JPH1050899A - 半導体装置 - Google Patents
半導体装置Info
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- JPH1050899A JPH1050899A JP20731196A JP20731196A JPH1050899A JP H1050899 A JPH1050899 A JP H1050899A JP 20731196 A JP20731196 A JP 20731196A JP 20731196 A JP20731196 A JP 20731196A JP H1050899 A JPH1050899 A JP H1050899A
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- semiconductor device
- resin composition
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Abstract
(57)【要約】
【課題】製造の際に金型汚れ等を生じることなく、しか
も低応力性に優れていて、半導体素子のパッシベーショ
ン膜にフィラーが突き刺さったり、パッシベーション膜
にクラックが発生せず、アルミニウム配線の変形が抑制
された信頼性の高い半導体装置を提供する。 【解決手段】エポキシ樹脂,フェノールノボラック樹脂
および無機質充填剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成
物であって、下記の(A)を含有するとともに、上記無
機質充填剤として下記の(B)を含有するエポキシ樹脂
組成物を用いて半導体素子を封止した半導体装置であ
る。 (A)エポキシ樹脂中に、末端にアミノプロピル基を有
する分子量1284〜12014のジメチルシロキサン
を添加し反応させることにより得られる、上記エポキシ
樹脂からなる母相中に上記ジメチルシロキサンが母相の
エポキシ樹脂と化学結合した状態で分散している反応生
成物。 (B)粒径100μm以下の球状溶融シリカおよび粒径
100μm以下の破砕シリカからなる混合無機質充填
剤。
も低応力性に優れていて、半導体素子のパッシベーショ
ン膜にフィラーが突き刺さったり、パッシベーション膜
にクラックが発生せず、アルミニウム配線の変形が抑制
された信頼性の高い半導体装置を提供する。 【解決手段】エポキシ樹脂,フェノールノボラック樹脂
および無機質充填剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成
物であって、下記の(A)を含有するとともに、上記無
機質充填剤として下記の(B)を含有するエポキシ樹脂
組成物を用いて半導体素子を封止した半導体装置であ
る。 (A)エポキシ樹脂中に、末端にアミノプロピル基を有
する分子量1284〜12014のジメチルシロキサン
を添加し反応させることにより得られる、上記エポキシ
樹脂からなる母相中に上記ジメチルシロキサンが母相の
エポキシ樹脂と化学結合した状態で分散している反応生
成物。 (B)粒径100μm以下の球状溶融シリカおよび粒径
100μm以下の破砕シリカからなる混合無機質充填
剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低応力性に優れた
封止樹脂を備え、信頼性が極めて向上している半導体装
置に関するものである。
封止樹脂を備え、信頼性が極めて向上している半導体装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ,IC,LSI等の半導体
素子は、機械的強度,耐湿性の点からセラミックスや樹
脂を用いて封止されている。このうちセラミックスパッ
ケージは耐湿性,熱放散性が良好なため、信頼性の極め
て高い封止が可能であり、それによって高度な信頼性を
有する半導体装置を得ることができる。しかしながら、
セラミックス材料が高価であり、また量産性に劣る欠点
があるため最近では樹脂による半導体素子の封止が主流
を占めている。
素子は、機械的強度,耐湿性の点からセラミックスや樹
脂を用いて封止されている。このうちセラミックスパッ
ケージは耐湿性,熱放散性が良好なため、信頼性の極め
て高い封止が可能であり、それによって高度な信頼性を
有する半導体装置を得ることができる。しかしながら、
セラミックス材料が高価であり、また量産性に劣る欠点
があるため最近では樹脂による半導体素子の封止が主流
を占めている。
【0003】それらの樹脂のなかでもエポキシ樹脂組成
物が賞用されているが、例えば、上記エポキシ樹脂組成
物を構成する成分として破砕フィラーを単独で使用した
場合、この破砕フィラーがパッシベーション膜に突き刺
さったりするという問題が発生する。また、DRAM,
MPUに代表される半導体素子の高集積化,大形化に伴
い、半導体装置の使用時に発生する熱による障害および
半導体素子に加えられる熱応力が大きくなってきおり、
半導体素子のパッシベーション膜にクラックが発生した
り、さらにアルミニウム配線が変形したりする不良が発
生し易い状態になつており、半導体装置の信頼性という
点で不安がある。このため、上記封止樹脂の熱伝導性の
向上ならびに熱応力の低減について強い要請があり、そ
のような樹脂の開発が特に望まれている。
物が賞用されているが、例えば、上記エポキシ樹脂組成
物を構成する成分として破砕フィラーを単独で使用した
場合、この破砕フィラーがパッシベーション膜に突き刺
さったりするという問題が発生する。また、DRAM,
MPUに代表される半導体素子の高集積化,大形化に伴
い、半導体装置の使用時に発生する熱による障害および
半導体素子に加えられる熱応力が大きくなってきおり、
半導体素子のパッシベーション膜にクラックが発生した
り、さらにアルミニウム配線が変形したりする不良が発
生し易い状態になつており、半導体装置の信頼性という
点で不安がある。このため、上記封止樹脂の熱伝導性の
向上ならびに熱応力の低減について強い要請があり、そ
のような樹脂の開発が特に望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような要望に応
えて、低応力半導体封止用エポキシ樹脂組成物として
は、エポキシ樹脂,ノボラック型フェノール樹脂硬化
剤,離型剤および低応力化剤としてのゴム成分等を配合
したエポキシ樹脂組成物が広く用いられている。しかし
ながら、このような低応力エポキシ樹脂組成物を用い、
トランスファー成形して得られる半導体装置は、上記樹
脂封止形半導体装置に要求される低応力性の要請を満た
さず、満足すべき低応力性を備えていない。また、上記
のようなエポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成
形する場合において、ゴム等の柔軟性のある低応力化剤
が、成形される半導体装置の表面から脱離して金型汚れ
の原因になるという難点も生じている。
えて、低応力半導体封止用エポキシ樹脂組成物として
は、エポキシ樹脂,ノボラック型フェノール樹脂硬化
剤,離型剤および低応力化剤としてのゴム成分等を配合
したエポキシ樹脂組成物が広く用いられている。しかし
ながら、このような低応力エポキシ樹脂組成物を用い、
トランスファー成形して得られる半導体装置は、上記樹
脂封止形半導体装置に要求される低応力性の要請を満た
さず、満足すべき低応力性を備えていない。また、上記
のようなエポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成
形する場合において、ゴム等の柔軟性のある低応力化剤
が、成形される半導体装置の表面から脱離して金型汚れ
の原因になるという難点も生じている。
【0005】一方、本願発明における(A)の合成に用
いるのと同様のジメチルシロキサンを用い、これとノボ
ラック型エポキシ樹脂とをメチルエチルケトン(ME
K)中で、予め反応させて所謂シリコーンゲル粒子をつ
くり、これを低応力化剤としてエポキシ樹脂組成物中に
配合するという技術が、先行発明中に実施例として記載
されている(特開昭58−21417号公報)。ところ
が、このようにして得られる、シリコーンゲル粒子を配
合したエポキシ樹脂組成物においては、シリコーンゲル
粒子は粒子状でそれぞれ独立して遊離状態で存在してい
るため、トランスファー成形時において、やはりシリコ
ーンゲルが脱離し、金型汚れを引き起こすという難点を
生じている。また、前述のように、使用される無機質充
填剤が、破砕フィラーであるため、パッシベーション膜
に突き刺さるという問題も生じる。
いるのと同様のジメチルシロキサンを用い、これとノボ
ラック型エポキシ樹脂とをメチルエチルケトン(ME
K)中で、予め反応させて所謂シリコーンゲル粒子をつ
くり、これを低応力化剤としてエポキシ樹脂組成物中に
配合するという技術が、先行発明中に実施例として記載
されている(特開昭58−21417号公報)。ところ
が、このようにして得られる、シリコーンゲル粒子を配
合したエポキシ樹脂組成物においては、シリコーンゲル
粒子は粒子状でそれぞれ独立して遊離状態で存在してい
るため、トランスファー成形時において、やはりシリコ
ーンゲルが脱離し、金型汚れを引き起こすという難点を
生じている。また、前述のように、使用される無機質充
填剤が、破砕フィラーであるため、パッシベーション膜
に突き刺さるという問題も生じる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、製造の際に金型汚れ等を生じることなく、しか
も低応力性に優れていて、半導体素子のパッシベーショ
ン膜にフィラーが突き刺さったり、パッシベーション膜
にクラックが発生せず、アルミニウム配線の変形が抑制
された信頼性の高い半導体装置の提供をその目的とす
る。
もので、製造の際に金型汚れ等を生じることなく、しか
も低応力性に優れていて、半導体素子のパッシベーショ
ン膜にフィラーが突き刺さったり、パッシベーション膜
にクラックが発生せず、アルミニウム配線の変形が抑制
された信頼性の高い半導体装置の提供をその目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の半導体装置は、エポキシ樹脂,フェノール
ノボラック樹脂および無機質充填剤を必須成分とするエ
ポキシ樹脂組成物であって、下記の(A)を含有すると
ともに、上記無機質充填剤として下記の(B)を含有す
るエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子が封止されて
なるという構成をとる。
め、本発明の半導体装置は、エポキシ樹脂,フェノール
ノボラック樹脂および無機質充填剤を必須成分とするエ
ポキシ樹脂組成物であって、下記の(A)を含有すると
ともに、上記無機質充填剤として下記の(B)を含有す
るエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子が封止されて
なるという構成をとる。
【0008】(A)エポキシ樹脂中に、末端にアミノプ
ロピル基を有する分子量1284〜12014のジメチ
ルシロキサンを添加し反応させることにより得られる、
上記エポキシ樹脂からなる母相中に上記ジメチルシロキ
サンが母相のエポキシ樹脂と化学結合した状態で分散し
ている反応生成物。 (B)粒径100μm以下の球状溶融シリカおよび粒径
100μm以下の破砕シリカからなる混合無機質充填
剤。
ロピル基を有する分子量1284〜12014のジメチ
ルシロキサンを添加し反応させることにより得られる、
上記エポキシ樹脂からなる母相中に上記ジメチルシロキ
サンが母相のエポキシ樹脂と化学結合した状態で分散し
ている反応生成物。 (B)粒径100μm以下の球状溶融シリカおよび粒径
100μm以下の破砕シリカからなる混合無機質充填
剤。
【0009】すなわち、本発明者は、上記先行発明(特
開昭58−21417号参照)を基礎に一連の研究を重
ねた結果、先行発明で用いたと同様のジメチルシロキサ
ンをノボラツク型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂中に添
加配合して反応させると、上記エポキシ樹脂を母相と
し、その母相中でジメチルシロキサンが1〜10μmの
シリコーンゲル粒子をつくり、かつその生成シリコーン
ゲル粒子が、母相となるエポキシ樹脂と化学結合した状
態で分散している、いわゆる、海−島構造になることを
突き止めた。そして、このような海−島構造をもつ変性
エポキシ樹脂を、エポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ
樹脂の少なくとも一部に代えて使用するとともに、無機
質充填剤として粒径100μm以下の球状溶融シリカと
粒径100μm以下の破砕シリカとの混合物を用いる
と、金型汚れの発生が防止されるようになり、しかも低
応力性が実現され、さらに、半導体素子のパッシベーシ
ョン膜に対して支障が生じなくなることを見出し本発明
に到達した。
開昭58−21417号参照)を基礎に一連の研究を重
ねた結果、先行発明で用いたと同様のジメチルシロキサ
ンをノボラツク型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂中に添
加配合して反応させると、上記エポキシ樹脂を母相と
し、その母相中でジメチルシロキサンが1〜10μmの
シリコーンゲル粒子をつくり、かつその生成シリコーン
ゲル粒子が、母相となるエポキシ樹脂と化学結合した状
態で分散している、いわゆる、海−島構造になることを
突き止めた。そして、このような海−島構造をもつ変性
エポキシ樹脂を、エポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ
樹脂の少なくとも一部に代えて使用するとともに、無機
質充填剤として粒径100μm以下の球状溶融シリカと
粒径100μm以下の破砕シリカとの混合物を用いる
と、金型汚れの発生が防止されるようになり、しかも低
応力性が実現され、さらに、半導体素子のパッシベーシ
ョン膜に対して支障が生じなくなることを見出し本発明
に到達した。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
いて説明する。
【0011】本発明に用いるエポキシ樹脂組成物は、上
記変性エポキシ樹脂(A)を含有するとともに、特定の
粒径以下に設定された、球状溶融シリカと破砕シリカと
の混合無機質充填剤(B)を含有するものである。
記変性エポキシ樹脂(A)を含有するとともに、特定の
粒径以下に設定された、球状溶融シリカと破砕シリカと
の混合無機質充填剤(B)を含有するものである。
【0012】上記変性エポキシ樹脂(A)は、例えば、
ノボラック型エポキシ樹脂と、末端にアミノプロピル基
を有する分子量1284〜12014のジメチルシロキ
サンであって下記の一般式(1)で表されるものとを用
いて得られる。
ノボラック型エポキシ樹脂と、末端にアミノプロピル基
を有する分子量1284〜12014のジメチルシロキ
サンであって下記の一般式(1)で表されるものとを用
いて得られる。
【0013】
【化1】
【0014】上記のジメチルシロキサンと反応させるエ
ポキシ樹脂は、特に限定するものではないが、エポキシ
当量190〜210のノボラック型エポキシ樹脂、特に
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を用いると好結果
が得られるようになる。しかし、ビスフェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂等も使用可能である。そして、この
ようなエポキシ樹脂と上記ジメチルシロキサンとを反応
させるに際し、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ
樹脂75重量部(以下「部」と略す)と上記ジメチルシ
ロキサン25部とを予備反応させることにより、エポキ
シ樹脂母相中に粒子径1〜10μmのシリコーンゴムの
分散した海−島構造をもつ変性エポキシ樹脂が得られる
ようになる。
ポキシ樹脂は、特に限定するものではないが、エポキシ
当量190〜210のノボラック型エポキシ樹脂、特に
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を用いると好結果
が得られるようになる。しかし、ビスフェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂等も使用可能である。そして、この
ようなエポキシ樹脂と上記ジメチルシロキサンとを反応
させるに際し、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ
樹脂75重量部(以下「部」と略す)と上記ジメチルシ
ロキサン25部とを予備反応させることにより、エポキ
シ樹脂母相中に粒子径1〜10μmのシリコーンゴムの
分散した海−島構造をもつ変性エポキシ樹脂が得られる
ようになる。
【0015】これについて、より詳しく説明すると、例
えば、160〜180℃に溶融したo−クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂に、上記ジメチルシロキサンを先
に述べた割合で添加し、2〜6時間ディスパー形の分散
機等を用いて分散混合し反応させることにより得ること
ができる。上記母相となるエポキシ樹脂とジメチルシロ
キサンの割合は、先に述べた割合に限定されるものでは
なく、前者60〜90部に対して、後者は40〜10部
の割合になる範囲内であれば自由に選択することができ
る。特に好適なのは、後者のジメチルシロキサンが25
〜10部の割合である。以上の範囲内であれば、エポキ
シ樹脂母相中にシリコーンゴムが分散した海−島構造を
もつ変性エポキシ樹脂が得られるようになる。
えば、160〜180℃に溶融したo−クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂に、上記ジメチルシロキサンを先
に述べた割合で添加し、2〜6時間ディスパー形の分散
機等を用いて分散混合し反応させることにより得ること
ができる。上記母相となるエポキシ樹脂とジメチルシロ
キサンの割合は、先に述べた割合に限定されるものでは
なく、前者60〜90部に対して、後者は40〜10部
の割合になる範囲内であれば自由に選択することができ
る。特に好適なのは、後者のジメチルシロキサンが25
〜10部の割合である。以上の範囲内であれば、エポキ
シ樹脂母相中にシリコーンゴムが分散した海−島構造を
もつ変性エポキシ樹脂が得られるようになる。
【0016】上記のようにして得られた(A)成分の変
性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物に通常用いられ
る変性されていないエポキシ樹脂の全部に代えて用いて
もよいし、その一部に代えて用いてもよい。一部に代え
て用いるときには、その割合をエポキシ樹脂成分全体中
の70〜85重量%(以下「%」と略す)程度にするこ
とが好適である。この場合、変性エポキシ樹脂と変性さ
れていないエポキシ樹脂とは、相互に同種であってもよ
いし異種であってもよい。そして、このような変性エポ
キシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物全体中の10〜20%
になるように設定することが低応力性等の観点から好ま
しい。
性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物に通常用いられ
る変性されていないエポキシ樹脂の全部に代えて用いて
もよいし、その一部に代えて用いてもよい。一部に代え
て用いるときには、その割合をエポキシ樹脂成分全体中
の70〜85重量%(以下「%」と略す)程度にするこ
とが好適である。この場合、変性エポキシ樹脂と変性さ
れていないエポキシ樹脂とは、相互に同種であってもよ
いし異種であってもよい。そして、このような変性エポ
キシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物全体中の10〜20%
になるように設定することが低応力性等の観点から好ま
しい。
【0017】なお、上記変性エポキシ樹脂と変性されて
いないエポキシ樹脂とを併用する場合において、変性さ
れていないエポキシ樹脂は特に限定するものではない
が、エポキシ当量190〜210のノボラック型エポキ
シ樹脂を用いることが好ましい。
いないエポキシ樹脂とを併用する場合において、変性さ
れていないエポキシ樹脂は特に限定するものではない
が、エポキシ当量190〜210のノボラック型エポキ
シ樹脂を用いることが好ましい。
【0018】上記変性エポキシ樹脂,変性されていない
エポキシ樹脂の硬化剤としては、軟化点が70℃以上の
フェノールノボラック樹脂が用いられる。また、上記フ
ェノールノボラック樹脂とともに、クレゾールノボラッ
ク樹脂を併用してもよい。なお、上記フェノールノボラ
ック樹脂硬化剤と、上記変性エポキシ樹脂を含むエポキ
シ樹脂成分全体との配合割合は、エポキシ当量と水酸基
当量の比(エポキシ当量/水酸基当量)が0.9〜1.
2の範囲内になるように設定することが好適である。こ
の当量比が1に近い程好結果が得られる。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、軟化点が70℃以上の
フェノールノボラック樹脂が用いられる。また、上記フ
ェノールノボラック樹脂とともに、クレゾールノボラッ
ク樹脂を併用してもよい。なお、上記フェノールノボラ
ック樹脂硬化剤と、上記変性エポキシ樹脂を含むエポキ
シ樹脂成分全体との配合割合は、エポキシ当量と水酸基
当量の比(エポキシ当量/水酸基当量)が0.9〜1.
2の範囲内になるように設定することが好適である。こ
の当量比が1に近い程好結果が得られる。
【0019】また、本発明に用いるエポキシ樹脂組成物
には、上記の成分原料とともに特定の無機質充填剤が用
いられる。この特定の無機質充填剤は、粒径100μm
以下の球状(長径a,短径bとした場合、b/a=0.
5〜1.0)の溶融シリカと、粒径100μm以下の破
砕シリカとを併用した混合無機質充填剤である。
には、上記の成分原料とともに特定の無機質充填剤が用
いられる。この特定の無機質充填剤は、粒径100μm
以下の球状(長径a,短径bとした場合、b/a=0.
5〜1.0)の溶融シリカと、粒径100μm以下の破
砕シリカとを併用した混合無機質充填剤である。
【0020】上記粒径100μm以下の球状溶融シリカ
を用いることにより、低応力効果が増大すると同時に、
従来の無機質充填剤に起因する半導体素子のパッシベー
ション膜の損傷が防止されるようになる。しかしなが
ら、本発明においては、上記球状溶融シリカ単独の使用
では、機械的強度が低下することから、これら物性の良
好なバランスを考慮した結果、上記球状溶融シリカとと
もに、粒径100μm以下の破砕シリカを併用すること
を必須要件とする。
を用いることにより、低応力効果が増大すると同時に、
従来の無機質充填剤に起因する半導体素子のパッシベー
ション膜の損傷が防止されるようになる。しかしなが
ら、本発明においては、上記球状溶融シリカ単独の使用
では、機械的強度が低下することから、これら物性の良
好なバランスを考慮した結果、上記球状溶融シリカとと
もに、粒径100μm以下の破砕シリカを併用すること
を必須要件とする。
【0021】上記破砕シリカは、球状フィラーと同様、
粒径が100μm以下のものでなければならず、特に好
ましくは両者とも粒径が5〜30μmの範囲である。こ
のように、球状溶融シリカおよび破砕シリカとも粒径が
100μm以下のものを用いることにより、エポキシ樹
脂組成物が溶融してパッケージに封入される際に、ゲー
ト(250μm程度)詰まりが生ずることなく、良好に
封入することができるという効果が得られる。
粒径が100μm以下のものでなければならず、特に好
ましくは両者とも粒径が5〜30μmの範囲である。こ
のように、球状溶融シリカおよび破砕シリカとも粒径が
100μm以下のものを用いることにより、エポキシ樹
脂組成物が溶融してパッケージに封入される際に、ゲー
ト(250μm程度)詰まりが生ずることなく、良好に
封入することができるという効果が得られる。
【0022】そして、上記球状溶融シリカ(X)と破砕
シリカ(Y)との混合割合(X/Y)は、重量比で、X
/Y=40/60〜70/30の範囲に設定することが
好ましい。特に好ましくはX/Y=60/40〜70/
30である。すなわち、上記混合割合において、球状溶
融シリカの割合が混合物全体の70%を超える(破砕シ
リカが30%未満)と、封止樹脂であるエポキシ樹脂組
成物硬化体の機械的強度が低下してしまい、逆に、球状
溶融シリカの割合が混合物全体の40%未満(破砕シリ
カが60%を超える)では、エポキシ樹脂組成物が溶融
した際の粘度が高く、ワイヤー流れという成形の不具合
が生じる傾向がみられるからである。
シリカ(Y)との混合割合(X/Y)は、重量比で、X
/Y=40/60〜70/30の範囲に設定することが
好ましい。特に好ましくはX/Y=60/40〜70/
30である。すなわち、上記混合割合において、球状溶
融シリカの割合が混合物全体の70%を超える(破砕シ
リカが30%未満)と、封止樹脂であるエポキシ樹脂組
成物硬化体の機械的強度が低下してしまい、逆に、球状
溶融シリカの割合が混合物全体の40%未満(破砕シリ
カが60%を超える)では、エポキシ樹脂組成物が溶融
した際の粘度が高く、ワイヤー流れという成形の不具合
が生じる傾向がみられるからである。
【0023】上記球状溶融シリカと破砕シリカの混合物
からなる混合無機質充填剤の使用割合は、エポキシ樹脂
組成物全体中70〜75%を占めるよう設定することが
好ましい。特に好ましくは71〜74%である。
からなる混合無機質充填剤の使用割合は、エポキシ樹脂
組成物全体中70〜75%を占めるよう設定することが
好ましい。特に好ましくは71〜74%である。
【0024】また、本発明に用いるエポキシ樹脂組成物
には、任意成分として有機窒素化合物を用いることがで
きる。このような有機窒素化合物としては、例えば、下
記の式(2)で表される1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7等があげられる。
には、任意成分として有機窒素化合物を用いることがで
きる。このような有機窒素化合物としては、例えば、下
記の式(2)で表される1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7等があげられる。
【0025】
【化2】
【0026】このような有機窒素化合物をエポキシ樹脂
組成物全体の0.16〜0.21%の割合で配合する
と、これがエポキシ樹脂の硬化触媒としての作用を発揮
するようになり、耐水性の高い封止樹脂が得られるよう
になる。そして、上記有機窒素化合物の配合割合が、上
記範囲外では、例えば、エポキシ樹脂の硬化触媒として
の作用が充分に発揮されなかったりする。すなわち、配
合割合が少な過ぎると、硬化が不充分で成形品が得られ
なかったり、逆に、多過ぎると、装置の信頼性を低下さ
せる傾向がみられる
組成物全体の0.16〜0.21%の割合で配合する
と、これがエポキシ樹脂の硬化触媒としての作用を発揮
するようになり、耐水性の高い封止樹脂が得られるよう
になる。そして、上記有機窒素化合物の配合割合が、上
記範囲外では、例えば、エポキシ樹脂の硬化触媒として
の作用が充分に発揮されなかったりする。すなわち、配
合割合が少な過ぎると、硬化が不充分で成形品が得られ
なかったり、逆に、多過ぎると、装置の信頼性を低下さ
せる傾向がみられる
【0027】なお、本発明に用いるエポキシ樹脂組成物
には、離型剤としての長鎖脂肪酸の金属塩ワックスや着
色剤等、通常エポキシ樹脂組成物に用いられる添加剤が
必要に応じて配合される。
には、離型剤としての長鎖脂肪酸の金属塩ワックスや着
色剤等、通常エポキシ樹脂組成物に用いられる添加剤が
必要に応じて配合される。
【0028】本発明で用いるエポキシ樹脂組成物は、上
記の原料を用い従来公知の方法で製造できるものであ
り、例えば前記原料をドライブレンドまたは溶融混合の
いずれかの方法で均一に分散混合して粉砕し、必要に応
じて打錠するということにより得ることができる。な
お、上記原料の配合に際しては、予め前記(A)である
反応生成物を作製し、つぎに、この反応生成物と残りの
原料を配合し混合してもよいし、また、全原料を同時に
配合してもよい。この同時に全原料を配合しても溶融混
合時に反応が生起して(A)である反応生成物が得られ
る。
記の原料を用い従来公知の方法で製造できるものであ
り、例えば前記原料をドライブレンドまたは溶融混合の
いずれかの方法で均一に分散混合して粉砕し、必要に応
じて打錠するということにより得ることができる。な
お、上記原料の配合に際しては、予め前記(A)である
反応生成物を作製し、つぎに、この反応生成物と残りの
原料を配合し混合してもよいし、また、全原料を同時に
配合してもよい。この同時に全原料を配合しても溶融混
合時に反応が生起して(A)である反応生成物が得られ
る。
【0029】このようにして得られたエポキシ樹脂組成
物を用いての半導体素子の封止は、通常の方法、例えば
トランスファー成形等の公知のモールド成形により行う
ことができ、それによってこの発明の半導体装置が得ら
れるようになる。
物を用いての半導体素子の封止は、通常の方法、例えば
トランスファー成形等の公知のモールド成形により行う
ことができ、それによってこの発明の半導体装置が得ら
れるようになる。
【0030】このようにしてトランスファー成形等のモ
ールド成形を行う場合、上記エポキシ樹脂組成物は、ジ
メチルシロキサンが母相のエポキシ樹脂と化学結合した
状態になっているため脱離せず、したがって、金型汚れ
が生じない。
ールド成形を行う場合、上記エポキシ樹脂組成物は、ジ
メチルシロキサンが母相のエポキシ樹脂と化学結合した
状態になっているため脱離せず、したがって、金型汚れ
が生じない。
【0031】つぎに、実施例について比較例と併せて詳
しく説明する。
しく説明する。
【0032】
【実施例1〜4】まず、o−クレゾールノボラックエポ
キシ樹脂(エポキシ当量195)75部を160〜18
0℃に溶融し、これに分子量10000程度の前記一般
式(1)で表されるジメチルポリシロキサン(シリカ含
有量34.9〜37.5%)をエポキシ樹脂75部に対
し、ジメチルポリシロキサン25部の割合になるように
添加した。その状態で160〜180℃の温度において
分散機を用い3時間撹拌混合し、反応生成物を冷却した
のち粉砕して変性樹脂をつくった。これを変性樹脂aと
する。つぎに、この変性樹脂aと、後記の表1に示す原
料を同表に示す割合で配合し、80℃に加熱したミキシ
ングロール機に掛けて10分間混練したのちシート状に
形成した。ついで、このシート状体を冷却粉砕しエポキ
シ樹脂組成物粉末をつくった。
キシ樹脂(エポキシ当量195)75部を160〜18
0℃に溶融し、これに分子量10000程度の前記一般
式(1)で表されるジメチルポリシロキサン(シリカ含
有量34.9〜37.5%)をエポキシ樹脂75部に対
し、ジメチルポリシロキサン25部の割合になるように
添加した。その状態で160〜180℃の温度において
分散機を用い3時間撹拌混合し、反応生成物を冷却した
のち粉砕して変性樹脂をつくった。これを変性樹脂aと
する。つぎに、この変性樹脂aと、後記の表1に示す原
料を同表に示す割合で配合し、80℃に加熱したミキシ
ングロール機に掛けて10分間混練したのちシート状に
形成した。ついで、このシート状体を冷却粉砕しエポキ
シ樹脂組成物粉末をつくった。
【0033】
【表1】
【0034】
【比較例1】先行発明(特開昭58−21417号)の
実施例と同様にしてシリコーンゲル粒子をつくり、これ
をエポキシ樹脂組成物中に同様の割合で配合し変性樹脂
bをつくった。この変性樹脂bを変性樹脂aに代えて用
いた以外は、下記の表2に示す原料を同表に示す割合で
配合し前記実施例と同様にしてエポキシ樹脂組成物粉末
をつくった。
実施例と同様にしてシリコーンゲル粒子をつくり、これ
をエポキシ樹脂組成物中に同様の割合で配合し変性樹脂
bをつくった。この変性樹脂bを変性樹脂aに代えて用
いた以外は、下記の表2に示す原料を同表に示す割合で
配合し前記実施例と同様にしてエポキシ樹脂組成物粉末
をつくった。
【0035】
【比較例2】変性樹脂aに代えて、フェノールノボラッ
クエポキシ樹脂(エポキシ当量195)を用いた。それ
以外は下記の表2に示す原料を同表に示す割合で配合し
前記実施例と同様にしてエポキシ樹脂組成物粉末をつく
った。
クエポキシ樹脂(エポキシ当量195)を用いた。それ
以外は下記の表2に示す原料を同表に示す割合で配合し
前記実施例と同様にしてエポキシ樹脂組成物粉末をつく
った。
【0036】
【表2】
【0037】以上の実施例および比較例で得られたエポ
キシ樹脂組成物粉末を用い、つぎに示す各試験を行い半
導体装置の性能を評価した。
キシ樹脂組成物粉末を用い、つぎに示す各試験を行い半
導体装置の性能を評価した。
【0038】〔パッケージクラック発生率〕6.2mm
×5.2mm×厚み0.32mmの半導体チップを24
ピン2方向フラットパッケージ(SOP)に搭載し、1
75℃×3分成形後、175℃×5時間の後硬化を行い
パッケージクラック評価用パッケージを得た。このパッ
ケージを−196℃と150℃の2分間サイクル熱衝撃
性テストにかけて評価した。その結果を下記の表3に示
す。
×5.2mm×厚み0.32mmの半導体チップを24
ピン2方向フラットパッケージ(SOP)に搭載し、1
75℃×3分成形後、175℃×5時間の後硬化を行い
パッケージクラック評価用パッケージを得た。このパッ
ケージを−196℃と150℃の2分間サイクル熱衝撃
性テストにかけて評価した。その結果を下記の表3に示
す。
【0039】
【表3】
【0040】〔アルミニウム配線のスライド量〕上記パ
ッケージクラック発生率の測定と同様な成形条件で42
ピンのデュアル・インライン・パッケージ(DIP)を
つくり、これを−80℃と200℃の2分間サイクルに
よる熱衝撃性テストを行い、アルミニウム配線のスライ
ド量(μm)を測定した。搭載した半導体チップサイズ
は6.0mm×3.0mm×厚み0.43mmであり、
アルミニウム配線のスライド量は上記熱衝撃性テスト終
了後、熱発煙硝酸でパッケージを解体し、電子顕微鏡を
用いてスライド量を測定することによって行った。その
結果を下記の表4に示す。
ッケージクラック発生率の測定と同様な成形条件で42
ピンのデュアル・インライン・パッケージ(DIP)を
つくり、これを−80℃と200℃の2分間サイクルに
よる熱衝撃性テストを行い、アルミニウム配線のスライ
ド量(μm)を測定した。搭載した半導体チップサイズ
は6.0mm×3.0mm×厚み0.43mmであり、
アルミニウム配線のスライド量は上記熱衝撃性テスト終
了後、熱発煙硝酸でパッケージを解体し、電子顕微鏡を
用いてスライド量を測定することによって行った。その
結果を下記の表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】〔パッシベーションクラック数〕上記アル
ミニウム配線のスライド量の測定と同様にしてパッケー
ジをつくり、これを同様な条件で熱衝撃性テストにか
け、テスト終了後、熱発煙硝酸でパッケージを解体し、
システム顕微鏡を用いてパッシベーションクラック数を
測定した。その結果を下記の表5に示す。
ミニウム配線のスライド量の測定と同様にしてパッケー
ジをつくり、これを同様な条件で熱衝撃性テストにか
け、テスト終了後、熱発煙硝酸でパッケージを解体し、
システム顕微鏡を用いてパッシベーションクラック数を
測定した。その結果を下記の表5に示す。
【0043】
【表5】
【0044】〔金型の汚れ〕42ピンのデュアル・イン
ライン・パッケージ(DIP)を175℃×3分の条件
で500ショットトランスファーモールド成形したとき
のパッケージ表面から分離するシリコーンゴムの数を電
子顕微鏡で測定して評価した。その結果を下記の表6に
示す。なお、表6において、クリーニングサイクルと
は、つぎのことをいう。すなわち、連続してトランスフ
ァーモールド成形を行うと、成形パッケージ表面からワ
ックス等の成分が滲み出して成形金型を汚染し、結果、
製品の外観を損なうことになる。このような問題を防止
するために、金型用のクリーニングレジンを成形して金
型表面を洗浄する。このクリーニングレジンをうつまで
に連続して成形可能なショット数をクリーニングサイク
ルという。
ライン・パッケージ(DIP)を175℃×3分の条件
で500ショットトランスファーモールド成形したとき
のパッケージ表面から分離するシリコーンゴムの数を電
子顕微鏡で測定して評価した。その結果を下記の表6に
示す。なお、表6において、クリーニングサイクルと
は、つぎのことをいう。すなわち、連続してトランスフ
ァーモールド成形を行うと、成形パッケージ表面からワ
ックス等の成分が滲み出して成形金型を汚染し、結果、
製品の外観を損なうことになる。このような問題を防止
するために、金型用のクリーニングレジンを成形して金
型表面を洗浄する。このクリーニングレジンをうつまで
に連続して成形可能なショット数をクリーニングサイク
ルという。
【0045】
【表6】
【0046】上記表3〜表6から明らかなように、上記
実施例に係る成形材料で樹脂封止された半導体装置は、
その封止樹脂が、低熱応力性に優れているため、パッケ
ージクラック発生率,アルミニウム配線のスライド量,
パッシベーションクラック数が少なく、しかもトランス
ファーモールド成形に対して、金型汚れを生じないこと
がわかる。
実施例に係る成形材料で樹脂封止された半導体装置は、
その封止樹脂が、低熱応力性に優れているため、パッケ
ージクラック発生率,アルミニウム配線のスライド量,
パッシベーションクラック数が少なく、しかもトランス
ファーモールド成形に対して、金型汚れを生じないこと
がわかる。
【0047】また、パッシベーションクラック数の測定
評価時に、電子顕微鏡にてパッシベーション膜にフィラ
ーが突き刺さっているか否かを観察した結果、実施例品
に関してはフィラーは全く突き刺さっていなかった。こ
れに対して、比較例2品は、破砕状のシリカがパッシベ
ーション膜に突き刺さっているのが確認された。
評価時に、電子顕微鏡にてパッシベーション膜にフィラ
ーが突き刺さっているか否かを観察した結果、実施例品
に関してはフィラーは全く突き刺さっていなかった。こ
れに対して、比較例2品は、破砕状のシリカがパッシベ
ーション膜に突き刺さっているのが確認された。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明の半導体装置は、
封止材料として上記エポキシ樹脂組成物を用いることか
ら上記のような樹脂封止に際して、金型汚れを招かず、
しかも(A)である変性樹脂の作用および(B)である
球状溶融シリカと破砕シリカの混合無機質充填剤を用い
ることによって、封止樹脂が優れた低応力性を備えてお
り、それによって高い信頼度を有している。すなわち、
本発明によれば、半導体素子として高集積化,大形化さ
れているものに対しても充分対応でき、半導体素子のパ
ッシベーション膜に対するクラックやアルミ配線等の変
形等の発生を防止することができる。また、半導体素子
のパッシベーション膜にフィラーが突き刺さるという問
題も生じない。
封止材料として上記エポキシ樹脂組成物を用いることか
ら上記のような樹脂封止に際して、金型汚れを招かず、
しかも(A)である変性樹脂の作用および(B)である
球状溶融シリカと破砕シリカの混合無機質充填剤を用い
ることによって、封止樹脂が優れた低応力性を備えてお
り、それによって高い信頼度を有している。すなわち、
本発明によれば、半導体素子として高集積化,大形化さ
れているものに対しても充分対応でき、半導体素子のパ
ッシベーション膜に対するクラックやアルミ配線等の変
形等の発生を防止することができる。また、半導体素子
のパッシベーション膜にフィラーが突き刺さるという問
題も生じない。
Claims (5)
- 【請求項1】 エポキシ樹脂,フェノールノボラック樹
脂および無機質充填剤を必須成分とするエポキシ樹脂組
成物であって、下記の(A)を含有するとともに、上記
無機質充填剤として下記の(B)を含有するエポキシ樹
脂組成物を用いて半導体素子が封止されてなることを特
徴とする半導体装置。 (A)エポキシ樹脂中に、末端にアミノプロピル基を有
する分子量1284〜12014のジメチルシロキサン
を添加し反応させることにより得られる、上記エポキシ
樹脂からなる母相中に上記ジメチルシロキサンが母相の
エポキシ樹脂と化学結合した状態で分散している反応生
成物。 (B)粒径100μm以下の球状溶融シリカおよび粒径
100μm以下の破砕シリカからなる混合無機質充填
剤。 - 【請求項2】 (A)が、上記ノボラツク型エポキシ樹
脂75重量部に対して上記末端アミノプロピル基含有ジ
メチルシロキサン25重量部の割合で反応させた反応生
成物である請求項1記載の半導体装置。 - 【請求項3】 (A)が、エポキシ樹脂組成物中に10
〜20重量%含有されている請求項1または2記載の半
導体装置。 - 【請求項4】 粒径100μm以下の球状溶融シリカ
(X)と粒径100μm以下の破砕シリカ(Y)との混
合割合(X/Y)が、重量比で、X/Y=40/60〜
70/30に設定されている請求項1〜3のいずれか一
項に記載の半導体装置。 - 【請求項5】 エポキシ樹脂組成物中に、任意成分とし
て、有機窒素化合物が含有されている請求項1〜4のい
ずれか一項に記載の半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20731196A JPH1050899A (ja) | 1996-08-06 | 1996-08-06 | 半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20731196A JPH1050899A (ja) | 1996-08-06 | 1996-08-06 | 半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1050899A true JPH1050899A (ja) | 1998-02-20 |
Family
ID=16537676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20731196A Abandoned JPH1050899A (ja) | 1996-08-06 | 1996-08-06 | 半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1050899A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006182802A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-13 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 金型離型回復樹脂組成物及び半導体装置の製造方法 |
JP2011236303A (ja) * | 2010-05-10 | 2011-11-24 | Nitto Denko Corp | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 |
JP2014209565A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-11-06 | 日東電工株式会社 | 封止シート、封止シートの製造方法及び電子部品パッケージの製造方法 |
WO2015079887A1 (ja) * | 2013-11-28 | 2015-06-04 | 日東電工株式会社 | 封止用熱硬化性樹脂シート及び中空パッケージの製造方法 |
-
1996
- 1996-08-06 JP JP20731196A patent/JPH1050899A/ja not_active Abandoned
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006182802A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-13 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 金型離型回復樹脂組成物及び半導体装置の製造方法 |
JP2011236303A (ja) * | 2010-05-10 | 2011-11-24 | Nitto Denko Corp | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 |
JP2014209565A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-11-06 | 日東電工株式会社 | 封止シート、封止シートの製造方法及び電子部品パッケージの製造方法 |
CN105103285A (zh) * | 2013-03-27 | 2015-11-25 | 日东电工株式会社 | 密封片、密封片的制造方法以及电子部件封装体的制造方法 |
WO2015079887A1 (ja) * | 2013-11-28 | 2015-06-04 | 日東電工株式会社 | 封止用熱硬化性樹脂シート及び中空パッケージの製造方法 |
JP2015179814A (ja) * | 2013-11-28 | 2015-10-08 | 日東電工株式会社 | 封止用熱硬化性樹脂シート及び中空パッケージの製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040106 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A762 | Written abandonment of application |
Effective date: 20040216 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20040216 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 |