JPH10506978A - 容積形ポンプを備えた自動変速機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 自動変速機特に自動車の無段自動変速機は、流体トルクコンバータ（３）、潤滑装置および自動変速機の制御・作動装置に多数の制御通路を介して供給するためのラジアルピストンポンプ（１）を有している。ラジアルピストンポンプ（１）はその出口弁の半径方向外側にラジアルピストンポンプ（１）を包囲する環状室（２２）を有している。この環状室（２２）は脈動消去室として形成され、主にコンバータハウジング（２）の凹所の中に即ちポンプハウジング（１７）のほぼ完全に外側に配置されている。環状室（２２）はコンバータハウジング（２）の凹所（２３）、ポンプハウジング（１７）および又は別個のポンプカバー（２４）によって境界づけられている。環状室（２２）は対称に形成されておらず、その容積は隣接する自動変速機の自由空間にまで達している。

Description

【発明の詳細な説明】 容積形ポンプを備えた自動変速機 本発明は、流体トルクコンバータ、潤滑装置および自動変速機の制御・作動装 置に多数の制御通路を介して供給するための容積形ポンプを備えた自動変速機特 に自動車の無段自動変速機に関する。その容積形ポンプは多数の出口弁の半径方 向外側に位置し環状室として形成され容積形ポンプを包囲している集合室を有し ている。その環状室はポンプハウジングと（流体トルク）コンバータのハウジン グとの間に配置されている。 この種の自動変速機はドイツ特許第Ａ１−４１３９６１１号明細書で知られて いる。この種の変速機には低い騒音レベルについて厳しい条件が課せられている 。この種の変速機の場合特に容積形ポンプの脈動およびそれによって発生する振 動によって騒音が生ずる。 自動変速機における騒音を低く抑える方式は従って脈動を減衰することにある 。公知の自動変速機の場合、この目的のためにポンプハウジングに半径方向外側 に位置する集合環状溝が設けられているか、ないし環状室として形成され脈動に 対して或る大きさまでは減衰作用をする集合室が設けられている。この集合室を 増大することによって減衰作用を向上することが望まれる。しかしコンバータハ ウジングの中にポンプハウジングをはめ合い結合する円筒状はめ合い部の直径を 任意に増大することはできないので、そのような集合室の増大には限界がある。 この限界は、例えばデフのような周辺機器あるいは制御・圧力通路が構造トおよ び機能上の理由から容積形ポンプに非常に接近して配置されねばならないことに よって決定される。 本発明の目的は、容積形ポンプの脈動を減衰する作用を増大することによって 騒音を減少することにある。 この目的は請求の範囲第１項および第４項に記載の自動変速機によって達成さ れる。このために環状室は脈動消去室（鎮静室）として形成され、即ちその横断 面積および容積がかなり増大されている。これは環状室がポンプハウジングから コンバータハウジングの凹所あるいはポンプハウジングに隣接するポンプカバー の凹所に移転されることによって達成される。その場合脈動消去室はほぼ完全に ポンプハウジングの外側に存在する。しかもポンプハウジングの構造的に条件づ けられて存在する空間も脈動消去室の小さな部分容積として脈動減衰のために利 用できる。 本発明の有利な目的に適った実施態様は各従属請求の範囲に記載されている。 しかし本発明は各請求の範囲の特徴事項の組合せに限定されない。当該技術者に おいて目的に合わせて各請求の範囲および各特徴事項を意に適って組み合わせる こともできる。 本発明は特に容積形ポンプがラジアルピストンポンプである自動変速機に対し て利用される。ラジアルピストンポンプは一般に歯車ポンプよりも大きく脈動す る。しかしラジアルピストンポンプは高い圧力レベルおよび吸込み調整を可能に する。本発明に基づいて脈動消去室を形成することによって、自動変速機にラジ アルピストンポンプを有利に利用することができ、即ち僅かな騒音および僅かな 振動で利用することができる。 環状室は、コンバータハウジングが例えば砂型鋳造法で製造されるとき単一形 コンバータハウジングの中に配置される。同じようにして環状室はポンプカバー の中にも配置できる。 しかし大量生産に対してはコンバータハウジングを分割構造にすることが有利 である。この場合、環状室はコンバータハウジングの凹所、ポンプハウジングお よび別個のポンプカバーによって境界づけられる。その場合、環状室の半径方向 外側境界壁および軸方向境界壁はコンバータハウジングおよびポンプカバーによ って形成される。この場合コンバータハウジングはダイキャスト法で製造される 。 コンバータハウジング内に環状室を配置する様式によって、環状室は非対称形 にすることができ、即ち円環リングからずれた形にできる。環状室の容積は自動 変速機の構造によって生ずる自由空間の中に置ける。環状室はその外周に例えば デフのような周辺機器あるいは通路貫通部の範囲に狭窄部ないし横断面積の縮小 部を有することができる。その代わりに環状室は別の個所に拡大部を有すること もできる。 従来公知の自動変速機の場合、コンバータハウジングはほぼ円筒状の延長部を 有し、その自由端に自動変速機のクラッチないしブレーキの一部が接続されてい る。環状室が「２分割構造」をし即ちコンバータハウジングおよびポンプカバー によって境界づけられている場合、その円筒状の延長部はポンプカバーに設けら れる。これによってクラッチないしブレーキに対する接続要素が位置している部 品は非常に短縮され、従って簡単に安価に加工することができる。 ポンプハウジングがポンプカバーに対して心出しされているとき、これら両部 品間を密封するために有利には平形ガスケットリングが利用される。コンバータ ハウジングとポンプハウジングとの間を密封するために、コンバータハウジング ないしポンプハウジングの半径方向に開いた周溝の中に位置するＯリングが利用 される。 この明細書および請求の範囲には本発明の形成および適用について若干の組合 せ方式しか詳述されていない。各説明を個々に別個に検討することおよび特に上 述の従来技術に関連して別の関係および組合せにおける有用性を検討することを 推奨する。当該技術者において、上述の本発明の処置を利点を伴って利用できる 方式は容易に考えられる。 以下図に示した二つの実施例を参照して本発明を詳細に説明する。 図１は本発明に基づく自動変速機の「２分割形」脈動消去室を備えた容積形ポ ンプの範囲の部分断面図、および 図２は本発明の第２の実施例の「一体形」脈動消去室を備えた図１に相応した 一部断面図である。 ラジアルピストンポンプ１の形をした容積形ポンプはコンバータハウジング２ の中に配置されている。コンバータハウジング２は更にステータ４とタービンラ ンナ５とポンプインペラ６とを備えた流体トルクコンバータ３の形をした始動装 置を収容している。 ラジアルピストンポンプ１はコンバータ３に直結している。ラジアルピストン ポンプ１の反対側に本来の変速機が位置しており、そのうちの切換ブレーキ７だ けが示されている。 ステータ４はハウジング固定のステータ軸８上に支持されている。ステータ軸 ８上にラジアルピストンポンプ１の偏心輪滑りブッシュ１０が支持されている。 偏心輪滑りブッシュ１０は、ポンプインペラ６に結合されているポンプ軸１２の 軸方向延長部として形成されているピン１１によって駆動される。偏心輪滑りブ ッシュ１０には少なくとも一つの滑りリング１３を介して複数のピストン１４が 接続されている。これらのピストン１４はそれらの半径方向内側に位置するピス トン底がばね１５の力によって滑りリング１３に接触されている。ピストン１４ はポンプハウジング１７のシリンダボア１６の中で滑る。シリンダボア１６はプ ラグ１８によって閉じられている。各プラグ１８は孔２０を備えている。各プラ グ１８にはこれら全部のプラグ１８が共通の帯形ばね２１によって包囲されてい ることによって逆止め弁が形成されている。帯形ばね２１は孔２０をプラグの半 径方向外側に位置し環状室２２として形成された脈動消去室（鎮静室）に対して 密封している。 この実施例において環状室２２はコンバータハウジング２の凹所２３、ポンプ ハウジング１７および別個のポンプカバー２４によって境界づけられている。ポ ンプカバー２４は本来の変速機の方向においてポンプハウジング１７に隣接して いる。従って環状室２２は主にコンバータハウジングの凹所２３内に位置し、従 ってほぼ完全にポンプハウジング１７の外側に位置している。これによって環状 室２２はラジアルピストンポンプ１に隣接する構造的に条件づけられた自動変速 機のすべての自由空間内に拡大できる。更に環状室は例えばデフのような図示し ていない周辺機器の範囲あるいは通路貫通部の範囲に狭窄部ないしその横断面積 の縮小部を有している。 ポンプカバー２４は軸方向に延びるほぼ円筒状の延長部２５を有している。こ の延長部２５のポンプハウジング１７と反対側の自由端に切換ブレーキ７の一部 が接続されている。 環状室２２は一方ではコンバータハウジング２とポンプハウジング１７との間 においてコンバータハウジング２あるいはポンプハウジング１７の半径方向に開 いた周溝内に位置するＯリング２７によって、他方ではポンプハウジング１７と ポンプカバー２４との間において平形ガスケットリング２８によって密封されて いる。コンバータハウジング２とポンプカバー２４との間に別のパッキンも存在 している。 有利な実施態様において環状室２２は「２分割形」に形成され、即ちコンバー タハウジング２とポンプカバー２４によって境界づけられている。図２における 脈動消去室は、空間の大きさおよび形状について同じ利点を持ち且つ製造費用を 節約して、コンバータハウジング２Ａあるいはポンプカバー２４内に「一体形」 環状室２２Ａとして形成されている。ポンプカバー２４内への環状室の配置はコ ンバータハウジング２Ａ内における配置に相応して行われ、従って特別に図示し ていない。 符号の説明 １ ラジアルピストンポンプ ２、２Ａ コンバータハウジング ３ コンバータ ４ ステータ ５ タービンランナ ６ ポンプインペラ ７ 切換ブレーキ ８ ステータ軸 ９ − １０ 偏心輪滑りブッシュ １１ ピン １２ ポンプ軸 １３ 滑りリング １４ ピストン １５ ばね １６ シリンダボア １７ ポンプハウジング １８ プラグ １９ − ２０ 孔 ２１ 帯形ばね ２２、２２Ａ 環状室 ２３ 凹所 ２４ ポンプカバー ２５ 延長部 ２６ 延長部の先端 ２７ Ｏリング ２８ 平形ガスケットリング

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９６年１０月８日 【補正内容】 請求の範囲 １． 流体トルクコンバータ（３）、潤滑装置および自動変速機の制御・作動 装置に多数の制御通路を介して供給するための容積形ポンプを備え、 容積形ポンプが、多数の出口弁の半径方向外側に位置するとともにこの容積形 ポンプを包囲する環状室（２２）として形成された集合室を有し、 脈動消去室として使用する環状室（２２）がポンプハウジング（１７）とコン バータ（３）のハウジング（２）との間に配置されている、 自動変速機特に自動車の需段自動変速機において、 環状室（２２）が主にコンバータハウジング（２）の凹所の中に、すなわちポ ンプハウジング（１７）のほぼ完全に外側に配置されていることを特徴とする自 動変速機特に自動車の無段自動変速機。 ２． 容積形ポンプがラジアルピストンポンブ（１）であることを特徴とする 請求の範囲第１項記載の自動変速機。 ３． 環状室（２２Ａ）がポンプハウジング（１７）およびコンバータハウジ ング（２Ａ）だけで境界づけられていることを特徴とする請求の範囲第２項記載 の自動変速機（図２）。 ４． 流体トルクコンバータ（３）、潤滑装置および自動変速機の制御・作動 装置に多数の制御通路を介して供給するための容積形ポンプを備え、 容積形ポンプが、多数の出口弁の半径方向外側に位置するとともにこの容積形 ポンプを包囲する環状室（２２）として形成された集合室を有し、 脈動消去室として使用する環状室（２２）がポンプハウジング（１７）とコン バータ（３）のハウジング（２）との間に配置されている、 自動変速機特に自動車の無段自動変速機において、 環状室（２２）がポンプハウジング（１７）に隣接するポンプカバー（２４） の凹所の中に主に位置し、ポンプハウジング（１７）およびポンプカバー（２４ ）だけで境界づけられていることを特徴とする自動変速機特に自動車の無段自動 変速機。 ５． 環状室（２２）がコンバータハウジング（２）、ポンプハウジング（１ ７）および又は別個のポンプカバー（２４）の凹所によって境界づけられている ことを特徴とする請求の範囲第２項記載の自動変速機。 ６． 環状室（２２）の半径方向外側境界壁および軸方向境界壁がポンプハウ ジング（２）およびポンプカバー（２４）によって形成されていることを特徴と する請求の範囲第５項記載の自動変速機。 ７． 環状室（２２）が円環リングからずれた形をしていることを特徴とする 請求乗の範囲第１項ないし第６項のいずれか１項に記載の自動変速機。 ８． 環状室（２２）がその外周に拡大部および狭窄部ないし横断面積の縮小 部を着していることを特徴とする請求の範囲第７項記載の自動変速機。 ９． 環状室（２２）の狭窄部ないし横断面積の縮小部が環状室（２２）のそ ばに配置された周辺機器あるいは通路貫通部の範囲に位置していることを特徴と する請求の範囲第８項記載の自動変速機。 １０． ポンプカバー（２４）が軸方向に延びるほぼ円筒状の延長部（２５） を肴し、この延長部（２５）のポンプハウジング（１７）と反対側の自由端（２ ６）に自動変速機のクラッチないしブレーキ（７）の一部が接続されていること を特徴とする請求の範囲第６項記載の自動変速機。 １１． 環状室（２２）が一方ではコンバータハウジング（２）とポンプハウ ジング（１７）との間においてコンバータハウジング（２）あるいはポンプハウ ジング（１７）の半径方向に開いた周溝内に位置するＯリング（２７）によって 密封され、他方ではポンプハウジング（１７）とポンプカバー（２４）との間に おいて平形ガスケットリング（２８）によって密封されていることを特徴とする 請求の範囲第１項ないし第１０項のいずれか１項に記載の自動変速機。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラーヘル，フランツ ドイツ連邦共和国メッケンボイレン、フー クスバウウェーク、20 (72)発明者 シュミット，ウォルフ−ディーター ドイツ連邦共和国リンダウ、パラディーゼ ーク、19

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 流体トルクコンバータ（３）、潤滑装置および自動変速機の制御・作動 装置に多数の制御通路を介して供給するための容積形ポンプを備え、 − 容積形ポンプが多数の出口弁の半径方向外側に位置し環状室（２２）として 形成され容積形ポンプを包囲している集合室を有し、 − 環状室（２２）がポンプハウジング（１７）とコンバータ（３）のハウジン グ（２）との間に配置されている、 自動変速機特に自動車の無段自動変速機において、 環状室（２２）が脈動消去室として形成され、主にコンバータハウジング（２ ）の凹所の中に即ちポンプハウジング（１７）のほぼ完全に外側に配置されてい ることを特徴とする自動変速機特に自動車の無段自動変速機。 ２． 容積形ポンプがラジアルピストンポンプ（１）であることを特徴とする 請求の範囲第１項記載の自動変速機。 ３． 環状室（２２Ａ）がポンプハウジング（１７）およびコンバータハウジ ング（２Ａ）だけで境界づけられていることを特徴とする請求の範囲第２項記載 の自動変速機。 ４． 流体トルクコンバータ（３）、潤滑装置および自動変速機の制御・作動 装置に多数の制御通路を介して供給するための容積形ポンプを備え、 − 容積形ポンプが多数の出口弁の半径方向外側に位置し環状室（２２）として 形成され容積形ポンプを包囲している集合室を有し、 − 環状室（２２）がポンプハウジング（１７）とコンバータ（３）のハウジン グ（２）との間に配置されている、 自動変速機特に自動車の無段自動変速機において、 環状室（２２）が脈動消去室として形成され、主にポンプハウジング（１７） に隣接するポンプカバー（２４）の凹所の中に位置し、ポンプハウジング（１７ ）およびポンプカバー（２４）だけで境界づけられていることを特徴とする自動 変速機特に自動車の無段自動変速機。 ５． 環状室（２２）がコンバータハウジング（２）、ポンプハウジング（１ ７）および又は別個のポンプカバー（２４）の凹所によって境界づけられている ことを特徴とする請求の範囲第２項記載の自動変速機。 ６． 環状室（２２）の半径方向外側の境界壁および軸方向境界壁がコンバー タハウジング（２）およびポンプカバー（２４）によって形成されていることを 特徴とする請求の範囲第５項記載の自動変速機。 ７． 環状室（２２）が円環リングからずれた形をしていることを特徴とする 請求の範囲第１項ないし第６項のいずれか１項に記載の自動変速機。 ８． 環状室（２２）がその外周に拡大部および狭窄部ないし横断面積の縮小 部を有していることを特徴とする請求の範囲第７項記載の自動変速機。 ９． 環状室（２２）の狭窄部ないし横断面積の縮小部が環状室（２２）のそ ばに配置された周辺機器あるいは通路貫通部の範囲に位置していることを特徴と する請求の範囲第８項記載の自動変速機。 １０． ポンプカバー（２４）が軸方向に延びるほぼ円筒状の延長部（２５） を有し、この延長部（２５）のポンプハウジング（１７）と反対側の自由端（２ ６）に自動変速機のクラッチないしブレーキ（７）の一部が接続されていること を特徴とする請求の範囲第６項記載の自動変速機。 １１． 環状室（２２）が一方ではコンバータハウジング（２）とポンプハウ ジング（１７）との間においてコンバータハウジング（２）あるいはポンプハウ ジング（１７）の半径方向に開いた周溝内に位置するＯリング（２７）によって 密封され、他方ではポンプハウジング（１７）とポンプカバー（２４）との間に おいて平形ガスケットリング（２８）によって密封されていることを特徴とする 請求の範囲第１項ないし第１０項のいずれか１項に記載の自動変速機。