JPH10507883A - マルチシステム加入者識別モジュール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ユーザ識別及び他のユーザ特有の情報を記憶し、これにより、無線システムのサービスにアクセスできるようにする加入者識別モジュール（ＳＩＭ）が提供される。ユーザ識別の１つは一時的移動加入者識別（ＴＭＳＩ）であり、これは、実際のユーザ識別が無線経路に明確に送られるのを回避するためにこれを実際のユーザ識別に対する別名として用いることにより、ユーザの匿名目的に使用される。ＴＭＳＩの一部分は、実際のユーザ識別へのマッピング情報なしにユーザ／ターミナルを識別するのに使用することのできないランダム番号であり、マッピング情報は、ランダム番号を割り当てたテレコミュニケーションネットワークエンティティにおいて見つかる。本発明は、ＴＭＳＩの所定のビットを用いることにより、ある無線システムから別の無線システムへＳＩＭローミングを行えるようにする。ＴＭＳＩの所定のビット位置は、そのＴＭＳＩを割り当てた移動無線システムを全ての移動無線システムにおいて均一な仕方で指示することにより異なるシステムの異なるＴＭＳＩ間を区別するのに使用される。ＴＭＳＩの残りのビット位置は、移動無線システム特有のフォーマットである。システム間ＳＩＭローミングの間に、古いＴＭＳＩがそのＳＩＭからコピーされて新たな移動無線システムへ送られる。新たなシステムは、ＴＭＳＩの所定のビットを用いて古いシステムを識別し、実際のユーザ識別を要求する。

Description

【発明の詳細な説明】 マルチシステム加入者識別モジュール発明の分野 本発明は、移動無線ターミナルの加入者の識別及び確証に関するデータを含む 取り外し可能なデータ記憶モジュールに係る。又、本発明は、このようなデータ 記憶モジュールを用いたローミング方法及び移動無線システムにも係る。先行技術の説明 ＧＳＭ即ち「地上移動無線通信のためのヨーロピアンデジタルセルラーシステ ム」の仕様は、移動加入者を識別し、確証しそして位置決めするために無線シス テムに必要とされる全ての情報エレメントがＳＩＭ（加入者識別モジュール）と 称する専用のモジュールに含まれ、このモジュールは、取り外し可能で、異なる 移動ステーションに使用できることを規定している。移動装置（ＭＥ）と称する 移動ステーションの他部分は、ＧＳＭサービスにアクセスするのに必要であるが 所与の加入者に特有のものでない全ての機構及び装置（例えば、無線装置）を含 むことが意図される。更に、ＳＩＭは、移動ステーションから取り外すことがで き、そして加入者識別モジュールと移動装置との間の間隔は、ＥＴＳＩ仕様ＧＳ Ｍ１１．１１において標準化されている。このインターフェイスは、ＩＣカード に関するＩＳＯ規格（ＩＳＯ７８１６）に基づく。ＳＩＭは、ＧＳＭ移動テレコ ミュニケーションを１つの用途とするマルチサービスカードの一部分である。こ の特徴は、普遍的な装置である移動装置を、それ自身のＳＩＭを各々用いる異な る移動加入者が順次に動作できるようにする。ＳＩＭは、良く知られたサイズの クレジットカードであるスマートカードでもよいし、又は「プラグインＳＩＭ」 と称する非常に小さな形態をとることもできる。この後者の形態は、携帯用ター ミナル装置として非常に適している。 上記したように、ＧＳＭシステムは、ユーザの識別及び他のユーザ特有の情報 を記憶するＳＩＭカードを使用し、無線システムのサービスにアクセスすること ができる。ＳＩＭとＭＥの組合せのみが、ＧＳＭシステムに対して動作する移動 ステーションＭＳを構成する。同じＳＩＭカードをいずれのＧＳＭ移動装置ＭＥ に使用することもできる。移動加入者がパーソナル加入者識別モジュールＳＩＭ のみを有し、そして移動ステーションの他部分、即ち移動装置ＭＥを必要に応じ て貸与することも考えられる。移動ステーションＭＳ全体ではなくてＳＩＭをこ のように移行しそして異なる移動装置ＭＥを使用することを、ＧＳＭシステム内 の「ＳＩＭローミング」とも称している。 又、ＧＳＭに加えて、他の移動無線システムも、同じ種類のスマートカードを 同様の目的に使用しており、従って、ユーザ特有の情報をエアインターフェイス 仕様とは独立して異なる移動無線システム間にローミングさせることができる。 例えば、米国内では、多数の異なるエアインターフェイスを有するいわゆるパー ソナルコミュニケーションシステム（ＰＣＳ）が開発されている。又、ヨーロッ パでは、異なる無線インターフェイス以外は（ＧＳＭシステムは約９００ＭＨｚ であるのに対して約１８００ＭＨｚの搬送波周波数）ＧＳＭ仕様に基づいて実現 された移動無線システムであるＤＣＳ１８００がＳＩＭカードを使用している。 スマートカードは、これらシステム間に「ＳＩＭローミング」を与えるためのこ れらシステム間の唯一の共通の指名者である。ターミナル及び／又はエアインタ ーフェイスを切り換える必要があるときにユーザが自身のユーザプロフィールを 変更する必要がないことから、異なるシステムに同じカードを使えることが望ま しい。 移動無線システムにおける移動加入者の１つの識別形式は、一時的移動加入者 識別（ＴＭＳＩ）である。この移動識別形式は、実際のユーザ識別が無線経路に 明確に送られるのを回避するためにこれを実際のユーザ識別に対する別名として 用いることによりユーザの匿名目的に使用される。ＴＭＳＩの一部分は、実際の ユーザ識別へのマッピング情報なしにユーザ／ターミナルを識別するのに使用す ることのできないランダム番号であり、マッピング情報は、ランダム番号を割り 当てたテレコミュニケーションネットワークエンティティにおいて見つかる。 又、ＴＭＳＩも、ＳＩＭカードに記憶されるが、ＧＳＭのみに関する識別を使 用してＧＳＭ特有のやり方で記憶される。ユーザ匿名の理由で、異なる種類のエ アインターフェイスをもつ異なるシステム間でＴＭＳＩローミングを行うことも 所望され、即ちユーザに割り当てられそして「古い」移動無線システムのＳＩＭ カードに記憶されたＴＭＳＩが全てＳＩＭローミングにより「新たな」移動無線 システムへ移行されることも所望される。しかしながら、ＧＳＭに対して指定さ れたＴＭＳＩは、他の移動無線システムにおいて何ら関連性をもたないという問 題がある。更に、ＧＳＭのＳＩＭカードは、単一のＴＭＳＩに対して単一の記憶 位置しか含んでいない。発明の要旨 本発明の目的は、異なる移動無線システム間で一時的移動加入者識別ローミン グを行えるようにすることである。 本発明の別の目的は、異なるシステムの一時的移動加入者識別間を区別しそし てそれらを均一な仕方でスマートカードに記憶する方法を提供することである。 本発明の１つの特徴は、移動無線ターミナルのための取り外し可能な加入者識 別モジュールであって、移動加入者の識別及び確証に関連したデータを記憶する ための電気的に変更可能なメモリ手段を備え、このメモリ手段は、一時的移動加 入者識別を記憶するための所定の記憶位置を含み、この一時的移動加入者識別を 割り当てた移動無線システムの識別は、その移動無線システムとは独立した仕方 で上記一時的移動加入者識別の所定のビット位置に指示され、上記一時的移動加 入者識別の残りのビット位置は、移動無線システム特有のフォーマットで記憶さ れるような加入者識別モジュールにある。 本発明の別の特徴は、第１の無線インターフェイスを有する第１の移動無線シ ステムにおいて移動加入者の一時的移動加入者識別を割り当て、上記移動無線シ ステムの識別は、上記第１の移動無線システムとは独立した仕方で上記一時的移 動加入者識別の所定のビット位置に指示され；上記一時的移動加入者識別を上記 移動加入者の第１の移動ステーションに送り、上記移動ステーションは、移動加 入者の識別及び確証に関連したデータを記憶するための取り外し可能な加入者識 別モジュールと、上記第１の移動無線システムにおいて動作することのできる第 １の移動装置とを備え；上記一時的移動加入者識別を上記取り外し可能な加入者 識別モジュールの所定の記憶位置に記憶し；上記第１の移動ステーションから上 記移動加入者識別モジュールを除去し；第２の無線インターフェイスを有する第 ２の移動無線システムにおいて動作することのできる第２の移動加入者装置を備 えた第２の移動ステーションへ上記移動加入者識別モジュールを挿入し；上記移 動加入者識別モジュールから上記一時的移動加入者識別をコピーし；上記一時的 移動加入者識別を上記第２の移動無線システムの固定ネットワークに送り；上記 一時的移動加入者識別の上記所定のビット位置を分析して、上記第１の移動無線 システムの上記識別を見出し；そして上記第１の移動無線システムの上記識別と 上記一時的移動加入者識別とによって上記第１の移動無線システムから上記移動 加入者の実際の識別を要求するという段階を備えたシステム間ローミング方法に ある。 本発明の更に別の特徴は、移動交換機と；移動加入者の識別及び確証に関連し たデータを記憶する取り外し可能な加入者識別モジュール、及び第１の移動無線 システムにおいて動作することのできる第１の移動装置を各々含む移動ステーシ ョンと；ビジター位置レジスタとを備え、このビジター位置レジスタは、移動無 線システムの移動加入者に対して一時的移動加入者識別を割り当てるための手段 を含み、上記移動無線システムの識別は、上記第１の移動無線システムとは独立 した仕方で上記一時的移動加入者識別の所定のビット位置に指示され、更に、上 記ビジター位置レジスタは、移動ステーションから受け取った一時的移動加入者 識別の上記所定のビット位置を分析して、その一時的移動加入者識別を割り当て た移動無線システムの識別を見出すための手段と、上記分析された移動無線シス テムの識別と上記一時的移動加入者識別とによって上記一時的移動加入者識別を 割り当てた移動無線システムから上記移動加入者の実際の識別を要求するための 手段とを含むような移動無線システムにある。 本発明において、一時的移動加入者識別ＴＭＳＩの所定のビット位置は、その ＴＭＳＩを割り当てた移動無線システムを全ての移動無線システムにおいて均一 な仕方で指示することにより異なるシステムの異なるＴＭＳＩ間を区別するのに 使用される。ＴＭＳＩの残りのビット位置は、移動無線システム特有のフォーマ ットである。２つの異なる移動無線システム間のＳＩＭローミング中に、移動ス テーションは、加入者識別モジュールからＴＭＳＩを読み取り、そしてエアイン ターフェイスメッセージにＴＭＳＩのコピーを作る。ＴＭＳＩは移動無線システ ムへ送られ、該システムはＴＭＳＩをデコードする。新規なシステムは、ＴＭＳ Ｉの所定のビットを使用して、ＴＭＳＩの実際の構造と、ＴＭＳＩを割り当てた 移動無線システムを見出すことができる。新規なシステムには、他のネットワー ク／システムへの相互接続が設けられ、これを通して、古いシステムから実際の ユーザ識別を要求することができる。というのは、それが、ＴＭＳＩと実際のユ ーザ識別との間のマッピングを含む唯一の場所だからである。図面の簡単な説明 以下、添付図面を参照し、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。 図１は、セルラー移動無線システムのブロック図である。 図２は、乗物搭載の移動ステーションを示す図である。 図３は、移動装置ＭＥ及び加入者識別モジュールＳＩＭより成る移動ステーシ ョンのブロック図である。 図４は、ＧＳＭ ＴＭＳＩフォーマットを示す図である。 図５は、本発明による普遍的なＴＭＳＩフォーマットを示す図である。 図６は、２つの移動無線システム間のＴＭＳＩローミングを示す図である。 図７は、図６のビジター位置レジスタＶＬＲ２の動作を示すフローチャートで ある。好ましい実施形態の詳細な説明 本発明は、加入者識別モジュールＳＩＭ等を用いる全ての移動無線システムに 適用できる。本発明は、パンヨーロピアンデジタル移動無線システムＧＳＭ又は その変形ＤＣＳ１８００に適用したときに特に効果的である。以下、本発明の好 ましい実施形態を、ＧＳＭシステムに適用するものとして述べるが、本発明は、 これに限定されるものではない。 図１は、ＧＳＭセルラー無線システムの一部分を概略的に示す。セルラー無線 システムにおいて、システムによりカバーされるエリアは、無線セルに分割され る。ベースステーションコントローラＢＳＣ１及びＢＳＣ２は、デジタル送信リ ンク１２により移動交換機ＭＳＣに接続される。更に、ベースステーションＢＴ Ｓ１、ＢＴＳ２及びＢＴＳ３、ＢＴＳ４は、デジタル送信リンク１１により各々 ベースステーションコントローラＢＳＣ１及びＢＳＣ２に接続される。各ＢＳＣ 及びこれにより制御されるベースステーションＢＴＳは、ベースステーションシ ステムＢＳＳを形成する。単一ベースステーションＢＴＳの無線有効到達 エリアは、通常、単一の無線セルを形成する。各ベースステーションＢＴＳ１− ＢＴＳ４は、所定の一定数の物理的な無線チャンネルを有する。ＧＳＭシステム の構成及び特徴は、ＧＳＭ仕様書及び参考としてここに取り上げる「移動通信の ためのＧＳＭシステム(The GSM System for Mobile Communications)」、Ｍ．モ ーリ及びＭ．Ｂ．ポーテット、パライゼウ、フランス、１９９２年、ＩＳＢＮ： ２−９５０７１９０−０−７に詳細に説明されている。 位置データのような加入者データは、ホーム位置レジスタ（ＨＬＲ）に永久的 に記憶される。又、ＨＬＲは、元のユーザプロフィールも含んでいる。又、ＨＬ Ｒは、それに関連する確証センターＡＣ（図示せず）も含み、これは、一体的な ものであってもよいし、個別なものであってもよい。この確証センターは、加入 者の確証データ及び確証アルゴリズムを含む。又、システムは、１つ以上のＭＳ Ｃエリアに各々関連した多数のビジター位置レジスタ（ＶＬＲ）も備えている。 ＶＬＲは、移動ステーションＭＳがＭＳＣのエリアを訪問する間に加入者データ 即ち元のユーザプロフィールのコピーが記憶されるデータベースである。又、Ｖ ＬＲは、ユーザプロフィールに関連した一時的移動加入者識別も含んでいる。更 に、ＶＬＲは、ＴＭＳＩに基づいて実際のユーザ識別を得るためのマッピングも 有している。 ＧＳＭ仕様によれば、移動加入者に関連したＭＳに含まれた全ての情報エレメ ントは、加入者識別モジュールＳＩＭと称する特定のモジュール内に記憶され、 操作されねばならない。移動装置ＭＥと称するＭＳの他部分は、無線インターフ ェイスに特有のハードウェア及びソフトウェアを含んでいる。仕様書ＧＳＭ２． １７は、ＳＩＭの動作を規定し、そして仕様書ＧＳＭ１１．１１は、命令フォー マット、ＳＩＭにおけるエンコード動作、及びＳＩＭとＭＥとの間のインターフ ェイスを規定する。ＳＩＭは、スマートカード、即ちＩＣカードＳＩＭであり、 これと外界とのインターフェイスは、ＩＣカードに関するＩＳＯ規格、即ちＩＳ Ｏ７８１６シリーズに基づく。標準サイズのＩＣカードＳＩＭは、携帯用無線に とって大き過ぎるものであり、従って、ＧＳＭシステム内で完全に標準化されそ してＭＥに半永久的に設置されるよう意図された専用モジュールであるプラグイ ンＳＩＭを使用することができる。 ＧＳＭシステムにおいては、移動加入者の識別がＳＩＭカードに基づく。移動 加入者は、異なる移動装置ＭＥを使用できるが、常に同じＳＩＭカードを使用し ており、従って、同じ加入者番号で到達し得る。ＳＩＭカードがなくても、非常 通話だけはＭＥにより行うことができる。ＳＩＭは、ＭＥに使用されると、ＧＳ Ｍネットワーク動作にあるときに、加入者に関連した保安情報（推奨勧告ＧＳＭ ０２．０９に基づく）、例えば、一時的移動加入者識別ＴＭＳＩ及びキーＫｉを 記憶すると共に、推奨勧告ＧＳＭ０３．２０（即ちアルゴリズムＡ３及びＡ８） に基づいて確証及び暗号キー発生機構を実施する。ユーザ自身の保安のために、 ＳＩＭは、１桁のＰＩＮコード（パーソナル識別番号）を処理しなければならな い。更に、ＳＩＭ記憶能力は、ＧＳＭサービス及びＭＳ特徴と共に移動加入者に 関連した付加的な情報エレメントを記憶及び管理するための施設を与えることが できる。 本発明は、移動無線システムにおいて、いかなる形式の移動無線ステーション ＭＳ、例えば、ポータブル移動電話又は取り外し可能なメモリを使用できる乗物 搭載ステーションにも適用することができる。図２は、乗物に搭載できる無線電 話ユニットを移動無線ステーションの一例として示している。図２の移動ステー ションＭＳは、無線ユニット１を備え、これはケーブル８によりハンドセット２ に接続される。ハンドセット２は、通常の要素及び機能、即ちマイクロホンと、 スピーカと、ディスプレイ及びキーパッドで形成されたユーザインターフェイス とを備えている。ハンズフリー動作を行えるようにするために、無線ユニット１ は、個別のマイクロホン３及び個別のスピーカ７に接続することもできる。又、 メモリカード又はメモリモジュール５のための個別の読取装置４、ここでは加入 者識別モジュールＳＩＭと称する、がケーブル９により無線ユニット１に接続さ れる。読取装置４は、カードスロット６を含み、ＳＩＭカード５は、後で容易に 除去又は取り外しできるように読取装置４に挿入することができる。乗物搭載の 移動ステーションの一例は、フィンランドのノキア・モービル・フォーン社で製 造されたノキアＧＳＭモデル６０５０である。又、移動ステーションは、カード 読取装置、無線部分及びハンドセットが１つに一体化されたポータブルターミナ ルでもよい。このようなポータブル移動ステーションの一例は、フィンランドの ノキア・モービル・フォーン社で製造されたノキア１０１ＧＳＭである。 図３は、移動ステーションＭＳの移動装置部分ＭＥのブロック図である。ＭＥ は、アンテナ３と、二重フィルタ２８と、受信器２１と、送信器２９と、合成器 ２７とを備えている。受信方向に、Ａ／Ｄコンバータ２２、検出器２３、インタ ーリーブ解除手段２４、チャンネルデコーダ２５、スピーチデコーダ２６及びス ピーカの直列接続体が、受信器２１に続いて接続される。送信方向に、マイクロ ホン、スピーチコーダ３４、チャンネルコーダ３３、インターリーブユニット３ ２、ＴＤＭＡバースト構成ユニット３１及び変調器３０の直列接続体が、送信器 ２９の前に接続される。上記した全てのブロックは、全ての出て行くメッセージ 及び到来するメッセージを処理するタイミング及び制御ユニット３５により制御 される。このタイミング及び制御ユニット３５は、ケーブル９を経てＳＩＭカー ド読取装置４に更に接続される。 上記のように、一時的移動加入者識別（ＴＭＳＩ）は、実際のユーザ識別が無 線経路に明確に送られるのを回避するためにこれを実際のユーザ識別に対する別 名として用いることによりユーザの匿名目的に使用される移動識別形式である。 ＧＳＭのＴＭＳＩは、図４に示すように特定される。ＧＳＭのＴＭＳＩは、最大 ９個のオクテット１ないし９を有する７２ビット長さのデジットストリングであ る。オクテット１ないし４は、ランダムなＭＳ識別、即ち所与の瞬間に現在位置 エリアのある移動ステーションに割り当てられるランダム番号を含む。現在位置 エリアの位置エリアコードＬＡＩは、ＴＭＳＩのオクテット８及び９に与えられ る。ランダムＭＳ ＩＤは、実際のユーザ識別へのマッピング情報なしにはユー ザ／ターミナルを識別するのに使用できず、このマッピング情報は、ランダムな ＭＳ識別を割り当てたテレコミュニケーションネットワークエンティティ（ＭＳ Ｃ／ＶＬＲ）において見出される。オクテット５及び７と、オクテット６のビッ ト１ないし４は、その他に使用される。オクテット６の残りのビット５ないし８ は、現在のところＧＳＭにおいて何ら使用されず、コード化目的の単なる充填ビ ットである。 ＧＳＭシステムでは、ＴＭＳＩは、ＭＳＣ／ＶＬＲによって管理される。ＧＳ ＭのＴＭＳＩは、１つの位置エリアにおいてのみ意味があり、初めて位置エ リアに登録されるときに最初にＭＳに割り当てられ（ＭＳＣ／ＶＬＲにより）、 そしてＭＳが位置エリアから去るときに解除される。ＭＳが新たな位置エリアの 新たなセルにおいて位置決めの試みを行うときには、「古い」位置エリアに使用 されたＴＭＳＩがその位置エリアのＭＳＣ／ＶＬＲに送られる。新たな位置エリ アのＭＳＣ／ＶＬＲが、「古い」ＴＭＳＩを割り当てたものでない場合には、新 たなＭＳＣ／ＶＬＲが、ＴＭＳＩのＬＡＩ部分で示されるように、以前のＭＳＣ ／ＶＬＲからＭＳの実際の識別ＩＭＳＩを要求しなければならない。その結果、 ＭＳの実際の識別は、無線経路に送られない。 ＴＭＳＩは、エアインターフェイスに送られたのと同様に、即ちＧＳＭのみに 関する識別を用いたＧＳＭ特有のやり方で、ＳＩＭカードのＴＭＳＩに記憶され る。ＳＩＭカードのＴＭＳＩのための記憶スペースは、７２ビットである。それ 故、「ＳＩＭローミング」は、ＴＭＳＩをＧＳＭシステム内の１つの移動装置か ら別の移動装置へ移動できるようにする。従って、「新たな」ＭＳは、上記のよ うに「古い」ＴＭＳＩを用いてＧＳＭネットワークへの位置決めの試みを実行す る。 又、ユーザ匿名の理由で、異なる種類のエアインターフェイスをもつ異なるシ ステム間でＴＭＳＩローミングを行うことも望ましく、即ちユーザに割り当てら れて「古い」移動無線システムのＳＩＭカードに記憶されたＴＭＳＩも、ＳＩＭ ローミングによって「新たな」移動無線システムに転送される。しかしながら、 ＧＳＭに対して指定されたＴＭＳＩは、他の移動無線システムにおいて何ら関連 性をもたないという問題がある。更に、ＧＳＭのＳＩＭカードは、単一のＴＭＳ Ｉに対し単一の記憶位置しか含んでいない。それ故、異なる移動無線システムの ＴＭＳＩ間を区別し、そしてそれらを均一な仕方でＧＳＭのＳＩＭカードに記憶 する方法が必要となる。 本発明の好ましい実施形態では、上記問題は、異なるシステムの異なるＴＭＳ Ｉ間を区別するのにＴＭＳＩのオクテット６のビット５ないし８を用いることに より解決される。本発明によれば、これらビットは、ＴＭＳＩを割り当てた移動 無線システムを指示するように、全ての移動無線システムにおいて均一な仕方で コード化される。ＴＭＳＩの残りのビット位置は、その移動無線システム 特有のフォーマットである。例えば、これらビットは、図４に示すように、ＧＳ Ｍ９００／ＤＣＳ１８００システムのＴＭＳＩを識別するために「１１１１」と コード化される。オクテット６のビット５ないし８の他の全てのコードは、図５ に「ｘｘｘｘ」で示すように、他の移動無線システムのＴＭＳＩを識別するのに 使用される。 本発明による「ＳＩＭローミング」、特にＴＭＳＩローミングの好ましい実施 形態を、図６及び７を参照して以下に説明する。 図６には、異なる無線インターフェイスＩ及びＩＩを各々有する２つの相互接 続された移動無線システムＩ及びＩＩが示されている。移動無線システムＩは、 無線インターフェイスＩを含むＧＳＭ仕様に基づくものであると仮定する。図６ には、本発明の説明に必要なネットワーク要素のみが示され、即ちビジター位置 レジスタＶＬＲ１、移動交換機ＭＳＣ１、ベースステーションコントローラＢＳ Ｃ１及びベースステーションＢＴＳ１のみが示されている。更に、移動ステーシ ョンＭＳ１は、取り外し可能な加入者識別モジュールＳＩＭと、無線インターフ ェイスＩの通信に特有のハードウェア及びソフトウェア含む移動装置ＭＥ１とで 構成される。 同様に、図６には、本発明を説明するのに必要な移動無線システムＩＩのネッ トワーク要素、即ちビジター位置レジスタＶＬＲ２、移動交換機ＭＳＣ２、ベー スステーションコントローラＢＳＣ２及びベースステーションＢＴＳ２のみが示 されている。移動無線システムＩＩは、移動無線システムＩと同じネットワーク 標準、即ちＧＳＭ ＭＡＰに従ってもよいし、或いは他のネットワーク標準、例 えば、ＩＳ−４１に従ってもよい。しかしながら、システムＩＩの無線インター フェイスＩＩは、システムＩの無線インターフェイスＩとは異なり、例えば、異 なる帯域の搬送波周波数で動作する。又、図６は、移動無線システムＩＩの移動 ステーションＭＳ２も示しており、これは、加入者識別モジュールＳＩＭと、無 線インターフェイスＩＩの通信に特有のハードウェア及びソフトウェア含む移動 装置ＭＥ２とで構成される。本発明の最小限の要求は、システムＩに使用される ＳＩＭフォーマットが、システムＩＩに使用されるＳＩＭと同様であるか又はそ れに適合することである。更に、本発明の説明上、ＶＬＲＩとＶＬＲ２との間の 相互接続リンクが示されている。しかしながら、移動無線システムＩとＩＩとの 間の相互接続は、本発明によるＩＭＳＩ要求を可能にする他の形式の相互接続で も実施することができる。 先ず、移動加入者が移動無線システムＩを使用すると仮定する。移動加入者の ＳＩＭは、移動ステーション１の移動装置ＭＥ１の読取装置に挿入される。移動 ステーションは、ＶＬＲ１の位置エリアの１つにおいて位置の更新を実行してい る。従って、ＶＬＲ１は、この位置エリアに対するＴＭＳＩを移動加入者に割り 当てている。割り当てられたＴＭＳＩにおいて、オクテット６のビット５ないし ８は、移動無線システムＩを識別するために「１１１１」とコード化される。Ｔ ＭＳＩのオクテット８及び９は、ＭＳ１の現在位置エリアの位置エリアコードを 含む。ＶＬＲ１は、割り当てられたＴＭＳＩを移動ステーションＭＳ１に送り、 ＴＭＳＩは、ＳＩＭの所定の記憶位置に記憶される。 次いで、移動加入者が移動無線システム２を使用するよう希望し、このシステ ムではその加入者が許可された移動ユーザであると仮定する。このため、加入者 は、ＭＳ１らパーソナルＳＩＭを取り出しそしてそれを移動無線システムＩＩの ＭＳ２の読取装置へ挿入する。ＭＳ２の移動装置ＭＥ２は、移動加入者の挿入さ れたＳＩＭから記憶されたＴＭＳＩを読み取り、そしてＴＭＳＩをエアインター フェイスメッセージにコピーする。本発明によるプロセスにおけるＳＩＭ並びに 移動ステーションＭＳ１、ＭＳ２の使用及び動作は、公知のＳＩＭ及びＭＳと同 様であってもよいことに注意されたい。ＭＳ２は、例えば、位置決めの試みにお いてＴＭＳＩを無線インターフェイスＩＩを経てシステムＩＩのネットワーク部 分へ送信し、ＴＭＳＩはＶＬＲ２へと送られる。 図７のフローチャートを参照すれば、ＶＬＲは、その位置エリアの１つにおい て新たなＭＳ２から位置決めの試みを受け取る。又、移動無線システムＩの移動 加入者に割り当てられた古いＴＭＳＩも、ステップ７１において、ＶＬＲ２に受 け取られる。次いで、ＶＬＲ２は、ステップ７２及び７３において、ＴＭＳＩの オクテット６のビット５ないし８を分析し、古いＴＭＳＩの実際の構造と、その 古いＴＭＳＩを割り当てた移動無線システムを見出す。ステップ７３において、 その古いＴＭＳＩが同じ移動無線システム、即ちシステムＩＩによって割り当て られたと判断された場合に、ＶＬＲ２は、ステップ７４において、その古いＴＭ ＳＩがＶＬＲ２にまだ知られていない限り、移動無線システムＩＩにおいて標準 的なＩＭＳＩ要求を行う。ここに示す例では、ＶＬＲ２は、ＴＭＳＩのオクテッ ト６のビット５ないし８が「１１１１」とコード化されていることを検出し、そ してステップ７３において、古いＴＭＳＩが移動無線システムＩに属するという 判断がなされる。その結果、ＶＬＲ２は、ステップ７５において、移動無線シス テムＩのＶＬＲ１から実際のユーザ識別ＩＭＳＩを要求する。というのは、ＶＬ Ｒ１は、古いＴＭＳＩと実際のユーザ識別との間のマッピングを含む唯一の場所 だからである。古いＶＬＲを見出すためにＴＭＳＩから得たシステム識別情報を 使用しそして古いＴＭＳＩをＶＬＲ２に送信することにより、要求が行われる。 ＶＬＲ２は、それに応答して、ＩＭＳＩと、任意であるが他の加入者データを、 ＶＬＲ２へ送信する。ＶＬＲ２は、ステップ７６においてＩＭＳＩを受信し、そ して移動無線システムＩＩに使用される標準ネットワーク手順に従う。 添付図面及びそれに関連した以上の説明は、本発明を単に解説するものに過ぎ ない。請求の範囲から逸脱せずに、上記の実施形態に種々の変更や修正がなされ 得ることが明らかであろう。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 移動無線システム特有のフォーマットである。システム 間ＳＩＭローミングの間に、古いＴＭＳＩがそのＳＩＭ からコピーされて新たな移動無線システムへ送られる。 新たなシステムは、ＴＭＳＩの所定のビットを用いて古 いシステムを識別し、実際のユーザ識別を要求する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．移動無線ターミナルのための取り外し可能な加入者識別モジュールにおいて 、移動加入者の識別及び確証に関連したデータを記憶するための電気的に変更可 能なメモリ手段を備え、このメモリ手段は、一時的移動加入者識別を記憶するた めの所定の記憶位置を含み、この一時的移動加入者識別を割り当てた移動無線シ ステムの識別は、その移動無線システムとは独立した仕方で上記一時的移動加入 者識別の所定のビット位置に指示され、そして上記一時的移動加入者識別の残り のビット位置は、移動無線システム特有のフォーマットで記憶されることを特徴 とする加入者識別モジュール。 ２．上記所定の記憶位置は７２ビットより成り、そして上記移動無線システムの 識別は、上記一時的移動加入者識別の第６オクテットのビット５ないし８により 指示される請求項１に記載の取り外し可能な加入者識別モジュール。 ３．第１無線インターフェイスを有する第１移動無線システムにおいて移動加入 者の一時的移動加入者識別を割り当て、上記移動無線システムの識別は、上記第 １移動無線システムとは独立した仕方で上記一時的移動加入者識別の所定のビッ ト位置に指示され； 上記一時的移動加入者識別を上記移動加入者の第１移動ステーションに送り 、上記移動ステーションは、移動加入者の識別及び確証に関連したデータを記憶 するための取り外し可能な加入者識別モジュールと、上記第１移動無線システム において動作することのできる第１移動装置とを備え； 上記一時的移動加入者識別を上記取り外し可能な加入者識別モジュールの所 定の記憶位置に記憶し； 上記第１移動ステーションから上記移動加入者識別モジュールを除去し； 第２無線インターフェイスを有する第２移動無線システムにおいて動作する ことのできる第２移動加入者装置を備えた第２移動ステーションへ上記移動加入 者識別モジュールを挿入し； 上記移動加入者識別モジュールから上記一時的移動加入者識別をコピーし； 上記一時的移動加入者識別を上記第２移動無線システムの固定ネットワーク に送り； 上記一時的移動加入者識別の上記所定のビット位置を分析して、上記第１移 動無線システムの上記識別を見出し；そして 上記第１移動無線システムの上記識別と上記一時的移動加入者識別とによっ て上記第１移動無線システムから上記移動加入者の実際の識別を要求する； という段階を備えたことを特徴とするシステム間ローミング方法。 ４．一時的移動加入者識別を割り当てる上記段階は、上記第１移動無線システム のビジター位置レジスタにより行われる請求項３に記載のローミング方法。 ５．上記分析及び要求段階は、上記第２移動無線システムのビジター位置レジス タにより行われる請求項３に記載のローミング方法。 ６．移動交換機と； 移動加入者の識別及び確証に関連したデータを記憶する取り外し可能な加入 者識別モジュール、及び第１移動無線システムにおいて動作することのできる第 １移動装置を各々含む移動ステーションと； ビジター位置レジスタとを備え、このビジター位置レジスタは、 上記移動無線システムの移動加入者に対して一時的移動加入者識別を割り 当てるための手段を含み、上記移動無線システムの識別は、上記第１移動無線シ ステムとは独立した仕方で上記一時的移動加入者識別の所定のビット位置に指示 され、更に、ビジター位置レジスタは、 移動ステーションから受け取った一時的移動加入者識別の上記所定のビッ ト位置を分析して、その一時的移動加入者識別を割り当てた移動無線システムの 識別を見出すための手段と、 上記分析された移動無線システムの識別と、上記一時的移動加入者識別と によって、上記一時的移動加入者識別を割り当てた移動無線システムから上記移 動加入者の実際の識別を要求するための手段と、 を含むことを特徴とする移動無線システム。