JPH10507489A - 水性アミン−オキサイド溶液の製造方法 - Google Patents
水性アミン−オキサイド溶液の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、成形用セルロース溶液製造のためのアミン−オキサイド方法で使用される水性アミン−オキサイド溶液の製造方法であって、前記アミン−オキサイド方法において特に沈殿浴として製造された溶液に含有される水性アミン−オキサイドは精製されて濃縮され、殺微生物剤が前記溶液に含有される水性アミン−オキサイドへ精製前、精製中、又は精製後に添加される。
Description
【発明の詳細な説明】
水性アミン−オキサイド溶液の製造方法
本発明は、成形用セルロース溶液を製造するためのアミン−オキサイド方法で
用いられる水性アミン−オキサイド溶液の製造方法に関し、アミン−オキサイド
方法において、特に沈殿浴として製造された溶液に含有されている水性アミン−
オキサイドが、精製されて濃縮される。
今日、広く用いられているビスコース法に代わることができるセルロース成形
体の製造方法が何十年間も求められてきた。数ある理由の中で環境に与える影響
を低減するという理由のために興味深い代替法として、セルロースを誘導体化(d
erivatization)せずに有機溶媒中に溶解して、この得られた溶液から成形体、例
えば繊維、薄膜(film)及び他の成形体等の成形体を押出することが見いだされた
。このように押出された繊維は、BISFA(The International Bureau for t
he Standardization of man made fibres;国際人工ファイバ規格局)から属名「
リオセル(Lyocell)」を与えられている。BISFAは「有機溶媒」を有機化学
薬品と水との混合物と理解している。
有機溶媒として第3アミン−オキサイドと水との混合物はセルロース成形体の
製造に特に適していることが分かった。そのアミン−オキサイドとしては、主に
N−メチルモルホリン−N−オキサイド(NMMO)が使用される。他のアミン
−オキサイドについては、例えば、EP−A−0 553 070号に記述され
ている。成形用セルロース溶液の製造方法についは、例えば、EP−A−0 3
56 419号等から既知である。本発明の明細書及び請求項を提示するために
、第3アミン−オキサイドを用いるセルロース成形体の製法を、一般にアミン−
オキサイド方法(amine-oxide process)と称す。
EP−A−0 356 419号では、紡糸可能なセルロース溶液を製造する
ためのアミン−オキサイド方法について説明され、他の物質もあるが液体の水性
N−メチルモルホリン−N−オキサイド(NMMO)中のセルロースの懸濁液が
出発物質として使用されている。この方法は、薄膜処理装置内の懸濁液を単一工
程で成形用溶液に連続的に変換することを含む。最終的に、成形用溶液は紡糸口
金のような成形具(forming tool)によりフィラメントに引き伸ばされて、そのフ
ィラメントが沈殿浴を通る。
沈殿浴中にはセルロースが沈殿されている。第三アミン−オキサイドは沈殿浴
中に蓄積されている。沈殿浴はアミン−オキサイドを30重量%まで含み得る。
アミン−オキサイド方法の経済性のために、アミン−オキサイドをできる限り完
全に回収して、それを成形用セルロース溶液の製造のために再使用することは、
きわめて重要である。従って、沈殿浴からNMMOを回収する必要がある。
しかしながらアミン−オキサイドの他に、アミン−オキサイドの減成生成物も
また沈殿浴中に蓄積されている。これらの減成生成物はかなり着色されていて、
生成されるセルロース成形体の品質を低下させることがある。一方、他の物質も
更なる安全性の危険を示すことがある。その理由は、ある種の条件下で、アミン
−オキサイドは高い発熱分解反応を示す傾向があり、これらの分解反応がある種
の物質により誘導又は促進されることがあるからである。従って、これらの物質
は、NMMOが濃縮されて分解される前に再生されるべき沈殿浴から除去されな
くてはならない。
これらの物質の他に、アミン−オキサイド方法では、コロイド状の物質も発生
することがある。更に、パイプの壁等に流れ損なってパイプの故障を導くことさ
えある被覆物を形成することがある。
これらの望ましくない物質を除去した後、水はセルロース溶液の製造中に形成
された蒸気凝縮液のようなアミン−オキサイド方法の他の工程液と必要に応じて
組み合わされて、精製された沈殿浴から取り出される。これは、例えば蒸発によ
って行われる。この蒸発の残留物中には、アミン−オキサイド方法で再びリサイ
クルされる非常に濃厚なアミン−オキサイドが生成されている。
従来技術の状態では、上記の被覆物がパイプの壁に生成されることを有効に防
止できる方法は知られていない。従って、本発明の目的は、これらの被覆物の生
成を防止するようにアミン−オキサイド方法を実行することである。
成形用セルロース溶液製造のためのアミン−オキサイド方法で使用される水性
アミン−オキサイド溶液を製造するための本発明の方法は、該アミン−オキサイ
ド方法において特に沈殿浴として製造された溶液に含有される水性アミン−オキ
サイドが精製されて濃縮され、殺微生物剤が該溶液に含有される水性アミン−オ
キサイドへ精製前、精製中、又は精製後に添加されることで特徴付けられる。
本発明は、被覆物の生成が微生物に起因し、実質的に生物物質から成るという
発見に基づいている。微生物としては、特にバクテリア、酵母、菌類および藻類
が見つけられた。これは、三級アミン−オキサイドが一般的には殺微生物作用(S
tupavska,S.,Acta Fac.Rer.Nat.Univ.Comen,1980,pages 85ff)を有し、
それらが生分解性でないと何十年間も考えられていたので、驚くべきことである
。ごく最近に、NMMOが生物汚水プラントで減成され得るということが分かっ
た(H.Firgo,M.Eibl,W.Kalt,G.Meister: Kritische Fragen zur Zukunft
der NMMO-Technologie”,Lenzinger Berichte 9/94,pages 81ff)。従って、
NMMOが汚水プラントよりもずっと高い濃度で存在するアミン−オキサイド方
法の様々なNMMO溶液中では微生物が生き残ることができ、増えることさえあ
り、従って被覆物を生成するということは当業者を更に驚かせるばかりである。
これらの微生物に作用する殺微生物剤がアミン−オキサイド方法に添加される
と、望ましくない生物物質の生成、即ち壁被覆物の生成は有効に防止され得る。
殺微生物剤としては、好ましくは、殺カビ剤、殺藻剤(アルジサイド)及び殺
菌剤が使用される。
殺微生物剤としては、下記薬剤が特に良好な結果を示した。即ち、脂肪族アル
デヒド基、芳香族アルデヒド、チアジアジン誘導体、テトラメチロールアセチレ
ンウレア、ヒドロキシエチルフェニルエーテル、有機臭素化合物、ポリヘキサメ
チレン−ビグアニド(biguanide)−ヒドロクロライド、アジ化ナトリウム、過酸
化水素及び過酢酸、オルト−フタルアルデヒド又はオルト−グルタルアルデヒド
の薬剤が特に好適である。
殺微生物剤の種類及び濃度が個々のケース毎に変わることは当業者には明白で
ある。しかしながら、個々のケース毎の有効な供与量は試験により容易に決定可
能である。有効量は10〜500ppmの範囲にあることが示された。
本発明は更に、アミン−オキサイド方法によるセルロース成形体の製造方法に
関し、セルロース懸濁液及び最終的な成形用溶液は、アミン−オキサイド及び剪
断セルロースの水溶液から製造され、この水溶液が成形されて沈殿浴に移され、
使用済み沈殿浴とセルロース成形体が製造され、前記使用済み沈殿浴が精製され
て再びアミン−オキサイドの水溶液にされ、これがアミン−オキサイド方法へ再
び移され、該方法が少なくとも部分的に殺微生物剤の存在下で行われることで特
徴付けられる。
下記実施例により、本発明は更に詳細に説明される。
実施例1(調整)
20重量%のNMMOを含有するNMMO方法の使用済み沈殿浴を、25℃で
24時間、軽く振盪させた。その後で、1ml当たりの発生指数を下記試験によ
り確認した。
発生指数/mlの確認
発生指数/mlを確認するために、1mlの各溶液を無菌ペトリ皿にピペット
で取って、寒天媒体と注意深く混合した。その後で、サンプルを37℃で3日間
、培養した。培養後、ペトリ皿の表面全体の微生物を肉眼で計数した。従って、
得られた数はサンプル1mlに基づいている。
20〜300個の微生物を示す皿は評価され得る。それ以上の微生物が存在し
た場合、測定を適切な希釈溶液中で繰り返した。
2,200,000の発生指数/mlが確認された。
殺微生物剤の効果を確認するために、実施例1を表に示した物質で、示した濃
度を用いて繰り返した。各ケースで得られた発生指数も表に示す。
同様に、ポリヘキサメチレンビグアニド−ヒドロクロライド及びアジ化ナトリ
ウムにより良好な結果を得ることができた。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,
CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H
U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ
,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,
MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R
O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM
,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 マンゲング、ブルノ
オーストリア国 アー−4863 ズィーエバ
ルヒェン ドクトル−ルドルフ−シュー−
シュトラーセ 25
(72)発明者 ミュルレーダー、エデュアルト
オーストリア国 アー−4030 リンツ バ
ハテルベーク 5
(72)発明者 カルト、ボルフラム
オーストリア国 アー−4860 レンツィン
グ バルトシュトラーセ 27/7
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 成形用セルロース溶液製造のためのアミン−オキサイド方法で使用される 水性アミン−オキサイド溶液の製造方法であって、前記アミン−オキサイド方法 において特に沈殿浴として製造された溶液に含有される水性アミン−オキサイド は精製されて濃縮され、殺微生物剤が前記溶液に含有される水性アミン−オキサ イドへ精製前、精製中、又は精製後に添加される、水性アミン−オキサイド溶液 の製造方法。 2. 殺カビ剤、殺藻剤及び殺菌剤の群から選択された殺微生物剤が使用される 請求項1の水性アミン−オキサイド溶液の製造方法。 3. 前記殺微生物剤が脂肪族アルデヒド、芳香族アルデヒド、チアジアジン誘 導体、テトラメチロールアセチレンウレア、ヒドロキシエチルフェニルエーテル 、有機臭素化合物、ポリヘキサメチレン−ビグアニド−ヒドロクロライド、アジ 化ナトリウム、過酸化水素及び過酢酸の群から選択される請求項2の水性アミン −オキサイド溶液の製造方法。 4. 前記殺微生物剤としてオルト−フタルアルデヒド又はオルト−グルタルア ルデヒドが使用される請求項3に記載の水性アミン−オキサイド溶液の製造方法 。 5. アミン−オキサイド方法によるセルロース成形体の製造方法であって、セ ルロース懸濁液及び最終的な成形用溶液は、アミン−オキサイドと剪断セルロー スの水溶液から製造され、前記溶液が成形されて沈殿浴へ移され、使用済み沈殿 浴及びセルロース成形体が製造され、前記使用済み沈殿浴が精製されて前記アミ ン−オキサイドの水溶液に再生され、これが前記アミン−オキサイド方法に再び 移され、前記方法が少なくとも部分的に殺微生物剤の存在下で行われる、セルロ ース成形体の製造方法。
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A313 | Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071204 |