JPH10509023A - 雄性稔性を仲介するヌクレオチド配列およびその使用方法 - Google Patents

雄性稔性を仲介するヌクレオチド配列およびその使用方法

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JPH10509023A
JPH10509023A JP7530580A JP53058095A JPH10509023A JP H10509023 A JPH10509023 A JP H10509023A JP 7530580 A JP7530580 A JP 7530580A JP 53058095 A JP53058095 A JP 53058095A JP H10509023 A JPH10509023 A JP H10509023A
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マーク シー. アルバートセン,
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ジヨン ホワード,
ガリー エイ. ハフマン,
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パイオニア ハイ−ブレッド インターナショナル,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 植物中で雄性稔性を仲介するヌクレオチド配列を、示されるDNA分子およびアミノ酸配列とともに記載する。植物中で稔性を仲介するヌクレオチド配列の使用もまた記載される。そのような方法の1つにおいて、誘導性プロモーターがこのDNA分子の発現を調節するために使用される。そのコントロール配列が通常「オフ」になるように改変され、そしてその結果この植物は雄性不稔性となる。この雄性不稔性植物の生殖が所望される場合、雄性稔性は、その重要な遺伝子の発現を誘導する非植物毒性化学物質を用いて植物を処理することによって回復する。

Description

【発明の詳細な説明】 雄性稔性を仲介するヌクレオチド配列およびその使用方法先願への言及 本出願は、以前に出願され、そして同時係属中の米国特許出願第537,183号(19 90年6月12日出願)の一部継続である。発明の背景 植物育種の目標は、親系統の種々の望ましい特性を、単一品種/ハイブリッド 品種中で結びつけることである。農作物に関しては、これらの特性として、病害 および昆虫に対する抵抗性、熱および乾燥に対する耐性、作物の成熟化期間の短 縮化、より高い収量、およびより良い作物学的質が挙げられる。多くの作物の機 械的収穫にとって、発芽および草本確立(stand establishment)、生長速度、 成熟度、および果実の大きさのような植物の特徴の均一性が重要である。 農作物はその植物の受粉法を利用する技術により育種される。植物は、1つの 花由来の花粉が、同じ植物の同じ花または別の花へ移る場合、自家受粉する。植 物は、花粉が異なる植物上の花由来である場合、他家受粉する。 Brassicaにおいては、通常その植物は自家不稔であり、そして他家受粉のみ可 能である。自家受粉する種(例えば、ダイズおよびワタ)において、雄性植物およ び雌性植物は構造的に並置している。自然の受粉の間に、所定の花の雄性生殖器 は、同じ花の雌性生殖器に受粉する。 トウモロコシの植物体(Zea mays L.)は、自家受粉および他家受粉技術の両方 によって育種され得るという独特の状態を示す。トウモロコシは、雄穂上に位置 する雄花、および同じ植物上の穂に位置する雌花を有する。それは自家受粉ある いは他家受粉し得る。トウモロコシにおける自然の受粉は、風が花粉を雄穂から 、初期の穂の先端から突き出たトウモロコシの毛(silk)へと飛散させるときに起 こる。 植物の雄性稔性を制御する信頼性のある方法は、植物育種を改良する機会を提 供する。これは特に、ある種の雄性不稔系に頼るトウモロコシハイブリッドの開 発にあてはまる。 トウモロコシハイブリッドの開発には、同型接合体の近交系統の開発、これら の系統の交配、および交配の評価が必要である。系統育種および循環選抜は、集 団からの近交系統を開発するために使用された育種方法のうちの2つである。育 種計画は、2つ以上の近交系統あるいは種々の広範な(broad-based)供給源由来 の所望の特徴を育種プール中で結び付け、そしてそれから新規の近交系統を自家 受粉および所望の表現型の選択によって開発する。ハイブリッドのトウモロコシ 品種は、このような2つの近交系統の交配種であり、このような2つの近交系統 は各々1つ以上の所望の特徴(一方に欠損するか、または他方を補う)を有し得 る。この新しい近交系は他の近交系統と交配され、そしてこれらの交配由来のハ イブリッドは商業的潜在力を有することを決定するために評価される。第1世代 のハイブリッドの子孫はF1と呼ばれる。ハイブリッドの開発においては、F1ハイ ブリッド植物のみが調べられる。F1ハイブリッド植物は、その近交系の親よりも よく育つ。このハイブリッドの生長あるいはヘテローシスは、植物生長の増大お よび収量の増加を包含する、多くの方法において明らかにされ得る。 ハイブリッドトウモロコシの種子は、代表的には手作業による雄穂除去を組み 合わせた雄性不稔の系によって生産される。トウモロコシの2つの近交系品種の 交互の細片(alternate strip)を畑に植え、そして花粉を有する雄穂を一方の近 交系(雌株)から除去する。外来のトウモロコシの花粉の供給源からの十分な隔離 がなされれば、雄穂除去された近交系の穂は、他の近交系の(雄株)由来の花粉と のみ受精し、そしてそれゆえ得られる種子はハイブリッドであり、そしてハイブ リッド植物になる。不運にも、手作業による雄穂除去プロセスは、全く信頼性が ない。時々、雌性植物は、暴風に吹き飛ばされ、そして雄穂除去を免れることが ある。植物の発達における天然の変異はまた、手作業による雄穂除去の完遂後、 植物における雄穂形成(tasseling)をもたらし得る。あるいは、雄穂除去者はそ の植物の雄穂を完全には除去しない。いずれの場合でも、雌性植物は花粉をうま く落とし、そして自家受粉する雌性植物もある。これは、通常生産されるハイブ リッド種子とともに収穫される雌性近交系の種子をもたらす。 あるいは、雌性近交系は機械的に雄穂除去され得る。機械的な雄穂除去は、手 作業による雄穂除去と同じくらいの信頼性があるが、より迅速かつ費用もより少 ない。しかしながら、大抵の雄穂除去機械は、手作業による雄穂除去よりも植物 に対するダメージが大きい。それゆえ、現在、完全に満足のいく雄穂除去の形態 は存在せず、そしてさらに生産コストを低減し、そしてハイブリッド種子の生産 における自家受粉を除去する代替法に対する需要が引き続き存在する。 労力を要する雄穂除去プロセスは、細胞質性の雄性不稔(CMS)近交系の使用に より回避され得る。CMS近交系の植物は、核、ゲノムとは対照的に、細胞質性か ら生じる要因の結果として雄性不稔である。それゆえ、この特徴は、トウモロコ シ植物において雌性の親によって独占的に遺伝する。なぜなら、雌のみが受精し た種子に細胞質を供給するためである。CMS植物は、雄性不稔ではない別の近交 系由来の花粉と受精する。第2の近交系由来の花粉は、ハイブリッド植物の雄性 稔性を生じさせる遺伝子に寄与することもあり、または寄与しないこともある。 ハイブリッド植物が生長する場合、適切な花粉負荷が受精に利用可能であること を保証するために、雄穂除去した正常のトウモロコシおよび同じハイブリッドの 種子を生産したCMS由来の種子を、通常混ぜ合わせなければならない。 CMSには他の欠点が存在し得る。1つは、特定のCMS品種とある作物病の罹病性 との関連が、歴史的に観察されることである。この問題は、ハイブリッドトウモ ロコシ生産における、このCMS品種の使用の事実上の放棄をもたらしている。 別の形態の不稔(遺伝子に起因する雄性不稔)が、Brarらの米国特許第4,654,46 5号および同第4,727,219号に開示される。しかし、この形態の遺伝的雄性不稔は ゲノム内の別々の位置における多数の変異遺伝子の維持を必要とし、そしてその 遺伝子を追跡し、その系の使用を便利なものとするための複雑なマーカー系を必 要とする。Pattersonはまた、有効ではあるが、複雑な染色体転座の遺伝子系を 記載した。米国特許第3,861,709号および同第3,710,511号。 多数の他の試みがこれらの欠点を改善するためになされてきた。例えば、Fabi janskiらは、植物で雄性不稔を引き起こすいくつかの方法を開発した(EPO 89/30 10153.8(公開番号第329,308号)およびPCT出願PCT/CA90/00037(公開番号WO 90/08 828)を参照のこと)。1つの方法として、雄性組織特異的プロモーターと結合し た細胞毒性物質をコードする遺伝子を植物内に送達することが挙げられる。別の 方法として、稔性に重要な遺伝子を同定し、そしてこの遺伝子に対するアンチセ ンスをその植物に挿入するアンチセンス系が挙げられる。Marianiらはまた、雄 性組織特異的プロモーターと共に、遺伝子配列をコードするいくつかの細胞毒素 を示し、そしてアンチセンス系に言及している。EP89/401,194を参照のこと。さ らに別の系では雄性不稔に重要な別の遺伝子の発現を阻害する「リプレッサー」 遺伝子を使用している。PCT/GB90/00102(公開番号WO 90/08829)。 注目したように、雄性不稔の系とともに進行中の多くの仕事の必須の局面は、 雄性稔性に悪影響を与える遺伝子の同定である。 そのような遺伝子は雄性稔性を制御するために、種々の系で使用され得る。以 前、Arabidopsis thaliana中の雄性不稔遺伝子が同定され、そして雄性不稔植物 を作出するために用いられている。Aartsら、「シロイヌナズナにおける雄性不 稔遺伝子のトランスポゾンタギング」、Nature、363:715-717(1993年6月24日) 。本発明において、本発明者らは、植物の雄性稔性に重要な配列をコードする新 規のDNA分子およびそのアミノ酸配列を提供する。 さらに、本発明者らは、形質転換後に、植物に、誘導される稔性(不稔ではな く)を伴う雄性不稔を引き起こすDNA分子を用いることによって、雄性不稔を制御 する方法に独特の変形を提供する。 従って、本発明の1つの目的は、その発現が植物における雄性稔性に重要な核 酸配列を提供することである。 本発明の別の目的は、その発現が植物における雄性稔性に重要なアミノ酸配列 をコードするDNA分子を提供することである。 本発明のさらなる目的は、植物中で雄性稔性を仲介するために、このようなDN A分子を用いる方法を提供することである。 なおさらなる目的は、植物中に天然に存在するDNA分子の発現を調節すること によって、その植物の雄性稔性を仲介する方法を提供することである。 その上、別の目的は、そのDNA分子の発現が制御され得るようにそのDNA分子を 植物に送達することによって、植物で雄性稔性を仲介する方法を提供することで ある。 別の目的は、植物中で、植物の雄性稔性がそのDNA分子によって仲介される植 物を提供することである。 さらなる目的は、植物育種系において、そのDNA分子によって仲介された雄性 稔性を有する植物を使用することである。 本発明のさらなる目的は、以下の説明および請求の範囲において明らかになる 。発明の要旨 本発明は、核酸配列、そして、具体的には、雄性稔性に重要なDNA分子および そのDNA分子によってコードされるアミノ酸に関する。それはまた、植物中での 稔性を仲介するそのようなDNA分子の使用に関する。そのような方法の1つは、 その遺伝子が通常は「オフ」であり、そしてそれゆえその植物が不稔であるよう な、DNA分子の発現を調節するための誘導性プロモーターの使用によって、植物 を制御可能に雄性不稔にすることである。そのプロモーターが誘導されると、そ の植物は稔性になる。図面の簡単な説明 図1は、トランスポゾンAcの制限地図である。 図2は、不稔について分離しているAcファミリーに由来し、かつAc由来の内部 1.6kb HindIIIでハイブリダイズしたPvuII消化DNAのサザンブロット分析のゲル である。 図3は、逆ポリメラーゼ連鎖反応の概要図である。 図4は、1.4kb DNAの単離物およびその介在配列を表した図である。 図5は、不稔について分離しているAcファミリーであり、かつ1.4kbのDNA単離 物でハイブリダイズしたPvuII消化DNAのサザンブロット分析ゲルである。 図6は、雄性稔性遺伝子MS45を用いてハイブリダイズしたノーザンブロット分 析ゲルである。 図7(配列番号3〜6)は、Ac転移後の稔性復帰変異植物DNAのヌクレオチドお よびアミノ酸配列を示す。 図8は、雄性稔性遺伝子MS45を示す第9染色体のRFLP地図である。発明の開示 引用される全ての参考文献は、本明細書中で参考として援用する。 他に定義しない限り、本明細書中に用いられる全ての技術的用語および科学的 用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味 を有する。他に言及しない限り、本明細書中に用いられるか、または意図される 技術は、当業者に周知の標準的方法である。材料、方法、および実施例は、単に 例証であり、限定するものではない。雄性稔性DNA分子 遺伝的雄性不稔性は、小胞子生成の特定の段階を担う遺伝子の1つの変異によ り生じる。この用語は、花粉形成の全過程に適用される。これらの遺伝子は、集 合的に雄性稔性遺伝子と呼ばれ得る。全体の経路内には、変異が雄性不稔性を引 き起こし得る、多くの段階がある。このことは、トウモロコシにおける遺伝的雄 性不稔性の頻度によってうまく支持されるようである。雄性不稔性変異体の新規 の対立遺伝子が、優等の同系交配種から不適合集団までの範囲にわたる材料中で 明らかにされている。現在までに公表された遺伝的雄性不稔性の研究は、概して 観察に基づくものである。トウモロコシにおいて不稔性のメカニズムを確立しよ うとするいくつかの努力がなされてきたが、満足のいくものはほとんどない。こ れは、雄性不稔性を担うとして同定された遺伝子の数を前提とすれば、驚くべき ことではない。1つのメカニズムが全ての変異に適用されることはないようであ る。 本発明は、植物の雄性稔性遺伝子に関する。花粉の発生および雄穂の発生に特 異的なcDNAが多数報告されている。現在までに、花粉の発生に大きな影響を与え るとして言い得る遺伝子のクローニングまでいたったものはない。 以下は、例証として示されるものであって、本発明の範囲を限定することは意 図されない。タグ化 Ac(アクチベーター)は、Barbara McClintock(McClintock,B.,Cold Sprin g Harbor Symp .Quant.Biol .21:197-216(1956); McClintock,B.,Carnegie I nst .Wash.Yrbook ,53:254-260(1954);また、Federoff、米国特許第4,732,856 号(1988年3月22日発行)およびDooner、米国特許第5,013,658号(1991年3月 8日発行)も参照のこと)によって、1954年に最初に特徴付けられた周知の転移 因子である。Acは、このDNA分子をクローン化するために用いられた。図1に、 本明細書中で用いられたAcの制限酵素地図を描く。Acの制限部位は当業者にはよ く知られている。つまりAcトランスポゾンは、第1染色体上のP-vv遺伝子座から 、第9染色体へと移動した。現在記載されている第9染色体上の唯一の雄性不稔 性遺伝子は、ms2である。これは、未だクローン化も配列決定もされていない。A lbertsen,M.およびPhillips,R.L.,「トウモロコシの13の遺伝的雄性不稔性遺 伝子座の発生細胞学」Canadian Jnl .of Genetics and Cytology 23:195-208(1 981年、1月)を参照のこと。唯一のクローン化された稔性遺伝子は、Aartsら(前出 )によって記載されたArabidopsis遺伝子である。交配子孫試験により、こ の遺伝子が対立遺伝子でないことが確認されている。植物材料 3種のトウモロコシ系統を用いた。これら全てはトウモロコシの遺伝学者に広 範に入手可能であり、そして当業者に日常的に用いられており、そしてChenらの 「トウモロコシのP遺伝子座から非複製染色体部位へのAcの転移」(Genetics 1 17:109-116(1987年、9月))で記載された。この系統は、例えば、上記の文献の 著者から、Pioneer Hi-Bred International,Inc.から、または多くの公共の供 給源(例えば、the Maize Genetics Stock Cooperation Center,University of Illinois,Urbana/Champagne,Department of Agronomy S-123 Turner Hall,1 102 South Goodwin Avenue,Urbana,Illinois,61801)のうちの任意の1つか ら、入手可能である。 最初の系統は、W23P-vvである。P-vv対立遺伝子は、移動性因子であるAcのP 遺伝子座への挿入により引き起こされる。Emerson,R.「トウモロコシの斑入り の穂における反復性の体細胞変異の遺伝」Am .Nat 48:87-115(1914); Brink,R. およびNilan,R.「トウモロコシの少量の斑入り果皮と中程度の斑入り果皮との 関係」Genetics 37:519-544(1952)およびBarclay,P.およびBrink,R.「トウモ ロコシのモジュレーター(modulator)アクチベーター(Activator)との間の関係 」Proc .Nat'l.Acad.Sci.USA 40:1118-1126(1954)。P遺伝子座は、よく特徴 付けられ、そして十分に当該分野で詳述されているトウモロコシの遺伝子である 。P遺伝子は、トウモロコシの果皮の色素形成を誘導する。フラバノンは、果皮 の色素形成を引き起こすフロバフェン(phlobaphene)に還元される。当業者に 利用可能なP遺伝子についての詳細な情報の1例として、Lecheltら、「トウモ ロコシP遺伝子座の単離および分子分析」Mol. Gen. Genet. 219:225-234(1989) およびChenら、「Ac転移およびDNA複製の分子分析」Geneticsによる考察が挙げ られる。Acは、果皮の色の調節における機能のために、優れたマーカー遺伝子で あり、赤い縞模様の果皮を生じる。赤い縞模様は、PからのAcの切除、遺伝子機 能の回復、および赤い果皮の提供を示す。 P遺伝子(P-vv)は、以前に第1染色体にマッピングされた公知の遺伝的雄性 不稔性と、同じ染色体上に存在する。Acは時間の67%で同じ染色体上に転移する ことが示されている。Van Schaik,N.V.およびBrink,R.A.「モジュレーターの 転移、トウモロコシの斑入り果皮対立遺伝子の成分」Genetics 44:725-738(1959 )。しかし、このAcは第9染色体に転移するので、ここではこれは起こらなかっ た。P-vvはそれ自体、トランスポゾンのタグ化を非常に容易にする。なぜならば 、AcがP遺伝子から転移して、ゲノム内のいずれかの場所に存在する時、視覚的 に観察することが可能だからである。 4C063は白色の同系交配系統であり、W23P-vvとうまく組み合わせて、容易に勘 定できる穀粒を有する良好なハイブリッド植物を提供する。W22r-sc:m3はR遺伝 子座に、Dsエレメントを有する系統である。この植物は全てのアントシアニン経 路遺伝子(A1,A2、Bz1,Bz2、C1、C2、Pr、R)において遺伝的に優勢である。D s はRの機能不全を引き起こすため、穀粒においてアントシアニンは全く生産さ れない。 これは、W22r-sc:m3系種(stock)の使用と結び付けられれた。ここでは、Ds はR遺伝子中に挿入される。Dsエレメントは、ゲノム上の別の部位に転移するこ とによって、Acの存在に応答する。Dsは実際、不完全なAcである。Acトランスポ ゾンはそれ自身で遺伝子から出たり入ったり移動し得る。一方、Dsは、ゲノム上 のどこかにAcが存在しない限り移動し得ない。R遺伝子は、トウモロコシにおい て非常に深く研究されている遺伝子である。これは、アントシアニン色素の合成 のために必要とされる酵素をコードすることが知られている。R遺伝子に関する 公知の詳細な情報の1例として、Dellaportaら、Stadler Symposium 18:263(198 8)およびLudwigら、「組織特異的アントシアニン生産を担うトウモロコシR遺伝 子ファミリーのメンバーであるLcは、転写アクチベーターに類似のタンパク質を コードし、そしてmyc相同領域を含む」Proc .Nat.Acad.Sci. 86:7092-7096(19 89年9月)で見出される記載及び配列情報、ならびにBowenら「トウモロコシ形質 転換のための視覚マーカーとしてのR遺伝子」Abstract edit.Gallagher,Acad emic Press(1989年10月)およびLudwigら「トウモロコシ形質転換のための新規の 可視的マーカーとしての調節遺伝子」Science 247:449-450(1990年1月26日)に 記載された可視化マーカーとしての遺伝子の使用が、挙げられる。 W22 r-sc:m3系種においては、穀粒のアントシアニン遺伝子は全て優勢である 。しかし、R遺伝子の機能をDsが妨害するため、穀粒の色は黄色である。しかし 、Acの存在下では、Dsエレメントは転移可能であり、紫の斑点を有する種を生じ る。従って、1)P遺伝子からAcが転移した時を視覚的に決定すること(赤色の 縞模様の果皮または完全に赤色の果皮)、および2)Acが依然活性であるか否か を決定すること(アリューロン中の紫色の斑点)が可能であった。全ての赤色の 穀粒、または胚を覆う赤色の縞模様の果皮を有する穀粒(これはまた、アリュー ロン中に紫色の斑点を有する)のいずれかを選択することによって、活性なAcが ゲノム中の別の位置に転移した事例を非常に豊富にすることが可能であった。こ れらの穀粒から生じる植物を自家受粉させることによって、雄穂または別の発生 に影響を与える任意の変異についての子孫ファミリーをスクリーニングし得る。 この場合、雄性不稔性植物の分離のための自家受粉したファミリーが作製された 。同時分離分析 分子的アプローチを介する、厳密な特異的遺伝子のタグ化およびクローニング のための同時分離分析は、退屈でかつ時間を消費することであり得る。しかし、Ac 系は、野外での遺伝学レベルでの同時分離分析によく適している。R遺伝子( r-sc:m3)での活性なAcDsとの間の相互作用を利用し得る。Acと交差した植物 を自家受粉させ、そして生育させ、そして雄性不稔性について分離したファミリ ーを同定した。一旦、雄性不稔性について分離したファミリーが同定されると、 さらなる種を蒔き、同時分離分析のためにr-sc:m3と交差した。各植物(稔性お よび不稔性)をr-sc:m3と交差し、穀粒色の分離を各穂において観察し、そして 植物が雄性稔性かあるいは雄性不稔性かの相互関係を明らかにした。 その植物が主に雄性不稔性であるファミリーが観察された。これは、雄穂に散 在している数個の押し出された異常な葯を伴っていた。多くの場合、これらの異 常な葯は花粉を有さなかった。このファミリー由来の全ての植物をr-sc:m3と交 差した場合、以下の表に示すように、雄性不稔性の表現型を伴うAcの同時分離が 観察された。 雄性不稔性の植物は、常に全ての穀粒が紫色の斑点を伴う穂を生産した。稔性 の植物の3分の2は50%が斑点を伴う穀粒で、50%が黄色の穀粒に分離する穂を 有した。稔性の3分の1は、全て黄色い穀粒を伴う穂を生産した。このことは、Ac が雄性稔性を担う遺伝子中に転移し、そしてその遺伝子の機能を妨害したこと を示した。この遺伝子は、劣性として作用し、そしてホモ接合体である場合、雄 性不稔性を生じる。この分離は、さらなる種蒔きにおいて証明された。分子分析 Acの不稔性との関係を確認するためにサザン分析を行った。サザン分析は、当 業者に周知の技術である。この一般的な手順には、植物DNAを単離する工程、制 限エンドヌクレアーゼを用いて切断する工程、そしてDNAを分子量によって分離 するために切断したDNAをアガロース上で分画しそしてニトロセルロース膜に移 す工程が含まれる。次いで、P32で放射性標識したプローブフラグメントを用い てハイブリダイズし、そしてSDS溶液中で洗浄する。Southern,E.「ゲル電気泳 動によるDNAフラグメント中の特定配列の検出」J .Mol.Blol. 98:503-517(1975 )。 DNAを不稔性交差した子孫および稔性交差した子孫から単離し、紫色の斑点を 有する種の幼植物を黄色の種の幼植物から分離させたままにしておいた。DNAを 、Dellaportaら「植物DNA少量調製、バージョンII」Plant Mol .Bio.Rep. 1:19 -21(1983)に記載のような尿素の手順を用いて、1カ月齢の植物の先端の2枚の 葉から単離した。単離したDNAを、制限酵素地図(図1)に示されるようにAcと のみ関連している2.5kbフラグメントを見出すために、PvuIIを用いて切断した。 約8μgのDNAを製造者の説明書(Promega)に従って、適切な酵素を用いて消化 した。DNA消化物を、0.75%Sea Kem GTGアガロースゲルで電気泳動し、そしてキ ャピラリーブロッティングによってDuralon-UVナイロン膜に移し、そして85℃で 1時間ベーキングすることによって膜に固定した。Acの1.6kbのHindIIIフラグメ ントを、サザンブロット分析におけるプローブとして用いた。 結果を、図2のゲル中に示す。図2では、雄性不稔性はレーン3〜10である。 レーン2は、ヘテロ接合体の稔性植物であり、レーン1は野生型である。このゲ ルで確認されるように、2.5kbのフラグメントのバンドが、全ての不稔性(紫色 の斑点を有する穀粒)植物において出現し、そして稔性(黄色の穀粒)植物のい ずれにも出現しなかった。このことから、Acは雄性稔性遺伝子座に近接して連結 されていたか、その遺伝子座中に挿入されていたかのいずれかであり、その遺伝 子の機能を阻害し、そして雄性不稔性の表現型を生じたことが確認された。クローニング 既知のAc配列に近接するDNAをクローニングし、そして全遺伝子を得ることに 使用した。 要約すれば、雄性稔性植物のDNAおよび雄性不稔性植物のDNAを、Ac因子を有す る単一のバンドの位置を確認するために、制限エンドヌクレアーゼPst I、Eag I 、Sal I、Sac I、およびXba Iを用いて消化した。フラグメントを電気泳動し、 サザントランスファーし、そしてAcのHindIIIフラグメントを用いてハイブリダ イズした。6kbのPstIフラグメントが雄性st因子と同時分離することを同定した 。Bakerらの逆PCR法を用いて、Acに関連したDNAを単離した。Earp,D.J.、Lowe ,B.およびBaker B.「宿主植物および異種植物における転移因子に隣接したゲノ ム配列の増幅:トランスポゾンタグ化およびゲノムの特徴付けのための手段」Nu cleic Acids Research 18:3271-3279(1990)。 図3に、周知の逆ポリメラーゼ連鎖反応手順を図解で示した。6kbのフラグメ ントを得た後、末端を再連結した。Acの配列は公知であるので、AおよびBのプ ライマーが容易に同定された。従って、5'および3'オリゴヌクレオチドが同定 され得、そして逆PCR技術に従って、その間にある配列を増幅するために反応し た。AおよびBプライマーを再連結した環の両端(ここにAcが存在した)から伸 張させた。このようにして、Acの末端の間のDNAを増幅し、そして1.3kbのDNAセ グメントを単離した。公知の4.8kbのAcフラグメントに加えて増幅された1.3kbの IPCR産物は、以前に単離された6.0kbのPst Iフラグメントとほぼ同等であった。 この上記に要約した手順の詳細は、以下の通りである。ゲノムDNAを上記のよ うに単離した。20μgのDNAを製造者の説明書(Promega)に従って、20ユニット のPstIを用いて消化した。消化したDNAを上記のように、分取用コームを用いて 電気泳動した。5.5キロベースと6.5キロベースとの間の分子量を有するDNAを含 むゲルフラグメントを、ゲルから切除した。DNAをSpectra/Por膜#2、MWCO 12-14 000(Spectrum Medical Industries,Inc.)を用いることによつてアガロースか ら電気溶出した。これは、0.4mlの滅菌水を含み、そして1×Tris-酢酸緩衝液pH 8.0(TAE)に対して電気溶出した。単離されたDNAを、Tris平衡化フェノール(pH 7.0):クロロホルム(1.1)、クロロホルムを用いて連続的に抽出し、次いで、 エタノール沈殿し、乾燥し、そして滅菌水中に再懸濁した。製造者の説明書(Be thesda Research Laboratories)に従って、PstI消化ゲノムDNAを用いて、終濃 度20ng/ユニットで連結を行なった。連結を14℃で18時間行った。 オリゴヌクレオチドプライマーをApplied Biosystems model 394 DNA/RNA合成 機で合成した。プライマーB5は、5'末端で操作されたEcoRI部位および3'末端の 余分の2塩基を除いては、Earpら(上記)によって記載されたものと本質的に同じ であった。Ac逆PCR反応において用いられた両方のプライマーの配列は、以下の 通りである: PCRを、製造者によって供給された1×反応緩衝液中に2μMの各プライマー、 0.24mMの各dNTP、3ユニットのHot Tubポリメラーゼ(Amersham)を含む反応に おいて25ngの環状化したゲノムテンプレートDNAを用いて行った。増幅を、MJ Re search Inc.PTC-100-96型 thermocyclerにおいてEarpら(上記)によって記載さ れたのと同じ条件下で行った。反応産物を1%LMPアガロースゲル(Bethesda Re search Laboratories)において電気泳動した。増幅産物をMagic PCRキット(Pr omega)を用いてゲルから単離し、そして上記の条件を用いて再増幅した。cDNA 単離 cDNAライブラリースクリーニングは、当業者に一般的に公知であり、そしてそ れは、Mariatis T.ら(Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Labratory,Cold Spring Harbor,New York)によって記載されている 。ライブラリーを以下のように作製した。グアニジントリシアネート法を用いて 、Z. maysの雄穂からRNAを単離し、その後塩化セシウム勾配においてバンド化し た。ポリA+RNAを、オリゴdTセルロースを用いて選択した。2つのcDNAライブラ リーを、ベクターpCDNAII(Invitrogen)およびUni-Zap XR(Stratagene)にお いて、製造者の説明書に従って各々5μgのmRNAを用いて構築した。 1.3kbの逆PCR産物を、約1000クローンの整列したcDNA雄穂ライブラリー上へプ ローブ化し、そしてこれから約1.4kbの挿入物サイズの単一相同クローンを得た 。これは、1550塩基対であった。そしてこれを図4に図で示す。もちろん、ゲノ ム断片は、ゲノムが単離される植物のバックグラウンドによって、およびイント ロンが存在し得るかし得ないかによって変化する。しかしこれは、Acエレメント が どのようにしてこの単離物中に出現したかを示す。 この1.4kbをPvuII分離膜とハイブリダイズし、逆PCR産物とともにで見出され た3.4kbの同時分離するバンドが新規のゲノム領域であり、そしてこのフラグメ ントの末端上に含まれる少量のAcDNAでないことを保証した。結果を、図5のゲ ルで示す。そこに見られるように、ライブラリー由来の1.4kbは、不稔性植物に おいて、雄性不稔性の表現型、および稔性のヘテロ接合体由来の紫色の斑点を有 する穀粒の植物の、同時分離する同じ3.4kbのフラグメントとハイブリダイズし た。 次いで、1.4kbのセグメントを、第2のcDNA雄穂ライブラリーに対して用い、 そして完全長のcDNAを得、そしてMS45(配列番号1)と名付けた。ノーザン分析 不稔性植物および稔性植物の雄穂、穂、および葉由来の組織を、前に記載され たように単離し、そしてその抽出物においてノーザンブロット分析を行った。ノ ーザン分析もまた、当業者によって一般的に用いられる技術であり、そしてRNA が単離されてアガロースゲル上に配置されることを除いては、サザン分析と同様 である。次いで、RNAを標識したプローブとハイブリダイズする。Potter,Eら「 チロトロピン放出ホルモンは、核に急速な効果を与え、主要なプロラクチンmRNA 転写物の生産を増強する」Proc. Nat. Acad. Sci. USA 78:6662-6666(1981); Le cheltら(上記)。全RNAを、1)約2カ月生育した植物の葉、;2)ほぼ空砲化中 期(mid-vaculate stage)の雄穂;および3)4.5〜5.0cmの長さの間の未成熟な 穂から単離した。次いで、組織を液体窒素中で粉砕し、界面活性剤抽出、差別的 なLiCl沈殿、およびエタノール沈殿により、一連の処理をした。ゲルを上記のよ うに単離されたMS45cDNAとハイブリダイズした。このcDNAは、図6に見られるよ うに、稔性の雄穂由来のDNAのみとハイブリダイズした。復帰変異体 この遺伝子が、雄性稔性に対する1つの重要な遺伝子であることをさらに確か めるために、復帰変異体を同定した。正常な稔性植物を復帰変異体と区別するこ とは不可能であったので、不稔性を示すが、いくつかの花粉を落とす植物体を選 択した。これらを、雄性として無関係な系統と交配し、そして雄性不稔性植物は 生じなかった。MS45 cDNAを回収し、そして解析して、Acが遺伝子から転移する 場合、配列はインフレームを維持したまま6塩基対の「足跡(footprint)」を 残すことを見出した。図7を参照のこと。図7は、2アミノ酸が付加されるが、 フレームはシフトしないことを示す。RFLP マッピング IPCRフラグメントをB73×Mo17 F2個体群においてRFLPマッピングした。それは 、Maize Genetics Cooperation Newsletter,67:165(1990年3月15日)に記載さ れ、かつ図8に示したように、プローブとBurr 7.21との間の第9L染色体にマッ ピングされた。配列決定 MS45クローンの配列決定を、Sangerら、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 74:5463- 5464(1977)のダイデオキシ鎖終結法を用いて行った。 MS45 DNAに言及することによって、意味するものが、以下(配列番号2)に記 載したアミノ酸配列を産生する以下(配列番号1)に記載したなDNA配列である ことを理解されるべきである。当業者は、3以上のコドンが同じアミノ酸配列を コードし得ることを容易に認識する。MS45 DNA を用いた雄性稔性制御の方法 本明細書中に記載のDNAは、植物において雄性稔性を制御する広範な方法のう ちいずれにおいても用いられ得ることが、当業者に明らかである。以下は、これ らの方法のうちいくつかの方法を説明するために示しており、本明細書中に記載 のDNA分子の可能な用途を限定も、発明の範囲を限定もしない。 植物において、あるものがいったん雄性稔性に不可欠なDNA分子を有すると、 そのDNA配列の5'末端から3'末端への正常な向きとは逆向きである配列を作製す ることが可能である。このアンチセンス分子が植物中に送達されると、雄性稔性 配列の正常な発現を妨げる。アンチセンスDNAが転写して、雄性稔性遺伝子によ って生産されたmRNAに相補的であり、かつハイブリダイズ可能なRNAを生産し、 そして翻訳を阻害すると考えられている。そのmRNAによってコードされたタンパ ク質は生産されず、そして雄性稔性においてその役割を果し得ない。本明細書中 に記載の雄性稔性遺伝子を併って、構築物をMS45 DNAを有する植物に送達する。 この構築物は、転写プロモーターセグメント、転写終結セグメント、およびMS45 DNAのリボヌクレオチド配列と相補的なリボネクレオチド配列を生産するDNAセ グメントを有する。 遺伝子の発現を阻害または制御するためのアンチセンスの利用は、当業者に公 知であり、そして1993年3月2日に発行されたInouye、米国特許第5,190,931号 に詳細に記載されている。ある実施様態では、本発明者らは、制限エンドヌクレ アーゼによるDNA切断について記載しており、その結果、二つの制限部位の間を 欠失し、そしてその中に他のDNAフラグメントが挿入され得る再連結プラスミド が得られる。正常DNAを、消化、精製し、そしてフラグメントを反対の向きに挿 入する。従って、それらは、細菌においてlppOmpA、およびOmpCの発現を阻害 し、そしてそのような構築物を用いてコリファージSPの発達を制御した。OmpARN Aの5'リーダー領域と相補的であるが、シャイン・ダルガルノ配列を含まないア ンチセンスRNAは、リボゾーム結合部位および開始コドンをカバーする転写物よ り有効ではなかった。アンチセンス調節のより広範囲な見解は、Claude Helene およびJean-Jacques Toulme の総説「アンチセンス、センス、およびアンチゲン 核酸による特異的な遺伝子発現制御」Biochemica et Biophysica Acta(1990)99- 125、に記載されている。 アンチセンス、および遺伝子の阻害または制御におけるその用途の別の例には 、雄性不稔を与える、葯におけるフラボノイド生合成をコードする遺伝子に対す るアンチセンス構築物が包含される。Vander Meerら、「ツクバネアサガオの葯 におけるフラボノイドの生合成のアンチセンス阻害が雄性不稔をもたらす」、Th e Plant Cell 、4:253-262(1992年3月)。葯において発現される他の遺伝子に対 して相同な配列を有するアンチセンスカルコン合成遺伝子、およびCaMV355プロ モーターは、雄性不稔の白い花粉を生じる。理解され得るように、遺伝子発現を 制 御するためのアンチセンスの用途は、周知である。例えば、Bourque,June E.お よびFolk,William R.、「RNAポリメラーゼIIで転写されたアンチセンス配列を利 用する植物細胞における遺伝子発現の抑制」、Plant Molecular Biology、19:64 1-647(1992);Weintrabら、Trends Gen.1:22-25(1985)。 遺伝子発現を制御する別の方法は、転写活性化因子の修飾による。遺伝子発現 の間、二本鎖DNAは、対応する一本鎖メッセンジャーRNAへ転写される。センス鎖 は、そのアンチセンスパートナーから分離し、そして酵素はアンチセンス鎖上で 配列に相補するRNA分子を組み立てる。mRNAは、アミノ酸を生産するために、コ ードされた情報を解読するリボゾームに移動する。 真核生物遺伝子の転写は、様々な要素によって影響を受ける。それには、配列 特異的様式でDMAと結合する転写調節タンパク質が含まれる。これらの転写活性 化因子は、それらがDNAと結合するよう修飾され得るが、それらは正常な活性化 因子機能を行い得ない。転写活性化因子は、結合ドメインおよび活性化ドメイン の2つのドメインを有する。遺伝子について転写アクチベータータンパク質のア ミノ酸配列を変え、それをコードするDNA配列を提供し、そして植物中にそのDNA を送達することにより、標的とする遺伝子の発現が遮断され得る。Goff,S.A.ら 、「野生型および改変させたc1タンパク質を用いたアントシアニン経路構造遺伝 子の転写活性化(transactivation)」、Maize Genetics Cooperation Newsletter 、64:6(1990年3月1日)を参照のこと。 この方法の変形は、ランダムなDNA断片化により、そして標的の抑制に関連し た表現型の機能的な選択によって同定された優性ネガティブ変異タンパク質(dom inant negative mutant protein)または阻害性アンチセンスRNAをコードする遺 伝子サプレッサーエレメントの単離である。これはHolzmayerらの論説(「ラン ダムDNAフラグメントの発現選択による優性ネガティブ変異体および阻害性アン チセンスRNA配列の単離」Nucleic Aclds Research、第20巻、第4号、711-717(1 991年12月3日)。それらは、バクテリオファージλDNAをランダムに断片化し、 λ誘導溶菌からE.coli細胞を保護した。タンパク質またはアンチセンスRNAフラ グメントのいずれかをコードする多重遺伝子サプレッサーエレメントを単離した 。 正常な遺伝子発現の阻害は、内因性遺伝子の付加的または過剰な発現が、遺伝 発現を抑制することが見出されたときにも観察されている。この「センス阻害」 (時に「共抑制」と呼ばれる)は十分に立証されている。例えば、Brussianら、 「cab 140 RNAレベルの減少を伴うArabidopsis変異体は共抑制の結果である」、The Plant Cell 、5:667-677(1993年6月;Vander Krolら、「ツクバネアサガオ におけるフラボノイド遺伝子:限定数の遺伝子capusの付加は、遺伝子発現の抑 制を誘導し得る」The Plant Cell、2:291-299(1990年4月)を参照のこと。 ネガティブコントロール調節の他の手段には、遺伝子転写の抑制が包含される 。ある系では、因子は、DNA結合ドメインを含むが機能的活性化ドメインを欠き 、同じ部位への結合について活性化部位と競合し、活性化を遮断する。他のもの は、それらのDNA結合親和性または転写を活性化する能力のいずれかを減ずる活 性化因子とヘテロ二量体を形成する。さらに他のリプレッサーは、DNAと結合し たとき活性化因子と相互作用し、そして転写活性化機能を遮断する。さらなるダ ウン−レギュレーターの型は、DNAと結合不可能な錯体中に活性化因子とキレー トを形成する阻害性タンパク質を包含する。Jackson,M.E.、J.Cell Sci. 100:1- 7(1991);Jones,N.、Curr.Biol.1:224-226(1991);Mitchell,P.J.およびTjian, R.、Science 245:371-378(1989)を参照のこと。 内因性遺伝子自身の直接変異誘発もまた、優性稔性遺伝子を優性不稔遺伝子に 変化させる。放射線照射は、染色体の切断および転位ならびに個々の遺伝子の構 成の改変を引き起こす。X線照射は遺伝子変異の周知の方法である。例えば、St adler,L.J.「植物における誘導された変異の遺伝子の性質について」重版、Proc eedings of the Sixth International Congress of Genetics、第1巻、274-294 (1932)を参照のこと。他の技術には、エチルメタンスルホン酸およびN-メチル-N -ニトロ-N-ニトロソグアニジンのような化学的変異原への曝露が包含される(Ne uffer,M.G.およびCoe Jr.,E.H.によって花粉粒において行われ、そして初期の論 文「化学的変異原を用いた成熟トウモロコシ花粉処理のためのパラフィン油技術 」Maydica XXIII(1978)21-28に記載されている);Thuring,N および Depitta yanan、「春ナタネ(Brassica napus)の早咲き変異体のEMS誘導」Plant Breeding 108:177-184(1992)もまた参照のこと。他の方法には、アジ化ナトリウムによる 処理が包含される(Rao,B.「Pearl Milletにおけるアジ化ナトリウムによっ て誘導される遺伝子雄性不稔上の問題」Biol.Zentralbl.104:579-521(1985);C onger,B.V.およびCarabia,J.V.「トウモロコシにおけるアジ化ナトリウム対エ チルメタンスルホン酸の変異原性の有効性および効率:代謝段階および細胞集団 の異なる種子の処理によるyg2遺伝子座における体細胞変異の誘導」Mutation Re search 46:285-296(1977)を参照)およびγ線照射(Filippetti,A.およびDePace ,C.、「形態変異体の生産におけるガンマ線照射およびエチルメタンスルホン酸( EMS)の実験的変異誘発IIの比較を用いることによるVicia Falsa L.の種子収量の 改良」Euphytica 35:49-59(1986)を参照)。 従って、(一度同定された)雄性稔性遺伝子は、植物において雄性稔性を媒介 する様々な方法において用いられ得ることが、当業者に明らかである。前述は、 新規の雄性稔性遺伝子と共に用いられ得るこのような単に2、3の方法を説明し ている。さらに、本出願の発明者らによって作製された1つのより新規な方法を 以下に示す。構成的雄性不稔法 本発明は、植物育種および種子生産における雄性不稔への従来のアプローチと は、誘導性プロモーターが植物雄性稔性に不可欠であることが知られている遺伝 子の発現の調節に用いられている点で異なる。従って、本発明の実施における最 初のステップは、稔性が依存している遺伝子の選択である。1つの型は、上述さ れているMS45 DNA 分子である。 選択された遺伝子をクローン化し、そのネイティブプロモーターを実行可能に し、そして改変された遺伝子を外部制御に応答する誘導性プロモーターを有する 発現配列に挿入する。好ましくは、そのプロモーターは、植物への特定の植物無 毒性化学物質の適用に対して応答するプロモーターである。 形質転換および遺伝子置換を用いて、遺伝子を植物のゲノム中で不活性化し、 そして誘導性プロモーターを有した発現配列に組み込まれた遺伝的に操作した遺 伝子と置換する。 本発明は、そのプロセスが誘導性プロモーターを、不稔を誘導するためではな く稔性を誘導するために用いた点で、類の無いところである。本発明では、選択 された遺伝子のプロモーター配列は、その遺伝子が転写されず、そして植物が雄 性不稔であるように除去される。雄性不稔の植物を増加させることが望ましい場 合、雄性稔性が、重要な遺伝子の発現を誘導することによって回復される。好ま しい実施様態では、これは、特定の植物無毒性化学物質で生育中の雄性不稔植物 を処理することによって達成される。 化学処理による誘導性プロモーターの誘導は、化学処理自身と関連した様々な 因子およびその処理時の様々な環境条件に依存する。重要な遺伝子が通常「オン 」であり、化学処理によって不活性化される場合、処理の失敗は、ハイブリッド 種よりもむしろ、自家受粉ならびに同系交配種の生産およびに販売を生じさせる 。ハイブリッド種の販売に適用される種子法は、ハイブリッドの特定がに従わな い種子の割合が非常に低くなければならないような高い程度の種子の純度を要す る。あるトウモロコシ植物は、600万を超える花粉粒を生産し得るので、限られ た処理の失敗でさえ、高い割合の自家受粉を生じ得る。これらの理由により、本 発明は遺伝子が通常「オフ」であり、そして対応する適合した特徴が発されない ような様式で実施されるので、正常な条件下で自家受粉は起こり得ない。さらに 、重要な遺伝子を通常「オフ」にすることによって、ハイブリッド種子の大量生 産には化学処理が不必要になり、そのため化学物質の使用(および関連した費用 )が最小限にとどめられ、そして処理失敗の危険性は、自家受粉が所望される場 合注意深く制御された親種子の限られた規模の生産においてのみ存在する。その ような場合には、処理失敗は花粉の生産不足を生じ、そして花粉が通常かけ離れ て過生産されるので、親種子の生産についての本発明のプロセスは70%から80% 程度の高さの処理失敗率を許容し、これは親種子の収率に最小の影響しか与えな い。 一般に、本明細書中に記載の発明に従って、本明細書中に記載のDNA分子は、 誘導可能な必要なプロモーターと共に植物中に組み込まれる。この植物はDNA分 子が発現されないために不稔であり、そしてプロモーターが誘導されたとき、そ の植物は稔性である。DNA分子産物を生産するネイティブ遺伝子は、戻し交雑ま たは相同的組換えのような以下に記載の様々な方法のいずれかによって不活性化 され得る通常の稔性である植物である。誘導性プロモーター 本発明の実施において、プロモーター領域を優性稔性を担うクローン化遺伝子 から除去し、そして特定の外部刺激に対してのみ応答するプロモーターと置換す る。従って、この遺伝子は、外部刺激に対する応答以外では転写されない。その 遺伝子が転写されない限り、その遺伝子産物(それは花粉発達の完了に必要であ る)は生産されない。これは、1つ以上の花粉発達の生化学的/生理学的経路に 破損を引き起こし、その結果雄性不稔性になる。この植物は、選択されたプロモ ーターを活性化する特定の刺激下でのみ稔性になる。 本発明の実施において用いられ得る応答性プロモーターの例は、トウモロコシ におけるグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)系である。GSTは、しばし ば発芽前除草剤として用いられる多数の疎水性の求電子性の化合物を解毒し得る 酵素のファミリーである(Wiegandら、「トウモロコシにおける除草剤耐性を担う グルタチオン−S−トランスフェラーゼをコードするメッセンジャーRNAは毒性 緩和剤処理に応答して誘導される」、Plant Molecular Biology 7:235-243、198 6)。トウモロコシ種子をGSTで処理したところ、トウモロコシの除草剤に対する 耐性が増加することが発見されている。研究は、GSTが直接この増強された耐性 を引き起こすことに関わることを示している。この作用は、主に特定の1.1 kb m RNA転写産物を通して媒介される。つまり、トウモロコシは、GSTに応答し得、そ して遺伝子産物を生産するように誘導され得る既存の、天然に存在する静止遺伝 子を有している。この遺伝子は既に同定およびクローン化されている。従って、 本発明の1つの実施様態では、プロモーターは、GST応答性遺伝子から切り出さ れ、そして予めネイティブプロモーターを除去した雄性稔性遺伝子と結合させる 。この操作された遺伝子は、外的化学刺激に応答するプロモーターおよび稔性花 粉の好結果の発達を担う遺伝子の組合せである。遺伝子導入 トウモロコシにクローン化DNAを移入するいくつかの方法は、当業者に公知で ある。これらには、トウモロコシプロトプラストによるエレクトロポレーション 促進DNA取り込みが包含される(Rhodes ら、「プロトプラストから遺伝学的に形 質転換されたトウモロコシ植物」Science、240巻、(1988年4月8日);ポリエ チレングリコールを用いたトウモロコシプロトプラストの処理(Lyznikら、「Gus AおよびNeo遺伝子を用いたトウモロコシプロトプラストの安定な同時形質転換 」、Plant Molecular Biology 13:151-161、1989);およびDNA充填マイクロプ ロジェクタイル(microprojectile)を用いたトウモロコシ細胞のボンバードメン ト(Kleinら、「粒子ボンバードメントによるトウモロコシ細胞の遺伝的形質転換 」、Plant Physiol.(1989)91、440-444およびKleinら、「高速マイクロプロジェ クタイルによるトウモロコシ細胞への遺伝子送達に影響する因子」、Bio/Techno logy 第6巻、1988年5月)。 これらの各々の技術には、長所および短所がある。そのそれぞれの技術におい て、プラスミド由来のDNAは、それが目的の遺伝子だけでなく、選択可能および スクリーニング可能なマーカー遺伝子も含有するように、プラスミドを遺伝的に 操作する。選択可能なマーカー遺伝子は、プラスミドのコピーが組み込まれたそ れらの細胞のみを選択するために使用される(その構築は、目的の遺伝子ならび に選択可能およびスクリーニング可能な遺伝子を1単位として転移したものであ る)。スクリーニング可能な遺伝子は、目的の遺伝子を保有する細胞のみの好結 果の培養に対する別の検査基準を提供する。一般的に使用されている選択可能な マーカー遺伝子は、ネオマイインホスホトランスフェラーゼII(NRTII)である。 この遺伝子は、カナマイシン(細胞が生育する生育培地に直接添加され得る化合 物である)に対する耐性を伝達する。植物細胞は通常カナマイシンに感受性であ り、結果として死に至る。NRTII遺伝子の存在はカナマイシンの影響を克服し、 そしてこの遺伝子を伴う細胞は、生存可能である。本発明の実施において用いら れ得る別の選択可能なマーカー遺伝子は、除草剤グルフォシネート(glufosinate )(Basta)に対する耐性を付与する遺伝子である。一般的に用いられるスクリーニ ング可能な遺伝子はβ-グルクロニナーゼ遺伝子(GUS)である。この遺伝子の存在 は、推定される形質転換した細胞のサンプルをGUSアッセイ溶液で処理すること による組織化学的反応を用いて特徴付けされる。適切なインキュベーションの後 、GUS遺伝子を含有する細胞は青色になる。別のスクリーニング可能な遺伝子 は、アントシアニン生合成の転写活性化因子(Bowenら、「トウモロコシ形質転 換のための可視マーカーとしてのR遺伝子」Gallagher 要旨集、Academic Press( 1989年10月);Ludwigら、「トウモロコシ形質転換のための新規の可視マーカー としての調節遺伝子」、Science 247:449-450 1990年1月26日)に記載されてい る)。この遺伝子は色素アントシアニンの合成を引き起こす。この遺伝子を含有 するプラスミドで形質転換された細胞は、赤色に変化する。好ましくは、プラス ミドは選択可能およびスクリーニング可能なマーカー遺伝子の両方を含有する。 これらの遺伝子を1つ以上含有するプラスミドは、前述した技術のいずれかに よってトウモロコシのプロトプラストまたはカルス細胞中に導入される。マーカ ー遺伝子が選択可能な遺伝子であれば、DNAパッケージを組み込んだそれらの細 胞のみが、適切な植物毒性剤による選択下で生存している。一度適切な細胞を同 定し、そして増殖させると、植物は再生される。形質転換された植物由来の子孫 は、DNAパッケージが好結果に植物ゲノムに組み込まれていることを確証するた めに試験しなければならない。ネイティブ遺伝子の不活性化 広範な方法がネイティブ遺伝子を無効にするために知られていることは、当業 者に容易に認識される。相同的組換えは、ネイティブ遺伝子を作動しないように する方法として当業者に知られている。従って、操作された遺伝子が、植物の中 で相同的に組み換えられたとき、そのネイティブ遺伝子は作動しなくなる。この 一般的なプロセスの適した概略は、Yoder,J.I.、およびKmic,Eric、「植物にお けるジーンターゲッティングへの発展」、Genetic Engeneering、13巻、(Plenum Press,New york,1991)に記載されている。著者はこの参考文献の265ページに、 「ジーンターゲッティングは、内因性遺伝子を操作された対立遺伝子を用いて沈 黙させるかまたは置換するために用いられ得る;従って、改変した遺伝子の表現 型またはその調節遺伝子は、植物体内(in Planta)で評価され得る。」と記して いる。遺伝的組換えは、DNAの切断および再結合を通して起こり、そして再連結 機構は相補的DNA配列ペアであることが指摘されている(例えば、271、(前出) を参照のこと)。 植物における染色体内相同的組換えの更なる議論は、Peterhans,A.、Schlupma nn,H.、Basse,C.、およびPaszkowski,J.、「植物における染色体内組換え」、Th e EMBO Journal 、第9巻、第11号、3437〜3445頁、1990で議論されている。 これら例の手段に加えて、様々な異なった手段が当業者に利用可能である。さ らなる例は、戻し交雑(一般的に受け入れられている植物育種技術を用いる)を 包含し、事実上ネイティブ遺伝子を「欠損」させる。戻し交雑は、特定の所望の 特性を、ある同系交配種またはその源からその特性を欠く同系交配種へ移動させ るために、植物育種においてしばしば用いられる。これは、例えば、より優れた 同系交配種(A)(反復親)を供与同系交配種(非反復親)と最初に交雑すること より達成され得、これは対象となる特性についての適切な遺伝子を運搬する。こ の交雑の子孫を、次いでより優れた反復親(A)と戻し交配し、その後非反復親か ら転移される望ましい特性について、生じた子孫を選抜する。5世代以上戻し交 雑し、望ましい特性について選抜された後、その子孫は、転移された特徴を支配 する遺伝子座にヘテロ接合性であるが、しかしそのほとんどまたはほぼ全ての他 の遺伝子がより優れた親と類似している。最後の戻し交雑世代を自家受粉させる と、遺伝子が転移された純粋な交雑子孫が得られる。どの戻し交雑の結果も「ネ イティブ」遺伝子が望ましい遺伝子に置換されている。 ある独特の方法が1991年のScienceという雑誌で議論されている。これは「ト ランスジェニック鋏(scissors)」に関する以前の業績について報告している。こ の論文は、植物において、科学者が望ましい特徴を有する遺伝子と結合している マーカー遺伝子を切り出し得る方法を記載している。この方法に従う「鋏」は、 組換えを制御する「Cre」として知られている細菌ウイルスから得られる酵素で ある。(Science、1457頁、1991年12月6日参照のこと)。この酵素は遺伝子座 の交差する34塩基対配列(loxと呼ばれる)の対の間に位置するあらゆるDNAを切 断する能力を持つ。このことは、Du Pont によって出願され、WO 91/09957で公 開された特許出願に更に詳細に記載されている。不稔性選択および稔性回復 遺伝子を植物体中に導入した後、適切な植物型を選択する。この植物は、雄性 不稔性である。単離され、クローン化された雄性稔性遺伝子は、そのネイティブ なプロモーターを有さず、従って、好結果の花粉発達に重要なその遺伝子産物を 生産しないために、これらの植物は雄性不稔性である。従って、操作された遺伝 子は、その遺伝子の劣性変異体の対立遺伝子として作用する。通常の植物バイオ テクノロジーでは、形質転換および再生後に一度望ましい遺伝子型が同定される と、その植物は自家受粉によってその遺伝子型を回復する。しかしながら、本発 明の実施において、所望の遺伝子型は、雄性不稔性であるので、第一世代では自 家受粉できない。子孫を得るためには、改変プロモーターを活性化することによ って遺伝子の転写を誘導する化合物を植物に散布することによって、稔性を誘導 しなければならない。GSTプロモーターの場合では、その化合物は、好ましくは 、N,N-ジアリル-2-2-ジクロロアセトアニドのようなGSTを誘導する化合物である 。雄性稔性遺伝子に結合させたプロモーターは、この化学物質に応答し、遺伝子 転写の開始を引き起こす。一度この作動が生じると、その遺伝子から正常な遺伝 子産物が生産され、そしてあるレベルの雄性稔性が誘導される。次いで、この植 物由来の花粉を、元の選択された遺伝子型を受粉させるために用いる。 一度所望の遺伝子型の最初の単離および増殖を行うと、手順はより単純になる 。ハイブリッド交雑において雌性親として用いた同系交配種のみが、雄性不稔性 変異体に形質転換される。一度それらが形質転換されると、雄性不稔性/雌性稔 性種子の量が増加する。これは、隔離領域(他のトウモロコシ花粉から隔離して )で栽培し、そしてプロモーターが応答する化学物質を散布することによってな される。散布は、プロモーターをそれと結合した遺伝子の転写を開始するように 誘導する。これは、ある程度の稔性を生じる。MarianiらのPCT公開WO89/10396( 国際出願番号PCT/EP89/00495に基づいている)に開示されたような系(ここでは 不稔性が誘導されている)との比較によるこの系の格別な長所は、その処理が10 0%有効である必要がないことである。これは、通常は、全ての有効な絹糸の受 精に実際に必要とされるよりも、より多くの花粉がトウモロコシ植物より生産さ れるためである。従って、低い稔性回復率でさえも、受容可能なレベルの種子増 加を得ることにおいて効果的である。同時に、本発明の植物は、通常雄性不稔性 であり、そして稔性になるためには処理される必要があるので、自家受粉ではハ イブリッド種子を生産しない。不稔性が誘導される系では、ハブリッド種子を生 産する自家受粉を回避するために、稔性の誘導は100%有効でなければならない 。 稔性は、稔性誘導化学物質での処理により片親世代においてのみ回復されるの で、収穫された全ての種子はホモ接合体であり、そして不稔性である。次いで、 この種子は、雌性親として用いられるハイブリッド生産圃場で用いられる。この 植物は雄性不稔性なので、雄穂を取り除く必要がない。このような種子から生産 されたハイブリッド植物は、生じた子孫が雌性親由来の1つの改変された遺伝子 と雄性親由来の1つの正常遺伝子とを受け継いでいるために、雄性稔性である。 そのため、正常な花粉生産が行われる。 前述は、本発明の実施様態を説明するが、様々な変更が本発明の精神および範 囲から逸脱することなくなされ得ることが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 ホワード, ジヨン アメリカ合衆国 アイオワ 50311, デ ス モニー,エヌ.ダブリュー. 132エ ヌディー コート 2976 (72)発明者 ハフマン, ガリー エイ. アメリカ合衆国 アイオワ 50311, デ ス モニー,41エスティー ストリート 1431

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列(配列番号2): 2.請求項1に記載のRNA分子。 3.植物中で稔性を仲介し、そして以下のアミノ酸配列(配列番号2)をコードす るDNA分子: 4.植物中で稔性を仲介するDNA分子であり、以下(配列番号1)を含むDNA分子: 5.請求項1に記載のヌクレオチド配列を含む、プラスミドベクター。 6.植物細胞中に導入された請求項1に記載のヌクレオチド配列を有する、植物 細胞。 7.前記植物細胞がトウモロコシ植物細胞である、請求項6に記載の植物細胞。 8.植物の稔性を仲介する方法であって、該植物中で以下のアミノ酸配列(配列 番号2)をコードするヌクレオチド配列を仲介する工程を包含する、方法: 9.仲介された前記ヌクレオチド配列がRNA分子である、請求項8に記載の方法 。 10.仲介された前記ヌクレオチド配列がDNA分子である、請求項8に記載の方 法。 11.植物の稔性を仲介する方法であって、植物中で以下の配列(配列番号1)の DNA分子を仲介する工程を包含する、方法: 12.植物中で雄性稔性を仲介するための方法であって、以下のアミノ酸配列( 配列番号2)をコードするヌクレオチド配列の発現の抑制を引き起こす工程を包 含する、方法: 13.植物中で雄性稔性を仲介するための方法であって、以下の配列(配列番号 1)のDNA分子の発現の抑制を引き起こす工程を包含する、方法: 14.前記ヌクレオチド配列の発現が、該ヌクレオチド配列の変異によって抑制 される、請求項12に記載の方法。 15.前記植物中に、前記ヌクレオチド配列の発現を抑制する第2のヌクレオチ ド配列を送達する工程をさらに包含する、請求項12に記載の方法。 16.前記DNA分子の発現が、該DNA分子の変異によって抑制される、請求項13 に記載の方法。 17.前記植物中に、前記DNA分子に対しアンチセンス方向に向けられた第2の ヌクレオチド配列分子を送達し、それにより、該DNA分子の発現を抑制する工程 をさらに包含する、請求項13に記載の方法。 18.前記植物中に、前記DNA分子の発現を抑制する第2のDNA分子を送達する工 程をさらに包含する、請求項13に記載の方法。 19.請求項8に記載の方法によって生産された、雄性稔性仲介植物。 20.請求項11に記載の方法によって生産された、雄性稔性仲介植物。 21.植物中で、遺伝性の外部的に制御可能な雄性不稔性を提供する方法であっ て、以下の工程: 発現配列中の請求項3に記載のDNA分子を、外部制御に応答する誘導性プロモ ーターと連結させる工程; 該発現配列を該植物のゲノム中に送達する工程;および 該植物の天然ゲノム由来の請求項3に記載のDNA分子の産物をコードするDNA分 子を不活化する工程、 を包含する、方法。 22.前記DNA分子のアミノ酸配列が、請求項4に記載のDNA分子によってコード される、請求項21に記載の方法。 23.遺伝性の、外部的に制御可能な雄性不稔性を有する植物を生殖させる方法 であって、該雄性不稔性が、植物中の請求項3に記載のDNA分子の産物をコード する第1の天然DNA分子を、発現配列内に誘導性プロモーターを連結させた請求 項3に記載の第2のDNA分子で置換することによって生じ、以下の工程: 生長する雄性不稔性植物を提供するために、該植物の種子を蒔く工程; 該第2のDNA分子を発現するために、該プロモーターを誘導する条件下で、生 長する該植物の雄性稔性型への転換を誘導する工程;および 種子を生産するために、生長する該植物を隔離して自然受粉する工程;および 該種子を収穫する工程、 を包含する、方法。 24.前記DNA分子の前記アミノ酸配列が、請求項4に記載のDNA分子によってコ ードされる、請求項23に記載の方法。 25.請求項21に記載の方法によって生産された、制御可能な雄性不稔性植物 。 26.ハイブリッド種子を生産する方法であって、以下の工程: 選択された雄性稔性親系統からの第1の種子と、請求項3に記載のアミノ酸配 列をコードする第1の天然のDNA分子を外部制御に応答する誘導性プロモーター を有する発現配列に連結された請求項3に記載の第2のDNA分子で置換すること により生じる雄性不稔性を有する雌性親系統から選択された第2の種子を、他家 受粉するように並べて植える工程; 該第2のDNA分子の発現を誘導しない条件下で、該種子を成熟植物体に生長さ せる工程; 該雄性不稔性の雌性植物を、雄性稔性植物由来の花粉と他家受粉させる工程; および 該雄性不稔性雌性植物から種子を収穫する工程、 を包含する、方法。 27.請求項1に記載のヌクレオチド配列を含む発現カセットであって、植物細 胞中で該ヌクレオチド配列の発現を引き起こす植物調節配列に作動可能に連結さ れている、発現カセット。
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