複雑な相互作用 が機能的タンパク質を生成するのに必要である。例えば、多単位体酵素は、モノ マー間の相互作用がなくなると活性を失うであろう。 本発明にとって特に興味のある多単位体酵素は多単位体プロテアーゼである。 プロテアーゼ活性を阻害することは様々な状況で有用であろう。例えば、レトロ ウイルスプロテアーゼ(これはレトロウイルスの成熟と感染力に必須である)の 阻害はレトロウイルス感染の阻害に用いることができる。 レトロウイルスは、一本鎖RNAゲノム、脂質エンベロープを有し、さらにR NA依存デオキシリボ核酸(DNA)ポリメラーゼをコードするウイルス(逆転 写酵素として知られている)である。そのライフサイクルにおいて、このRNA ゲノムはDNA複製体(コピー)に逆転写され、これは宿主細胞のゲノムに組み 込まれる。多数のレトロウイルスにより、ヒトは病的状態となる。これらには、 レンチウイルス、後天性免疫不全症候群(エイズ)を惹起するヒト免疫不全ウイ ルス(HIV−1およびHIV−2)、並びに、T細胞白血病を惹起する、オン コウイルス、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルスIおよびII型が含まれる。 HIV−1のようなレトロウイルスは、ポリタンパク質前駆体をウイルス構造 タンパク質、およびウイルス増殖に必須の複製用酵素に処理するアスパラギンプ ロテアーゼをコードする。gag/polポリタンパク質前駆体からこのプロテ アーゼを自己プロセッシングすることによって、該プロテアーゼの遊離並びに ag およびgag/polポリタンパク質由来の成熟構造タンパク質および酵素 タンパク質の生成がもたらされる。 HIVプロテアーゼの結晶構造の研究(Naviaら、Nature 337:615-620(1989);W lodawerら、Science 245:616-621(1989))によって、これら酵素の同種ダイマー 特性が確認された。2つのHIVプロテアーゼ・モノマーの合体によって約22 KDのダイマーが生じ、サブユニットの接触面に活性部位が創出される。 これらのX線結晶学の研究によってモノマー間の相互作用領域もまた明らかに された。各モノマーは該活性部位の半分に貢献し、これには二つの触媒性アスパ ラギン酸とともにトレオニン/セリンおよびグリシン残基が含まれるが、これら は、活性部位の幾何学構造を維持する構造上の役割を果たすために全てのアスパ ルチルプロテアーゼ間で保存されている。個々のモノマーの2つのN末端および 2つのC末端はβ鎖を形成し、これは組み合わされて4鎖の逆平行βシートを生 じる。これらの相互作用は酵素内の主要な安定力となり、50%以上のサブユニ ット間接触と水素結合に貢献しているようである。ダイマー形成は、触媒中心を 発生するだけでなく、基質結合ポケットの拡張にもおよぶ。 ウイルスのタンパク質分解活性は、HIVおよび関連レトロウイルスにおいて 感染性ウイルス粒子の産生に必須であるので、このHIVプロテアーゼをHIV −1およびHIV−2の治療的介入のターゲットとした。小分子を阻害剤として 開発し、抗ウイルス剤として現在臨床試験を行っている。しかしながら、臨床試 験ではこれらの阻害剤に対する耐性が認められた。したがって、レトロウイルス プロテアーゼ(特にHIV−1プロテアーゼ)を阻害する新規な手段は、レトロ ウイルス感染の処置において重要な治療目標である。本発明は、この要求および その他の要求に向けられている。 発明の要旨 本発明は、多単位体酵素(特にプロテアーゼ)をインビボおよびインビトロの 双方で阻害する方法を提供する。本方法は、第一のプロテアーゼ・モノマー及び 第二の欠陥(defective)プロテアーゼ・モノマーが、機能不全多単位体プロテ アーゼを形成するように、第一のモノマーを第二の欠陥モノマー接触させること を含んでいる。該標的プロテアーゼが病的状態に付随している場合には、欠陥モ ノマーを患者に投与することにより、該接触工程を行うことができる。例えば、 欠陥モノマーをコードする遺伝子を遺伝子治療に適したレトロウイルスベクター の状態で投与してもよい。 ある態様として、該欠陥モノマーは、欠陥ヒト免疫不全ウイルス(HIV)プ ロテアーゼ・モノマーである。例えば、欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーは、 活性部位のアスパラギン酸が第二のアミノ酸残基、例えばアルギニン、リシン、 及びアスパラギンなどによって置換されているものであってもよい。また、欠陥 HIVプロテアーゼ・モノマーは、例えばHIVプロテアーゼ・モノマーの残基 6−99のモノマーフラグメントであってもよい。 したがって、本発明はまた、哺乳類細胞におけるHIV複製を阻害する方法を 提供する。本方法は、欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーをコードするポリヌク レオチドに機能的に結合したプロモーターを含有する組換え構築物を細胞に導入 することを含む。標的細胞はヒト造血幹細胞でもよい。 さらに本発明は、欠陥プロテアーゼ・モノマー、例えば欠陥HIVプロテアー ゼ・モノマーをコードするポリヌクレオチドに機能的に結合したプロモーターを 含む組換え構築物を提供する。プロモーター配列は、例えばHIV LTRに由 来する。 本構築物は、哺乳類細胞に感染することができるレトロウイルスベクターに取 り込ませることができる。したがって、本発明は、欠陥プロテアーゼ・モノマー をコードするポリヌクレオチドに機能的に結合したプロモーター配列を有する組 換え発現カセットを含む哺乳類細胞(例えばヒトT細胞)を提供する。 定義 本明細書中、『プロテアーゼ・モノマー』は、多単位体プロテアーゼのサブユ ニットを指す。このプロテアーゼ・モノマーは適切な四次構造に凝集すると、活 性なプロテアーゼが形成される。 本明細書中、『HIVプロテアーゼ・モノマー』という用語は、約99個のア ミノ酸残基のモノマーを指し、これはHIVのgagおよびgag/pol前駆 体の自己プロセッシングにより生じる。HIVプロテアーゼ・モノマーのアミノ 酸配列および三次元構造は、Wlodawerら、Science 245:616-621(1989)に記載さ れている。 『欠陥プロテアーゼ・モノマー』は、1つまたは2つ以上の野生型モノマーで 多単位体プロテアーゼを形成することができるプロテアーゼ・モノマーの変異型 である。欠陥モノマーが結合する野生型モノマーは、同じプロテアーゼに由来し ても異なるプロテアーゼに由来してもよい。したがって、本発明のモノマーを用 いて、単一プロテアーゼまたは関連プロテアーゼ類の活性を阻害することができ る。このようにして形成した多単位体プロテアーゼは機能不全であり、例えば特 定のプロテアーゼについての標準的アッセイで測定した際、酵素活性は、野生型 多単位体酵素と比較したとき、少なくとも50%、通常は75%、好ましくは9 0%以上減少する。 本発明の『欠陥HIVプロテアーゼ・モノマー』は、HIV感染細胞に存在す るとき機能不全のHIV異種ダイマープロテアーゼまたは同種ダイマープロテア ーゼを形成し、さらに感染細胞でHIVプロテアーゼ活性を実質的に阻害するH IVプロテアーゼ・モノマーを指す。HIVプロテアーゼ活性は、デカペプチド ATLNFPISPWの比加水分解速度を測定するインビトロアッセイを用いて 決定することができる。このデカペプチドは、天然のHIV−1のgag−po ポリタンパク質の配列のアミノ酸残基151−160に対応し、プロテアーゼ と逆転写酵素との間の結合点を表す。切断はF−P結合で生じる。このアッセイ れている。このアッセイで測定した活性が、少なくとも50%、好ましくは75 %、最も好ましくは95%以上減少するとき、HIVプロテアーゼ活性は実質的 に阻害される。 本明細書中、『欠陥プロテアーゼ・モノマーをコードするポリヌクレオチド』 とは、細胞に存在するとき、本発明の欠陥プロテアーゼ・モノマー(例えばHI Vプロテアーゼ)であるポリペプチド又は当該欠陥プロテアーゼ・モノマーを含 むポリペプチドを発現するものである。例えば、発現したポリペプチドは、単離 したプロテアーゼ・モノマーでもよく、処理されて成熟プロテアーゼ・モノマー を生じるポリタンパク質前駆体(例えばgag−pol)でもよい。 移入遺伝子(transgene)の発現では、該挿入ポリヌクレオチド配列は同一で ある必要はなく、本来の遺伝子の配列と『実質的に同一』でもよいことを当業者 は理解するであろう。例えば、コドンの縮退のために、多数のポリヌクレオチド 配列が同じポリペプチドをコードすることを当業者は理解するであろう。これら の変更を、特に上記の用語によりカバーする。 さらに、本発明のポリヌクレオチドは、本明細書で開示する特定のモノマーと 実質的に同一であるポリペプチドをコードすることができる。2つの核酸配列ま たはポリペプチドを、後述するように、最もよく一致するように並べたとき、こ れら2つの配列においてヌクレオチドもしくはアミノ酸残基配列がそれぞれ同じ とき、2つの核酸配列またはポリペプチドは、『同一』と称される。『〜に対し て相補的』という用語が本明細書中で用いられるとき、該相補的配列が参照ポリ ヌクレオチド配列の全てまたは一部と同一であることをいう。 典型的には、2つ(または2つ以上)のポリヌクレオチドまたはポリペプチド 間の配列比較は、『比較ウィンドー』上の2つの配列のサブセットを比較し、配 列類似性をもつ局部的領域を識別し分析することによって行われる。本明細書中 、『比較ウィンドー』とは、連続する少なくとも約20ポジション、通常は約5 0から約200ポジション、より通常は約100から約150ポジションを含む セグメントを指し、2つの配列を最適に並べた後で配列を参照配列の同じ数の連 続ポジションと比較することができる。 比較のための配列の最適整列(アラインメント)は、スミスとウォーターマン の局所相同性アルゴリスム(Smith & Waterman Adv.Appl.Math.2:482(1981)) 、ニードルマンとワンシュの相同性アラインメントアルゴリスム(Needleman & W unsch J.Mol.Biol.48:443(1970))、ピアソンとリップマンの類似性検索法(Pe arson & Lipman Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,85:2444(1988))、これらアルゴ リスムのコンピュータ処理化によって行うことができる。好ましいプログラムと して、標準パラメータを用いるBLAST、OWLまたはGenPeptが挙げ られる。 『配列同一性の割合』は、最適に並べた比較ウィンドーの2つの配列を比較す ることによって決定する。この場合、2つの配列の最適アラインメントについて 参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して、比較ウィンドー内のポリヌ クレオチド部分は付加または欠失(すなわち空所)を含んでいてもよい。適合し ているポジションの数を求めるために、両方の配列において同一の核酸塩基また はアミノ酸残基が生じるポジションの数を求め、適合しているポジションの数を 比較ウィンドー内の全ポジション数で割り、その結果に100を乗じて配列同一 性の割合を得る。 ポリヌクレオチド配列の『実質的同一性』という用語は、標準的パラメータを 用いる上記プログラム(例えばBLAST)を用いて参照配列と比較したとき、 少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも9 0%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列をポリヌクレ オチドが含むことを意味する。コドンの縮退性、アミノ酸の類似性及び読み枠の 配置などを考慮して、これらの値を適切に調整し、2つのヌクレオチド配列によ ってコードされるタンパク質の対応する同一性を決定できることを、当業者は理 解するであろう。これらの目的のためのアミノ酸配列の実質的同一性は、通常は 少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも9 0%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を意味する。 ヌクレオチド配列が実質的に同一であるとする、もう1つの目安は、ストリン ジェントな条件下で2つの分子が互いにハイブリダイズするかどうかということ にある。ストリンジェントな条件は配列によって左右され、異なる環境下では異 なってくるであろう。一般に、ストリンジェントな条件は限定されたイオン強度 およびpHで特定の配列の熱融解点(Tm)より約5℃低くなるように選択され る。Tmは、標的配列の50%が完全に適合しているプローブと(限定されたイ オン強度およびpHの下で)ハイブリダイズする温度である。ハイブリッドのT mは、プローブの長さと塩基組成の両方の関数であるが、これをサンブルック(S ambrook)らのMolecular Cloning -A Laboratory Manual、1−3巻(第2版)( サンブルックら編、コールドスプリングハーバー研究所刊、コールドスプリング ハーバー)で提供される情報を用いて算出することができる。典型的には、サザ ンブロットのプロトコル用のストリンジェントな条件は、0.2×SSCによる 65℃での洗浄を伴う。 タンパク質配列が実質的に同一であるとする別の目安は、一方のタンパク質が 他方のタンパク質に対して作製した抗体と免疫学的に特異的に反応するかどうか ということにある。指定のイムノアッセイ条件下で、特異的に免疫反応する抗体 は特定のタンパク質と結合し、サンプル中に存在する他のタンパク質とは顕著な 量で結合することはない。そのような条件下で抗体と特異的に結合するためには 、あるタンパク質のその特異性に対して選択された抗体が必要である。例えば、 本発明の欠陥HIV−1プロテアーゼ・モノマーに対して作製された抗体を選択 して、他の欠陥モノマーと特異的に免疫反応するが、他のタンパク質とは特異的 に免疫反応しない抗体を得ることができる。種々のイムノアッセイ形式を用いて 、あるタンパク質と特異的に免疫反応する抗体を選別することができる。例えば 、固相ELISAイムノアッセイは、タンパク質と特異的に免疫反応するモノク ローナル抗体を選別するために日常的に用いられる。特異的な免疫反応性を決定 するために用いることができるイムノアッセイ形式および条件は、Harlow & Lan e(1988)、Antibodies,A Laboratory Manual 、Cold Spring Harbor Publicatio ns 、ニューヨークを参照のこと。 本発明のプロテアーゼ・モノマーの場合に、修飾プロテアーゼ・モノマーは、 もしこの修飾タンパク質が野生型モノマーと結合し異種ダイマーを形成すること ができるならば、天然に生じるプロテアーゼ・モノマーと実質的に同一である。 したがって、本発明のモノマーをベースとした修飾タンパク質は、後述のアッセ イを用いて、野生型モノマーと結合し欠陥プロテアーゼを形成する能力を分析す ることによって同定することができる。 本明細書中の『レトロウイルスベクター』という用語は、レトロウイルスに由 来するベクターを意味する。レトロウイルスベクターは、組換え作業によって宿 主染色体ゲノムに遺伝子またはDNAフラグメントを挿入する能力をもつように 構築され、その結果、宿主細胞でDNAフラグメントを安定して発現させること ができる。レトロウイルスベクターの基本設計および使用については、例えばシ ンガーとバーグ(M.Singer & P.Berg)のGenes and Genomes 、Mill Valley、 カリフォルニア(1991)、pp.310-314に記載されている。レトロウイルスは、そ のウイルスカプシド内でRNA形で存在し、宿主細胞で複製するとき二本鎖のD NA中間体を形成する。同様に、レトロウイルスベクターは、RNAおよび二本 鎖DNAの双方の形で存在し、『レトロウイルスベクター』という用語はその双 方の形態を含む。 本明細書中、『遺伝子治療』という用語は、動物の細胞に核酸(RNAまたは DNAのいずれか)を導入することによって動物の疾患を治療する方法を指す。 導入する核酸は、処置する動物と同一種由来のものでも、異種由来のものでもよ い。核酸は、合成によって製造することもできる。この用語は、特定の動物細胞 内に核酸を導入することを含み、次いでこの核酸は、細胞内で発現し、発現の結 果が疾患の処置となる。 本明細書中、『機能的に結合した』という用語は、機能的な関係におけるポリ ヌクレオチド成分の結合を指す。核酸が別の核酸配列と機能的関係で配置される とき、核酸は『機能的に結合』している。例えば、プロモーターまたはエンハン サーは、それがコード配列の転写に影響を与える場合、コード配列に機能的に結 合している。機能的に結合するとは、結合しているDNA配列は典型的には連続 しており、この場合2つのタンパク質コード領域を結合させる必要があるが、読 み枠内に存在することを意味する。しかしながら、一般にエンハンサーはプロモ ーターから数キロベース離れているときに機能し、さらにイントロン配列は種々 の長さが可能であるので、いくつかのポリヌクレオチド成分は機能的に結合して いるが連続ではない。 『組換え発現カセット』とは、コード配列を含むポリヌクレオチド配列であり 、これは当該配列が適合する宿主において該コード配列の発現に影響を与えるこ とができる。そのようなカセットとして、コード配列および調節配列、例えばプ ロモーター、転写終止シグナル及び発現に影響を与えるうえで必要または有用な その他の配列(例えばエンハンサー)が挙げられる。 図面の簡単な説明 図1は、kcat/KMとプロテアーゼ変異体及びビリオンを含む変異体の感染力 との関係を示す。 図2Aおよび2Bは、欠陥モノマーをコードする遺伝子の量を、野生型ゲノム の濃度の0〜8倍に増加させた場合の実験結果を示す。 図3A〜Dは、COS−7細胞(3A、3C)、またはプロテアーゼのD25 N変異体を含むウイルスポリタンパク質を安定的に発現するCOS−7誘導細胞 株(3B、3D)に野生型HIV−gptDNAをトランスフェクションさせた 実験の結果を示す。ポリタンパク質プロセッシング(p24対全gag)(3A 、3C)および感染力(3B、3D)を調べた。 好ましい実施態様の説明 本発明は、多単位体酵素、特にプロテアーゼの活性を阻害するために欠陥モノ マーを使用することを含む。そのような欠陥モノマーを用いて、特定の応用によ りインビトロまたはインビボのいずれかで標的酵素の活性を阻害することができ る。 例えば、本発明の欠陥ウイルスプロテアーゼ・モノマーを用いて、組織培養細 胞をウイルス感染から保護することができる。したがって、生物学的に重要なタ ンパク質の組換え製造のためにインビトロで生長した哺乳類または他の細胞をウ イルス感染から保護することができる。また別に、生体外治療で用いられるヒト 細胞、例えば養子免疫治療のT細胞または他のリンパ球は、本発明の方法を用い て保護することができる。インビボでの使用は、典型的にはプロテアーゼ活性に 付随する病的状態の治療に向けられる。 多数の多単位体酵素、特にプロテアーゼのいずれもが、本発明の方法を用いる 対象とすることができる。例として、レトロウイルスプロテアーゼ、およびイン ターロイキン変換酵素(ICE)が挙げられる。Walkerら、Cell 78:343-352(19 94)およびWilsonら、Nature 370:270-275(1994)。本発明は、酵素活性を阻害す る一般的な方法であるので、特定のプロテアーゼまたは標的とされる他の酵素は 、本発明にとって重要ではない。 以下の考察は、本発明の一態様、レトロウイルスプロテアーゼの阻害について である。この実施例は、他の多単位体酵素を代表するものであって、後述の方法 を用いて、多数の多単位体酵素、特にプロテアーゼの活性を阻害することができ ることを、当業者は理解するであろう。 レトロウイルスプロテアーゼの欠陥モノマーの好ましい使用例として、HIV (例えばHIV−1またはHIV−2)プロテアーゼ欠陥モノマーを用いて、ウ イルス成熟を干渉することがある。欠陥モノマーは不活性なプロテアーゼ異種ダ イマーまたは同種ダイマーを生じ、したがってウイルス成熟と感染力に必須のポ リタンパク質プロセッシングを阻害する。酵素活性が影響を受けるので、変異体 :野生型ゲノムの比率が比較的低くても、ウイルスプロテアーゼを著しく阻害し 、かつ感染性ウイルス力価を劇的に減少させるには十分である。 本発明では、ウイルス遺伝子について支配的なネガティブ変異体が対象標的細 胞で発現される細胞内免疫付与を、ウイルス複製を特異的に妨害する手段として 用いる(例えば、Feinbergら、Aids Res.and Human Retrovirases 8:1013-1022 (1992);および国際特許出願PCT/US/01266号を参照のこと)。後述するように、 この方法は、HIVプロテアーゼ・モノマーについて支配的なネガティブ変異体 を感受性細胞、好ましくはT細胞またはその前駆細胞に導入することを含んでい る。 I.欠陥モノマー 本発明の欠陥モノマーをコードするヌクレオチド配列は、容易に設計でき、当 技術分野で周知の組換えDNA技術を用いて製造できる。例えば、モノマーは、 一次構造レベルで天然に生じる配列からアミノ酸の挿入、置換、欠失などによっ て変化させることができる。これらの修飾は多数の組み合わせで用いて最終的な 修飾タンパク質鎖を製造することができる。 プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド配列は、多くの供給源から得るこ とができる。例えば、種々のHIV株および単離体についての配列情報は、当業 者には周知である。適切な遺伝子は、標準的な技術を用いてウイルス単離体から 調製できる。polの開放読み枠からの179個のアミノ酸フラグメントの部分 otein and Pharmaceutical Engineering、Craik ら編、pp71-8(Wiley-Liss刊、 ニューヨーク(1990))に記載されている。同様に、HIV−2プロテアーゼをコ ードする配列もPichuantesらのJ.Biol.Chem.265:13890-13898(1990)に報告さ れている。 一般に、欠陥モノマーをコードする配列の修飾は、周知の種々の技術、例えば 位置特異的突然変異(例えば、Kunkel,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488-49 2(1985); Gillman & Smith,Gene 8:81-97(1979)およびS.Roberts,Nature 328 :731-734(1987)を参照のこと)によって容易に達成できる。ヌクレオチド配列を 修飾して、プロテアーゼ活性の阻害に加えて種々の特性をもつ所望のポリペプチ ドを得ることができる。例えば、細胞内局在化または照準性を改善する修飾が挙 げられる。さらに、対応する同種ダイマーのいずれよりも高い親和性で野生型タ ンパク質と異種ダイマーを形成するモノマーを設計することもできる。レトロウ イルスプロテアーゼの場合には、点突然変異もまたプロテアーゼの自己分解に対 1945(1993))。そのような変異を欠陥モノマーに付加して、細胞内での該モノマ ーの半減期を延長するのがよい。 コンピュータモデリング実験を用いて、改善した特性、例えば野生型モノマー への高い親和性を有する変異体を設計することができる。多くの変異の効果は、 日常的なスクリーニングおよび他の方法によって容易に決定できることを当業者 は理解するであろう。 さらに、野生型と変異体ポリペプチドとの間で予期される相互作用は、インビ トロアッセイによって詳細に調べることができる。レトロウイルスプロテアーゼ の場合、欠陥モノマーの量を増加させることによって、出芽ビリオンに取り込ま れる変異ポリタンパク質の量を増加することができる。理論的には、野生型モノ マー:欠陥モノマーの比が1:1の場合、野生型プロテアーゼは25%のみで、 75%の不活性プロテアーゼが生じる。この支配的なネガティブ効果は、存在す る変異体ゲノムの量を増加させることによって強化することができる。例えば、 野生型:変異体の比を1:5とすれば、野生型プロテアーゼ活性はわずか3%と なるであろう。 用いられる欠陥モノマーの特定の形態は、該モノマーが実質的に不活性なプロ テアーゼ多単位体(multimer)の形成をもたらす限り、本発明の重要な特徴では ない。例えば、種々の点突然変異をプロテアーゼ・モノマーに施し、改善した特 性をもつモノマーを提供することができる。点突然変異をもつ欠陥モノマーの一 例は、下記で詳細に説明するように、活性部位のアスパラギン酸25がアスパラ ギンで置換されているHIV−1プロテアーゼである。この部位における他の変 異体として、アルギニン、リシン、フェニルアラニンまたはトリプトファンによ る置換が挙げられる。他の置換には、リシンまたはチロシンによるロイシン23 の置換、フェニルアラニンまたはトリプトファンによるグリシン27の置換、ト リプトファンによるグリシン49の置換、およびトリプトファンによるイソロイ シン50の置換が含まれる。上記の置換は単なる例示であり、そのような変異体 の種々の組み合わせもまた用いることができることを当業者は理解するであろう 。 欠陥モノマーの他の形態は、プロテアーゼの集合を阻害するフラグメントであ る。したがって、プロテアーゼ・モノマーの接触面を模倣する短縮モノマーまた はペプチドを用いて、ダイマー形成を阻害することができる。HIVプロテアー ゼの場合、完全な配列の50%以下を含むポリペプチドのフラグメントも、該フ ラグメントがダイマー接触面の足場として役立つ限り、用いることができる。し たがって、プロテアーゼ・モノマーのN末端およびC末端を組合わせることによ って形成される逆平行βシート由来の配列を模倣するオリゴペプチドを用いるこ プチドは、典型的には約5残基から約50残基、通常は約15残基から約30残 基からなり、好ましくは該モノマーのカルボキシル末端およびアミノ末端配列を ベースとする。 より大きなフラグメントも用いることができる。例えば、N末端の最初の5残 。モノマーのより大きなフラグメントは、典型的には該モノマーの一次構造の約 60−80%、通常は90−95%からなる。 上述の組換え技術に加えて、本発明の欠陥モノマーは、標準的な技術を用いて 合成することができる。それらは、周知のプロトコルを用いて、自動合成装置、 例えばベックマン(Beckman)もしくはアプライドバイオシステムズ(Applied Bios ystems)または他の市販ペプチド合成装置を用いる、従来からの技術によって都 合よく合成することができる。それらはまた、当技術分野で周知の技術を用いて 手動で合成することもできる。例えば、Stewart & Young,Solid Phase Peptide Synthesis(Rockford,III.,Pierce),第2版(1984)を参照のこと。 II.組換え構築物 一般に、以下で用いられる呼称、並びに以下に記載する細胞培養における実験 室手順、分子遺伝学および核酸化学は、当技術分野ではよく知られたもので、一 般的に用いられている。組換え核酸法、ポリヌクレオチド合成、細胞培養および 移入遺伝子の取り込み(例えば電気穿孔、微量注入、脂質仲介感染(lipofection ))について標準的な技術が用いられる。一般的酵素反応、オリゴヌクレオチド 合成および精製工程は、製造元の説明書にしたがって行われる。この技術および 手順は一般的には、当技術分野での従来の方法および本明細書中で提供する種々 の一般的な文献にしたがって行われる。これらに記載されている手順は、当技術 分野で周知であると考えられるが、読者の便宜のために提供する。後述の呼称お よび一般的実験室手順の大半は、サンブルック(Sambrook)らのMolecular Clon ing -A Laboratory Manual、1−3巻(第2版)(サンブルックら編、コールド スプリングハーバー研究所刊、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク(198 9))に見出すことができる。 適切な発現カセットおよび興味の対象である異種遺伝子を含むベクター構築物 の調製方法は、当業者にとって周知である。本発明の構築物を作るために用いら れる核酸は、天然のものから単離しても、またインビトロで合成してもよい。一 般に、本発明の方法で用いられるオリゴヌクレオチドは、例えば製造元が提供す る説明書にしたがってアプライドバイオシステムズ社のオリゴヌクレオチド合成 装置を用いて化学合成することができる。 典型的には、欠陥モノマーをコードする配列は、発現カセットに組み込まれ、 適切な発現調節配列に機能的に結合される。そのような構築物において、該発現 調節配列は、十分な細胞特異的発現に必要な、少なくとも最小の配列であり、こ れは一般に、効果的な転写を保証するために、コード配列との関係で配置される 少なくとも1つのプロモーターである。しばしば、プロモーターの下流の配列、 特にイントロン配列が移入遺伝子構築物に包含される(Brinsterら、Proc.Natl .Acad.Sci.USA 85:836(1988))。通常、プロモーターの上流の配列は、種々の 欠失および再配置を行うことが可能であるが連続して用いられる。いくつかの所 望の制御成分(例えばエンハンサー、サイレンサー)は、比較的、配置感受性が なく、その結果、対応する天然に生じる遺伝子と比べて、移入遺伝子中の異なる 位置に配置されても、該調節成分は正確に機能することができる。 HIVプロテアーゼの場合、本発明に適切なプロモーターとして、HIVのL TR、初期SV40、CMVの主要後期、アデノウイルス極初期(immediate ear ly)、ヒストンH4、β−アクチン、MMTVおよびHSV−TICに由来する ものが挙げられる。好ましい態様として、本発明のポリヌクレオチドを、レトロ ウイルスベクターを用いて標的細胞に導入する。この場合、レトロウイルスの末 端繰り返し配列(long terminal repeat(LTR))のプロモーターを用いて、発現を 駆動することができる。HIVプロテアーゼの場合、T細胞が本発明の方法での 標的細胞である。したがって、これらの細胞に特異的であることが分かっている プロモーターも用いることができる。 HIV感染細胞に遺伝子を発現させるために、HIV LTR由来の調節配列 を用いて、発現を誘導することができる(国際特許出願PCT/US90/01266号を参照 のこと)。HIV感染細胞のみが、遺伝子発現の活性化に必要なトランスアクチ ベータ遺伝子(tat)を含む。したがって、遺伝子の発現は主として感染細胞 で生じるであろう。 効果的な発現を担保するために、3’ポリアデニル化領域を存在させて、mR NA転写物を適切に成熟させなければならない。興味の対象である遺伝子の完全 な3’非翻訳領域を用いるのが好ましいが、例えばSV40由来のポリアデニル 化シグナル、特により効果的な発現を提供するスプライス部位を含むものも用い ることができる。 III.遺伝子治療 本発明の核酸を標的細胞に送り届けるいずれの方法も用いることができる。種 々の方法が従来技術で開示されている。殆どの研究が、遺伝子を細胞に送り込む ためにレトロウイルスおよびアデノウイルスベクターを使用することに集中して いる。実施可能な遺伝子治療のために、所望のポリヌクレオチドを特定の標的細 胞型(例えば、T細胞またはその前駆細胞)に誘導することができ、さらに標的 細胞集団への治療用ポリヌクレオチドの取り込みを仲介することについて極めて 効果的であるDNA転移法を用いるのが望ましい。 レトロウイルスベクターは、遺伝子治療プロトコルでヒト細胞に形質導入する ために最も一般的に用いられるベクターである(例えば、Millerら、Mol.Cell. Biol.10:4239(1990); Kolberg,J.NIH Res.4:43(1992); Cornetta ら、Hum. Gene Ther.2:215(1991)を参照のこと。遺伝子治療のためのレトロウイルスベク ターの主要な利点は、複製細胞への高効率の遺伝子転移、転移した遺伝子の細胞 DNAへの正確な組み込み、および遺伝子導入後に該配列が更に拡散しないこと である。 アデノウイルスベクターも、ヒト遺伝子治療において潜在的に使用できること が記載されている(Rosenfeldら、Cell 68:143(1992))。アデノウイルスベクター の主要な利点は、レトロウイルスベクターよりも大きな挿入ポリヌクレオチド配 列を運ぶことができる潜在能力、非常に高いウイルス力価、非複製細胞に感染す る能力、本来の場所(in situ )、特に肺の組織に感染する適性である。 ヒトでの使用が認可されている他の遺伝子転移法として、その場で(in situ )直接リポゾーム中のプラスミドDNAを腫瘍細胞に物理的に転移するものが挙 げられる。培養細胞で増殖させる必要があるウイルスベクターと異なり、プラス ミドDNAは均質となるまで精製でき、したがって病原体が混入する可能性を減 少させることができる。リポゾーム仲介DNA移入は、様々な研究者によって説 明されている(例えば、Litzinger & Huang,Biochem.Biophys.Acta 1113:201 (1992); Felgner,WO91/17424; WO91/16024を参照のこと)。 米国で承認された遺伝子移入試験の大半は、複製欠陥レトロウイルスベクター に依拠しているので、そのようなベクターの製造および使用は、下記でより詳細 に説明する。しかしながら、本発明のポリヌクレオチドを標的細胞に導入するた めに用いられる特定の方法は、本発明の重要な特徴ではないことは理解されよう 。 レトロウイルスベクターは、レトロウイルスを遺伝学的に操作することによっ て製造する。野生型レトロウイルスゲノムおよびプロウイルスDNAは、3つの 遺伝子を有する。gagpolおよびenv遺伝子の3つであり、これらは2 つの末端繰り返し配列(LTR)に接する。gag遺伝子は内部構造(ヌクレオ カプシドおよびカプシド)タンパク質をコードし、pol遺伝子はRNA依存D NAポリメラーゼ(逆転写酵素)並びにプロテアーゼおよびインテグラーゼをコ ードし、env遺伝子はウイルスエンベロープの糖タンパク質をコードする。5 ’および3’LTRは、ビリオンRNAの転写およびポリアデニル化を促進する のに役立つ。5’LTRに隣接しているのは、ゲノムの逆転写のため(tRNA プライマー結合部位)およびウイルスRNAの粒子への被包化(Psi部位)の ために必要な配列である。R.C.Mulligan,Experimental Manipulation of Gene Expression,M.Inoue 編、155-173(1983); R.Mannら、Cell,33: 153-159(19 83); R.D.Cone & R.C.Mulligan,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81: 6349-635 3(1984)を参照のこと。 レトロウイルスベクターの設計は当業者には周知である。典型的には、欠陥ウ イルスゲノムがパッケージング細胞系に導入されるとき、レトロウイルスベクタ ーは産生される。パッケージング細胞系は、パッケージングに必要なウイルス構 造タンパク質を産生するが感染性ビリオンを産生することができない、遺伝学的 に構築された哺乳類の組織培養細胞系である。他方、欠陥ゲノムは、構造遺伝子 を欠くが、標的細胞ゲノムへの組み込み、感染性ビリオンへのゲノムのパッケー ジングに必要な配列、及び所望のポリヌクレオチドの発現に必要な配列を含んで いる。したがって、欠陥ゲノムをパッケージング細胞系にトランスフェクトする ことによって、所望の遺伝学的構築物を有するレトロウイルスベクター粒子を産 生することができる。レトロウイルスベクターの調製およびその使用は、多くの 文献に記載されている。例えば、欧州特許出願公開公報EPAO 178 220号、米国特 許第 4,405,712号、Gilboa,Biotechniques 4: 504-512(1986); Mannら、Cell 3 3: 153-159(1983); Cone & Mulligan,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81: 6349-6 353(1984); M.A.Eglitis ら、Biotechniques 6: 608-614(1988); A.D.Miller ら、Biotechniques 7: 981-990(1989); A.D.Miller,Nature(1992)上掲書; R.C .Mulligan(1993),上掲書; B.Gouldら、および国際特許出願WO92/07943号(発 明の名称『遺伝子治療に有用なレトロウイルスベクター』)である。 パーッケージング細胞系を調製するために、所望のレトロウイルスの感染性ク ローンを構築した。但し、このクローンにはパッケージング部位が欠失している 。この構築物を含む細胞は、全ての構造タンパク質を発現するが、導入されたD NAをパッケージングすることができない。また、細胞系を適切なコアおよびエ ンベロープタンパク質をコードする1つまたは2つ以上の発現プラスミドで形質 転換することによって、パッケージング細胞系は作製される。これらの細胞では 、gagpolおよびenv遺伝子は、同じであるかまたは異なるレトロウイ ルスに由来することができる。 本発明に適した多数のパッケージング細胞系も従来技術で入手可能である。こ れらの細胞系の例として、Crip、GPE86、PA317およびPG13が 挙げられる。Millerら、J.Viol.65: 2220-2224(1991)を参照のこと。他のパッ ケージング細胞系の例が、R.Corn & R.C.Mulligan,Proc.Natl.Acad.Sci. USA 81: 6349-6353(1984)およびO.Danos& R.C.Mulligan,Proc.Natl.Acad. Scl.USA 85: 6460-6464(1988)に記載されている。さらに、カーロル(Carroll) ら、J.Viol.68:6047-6051(1994))には、HIVをベースとしたレトロウイルス ベクターをトランスフェクトしたとき、感受性CD(+)細胞に形質導入できる パッケージされたベクターを産生する、安定ヒト免疫不全ウイルス(HIV)パ ッケージング細胞系が記載されている。 殆どの遺伝子治療プロトコルは、患者の細胞を生体外で処理し、次いでこれら の細胞を患者に再導入することを含んでいる。例えば、HIV感染を受けたT細 胞をターゲットとするために、感染患者の骨髄由来造血幹細胞が用いられる。他 の細胞のウイルス感染は宿主内で排除され、続いて遺伝学的に修飾された幹細胞 の移植により自己の造血系の再構築が行われる。 幹細胞の単離および形質導入において、著しい進歩があった。最近の多くの報 告は、ヒトの造血幹細胞の単離に適した技術を記載している(例えば、Baumら、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89: 2804-2808(1992)を参照のこと。一般に、これ らの方法は、細胞表面抗原、造血幹細胞集団のマーカーとして用いられるCD3 4の存在に依拠している。さらに、Xuら、Exp.Hematol.22:223-230(1994)は、 ゴシェ病患者から単離されたCD34+細胞の形質導入も報告している。 レトロウイルスベクター粒子複合体を投与することによって、欠陥HIVプロ テアーゼ・モノマーをコードする配列の送達もインビボ(in vivo)で達成する ことができる。典型的には、患者への全身的投与(例えば静脈内、腹腔内、筋肉 内、皮下または頭蓋内輸液)によって行われる。全身的投与のためには注射が好 ましく、例えば筋肉内、静脈内、腹腔内、および皮下注射が挙げられる。注射用 の適切な製剤法は、Remington's Pharmaceutical Sciences 第17版(Mack Publ ishing Company刊、フィラデルフィア、ペンシルバニア、(1985))に見出される 。種々の医薬組成物を調製することができる。これら医薬組成物は、種々の薬剤 送達システムに適している。本方法の薬剤送達の簡単な概要については、ランガ ー(Langer)のScience 249: 1527-1533(1990)を参照のこと。 IV.医薬組成物 本発明の欠陥モノマーを直接投与して、患者のプロテアーゼ活性を阻害するこ とができる。したがって、種々の薬剤送達システムでの使用に適した医薬組成物 を調製することができる。本発明で使用するのに適した製剤法は、Remington's Pharmaceutical Sciences 第17版(Mack Publishing Company刊、フィラデルフ ィア、ペンシルバニア、(1985))に見出される。 欠陥モノマーは、医薬許容可能な媒体、例えば食塩水、PBSおよびブドウ糖 中で、一般には治療有効量、個々の目的により通常の方法にしたがって経験的に 決定される濃度での製剤として調製できる。添加物には殺菌剤、安定剤、緩衝剤 などを含むことができる。 血清半減期を高めるために、モノマーをカプセル化し、リポゾーム内腔に導入 し、コロイドとして調製してもよく、またはペプチドの血清半減期を延長するそ の他の従来技術を用いてもよい。以下の文献、例えば Szokaら、Ann.Rev.Biop hys.Bioeng.9: 467(1980);Szoka,Membrane Fusion(Wilschut & Hoekstra 編 、Marcel Dekker,Inc.刊、ニューヨーク(1991))のLiposomal Drug Delivery; 米国特許第 4,235,871号、同第 4,501,728号および同第 4,837,028号に記載され たように、リポゾームの調製には種々の方法が利用できる。 多くの場合、欠陥モノマーを用いて細胞内酵素活性を阻害することができる。 したがって、本発明の欠陥モノマーは、細胞内に送達されるように投与されるの が好ましい。例えば、所望の細胞集団(例えばT細胞)上の細胞表面タンパク質 と特異的に相互作用するターゲット部を用いて、欠陥モノマーを細胞に的中させ ることができる。その後、このモノマーは、レセプター仲介エンドサイトーシス によって細胞内間隙に送られる。 また、ターゲット部を運搬するリポゾームを用いて、欠陥モノマーを標的細胞 集団に送り届けることができる。種々のターゲット用薬剤(例えばリガンド、レ セプターおよびモノクローナル抗体)を用いるリポゾームの照準性付与は、当技 術分野で周知である(例えば米国特許第 4,957,773号および 4,603,044号を参照 のこと)。標的細胞にいったん吸着されると、リポゾームの内容物は、多数のメ カニズム、例えばエンドサイトーシス、細胞膜との脂質の交換、または細胞膜と リポゾームとの融合によって細胞内間隙に送り込まれる。 患者に投与する量は、何を投与するのか、投与の目的、例えば予防または治療 、患者の状態、投与態様などによって変動するであろう。治療での応用において 、組成物は、既に罹患している患者に、治癒または該患の症状およびその合併症 の進行を少なくとも部分的に停止させるために十分な量で投与する。これを達成 するのに適切な量は、『治療的に有効な用量』と定義する。このような使用のた めの有効量は、疾患の重篤度並びに患者の体重および一般的状態に左右される。 医薬組成物は、予防および/または治療的処置のために非経口用、局所用、経 口用または局所投与、例えばエアロゾルまたは経皮的投与が意図されている。一 般には、該医薬組成物は、非経口、例えば静脈内に投与される。したがって、本 発明は、許容可能な担体、好ましくは水性担体、例えば水、緩衝水、0.4%食 塩水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸などに溶解または懸濁させた欠陥モノマ ーを含む非経口投与用組成物を提供する。これらの組成物は、通常の滅菌技術で 滅菌してもよく、濾過滅菌してもよい。得られた水溶液は、そのまま梱包しても よく、凍結乾燥させてもよい。当該凍結乾燥調製物は、投与前に滅菌水性担体と 混合する。 特記しない限り、本明細書で用いた全ての技術的、学術的用語は、本発明が属 する分野で通常の技術を有する者が一般に理解している意味と同じ意味を有する 。本明細書で述べたものと同様または同等ないずれの方法および材料も本発明の 実施またはテストに用いることができるが、ここでは好ましい方法および材料を 開示した。以下で述べる全ての刊行物は、参考として本明細書に含まれる。また 、特記しない限り、本明細書で用いるかまたは包含される技術は、当業者によく 知られた標準的な方法である。これらの材料、方法および実施例は、単に例示で あり、限定するものではない。 実施例 本実施例は、本発明の欠陥プロテアーゼ・モノマーをコードする組換えベクタ ーの構築および使用について述べる。これらの変異体は、野生型酵素の構造的特 性を維持しているが、触媒部位領域は修飾されていて、活性が低下したダイマー アスパルチルプロテアーゼを生じる。 タンパク質分解活性の低下をもたらす、ダイマーアスパルチルプロテアーゼの 活性部位の変異体を3つ作製した。A28Sは、以前から性状が調べられている (Coら、Biochemistry 33:1248-1254(1994);Idoら、J.Biol.Chem.266:24359-2 4366(1991))。T26Sは、ラウス肉腫ウイルスプロテアーゼで見出された置換 を模倣する(Grindeら、J.Biol.Chem.267:9481-9490(1992))。D25Nは、 触媒性アスパラギン酸残基の変異によって活性が失われている(Kohlら、Proc.N atl.Acad.Sci.USA 85:4686-4690(1988))。これら変種の酵素は、全て変異Q 7Kをもち、この変異は、自己タンパク質分解に対してプロテアーゼを安定化さ 二シストロン性(bicistoronic)発現ベクターは、低下した活性をもつ変異体 プロテアーゼの大腸菌での産生のために開発された。このベクターは、プロテア ーゼ不活性型の異種発現を可能にしたが、前駆体タンパク質構築物から自己プロ セッシングが不可能である。その配列がプロテアーゼ−逆転写酵素結合部に由来 するペプチド基質を用いて、精製変異体プロテアーゼの速度論的分析を行った。 このペプチドは、ウイルスポリタンパク質の切断部位の代表例である(Tomassel liら、J.Biol.Chem.265:14675-14683(1990))。簡単に記せば、この実験は以 下のように実施した。プロテアーゼ活性を、Pichuantesら、J.Biol.Chem.265 :13890-13898(1990)の方法によって測定した。デカペプチド基質(NH2−AT LNFPISPW−COOH)の存在下、サンプルを活性緩衝液(50mM酢酸 ナトリウム、pH5.5、IMのNaCl、1mMのDTT、1mMのEDTA )中でインキュベートした。切断生成物を逆相HPLCで単離した。精製したタ ンパク質の濃度を、阻害剤U85548(Dr.A Tomasselli(Upjohn Laboratorie s)より提供)を用いて活性部位の力価測定によって求めた。得られた速度論パラ メータを表Iに示す。 HIV−1プロテアーゼの活性部位の26位および28位にセリンが存在する ことによって、基質の結合(KM)は顕著な影響を受けないが、基質の消長(kc at )は劇的な影響を受ける。野生型酵素と比較したとき、T26S変異体ではkcat が約4倍減少し、一方、A28Sのkcatはほぼ50倍減少した。その活性部 位のアスパラギン酸塩(D25)がアスパラギンによって置換されているプロテ アーゼでは活性は測定できなかった。 非ペプチド阻害剤UCSF−8(Rutenberら、J.Biol.Chem.268:15343-153 46(1993))と複合体を形成した酵素、Q7K T26SおよびQ7K A28S の構造を、2.1Aの解像までのX線結晶学によって求めた。Q7K酵素の構造 と比較することによって、変異体酵素の結合ポケットの残基の構造には顕著な偏 差は認められず、この変異は、基質の結合には影響を与えないことがさらに示唆 された。 ウイルスポリタンパク質のプロセッシングにおけるタンパク質分解活性の低下 の影響を調べるために、この変異体を組織培養系に導入し、HIVビリオンの集 合を調べた。3つの単一変異(T26S、A28SおよびD25N)を含むプロ テアーゼ遺伝子を、Pageら、J.Virol.64:5270-5276(1990)に記載されているよ うにHIV−gptベクターにクローニングした。このベクターは、エンベロー プを除いてHIV−1 HXB−2ウイルスタンパク質の全てをコードし、哺乳 類細胞にトランスフェクトすると、凝集が完了したウイルスカプシドを生じる。 この実験のために、野生型または変異体プロテアーゼを含むプラスミドDNA3 0μgを、標準的リン酸カルシウムプロトコル(Graham & van der Eb,J.Virol .63:2527-2533(1973))を用いてCOS−7細胞にトランスフェクトした。一過 性の発現生成物をラベルするために、トランスフェクト後、約48時間細胞を生 長させた。2%の透析ウシ胎児血清を補充したメチオニン欠乏DMEM中で細胞 を20分枯渇培養した。0.1mCi/mlの〔35S〕トランスラベル(ICN 、70%メチオニン/30%システイン、比活性1000Ci/mmol)を用 いて6時間、2%の透析ウシ胎児血清を補充したメチオニン欠乏DMEM(4m l)中で細胞を標識し、続いて完全な培養液で6時間コールドチェースを行った 。Pageらの上記論文に記載されたように、ショ糖クッション沈降によってカプシ ドを単離し、さらにトリクロロ酢酸で処理して沈澱させた。タンパク質を12. 5%SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析し、さらに標準的技 術によりオートラジオグラフィーによって可視化した。 T26S、A28SおよびD25Nプロテアーゼ変異体が存在することにより 、ウイルスポリタンパク質のプロセッシングの程度に劇的な影響を与えた。12 時間のパルス−チェース後には、野生型ビリオンは、主に成熟カプシドタンパク 質(p24)を含んでおり、より未熟な形態(p25)も少量含んでいた。T2 6S PRのカプシドでは、カプシド・タンパク質の多くはp25形で存在し、 さらに前駆体が39および55kDaで認められた。A28S PRおよびD2 5N PRでは、カプシドは、顕著なプロセッシングを一切示さず、未熟なp5 5gagをほぼ独占的に含んでいた。プロセッシングを経た中間体は、長時間経過 後してはじめて、A28S PRサンプルで少量認められた。 低プロテアーゼ活性のウイルスカプシドのプロセッシング能を調べるためには より長い時間が必要であった。成熟カプシドタンパク質の蓄積は、130時間に わたって続いた。これらの実験のために、COS−7細胞をプラスミドDNA3 0μgでトランスフェクトし、培養上清をトランスフェクト後、24、48、7 2、100および130時間で採集した。上清を0.45ミクロンフィルターで ろ過し、Pageらの上記論文の記載にしたがってウイルス粒子を精製した。精製ウ イルス粒子を1%トリトンで破壊し、3段階希釈物のp24レベルをELISA (NEN/DuPont)で測定した。 T26S PR粒子は、WT HIV−gptと比較して短い遅延であったが 、著しいp24レベルは、より後期の時点で粒子に存在した。A28S PRク ローンでトランスフェクトした細胞内には低レベルのp24が存在しただけであ る。これはポリタンパク質前駆体のプロセッシングが130時間後であっても劇 的に減少することを示唆している。長時間にわたる、T26S PRおよびA2 8S PRカプシドにおけるgagプロセッシング中間体の出現の順序は、他の 系で観察された順序と同じであったが、このことは、切断部位の選択は変異体カ プシドで変化しないことを示唆している。ビリオンにおけるプロセッシングの欠 如の規模は、インビトロで測定したkcat値の減少とほぼ相関する。より経過し た時点では、WTサンプルに存在するよりも大量のp24がT26S PRカプ シドサンプルに存在することに注目した。HIVカプシドは、プロセッシングを 受けたときよりも未成熟な方がより安定であることが以前に報告されている(Par k & Morrow,Virology 194:843-850(1993))。T26S PRサンプルでは粒子 に付随したp24がWTよりももっと多く検出されるということは、未熟である かまたは部分的にプロセッシングを受けた粒子がより多く最初に蓄積されること を反映しているのかもしれない。その後、これらは、さらにプロセッシングを受 けアッセイで検出される。 ウイルス感染力における、ポリタンパク質プロセッシングの速度論的変化の効 果を調べた。感染性粒子は、Pageらの上記論文に記載されたHIV−1 HXB −2エンベロープ発現プラスミドHXB−2envで、野生型および変異体含有 HIV−gptベクターを同時トランスフェクトすることによって生成した。簡 単に記せば、HIV−gpt30μgおよびHXB2−env70μgでトラン スフェクトしたCOS−7細胞の培養液を、トランスフェクト後48時間で採集 した。培養液75、250および750μlをHeLaT4インジケーター細胞 で1時間インキュベートし、続いて新鮮な培養液を1ml添加した。24時間後 、10%ウシ胎児血清、ミコフェノール酸50μg/ml、キサンチン14μg /mlおよびヒポキサンチン250μg/mlを含むDMEMを添加することに よって、薬剤選別を開始した。コロニーを固定し、0.5%クリスタルバイオレ ットで染色した。データを全粒子レベルに対して標準化するために、精製粒子を 0.1%トリトン−X100、5mMのEDTAで破壊し、外から加えた精製H IV−1プロテアーゼで消化した。消化サンプル中の全p24をp24 ELI SAで求め、さらにコロニー数を野生型p24のレベルに対する変異体の比で割 ってHeLaT4コロニー/ml/単位p24を決定した。それぞれ別個に実施 した4つのトランスフェクションから得たサンプルを48時間で分析した。その 結果を表IIに示す。 p24レベルが、WTとT26SPRビリオンとの間でほぼ等しい時点で、T 26S PRクローンは、野生型よりも常に感染力が3−4倍低かった。A28 S PRおよびD25N PRクローンは、この時点およびその時点から130 時間までの間、感染性粒子を産生しなかった(結果は示さず)。これらの結果か ら、タンパク質分解活性が4倍減少しても、ウイルスが潜在的に活性を維持して いる時間内ではポリタンパク質のプロセッシングはなお許容されることが示唆さ れる。しかしながら、プロセッシングが50倍遅い速度で進行しているとき、こ のウィンドー内でウイルスは成熟せず、感染性ビリオンは産生されない。 これらの結果から、効率定数(kcat/KM)で測定されたプロテアーゼ活性と ウイルス感染力との間に正比例の関係があることが示唆される(図1)。トラン スフェクトした細胞上清の粒子結合p24の定量によって測定されるポリタンパ ク質のプロッセシング速度及び感染性粒子が産生される速度の双方に変異体の影 響が明瞭に存在する。野生型プロテアーゼの全活性のわずか25%が存在するT 26S PRビリオンは、プロセッシングの速度が減少しているにもかかわらず 、なお細胞に感染することができる。48時間の時点の野生型とT26S PR ビリオンとの間の相対的感染力の違いは、部分的にプロセッシングを経たビリオ ンが感染力を有するか否かは明らかではないが、T26S PR集団に存在する 完全にプロセッシングを経たビリオン数の減少を反映している。A28S PR カプシドサンプルの場合は、カプシド抗原のプロセッシングは48時間でやっと 最小レベルに達した。このアッセイで感染性粒子が認められなかったのは、おそ らく適切にプロセッシングされ感染性をもった粒子が極めてわずかであったかま たは存在しなかったためであろう。 これらの結果は、感染性粒子を生じるために成熟過程で、活性なウイルスプロ テアーゼが最小量は必要であることを支持している。この閾値レベル以下のプロ テアーゼ活性では、未成熟で非感染性のビリオンを不可逆的に生じる。 野生型のレベルを一定にしながら変異体ゲノム量を増加させることによる効果 もまた調べた。エンベロープ産生プラスミドHXB2−envを加えることによ って、Pageらの上記論文に記載されたマーカー細胞系HeLaT4に感染するこ とができるHIV−1ビリオンを産生することが可能である。上記のように成分 の性状を調べるために、トランスフェクトした細胞から遊離されるビリオンをシ ョ糖濃度勾配遠心によって採集した。これらのアッセイを組み合わせて、実験で 用いたpHIVD25n−gpt量の関数として、正しくプロセッシングされた p24の量と感染性粒子数との関係を調べることができる。図2Aおよび2Bは 、変異体ゲノム(D25N)量を野生型ゲノム濃度の0から8倍に増加させた実 験の結果を示す。プロテアーゼ活性の低下は、p24レベルの低下および野生型 遺伝子を含む細胞に対する未成熟gagタンパク質レベルの増加によって観察さ れる(図2A)。支配的なネガティブ表現型は、D25Nレベルの増加に伴って 感染性粒子の数が定常的に減少することで観察された(図2B)。これらの結果 は、細胞内の変異体ゲノム量を野生型レベルより6倍減少させることによって、 細胞が産生するウイルス粒子の90%の成熟を防止するのに十分な程度までプロ テアーゼ活性を低下させることが可能であることを示している。 D25Nプロテアーゼ変異体を含むウイルスポリタンパク質を安定的に発現さ せることによる効果も調べた。pHIVD25N−gptで細胞をトランスフェ クトし、薬剤耐性マーカーの存在について選別した。安定的にHIV−1タンパ ク質を発現したクローン(12A2)を単離し、このクローンから未成熟ウイル スカプシドを遊離した。野生型HIV−gptDNAの量を変化させながら12 A2細胞系をHXB−2envでトランスフェクトし、親細胞と比較した。カプ シドプロセッシング(図3Aおよび3B)および粒子感染力(図3Cおよび3D )を調べた。図3Aに示すように、親細胞のトランスフェクションによって成熟 粒子が得られ、この粒子では全てのgagタンパク質はp24にプロセッシング された。他方、12A2細胞系は、極めてわずかのp24と大量の未成熟gag を含むウイルス粒子を産生した(図3B)。等量のDNAでトランスフェクトし たとき、12A2細胞系は、親細胞系(図3C)より約5倍少ない感染性粒子を 産生した(図3D)。 上記実施例は、本発明を説明するために提示したものであって、本発明の範囲 を限定するものではない。本発明のその他の変更は、当業者にとって明白であり 、それらは請求の範囲に包含される。本明細書に引用した全ての刊行物、特許お よび特許出願は、参考として本明細書に含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 9/50 C12R 1:91) (C12N 15/09 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES ,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,TJ,TM,TT,UA,UG,US,UZ,V N (72)発明者 ベイベ、リリア エム. アメリカ合衆国 94115 カリフォルニア 州 サンフランシスコ ジャクソン スト リート ナンバー 22705 (72)発明者 ローズ、ジェイソン アール. アメリカ合衆国 94117 カリフォルニア 州 サンフランシスコ カール ストリー ト ナンバー 6375

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 第一のプロテアーゼ・モノマー及び第二の欠陥プロテアーゼ・モノマーが 機能不全多単位体プロテアーゼを形成するように、第一のモノマーを欠陥モノマ ーと接触させることを含む多単位体プロテアーゼを阻害する方法。 2. 欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーをコードするポリヌクレオチドに機能 的に結合したプロモーター配列を有する組換え構築物を哺乳類細胞と接触させる ことを含む、哺乳類細胞におけるHIV複製を阻害する方法。 3. 組換え構築物が、レトロウイルスベクターにパッケージされる請求項2記 載の方法。 4. ポリヌクレオチドが、活性部位のアスパラギン酸がアスパラギンによって 置換されている欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーをコードする請求項2記載の 方法。 5. 欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーが、さらに49位および50位にトリ プトファンを含む請求項4記載の方法。 6. ポリヌクレオチドが、HIVプロテアーゼ・モノマーフラグメントをコー ドする請求項2記載の方法。 7. フラグメントがHIVプロテアーゼ・モノマーの残基6−99からなる請 求項6記載の方法。 8. 欠陥プロテアーゼ・モノマーをコードするポリヌクレオチドに機能的に結 合したプロモーター配列を含む組換え構築物。 9. 欠陥プロテアーゼ・モノマーがヒト免疫不全ウイルス(HIV)に由来す る請求項8記載の方法。 10.ポリヌクレオチドが、活性部位のアスパラギン酸がアスパラギンによって 置換されている欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーをコードする請求項9記載の 方法。 11.欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーが、さらに49位および50位にトリ プトファンを含む請求項10記載の方法。 12.ポリヌクレオチドが、HIVプロテアーゼ・モノマーフラグメントをコー ドする請求項9記載の方法。 13.フラグメントが、HIVプロテアーゼ・モノマーの残基6−99からなる 請求項12記載の方法。 14.欠陥プロテアーゼ・モノマーをコードするポリヌクレオチドに機能的に結 合したプロモーター配列を含む、哺乳類細胞に感染することできるレトロウイル スベクター。 15.ポリヌクレオチドが、活性部位のアスパラギン酸がアスパラギンによって 置換されている欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーをコードする請求の範囲第1 4項のレトロウイルスベクター。 16.欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーが、さらに49位および50位にトリ プトファンを含む請求項15記載のレトロウイルスベクター。 17.ポリヌクレオチドが、HIVプロテアーゼ・モノマーフラグメントをコー ドする請求項14記載のレトロウイルスベクター。 18.フラグメントが、HIVプロテアーゼ・モノマーの残基6−99からなる 請求項17記載のレトロウイルスベクター。 19.欠陥プロテアーゼ・モノマーをコードするポリヌクレオチドに機能的に結 合したプロモーター配列を含む組換え発現カセットを含む哺乳類細胞を含む組成 物。 20.哺乳類細胞が、ヒトT細胞である請求項19記載の組成物。 21.欠陥プロテアーゼ・モノマーが、欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーであ る請求項19記載の組成物。 22.欠陥プロテアーゼ・モノマーを含む組成物。 23.欠陥プロテアーゼ・モノマーが、欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーであ る請求項22記載の組成物。 24.欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーが、活性部位のアスパラギン酸がアス パラギンによって置換されるモノマーである請求項23記載の組成物。 25.欠陥HIVプロテアーゼ・モノマーが、さらに49位および50位にトリ プトファンを含む請求項24記載の組成物。
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