JPH10508202A - 腫瘍特異性抗体断片、融合タンパク質、およびそれらの使用 - Google Patents

腫瘍特異性抗体断片、融合タンパク質、およびそれらの使用

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JPH10508202A JP8514718A JP51471896A JPH10508202A JP H10508202 A JPH10508202 A JP H10508202A JP 8514718 A JP8514718 A JP 8514718A JP 51471896 A JP51471896 A JP 51471896A JP H10508202 A JPH10508202 A JP H10508202A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、LewisY関連等質抗原に特異的に結合する組換え一本鎖抗体およびそれらの抗体を含んで成る融合タンパク質を提供する。より詳しくは、本発明は、モノクローナル抗体B1,B3およびB5の一本鎖Fv(scFv)領域、B1,B3およびB5のヒト型一本鎖Fv領域、並びにそれらのscFvを含んで成る融合タンパク質を提供する。本発明はまた、LewisY結合モノクローナル抗体B3の多数の安定化変異に備える。加えて、本発明は患者において LewisY抗原を有する細胞を検出する方法および患者において LewisY抗原を有する細胞を致死させるかまたは該細胞の増殖を抑制する方法も提供する。本発明は、第95位をセリンに変更することを含む、VH領域の第95位にセリンを欠いている抗体の結合親和力を改善する方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 腫瘍特異性抗体断片、融合タンパク質、 およびそれらの使用 本発明は、いずれも1994年10月28日に出願の米国特許出願第08/331,396 号、 同第08/331,397号および同第08/331,398号の一部継続出願であり、前記3つの特 許出願は全て1991年9月30日に出願の米国特許第07/767,331号の一部継続出願で あり、その特許出願は1990年10月12日に出願の米国特許第07/596,289号の一部継 続出願である。これらは全てあらゆる目的で参考として本明細書に組み込まれる 。 発明の背景 本発明は、腫瘍特異性組換え抗体断片、前記断片を含有する分子、例えば免疫 毒素、およびそれらの使用に関する。本発明の典型的な態様としては、モノクロ ーナル抗体B1,B3およびB5のFv領域に融合したシュードモナス(Pseudo monas )外毒素(または緑膿菌外毒素とも言う)を含んで成る免疫毒素が挙げら れ、それらは腫瘍特異性を有し、哺乳類の癌の治療に用いることができる。 モノクローナル抗体B1,B3およびB5は、LewisY(LeY)系の糖質抗原に 対して向けられた細菌単離されたマウス抗体である〔Pastan他,Cancer Res.,5 1: 3781-3787(1991)〕。LeY抗原は結腸、胃、卵巣、乳房、肺の多くの粘液性癌 腫並びに幾つかの表皮癌の表面上に認められる。それらの抗体は限られた数の正 常組織とだけ反応するので、癌の治療や診断に用いられる理想的な候補である。 癌細胞を特異的に攻撃する細胞毒性物質を作るために、抗体また はその断片を免疫毒素のターゲティング成分として使うことができる。そのよう な免疫毒素では、ターゲティング成分が典型的には細胞毒分子の細胞結合ドメイ ン〔例えばシュードモナス外毒素(PE)のドメインIまたはジフテリア毒素の B鎖〕に取って代わり、それの標的細胞に細胞毒を特異的に差し向ける作用をす る(ターゲティング成分の特異性により測定すると)。結果として、ターゲティ ング成分により認識される細胞だけが効率的に殺され、認識されない細胞は助か る〔概説についてはBrinkmann およびPastan,Biochem.Biophys.Acta.,1198: 27-45(1994)を参照のこと〕。 免疫毒素は最初に抗体と細胞毒性分子との化学的結合により作製された。例え ば、モノクローナル抗体B3が少なくとも2つの異なる形態のシュードモナス外 毒素(PE)に化学的に結合されている〔米国特許第4,545,985 号〕。それらの 1つは全長毒素(PE)であり、もう1つは先端が切り取られた誘導体(PE40 )である〔Kondo 他,J.Biol.Chem.,263: 9470-75(1988)およびPai 他,前 掲〕。これらの免疫毒素は両方とも表面上にB3抗原を含む腫瘍細胞に対して選 択的に細胞障害性であることが示されており、且つヒト腫瘍異種移植片を有する マウスにおいて完全な腫瘍後退を引き起こすことが示されている〔Pai 他,Proc .Natl.Acad.Sci.USA,88: 3358-62(1991)〕。 化学的に結合された免疫毒素は有用であるけれども、それらは望ましくない欠 点を幾つか有する。例えば、化学修飾は抗体を変形し、抗原へのそれの結合に影 響を及ぼし得る。更に、精製した免疫毒素は、抗体または毒素上の異なる位置で 互いに連結された抗体−毒素分子の不均一混合物である。例えば、シュードモナ ス外毒素は抗体の軽鎖または重鎖のいずれかに結合され得るし、それらの各鎖上 の異なる位置に結合され得る。 化学的に結合された免疫毒素の制限を克服するために、組換え一本鎖抗体−毒 素融合タンパク質としてキメラ免疫毒素が作製されている。抗体の重鎖と軽鎖の 両Fv部分を一緒にして作製した或る種の一本鎖抗原結合タンパク質が、それら の全長二本鎖相当物と同じ結合特性を持つことができることは証明されている〔 Bird他,Science 242: 423-26(1988)およびHuston他,Proc.Natl.Acad.Sci. USA,85: 5879-83(1988)〕。或る場合には、毒素に連結された一本鎖抗体から成 る融合タンパク質が一本鎖抗体の結合能だけでなく毒素の活性も保持できること も示されている〔Chaudhary 他,Nature,339: 394-97(1989);Batra他,J.B iol.Chem.,265: 15198-15202(1990);Batra他,Proc.Natl.Acad.Sci.US A,86: 8545-8549(1989);Chaudhary他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87: 1 066-1070(1990)〕。 免疫毒素標的として受容体タンパク質もしばしば使われている。というのは、 それらは種々の癌腫においてしばしば過剰発現される細胞表面タンパク質であり 〔Brinkmann およびPastan,Biochem.Biophys.Acta,1198: 27-45(1994)〕 、よって癌特異性標的を提供するからである。例えば、先端が切り取られた形の PEまたはジフテリア毒素〔Chaudhary 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87: 9491-94(1990)〕に融合したインターロイキン2受容体〔Chaudhary 他,Nature ,339: 394-97(1989)およびBatra 他,J.Biol.Chem.265: 15198-15202(1990 )〕またはトランスフェリン受容体〔Batra 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 87: 8545-49(1989)〕に向けられた抗体のFvドメインから成る一本鎖免疫毒素 が作製されている。受容体タンパク質は多くの癌腫において過剰発現されるけれ ども、それらは正常細胞上にも存在することがあり、従って免疫毒素に望ましい 限定された癌特異性を提供しないことがしばしば ある。 癌腫と優先的に反応する抗体の数は限られるので、腫瘍中の全部または大部分 の細胞と反応し且つ比較的少ない正常細胞および組織と反応するだろう追加の癌 特異性抗体の同定および特徴づけが望ましい。加えて、組換え免疫毒素は試験管 内でも生体内でも時間と共に分解することが知られている。減少された分解速度 を示し、従ってより少頻度の投与が要求される免疫毒素を得ることが望ましいだ ろう。最後に、繰り返し使用すると、マウス抗体およびマウス抗体を含む融合タ ンパク質は、他の外来タンパク質と同じように、最終的に免疫原性になり、処置 生物において免疫応答を引き起こし得る。減少された抗原性を有するターゲティ ング成分および免疫毒素を作製することが望ましい。本明細書中に説明するよう に、上記および他の利点が本発明により提供されるだろう。 発明の要約 本発明は、組換え一本鎖抗体およびそれらの抗体を使用する融合タンパク質、 例えば免疫毒素を提供する。特に、本発明は、モノクローナル抗体B1,B3ま たはB5の結合特異性を有する抗体の軽鎖および重鎖可変領域(Fv)を含んで 成る、組換え生産された抗体に関する。それらの抗体は、細胞障害性融合タンパ ク質に使用するのに適当な癌特異性ターゲティング成分を提供する。 一態様では、本発明は抗体の軽鎖可変(VL)領域と重鎖可変(VH)領域の両 方のFv領域を含んで成る一本鎖抗体を提供し、ここで該一本鎖抗体はモノクロ ーナル抗体B1,B3またはB5の結合特異性を有する。特に好ましいのは一本 鎖抗体B1(Fv),B3(Fv)およびB5(Fv)である。 別の態様では、本発明は、VHの第95位が通常はセリンでない時 にセリンに変異されているFv領域を含んで成る一本鎖抗体を提供する。一本鎖 抗体は炭水化物結合抗体であってもよく、より好ましくは、VHの第95位がセリ ンに変異されているLeY結合抗体である。ほとんどの場合、第95位は変異前はチ ロシンであろう。特に好ましい抗体は本明細書中に記載のB5(Fv):Y95S である。 本発明はまた、抗体の安定性を増加させる様々な変異を有する一本鎖B3抗体 に備える。特に好ましい変異はVL鎖の中であり、第4位のところのメチオニン からロイシンへの変異〔B3(Fv):M4L〕、第7位のところのセリンからスレオニン への変異〔B3(Fv):S7T〕、または両変異の組合せ〔B3(Fv):M4L S7T〕が挙げられ る。 別の態様では、本発明は第一の抗体の可変重鎖と第二の抗体の可変軽鎖とを含 んで成るキメラ一本鎖抗体を提供する。ここで前記第一の抗体と第二の抗体は異 なる抗体であり、重鎖と軽鎖が組換えにより融合され、LewisY炭水化物抗原と特 異的に結合する一本鎖抗体を形成する。特に好ましい態様では、この一本鎖抗体 はモノクローナル抗体B1,B3またはB5の結合特異性を有する。一態様では 第一の抗体がB1,B3またはB5である。別の態様では、第二の抗体がB1, B3またはB5である。特に好ましい一本鎖抗体としては B5VH−B3VLおよび B3 VH−B5VLが挙げられる。 本発明は、モノクローナル抗体B1,B3またはB5の結合特異性を有する抗 体のヒト型軽鎖および重鎖可変(Fv)領域を含んで成る、組換え生産されたヒ ト型一本鎖抗体も提供する。それらの抗体は細胞障害性融合タンパク質での使用 に適当な癌特異性ターゲティング成分を提供する。特に好ましいのは、B1,B 3またはB5のヒト型一本鎖Fv領域である。 一態様では、一本鎖抗体はヒト型B3(Fv)である。特に好ましいのは、ヒト型可 変重鎖、より詳しくは図11中のHumB3VHと命名された アミノ酸配列を有するヒト型可変重鎖を含んで成る抗体である。別の好ましい変 異体はヒト型可変軽鎖、より詳しくは図11中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配 列を有するヒト型可変軽鎖を含んで成る抗体である。更に別の好ましいヒト型抗 体は、ヒト型可変軽鎖とヒト型可変重鎖の両方を含んで成るものである。特に好 ましいのは、図11中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有するヒト型可変重 鎖と図11中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配列を有するヒト型可変軽鎖とを含 んで成る抗体である。更にまた別の好ましいヒト型抗体は、図11中のHumB3VHと 命名されたアミノ酸配列を有するヒト型可変重鎖と図11中のHumB3VLと命名され たアミノ酸配列を有するヒト型可変軽鎖とを含んで成り、図11中で82b と指定さ れた位置のセリンがアルギニンにより置換されている抗体である。 上述したいずれの一本鎖抗体においても、重鎖可変領域と軽鎖可変領域がリン カーによって連結されてもよい。特に好ましいリンカーの1つは(Gly4Ser)3であ る。 本発明は、上述の一本鎖抗体のいずれかを含有する一本鎖融合タンパク質にも 関する。該融合タンパク質はエフェクター分子に組換え融合させた一本鎖抗体を 含んで成る。エフェクター分子は細胞毒、例えばシュードモナス外毒素であるこ とができ、より好ましくはPE38,PE40,PE38KDELまたはPE38REDLである。 特に好ましい態様では、Fv領域がB1(Fv),B3(Fv)もしくはB5(Fv)領域、また は変更された上述のB1(Fv),B3(Fv)もしくはB5(Fv)領域のいずれかである。よっ て、好ましい融合タンパク質としては、B3(Fv)−PE38,B3(Fv)−PE40,B3(Fv)− PE38KDEL,B3(Fv)−PE38REDL,B1(Fv)−PE38,B1(Fv)−PE40,B1(Fv)−PE38KDEL ,B1(Fv)−PE38REDL,B5(Fv)−PE38,B5(Fv)−PE40,B5(Fv)−PE38KDEL,B5(Fv) −PE38REDL,B3(Fv):S7T−PE38, B3(Fv):S7T−PE40,B3(Fv):S7T−PE38KDEL,B3(Fv):S7T−PE38REDL,B3(Fv):M14 L−PE38,B3(Fv):M4L−PE40,B3(Fv):M4L−PE38KDEL,B3(Fv):M4L−PE38REDL,B 3(Fv):M4L S7T−PE38,B3(Fv):M4L S7T−PE40,B3(Fv):M4L S7T−PE38KDEL,B3( Fv):M4L S7T−PE38REDL,B5VH-B3VL−PE38,B5VH-B3VL−PE40,B5VH-B3VL−PE38 KDEL,B5VH-B3VL−PE38REDL,B3VH-B5VL−PE38,B3VH-B5VL−PE40,B3VH-B5VL− PE38KDEL,B3VH-B5VL−PE38REDL,HUMB3(Fv)−PE38,HUMB3(Fv)−PE40,HUMB3(F v)−PE38KDEL,HUMB3(Fv)−PE38REDL,B5(Fv):Y95S−PE38,B5(Fv):Y95S−PE40 ,B5(Fv):Y95S −PE38KDEL,B5(Fv):Y95S −PE38REDLが挙げられる。 融合タンパク質はFv断片の重鎖可変(VH)領域と軽鎖可変(VL)領域との 間にリンカーを含んでもよい。1つの好ましいリンカーはペプチドリンカー(Gly4 Ser)3である。融合タンパク質はFv領域とエフェクター分子の間にコネクター を含んでもよい。特に好ましいコネクターはSGGPEGGSである。 上述した態様は全て、一本鎖融合タンパク質として組換えにより発現される。 よって本発明は前記一本鎖抗体Fv領域および融合タンパク質のいずれかをコー ドする組換えDNA分子にも関する。 別の態様では、本発明は、医薬上許容される担体と一緒に、腫瘍細胞の増殖を 抑制するのに十分な濃度で前記一本鎖融合タンパク質のいずれかを含んで成る医 薬組成物にも関する。 本発明は同様に、患者においてLewisY抗原を有する細胞を致死させるかまたは 増殖を抑制する方法を提供する。該方法は、細胞を致死させるかまたは増殖を抑 制するのに十分な量で上述の融合タンパク質のいずれかを含んで成る医薬組成物 を患者に投与する段階を含む。 本発明は、患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞の存在ま たは不在を検出する方法であって、患者から組織または液体試料を取り出し、前 記試料に上述の一本鎖抗体のいずれかを添加し、そして抗体と抗原との結合複合 体の存在または不在を検出する段階を含んで成る方法を提供する。 更に別の態様では、本発明はVH領域の第95位のセリンを欠いている抗体の結 合親和力を改善する方法を提供する。該方法は、VHの第95位のアミノ酸をセリ ンで置き換える段階を含んで成る。抗体は好ましくは糖質結合抗体であり、更に より好ましくは抗LeY抗体である。VHの第95位の変異させようとするアミノ酸は 、ほとんど場合、チロシンであろう。 図面の簡単な説明 図1aは、モノクローナル抗体B3の重鎖および軽鎖Fv遺伝子のクローニン グおよびB3(Fv)免疫毒素の発現用の発現ベクター(例えばプラスミド)の作製方 法を表す。クローニング方法は以前に記載されたもの〔Chaudhary 他,Proc.Na tl.Acad.Sci.USA,87: 1066-70(1990)〕の変形である。重鎖および軽鎖Fv 領域からの免疫毒素の作製のためのベクターとして使われるプラスミドpVC38Hは 、PE40遺伝子の前にNdeIおよびHindIII 認識配列を含む〔Chaudhary 他(1990) ,前掲〕。(*)はPCRにより作製した突然変異を示し、部位特異的突然変異 誘発により修復した;(L)は免疫毒素の重鎖と軽鎖を連結する働きをする(Gly4 Ser)3リンカー(配列番号32)をコードする領域を示す。 図1bは、Fv領域とPE38細胞毒の間に「C3コネクター」を有する免疫毒素 B3(Fv)−PE38である構成物LMB7を示す。 図2は、モノクローナル抗体B3の重鎖および軽鎖Fv領域をコードするヌク レオチド配列(配列番号33)を示す。(a)重鎖Fvコー ド領域は第30位〜第383 位に及び、軽鎖Fv遺伝子は第433 位〜第767 位に及び 、そしてリンカーは第384 位〜第432 位に及ぶ。推定アミノ酸配列は標準字体で 示され(配列番号34);抗体のエドマン配列分析により決定されたタンパク質配 列がその下にイタリック字体で示される。クローン化重鎖Fv遺伝子によりコー ドされる最初のアミノ酸は、Gluの代わりにAspである。これは第456位〜第465位 のところで使ったオリゴヌクレオチドプライマーのためである。これはPCRク ローニング人工産物が修復された領域である。この配列は元のB3軽鎖遺伝子と 同じアミノ酸をコードするが、別のコドンを使用する。B3軽鎖にほとんど相同 であるPACT Ig κ鎖の既知のヌクレオチド配列〔Taub他,J.Biol.Chem.,264: 59-65(1989)〕に対する相同性の比較は、元の配列がTTGAGTTTA(配列番号38)の 代わりにたぶんCTCTCCCTG(配列番号37)であったことを示す。よって、天然の B3軽鎖遺伝子は、PCRにおける不正確なプライマーアニーリングの原因とな る、配列の繰り返し5'-(CCAGTCT[CC)ACTCTCC]-3'(配列番号39)を445 位〜465 位に有する。(b)一本鎖B3(Fv)だけの発現のための軽鎖の3′末端の配列(配列 番号35およびアミノ酸配列は配列番号36)。(SD)=シャイン・ダルガルノ共通 配列;(*)=翻訳終止シグナル;(Term)=転写ターミネーター。 図3(a)は、種々の細胞系に対するB3'(Fv)−PE38KDELの毒性を表す。細胞障害 アッセイは実施例7に記載した通りに実施した。(b):モノクローナル抗体B3に よるB3(Fv)−PE38KDELの細胞障害活性の阻害。実施例7に記載した通りにA431細 胞に対してモノクローナル抗体B3による競合を実施した。 図4は、B1(Fv)−PE38,B3(Fv)−PE38,B5(Fv)−PE38組換え免疫毒素のADP −リボシル化および細胞障害活性を示す。(A)延長因子2が富化された小麦胚 芽抽出物を使った酸沈澱性物質中への14 C−NADの取込みにより、ADP−リボシル化活性を測定した(Collier お よびKandel,1971)。(B)細胞をPBS+0.2 %BSA中の免疫毒素の系列希 釈液と共に2時間(白ぬきの記号)または20時間(黒ぬりの記号)インキュベー ションした後の、細胞タンパク質中への3H−ロイシンの取込みの阻害により、A 431細胞に対する細胞障害活性を測定した。 図5は、B1(Fv)−PE38,B3(Fv)−PE38およびB5(Fv)−PE38の抗原結合を示す。 抗原結合は4℃でのA431細胞への[125I]-B1 IgG(A)または[125I]-B3 IgG( B)結合の競合により評価した。 図6は、B1(Fv)−PE38,B3(Fv)−PE38およびB5(Fv)−PE38についての安定性デ ータを示す。それらの免疫毒素をPBS中に0.1 mg/mlに希釈し、そして37℃で 4時間インキュベーションした。(A)次いで免疫毒素の分子形態を4℃でのサ イズ排除クロマトグラフィーにより分析した。単量体ピークは18〜20mlのところ で溶出し、一方で凝集物は11〜13mlのところで溶出する。37℃でのインキュベー ションを行う前のタンパク質のクロマトグラムは破線により示される。37℃での インキュベーションを行った後のタンパク質は実線により示される。(B)37℃ でのインキュベーションの前(白ぬきの記号)または後(黒ぬりの記号)の免疫 毒素の細胞障害活性。他の詳細は図5(B)のものと同じである。 図7は、マウスにおけるB3(Fv)−PE38KDELの血中濃度を示す。Balb/cマウスに 10μg のB3(Fv)−PE38KDELを静注し、そして様々な時間において免疫毒素濃度を 測定した。棒は標準偏差を示す。 図8は、ヌードマウスにおけるA431腫瘍の増殖に対するB3(Fv)−PE38KDELの効 果を示す。マウスに0日目に3×106個のA431細胞を注射し、そして4日目に処 置を開始して12時間ごとに6回静注を行った。A:(○)未処置;(●)10μg のB3(Fv)−PE38KDEL;B: (□)2.5 μg のB3;(■)5 μg のB3(Fv)−PE38KDEL;C(△):2.5 μg の 抗Tac(Fv)PE38KDEL ;(▲)2.5 μg のB3(Fv)−PE38KDEL;(--○--)0.5μg のB3(Fv)−PE38KDEL;D:7日目に処置を開始して12時間ごとに8回静注を行っ た;(○)未処置,(■)5μg のB3(Fv)−PE38KDEL。棒=1標準偏差。 図9は、B3-B5 キメラFv一本鎖免疫毒素の発現用のプラスミドの作製を表す。 Lは一本鎖Fv形態においてVHをVLに連結する(Gly4Ser)3リンカーを示す。 図10は、PBS中で37℃でインキュベーションした後の免疫毒素B3(Fv)−PE38 KDEL,B3VH-B5VL−PE38およびB3(Fv)−PE38:VL M4LS7T の細胞障害活性を示す。 A431類表皮癌細胞を免疫毒素のアリコートと共にインキュベーションし、37℃で インキュベーションした後でPBS+0.2 %BSA中に希釈した。免疫毒素の添 加後20時間目に3H−ロイシンを添加した。 図11は、B3(Fv)のヒト型化を表す。(A)B3 VH、56P1'CL VHおよびHUMB3VH( 配列番号45,46および47);(B)B3 VL、GM607VLおよびHUMB3VL(配列番号48 ,49および50)のアミノ酸配列の整列。ヒト抗体の対応位置の残基と異なるB3ア ミノ酸は、配列の上の垂直線により指摘される。ヒト型化されなかったドメイン 内残基は配列の下の星印(*)により指摘される。重鎖残基82b には下線が引か れている。配列の上の数字は、ヒト型化された残基の位置を示す。 図12は、ヒト型B3(Fv)−PE38の発現に使うプラスミドを表す。野性型B3(Fv)− PE38をコードする一本鎖ウラシル含有pUL17 DNA(A)は、Kunkel,Proc.Natl .Acad.Sci.USA 82: 488-492(1985)の方法に従った突然変異誘発のための鋳 型であった。一本鎖ウラシル含有pB3VH-HUMVL-PE38 DNA(C)は、pHUMB3(Fv) −PE38の作製の ための鋳型であった。 図13は、B3(Fv)−PE38のおよびヒト型変異体のADPリボシル化活性、細胞障 害活性および抗原結合を示す。(A)延長因子2が富化された小麦胚芽抽出物を 使った酸沈澱性物質中への14C−NADの取込みにより、ADPリボシル化活性 を測定した。(B)細胞タンパク質中への3H−ロイシンの取込みの阻害により 、A431細胞に対する細胞障害活性を測定した。(C)4℃での各免疫毒素を使っ たA431細胞への[125I]-B3 IgG結合の競合により、抗原結合を評価した。 図14は、B3(Fv)−PE38およびヒト型変異体に対するプールしたサルの抗B3(Fv) −PE38血清の反応性を示す。B3(Fv)−PE38,B3HUMVH-HUMVL−PE38および HUMB3( Fv)−PE38を96ウエルのマイクロタイタープレート上に固定化した。固定化タン パク質を上回る1000:1のモル比で競合剤としてのPE38と共にプレインキュベーシ ョンした血清を、1:50の希釈度で同容量で添加した。4つの独立した実験から得 られたB3(Fv)−PE38との平均反応性を100 %と設定しそしてヒト型変異体との相 対反応性をそれに合わせて調整することにより、反応性率を計算した。 図15は、B1重鎖(A)および軽鎖(B)のヌクレオチド配列と推定アミノ酸 配列を与える。下線が引かれたヌクレオチド配列は、断片をPCR増幅するのに 使ったPCRプライマーに相当する(5′末端で)かまたは相補的である(3′ 末端で)。アミノ酸配列は一文字記号である。その下にはエドマン配列分析によ り決定されたアミノ酸配列がイタリック字体で示される。CDRは下線が引かれ ており、定常領域アミノ酸は線で末梢されている。 図16は、B5重鎖(A)および軽鎖(B)の可変領域と定常領域の冒頭部のヌ クレオチド配列と推定アミノ酸配列を与える。他の詳 細は図15のものと同じである。重鎖中の線で末梢されたカルボキシル末端アミノ 酸は、一本鎖形態においてVHとVLとを連結するのに使った(Gly4Ser)3リンカー の冒頭部に相当する。 図17は、B3一本鎖Fvのアミノ酸(ペプチド)配列を与える。この図面はVH 領域、リンカーおよびVL領域についてのそれぞれの配列を与える。CDRは括 弧で括られている。 図18は、ヒト型B3一本鎖Fvのアミノ酸(ペプチド)配列を与える。CDR は括弧で括られている。 発明の詳細な説明 定義 20種の天然アミノ酸、5種の天然核酸および11種の核酸縮重についての本明細 書中で使用する略号は通常の用法に準ずる。本明細書中で使用するポリペプチド 表記法では、左手方向がアミノ末端方向であり、右手方向がカルボキシル末端方 向である。本明細書中で使用する核酸表記法では、左手方向が5′方向であり、 右手方向が3′方向である。 「核酸」という語は、一本鎖形または二本鎖形のいずれかのジデオキシリボヌ クレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを指し、他に限定されない限り、天 然に存在するヌクレオチドと同様な形態で機能することができる天然ヌクレオチ ドの既知類似体を包含するだろう。 「〜をコードする核酸」または「〜をコードする核酸配列」という語句は、特 定のタンパク質またはペプチドの発現を指令する核酸を意味する。核酸配列は、 RNAに転写されるDNA鎖配列とタンパク質に翻訳されるRNA配列の両方を 包含する。核酸配列は全長核酸配列と全長配列から誘導される短い配列の両方を 包含する。特 定の核酸配列は、特定の宿主細胞中でコドン優先性を与えるように導入すること ができる、生来の1または複数の配列の縮重コドンを包含すると解釈される。核 酸は、個々の一本鎖としてまたは二本鎖形態のいずれかであるセンス鎖とアンチ センス鎖の両方を包含する。 組換え生産されたタンパク質を指して言う時の「単離された」または「実質的 に精製された」という語は、他の細胞成分を本質的に含まない化学組成物を意味 する。そのような組成物は好ましくは均質状態にあるが、それは乾燥形態または 水溶液形態のいずれであることもできる。純度および均質性は、典型的にはポリ アクリルアミドゲル電気泳動または高性能液体クロマトグラフィーのような分析 化学技術を使って決定される。調製物中に存在する主成分種であるタンパク質は 、実質的に精製されている。一般に、実質的に精製されたまたは単離されたタン パク質は、調製物中に存在する全高分子種の80%以上を含んで成るだろう。好ま しくは、タンパク質は存在する全高分子種の90%以上を表すように精製される。 より好ましくは、タンパク質は95%以上に精製され、最も好ましくは本質上均質 にまで精製され、その場合は常用技術により他の高分子種が検出されない。 本明細書中で使用する「標識抗体」という語は、標識(例えば生物学的試料に 結合された標識)の存在の検出が抗体の存在を表すように標識に結合された抗体 を指す。 細胞毒とは、細胞と接触させた時にその細胞の死滅をもたらす分子を言う。 「結合特異性」、「抗体に特異的に結合する」または「特異的に免疫反応する 」という言い方は、タンパク質または炭水化物を指す時、タンパク質の不均一集 団や他の生物学的製剤(biologics)の存在下でのタンパク質または糖質の存在 に限定的である結合反応を 指す。よって、指摘のイムノアッセイ条件下では、特定抗体は特定のタンパク質 または糖質に結合し、試料中に存在する他のタンパク質または糖質に有意な量で 結合しない。そのような条件下での抗体への特異的結合は、特定のタンパク質ま たは糖質に対するそれの特異性について選択された抗体を要求する場合がある。 例えば、LeY抗原に対して惹起された抗体を選択し、LeYタンパク質と特異的に免 疫反応するが他のタンパク質とは免疫反応しない抗体を提供することができる。 特定のタンパク質または糖質と特異的に免疫反応する抗体を選択するには様々な イムノアッセイ方式を使うことができる。例えば、タンパク質または糖質と特異 的に免疫反応する抗体を選択するのに固相ELISA イムノアッセイが日常的に使わ れている。特異的免疫反応性を決定するのに使うことができるイムノアッセイ方 式および条件の記載については、HarlowおよびLane(1988)Anti-bodies,A Lab oratory Manual,Cold Spring Harbor Publications,New Yorkを参照のこと。 「組換えDNA」、「組換え核酸」または「組換え生産されたDNA」という 語は、それの生来のまたは内因性の源から単離されそして天然に存在する隣接ま たは内部ヌクレオチドを付加、削除または変更することによって化学的または酵 素的に変更されているDNAを指す。隣接ヌクレオチドは、ヌクレオチドの記載 の配列または部分配列の上流または下流にあるヌクレオチドであり、内部ヌクレ オチドは記載の配列または部分配列の内部に存在するヌクレオチドである。 「組換えタンパク質」または「組換え生産されたタンパク質」という語は、そ のタンパク質を発現することができるDNAの内因性コピーを持たない生来でな い細胞を使って生産されたペプチドまたはタンパク質を指す。細胞が適当な核酸 配列の導入によって遺伝子 的に変更されているため、それらの細胞は該タンパク質を生産する。組換えタン パク質は、該タンパク質を生産する細胞と通常関連があるタンパク質および他の 細胞下成分と一緒に見つかるだろう。 タンパク質中の変異は、変異が存在するペプチド配列の表示、次に非変異型ア ミノ酸の表示、次にそれの位置、次に変異アミノ酸の表示、から成る命名法によ って示される。例えば、B3(Fv)VL S7T と指示された変異は、B3(Fv)のVL鎖の第 7位のところでのセリン(S)からスレオニン(T)への変異である。一本鎖抗体 本発明は組換え生産された一本鎖抗体に関する。特に、本発明は1または複数 のエフェクター分子に結合させることができる組換え一本鎖抗体であって、特定 の予め選択された標的分子に特異的に結合するそれらの能力のために、予め選択 された標的分子を有する細胞または組織の方に、結合させた前記エフェクター分 子または組成物を差し向けるのに役立つターゲティング成分として有用である組 換え一本鎖抗体を提供する。 本明細書中で使う時、「抗体」という語は、免疫グロブリン遺伝子または免疫 グロブリン遺伝子の断片により実質的にコードされる1または複数のポリペプチ ドから成るタンパク質を指す。免疫グロブリン遺伝子は、κ、λ、α、γ、δ、 εおよびμ定常領域遺伝子、並びに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を包含 する。軽鎖はκまたはλのいずれかとして分類される。重鎖はγ、μ、α、δま たはεとして分類され、それらはそれぞれ免疫グロブリンクラスIgG,IgM,IgA ,IgD およびIgE を決定する。 基本的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は四量体を含んで成ることが知られ ている。各四量体は2対の同一のポリペプチド鎖から構成され、各対は1つが「 軽」鎖(約25 kD)で1つが「重」鎖 (約50〜70 kD)である。各鎖のN末端は、主に抗原認識を担う約100 〜110 ま たはそれ以上のアミノ酸の可変領域を限定する。可変軽鎖(VL)および可変重 鎖(VH)という語は、それぞれ、それらの軽鎖および重鎖を指す。 抗体は完全な免疫グロブリンとして存在してもよいし、または例えば軽鎖と重 鎖の可変領域のみを含むFv断片、可変領域と一部の定常領域を含むFabまたは (Fab)'2断片、一本鎖抗体〔Bird他,Science 242: 424-426(1988);Huston 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85: 5879-5883(1988)、共に参考として本明 細書中に組み込まれる〕等をはじめとする様々な形態での変形として存在しても よい。抗体は動物(特にマウスまたはラット)もしくはヒト起源のものであるこ とができ、またはキメラであってもよく〔Morrison他,Proc.Natl.Acad.Sci .USA 81: 6851-6855(1984)〕ヒト型であってもよい〔Jones 他,Nature 321: 522-525(1986)およびUK特許出願公開第8707252 号、共に参考として本明細書中 に組み込まれる〕。本明細書中で使用する時、用語「抗体」はそれらの様々な形 態を包含する。本明細書中に提供するガイドラインおよび上記に引用した参考文 献やHarlow & Lane,Antibodies: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor L aboratory(1988)のような刊行物中に記載されている当業者に公知の方法を使っ て、本発明の抗体を容易に製造することができる。 本明細書中で使用する時、「Fv」領域という語は、可変重鎖(VH)および 可変軽鎖(VL)を含有する一本鎖抗体Fv領域を指す。重鎖と軽鎖は同一抗体 からまたは異なる抗体から誘導することができ、それによってキメラFv領域を 製造することができる。 本明細書中で使用する時「エフェクター分子」または「エフェクター組成物」 という語は、特定の標的分子または標的分子を有する 細胞に差し向けることになっている特定の生物活性を有する物質を指す。エフェ クター分子が様々な薬剤、例えばビンブラスチン、ダウノマイシン等、生来もし くは変異型のシュードモナス外毒素もしくはジフテリア毒素、それ自体が薬理学 的組成物を含む封入剤(例えばリポソーム)、放射性物質、例えば125I,131Cs ,32P,14C,3Hおよび35S、標的成分およびリガンドを包含することは当業 者の認識するところであろう。 本明細書中で用いる「リガンド」は、「標的」分子と反応するかまたは他の方 法で認識しそして特異的に結合することができる分子である。リガンドおよびそ れら各々の標的分子は対となる種である。典型的な対となる種としては、酵素/ 基質、受容体/作用剤、抗体/抗原、およびレクチン/糖質が挙げられるが、そ れらに限定されない。リガンドとそれの標的との結合は、共有結合もしくは非共 有結合による相互作用、または共有結合による相互作用と非共有結合による相互 作用の組合せであることができる。2つの種の相互作用が非共有結合により結合 した複合体を生じる時、存在する結合は典型的には静電力、水素結合、または疎 水性/親水性相互作用の結果である。従って、抗体/抗原または酵素/基質の性 質を有する結合複合体を生成する相互作用が2つの種の間に存在する場合、リガ ンドとそれの標的分子との間で「特異的結合」が起こる。詳しくは、所望の標的 細胞に特異的に結合するリガンドの例として、抗体、リンホカイン、サイトカイ ン、受容体タンパク質、例えばCD4 およびCD8、可溶化された受容体タンパク質 、例えば可溶性CD4、ホルモン、増殖因子などが挙げられるが、それらに限定さ れない。 特定のエフェクター分子または組成物の選択は、特定の標的分子または細胞と 、引き出したいと望む生物学的効果による。例えば、特定の標的細胞を致死させ ることを所望する場合、エフェクター分 子は細胞毒であることができる。逆に、単に非致死的な生物学的応答を引き起こ したいと所望する場合には、エフェクター分子は接合された非致死的薬理物質ま たは非致死的薬理物質を含有するリポソームであることができる。 特に好ましい態様では、抗体を薬剤または細胞毒であるエフェクター分子と結 合して特定の標的細胞を選択的に致死させることができる免疫毒素を形成せしめ ることができる。無数の細胞毒性化合物が当業者に知られており、非限定な例と しては、リシン、アブリン、シュードモナス(Pseudomonas )外毒素(PE)、 ジフテリア毒素(DT)などが挙げられる。好ましい毒素はPEまたはDTであ る。生来のPEとDTは典型的には肝毒性を通して細胞を死に到らしめる非常に 毒性の化合物であるが、それらは毒素の生来のターゲティング成分(例えばPE のドメインIa、およびDTのB鎖)を除去しそしてそれを別の抗体のターゲテ ィング成分で置き換えることにより、免疫毒素として有用な形態に変更すること ができる。 本明細書中で使用する「シュードモナス外毒素(PE)」という語は、生来の (天然の)全長PEまたは変更されているPEを指す。そのような変更としては 、ドメインIaの削除、ドメインIIおよびIII中の様々なアミノ酸削除、単一ア ミノ酸置換(例えば590位と606位のLysをGlnで置き換えること)、カルボキシル 末端での1または複数の配列の付加、例えばKDEL(配列番号51)およびREDL(配 列番号52)の付加が挙げられるが、それらに限定されない。Siegall 他,J.Bio l.Chem.264: 14256-14261(1989)を参照のこと。例えば、PE38はアミノ酸253 〜364 と 381 〜613 から成る先端が切り取られたシュードモナス外毒素を指す (1992年6月18日出願の一般譲渡された米国特許出願第07/901,709号を参照のこ と、これは参考として本明細書中に組み込まれる)。PEの生来のC末端REDLK (残基609 〜613、配列番号53)を配列KDEL,REDLにより置き換えることができ、またLys-5 90 およびLys-609 を各々Gln に変更することができる(1990年5月14日出願の 一般譲渡された米国特許出願第07/522,563号を参照のこと、これは参考として 本明細書中に組み込まれる)。 本明細書中で使用する「ジフテリア毒素」という語は、生来の全長DTまたは 変更されているDTを指す。変更としては典型的にはB鎖中のターゲティング成 分の除去が挙げられ、より詳しくはB鎖のカルボキシル領域の先端の切除が挙げ られる。 本発明の組換え一本鎖抗体は、当業者に既知で且つ利用可能な任意の方法によ りエフェクター分子または組成物に融合せしめるかまたは他の方法で結合せしめ ることができる。2つの成分は様々な周知の化学的手順のいずれによっても化学 的に結合することができる。例えば、結合は異種二価性(heterobifunctional) 架橋剤、例えばSPDP、カルボジイミド、グルタルアルデヒド、などによることが できる。様々な免疫毒素の製造は周知であり、例えば“Monoclonal Antibody-To xin Conjugates: Aimimg the Magic Bullet”,Thorpe他,Monoclonai Antibodi es in Clinical Medicine,Academic Press,pp.168-190(1982)およびWaldmann ,Science 252: 1657(1991)中に見つけることができる。これらは共に参考とし て本明細書中に組み込まれる。抗体と一緒に組換えPE分子を使うために、シス テインのチオール成分を通して毒素を抗体とまたは他のリガンドと結合させるの にシステインを有するPE分子の一形態が好ましい。 好ましい態様では、本発明の抗体は組換えDNA技術の使用を通すような組換 え手段によってタンパク質エフェクター分子に融合せしめて抗体とエフェクター 分子の両方をコードする核酸を作製し、そして該DNA配列をE.コリのような 宿主細胞中で発現させるこ とができる。キメラタンパク質をコードするDNAは、当業者に既知の任意のク ローニング手順によりcDNAまたはゲノム形においてクローニングすることが できる。例えばSambrook他,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Cold S pring Harbor Laboratory(1989)(これは参考として本明細書中に組み込まれる )を参照のこと。 上述したように、細胞毒に加えて、本発明の一本鎖抗体を多種多様なエフェク ター分子に融合または化学結合せしめることができる。例えば、抗体を細菌もし くは植物毒素に、またはヒトの癌を治療もしくは診断するための他のエフェクタ ー剤に結合または融合させることができる。例えば、腫瘍に結合する抗体に接合 させた放射性核種は、高い局部照射濃度に基づき細胞致死をもたらすことができ る。化学療法剤、例えばビンブラスチンまたはダウノマイシンを抗体に結合させ 、抗体と反応する細胞に高濃度で運ぶことができる。同様に、本発明の抗体は、 治療薬を封入したビヒクルを特異的にターゲティングする(標的に指し向ける) のに用いてもよい。例えば、それ自身が薬剤(例えばドキソルビシン)を担持し ているリポソームに抗体を結合させ、それによってリポソームを特定の組織また は細胞に特異的にターゲティングすることができる。あるいは、抗体を膜挿入タ ンパク質に組換え融合させ、それによって治療薬のデリバリーに使うリポソーム の中に組み込むことができる。 様々な標識への本発明の抗体の融合または結合は非常に特異的な検出マーカー を生じ、該検出マーカーはそれに対する抗体が検出される特定の分子を有する細 胞または組織の存在または不在を検出するのに用いることができる。あるいは、 抗体を別の特異的結合成分、例えばリガンド、例えば上述したものであるエフェ クター分子に化学的に結合または融合せしめてもよい。この形では、エフェクタ ー 組成物は高度に特異的な二価性リンカーとして働くだろう。このリンカーは、融 合タンパク質が結合する細胞間または細胞成分間を結び付け且つその間の相互作 用を増加させる働きをすることができる。例えば、融合タンパク質が抗体または 抗体断片(例えば抗体のFv断片)に結合した増殖因子である場合、抗体が抗原 陽性癌細胞に特異的に結合する一方で、増殖因子が免疫細胞の表面上の受容体( 例えばIL2 またはIL4 受容体)に結合することができる。よって融合タンパク質 は免疫応答を増強し且つ標的癌細胞の方に免疫応答を向ける働きをすることがで きる。 当業者は、本発明の抗体が多重ターゲティング成分としても使えることを認識 するだろう。よって本発明は、2以上の抗体が単一のエフェクター分子に結合さ れている組成物も提供する。エフェクター分子が細胞毒であるならば、2以上の 抗体の存在は該免疫毒素の結合特異性または結合活性を増加させるだろう。逆に 、多重エフェクター分子を単一の抗体に融合または他の形で結合させてもよい。 この性質の組成物は、単一のターゲティング成分で2種以上の生物学的活性を提 供することができる。 特に好ましい態様では、本発明の抗体はLewisY(LeY)糖質(LeY糖質抗原)と 特異的に結合する抗体である。本明細書中で使う時、LeY糖質抗原は、LeY結合抗 体により認識可能なエピトープを含む天然のもしくは合成のLeY糖質またはそれ の断片を包含する。LeY糖質を含有もしくは模倣するかまたはLeY糖質中に含まれ るエピトープを含有するもしくは模倣する、糖質、糖タンパク質および他の複合 糖質も含まれる〔Pastan他,Cancer Res.,51: 3781-3787(1991)およびHoess 他,Gene 128: 43-49(1993)を参照のこと〕。そのような模倣は、既知の抗LeY抗 体、例えばB1,B3,B5,BR64およびBR96〔Hellstrom 他,Cancer Res.50:2183- 90(1990)等に特異的に 結合するそれらの能力により見分けられる。 LeY結合抗体のうち特に好ましいのは、B1,B3またはB5の組織結合特異性を有 する抗体である。ここで使用する「組織結合特異性」という語は、免疫組織化学 的分析によって調べた時に或る抗体が結合する組織と結合しない組織の特定分布 を指す。組織結合特異性の決定方法並びにB1,B3およびB5についての結合特異性 は、米国特許第5,242,813 号(特に表I,IIおよびIII参照)に記載されている 。この刊行物は参考として本明細書中に組み込まれる。 該抗体はB1,B3およびB5と称するモノクローナル抗体(米国特許第5,242,813 号参照)から誘導することができる。それらの抗体は、典型的には乳癌、結腸癌 、子宮頸癌おび前立腺癌を含む様々な癌に見られる LewisYおよび LewisY関連糖 質抗原に特異的に結合することが証明されている。 本発明の抗体は、可変軽鎖(VL)と可変重鎖(VH)を含んで成るFv領域で あってもよい。軽鎖と重鎖は直接にまたはリンカーを通して結合することができ る。本明細書中で使う「リンカー」という語は、軽鎖と重鎖に共有結合的に連結 され、そして2鎖が向けられるエピトープをそれらが特異的に結合することがで きるコンホメーションを獲得することができるように十分な間隔と柔軟性を提供 する分子を指す。融合タンパク質の内在性成分として発現させることができるの で、タンパク質リンカーが特に好ましい。抗体Fv断片の調製 一本鎖B1,B3およびB5のFv領域は、1990年10月10日にアメリカン・タ イプ・カルチャー・コレクション(ATCC),12301Parklawn Drive,Pockville, MD 20852 に寄託されたハイブリドーマ細胞系B1,B3およびB5(これらの 寄託物はそれぞれ受入れ番号ATCC HB 10572,HB 10573 およびHB 10569を与えら れた)から クローニングすることができる。寄託はブダペスト条約の規定に従って行った。 Fv領域は全て同じ一般方法を使ってクローニングすることができる。典型的 には、例えば、ハイブリドーマ細胞から抽出したポリ(A)+RNAを、プライ マーとしてランダムヘキサマー(六量体)を使って逆転写する。VHおよびVL領 域を2つのポリメラーゼ連 B3およびB5重鎖(それぞれ配列番号19,17および21)のアミノ末端タンパク 質配列にそれぞれ従ってデザインされた5′末端プライマーと、共通免疫グロブ リン定常領域配列〔Kabat 他,Sciences of Proteins of Immunological Intere st.第5版,U.S.Department of Health and Human Services,Public Health S ervice,National Institutes of Health,Bethesda MD(1991)、これは参考とし て組み込まれる〕に従った3′末端プライマーを使って増幅させることができる 。軽鎖Fv領域は、B1,B3およびB5軽鎖(それぞれ配列番号20,18および 22)のアミノ末端タンパク質配列にそれぞれ従ってデザインされた5′末端プラ イマーと、プライマーC−κ(表1および配列番号14)を使って増幅させる。適 当なプライマーについては実施例1と2に詳細に説明するが、明細書中に与えら れる配列表から別の適当なプライマーを誘導してもよいと当業者は認めるだろう 。 粗製PCR生成物を適当なクローニングベクター中にサブクローニングする。 正しいサイズの挿入断片を含むクローンをDNA制限により同定する。次いで、 クローニング部位に隣接した配列決定用プライマーを使って二本鎖プラスミドD NAから重鎖または軽鎖コード領域のヌクレオチド配列を決定することができる 。市販のキット(例えばSequenaseTMキット、United States Biochemical Corp. , Cleveland,Ohio,USA)を使ってDNAの配列決定を容易にしてもよい。 もちろん、本発明において開示された配列情報があれば配列決定段階は不要で ある。B1,B3およびB5のFv領域について与えられた配列情報(配列番号 17〜22)を使って、当業者に周知の多数の方法によりそれらの配列をコードする 核酸を得ることができることは、当業者の知るところであろう。よってFv領域 をコードするDNAは、例えばリガーゼ連鎖反応(LCR)〔WuおよびWallace ,Genomics 4: 560(1989),Landegren他,Science 241: 1077(1988)およびBar ringer 他,Gene 89: 117(1989)参照〕、転写増幅〔Kwoh他,Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 86: 1173(1989)参照〕および自己保持配列複製〔Guatelli他,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 87: 1874(1990)参照〕のような増幅技術;適当な配 列のクローニングと制限;またはNarang他,Meth.Enzymol.68: 90-99(1979) のホスホトリエステル法、Brown 他,Meth.Enzymol.68: 109-151(1979)のホス ホジエステル法、Beaucage他,Tetra.Lett.22:1859-1862(1981)のジエチルホ スホロアミダイト法および米国特許第4,458,066 号の固相支持体法のような方法 による直接化学合成、を包含する任意の適当な方法により調製することができる (この段落に挙げた参考文献は全て参考として本明細書中に組み込まれる)。 化学合成は一本鎖オリゴヌクレオチドを製造する。これは相補的配列とのハイ ブリダイゼーションにより、または鋳型としてその一本鎖を使ったDNAポリメ ラーゼでの重合により、二本鎖DNAに変換することができる。完全な一本鎖F v領域を化学的に合成することは可能であるが、多数の短鎖配列(約100 〜150 塩基)を合成してそれを後で一緒に連結せしめる方が好ましい。 あるいは、部分配列をクローニングし、そして適当な制限酵素を 使って適当な部分配列を開裂せしめるてもよい。次いでそれらの断片を連結して 所望のDNA配列を作製してもよい。 Fv可変軽鎖および重鎖DNAが得られさえすれば、当業者に周知の技術を使 って、直接にまたはペプチドリンカーをコードするDNA配列を通して、それら の配列を一緒に連結することができる。好ましい態様では、重鎖領域と軽鎖領域 は、重鎖Fv領域のカルボキシル末端のところで始まり軽鎖Fv領域のアミノ末 端のところで終わるフレキシブルペプチドリンカー〔例えば(Gly4Ser)3〕により 連結される。完全な配列は一本鎖抗原結合タンパク質の形でFv領域をコードす る。抗体融合タンパク質の調製 発現されると特異的結合活性を示すFv領域をコードするDNA配列が一端同 定されれば、当業者に既知の方法によりFv領域を含んで成る融合タンパク質を 調製することができる。Fv領域は直接エフェクター分子(例えば細胞毒)に融 合させてもよく、またはペプチドコネクターを通して細胞毒に連結せしめてもよ い。ペプチドコネクターは、単にターゲティング成分とエフェクター分子の間に スペースを提供するためかまたはそれらの領域の間の運動性を促進してそれらが 各々最適なコンホメーションをとることができるようにするために存在すること ができる。コネクターを含むDNA配列は、クローニングを容易にする配列(例 えばプライマー部位または制限部位)を提供することもでき、またはターゲティ ング成分をコードする配列とエフェクター分子をコードする配列の間の読み枠を 保存することもできる。そのようなコネクターペプチドのデザインは当業者にと って周知であろう。しかしながら、1つの特に好ましいコネクターは、本明細書 中でC3コネクターと呼ばれるペプチドSGGPEGGS(配列番号44)である。 融合タンパク質の調製方法は当業者に周知である。例えば、Chaudhary 他,Na ture 339: 394-97(1989);Batra 他,J.Biol.Chem.265: 15198-15202(199 0);Batra 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86: 8545-8549(1989);Chaudha ry 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87: 1066-1070(1990)(これらは全て参 考として組み込まれる)は、様々な一本鎖抗体−毒素融合タンパク質の調製を記 載している。 免疫毒素融合タンパク質を製造することは、一般に、Fv軽鎖および重鎖並び に融合させるつもりの任意の別のタンパク質をコードするDNAを別々に調製し 、そしてそれらのDNA配列を1つのプラスミドまたは別のベクター中で組み換 えて特定の所望の融合タンパク質をコードする構成物を形成させることを必要と する。しかしながら、より単純なアプローチは、特定のFv領域をコードするD NAを、所望の第二のタンパク質を既にコードしている構成物中に挿入すること を含む。 例えば、B1(Fv),B3(Fv),B5(Fv)またはキメラFv融合タンパク質をコードする DNA配列は、B1,B3,B5またはキメラFv領域をコードするDNAを、所望の細 胞毒をコードするDNAを既に含んでいる構成物中に挿入することにより、最も 容易に調製される。発現プラスミドpVC38Hは、T7プロモーター、PE40コード領 域の3′末端のTφ転写ターミネーター、および、所望により部位特異的突然変 異誘発によってプラスミドの誘導体を作るため、(M13)ヘルパーファージとの 同時トランスフェクションにより一本鎖ファージDNAを与える一本鎖複製領域F+ 、の調節下に免疫毒素 TGFα−PE40からの遺伝子を含有する〔Chaudhary 他,Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA 87: 1066-1070(1990)〕。同様に、プラスミドpRK79K はシュードモナス外毒素PE38KDELをコードする〔Chaudhary 他,Proc.Natl. Acad.Sci.USA 87: 308-312(1990)〕。 Fv領域をコードするDNA配列は当業者に周知の技術を使って構成物中に挿 入される。例えば、免疫毒素B3(Fv)−PE40の発現用プラスミド(pULEE3)を作製 するために、実施例1に記載した通りに、TGFα遺伝子を除去しそして重鎖コー ド領域のNdeI/BamHI断片と軽鎖FvをコードするBamHI/HindIII 断片を使って、3 断片連結においてB3(Fv)遺伝子により置き換える(図1a)。 同様に、pULI1 からのPE40コード領域をHindIII 部位からPE40遺伝子のすぐ下 流に置かれたEcoRI 部位まで除去し、そしてそれをChaudhary 他(前掲)により 記載されたpRL79KからのHindIII/EcoRI断片で置き換えることにより、B3(Fv)−P E38をコードするプラスミドを作製することができる。このアプローチは実施例 1に詳しく記載される。 特に好ましいアプローチは、B3(Fv)−PE38免疫毒素(Benhar他,Bioconjug.C hem.,5: 321-326(1994)〕をコードするプラスミドpULI7 の使用を伴う。各F vについて、鋳型としてそれぞれのプラスミド中の重鎖および軽鎖を使ってVH 配列とVL配列をPCR増幅させる。増幅プライマーはそれらの末端のところに 、一本鎖Fv免疫毒素発現ベクターに共通である翻訳開始因子、ペプチドリンカ ーおよびFv−毒素接合部(コネクター)に相補的である配列を有するようにデ ザインする。PCR生成物を精製し、次いでヘルパーファージでのpULI7 の救済 により調製されたpULI7 DNAに相当するウラシル含有一本鎖DNAにアニーリ ングさせる。アニーリングしたPCR生成物を、鋳型として一本鎖DNAを使っ て伸長する California,USA)。完全なDNAを使って細胞を形質転換せしめ、新規融合タ ンパク質を発現させることもできる。好ましい態様では、 鋳型へのアニーリング効率が低いため、B3(Fv)鋳型中にユニーク部位を有するが B1とB5には欠けている制限エンドヌクレアーゼを使って、残っている完全な「未 変更の」DNAを消化する。これはいずれの残余B3(Fv)配列も破壊して変更配列 のみを残す。このアプローチは実施例2に詳しく記載される。可変領域入替え融合タンパク質をコードするDNAの調製 モノクローナル抗体B3の安定性を改善できることが観察された。一本鎖Fv 免疫毒素の形では、B3はかなり安定であるが、特に37℃で0.15 M NaCl,0.01 M NaPO4 pH 7.4中でインキュベーションすると、主に凝集により、まだ不活性化 を受ける。B3(Fv)−PE38免疫毒素とは対照的に、B5(Fv)−PE38はそれらの条件下 での不活性化にずっと耐性である(実施例6参照)。これらの観察結果に基づき 、キメラFv免疫毒素の安定性を調べた。 関連であっても異なる抗体からの可変重鎖および軽鎖領域を含むキメラFv領 域は、重鎖領域と軽鎖領域が同一抗体に由来するFv領域よりも有意に大きい試 験管内および生体内安定性を示し得るということは、本発明の意外な発見であっ た。例えば、PE38に一緒に融合したB3可変重鎖領域とB5可変軽鎖領域を含ん で成る融合タンパク質は、B3(Fv)−PE38融合タンパク質よりも高い活性とより長 期の安定性を示す。 キメラFv領域をコードする核酸は上述した技術を使って容易に調製される。 記載した通りに鋳型としてそれぞれのプラスミド中の重鎖および軽鎖を使ってVH 配列とVL配列をPCR増幅させる。しかしながら、同一抗体からのVHおよび VLDNAの代わりに、異なる抗体からのVHおよびVLDNAが選ばれる。例え ば、B3VHをB5VLと、またはB5VHをB3VLとというように組み合わせることができる 。それらのDNAをpULI7 DNAに相当するウラシル含有一本 鎖DNAにアニーリングし、そして上記および実施例2と12に記載したようにキ メラFv−細胞毒融合タンパク質DNAの合成を完成させる。 細胞毒成分を削除しそしてキメラまたは一本鎖Fv領域だけを発現させること が可能であることは、当業者の認識するところであろう。それらは、例えば毒素 または他の治療薬と、リポソームのような治療薬と、または蛍光標識のような様 々な標識およびマーカーと共に、様々な化学接合体においてそのまま使うことが できる。B3の安定化変異 抗体のより安定な関連形態が同定されれば、部位特異的突然変異誘発を使って 、より安定な形態とより不安定な形態との違いを同定することができる。例えば 、B3VH−B5VL−PE38免疫毒素はB3−PE38(B3VH−B3VL−PE38)免疫毒素よりも大 きい安定性を示す。安定性の増加に貢献するアミノ酸残基を同定するために、配 列分析を行って、非キメラ抗体中の対応する軽鎖または重鎖と異なる特定の軽鎖 領域または重鎖領域(この場合VL領域)中の領域を同定する。相違が同定され たら、非キメラ抗体の対応領域中にそれらの相違をもたらす変異を系統的に導入 することができる。変異抗体融合タンパク質とキメラ抗体融合タンパク質との活 性および安定性の比較は、どの変異が安定性の増加の原因であるかを指摘するだ ろう。例えば、B3VLメチオニン4をロイシンにより置き換えることは、免疫毒素 をB3VH−B5VL−PE38組合せ体と同じくらい安定化したが、一方でVLセリン7をス レオニンで置き換えることは全く安定化効果がなかったことが発見された。よっ て、特に好ましい態様では、融合タンパク質はB3VH−B5VL−PE38またはB3(Fv)− PE38: VL M4T のいずれかを含んで成る。抗体結合親和力を増加させる変異 本発明の予想外の結果は、VH領域の第95位のところの変異が一本鎖抗体の結 合親和力を変えることができるという発見であった。より詳しくは、B3(Fv)中の 第95位のセリンをチロシンまたはフェニルアラニン(これらは別の抗体中のこの 位置にある最も普通のアミノ酸である)に変える変異が、B3(Fv)の結合親和力を 約10分の1に減少させることを発見した(実施例18)。逆に、B5(Fv)中のVH 95 のチロシンをセリンに変異させた時は、細胞障害アッセイにより分析すると結合 活性の4倍の増加を示した。B5(Fv)は完全に異なる結合部位を有するという点で B3(Fv)と異なっていた。よって変異の効果は特定の結合部位に無関係である。 特定の理論に結びつけることなく、VH/VL界面に位置するセリンは、VLに 関するVHの移動を可能にする界面接触をわずかに不安定にする。この移動はい わゆる「誘導嵌合(induced fit)」結合様式を促進する。この不安定化メカニ ズムは、VH 95位が通常はセリンでないどんな抗体でも機能すると予想されるだ ろう。よって本発明は、VH 95位に通常はセリンを含まない抗体の結合親和力を 増加させるための新しいメカニズムを提供する。ヒト型B3(Fv) モノクローナル抗体B1,B3およびB5はマウス抗体であるため、標識抗体のまた はターゲティング成分としてそれらの抗体を含む免疫毒素の繰り返し投与は、毒 素成分に対する抗体の産生に加えて、抗マウス抗体の形成を引き起こすだろう〔 Parren他,Hum.Antibod.Hybridomas.,3: 137-145(1992)〕。この免疫応答は 長期治療を不可能にする場合がある。従って、低免疫原性の分子を作製すること が望ましい。 低免疫原性の分子を作製する際の第一段階として、本発明の融合 タンパク質中のマウス抗体のFv部分を置き換えるために使用できるように、マ ウス抗体のFv部分をヒト型化する。ヒト型化された抗体(ヒト型抗体)は、ア ミノ酸残基の幾つかまたは全部が同様なヒト抗体中に見られる対応するアミノ酸 残基で置き換えられている非ヒト抗体である。従ってヒト型化は抗体の抗原性を 低下させる。 抗体可変領域は様々な方法、例えばCDR移植〔Riechmann 他,Nature 332: 323-327(1988)〕、露出残基の置換〔Padlan,Mol.Immunol.28: 489-498(1991 )〕および可変領域の付け替え(resurfacing)〔Roguska 他,Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 91: 969-973(1994)〕によりヒト型化することができる(前記文献 は全て参考として組み込まれる)。最大の抗原結合親和力を維持するために幾つ かのマウスフレームワーク残基の保存を必要とする抗体可変領域には、最小限の 付け替えアプローチが特に適当である。しかしながら、マウスフレームワーク残 基を全く保存しない〔Jones 他,Nature 321: 522-525(1986)およびVerhoeyen 他,Science 239: 1534-1536(1988)〕かまたはほんの1個か2個のマウス残基の 保存を伴う〔Riechmann 他,Nature 332: 323-327(1988);Queen他,Proc.Na tl.Acad.Sci.USA 86: 10029-10033(1989)〕幾つかの抗体のヒト型化には、 CDR移植アプローチも好結果に使われている。 B1,B3もしくはB5抗体または本発明のキメラ抗体を治療用途に向けて改 良するために、「フレームワーク交換」と呼ばれる方法によってFv部分がヒト 型化される。このアプローチでは、高度に相同のヒトVHまたはVLドナー中のヒ トフレームワーク残基と異なるフレームワーク残基を同定する。次いでそれらの 異なっているフレームワーク残基を同時にヒト残基に変異させる。変異は、E. コリ中で発現させることができ且つ生成するヒト型変異体の迅速な 精製および分析を可能にする一本鎖免疫毒素カセットから調製した一本鎖DNA 鋳型の中に導入する。 このアプローチは、通常は露出されない残基がヒト型化され、一方通常露出さ れる他の残基はヒト型化されないので、更にCDR移植の理論からの偏差と露出 残基の置換からの偏差を組み合わせる。或るマウス残基を保存しようという決定 は、Fv断片の結合親和力に対する、または構造模型で観察される他のFv残基 とそれらの残基との可能な相互作用に対する、それらの特定残基の変更の影響に 関する知識に基づく。 より詳しくは、重鎖と軽鎖の可変領域を、標準配列比較ソフトを使ってGENBAN K またはSWISS-PROTのような配列データベース中に同定された最良のヒト相同体 と整列させることにより、ヒト型化が達成される。モノクローナル抗体McPC603 〔Queen 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86: 10029-10033(1989)およびSato w 他,J.Mol.Biol.190: 593-604(1986)〕(タンパク質データバンクエント リーIMCP)の可変領域の結晶構造に基づく構造模型との比較および配列分析によ り、マウス抗体とそれのヒト対応物の間で異なるフレームワーク残基の同定が可 能である。 好ましい態様では、B3VHの第1,3,19,24,89および91位(Kabat 他, 前掲中の座標を参照のこと)とB3VLの第2,3および41位(図11)のところ のマウス残基が保存される。特に好ましい態様では、B3VH中の残基82b がア ルギニンに変更される。 野性型B3(Fv)−PE38をコードするVHおよびVL遺伝子セグメント(例えばプラ スミドpULI7 中の)は、部位特異的突然変異誘発により独立的にヒト型化するこ とができる(実施例14参照)。当業者は、一度Fv領域がクローニングされそし て配列決定されたなら、部位特異的突然変異誘発による様々な残基の変更は当業 者に周知の 標準技術を使った日常的な作業である。組換えタンパク質の発現 組換えFv領域およびそれらの抗体領域を含む融合タンパク質は、様々な宿主 細胞、例えばE.コリ、他の細菌宿主、酵母および他の高等真核細胞、例えばCO S,CHOおよびHeLa細胞系並びにミエローマ細胞系において発現させることができ る。特に好ましい宿主はE.コリである。組換えタンパク質遺伝子は各宿主の適 当な発現調節配列に作用可能に連結されるだろう。E.コリの場合、この発現調 節配列はプロモーター、例えばT7,trp またはλプロモーター、リボソーム結合 部位、および好ましくは転写終結シグナルを含む。真核細胞の場合、調節配列は 免疫グロブリン遺伝子、SV40、シトメガロウイルスなどに由来するプロモーター と好ましくはエンハンサー、およびポリアデニル化部位を含み、そしてスプライ ス供与配列と受容配列を含むことがある。 本発明のプラスミドは、周知の方法、例えばE.コリの場合は塩化カルシウム 形質転換、動物細胞の場合はリン酸カルシウム処理またはエレクトロポレーショ ンにより、選択された宿主細胞中に伝達せしめることができる。該プラスミドに よって形質転換された細胞は、プラスミド上に含まれる遺伝子、例えばamp,gpt ,neo およびhyg 遺伝子によって付与される抗生物質耐性により、選択すること ができる。 一端発現されれば、硫酸アンモニウム沈澱、アフィニティーカラム、カラムク ロマトグラフィー、ゲル電気泳動などといった当業界の標準手順〔一般的には、 R.Scopes,Protein Purificaion,Springer-Verlag,N.Y.(1982),Deutscher, Methods in Enzymology,第182巻: Guide to Protein Purificaion,Academic P ress,Inc.N.Y.(1990)を参照のこと〕により、組換え融合タンパク質を精製 することができる。少なくとも約90〜95%均質性の実質的に純粋な組成物が好ま しく、医薬用途には98〜99%またはそれ以上の均質性が最も好ましい。所望によ り部分的にまたは均質にまで精製されれば、それらのポリペプチドを療法利用す ることができる。 化学合成、生物学的発現または精製の後、一本鎖Fv領域または一本鎖Fv領 域を含む融合タンパク質が生来のタンパク質とは実質的に異なるコンホメーショ ンを有する場合があると当業者は認識するだろう。この場合、該タンパク質を変 性・還元し、次いでタンパク質を好ましいコンホメーションに再生する(re-fol ding)ことが必要かもしれない。タンパク質を還元・変性させそして再生する方 法は当業者に周知である。〔Debinski他,J.Biol.Chem.,268: 14065-14070( 1993);Kreitman およびPastan,Bioconjug.Chem.,4: 581-585(1993);並 びにBuchner 他,Anal.Biochem.,205: 263-270(1992)、これらは参考として本 明細書中に組み込まれる。〕例えば、Debinski他は、グアニジン−DTE中での 封入体タンパク質の変性と還元を記載している。次いで酸化型グルタチオンとL −アルギニンを含有するレドックス緩衝液中でタンパク質が再生されている。 生物活性を減少させることなく一本鎖Fv領域および一本鎖Fv領域を含む融 合タンパク質に変更を行い得ることは、当業者により認識されるだろう。一本鎖 Fv領域のクローニング、発現または融合タンパク質への組み込みを容易にする ために幾つかの変更を行うことができる。そのような変更は当業者に周知であり 、例えば、開始部位を提供するためのアミノ末端へのメチオニンの付加、または 便宜上置かれる制限部位または終止コドンを作るためのいずれかの末端への追加 のアミノ酸の付加が挙げられる。例えば、好ましい態様では、B5(Fv)を作製する のに使用するプライマーが、E.コリ中 での発現のための開始因子メチオニンをコードする配列と、クローニンクを促進 するためのNdeI制限部位を導入するだろう。 他の変更も可能であることは当業者に明らかであろう。例えば、一本鎖Fv領 域および一本鎖Fv領域を含んで成る融合タンパク質の特異性または結合親和力 を増加させるアミノ酸置換を行ってもよい。あるいは、該分子の非必須領域を短 縮するかまたは完全に削除してもよい。それ自体が分子の活性に関与しない分子 の領域が存在する場合、それらを削除するかまたは分子の活性成分間の正しい立 体関係を維持するのに役立つ短いセグメントにより置き換えることができる。あ るいは、ドメイン間領域に一層フレキシブルなセグメントを置き、かくして分子 の折り畳みまたは生産を促進することができる〔Brinkmann 他,Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA,89: 3075-3079(1992)〕。診断アッセイ 癌患者の腫瘍に免疫毒素をターゲティングすることに加えて、本発明の組換え 抗体は更に、周囲組織中に放出され、血流により拾い上げられ、そして遠方の部 位から採取した血液試料中に検出可能であると予想される、腫瘍細胞上の表面ム チンのような物質を認識する。そのような放出(shed)抗原は、原発性癌および再 発性癌の診断に有用であることが証明されている。これの現在有用な例は、腫瘍 の再発を予測するためまたは腫瘍の一次診断を確認するために卵巣癌を有する患 者からの血清を使ってアッセイすることができるCA125抗原である。同様に、B 1,B3およびB5も腫瘍の診断に有用であろう。 また、或る型の腫瘍細胞とのそれらの抗体の選択的反応性は、腫瘍の型と起源 、および細胞の特定集団が前の腫瘍の再発を表すのかまたはどこかの別の原発性 腫瘍の発達を表すのかを分類する腫瘍の 病理解剖学的診断に利用することができる。そのような診断は、各々の特定患者 における抗腫瘍療法の事後計画に有用となり得る。特に、組織片(例えば生検) または細胞学的調製物(例えばPap スミア、滲出液)における免疫組織化学的病 理診断を本発明のモノクローナル抗体を使って実施することができる。 そのようなターゲティング抗体の別の潜在的利用は、体外スキャニング(画像 診断)かまたは診査手術時に放射線検出プローブを使った局在化のいずれかによ り検出することができる放射性同位体に結合された抗体B1,B3またはB5を 用いる、腫瘍の巨視的焦点の診断における利用であることができる。 一般に、上述の診断法は、B1(Fv),B3(Fv),B5(Fv)またはキメラFv領域を生体 内または生体外のいずれかで生物学的試料と接触せしめ、次いで標的組織への前 記抗体の結合を検出することを含む。好ましい態様では、診断方法は(a)患者か ら組織または液体試料を取り出し;(b)第一の抗体の重鎖のFv領域と第二の抗 体の軽鎖のFv領域を含む抗体であって、前記2つのFv領域が組換え融合され てLewisY関連糖質を特異的に結合する単一分子を形成する抗体を添加し;そして (c)前記試料中の前記抗体の存在または不在について検出する段階を含んで成る 。 好ましい態様では、検出は抗体に結合した標識の検出による。抗体を標識する 手段は当業者に周知である。標識は共有結合を通して直接に連結せしめることが でき、または典型的には標識と抗体のそれぞれと共有結合を形成することのでき る反応性部位を有する連結分子を通して共有結合により連結せしめることができ る。共通のアプローチはアビジンかストレプトアビジンまたはビオチンで抗体と 標識を標識することであり、それらは互いと可逆的に結合する。 適当な標識は当業者に周知である。本明細書中で使用する「標識」 という語は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的または化学的手段によ り検出可能な組成物を指す。例えば、有用な標識としては、放射性分子、例えば32 P,14C,125I,3Hおよび35S、蛍光色素、例えばフルオレセインおよびロ ーダミン、高電子密度試薬、酵素(ELISA で一般に使われるような)、発光酵素 、例えばルシフェラーゼ、などが挙げられる。医薬組成物 本発明の組換え融合タンパク質および医薬組成物は、予防および/または治療 処置のための、非経口、局部、経口または局所投与、例えばエールゾルによる投 与または経皮投与に有用である。本発明の医薬組成物は投与の方法によって様々 な単位投与形態(剤形)で投与することができる。例えば、経口投与に適当な単 位投与形態としては、粉剤、錠剤、ピル、カプセルおよびロゼンジが挙げられる 。本発明の融合タンパク質および医薬組成物は、経口投与する時、消化から保護 されなければならないと認識される。これは典型的には該タンパク質を酸性加水 分解と酵素加水分解に耐性にする組成物と複合化することによるか、または該タ ンパク質を適当な耐性担体(例えばリポソーム)中にパッケージングすることに より達成される。消化からタンパク質を保護する方法は当業者に周知である。 本発明の組換え融合タンパク質および医薬組成物は非経口投与、例えば静脈内 投与または体腔もしくは器官の管腔中への投与に特に有用である。投与用組成物 は、通常、医薬上許容される担体、例えば水性担体中に溶解させた一本鎖抗体の または一本鎖抗体を含んで成る融合タンパク質の溶液を含むだろう。様々な水性 担体、例えば緩衝化塩類溶液など、を使うことができる。それらの溶液は無菌で あり通常は不用物を含まない。該組成物は常用の公知の滅菌技術により滅菌する ことができる。該組成物は、生理的条件に近づけるの に必要とされる医薬上許容される補助物質、例えばpH調整剤および緩衝剤、毒 性調整剤など、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カ ルシウム、乳酸ナトリウムなどを含んでもよい。それらの組成物中の一本鎖抗体 、融合タンパク質または標識一本鎖抗体の濃度は広範囲に異なることができ、そ れは選択した投与形態および患者の要求に従って主として液量、粘度、体重など に基づいて選択されるだろう。 よって、典型的な静脈内投与用医薬組成物は、約0.01〜100 mg/患者/日であ ろう。特に隔離された部位に薬剤を投与するのであって血流中、例えば体腔中ま たは器官の管腔中に投与しない時には、0.1 〜約1000mg/患者/日の用量を使っ てもよい。非経口投与用組成物の実際の調製方法は当業者に既知であるかまたは 明白であろうし、そしてRemington's Pharmaceutical Science,第15版,Mack P ublishing Company,Easton,Pennsylvania(1980)のような刊行物中に詳しく 記載されている。 本発明の融合タンパク質またはそれの混合物(即ち別のタンパク質との)を含 有する組成物は治療処置のために投与することができる。治療用途では、組成物 は病気を患っている患者に、前記病気とそれの合併症を治癒するかまたは少なく とも部分的に緩和するのに十分な量で投与される。これを達成するのに適切な量 は、「治療有効量」と定義される。この用途に効果的な量は病気の重さと患者の 一般的な健康状態に依存するだろう。 患者により要求または寛容されるような用量および頻度に依存して、該組成物 の1回または多回投与を行うことができる。どの場合でも、組成物は患者を効果 的に治療するのに十分な量の本発明のタンパク質を提供すべきである。 本発明の細胞障害性融合タンパク質の様々な利用の中には、該タ ンパク質の毒性作用によって排除することができる特定のヒト細胞により引き起 こされる様々な病気状態が含まれる。1つの好ましい適用は、癌の治療、特に腫 瘍細胞がLewisY群の一員である糖質抗原を発現するような癌である。そのような 癌としては、結腸、乳房、食道、膀胱、胃、頭部および頸部、肺および卵巣の癌 である。融合タンパク質は試験管内で、例えば細胞がLewisY関連抗原を発現して いる移植前の骨髄からの有害な細胞の排除の場合に利用してもよい。キット 本発明は研究または診断目的のキットも包含する。研究用キットは典型的には 、本発明の一本鎖抗体を含有する1または複数の容器を含んで成る。好ましい態 様では、研究用キットは、第二の分子、例えば標識、薬剤、細胞毒などでの誘導 体化に適当な形態で、一本鎖B1(Fv),B3(Fv),B5(Fv),キメラFv,変異型Fvまた はヒト型Fv抗体を含有する容器を含んで成る。別の態様では、研究用キットはそ れらの抗体をコードするDNA配列を含むことができる。好ましくは、それらの 抗体をコードするDNA配列は、宿主細胞中へのトランスフェクションおよび該 宿主細胞による発現に適当なプラスミドの中に提供される。プラスミドは宿主中 での該DNAの発現を調節するプロモーター(しばしば誘導性プロモーター)を 含んでもよい。プラスミドは、様々な融合タンパク質を生産せしめるために該プ ラスミドに別のDNA配列を挿入するのを容易にする適当な制限部位を含んでも よい。そのような要素は当業者に公知であり、それらとしては例えば、選択マー カー、開始コドン、終止コドンなどが挙げられる。 診断用キットは、典型的には上述の抗体を含有する複数の容器を含んで成る。 抗体はそれ自体、標識により誘導体化されるか、ある いはまた、それらを第二標識と結合させてその後の検出に備えてもよい。上述し たように、そのような標識としては放射性標識、蛍光標識、酵素標識、すなわち 西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)などを挙げることができる。診断用キッ トは適当な第二標識(例えばヤギ抗マウスHRPなど)を含んでもよい。該キッ トは、抗体の結合、非特異性結合抗体の除去および結合した標識の検出を容易に するための様々な試薬を含んでもよい。そのような試薬は当業者に周知である。 上述した研究用および診断用キットの使用方法は一般に周知であり、キットの 使用説明書の中に与えられるだろう。 実施例 次の実施例は例示目的で与えられるのであって限定のつもりではない。 実施例1 Mab B3 の重鎖および軽鎖のFv領域をコードするDNA断片のクローニング 最初にB3クローニング実験とプラスミドの増殖をE.コリ HB101〔Boyer 他, J.Molec.Biol.41: 459-72(1969)〕中で実施した。B3モノクローナル抗体産 生ハイブリドーマ細胞系からのmRNAのラン 増幅により、モノクローナル抗体(Mab)B3の軽鎖と重鎖のFv部分をコードする DNA断片を得た。ポリメラーゼ連鎖反応〔Saiki 他,Science,239: 487-91( 1988)〕は、Chaudhary 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87: 1066-70(1990) に記載されたような条件下で、Perkin Elmer GeneAmpキットとPerkin Elmer/Cet us熱循環器を使って実施した。 重鎖Fvコード領域の増幅にはプライマー対B3-H1 とB3-H2 を使い、軽鎖Fv コード領域の増幅にはプライマー対B3-L1 とB3-L2 を使った(表1と配列表の配 列番号1,2,7および9を参照のこと)。それらのオリゴヌクレオチドはマウ スFv DNAの冒頭部と末尾に存在する定常領域を3′末端に有する。それらの5′ 末端には、図1aに示すようなPCR生成物のクローニングのための制限エンド ヌクレアーゼ認識部位(NdeI,BamHI,HindIII)がある。重鎖および軽鎖Fv DNA断片の増幅生成物をアガロースゲル電気泳動により350 〜400 bpのDNA 断片であると同定した。それらをゲルから精製し、BamHI またはHindIII で切断 し(図1a)、そして別のゲル上で精製した後、HindIII またはBamHI で開裂さ せ脱リン酸したpBR322ベクター〔Bolivar 他,Gene,2: 95-113(1977)〕と連結 せしめた。モノクローナル抗体B3の軽鎖および重鎖Fvコード領域のヌクレオチ ド配列は、pBR322のBamHI 部位またはHindIII 部位に隣接した配列決定用プライ マー(New England Biolabs,Beverly,Massachusetts,USA)とT7ポリメラーゼ 配列決定試薬キット(United States Biochemicals,Cleveland,Ohio,USA)を 使って、二本鎖プラスミドDNAから決定した。 実施例2 MAb B1 およびMAb B5の重鎖および軽鎖Fvセグメント をコードするDNA断片のクローニング B1およびB5の重鎖と軽鎖の可変領域をコードするDNAを得るために、105の ハイブリドーマ細胞からポリ(A)+mRNAを調製し、そしてプライマーとしてランダ ムヘキサマーを使って逆転写して第一 重鎖可変部とCκの部分からの軽鎖可変部を包含する断片を増幅させた。B1およ びB5重鎖のアミノ末端タンパク質配列に従ってデザインした5′末端プライマー と、共通の免疫グロブリン定常領域配列〔Kabat 他(1991),前掲〕に従ってデザ インした3′末端プライマーを使って、B1およびB5のVH配列を増幅させた。特 に、B1 VHは5′末端プライマーB1HFr1と3′末端プライマーGammaCH1(表1, それぞれ配列表の配列番号3と5)を使って増幅させた。B5 VHは5′末端プラ イマーB5HFr1と3′末端プライマーB5HFr4(表1,それぞれ配列表の配列番号4 と7)を使って増幅させた。プライマーGammmaCH1 は共通のIgG1 CH1領域コドン 122-129 に従ってデザインし、一方でプライマーB1HFr4はB1 VHのコドン109-113 の決定されたヌクレオチド配列〔Kabat 他(1991),前掲〕に従ってデザインした 。 B1およびB5のVL配列は、B1およびB5軽鎖のアミノ末端タンパク質配列に従っ てデザインした5′末端プライマーB1LFr1とB5LFr1(表1、配列番号12と13)を プライマーC-kappa(表1,配列番号14)と共に使って増幅させた。プライマーC -kappa は共通のκ軽鎖コドン113-120(同文献)に従ってデザインした。 PCRはBrinkmann 他,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 88: 8616-8620(1991) により記載された通りに実施した。 ター(Invitrogen,San Diego,California,USA)中にサブクローニングした。 DNA制限分析により正しいサイズの挿入断片を含む 決定用プライマー(Invitrogen)とSequenaseTMキット(United States Biochem ical Corp.)を使って、二本鎖プラスミドDNAから重鎖または軽鎖コード領域 のヌクレオチド配列を決定した。3〜5個の独立したクローンを各増幅DNAセ グメントについて配列決定した。B1のVHおよびVLのヌクレオチド配列はそれぞ れ配列番号19と20に示され、そしてB5のVHおよびVLのヌクレオチド配列はそれ ぞれ配列番号21と22に示される。B5はμ鎖CHl プライマーを使って増幅できなか ったので、代わりに共通の重鎖B5HFr4プライマー(表1,配列番号7)を使った 。VHプライマーB5HFr4は、共通のIgG1 Fr4領域コドン109-113〔Kabat 他(1991) ,前掲〕に従ってデザインした。 B1,B3〔Brinkmann 他,Proc.Nat.Acad.Sci.USA88: 8616-8620(1991)〕 およびB5のFv配列の整列は、B5がB3に高度に相同で(VHコード配列で91.6% 一致、VLコード配列で94.9%一致)且つ抗LewisY抗体H18A〔Kaneko他,J.Bioc hem.,113: 114-117(1993)〕に高度に相同である(VHコード配列で93.3%一致 、VLコード配列で97.6%一致)ことを明らかにした。B1はフレームワークでは 両者とCDR 配列ではB3(VHコード配列で83.9%一致、VLコード配列で88.9%一 致)およびB5(VHコード配列で86.3%一致、VLコード配列で91.2%一致)の両 者とかなり異なり、データベース調査でいずれの既知の抗糖質抗体に対しても高 い配列一致を示さない〔Devereux他,Nucleic Acids Res.,12: 387-395(1984) 〕。3つの抗体は全てマウスクラスIII重鎖とκII軽鎖を有する〔Kabat 他,前掲〕。B1とB3の間の配列の相違は、何故それらの抗体が他の点では類似し ている抗原の異なるエピトープを認識するかを説明するかもしれない〔Pastan他 ,Cancer Res.,51: 3781-3787(1991)および米国特許第5,242,813 号を参照の こと〕。 実施例3 B3(Fv) およびB3(Fv)−免疫毒素の発現用プラスミドの作製 A)B3(Fv)およびB3(Fv)−PE40の作製 発現プラスミドpVC38Hは、T7プロモーター〔Chaudhary 他,Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA 87: 1066-70(1990)〕、PE40コード領域の3′末端のTφ転写タ ーミネーター、および、所望により部位特異的突然変異誘発によってプラスミド の誘導体を作るため、(M13)ヘルパーファージとの同時トランスフェクション により一本鎖ファージDNAを与える一本鎖複製開始点F+、の調節下に免疫毒 素 TGFα−PE40からの遺伝子を含有する。pVC38H中の TGFαコード領域は、5′ 末端にNdeI認識部位を有し、そしてPE40をコードするDNAへの連結点のところ にHindIII 部位を有する。 免疫毒素B3(Fv)−PE40の発現用プラスミド(pULEE3)を作製するために、TGF α遺伝子を除去しそして重鎖コード領域のNdeI/BamHI断片と軽鎖Fvをコードする BamHI/HindIII 断片を使って、3断片連結においてB3(Fv)遺伝子により置き換え た(図1a)。配列分析は、PCRプライマーアニーリング領域中の配列の繰り 返しのために軽鎖Fv遺伝子の5′末端に変異(欠失とフレームシフト)がある ことを示したので、突然変異誘発の鋳型としてウリジン含有一本鎖ファジミドD NA(pULEE3)を使って部位特異的突然変異誘発〔Kunkel,Proc.Natl.Acad. Sci.USA,82: 488-92(1985)〕を実施した。生じたプラスミド(pULI1)では 、モノクローナル抗体 B3の部分的タンパク質配列分析により確立されているB3軽鎖の正しいアミノ末端 が再構成された。 別のB3(Fv)免疫毒素、B3(Fv)−PE38KDELを作製するために、pULI1 からPE40コ ード領域をHindIII 部位からPE40遺伝子のすぐ下流に置かれたEcoRI 部位まで除 去し、そしてドメインIa(アミノ酸1 〜252)とドメインIbの一部(アミノ 酸365 〜380)を欠き且つ変更されたカルボキシル末端配列KDELも含むPE変異体P E38KDELをコードするpRK79K〔Chaudhary 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87: 308-12(1990)〕からのHindIII/EcoRI 断片により置き換えた。B3(Fv)の生産用 の発現プラスミドpULI4 は、pULI1 から軽鎖とPE40コード領域BamHI からEcoRI までを除去し、それをプライマー対B3-L3 +B3-L4 を使った軽鎖Fvコード配列 の増幅により得られたPCR断片により置き換えることにより作製した。プライ マーB3-L3(表1)はB3L1と同様であってcDNAからの軽鎖Fvのクローニングに 使われ、そしてB3-L4(表1)はPCRをプライミングするための3′部分ではB 3-L2 と同じであるが、5′末端のところで、PE配列への融合のためのHindIII 部位が翻訳終結コドンとその後ろのEcoRI 認識配列により置き換えられている。B)C3コネクターを使ったLMB7(B3(Fv)-PE38)の発現用プラスミドであるpUL I7 の作製 B3(Fv)-PE38(LMB7とも呼ばれる)は癌治療薬としての使用に好ましい本発明 の1つの組換えB3(Fv)−免疫毒素である。B3(Fv)−PE38の発現用のプラスミドpU LI7 は次の通りに作製した:プラスミドp-ULI1 は、シュードモナス外毒素の先 端が切り取られた形であるPE38〔Brinkmann 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8 8: 8616-8620(1991)および図1bを参照のこと〕に融合された、VHとVLの間に (Gly4-Ser)3ペプチドリンカーを含む一本鎖Fvの形のモノクロ ーナル抗体B3のFv領域を含む。この分子の折り畳みと生産を改善するために 、PCR突然変異誘発〔Brinkmann 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89: 3075- 3079(1992)〕によりFvと毒素成分の間にC3と称するフレキシブル「コネク ター」ペプチドを挿入し、pULI6 を作製した。最後に、サブクローニングにより pULI6 のSalI-EcoRI毒素断片をpCS10〔Siegall他,J.Biol.Chem.,264:14256- 14261(1989)〕のPE38コードSalI-EcoRI断片によって置換することにより、pUL I6 の毒素部分の一部を同じ活性を有する短い分子PE38(PEのドメインIaを欠 いている)で置き換えた。免疫毒素B3(Fv)−PE38をコードする得られた発現プラ スミドはpULI7 である(図1b)。 実施例4 B1(Fv) −およびB5(Fv)−免疫毒素の発現用プラスミドの作製 一本鎖免疫毒素としての発現のために、B3(Fv)-PE38 免疫毒素〔Benhar他,Bi oconjug.Chem.,5: 321-326(1994)〕をコードする発現プラスミドpULI7 中の B3Fv配列をB1およびB5 Fv 断片に置き ド中の重鎖クローンを使ってPCR増幅させた。プライマーB1HFr1と5′リン酸 化B1HFr4は B1VHを増幅させるのに使い、プライマーB5HFr1と5′リン酸化B5HFr 4は B5VHを増幅させるのに使った。VL 幅させた。プライマーB1LFr1と5′リン酸化B1LFr4は BIVLを増幅させるのに使 い、プライマーB5LFr1と5′リン酸化B5LFr4は B5VLを増幅させるのに使った。 それらのプライマーは末端に一本鎖Fv−免疫毒素発現ベクターに共通である翻 訳開始因子、ペプチドリンカーおよびFv−毒素接合部(コネクター)に相補的 な配列を有す る。プライマーB1LFr4とB5LFr4は、それぞれB1とB5のVLのコドン102-107 の決 定されたヌクレオチド配列に従ってデザインした。PCR増幅は実施例2に記載 した通りに実施した。 スピンカラムを使ってPCR生成物を精製し、一本鎖免疫毒素B3(Fv)-PE38を コードするウラシル含有一本鎖DNAファジミドpULI7と混合しそしてアニーリ ングさせた。前記ファジミドはM13MK07 ヘルパーファージ(Bio-Rad,Hercules ,California,USA)を使った 発キットプロトコール(Bio-Rad)に従って該DNAを伸長しそして連結せしめ た。 一本鎖鋳型へのPCR断片のアニーリング効率が低く、よって突然変異誘発効 率が比較的低かった(約10%)ため、追加の段階を加えた。突然変異誘発からの 形質転換体のプールから得られたプラスミドDNAを、B3(Fv)鋳型中にユニーク 部位を有するがB1とB5にはその部位が欠けている制限エンドヌクレアーゼを使っ て消化した。消化したDNAを使ってE.コリ細胞を再形質転換せしめた。この 追加の段階の後、80%よりも高い効率で変異体が得られた。DNA制限分析によ り正しいクローンを同定し、そしてDNA配列分析により確認した。得られた免 疫毒素クローンをpB1(Fv)-PE38およびpB5(Fv)-PE38と命名した。 実施例5 組換えB3(Fv)−免疫毒素の発現と精製 プラスミドを発現宿主E.コリBL21(λDE3)〔Studier 他,J.Mol.Biol.1 89: 113-30(1986)〕中で形質転換せしめた。0.2 〜0.4 %グルコース、0.05% MgSO4および100 μg/mlアンピシリンを含有するスーパーブロス中で細菌を増殖 させ、対数期のOD600=3.0 のところで1mMイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により 誘導せしめ、90分後に収穫した。誘導培養物の全タンパク質の約30%が組換え発 現産物であり、それを封入体として寄託した。精製した封入体は、一本鎖免疫毒 素に期待される約67 kDaのサイズを有する、ほとんど純粋なタンパク質を含んで いた。以前に記載された通りに〔Chaudhary 他,Nature 339: 394-97(1989)& Batra 他,J.Biol.Chem.265: 15198-202(1990)〕、この組換え免疫毒素分子 を可溶化し、再生し、精製し、そしてタンパク質を分析した。タンパク質濃度は Bradfordアッセイにより測定した〔Bradford,Anal.Biochem.72: 848-54(1976 )〕。 実施例6 B1(Fv)-PE38 およびB5(Fv)-PE38 の発現と精製 B1(Fv)−およびB5(Fv)−免疫毒素を産生する各発現プラスミドを用いてE.コ リの培養物〔BL21λDE3、Studier 他,J.Mol.Biol.189: 113-130(1986)参 照〕を形質転換せしめた。IPTG誘導の後、過剰生産された融合タンパク質は封入 体中に蓄積した。記載されたようなレドックス−シャッフル〔Buchner 他,Anal .Biochem.205,267-270(1992)〕を使って、封入体タンパク質の可溶化と再生 によりそれらを単離した。簡単に言えば、封入体を6 M グアニジン(HCl)/0.1 M Tris(HCl),pH 8.0/2 mM EDTA中に溶解し、そして65 mMの最終濃度になるよう に固体DTEを添加することにより10mg/mlのタンパク質濃度で還元した。可溶 化され還元された封入体タンパク質を0.1 M Tris(HCl),pH 8.0 /0.5 M L−ア ルギニン/0.9 mM酸化型グルタチオン/2 mM EDTA 中に100 倍希釈し、10℃で36 時間再生させた。再生されたタンパク質を20 mM Tris(HCl)pH 7.4/2 mM EDTA /0.1 M 尿素に対して徹底的に透析した。正しく折り畳ま れたタンパク質を、Q-セファロースカラムとMono-Qカラム(Pharmacia,Piscata way,New Jersey,USA)の連続イオン交換クロマトグラフィーに次いで、TSK G3 000SW カラム(TosoHaas,Mont-gomeryville,Pennsylvania,USA)上でのサイ ズ排除クロマトグラフィーにより、夾雑タンパク質と凝集体から分離した。典型 的には、精製した単量体タンパク質は95%以上純粋であった。 実施例7 化学結合したおよび組換えのB3(Fv)−免疫毒素の細胞障害活性 タンパク質合成の阻害を測定するアッセイを以前に記載された通りに実施した 〔Chaudhary 他,Nature,339: 394-97(1989)およびBatra 他,J.Biol.Chem. 265: 15198-202(1990)〕。全てのアッセイは各ウエルが200 μlの培地中に1.6 ×104個の細胞を含む96ウェルのプレート上で行った。組換え免疫毒素の特異性 を証明するためにデザインした競合アッセイの場合には、免疫毒素の添加の15分 前に培地を交換しそして50μg/ウエルの抗体を添加した。 図3と表1に示されるように、組換え一本鎖免疫毒素はB3抗原を発現してい る細胞においてタンパク質合成を阻害したが、非発現細胞では阻害しなかった。 これはB3抗原と先端が切り取られた形のPEとの化学結合体を使った場合の以 前に記載の結果〔Pai 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88: 3358-62(1991)〕 と同様であった。化学結合体と一本鎖免疫毒素の相対活性は、次の4つの抗原陽 性細胞系:MCF7,CRL1739,A431 およびLNCaP に関してほぼ同じであった。最も 活性な剤はB3(Fv)-PE38KDEL であった。 組換え一本鎖B3-Fv 免疫毒素はB3抗原陰性対照細胞には作用しなかった。組換 えB3(Fv)-PE40 の細胞障害活性(ID50=50 pM; 3.0ng/ml)は化学的に結合させ たB3−免疫接合体(ID50=42 pM; 8 ng/ml)と同様であるが、B3(Fv)-PE38KDEL は化学接合体よりもずっと活性であった(ID50=13 pM; 0.8 ng/ml)。これは 、一本鎖免疫毒素が分子あたり1個だけの抗原結合部位を有しそして化学結合体 が2個の抗原部位を有するという事実にもかかわらずである(下表2を参照のこ と)。 B3(Fv)-PE38KDEL は、それとB3(Fv)-PE40 とを区別する2つの特徴を有する。 1つの特徴は、アミノ酸365-380 を包含するドメインIbの部分が削除されてい ることである。これは、再生工程の間に別のシステインとジスルフィド結合を形 成し、それによって不活性なキメラ毒素の形成をもたらすかもしれない第372 位 と第379 位のシステイン残基間のジスルフィド結合を除去し、。第二の特徴は、 毒素のカルボキシル末端が元の配列REDLK からKDELに変えられていることである 。別の分子でジスルフィド結合が除去されると、活性の増加は小さかった。例え ば、TGFα−PE38はTGFα−PE40よりわずか50%大きい活性である〔Siegall 他, J.of Biol.Chem.264: 14256-14261(1989)〕。IL6-PE38はIL6-PE40より少しも 活性でない。ただ単にREDLK からKDELに変更することは一般にキメラ毒素の活性 に2〜3倍の増加をもたらす。 B3(Fv)−免疫毒素の細胞障害活性が特異的であるかどうかを分析するために、 過剰量のモノクローナル抗体B3を使って競合実験を行った。図3(b)のデータは 、B3(Fv)-PE38KDEL によるA431癌細胞の中毒(intoxication)がB3抗原への特異 的結合のためであることを示す。何故なら、それの細胞障害性は過剰のB3により ブロックされた がそれらの細胞上のトランスフェリン受容体を認識するMAb HB21〔Haynes他,J .Immunol.,127: 347-51(1981)〕によってはブロックされなかったからであ る。恐らくA431細胞の表面上には多量のB3抗原が存在するので、細胞障害性の逆 転には大過剰のモノクローナル抗体B3が必要である。 実施例8 組換え免疫毒素の抗原結合、ADP−リボシル化 および特異的細胞障害活性 A)ADP−リボシル化活性 各免疫毒素のADP−リボシル化活性は、それらの免疫毒素が同等の酵素活性 であることを確認するために試験しなければならなかった。ADP−リボシル化 活性は、延長因子2濃縮小麦胚芽エキス〔CollierおよびKandel,J.Biol.Chem .,246:1496-1503(1971)〕を使った酸沈澱性物質中への〔14C〕−NADの取り 込みにより測定した。図4(A)に示されるように、比較分子として使ったB3(F v)-PE38、B1(Fv)-PE38 およびB5(Fv)-PE38 は同様なADP−リボシル化活性を 有した。B)特異的細胞障害活性 PBS+0.2 %BSA中の免疫毒素の系列希釈液と共にA431細胞を2時間また は20時間インキュベーションした後の、〔3H〕−ロイシンの取り込みの阻害に より、A431細胞に対する細胞障害活性を測定した〔Brinkmann 他,Proc.Natl. Acad.Sci.USA,88: 8616-8620(1991)〕。図4(B)に示されるように、B3お よびB1 MAbを強力に結合するA431細胞において試験した時、B3(Fv)-PE38 は2時 間または20時間インキュベーション後にそれぞれ2.8 ng/ml と2.0ng/ml のIC50 を有する。B1(Fv)-PE38 は2時間または20時間インキ ュベーション後にそれぞれ0.6 ng/ml と0.3 ng/ml のIC50を有する。B5(Fv)-PE3 8 は2時間または20時間インキュベーション後にそれぞれ120 ng/ml と20 ng/ml のIC50を有する。 免疫毒素の特異性を調べるために、追加の細胞系において同じ細胞障害アッセ イ(Bringmann 他,前掲)を行った。表3に示すように、B3(Fv)-PE38,B1(Fv)- PE38およびB5(Fv)-PE38 は抗原陽性細胞に対して異なるレベルの細胞障害活性を 有する(これは細胞結合部位に対する免疫毒素の結合親和力に関係がある)にも かかわらず、試験した癌細胞系の認識のスペクトルは同じであった。それらの細 胞系はB3またはB1抗原の発現レベルが異なる(Pastan他,1991;Brinkmann 他, 1993;表3参照)。 C)B1(Fv)-PE38 およびB5(Fv)-PE38 の抗原結合親和力 競合アッセイによる抗原陽性細胞へのそれらの免疫毒素の結合親和力の測定に より、免疫毒素の特異的抗原結合を更に分析した。該アッセイでは、Benhar他, Bioconjug.Chem.,(1994),前掲により記載されたように、4℃でA431腺癌細胞 へのヨウ素化B3 IgGまたはB1 IgGの結合と競合させるのに増加する濃度の各免疫 毒素を使った。図5に示されるように、B1(Fv)-PE38はA431腺癌細胞への[125I]- B1IgG の結合に対して1.3μM の濃度で50%競合し、そして[125I]-B3IgG の結合 に対して1.7 μM の濃度で50%競合した。B3(Fv)-PE38はA431腺癌細胞への[125I ]-B1 IgG の結合に対して2.7 μM の濃度で50%競合し、そして[125I]-B3 IgG の結合に対して2.5 μM の濃度で50%競合した。B5(Fv)-PE38はA431腺癌細胞へ の[125I]-B1 IgGの結合に対して約50〜100 μM の濃度で50%競合し、そして[12 5 I]-B3 IgGの結合に対して50μM の濃度で50%競合した。B1 IgGは110nMで125I 標識B1 IgGの結合に対して50%競合し、B3 IgGは200 nMで125I標識B3 IgGの結合 に対して50%競合した(示してない)。 B1(Fv)-PE38 およびB5(Fv)-PE38 の分析並びにそれらとB3(Fv)-PE38との比較 は、3つの免疫毒素全部が同様なADP−リボシル化活性を有することを示し( 図4(A))、これは免疫毒素間の細胞障害活性の相違が異なる酵素活性からく るのではなく、それよりも相対的な抗原結合親和力を反映することを示す。細胞 障害アッセイ(図4(B)および表3)は、B1(Fv)-PE38,B3(Fv)-PE38およびB5 (Fv)-PE38 の細胞障害活性が特異的であることを示す。その理由は、それら全部 が全て抗原陽性細胞を致死させ、中毒に対するそれの感受性は抗原発現レベルに 比例し、その一方で抗原陰性細胞は助かるからである。免疫毒素の活性は異なる が、B1(Fv)-PE38 が最も有効である。20時間アッセイでは、B1(Fv)-PE38 はA431 細胞に対して 0.3 ng/ml のIC50を有し、B5(Fv)-PE38 はA431細胞に対して20 ng/mlのIC50を有 し、最低の有効性である。 抗原結合アッセイ(図5)は、明らかにB1とB5がB3と同じ抗原を認識すること 示した。何故なら3つの免疫毒素が全て125I標識B1 IgG およびB3 IgGの結合と 競合したからである。しかしながら、各々が共通の抗原上の異なるエピトープを 認識する可能性を取り除くことはできない。各免疫毒素の抗原結合親和力とそれ の細胞障害活性との間に明らかな相関性が観察された。B5(Fv)-PE38 の比較的低 い親和力はそれがIgM から誘導されることと一致する。 実施例9 免疫毒素の安定性 熱処理後のB1(Fv)−,B3(Fv)−およびB5(Fv)−免疫毒素の安定性は、PBS中 0.1 mg/mlの濃度で37℃にて4時間インキュベーションした後、凝集体から単量 体を分離するためのTSK G3000SW(TosoHaas)カラム上での分析クロマトグラフィ ーにより測定した。熱処理した免疫毒素のアリコートの細胞障害活性を上記と同 様に実施し、そして未処理の免疫毒素と比較した。 図6(A)に示されるように、3つの免疫毒素全てがインキュベーション前は 単量体であった〔図6(A),破線〕が、37℃でのPBS中での4時間のインキ ュベーション後には、B1(Fv)−PE38とB5(Fv)−PE38の約半分は凝集し、そしてB3 (Fv)−PE38は完全に凝集した〔図6(A),実線〕。図6(B)に示されるよう に、37℃で4時間の処理後、B1(Fv)−PE38は処理前の細胞障害活性の25%である 1.8 ng/ml のIC50を有した。B5(Fv)−PE38は処理前の細胞障害活性の66%である 30 ng/mlのIC50を有した〔図6(B)〕。B3(Fv)−PE38の37℃で4時間の処理後 には全く細胞障害活性が検出できなか った。 それらの安定性アッセイは、ここで試験した一本鎖Fv免疫毒素間の安定性の 相違を明らかにする。これは細胞障害性アッセイ〔図6(A)〕と安定性アッセ イ〔図(B)〕の両方から明らかである。B3(Fv)−PE38は37℃で幾分不安定であ り〔Benhar他,1994,前掲;Brinkmann 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:75 38-7542(1993)〕、そして主に凝集によって不活性化を受ける。結果として、そ れは2または20時間インキュベートした時のA431細胞に対する細胞障害活性にほ とんど差を示さない。その理由は該免疫毒素のほとんどが2時間後に不活性化さ れるためである。B1(Fv)−PE38は、20時間のインキュベーション後のA431細胞に 対するそれの細胞障害活性が2時間のインキュベーション後の該活性の2倍であ るという事実と、37℃でのインキュベーション後の減少した凝集と不活性化によ り示されるように、より安定である。B5(Fv)−PE38は、20時間インキュベーショ ン後のA431細胞に対するそれの細胞障害活性が2時間インキュベーション後の該 活性の6倍であるので、最も安定であるかもしれない。B5(Fv)−PE38は抗原の不 在下ではB1(Fv)−PE38と同じ位多く凝集すると思われるが、細胞と共にインキュ ベーションすると、37℃でのインキュベーション後の不活性化に対してB1(Fv)− PE38とB3(Fv)−PE38の両者よりも一層耐性であるようだ。3つの免疫毒素の全部 が安定である条件、即ち4℃で3時間を使って抗原結合実験を行ったので、免疫 毒素の相対結合親和力は2時間のインキュベーション時間後の相対細胞障害活性 と良く相関する。 実施例10 マウスにおけるB3(Fv)−PE38KDELの血中濃度のアッセイ 6週齢(19〜20 g)の雌のBalb/cマウスの尾静脈に10μg の B3(Fv)−PE38KDELを注射した。様々な時間間隔で血液を採取し、血清をA431細胞 と共にインキュベーションしそしてタンパク質合成の阻害を測定することにより 、免疫毒素の濃度を測定した。純粋なB3(Fv)−PE38KDELを使って標準曲線を作製 し、この曲線を使って免疫毒素の血中濃度(図7に示される)を計算した。 実施例11 ヒト類表皮癌を有するヌードマウスにおける B3(Fv) −PE38KDELの抗腫瘍活性 雌のヌードマウス(4〜6週齢、18〜20 g)に第0日にA431細胞(3×106個 )を皮下注射した。通常は第4日まで成長させた5mm×5mmの腫瘍を有するマウ スを、B3(Fv)−PE38KDEL、または対照としてMAbB3もしくは抗Tac(Fv)−PE38KDEL 〔Chaudhary 他,Nature 339:394-97(1989)〕で処置した。マウスの循環系中 のB3(Fv)−PE38KDELの寿命はわずか15〜20分であると観察された(図7)ので、 腫瘍の移植後4日目に始まる6回の注射を12時間間隔で尾静脈に行った。各処置 グループは5匹の動物から成った。腫瘍の体積は(cm3での腫瘍体積=長さ×幅2 ×0.4)により計算した。 図8に示されるように、2.5,5または10μg の1日2回の注射は、B3(Fv)−PE 38KDELが循環系中で短い寿命(15〜20分)であるという事実にもかかわらず、完 全な腫瘍後退をもたらした。たった0.5μg を注射した時には部分的後退が観察 された。それらの用量では全く毒性が観察されなかった。加えて、直径約1cmの 大きな腫瘍を有するマウスを1日2回4日間に渡り5μg で処置した時、約5× 104細胞を含むそれらの大きな腫瘍の完全な後退が急速に起こった〔図8(D) 〕。以前には、化学結合体は血液中でずっと長い寿命(4時間)を有するという 事実にもかかわらず、B3とPE40から成る化学 結合体(表2参照)の75μg/日の5日間の投与でさえも、大きな腫瘍の部分的 後退しか認められなかった。組換え分子はたぶん、サイズが小さく腫瘍細胞によ り近づきやすいために、マウスモデルにおいてより高い抗腫瘍活性を有するのだ ろう。1日2回の5μg のB3(Fv)−PE38KDELでMCF-7 腫瘍(乳癌)の後退も観察 された。 実施例12 増加された安定性を示すキメラFv領域免疫毒素 と変異型免疫毒素 B3(Fv)−PE38に比べてB5(Fv)−PE38の大きな安定性に貢献するメカニズムを調 査するために、軽鎖と重鎖が異なる抗体に由来するキメラFv領域を含んで成る 免疫毒素を後述の通り作製した。加えて、別々にまたは組み合わせてVL変異M 4L(メチオニン4がロイシンで置換される)とST7(セリン7がスレオニン で置換される)を含むB3(Fv)−PE38免疫毒素を調製した。次いでキメラFvおよ び変異型融合タンパク質の細胞障害活性と安定性を調べた。A)キメラFvおよび変異型免疫毒素のクローニングと発現 キメラFv免疫毒素を生産するために、実施例2に記載した通りにB5ハイブリ ドーマ細胞から得られたmRNAから、B5の重鎖と軽鎖の可変領域をコードするDN Aを調製した。B5の両Fvを使って一本鎖免疫毒素を作製するために、延長した PCR生成物の連結を可能にするリン酸化プライマーを使ってVHおよびVL断片 をPCR増幅せしめた(実施例2参照)。得られたPCR生成物を、対応するB3 (Fv)のVHもしくはVL領域またはその両方と置き換える「ドメインシャッフリン グ(領域の入替え;domain shuffling)」スキームにおいて「プライマー」とし て使い、B3VH-B5VL,B5VH-B3VLおよびB5Fvを有する一本鎖Fv−毒素発現プラス ミドを作製した(図 9)。鋳型−プライマーの伸長、連結、形質転換およびクローンの分析は実施例 2と4に記載される。この手順は、B3のVH領域もしくはVL領域のいずれかがB5 からの対応する領域により置換された、E.コリ中での発現用プラスミドの作製 をもたらした(図9)。 加えて、別々にまたは一緒にVL変異M4LおよびS7Tを有するB3(Fv)−PE3 8誘導体を発現するプラスミドを部位特異的突然変異誘発〔Kunkel他,Proc.Nat l.Acad.Sci.USA,82:488-492(1985)〕により調製した。加えて、別々にまた は一緒にVL変異M4LおよびS7Rを有するB3(Fv)−PE38誘導体を発現する類 似プラスミドを、オリゴヌクレオチドプライマーを使って部位特異的突然変異誘 発により調製した。 B3(Fv)−PE38,B5VH-B5VL−PE38,B5VH-B3VL−PE38,B5(Fv)−PE38または変異 型B3(Fv)−PE38をコードするプラスミドを発現させ、そして実施例6に記載した ようにして融合タンパク質を精製した。典型的には95%以上純粋である単量体タ ンパク質が回収された。B)組換え免疫毒素の特異的細胞障害活性 実施例8に記載したのと同様に、Brinkmann 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA ,88: 8616-8620(1991)の方法に従って、0.2 %BSAを含むリン酸塩緩衝化塩 溶液(PBS)中の免疫毒素の系列希釈液で処理した後の様々なヒト癌細胞系に よる〔3H〕−ロイシンの取り込みを測定することにより、B3(Fv)-PE38 とそれ の類似体の細胞障害活性を測定した。 モノクローナル抗体B3を強力に結合するA431細胞に対して試験した時、B3(Fv) -PE38 は2時間または20時間インキュベーション後にそれぞれ2.8 ng/mlと2.0 n g/mlのIC50を有する。B3VH-B5VL-PE38とB3(Fv)-PE38 VL: M4L S7T はより活性で あり、2時間または20時間インキュベーション後にそれぞれ0.6 ng/ml と0.3 ng /ml の同じ IC50を有する。B5(Fv)-PE38 はずっと低活性であり、2時間または20時間インキ ュベーション後にそれぞれ120 ng/ml と20 ng/mlのIC50を有する。B5VH-B3VL-PE 38 は2時間または20時間インキュベーション後にそれぞれ200 ng/ml と120 ng/ ml のIC50を有する(データは示してない)。C)組換え免疫毒素の安定性 B3VH-B5VL-PE38 とB3(Fv)-PE38;VL M4L S7Tの安定性を、実施例9に記載した ような37℃での凝集および不活性化のレベルの測定により試験し、それらをB3(F v)-PE38 のものと比較した。3つの免疫毒素は全て、37℃でのインキュベーショ ン前は理論上単量体であった。37℃でPBS中での1時間のインキュベーション 後、B3VH-B5VL-PE38とB3(Fv)-PE38 VL:M4L S7Tの約半分が凝集し、そしてB3(Fv) -PE38 は約75%凝集した。37℃でPBS中での2時間のインキュベーション後に は、B3VH-B5VL-PE38とB3(Fv)-PE38 VL: M4LS7T の60%が凝集し、そしてB3(Fv)- PE38 は>80%凝集した。37℃でPBS中での4時間のインキュベーション後に は、B3VH-B5VL-PE 38とB3(Fv)-PE38 VL:M4L S7Tの約80%が凝集し、そしてB3(Fv )-PE38 はほとんど完全に凝集した。 それらの免疫毒素の細胞障害活性を図10に示す。PBS中37℃で1時間のイン キュベーション後、B3(Fv)-PE38 は処理前の細胞障害活性の25%である8 ng/ml のIC50を有した。PBS中37℃で2時間のインキュベーション後、それは処理前 の細胞障害活性の約1%である200 ng/ml のIC50を有した。PBS中37℃で1時 間後のB3VH-B5VL-PE38とB3(Fv)-PE38 VL:M4L S7Tはそれらの処理前の活性と同様 であった。2時間後、それらは処理前の細胞障害活性の12%である3.5 ng/mlのI C50を示した。。 キメラ体と変異体のIC50が低いのは、両者が野性型B3(Fv)-PE38 よりも安定であるという事実により説明することができる。この改善された安定 性は、37℃でPBS中でインキュベーションした時の凝集の遅さと細胞障害活性 の損失の少なさから明白であった。B3(Fv)-PE38 単量体はごく少数しか2時間イ ンキュベーションから生き残れないが、安定化された変異体は長期間生き残る。 これは、A431細胞が2時間の代わりに20時間B3(Fv)-PE38 に暴露されてもB3(Fv) -PE38 の細胞障害活性はごくわずかしか増加しないが、一方で安定化された変異 体はA431細胞との2時間のインキュベーションに比較して20時間インキュベーシ ョンした時に3倍の増加を示すという事実と互いに関係がある。 部位特異的突然変異誘発を使って、B3とB5で異なる3つのVL残基のどれ が安定化効果をもたらした原因であるかを同定した。B3 VH-B5VL-PE38 とB3(Fv) -PE38:VL M4L S7T(4番目のCDR1残基のところだけがキメラ体と異なる)はアッ セイで全く同じ性質を有していたので、そのCDR 残基が安定化する残基ではない 。別々にVL M4LまたはVL S7T 変異を有するB3(Fv)-PE38 誘導体の分析は、VLメ チオニン4からロイシンへの置換がB3VH-B5VL-PE38 組合せと同じくらいに免疫 毒素を安定化し、VLセリン7からスレオニンへの置換は全く安定化効果がない ことを示した(データは示してない)。 BioCore 装置を使った結合研究は、B3(Fv)-PE38:VL M4L S7T はB3(Fv)-PE38 のものと同様なオフ速度(off rate)を有する(それぞれ0.0023と0.0021)が、 オン速度(on rate)は異なる(それぞれ1150と984)ことを示した。見かけのK d はB3(Fv)-PE38 が2.33×10-6であり、B3(Fv)-PE38:VL M4L S7T が1.84×10-6 である。このデータは125I B3 IgG との競合により得られた結合データと相関す る。 実施例13 B3(Fv) 抗体のヒト型化 「フレームワーク交換」の方法によりB3(Fv)をヒト型化した。下記に詳細に説 明するように、重鎖と軽鎖の可変領域をヒト抗体配列と整列させ、そして各領域 をそれの最良のヒト相同体と比較することにより、マウスB3とそれのヒト相同体 とで異なるフレームワーク残基を同定した。VH中の11個のフレームワーク残基 そしてVL中の8個のフレームワーク残基を部位特異的突然変異誘発によりヒト 残基に変更し、予め組み立ておいた一本鎖Fv(scFv)発現カセットの中に同時 に導入した。A)ヒト化のための残基の同定 モノクローナル抗体McPC603 の可変領域の結晶構造〔Satow 他,J.Mol.Biol .,190: 593-604(1986); Abola 他,“Crystallogra-phic databases-informati on content”中の第107-132 頁,Software Systems,Scientific Application, Allen,Bergerhoff & Sievers 編,Data Comm.of the Intl.Union of Crystal logr.,Bonn(1987); Protein Data bank Entry IMCP〕に基づいてB3(Fv)の構造模 型を作成し、それをプログラムCHARMM 〔Brooks他,J.Comput.Chem.,4: 187- 217(1983)〕バージョン22を使ったエネルギー最小化演算法により変更し微調整 した。この改良模型の作成はどこかに詳しく記載されている〔Jung他,Protein Structure Function and Genetics,19: 35-47(1994)〕。FASTA プログラム( リリース27.0 10/93)〔Devereux他,Nucleic Acids Res.12: 387-395(1984)〕 を使って、B3 VHおよび VLのアミノ酸配列を独立的にSWISS-PROTデータベース中 に入っているあらゆるヒト抗体配列と整列させた。 ヒト胎児免疫グロブリン 56P1'CL〔Schroeder 他,Science,238: 791-793(1987)〕のVHは最高の全体配列一致を有し、フレームワーク領域中で高 い一致を有した。B3 VHと56P1'CL VHとの整列を図11(A)に示す。ヒトIgM GM6 07〔Klobeck 他,Nature,309: 73-76(1984)〕のVL(SWISSPROT ファイル名 sw :kv2e-human)は全体配列一致では4番目に高かったが(77.7%)、フレームワ ーク領域中で最高の一致であった。B3 VLとGM603 VLとの整列を図11(B)に示 す。異なるアミノ酸残基は図11中では配列の上の垂直線により指摘される。B3(F v)-PE38 変異体を使った実験(Benhar,未発表)と構造模型を使ったB3Fvの分析 に基づいて、VHの第1,3,19,24,89および91位並びにVLの第2,3および41位 のマウス残基を保存することを決定した〔Kabat 他,Sequences of proteins of immuno-logical interest.第5版,U.S.(1991);図11〕。それらの残基は図11 (A)と11(B)において星印(*)により示され、それらの幾つかは領域間残 基であり、他のものは隠蔽されるので、免疫学的エピトープの一部ではないと予 想される〔Padlan,Mol.Immunol.28: 489-498(1991)およびRoguska 他,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 91: 969-973(1994)〕。 選ばれたヒト抗体は相補性決定領域ループ(CDR)の配列中でもB3(Fv)との類 似性を有し且つ同じCDR 長さを有していた。このことは、それらが類似の構造グ ループに属し、そしておそらく類似したCDR ループ規準構造を有するだろうこと を更に暗示する〔Chothia他,J.Biol.Chem.227: 799-817(1992); Williams他 ,Eur.J.Immunol.23: 1456-1461(1993)〕。B)B3(Fv)-PE38 のヒト型変異体を発現するプラスミドの作製 野性型B3(Fv)-PE38 をコードするプラスミドpULI7〔図13(A)〕中のB3 VHお よびVL遺伝子セグメントを、部位特異的突然変異誘発による変更のために選んだ 。M13K07ヘルパーファージを使ったF+ 起点含有プラスミドの救済によりウラシル含有一本鎖DNAを調製し、それを部 位突然変異誘発〔Kunkel,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488-492(1985)〕の ための鋳型として使った。B3(Fv)-PE38をコードする遺伝子の完全ヌクレオチド 配列は記載されている〔Brinkmann 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88: 8616- 8620(1991)〕。使用した変異原性オリゴヌクレオチドと変異は表4に記載される 。 野性型B3(Fv)-PE38 をコードするプラスミドpULI7(図13A)中のB3 VHおよび VL遺伝子セグメントを、部位突然変異誘発により別々にヒト化した。4つのオ リゴヌクレオチドのセットを使って各セグメント中に同時に変異を導入した。こ こでそれらのオリゴヌクレオチドの大部分はマウスコドンからヒトコドンに複数 変更する。B3 VH中に導入された変異はL11VとG16R;T40A,E42GおよびR44G;A74 SとR75K;S82aN,R82bS,K83RおよびS84Aであった。得られたプラスミドはpB3HU MVH-VL-PE38(図12B)であった。B3 VL中に導入された変異はS14T,L15P,D17E およびQ18P;K45Q;L83V;S100Q とL104V であった。得られたプラスミドpB3VH- HUMVL-PE38(図12C)を、重鎖変異原性オリゴヌクレオチドセットを使った2回 めの突然変異誘発のための鋳型として使い、ヒト型B3(Fv)一本鎖免疫毒素をコー ドするプラスミドpB3HUMVH-HUMVL-PE38(図12D)を得た。変異された残基は図1 1中にそれらの番号により指摘される。C)組換えタンパク質の発現および精製 B3(Fv)-PE38 またはそれのヒト型誘導体をコードする発現プラスミドをE.コ リ株BL21(λDE3)〔Studier他,J.Mol.Biol.189: 113-130(1986)〕に導入し 、実施例6に記載したように封入体として組換えタンパク質を発現させた。上述 したような封入体タンパク質の可溶化と再生により一本鎖免疫毒素を得、次いで 実施例6に記 載したように精製した。典型的には、生成物の非還元型SDS-PAGEにより決定する と、95%以上の純度で単量体タンパク質が得られた。 D)ヒト型B3(Fv)-PE38 の細胞障害活性と結合親和力 各免疫毒素のADP−リボシル化活性を試験し、同等の酵素活性を有すること を確認した。図13(A)に示されるように、B3(Fv)−PE38とヒト型変異体は同様 なADP−リボシル化活性を有した。 B3(Fv)-PE38 およびそれのヒト型変異体の細胞障害活性は、実施例8に記載し たように様々なヒト癌細胞系を免疫毒素の系列希釈液と共にインキュベートしそ して〔3H〕−ロイシンの取り込みを測定することにより測定した。図13(B) に示されるように、B3(Fv)-PE38 は高レベルのB3抗原を発現するA431細胞に対し て1.8 ng/mlのIC50を有した。変異体B3VH-HUMVL-PE38(HUML)は同様な細胞障害 活性を有し、一方B3HUMVH-VL-PE38(HUMH)とB3-HUMVH-HUMVL-PE38(HUMH+L)は 約4.4 ng/ml のIC50を有した。 B3(Fv)-PE38 をヒト型化することが抗原特異性に変化を引き起こすかどうかを 調べるために、追加の細胞系に対して同じ細胞障害アッセイを行った。表5に示 されるように、B3(Fv)-PE38 と全てのヒト型変異体が使用細胞系に対して同じ認 識スペクトルを有した。それらの細胞系はB3抗原の発現レベルが異なっている〔 Brinkmann 他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90: 7538-7542(1993)〕。この結 果は、B3(Fv)の抗原結合特異性がヒト型化工程によって変わらないことを示す。 競合アッセイを使ったB3抗原提示細胞へのB3(Fv)-PE38 とヒト型変異体の結合 親和力の測定により、B3(Fv)免疫毒素の特異的抗原結合親和力を更に分析した。 該アッセイでは、増加する濃度の各免疫毒素を使ってA431細胞への[125I]-B3 Ig G の結合と競合させた。図13(C)に示されるように、B3(Fv)-PE38 とHUMLの両 者は1〜2μMでA431細胞への[125I]-B3 抗体の結合を50%阻害した。しかしな がら、HUMHとHUMH+Lは低親和力を有し、4〜5μMで50%競合し た。細胞障害アッセイと結合アッセイからの結果は、ヒト型B3(Fv)は抗原結合親 和力が2〜3分の1に減るという損害を受けたこと、そしてこの不利な変異はお そらくVHセグメントにあるだろうことを示す。 E)活性を回復させるためのVH残基82b の復帰変異 HUMH+Lの減少した活性を回復させるために、VH領域が部分的にヒト型化され た幾つかの変異形を細胞障害活性について試験した。VLが野性型でありそして VHの残基74,75または83位がヒト型化されたB3(Fv)-PE38 の変異体は細胞障害 活性を損失しなかったが、一方で残基74,75および82a,82b.83および84がヒト 型化された誘導体は約5〜6分の1の活性であった。B3 VH構造グループ〔マウ スIII(A)〕では、残基82a は最も普通にはアスパラギンであり、HUMH+Lにも それがある。しかしながら、82b 位にセリンが見つかることはない。更に、82b の元の残基アルギニンはヒトIgG に容認される。従って、部位特異的突然変異誘 発によりHUMH+L中の残基82b をアルギニンに変更した。得られた分子をHUMB3(Fv )-PE38と命名する。該タンパク質をほぼ均質性にまで精製し、活性および結合ア ッセイにかけた。図13(A)に示されるように、それのADP−リボシル化活性 は他の免疫毒素のものと有意には異ならなかった。更に、図13(B),図13(B )および表5に示されるように、それの細胞障害活性および抗原結合活性はHUMH +L に比べて改善され、元のB3(Fv)-PE38 免疫毒素のものと同様であった。 実施例17 B3(Fv)-PE38 で免疫処置したサルの血清との反応性 B3(Fv)-PE38 で免疫しておいたサルからの血清は、PE38に対する抗体を含み且 つB3(Fv)との反応性が低い。B3Fvのヒト型化の成功を評価するために、特定の抗 B3(Fv)-PE38 力価(Id.)を含む4体のCynomolgusサルからの血清をプールし、B3( Fv)-PE38,HUMH+LまたはHUMFv(B3HUMFv)がコーティングされたプレート上でのEL ISA アッセイに使った。分子の毒素成分に対して向けられる反応性を予備吸 着するために競合物質として過剰のPE38を含めた。図14に示されるように、抗B3 (Fv)-PE38 血清はHUMH+LとHUMFv に対する反応が共に野性型B3(Fv)-PE38 よりも 弱かった。このことはヒト型変異体には重要なB3(Fv)エピトープが無くなってい ることを示す。 上記の実施例は本発明を例証するために与えられるのであって本発明の範囲を 限定するためではない。本発明の他の変形は当業者にとって容易に明白であり、 添付の請求の範囲に包含される。この中に引用した全ての刊行物、特許および特 許出願は参考として本明細書中に組み込まれる。 実施例18 Hのチロシンからセリンへの変異は抗LeY等質抗体の 親和力を改善する 他の抗体の保存されたフレームワーク配列〔Kabat 他(1991)前掲〕とB3のア ミノ酸配列を比較すると、VHの95位のチロシンが非常に珍しいセリンに変換さ れていることがわかった。この変化の重要性を調べるために、この残基をチロシ ンにまたはフェニルアラニン(これらは他の抗体のこの位置に主として存在する アミノ酸である)に変更した。両変更は元のセリンを有する分子に比べてB3(Fv) の親和力を約10分の1に減少させることがわかった。よって、セリンは高親和性 結合に重要である。これは予想外であり且つ驚くべきことであった。というのは 、VH 95位はVH−VL界面にあり、よって結合領域でもなければそれに近くもな い(1993年6月14日に出願の一般譲渡された米国特許出願第08/077,252号を参照 のこと)からである。これはセリンの直接(接触)効果が結合に影響を及ぼすと いう可能性を排除する。セリンの効果についての最もありそうな説明は、セリン がVH−VL界面に位置し、界面接触をわずかに不 安定にするため、それがVLに関するVHの運動を可能にし、いわゆる「誘導嵌合 (induced fit)」と呼ばれる抗体結合様式〔Rini他,Science,255: 959-965(1 992)およびStanfield他,Structure,1: 83-93(1993)〕を媒介するというもの である。B3(Fv)中に見つかったVH 96のところのセリン変異がB3(Fv)の親和力だ けを増加させるのか、または、それが別のLeY結合抗体の親和力も増大させる( 多分誘導嵌合を媒介することによって)ことができるのかを分析するために、こ の変異をB5(Fv)中に導入した。B5 Fv は同様にB3 LeYを結合するが異なる抗体結 合部位を含み、その上VH 95位に[保存された」チロシンを含む。このチロシン からセリンへの変換を部位特異的突然変異誘発によって行った〔Kunkel他(1985 )前掲〕。得られたB5(Fv)-ser VH 95変異体分子(B5(Fv):VH Y95Sと命名)は、 細胞障害性アッセイにより分析すると特異的結合活性の4倍増加を示した。それ から(相対)親和力を推定することができる。よって、VHのチロシン→セリン9 5変異は、B3(Fv)の親和力を増加させるだけでなく他のLeY結合抗体および多分他 の抗体の親和力も増加させる。ser 95が親和力の増加を引き起こすメカニズムは 多分誘導嵌合結合の促進であるので、誘導嵌合が抗体と抗原との相互作用の増加 をもたらすような場合、この変異は別の抗体の親和力も増加させることができる と期待される。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年10月22日 【補正内容】 請求の範囲 1.一本鎖融合タンパク質をコードする組換えDNA分子であって、 a)抗体の軽鎖と重鎖の両Fv領域をコードするDNA配列;および b)シュードモナス(Pseudomonas)外毒素分子またはそれの毒性部分をコー ドするDNA配列 を含んで成り、前記融合タンパク質がB1およびB5から成る群より選ばれたモ ノクローナル抗体の結合特異性を有することを特徴とする前記組換えDNA分子 。 2.前記シュードモナス外毒素分子がPE38,PE40,PE38KDELおよびPE38REDLか ら成る群より選ばれる、請求項1に記載の組換えDNA分子。 3.前記抗体がB1およびB5から成る群より選ばれる、請求項1に記載の組 換えDNA分子。 4.前記分子がB1(Fv)-PE38 およびB5(Fv)-PE38 から成る群より選ばれた融合 タンパク質をコードする、請求項1に記載の組換えDNA分子。 5.一本鎖抗体をコードする組換えDNA分子であって、抗体の軽鎖と重鎖の 両Fv領域をコードするDNA配列を含んで成り、前記DNA配列が組換え融合 されて単一分子を形成し、そして前記抗体がB1およびB5から成る群より選ば れたモノクローナル抗体の結合特異性を有することを特徴とする、前記組換えD NA分子。 6.前記抗体がB1およびB5から成る群より選ばれる、請求項5に記載の組 換えDNA分子。 7.一本鎖融合タンパク質をコードする組換えDNA分子であっ て、 a)第一の抗体の重鎖のFv領域をコードするDNA配列; b)第二の抗体の軽鎖のFv領域をコードするDNA配列;および c)シュードモナス(Pseudomonas )外毒素分子またはそれの部分をコードす るDNA配列 を含んで成り、前記第一の抗体と第二の抗体のうちの一方がB1でありそして他 方がB5であり、前記DNA配列が組換え融合されて単一分子を形成し、そして 前記融合タンパク質がLewisY糖質抗原に特異的に結合することを特徴とする、前 記組換えDNA分子。 8.前記シュードモナス外毒素分子がPE38,PE40,PE38KDELおよびPE38REDLか ら成る群より選ばれる、請求項7に記載の組換えDNA分子。 9.前記DNA分子が融合タンパク質B5VH-B3VL-PE38 またはB3VH-B5VL-PE38 をコードする、請求項7に記載の組換えDNA分子。 10.一本鎖抗体をコードする組換えDNA分子であって、 a)第一の抗体の重鎖のFv領域をコードするDNA配列;および b)第二の抗体の軽鎖のFv領域をコードするDNA配列を含んで成り、前記 第一の抗体と第二の抗体がB1,B3およびB5から成る群より選ばれた異なる 抗体であり、更に前記DNA配列が組換え融合されて単一分子を形成し、そして 前記一本鎖抗体がLewisY糖質抗原に結合することを特徴とする、前記組換えDN A分子。 11.前記DNA分子が抗体Fv B5VH-B3VLまたはFv B3VH-B5VLをコードする、請 求項10に記載の組換えDNA分子。 12.一本鎖融合タンパク質をコードする組換えDNA分子であっ て、 i)B1,B3およびB5から成る群より選ばれた抗体の重鎖と軽鎖の両方の ヒト型Fv領域をコードするDNA配列;および ii)シュードモナス(Pseudomonas )外毒素分子またはそれの部分をコードす るDNA配列を含んで成り、前記DNA配列が組換え融合されて単一分子を形成 することを特徴とする前記組換えDNA分子。 13.前記DNA配列が、図11A中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有す るヒト型可変重鎖を含んで成るFv領域をコードする、請求項12に記載の組換え DNA分子。 14.前記DNA配列が、図11B中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配列を有す るヒト型可変軽鎖を含んで成るFv領域をコードする、請求項12に記載の組換え DNA分子。 15.前記DNA配列が、図11A中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有す るヒト型可変重鎖と図11B中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配列を有するヒト 型可変軽鎖とを含んで成るFv領域をコードする、請求項12に記載の組換えDN A分子。 16.前記DNA配列が、図11A中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有す るがただし該配列は図11A中の82b で示された位置の前記可変重鎖中にアルギニ ンを有するヒト型可変重鎖を含んで成るFv領域をコードする、請求項12に記載 の組換えDNA分子。 17.抗体の軽鎖と重鎖の両方のヒト型Fv領域をコードする組換えDNA分子 であって、前記抗体がB1,B3およびB5から成る群より選ばれたモノクロー ナル抗体である、前記組換えDNA分子。 18.前記DNA配列が、図11A中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有す るヒト型可変重鎖を含んて成るFv領域をコードする、請求項17に記載の組換え DNA分子。 19.前記DNA配列が、図11B中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配列を有す るヒト型可変軽鎖を含んで成るFv領域をコードする、請求項17に記載の組換え DNA分子。 20.前記DNA配列が、図11A中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有す るヒト型可変重鎖と図11B中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配列を有するヒト 化可変軽鎖とを含んで成るFv領域をコードする、請求項17に記載の組換えDN A分子。 21.前記DNA配列が、図11A中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有す るがただし図11A中の82b で示された位置の前記可変重鎖中にアルギニンを有す るヒト型可変重鎖を含んで成るFv領域をコードする、請求項17に記載の組換え DNA分子。 22.請求項1〜21のいずれか一項に記載のDNA分子によりコードされる一本 鎖タンパク質。 23.医薬上許容される担体と共に、腫瘍細胞の増殖を抑制するのに十分な濃度 で、組換え生産された一本鎖融合タンパク質を含んで成る医薬組成物であって、 前記融合タンパク質が a)抗体の一本鎖Fv領域であって前記抗体のVH領域とVL領域を含んで成る Fv領域;および b)シュードモナス(Pseudomonas )外毒素分子またはそれの部分 を含んで成り、前記Fv領域と前記シュードモナス外毒素分子が組換え融合され てB1およびB5から成る群より選ばれたモノクローナル抗体の結合特異性を有 する単一分子を形成することを特徴とする、前記組成物。 24.前記シュードモナス外毒素分子がPE38,PE40,PE38KDELおよびPE38REDLか ら成る群より選ばれる、請求項23に記載の組成物。 25.前記抗体がB1またはB5である、請求項23に記載の組成物。 26.医薬上許容される担体と共に、腫瘍の増殖を抑制するのに十分な濃度で、 組換え生産された一本鎖融合タンパク質を含んで成る医薬組成物であって、前記 融合タンパク質が a)第一の抗体の重鎖のFv領域; b)第二の抗体の軽鎖のFv領域;および c)シュードモナス(Pseudomonas )外毒素分子またはそれの部分 を含んで成り、前記第一の抗体と第二の抗体がB1,B3およびB5から成る群 より選ばれた異なる抗体であり、そして前記Fv領域と前記シュードモナス外毒 素分子が組換え融合されてLewisY糖質抗原を有する細胞に特異的に結合すること を特徴とする、前記組成物。 27.医薬上許容される担体と共に、腫瘍の増殖を抑制するのに十分な濃度で、 組換え生産された一本鎖融合タンパク質を含んで成る医薬組成物であって、前記 融合タンパク質が a)抗体の軽鎖と重鎖の両方のヒト型Fv領域であって前記抗体がB1,B3 およびB5から成る群より選ばれたモノクローナル抗体であるヒト型Fv領域; および ii)シュードモナス(Pseudomonas )外毒素分子またはそれの部分 を含んで成り、前記Fv領域と前記シュードモナス外毒素分子が組換えにより融 合されてB1,B3およびB5から成る群より選ばれたモノクローナル抗体の結 合特異性を有する単一分子を形成することを特徴とする、前記組成物。 28.前記シュードモナス外毒素分子がPE38,PE40,PE38KDELおよびPE38REDLか ら成る群より選ばれる、請求項27に記載の組成物。 29.前記ヒト型Fv領域がヒト型B3(Fv)領域である、請求項27に 記載の組成物。 30.患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞の存在または不在を検出する方 法であって、次の段階: a)前記患者から組織または液体試料を採取し; b)前記試料に抗体を添加し、ここで前記抗体は抗体の軽鎖と重鎖の両方のF v領域を含んで成り且つ前記抗体はB1およびB5から成る群より選ばれたモノ クローナル抗体の結合特異性を有し;そして c)前記抗体と前記抗原との結合複合体の存在または不在を検出する を含んで成る方法。 31.患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞を致死させるかまたはその増殖 を抑制する方法であって、前記細胞を致死させるかまたは前記細胞の増殖を抑制 するのに十分な量で、a)抗体の軽鎖と重鎖の両方のFv領域;および b)シュードモナス(Pseudomonas )外毒素分子またはそれの部分 を含んで成る組成物を前記患者に投与することを含んで成り、ここで前記Fv領 域と前記シュードモナス外毒素分子が組換え融合されてB1およびB5から成る 群より選ばれたモノクローナル抗体の結合特異性を有する単一分子を形成するこ とを特徴とする方法。 32.患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞の存在または不在を検出する方 法であって、次の段階: a)前記患者から組織または液体試料を採取し; b)前記試料に抗体を添加し、ここで前記抗体は i)第一の抗体の重鎖のFv領域;および ii)第二の抗体の軽鎖のFv領域 を含んで成り、ここで前記前記第一の抗体と第二の抗体はB1,B3およびB5 から成る群より選ばれた異なるモノクローナル抗体でありそして前記Fv領域が 組換え融合されてLewisY糖質抗原に特異的に結合する単一分子を形成し;そして c)前記抗体と前記抗原との結合複合体の存在または不在を検出する を含んで成る方法。 33.患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞を致死させるかまたはその増殖 を抑制する方法であって、前記細胞を致死させるかまたは前記細胞の増殖を抑制 するのに十分な量で、 a)第一の抗体の重鎖のFv領域; b)第二の抗体の軽鎖のFv領域;および c)シュードモナス(Pseudomonas )外毒素分子またはそれの部分 を含んで成る組成物であって前記第一の抗体と第二の抗体がB1,B3およびB 5から成る群より選ばれた異なるモノクローナル抗体でありそして前記Fv領域 が組換え融合されてLewisY糖質抗原に特異的に結合する単一分子を形成すること を特徴とする組成物を、前記患者に投与する段階を含んで成る方法。 34.患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞の存在または不在を検出する方 法であって、次の段階: a)前記患者から組織または液体試料を採取し; b)前記試料に抗体を添加し、ここで前記抗体は抗体の軽鎖と重鎖の両方のヒ ト型Fv領域を含んで成り、前記抗体はB1,B3およびB5から成る群より選 ばれたモノクローナル抗体であり、そしで前記Fv領域は組換え融合されてB1 ,B3およびB5から成る群より選ばれたモノクローナル抗体の結合親和性を有 する単一分子 を形成し;そして c)前記抗体と前記抗原との結合複合体の存在または不在を検出する を含んで成る方法。 35.患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞を致死させるかまたはその増殖 を抑制する方法であって、前記細胞を致死させるかまたは前記細胞の増殖を抑制 するのに十分な量で、 a)抗体の軽鎖と重鎖の両方のヒト型Fv領域であって、前記抗体がB1,B 3およびB5から成る群より選ばれたモノクローナル抗体であり、前記両Fv領 域が組換え融合されてB1,B3およびB5から成る群より選ばれたモノクロー ナル抗体の結合特異性を有する単一分子を形成する、ヒト型Fv領域;および b)シュードモナス(Pseudomonas )外毒素分子またはそれの部分 を含んで成る組成物を、前記患者に投与することを含んで成る方法。 36.VHの第95位のところにセリンを欠いている抗体の結合親和力を改善する 方法であって、VHの第95位のアミノ酸をセリンで置き換えることを含んで成る 方法。 37.前記抗体がLeY結合抗体である、請求項36に記載の方法。 38.VHの第95位の前記アミノ酸がチロシンである、請求項36に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 16/30 C07K 16/30 16/40 16/40 C12P 21/02 C12P 21/02 C G01N 33/574 G01N 33/574 B //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:38) (31)優先権主張番号 08/331,398 (32)優先日 1995年10月28日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES ,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,TJ,TM,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 パドラン,エドゥアード エー. アメリカ合衆国,メリーランド 20895, ケンシントン,シムズ ドライブ 4006 (72)発明者 ジュン,スン−ヒー アメリカ合衆国,メリーランド 20852, ロックビル,コングレッショナル レーン #206 259 (72)発明者 リー,ビュンクック アメリカ合衆国,メリーランド 20854, ポトマック,サンディ ランディング ロ ード 10711 (72)発明者 ウィリンハム,マーク アメリカ合衆国,サウスカロライナ 29483,サマービル,キンバーウィック ドライブ 108 (72)発明者 フィッツジェラルド,デビット アメリカ合衆国,メリーランド 20850, ロックビル,アザリー ドライブ 1202 (72)発明者 ブリンクマン,ウルリッヒ アメリカ合衆国,メリーランド 20895, ケンシントン,エベレット ストリート 4404 (72)発明者 パイ,リー アメリカ合衆国,メリーランド 20906, シルバー スプリング,ティボリ レイク ストリート 34

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.一本鎖融合タンパク質をコードする組換えDNA分子であって、 a)抗体の軽鎖と重鎖の両Fv領域をコードするDNA配列;および b)エフェクター分子をコードするDNA配列 を含んで成り、前記融合タンパク質がB1,B3およびB5から成る群より選ば れたモノクローナル抗体の結合特異性を有することを特徴とする前記組換えDN A分子。 2.前記エフェクター分子がシュードモナス(Pseudomonas )外毒素である、 請求項1の組換えDNA分子。 3.前記エフェクター分子がPE38,PE40,PE38KDELおよびPE38REDLから成る群 より選ばれる、請求項2の組換えDNA分子。 4.前記抗体がB1である、請求項1の組換えDNA分子。 5.前記抗体がB3である、請求項1の組換えDNA分子。 6.前記抗体がB5である、請求項1の組換えDNA分子。 7.前記分子がB1(Fv)-PE38,B3(Fv)-PE38,B3(Fv)-PE40,B3(Fv)-PE38KDEL, B3(Fv)-PE38REDLおよびB5(Fv)-PE38 から成る群より選ばれた融合タンパク質を コードする、請求項1の組換えDNA分子。 8.組換え生産された一本鎖融合タンパク質であって、 a)抗体の軽鎖と重鎖の両Fv領域;および b)エフェクター分子 を含んで成り、前記Fv領域と前記エフェクター分子が組換え融合されてB1, B3およびB5から成る群より選ばれたモノクローナル抗体の結合特異性を有す る一本鎖分子を形成する、前記融合タンパク質。 9.前記エフェクター分子がシュードモナス(Pseudomonas )外毒素分子であ る、請求項8の融合タンパク質。 10.前記エフェクター分子がPE38,PE40,PE38KDELおよびPE38REDLから成る群 より選ばれる、請求項9の融合タンパク質。 11.前記抗体がB1である、請求項8の融合タンパク質。 12.前記抗体がB3である、請求項8の融合タンパク質。 13.前記抗体がB5である、請求項8の融合タンパク質。 14.前記融合タンパク質がB1(Fv)-PE38,B3(Fv)-PE38,B3(Fv)-PE40,B3(Fv)- PE38KDEL,B3(Fv)-PE38REDLおよびB5(Fv)-PE38 から成る群より選ばれる、請求 項8の融合タンパク質。 15.一本鎖抗体をコードする組換えDNA分子であって、抗体の軽鎖と重鎖の 両Fv領域をコードするDNA配列を含んで成り、前記DNA配列が組換え融合 されて単一分子を形成し、そして前記融合タンパク質がB1,B3およびB5か ら成る群より選ばれたモノクローナル抗体の結合特異性を有する、前記組換えD NA分子。 16.前記抗体がB1である、請求項15の組換えDNA分子。 17.前記抗体がB3である、請求項15の組換えDNA分子。 18.前記抗体がB5である、請求項16の組換えDNA分子。 19 組換え生産された一本鎖抗体であって、抗体の軽鎖と重鎖の両Fv領域を 含んで成り、前記軽鎖と前記重鎖が組換え融合されてB1,B3およびB5から 成る群より選ばれたモノクローナル抗体の結合特異性を有する単一分子を形成す る、前記一本鎖抗体。 20.前記抗体がB1である、請求項19の一本鎖抗体。 21.前記抗体がB3である、請求項19の一本鎖抗体。 22.前記抗体がB5である、請求項19の一本鎖抗体。 23.医薬上許容される担体と共に、腫瘍細胞の増殖を抑制するのに十分な濃度 で、組換え生産された一本鎖融合タンパク質を含んで 成る医薬組成物であって、前記融合タンパク質が a)抗体の一本鎖Fv領域であって前記抗体のVH領域とVL領域を含んで成る Fv領域;および b)エフェクター分子 を含んで成り、前記Fv領域と前記エフェクター分子が組換え融合されてB1, B3およびB5から成る群より選ばれたモノクローナル抗体の結合特異性を有す る単一分子を形成することを特徴とする、前記組成物。 24.前記エフェクター分子がシュードモナス(Pseudomonas )外毒素である、 請求項23の組成物。 25.前記エフェクター分子がPE38,PE40,PE38KDELおよびPE38REDLから成る群 より選ばれる、請求項24の組成物。 26.前記抗体がB1である、請求項25の組成物。 27.前記抗体がB3である、請求項25の組成物。 28.前記抗体がB5である、請求項25の組成物。 29.患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞の存在または不在を検出する方 法であって、次の段階: a)前記患者から組織または液体試料を採取し; b)前記試料に抗体を添加し、ここで前記抗体は抗体の軽鎖と重鎖の両方のF v領域を含んで成り且つ前記抗体はB1,B3およびB5から成る群より選ばれ たモノクローナル抗体の結合特異性を有し;そして c)前記抗体と前記抗原との結合複合体の存在または不在を検出する を含んで成る方法。 30.患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞を致死させるかまたはその増殖 を抑制する方法であって、前記細胞を致死させるか または前記細胞の増殖を抑制するのに十分な量で、 a)抗体の軽鎖と重鎖の両方のFv領域;および b)エフェクター分子 を含んで成る組成物を前記患者に投与することを含んで成り、ここで前記Fv領 域と前記エフェクター分子が組換え融合されてB1,B3およびB5から成る群 より選ばれたモノクローナル抗体の結合特異性を有する単一分子を形成すること を特徴とする方法。 31.VHの第95位のところにセリンを欠いている抗体の結合親和力を改善する 方法であって、VHの第95位のアミノ酸をセリンで置き換えることを含んで成る 方法。 32.前記抗体がLeY結合抗体である、請求項31の方法。 33.VHの第95位の前記アミノ酸がチロシンである、請求項31の方法。 34.一本鎖融合タンパク質をコードする組換えDNA分子であって、 a)抗体の軽鎖と重鎖の両Fv領域をコードするDNA配列であって前記Fv 領域がB3(Fv): VL M4L,B3(Fv): VL S7TおよびB3(Fv): V LM4L S7T から成る群 より選ばれるDNA配列;および b)エフェクター分子をコードするDNA配列 を含んで成る前記組換えDNA分子。 35.組換え生産された一本鎖融合タンパク質であって、 a)抗体の軽鎖と重鎖の両Fv領域であってB3(Fv): VL M4L,B3(Fv): VL S7T およびB3(Fv): VL M4L S7T から成る群より選ばれるFv領域;および b)エフェクター分子 を含んで成る融合タンパク質。 36.一本鎖抗体をコードする組換えDNA分子であって、抗体の 軽鎖と重鎖の両Fv領域をコードするDNA配列を含んで成り、前記DNA配列 が組換え融合されて単一分子を形成し、そして前記Fv領域がB3(Fv): VL M4L, B3(Fv): VL S7TおよびB3(Fv): VL M4L S7T から成る群より選ばれる、前記組換 えDNA分子。 37.抗体の軽鎖と重鎖の両Fv領域を含んで成る組換え生産された一本鎖抗体 であって、前記Fv領域がB3(Fv): VL M4L,B3(Fv): VL S7T およびB3(Fv): VL M4L S7T から成る群より選ばれる、前記一本鎖抗体。 38.一本鎖融合タンパク質をコードする組換えDNA分子であって、 a)第一の抗体の重鎖のFv領域をコードするDNA配列; b)第二の抗体の軽鎖のFv領域をコードするDNA配列; および c)エフェクター分子をコードするDNA配列 を含んで成り、前記第一の抗体と第二の抗体が異なる抗体であり、前記DNA配 列が組換え融合されて単一分子を形成し、そして前記融合タンパク質がLewisY糖 質抗原に特異的に結合することを特徴とする、前記組換えDNA分子。 39.前記エフェクター分子がシュードモナス(Pseudomonas )外毒素である、 請求項38の組換えDNA分子。 40.前記エフェクター分子がPE38,PE40,PE38KDELおよびPE38REDLから成る群 より選ばれる、請求項39の組換えDNA分子。 41.前記第一の抗体がB1,B3およびB5から成る群より選ばれる、請求項 38の組換えDNA分子。 42.前記第二の抗体がB1,B3およびB5から成る群より選ばれる、請求項 38の組換えDNA分子。 43.前記DNA分子が融合タンパク質B5VH-B3VL-PE38をコードする、請求項42 の組換えDNA分子。 44.前記DNA分子が融合タンパク質B3VH-B5VL-PE38をコードする、請求項7 に記載の組換えDNA分子。 45.組換え生産された一本鎖融合タンパク質であって、 a)第一の抗体の重鎖のFv領域; b)第二の抗体の軽鎖のFv領域;および c)エフェクター分子 を含んで成り、前記第一の抗体と第二の抗体が異なる抗体であり、そして前記F v領域と前記エフェクター分子が組換え融合されてLewisY糖質抗原に特異的に結 合する単一分子を形成することを特徴とする、前記融合タンパク質。 46.前記エフェクター分子がシュードモナス(Pseudomonas )外毒素である、 請求項45の融合タンパク質。 47.前記エフェクター分子がPE38,PE40,PE38KDELおよびPE38REDLから成る群 より選ばれる、請求項46の組換えDNA分子。 48.前記第一の抗体がB1,B3およびB5から成る群より選ばれる、請求項 45の融合タンパク質。 49.前記第二の抗体がB1,B3およびB5から成る群より選ばれる、請求項 45の融合タンパク質。 50.前記DNA分子が融合タンパク質B5VH-B3VL-PE38をコードする、請求項45 の融合タンパク質。 51.前記DNA分子が融合タンパク質B3VH-B5VL-PE38をコードする、請求項45 の融合タンパク質。 52.一本鎖抗体をコードする組換えDNA分子であって、 a)第一の抗体の重鎖のFv領域をコードするDNA配列;および b)第二の抗体の軽鎖のFv領域をコードするDNA配列を含んで成り、前記 第一の抗体と第二の抗体が異なる抗体であり、更に前記DNA配列が組換え融合 されて単一分子を形成し、そして前記一本鎖抗体がLewisY糖質抗原に結合するこ とを特徴とする、前記組換えDNA分子。 53.前記第一の抗体がB1,B3およびB5から成る群より選ばれる、請求項 52の組換えDNA分子。 54.前記第二の抗体がB1,B3およびB5から成る群より選ばれる、請求項 52の組換えDNA分子。 55.前記DNA分子が抗体Fv B5VH-B3VLをコードする、請求項54の組換えDN A分子。 56.前記DNA分子が抗体Fv B3VH-B5VLをコードする、請求項54の組換えDN A分子。 57.一本鎖抗体であって、 a)第一の抗体の重鎖のFv領域;および b)第二の抗体の軽鎖のFv領域 を含んで成り、前記第一の抗体と第二の抗体が異なる抗体であり、そして前記重 鎖と前記軽鎖が組換え融合されてLewisY糖質抗原に特異的に結合する単一分子を 形成することを特徴とする、前記抗体。 58.前記第一の抗体がB1,B3およびB5から成る群より選ばれる、請求項 57の抗体。 59.前記第二の抗体がB1,B3およびB5から成る群より選ばれる、請求項 57の抗体。 60.前記抗体がFv B5VH-B3VLである、請求項59の抗体。 61.前記抗体がFv B3VH-B5VLである、請求項59の抗体。 子。 62.医薬上許容される担体と共に、腫瘍の増殖を抑制するのに十 分な濃度で、組換え生産された一本鎖融合タンパク質を含んで成る医薬組成物で あって、前記融合タンパク質が a)第一の抗体の重鎖のFv領域; b)第二の抗体の軽鎖のFv領域;および c)エフェクター分子 を含んで成り、前記第一の抗体と第二の抗体が異なる抗体であり、そして前記F v領域と前記エフェクター分子が組換え融合されてLewisY関連糖質抗原を有する 細胞に特異的に結合することを特徴とする、前記組成物。 63.患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞の存在または不在を検出する方 法であって、次の段階: a)前記患者から組織または液体試料を採取し; b)前記試料に抗体を添加し、ここで前記抗体は i)第一の抗体の重鎖のFv領域;および ii)第二の抗体の軽鎖のFv領域 を含んで成り、ここで前記前記第一の抗体と第二の抗体が異なる抗体でありそ して前記Fv領域が組換え融合されてLewisY糖質抗原に特異的に結合する単一分 子を形成し;そして c)前記抗体と前記抗原との結合複合体の存在または不在を検出する を含んで成る方法。 64.患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞を致死させるかまたはその増殖 を抑制する方法であって、前記細胞を致死させるかまたは前記細胞の増殖を抑制 するのに十分な量で、 a)第一の抗体の重鎖のFv領域; b)第二の抗体の軽鎖のFv領域;および c)エフェクター分子 を含んで成る医薬組成物であって前記第一の抗体と第二の抗体が異なるモノクロ ーナル抗体でありそして前記Fv領域と前記エフェクター分子が組換え融合され てLewisY糖質抗原に特異的に結合する単一分子を形成することを特徴とする医薬 組成物を、前記患者に投与する段階を含んで成る方法。 65.一本鎖融合タンパク質をコードする組換えDNA分子であって、 a)B1,B3およびB5から成る群より選ばれた抗体の重鎖と軽鎮の両方の ヒト型Fv領域をコードするDNA配列;および b)エフェクター分子をコードするDNA配列 を含んで成り、前記第一の抗体と第二の抗体が異なる抗体であり、更に前記DN A配列が組換え融合されて単一分子を形成し、そして前記一本鎖抗体がLewisY糖 質抗原に結合することを特徴とする、前記組換えDNA分子。 66.前記DNA配列が、図11中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有する ヒト型可変重鎖を含んで成るFv領域をコードする、請求項65の組換えDNA分 子。 67.前記DNA配列が、図11中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配列を有する ヒト型可変軽鎖を含んで成るFv領域をコードする、請求項65の組換えDNA分 子。 68.前記DNA配列が、図11中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有する ヒト型可変重鎖と図11中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配列を有するヒト型可 変軽鎖とを含んで成るFv領域をコードする、請求項65の組換えDNA分子。 69.前記DNA配列が、図11A中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有す るがただし該配列は図11中の82b で示された位置の前記可変重鎖中にアルギニン を有するヒト型可変重鎖を含んで成るF v領域をコードする、請求項65の組換えDNA分子。 70.前記エフェクター分子がシュードモナス(Pseudomonas )外毒素である、 請求項65の組換えDNA分子。 71.前記エフェクター分子がPE38,PE40,PE38KDELおよびPE38REDLから成る群 より選ばれる、請求項70の組換えDNA分子。 72.一本鎖融合タンパク質であって、 a)B1,B3およびB5から成る群より選ばれた抗体の軽鎖と重鎖の両方の ヒト型Fv領域;および b)エフェクター分子 を含んで成り、前記ヒト型Fv領域と前記エフェクター分子が組換え融合されて 単一分子を形成する、前記融合タンパク質。 73.前記タンパク質のFv領域が、図11中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配 列を有するヒト型可変重鎖を含んで成る、請求項72の融合タンパク質。 74.前記タンパク質のFv領域が、図11中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配 列を有するヒト型可変軽鎖を含んで成る、請求項72の融合タンパク質。 75.前記タンパク質のFv領域が、図11のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列 を有するヒト型可変重鎖と図11中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配列を有する ヒト化可変軽鎖とを含んで成る、請求項72の融合タンパク質。 76.前記タンパク質のFv領域DNA配列が、図11中のHumB3VHと命名された アミノ酸配列を有するがただし図11中の82b で示された位置の可変重鎖中のセリ ンがアルギニンにより置換されているアミノ酸配列を有するヒト型可変重鎖を含 んで成る、請求項72の融合タンパク質。 77.前記エフェクター分子がシュードモナス(Pseudomonas )外 毒素である、請求項72の融合タンパク質。 78.前記シュードモナス外毒素がPE38,PE40,PE38KDELおよびPE38REDLである 、請求項77の融合タンパク質。 79.抗体の軽鎖と重鎖の両方のヒト型Fv領域をコードする組換えDNA分子 であって、前記抗体がB1,B3およびB5から成る群より選ばれたモノクロー ナル抗体である、前記組換えDNA分子。 80.前記DNA配列が、図11中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有する ヒト型可変重鎖を含んで成るFv領域をコードする、請求項79の組換えDNA分 子。 81.前記DNA配列が、図11中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配列を有する ヒト型可変軽鎖を含んで成るFv領域をコードする、請求項79の組換えDNA分 子。 82.前記DNA配列が、図11中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有する ヒト型可変重鎖と図11中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配列を有するヒト型可 変軽鎖とを含んで成るFv領域をコードする、請求項79の組換えDNA分子。 83.前記DNA配列が、図11中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有する がただし該配列は図11中の82b で示された位置の前記可変重鎖中にアルギニンを 有するヒト型可変重鎖を含んで成るFv領域をコードする、請求項79の組換えD NA分子。 84.抗体の軽鎖と重鎖の両方のヒト型Fv領域を含んで成る組換え生産された タンパク質であって、前記抗体がB1,B3およびB5から成る群より選ばれた モノクローナル抗体である、前記タンパク質。 85.前記タンパク質が、図11中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有する ヒト型可変重鎖を含んで成る、請求項84のタンパク質。 86.前記タンパク質が、図11中のHumB3VLと命名されたアミノ酸 配列を有するヒト型可変軽鎖を含んで成る、請求項84のタンパク質。 87.前記タンパク質が、図11中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有する ヒト型可変重鎖と図11中のHumB3VLと命名されたアミノ酸配列を有するヒト型可 変軽鎖とを含んで成る、請求項84のタンパク質。 88.前記タンパク質が、図11中のHumB3VHと命名されたアミノ酸配列を有する がただし図11中の82b で示された可変重鎖中の位置にアルギニンを有するヒト型 可変重鎖を含んで成る、請求項84のタンパク質。 89.医薬上許容される担体と共に、腫瘍の増殖を抑制するのに十分な濃度で、 組換え生産された一本鎖融合タンパク質を含んで成る医薬組成物であって、前記 融合タンパク質が a)抗体の軽鎖と重鎮の両方のヒト型Fv領域であって前記抗体がB1,B3 およびB5から成る群より選ばれたモノクローナル抗体であるヒト型Fv領域; および ii)エフェクター分子 を含んで成り、前記Fv領域と前記エフェクター分子が組換えにより融合されて B1,B3およびB5から成る群より選ばれたモノクローナル抗体の結合特異性 を有する単一分子を形成することを特徴とする、前記組成物。 90.前記エフェクター分子がシュードモナス(Pseudomonas )外毒素である、 請求項89の組成物。 91.前記エフェクター分子がPE38,PE40,PE38KDELおよびPE38REDLから成る群 より選ばれる、請求項90の組成物。 92.前記ヒト型Fv領域がヒト型B3(Fv)領域である、請求項89の組成物。 93.患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞の存在または不 在を検出する方法であって、次の段階: a)前記患者から組織または液体試料を採取し; b)前記試料に抗体を添加し、ここで前記抗体は i)抗体の軽鎖と重鎖の両方のヒト型Fv領域であって、前記抗体がB1 ,B3およびB5から成る群より選ばれたモノクローナル抗体である、ヒト型F v領域;および ii)エフェクター分子 を含んで成り、ここで前記Fv領域は組換え融合されてB1,B3およびB5 から成る群より選ばれたモノクローナル抗体の結合親和性を有する単一分子を形 成し;そして c)前記抗体と前記抗原との結合複合体の存在または不在を検出する を含んで成る方法。 94.患者においてLewisY糖質抗原を有する細胞を致死させるかまたはその増殖 を抑制する方法であって、前記細胞を致死させるかまたは前記細胞の増殖を抑制 するのに十分な量で、 a)抗体の軽鎖と重鎖の両方のヒト型Fv領域であって、前記抗体がB1,B 3およびB5から成る群より選ばれたモノクローナル抗体である、ヒト型Fv領 域;および b)エフェクター分子 を含んで成り、前記両Fv領域とエフェクター分子が組換え融合されてB1,B 3およびB5から成る群より選ばれたモノクローナル抗体の結合特異性を有する 単一分子を形成することを特徴とする組成物を、前記患者に投与することを含ん で成る方法。
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