JPH10506521A - ヘリコバクターピロリニッケル結合タンパク質 - Google Patents

ヘリコバクターピロリニッケル結合タンパク質

Info

Publication number
JPH10506521A
JPH10506521A JP8500888A JP50088896A JPH10506521A JP H10506521 A JPH10506521 A JP H10506521A JP 8500888 A JP8500888 A JP 8500888A JP 50088896 A JP50088896 A JP 50088896A JP H10506521 A JPH10506521 A JP H10506521A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nickel
protein
fragment
binding protein
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8500888A
Other languages
English (en)
Inventor
アンドリュー ジー. プロート
ジョアンヌ ブイ. ギルバート−ロステイン
アンドリュー ライト
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tufts University
Original Assignee
Tufts University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tufts University filed Critical Tufts University
Publication of JPH10506521A publication Critical patent/JPH10506521A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/205Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Campylobacter (G)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/569Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for microorganisms, e.g. protozoa, bacteria, viruses
    • G01N33/56911Bacteria
    • G01N33/56922Campylobacter
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/195Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from bacteria
    • G01N2333/205Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from bacteria from Campylobacter (G)

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本願は、ヘリコバクターピロリから単離されたニッケル結合タンパク質及びそれをコードするDNAに関する。該生物は、慢性胃炎およびそれに続く消化性潰瘍の第一原因であり、胃癌に関与している。ニッケル結合タンパク質は、細菌の病原性に関与する酵素である活性型ウレアーゼの組立を阻害するのに有用である。可能な用途としては、ワクチンとして、診断薬として、薬物標的として、および治療薬としての用途が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 ヘリコバクターピロリニッケル結合タンパク質 発明の背景 本発明の領域は、胃疾患及びニッケル関連疾患の診断、予防、および治療、な らびに非臨床的なニッケルの無毒化である。本発明はまた、細菌ヘリコバクター ピロリ(Helicobacter pylori)にも関する。 細菌ヘリコバクターピロリは、1983年にヒト胃粘膜から最初に単離され、キャ ンピロバクター(Campylobacter)属に属すると同定された(C.ピロリ(C.pylor i)またはC.ピロリディス(C.Pyloridis)のいずれか; Warren and Marshall,La ncet I:1273,1983; Marshall and Goodwin,Int.J.Syst.Bacteriol.37:68,1987) 。H.ピロリは、病原体として認識されており、慢性胃炎、胃粘膜の炎症、および 消化性潰瘍の第一原因である。それはまた、癌の発現の原因ともなる(総説につ いて、シッポネン(Sipponen)ら、”ヘリコバクターピロリ感染の歴史及び超微 細構造:胃炎、十二指腸炎、および消化性潰瘍、ならびにそれらに関連する前癌 性の状態(Histology and Ultrastructure of Helicobacter pylori Infections : Gastritis,Duodenitis,and Peptic Ulceration,and Their Relevant Precanc erous Conditions)”、ヘリコバクターピロリ:生物学および臨床の実際(Heli cobacter pylori: Biology and Clinical Practice 37)、グッドウィン(Goodw in)およびワースレイ(Worsley)編、1993年を参照)。 H.ピロリは、胃の高度に酸性の環境で生存することができるが、その少なくと も一部の理由は、内因性の尿素をアンモニアおよび二酸化炭素に加水分解するこ とによって局所的な環境のpHを高めることができる高いウレアーゼ活性である。 アンモニア成分はpHに影響を与え、その局所における蓄積が周辺の粘膜に直接毒 性の効果を及ぼすと考えられる。 ウレアーゼ活性は、細菌の主要な性質の一つである。H.ピロリのウレアーゼの 特徴はよく同定されており、高分子量(550kDa)の多量体酵素である。二つの基 本的なサブユニット、UreA(66kDa)およびUreB(29.5kDa)が存在し、これらが 結合してより大きいサブユニットを形成し、最終的にはそれが6個結合して完全 なタンパク質が形成される。H.ピロリのウレアーゼ酵素は、その他の細菌種のウ レ アーゼ、および植物(例えばタチナタマメ)のウレアーゼと相同性がある。 現在までに研究されたウレアーゼには全てニッケルが含まれており、H.ピロリ ウレアーゼは、一分子当たり5.21個のニッケル原子を含むことが示されている。 H.ピロリのウレアーゼ活性は、酵素の活性部位におけるニッケルイオンの利用可 能性に左右される。高レベルのタンパク質を産生する大腸菌でクローニングされ た酵素は、大腸菌の培養培地にニッケルイオン源(典型的にはNiCl2の形態で) を供給した場合にのみ、ウレアーゼ活性を発揮する。このニッケルは、酵素合成 の間に存在する必要があり、タンパク質が完全に合成された後には取り込まれな い。また、活発にニッケルイオンとキレートを形成するアミノ酸、ヒスチジンま たはシステインは、大腸菌で発現されるクローニングウレアーゼタンパク質への ニッケルの取り込み又は進入を阻害する。したがって、細胞をヒスチジン及びシ ステインが多く含まれる栄養培地中で培養した場合には、組換えウレアーゼの活 性は低くなる。H.ピロリによる、または構造上のウレアーゼサブユニットによる ニッケル取り込みの機構はまだ解明されていない。アスペルギルス・ニデュラン ス(Aspergillus nidulans)のUreD補助遺伝子産物、またはクレブシエラ・エア ロゲネス(Klebsiella aerogenes)およびP.ミラビリス(P.mirabilis)のヒス チジンを多く含むUreE遺伝子産物のように、数種の微生物において、ウレアーゼ 構造遺伝子付近の補助遺伝子がニッケル取り込みに関与していると推定されてい るが、これらのいずれもまだ証明はされていない。生物のニッケル取り込み及び ウレアーゼのニッケル取り込みの別の機構が存在する可能性もある。 発明の概要 一般的に、本発明は、配列番号:1のアミノ酸配列を含み、ポリアクリルアミ ドゲル電気泳動(PAGE)に基づき約14kDaのモノマーの分子量を有する、実質的 に純粋なヘリコバクターのニッケル結合タンパク質を特徴とする。該タンパク質 はさらに、4.5および8の間のpH値で、最適にはpH6〜8で、ニッケルと非共有結合 により結合することを特徴とする。 もう一つの面において、本発明は、ニッケル結合タンパク質の生物学的に活性 な断片を特徴とする。「生物学的に活性な断片」とは、全長の天然のタンパク質 の生理学的な効果(例えば、生物学的基質への結合、抗原反応の惹起など)を発 揮することができる断片を意味する。 また、配列番号:1と実質的に同一なポリペプチドも特徴とする。「実質的に 同一な」とは、保存的なアミノ酸置換、または一つ又は複数の非保存的なアミノ 酸の置換、欠失、または挿入によってのみ異なるアミノ酸配列を意味する。保存 的なアミノ酸置換とは、例えば、同じクラスの一アミノ酸と別のアミノ酸との置 換(例えば、バリンとグリシンとの置換、アルギニンとリジンとの置換など)で あり、非保存的なアミノ酸の置換、欠失、または挿入とは、ポリペプチドの生物 学的な機能を損なうことのないアミノ酸配列部位に位置するものである。またこ れには、ポリペプチド中の共有ペプチド結合の代替的な結合への置換も含まれる 。「ポリペプチド」とは、長さまたは翻訳後修飾(例えば糖付加またはリン酸化 )に無関係に、全てのアミノ酸鎖を意味し、「タンパク質」という用語と交換可 能に用いることができる。 本発明はまた、抗原性を有するニッケル結合タンパク質の断片を特徴とする。 本明細書で用いられるように「抗原性」という用語は、特異的な免疫原性の反応 、例えばニッケル結合タンパク質に特異的に結合する抗体を生成する、または細 胞傷害性リンパ球を誘導する免疫原性の反応を引き起こすことができるタンパク 質の断片をさす。断片は、好ましくは少なくとも8アミノ酸の長さである。好ま しい態様において、断片は、ニッケル結合タンパク質のニッケル結合ドメインを 含む。「ドメイン」とは、ニッケルイオンの結合に直接関与するタンパク質中の アミノ酸領域を意味する。本発明のニッケル結合タンパク質の由来は、天然であ っても、組換えであってもよい。 もう一つの面において、本発明は、ニッケル結合タンパク質をコードする核酸 配列(配列番号:2および3)、その縮重変異体、または24個の連続ヌクレオチド 以上の長さのそれらの一部を特徴とする。「縮重変異体」とは、遺伝コードの縮 重のために天然の配列とは異なるが、本発明のニッケル結合タンパク質、又は実 質的に同一なポリペプチドをコードする全てのヌクレオチド配列を意味する。 本発明は、本発明のタンパク質または断片に特異的に結合する抗体を特徴とす る。 本発明のもう一つの面は、患者から生物学的試料(例えば、血清、胃分泌物、 または生検材料)を採取しヘリコバクターの存在を試験する、患者におけるヘリ コバクター感染を検出する方法を特徴とする。 好ましい態様において、ニッケル結合タンパク質またはその抗原性断片を基質 として用いて(例えば、ウェスタンブロッティングにより)、H.ピロリニッケル 結合タンパク質に結合する抗体が検出される。患者に該抗体が存在することは、 ヘリコバクター感染の指標となる。もう一つの態様において、感染の検出を、ニ ッケル結合タンパク質それ自体の存在を検出することにより、または(例えば、 PCR増幅またはドットブロッティングにより)ニッケル結合タンパク質をコード するDNAの存在を検出することにより行うことができる。 本発明はまた、本発明のニッケル結合タンパク質または該タンパク質のニッケ ル結合ドメインを、好ましくは経口投与または全身投与により患者に投与するこ とにより、治療(例えば消化性潰瘍、胃炎、またはニッケル毒性の治療)、また は予防(例えば消化性潰瘍または胃炎の予防)を目的として、患者体内の遊離の ニッケルイオンを結合する方法を特徴とする。 本発明はまた、ヘリコバクターのようなニッケルを必須とする病原性細菌が感 染することから引き起こされる、患者における胃腸組織損傷の予防または改善す る方法を特徴とする。本方法は、本発明のニッケル結合タンパク質に結合する特 異的抗体を患者に投与し、それにより宿主における病原性細菌を結合し、中和す ることを含む。 本発明はまた、本発明のタンパク質または可溶性断片に溶液を接触させて金属 −タンパク質複合体を形成させ、それからそれを溶液から除去することによる、 水溶液からのニッケルイオンの除去を特徴とする。「水溶液」とは、pHを4〜8の 範囲に滴定することができる水と混和性の全ての溶液を意味する。該溶液には、 例えば63Niのような放射性同位元素を含む、水溶性の実験廃棄物が含まれる。 本発明のもう一つの面は、本発明のニッケル結合タンパク質または断片と相互 作用する能力をアッセイすることにより、治療剤として使用できる可能性につい て化合物をスクリーニングする方法である。本方法は、被験化合物をタンパク質 または断片と混合し、次に該タンパク質をニッケル結合樹脂に接触させ、該タン パク質がニッケルに結合するか否かを判定することにより、ニッケル結合能をア ッセイすることを含む。 本発明はまた、ヘリコバクターによる感染に対して患者を種痘する方法を特徴と する。本方法は、患者において免疫原性の反応(例えば、抗体の生成、細胞傷害 性リンパ球の刺激)を発揮するための量で、適当な賦形剤中の配列番号:1のタ ンパク質または断片を患者に投与することを含む。 本発明のもう一つの特徴は、本発明のニッケル結合タンパク質またはDNAの( 転写または翻訳の機構による)合成を阻害することにより胃組織損傷を軽減する よう設計された治療方法である。本方法は、ヘリコバクターに感染した患者へ、 本発明のDNAに対するアンチセンス分子を投与することを含む。「アンチセンス 」とは、本発明の二本鎖DNAのコーディング鎖の一部の反対側の相補鎖である10 ヌクレオチドまたはそれ以上を含む分子を意味する。 本発明は、従来の診断法および予防法より優れた利点を有し、様々なニッケル 関連疾患、最も注目すべきはヘリコバクターピロリ感染およびニッケル毒性のた めの新規な治療薬および診断薬を開発する機会を提供する。 例えば、H.ピロリ感染を診断することができる現在入手可能な試験法が存在する 。これらは、ウレアーゼ活性のアッセイに基づいている。本発明の方法により試 験するための血清試料を得ることは、使用可能な胃組織試料を得るよりも容易で あるため、本発明はこれらの方法よりも優れている。 本発明のニッケル結合タンパク質には、その他の使用法もある。例えば、H.ピ ロリ感染を予防するためのワクチンとして、又は粘膜における遊離のニッケルイ オンの取り込みをH.ピロリウレアーゼと競合し、集合したウレアーゼの活性を減 少させるための該感染症の治療剤として、使用することができる。また、ニッケ ル結合タンパク質に対する抗体は、ヘリコバクターのウレアーゼへのニッケル取 り込みを阻害するために用いることができる。さらに、本ポリペプチドまたはニ ッケル結合断片は、(例えばニッケル中毒において)過剰のニッケルイオンを結 合するための解毒剤として全身的に使用することができる。 本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、および請求の範囲か ら明らかとなるであろう。 図面の簡単な説明 図1:ニッケル結合タンパク質の核酸配列およびアミノ酸配列である。下線の 領域は、配列決定されたトリプシンによる断片である。a)は消化されないニッケ ル結合ポリペプチドのN末端配列(AHHEE)であり、b)はトリプシンによるピー ク37( HHEEQHGGHHHHH )であり、c)はトリプシンによるピーク14(T HHQEEG (S )HGHHE)である。 図2:ヘリコバクターに感染した患者および感染していない患者からの血清の ウェスタンブロットである。 詳細な説明 H.ピロリは、活性な酵素を合成するために、ウレアーゼ合成の間にニッケルイ オンを必要とする。既知のニッケル結合ウレアーゼ補助遺伝子と有意な相同性は 示さない、ヘリコバクターの高度に発現したニッケル結合タンパク質が、本明細 書に開示される。該タンパク質は、吸着樹脂の形態で固定化されたニッケルイオ ン(Ni-NTA樹脂;キアゲン社(Qiagen Inc.)、米国)へとヘリコバクタータン パク質を吸着させることにより、選択的に単離された。対応するDNAクローンが 同定され、その配列が決定された。該DNAは、H.ピロリの培養試料において大量 に転写され、おそらく局所的な環境から遊離のニッケルイオンを除去するために 、または活性型ウレアーゼを組み立てる機能的な段階において、生物により利用 される。それは、豊富に存在するため、ヒト患者におけるH.ピロリ感染の診断お よび抑制のための標的として好適である。 本発明の製造法および使用法を以下に詳細に説明する。ヘリコバクターピロリの培養 ヘリコバクターピロリ株は、以下の3つの方法のうちの一つにより培養した。 1)10%のヒツジ血液および抗生物質(バンコマイシン、ポリミキシン、およ びトリメトプリム)を添加したヒツジ血液寒天プレート(キャンピアガー・スキ ロー(Caulpyagar Skirrow)、ディフコ社(Difco,Inc))上で、標準的な方法 を用いて接種し、37℃でインキュベーションを行う。 2)キャンピアガー様プレートに、0.1〜0.2%のシクロデキストリンを添加し た10mlの液体ブルセラブロス(Brucella broth)を重ねることを含む、二相培養 法(biphasic culture method)。細胞をプレートに加え、キャンピパック(Cam py Pak)(Becton Dickinson Microbiology Systems)中で微好気性の条件下で37℃ で培養しながら穏和に攪拌する。 3)トーション容器(torsion jar)中で、同じく微好気性の条件下で、細胞を 0.1〜0.2%のシクロデキストリンおよび抗生物質を含むブルセラブロス中で培養 する。 いずれの培養法を用いても、ニッケル結合タンパク質が相当量で産生される。細胞の回収およびタンパク質の単離 寒天プレート培地を削り、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で溶離することによ り、細胞を得た。次に、細胞を遠心分離し(5,000RPM)、PBSで一回洗浄した。 液体培地から細胞を遠心沈降させ、PBSで一回洗浄した。 遠心分離したペレット中の細菌を緩衝液B(8M尿素、10mM Tris-HCl、100mMリ ン酸ナトリウム)に再懸濁させた。溶液は、細胞が溶解する、pH8.2に調整した 。遠心分離により、細胞溶解物から不溶性の物質をペレットにし、上清(ヘリコ バクタータンパク質およびDNAが含まれる)を再び遠心分離し、微粒子を完全に 除去した。清澄な上清へ15μlのNi-NTA樹脂(キアゲン社、米国)を添加した。 この樹脂は、金属キレートアフィニティークロマトグラフィーを行うためのもの で、ニッケルイオン(Ni2+)により荷電したニトリロートリ酢酸(nitrilo-tr iaceticacid)、従ってNi-NTAである。この系において、NTAは、Ni2+イオンの配 位領域内の6個のリガンド結合部位のうち4個に結合し、2つの部位はニッケル結 合タンパク質と相互作用できるように未結合の状態になっている。この吸着樹脂 は、目的の組換えタンパク質に6×Hisテールを結合させ、キアゲン樹脂へのアフ ィニティ結合により単離することを含む、キアゲン系によりクローニングされた タンパク質の単離、という他の目的においても同様に使用されている。 ニッケル結合タンパク質を樹脂に結合させるため、混合液を、室温で 30分 間エンド・オーバー・エンド(end-over-end)攪拌(1分間に10振幅)によりゆ っくり混合した。次に樹脂を遠心分離により安定させ、緩衝液C(上記の緩衝液B と同一、ただしpH6.3に調整した)で4回洗浄した。この処理により、樹脂に対す る結合親和性の低いタンパク質が溶出する(クレブシエラ(Klebsiella)の補助 ウレアーゼタンパク質ureEを精製するためにも同様の方法が試されたが、結果は 得 られなったことに注意せよ)。不要なタンパク質を含む上清は廃棄した。ほとん ど乾燥した樹脂を0.1M EDTAを含む緩衝液C中に再懸濁させ、SDS-PAGE試料緩衝液 を加えることにより、ニッケル結合タンパク質を放出させた。それから、この混 合液を7分間加熱して、ニッケル結合タンパク質が除去された不溶性樹脂を遠心 分離により除去した。ニッケル結合タンパク質を含む上清を、15%SDS-PAGEゲル で還元条件下で電気泳動させた。タンパク質を同定するために、クーマシーブル ーでゲルを染色した。 この時点におけるタンパク質は、高度に濃縮され、精製されているが、他の未 同定のタンパク質を極微量含んでいる可能性がある。アミノ酸分析のためタンパ ク質を完全に単離するために、他の微量タンパク質を残して、それを未染色のゲ ルから切り出した。タンパク質は、指標として典型的な分子量マーカーを用いて 位置を決定した。それから、それを電気穿孔法により溶出させた。ニッケル結合 タンパク質を含む切り取ったゲルをトリス/グリシン緩衝液中に置き、3500kDa のカットオフ値を有する透析チューブに入れた。4℃、100ボルトで2時間、ゲル からタンパク質を電気溶出させた。この後、透析チューブの一端を開封し、ゲル 片を取り出し、タンパク質を含む液を4℃で一晩、0.05%SDS/5.0mM炭酸水素(-HC O3)アンモニウムに対して透析した。 それから、内容物を透析チューブから取り出し、マイクロフュージ遠心チュー ブ中に入れ、各チューブ内の容量が50μlに減少するまで、スピードバック(Spe edVac)中でエバポレーションにより濃縮した。次に、タンパク質を沈殿させる ため、50μlのタンパク質溶解液に450μlのアセトンを添加した。この沈殿物を 、-20℃で一晩保存した。沈殿したタンパク質物質を遠心分離し、アセトンで洗 浄し、再び遠心し、そして空気乾燥によりアセトンを除去した。それから、沈殿 物を、8M尿素および0.4M炭酸水素アンモニウム、pH8.0を含む溶液50μl中に再懸 濁させた。この溶液の5μlを、予めメタノール、次に水で湿らせたイモビロンP メンブレン(Immobilon P membrane)に載せた。タンパク質を吸着しているこの メンブレンを、水で5回洗浄し、アミノ酸分析に使用した。アミノ酸分析 上記のようにしてH.ピロリから精製されたニッケル結合タンパク質のアミノ酸 分析を、以下の表1に示す。ヒスチジン含量は30モル%であることが示された。 標準の分子量マーカーと比較したSDS-PAGEゲル中の移動度による分子量は14kD aであった。この分子量は、一単位のポリペプチドのものであり、従って、ニッ ケル結合タンパク質がヘテロポリマーまたはホモポリマーであるなら、14kDaと はそのサブユニットの大きさである。精製の過程で示されたように、一つのサブ ユニットは単独でニッケルに結合する能力を有する。 精製されたタンパク質についてアミノ末端分析を行ったが、保護されているこ とが明らかとなった。内部の残基を調べることができるように、タンパク質のト リプシン消化を利用した。還元され、アルキル化されたタンパク質を修飾トリプ シン(ベーリンガーマンハイム社(Boehringer Mannheim))で消化し、断片をH PLCで分離した。ピークを同定し、3つの断片をエドマン型アミノ末端分析に供し た。配列を決定した断片を図1に示す。 このニッケル結合タンパク質は、米国および日本で異なる患者から単離された 10個のH.ピロリ株の全てに見出された。ケナガイタチ(ferret)から得られた二 つのH.ムスタレ(H.mustalae)株では、ゲル上に、幾分幅広の、しかしほとんど 同じ大きさのタンパク質が観察された。DNA クローンの単離 プラスミドベクターでゲノムDNAライブラリーを構築した。大腸菌をDNA含有プ ラスミドに形質転換し、選択培養し、ポリペプチドを発現させた。一次抗体とし てポリペプチドに特異的なヒト抗体を用いて、修飾ウェスタンプロトコルにより 、ニッケル結合ポリペプチドを発現しているコロニーを検索した。 コロニーをニトロセルロース上にブロットし、5%SDS中に浸したフィルター紙 上で溶解させた。メンブレンを100℃で15分間加熱し、続いてDNAseおよびPMSFを 含む5%BSA/PBS中で1時間インキュベーションを行った。メンブレンを洗浄し、 トランスファーアセンブリ(transfer assembly)中に入れ、トリス/グリシン /メタノール緩衝液中で50Vで1時間電気泳動させた。その後、特異的抗体を用い てメンブレンを検索することができた。 特異的抗体を調製するため、Ni-NTAを用いて精製したニッケル結合ポリペプチ ドを、15%SDSポリアクリルアミドゲル上で電気泳動させ、イモビロンPメンブレ ンへとエレクトロブロットした。メンブレンをPBS/1%BSA溶液でブロックし、 そ れからELISAアッセイによりヘリコバクター感染陽性と判定された患者からの血 清とともにインキュベートした。室温で3時間インキュベーションを行った後、 メンブレンをPBS/0.5%ツイーン20で十分に洗浄した。pH2.6の0.1Mグリシン緩衝 液を用いてメンブレンから特異的抗体を溶出した。その後、その溶出液を1Mトリ スpH8を用いて中性pHに滴定した。 シグマ抗ヒトIgGアルカリホスフアターゼ複合体を二次抗体として用い、ホス ファターゼの発色基質でブロットを可視化した。 約6000コロニーをスクリーニングし、10個のおそらく陽性のクローンを同定お よび単離した。2個のクローンをさらに精製した。クローン番号1は、ヘリコバク ターDNAの710bp断片を有しており、当技術分野において既知のジデオキシチェー ンターミネーション法(シーケナーゼ2(Sequenase 2)、USB)によりその配列 を決定した。クローニングされたDNA(配列番号3)によりコードされるニッケ ル結合タンパク質の推定アミノ酸配列(配列番号1)を図1に示す。タンパク質発現 クローニングされたDNAは、組換えニッケル結合タンパク質を合成するため、 大腸菌のような宿主細胞を形質転換するために用いられる発現ベクターへ挿入す ることができる。発現法は、当業者に周知である。抗体の作製 ニッケル結合タンパク質またはその抗原性断片を、従来の方法を用いて抗体を 作製するために用いることができる。抗原性断片を用いる場合、それらは、(例 えば、コンピテント細菌細胞の形質転換の前に)目的のアミノ酸をコードするDN A部分(24またはそれ以上のヌクレオチド)のみをベクターに導入することによ り、上記と同様の組換え法を用いて作製することができる。また、組換え体であ っても野生型であっても、完全なタンパク質を特異的なプロテアーゼで消化し、 8またはそれ以上のアミノ酸の抗原性断片を得ることができる。 抗血清は、組換え体または野生型の精製されたタンパク質を免疫原として用い ることにより、当業者に周知の方法により作製することができる。抗血清を採取 し、既知の方法を用いて特異性についてスクリーニングする。 天然の抗血清はH.ピロリに感染したヒト患者から採取され、本発明のニッケル 結合タンパク質に対する抗体はホール(Hall)ら(Nature 311:379,1984)の方 法に従い単離された。 モノクローナル抗体は、当業者に既知の方法を用いて(例えば、Coligan et a l.,eds.Current Protocols in Immunology,John Wiley and Sons,1992; Kohler et al.,Nature 256:495,1975; Hammerling et al.,in Monoclonal Antibodies a nd T Cell Hybridomas,Elsevier,NY,1981)、免疫したマウスの脾臓からの免疫B 細胞を不死化細胞と融合させ、各抗体を特異的に分泌するハイブリドーマを作出 することにより作製できる。発明の利用 診断薬として 本発明の適用の一つは、患者が免疫反応を起こすのに十分な程度にH.ピロリに 侵されているか否かを確認するための、診断用手段としてのものである。現在の 技術により、本発明のこの面を短期間のうちに臨床的に利用できるようにするこ とができ、それは患者から簡便に血液を採取するだけでよいという点で従来のH. ピロリ感染の試験法よりも利点を有している。実施例: H.ピロリに感染している患者および感染していない対照の患者から、血清を得 た。H.ピロリから精製されたニッケル結合タンパク質を、ウェスタンブロット解 析のためにメンブレン上に固定化した(Sambrook,et al.上記)。患者の血清 を1:400に希釈して、ニッケル結合タンパク質のウェスタンブロットにおいて試 験した。ウェスタンブロット解析により、H.ピロリ感染ヒト血清中にニッケル結 合タンパク質に対する抗体が同定された。対照の血清については、反応するとし ても、その反応は極めて微弱であった(図2)。ワクチンとして 上記の実施例は、H.ピロリのニッケル結合タンパク質が、感染の間、抗原性を 有するということを示しており、したがって、本発明における該タンパク質のも う一つの用途は、ヘリコバクター感染に対するワクチンとして、というものであ る。精製されたポリペプチドまたはその抗原エピトープは、(当業者に既知の方 法を用いて)ワクチンに適当な組成物と混合し、患者に接種してH.ピロリ感染に 対する防御を与える免疫原性の反応を誘導するために用いることができる。ポリ ペプチドのいかなる部分も有効であるが、特にタンパク質が4次または3次構造へ と折り畳まれた際に表面に露出される領域、およびそれゆえにニッケル結合領域 が、必ずしも、本発明の態様にとって最も重要な領域であるとは限らない。治療薬として 本発明のタンパク質はまた、ニッケル中毒(しばしば工業地域でみられる)の ような該イオンの過剰を治療するために、または胃粘膜において内因的に供給さ れるニッケルイオンとの結合をH.ピロリと競合するために、体内の遊離のニッケ ルイオンを捕捉する手段として機能することができる。全長タンパク質までを含 む、より大きい断片も可能であるが、タンパク質のニッケル結合ドメインが、唯 一の必須の成分である。 経口投与されると、ニッケル結合ポリペプチドは、H.ピロリがコロニーを形成 した胃内の環境まで到達し、生物が本来有するニッケル捕捉機構と無毒性に競合 する。ニッケルはウレアーゼの活性にとって必要であり、ウレアーゼ活性(及び その結果生じるアンモニア産物)は胃炎および消化性潰瘍の原因となっているた め、遊離のニッケルが不十分になれば、ウレアーゼの活性が失われるか、または 微弱となる。これには、胃炎および消化性潰瘍を予防又は軽減する効果がある。 胃内におけるタンパク質の消化を最小限にするために、一つ又は複数のペプチド 結合を、胃に共通のペプチダーゼによる切断を受けにくい別の型の共有結合(「 擬ペプチド(peptide mimetic)」)と置換した組換えペプチドを作製することが できる。患者へ投与した後のペプチドのタンパク分解が問題となる場合には、特 に切断されやすいペプチド結合を非分解性の擬ペプチドで置換することにより、 ペプチドの安定性を増大させることができる。このような擬ペプチド、およびそ れをポリペプチドに取り込ませる方法は、当技術分野において周知である。同様 に、L-アミノ酸残基の置換は、ポリペプチドのタンパク分解に対する感受性を減 ずるための標準的な方法である。また、t-ブチロキシカルボニル基、アセチル基 、テイル基、スクシニル基、メトキシスクシニル基、スベリル基、アジピル基、 アゼライル基、ダンシル基、ベンジルオキシカルボニル基、フルオレニルメトキ シカルボニル基、メトキシアゼライル基、メトキシアジピル基、メトキシスベリ ル 基、および2,4-ジニトロフェニル基のようなアミノ末端保護基も有用である。後 者の方法には、組換え技術ではなく、ポリペプチド合成が必要である。 ニッケルのキレート化および除去は、さらに、粘膜に対して保護効果を有する可 能性がある。タンパク質に結合したニッケルイオンは、細胞に対して周知の悪影 響を及ぼし、核酸、タンパク質、および脂質に損傷を与える、フリーラジカル源 となりうる(総説について、Sunderman(1987)Toxicological and Environmant al Chemistry,15:59を参照)。コーヒー、茶、およびチョコレートなどの通常の 食事からのニッケル源は、消化された後にフリーラジカルを生じるために、潰瘍 の患者に苦痛を与えると考えられる。したがって、アンモニア(活性型ウレアー ゼ)源と同様に、組織損傷のフリーラジカル源を減少させることが有用であるこ とは、容易に理解されるであろう。 本発明の分子はさらに、アンチセンス療法として治療に使用することが可能で ある。アンチセンス分子は、本発明のDNAのいかなる部分に対しても標準的な合 成法を用いてを作製することができ、ヘリコバクターのニッケル結合タンパク質 の転写および/または翻訳を阻害することにより胃組織損傷を軽減するために患 者に投与することができる。問題としているタンパク質が細菌のものであるため 、アンチセンス分子にとって好適なベクターは、細菌に選択的に感染し、所望の アンチセンス分子を合成するバクテリオファージである。それら(例えば大腸菌 )はニッケル結合タンパク質を産生しないため、この治療は正常な細菌叢には悪 影響を与えない。さらに、ベクターは、より標準的なウイルスベクター系および プラスミドベクター系から選択することができる。また、分子をベクターを用い ずに、例えば経口投与により投与することも可能である。この場合、細菌は直接 アンチセンス分子と接触し、それを正常な(例えばファゴサイトーシスによる) 機構を介して取り込む。該分子は、当技術分野において知られている方法を用い て、適当な賦形剤に入れて投与される。ニッケル結合遺伝子の転写を阻害するた めに生物のDNAに結合するアンチセンス、またはタンパク質の翻訳を阻害するた めにmRNAに結合するアンチセンスが選択される。ニッケル結合タンパク質は、H. ピロリ細胞を抑制する薬物を、同定および設計するためにも用いることができる 。例えば、該タンパク質と相互作用する薬物は、ニッケルを結合させずに、代わ りに 選択的に該タンパク質に結合し、その結果活性型ウレアーゼの組立を抑制する。 この機能に関する薬物のスクリーニングは、被験化合物とニッケルとの間の(当 技術分野において標準的な)競合アッセイを確立し、結合基質として精製された タンパク質またはニッケル結合断片を用いることにより、比較的容易なものとな った。例えば、Ni-NTAキアゲン樹脂をアッセイにおけるニッケル源として用い、 被験化合物の存在下または非存在下で樹脂に吸着するタンパク質の量を薬物結合 効率の指標とすることが可能である。環境への適用 本発明のポリペプチド、またはその金属結合断片のさらにもう一つの用途は、 水溶液を精製する試薬としてのものである。そのような汚染を除去する方法には 、商業的および産業的適用の可能性が数多くある。例えば、本方法は、ニッケル の放射性同位元素を含む廃棄物の管理に好適である。可能であれば、液体放射性 廃棄物の容量を減少させることは望ましいことであり、(廃棄物を適当なpHに滴 定した後)ニッケル結合ポリペプチドの可溶性部分を水溶性廃棄物と混合し、放 射性金属イオンを結合させ、それから結合したタンパク質―金属複合体を溶液か ら除去するという、ニッケル結合タンパク質の利用法が可能である。63Niは、 本方法により除去できる放射性核種の一例である。また、本発明のニッケル結合 ポリペプチドを固相支持体(例えば、樹脂またはより大きな支持体)に結合させ 、次に汚染を除去したい溶液に加え、それからニッケルがタンパク質へと接近で きるように混合してもよい。遊離のニッケルが結合した後、低容量の固体廃棄物 を得るために、大きな支持体を除去するか、または樹脂を遠心分離することは、 簡単なことである。本方法はまた、非放射性の水溶液にも適用可能であり、いか なる容量の液体にも用いることができる。寄託 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約(Budapest T reaty on the International Recognition of the Deposit of Microorganisms for the Purpose of Patent Procedure)の要件の下で、ヘリコバクターピロリ ニッケル結合タンパク質の配列と共に3.5kbのゲノムクローンを含むプラスミドp SKHP2-17を、1994年7月7日に、米国、メリーランド州、ロックヴィルのアメリカ ン タイプカルチャーコレクション(ATCC)に寄託し、寄託番号(Accession Number )75806を与えられた。 出願人の譲渡人、ニューイングランドメディカルセンターホスピタル(New En gland Medical Center Hospital)およびタフツ医科大学(Tufts University Sc hool of Medicine)は、ATCCは、寄託物を永久に維持することができ、特許が付 与された場合、公衆への利用可能性が準備されている寄託所であることを示して いる。このように寄託された該物質の公衆への利用可能性を制限するものは全て 、特許が付与された際に変更不可能に取り除かれるであろう。特許出願の係属中 、長官(Commissioner)により37CFR1.14および35U.S.C.§122の下で資格を与え られると決定された者は、寄託物を利用することが可能である。寄託物は、寄託 されたプラスミドの最も最近の分譲請求から少なくとも5年間、そしていずれに しても寄託日から少なくとも30年間、または特許が有効である期間は、いずれの 期間の方が長くとも、最大の注意を払って維持されるであろう。出願人の譲渡人 は、寄託物の状態のために寄託所が請求時に試料を分譲できない場合には、寄託 物を交換する義務を理解している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/15 G01N 33/15 Z 33/566 33/566 (72)発明者 ギルバート−ロステイン ジョアンヌ ブ イ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ア ーリントン ロビン フッド ロード 31 (72)発明者 ライト アンドリュー アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 リ ンカーン オーク メドウ ロード 9

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a)ヘリコバクター細菌に見出され、 b)配列番号1のアミノ酸配列を含み、 c)ポリアクリルアミドゲル電気泳動により決定した場合、約14kDaのモノマー の分子量を有する、 ことを特徴とする実質的に純粋なタンパク質、およびその生物学的に活性な断片 。 2.配列番号1と実質的に同一なポリペプチド、またはその断片。 3.ニッケル結合タンパク質に特異的に結合する抗体を生成することができる、 請求の範囲1のタンパク質の断片。 4.少なくとも8アミノ酸の長さである請求の範囲1の断片。 5.タンパク質のニッケル結合ドメインを含む、請求の範囲4の断片。 6.配列番号2を含むニッケル結合タンパク質をコードする実質的に純粋なDNAも しくはその縮重変異体、または少なくとも24個の連続ヌクレオチドを含む該DNA の一部。 7.請求の範囲1のポリペプチドに特異的に結合する抗体。 8.配列番号1のニッケル結合タンパク質に対する抗体の存在をアッセイするこ とによってヘリコバクター感染の徴候について試料を試験することを含む、試料 中のヘリコバクター感染を検出する方法。 9.検出が、配列番号1のニッケル結合タンパク質をコードするDNAの存在をアッ セイすることによって行われる、請求の範囲8の方法。 10.検出が、配列番号1のニッケル結合タンパク質の存在をアッセイすること によって行われる、請求の範囲8の方法。 11.a)ニッケルイオンとタンパク質との間で複合体を形成させるために、請 求の範囲1(配列番号1)のタンパク質またはそのニッケル結合断片を溶液に添加 し、 b)該溶液から該複合体を除去することを含む、 水溶液からニッケルイオンを除去する方法。 12.請求の範囲1のニッケル結合タンパク質又は断片と相互作用する能力につ い て治療用候補化合物を試験する方法であって、 a)該化合物をタンパク質又は断片と接触させ、 b)該化合物/タンパク質混合物をニッケル結合樹脂と接触させ、 c)該タンパク質が該ニッケル結合樹脂に結合するか否かを判定すること、を含 む方法。
JP8500888A 1994-06-08 1995-05-09 ヘリコバクターピロリニッケル結合タンパク質 Pending JPH10506521A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/255,457 US5780040A (en) 1994-06-08 1994-06-08 Helicobacter pylori nickel binding protein
US08/255,457 1994-06-08
PCT/US1995/005772 WO1995033767A1 (en) 1994-06-08 1995-05-09 Helicobacter pylori nickel binding protein

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10506521A true JPH10506521A (ja) 1998-06-30

Family

ID=22968415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8500888A Pending JPH10506521A (ja) 1994-06-08 1995-05-09 ヘリコバクターピロリニッケル結合タンパク質

Country Status (5)

Country Link
US (2) US5780040A (ja)
EP (1) EP0770092A4 (ja)
JP (1) JPH10506521A (ja)
CA (1) CA2192312A1 (ja)
WO (1) WO1995033767A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5780040A (en) * 1994-06-08 1998-07-14 Tufts University School Of Medicine Hospital, Inc. Helicobacter pylori nickel binding protein
WO1997038110A2 (en) * 1996-04-05 1997-10-16 Kieta Holding S.A. Compositions and methods relating to drug discovery and detection and treatment of gastrointestinal diseases
GB9807721D0 (en) * 1998-04-08 1998-06-10 Chiron Spa Antigen
WO2002004017A2 (en) * 2000-07-07 2002-01-17 MAX-PLANCK-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Method for preparing oral vaccines
ITUA20163876A1 (it) * 2016-05-27 2017-11-27 Univ Del Salento Biorecettore per ioni metallici.
CN117362398B (zh) * 2023-09-12 2024-03-19 河北医科大学第一医院 抑制幽门螺杆菌摄取金属离子的多肽抗原及其应用

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5459041A (en) * 1988-02-18 1995-10-17 Enteric Research Laboratories, Inc. Campylobacter pylori antigens and uses thereof for detection of Campylobacter pylori infection
US4882271A (en) * 1988-03-10 1989-11-21 Baylor College Of Medicine Process for preparation of high molecular weight cell-associated protein of campylobacter pylori and use for serological detection of campylobacter pylori infection
US5258178A (en) * 1990-07-30 1993-11-02 Abbott Laboratories Method and product for the treatment of gastric disease
US5567594A (en) * 1991-04-26 1996-10-22 Enteron, L.P. Methods and compositions for the detection and treatment of diseases associated with antigens of microorganisms
US5262156A (en) * 1991-08-12 1993-11-16 Hycor Biomedical, Inc. Antigenic compositions and their use for the detection of Helicobacter pylori
US5314804A (en) * 1992-03-24 1994-05-24 Serim Research Corporation Test for Helicobacter pylori
MX9301706A (es) * 1992-04-13 1994-05-31 Oravax Inc Composicion de vacuna para el tratamiento de la infeccion por helicobacter.
US5780040A (en) * 1994-06-08 1998-07-14 Tufts University School Of Medicine Hospital, Inc. Helicobacter pylori nickel binding protein
US5625124A (en) * 1994-07-11 1997-04-29 Washington University Animal model for helicobacter pylori infection
US5527678A (en) * 1994-10-21 1996-06-18 Vanderbilt University CagB and CagC genes of helicobacter pylori and related compositions

Also Published As

Publication number Publication date
US5780040A (en) 1998-07-14
EP0770092A4 (en) 1998-05-20
CA2192312A1 (en) 1995-12-14
US5972348A (en) 1999-10-26
EP0770092A1 (en) 1997-05-02
WO1995033767A1 (en) 1995-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100331358B1 (ko) 그룹B스트렙토코커스의많은균주들에대한면역성을제공하는세포표면단백질인Rib단백질,그단백질의정제방법,시약키트및제약조성물
US5223604A (en) Pseudomonas exoenzyme s peptide composition and method
CN110642927B (zh) 一种蛋白在制备预防化脓隐秘杆菌感染的药物中的应用
EP2528939B1 (en) Recombinant proteins for use in vaccine, antibodies against said proteins, and diagnostic and therapeutic methods including the same
JPH06508513A (ja) マイコバクテリウムタンパク質およびその使用
JPH10506521A (ja) ヘリコバクターピロリニッケル結合タンパク質
CA2719041C (en) A method for identifying polypeptides which comprise a cross-reactive antigenic determinant
CN110257405B (zh) 牛支原体乙醇脱氢酶基因及其编码蛋白与应用
DK172329B1 (da) Polydisperse, native Pseudomonas-flagella(H)-antigener (FAg) i polymer form og fremgangsmåde til deres udvinding
CA2466474A1 (en) Compositions comprising spa-1, spa-2 and spa-3, polypeptides and related uses
FR2758144A1 (fr) Polynucleotide codant pour un polypeptide de 27 kd de mycobacteries appartenant au complexe de mycobacterium tuberculosis, application au diagnostic et a la prevention de la tuberculose
CA2432525A1 (en) Streptococcus pyogenes antigens and corresponding dna fragments
RU2102081C1 (ru) Иммуногенная композиция против боррелиоза лайма, способ иммунизации млекопитающего против боррелиоза лайма, способ получения белка pc borrelia burgdorferi, диагностический агент для обнаружения b.burgdorferi и способ обнаружения антител к b.burgdorferi
WO2011009771A2 (en) Immunogenic and therapeutic compositions for streptococcus suis
CA2410883C (en) Methods for isolating and using fungal hemolysins
WO2007060546A2 (en) Characterization of novel lpxtg-containing proteins of staphylococcus epidermidis
AU2002241156A1 (en) Pathogenic and commensal vaccine antigens
CA2621666A1 (en) Antigens for vaccination against and detection of mycoplasma suis
WO2002077648A2 (en) Pathogenic and commensal vaccine antigens
WO2005023851A1 (en) Plasminogen/plasmin binding polypeptides and nucleic acids therefore
AU681130C (en) Protein rib, a cell surface protein that confers immunity tomany strains of the group B streptococcus; process for purification of the protein, reagent kit and pharmaceutical composition
JPH10251298A (ja) ブタ萎縮性鼻炎のワクチンと診断剤
JP2008113592A (ja) クロストリジウム・パーフリンゲンスの産生する新規な毒素
CN111647569A (zh) AT-CoaR6融合蛋白及在制备抗金葡菌感染的双组分疫苗中的应用
PEPTIDOGLYCANS et al. STRUCTURE AND BIOLOGICAL ACTIVITY OF PEPTIDOGLYCANS