JPH10504706A - 雄性不稔植物の維持のためのアントシアニン遺伝子の使用 - Google Patents

雄性不稔植物の維持のためのアントシアニン遺伝子の使用

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JPH10504706A
JPH10504706A JP8501581A JP50158196A JPH10504706A JP H10504706 A JPH10504706 A JP H10504706A JP 8501581 A JP8501581 A JP 8501581A JP 50158196 A JP50158196 A JP 50158196A JP H10504706 A JPH10504706 A JP H10504706A
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エンノ クレッベルス、
マーク ウイリアムズ、
ジャン レーマンズ、
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Plant Genetic Systems NV
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    • Y10S47/00Plant husbandry
    • Y10S47/01Methods of plant-breeding and including chromosome multiplication

Abstract

(57)【要約】 第一遺伝子座に同型接合性の雄性不稔性(male-sterility)遺伝型を、そして外来DNA Rfに関してヘテロ接合(Rf/-)である第二遺伝子座に色連鎖回復遺伝型をそれぞれ具備した細胞を必須的に有する植物。該外来DNA Rfは、a)雄性不稔遺伝型の表現型発現を防ぐことが可能な生殖回復遺伝子、及びb)植物中の少なくとも種子中に、外側から視覚的に確認できる程度に、アントシアニンを合成することが可能な、植物中の種子細胞中のアントシアニン生合成の制御に関わる、少なくとも一つのアントシアニン制御遺伝子を具備する。短くしたR、B、C1、アントシアニン制御遺伝子、又はこれらの組み合わせが好ましい。本発明は更に、短くしたR、B、またはC1アントシアニン制御遺伝子をコードするDNA配列に関し、また雄性不稔植物系統の維持のプロセスであって、雄性不稔遺伝型、並びに生殖回復遺伝子及びアントシアニン制御遺伝子とを具備した回復遺伝型と雄性不稔親系統とを交配することを具備したプロセスに関する。

Description

【発明の詳細な説明】 雄性不稔植物の維持のためのアントシアニン遺伝子の使用 本発明は、以下のものに関する: 植物作物種のハイブリッド種子を作るのに使用可能な雄性不稔植物を維持す る方法; 上記のプロセスのために使用可能なトランスジェニック同系植物;及び 上記トランスジェニック同系植物を作りだすのに使用可能なキメラ遺伝子。 発明の背景 ほとんどではないにしろ、多くの植物種においては、ハイブリッドの栽培植物 変種を開発することが熱望されているが、それは該栽培植物変種が一般的に雑種 強勢(ハイブリッド個体をその親系統と比較したときの出来栄えのよさ)のため に生産性が増加しでいるためである(例としては以下のものを参照されたし:Fe hr,1987,Principles of Cultivar development,Volume 1: Theory and Techni que,MacMillan Publishing Company,New York; Allard,1960,Princoples of Plant Breeding,John Wiley and Sons,Inc.)。 種々の植物種に関しての、ハイブリッド栽培植物変種の開発は、親同士での、 必須的にほぼ完全な他花受粉に依存している。これを最も簡単に実行するには、 親系統の一方を雄性不稔にする(すなわち花粉が欠失しているか、機能しない様 にする)が、このためには、葯を手を使って取り除くか、または遺伝的に、すな わち一方の親系統において葯及び/または花粉の発生を防ぐ細胞質または核内遺 伝子を取り除けばよい(植物における雄性不稔の遺伝学については、Kaul,1988 ,Male Sterility in Higher Plants,Springer Verlagを参照されたし)。 種子が収穫産物であるハイブリッド植物(例えばトウモロコシ、ナタネ)では 、多くの場合に該ハイブリッド植物の繁殖性が完全に回復していることを保証す ることが必要である。雄性不稔が遺伝的に制御される系においては、上記のため には雄性不稔を回復させる遺伝子が存在し、尚且つそれを使用することが要求さ れる。ハイブリッド栽培植物変種の開発は主に、適切で効果的な不稔遺伝子及び 回復遺伝子 の入手可能性に依存する。 雄性不稔に影響する遺伝型を有する内在性の核内遺伝子座が多くの植物で知ら れているが、一般的には雄性不稔表現型となるためには、該遺伝子座は特定の劣 性対立遺伝子に関して同型接合体である必要がある。上記遺伝子座に、優性の雄 性繁殖性対立遺伝子が存在すると、オスに繁殖性が生じる。 例えば細胞毒性産物(例えばRNア−ゼ)をコ−ドし、オス生殖器官の選択した 組織において顕著な活性を有するプロモ−タの制御下にあるDNA配列(または雄 性不稔DNA)を具備したキメラ雄性不稔遺伝子を、植物のゲノムに提供すること で、雄性不稔を誘導することが可能であることが最近になって判明した。この点 において、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)のTA29遺伝子のプロ モ−タのような、雄しべ特異的プロモ−タが、上記の目的のために特に有益であ ることが示された(Mariani et al.,1990,Nature,347:737,ヨ−ロッパ特許 公報(European patent publication(EP))0,344,029)。植物の核内ゲノムに上 記雄性不稔遺伝子を提供することで、雄性不稔植物を生じる人工的雄性不稔遺伝 型を含んだ人工的雄性不稔遺伝子座が作りだされる。 更に、例えば細胞毒性産物の活性を阻害するか、さもなくば該細胞毒性産物の 植物細胞内での活性を防ぐタンパク質をコ−ドした別のDNAを具備するキメラ繁 殖性回復遺伝子を有する植物に、雄性繁殖性を回復させることが可能であること が示された(European paient publication EP 0,412,911)。例えば、バシラス ・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)のバ−ナ−ゼ遺伝 子は、バ−ナ−ゼと呼ばれ、バシラス・アミロリクエファシエンス(B.amyloli quefaciens)のバ−スタ−遺伝子がコ−ドするバ−スタ−タンパク質により阻害 されうるRNア−ゼをコ−ドしている。バ−ナ−ゼ遺伝子は不稔遺伝子を構築する のに使用することが可能であり、一方バ−スタ−遺伝子は繁殖性回復遺伝子の構 築に使用することが可能である。異なる植物種(例えばナタネ)での実験により 、バ−ナ−ゼ遺伝子の存在のために雄性不稔である雄性不稔系統の雄性繁殖性を 完全に回復させるのに、キメラのバ−スタ−遺伝子が効いていることが示された (EP 0,412,911,Miriani et al.,1991,Proceedings of the CCIRC Rapeseed Congress,July 9-11,1991,Saskatchewan,Canada; Mariani et al.,1992,N ature,357:384)。優性の除草剤抵抗性遺伝子(例えば、ホスフィノトリシン・ アセチル・トランスフェラ−ゼ(除 草効果のあるホスフィノトリシンを非毒性化合物に変換させる、phsphinothrici nacetyl transferase,PAT,[De Block et al.,1987,EMBO J.6:2513])をコ −ドしたbar遺伝子)のような標識遺伝子を、キメラの不稔性及び/または繁殖性 回復遺伝子にカップリングすることにより、雄性不稔植物の均一なボピュレ−シ ョンを選択する育種系が提供される(EP 0,344,029; EP0,412,911)。 植物種のいかなる栽培植物変種のハイブリッド種子の産生には以下のものが必 要である: 1)それぞれの同系親系統の純粋な種子を少量維持すること;及び 2)それぞれの同系親系統の純粋な種子を多量に準備すること。このような 多量の種子は通常、複数回(普通は二回)の種子繁殖により得られ、少量の純粋 な種子(基本種子)から始めて、それぞれの繁殖回ごとに同系親系統の多量の純 粋な種子を得て、次いで最終的には、まいた後に所望の量のハイブリッド種子を 産生するのに十分な量の同系親系統のストック用種子(親種子、または基礎種子 )を得る。もちろん、それぞれの種子繁殖においては、より広い面積(農地)が 必要である。 雄性不稔植物を与える、少量のストック用種子を維持して増やすには、雄性不 稔植物を市常な花粉産生親植物と交配させることが必要である。雄性不稔が核内 遺伝子にコ−ドされている場合には、上記交配の結果得られる子孫は、全ての場 合において雄性不稔と雄性繁殖性の植物の混合であり、後者を前者より除去しな くてはならない、人工的な雄性不稔遺伝子座を有する雄性不稔植物に関しては、 上記の除去はキメラの雄性不稔遺伝子を、例えばbar遺伝子のような適切な標識 遺伝子に遺伝的に連結することで容易になり、これにより雄性繁殖性植物の同定 と除去が容易になる(例えば適切な除草剤の噴霧によって)。 しかしながら、適切な標識遺伝子が雄性不稔遺伝型に連結されている場合でも 、雄性不稔親植物を維持するためには、それぞれの世代でかなりの数の植物を有 する農地から除去を行わなくてはならない。例えば、上記したようにキメラの雄 性不稔遺伝子に連結した除草剤抵抗性遺伝子(例としてはbar遺伝子)を使用す る系においては、親ストックのたった半分しか雄性不稔植物が得られなく、よっ て開花前に除草剤の噴霧が必要である。どのような農地においても、雄性繁殖性 植物を除去することは、ハイブリッド種子の潜在的な収量を顕著に減少させるか 、親種子の産生のための種子の増幅ごとに、雄性不稔植物の潜在的収量を顕著に 減少させる。更に雄 性繁殖性植物の除去は、雄性不稔植物に異常なねじれ(strand)を生じさせる可能 性がある。以上の理由のため、雄性繁殖性植物を除去することは、多くの重要な 作物種(例えば、トクモロコシやナタネ)にとって経済的に魅力がない。 アントシアニンは、植物中に赤色や青色のものを生じさせる色素である。アン トシアニンの生合成の遺伝的基礎は、特にトウモロコシ、ツクバネアサガオ、お よびキンギョソウで、よく特徴付けられていている(Dooner et al.,1991,Ann .Rev.Genet.25:179-199; Jayaram and Peterson,1990,Plant Breeding Revie ws 2:91-137; Coe,1994,In "The Maize Handbook",Freeling and Walbot,eds .Springer Verlag New York Inc.,p.279-281)。トウモロコシのアントシアニ ン生合成は明らかに20以上の遺伝子の制御下にある。構造遺伝子座C2,Whp,A1 ,A2,Bz1,およびBz2は、アントシアニン生合成に関わる種々の酵素をコ−ドし ていて、少なくとも6の制御遺伝子座において構造遺伝子に作用するもの、すな わちトウモロコシにおけるR,B,C1,P1,P,およびVp1遺伝子座が同定された。 R遺伝子座は、少なくとも3つの異なる遺伝子、すなわちR(これ自体はタンデ ムに配列した二つ組みの遺伝子を具備することが可能である)、および置換され た二つ組みの遺伝子R(Sn)とR(Lc)を具備している遺伝子ファミリ(トウモロコシ では染色体10に位置する)であることが判明した。Rは典型的には、アリュ− ロンの色素沈着を調節するが、種々の対立遺伝子が別個の色素沈着パタ−ンを与 えることが知られている。R(Lc)は葉のユニ−クな色素沈着に関わっていて、R(S n)は小板結節(acutellar node)のユニ−クな色素沈着に関わっている。Rの一 つの状態は植物全体の色素沈着に関わっていて(R(P))、一方別の状態は種子の 色素沈着(R(S))に関わっている。 連鎖していないB遺伝子座の対立遺伝子(トウモロコシでは第2染色体にある )は、アリュ−ロンの色素沈着を調節することはほとんどないが、成熟した植物 の一部分の色素沈着に関わることはよくある。しかしながらB-peru対立遺伝子は 、アリュ−ロンを(R(S)と同様に)色素沈着させる。分子レベルでの分析により 、RおよびB遺伝子座は二つ組みの遺伝子であることが確認された。 RおよびB遺伝子座が特異的組織を色素沈着させるためには、C1、およびP1遺伝 子座の適切な対立遺伝子もまた存在する必要がある。例えばC1およびC1-S対立遺 伝子は、適切なRまたはB対立遺伝子と組み合わられるとアリュ−ロンを色素沈着 させ る。 C1遺伝子座の対立遺伝子がクロ−ニングされて配列決定された。特に興味深い のは、C1(Paz-Ares et al.,1987,EMBO J.6:3553-3558)、およびC1-S(Schl effer et al.,1994,Mol.Gen.Genet.242:40-48)である。当該配列の分析によ り、該遺伝子中のコ−ド領域中に二つのイントロンが存在することが判明した。 C1、およびC1-S対立遺伝子がコ−ドするタンパク質は、mybガン原遺伝子と相同 性があり、転写活性因子として作用するDNA結合性の核タンパク質であることが 知られている。 B-peru対立遺伝子のcDNAもまた、分析されて配列決定された(Radicella et a l.,1991,Plant Mol.Biol.17:127-130)。B-peruのゲノム配列もまた同定さ れて、RおよびBとの間の相同性に基づいて特徴付けが行われている(Chandler e t al.,1989,Plant Cell,1:1175-1183; Radcella et al.,1992,Genes & Dev elopment 6:2152-2164)。二つの異なるB対立遺伝子のアントシアニン産生の組 織特異性は、プロモ−タと非翻訳リ−ダ配列の違いによるものであることが示さ れた(Radicella et al.,1992,前出)。 R遺伝子ファミリの種々の対立遺伝子もまた、分子レベルで特徴付けられてい るが、その例としては以下のものがある:Lc(Ludwig et al.,1989,PNAS 86:709 2-7096)、カ−ネル冠(crown of kernel)に色素沈着を起こさせるR-nj(Delapo rta et al.,1988 In "Chromosome Structure and Function:Impact of New Co ncepts",18th Stadeler Genetics Symposium,Gustafson and Appels,eds.(N ew York Plenum Press,pp.263-282))、Sn(Consonni et al.,1992,Nucl.Aci ds Res.20:373)、R(S)(Perrot and Cone,1989,Nucl.Acids Res.17:8003) 。 BおよびR遺伝子がコ−ドするタンパク質は、mycガン原遺伝子と相同性があり 、また転写活性因子の特徴を有している。 マイクロ発射(microprojectiles)によりトウモロコシの組織に導入された、 種々の構造遺伝子および制御遺伝子は、内在性の遺伝子座と同様な様式で、機能 し、また導入された遺伝子に関して欠損した遺伝型を補うことが可能である(Kl ein et al.,1989,PNAS,86:6681-6685; Goff et al.,1990,EMBO J.9:2517- 2522)。Lc遺伝子もまた、植物の形質転換に関する可視標識として使用した(Lu dwig et al.,1990,Science 247:449-450)。上記した以外に、アントシアニン の生合成に関わるその他の遺伝子をクロ−ニングした(Cone,1994,In "The Ma ize Handbook", Freeling and Walbot eds.,Springer Verlag New York Inc.,p.282-285)。 フォ−ク(Falk)らはオオムギにおいて、雄性不稔植物の種子が植えられる前 に選択できるようにする、ゼニア(Xenia)発現縮小胚乳遺伝子に雄性不稔遺伝 子を連結することを報告している(1981,In Barley Genetics IV,Proceedings of the 4th International Barley Geneticls Symposium,Edinburgh Universi ty press,Edinburgh,pp.778-785)。上記提案に関連した問題には、二つの遺 伝子の完全な連結が含まれる(Stockpf,1993,Plant Breeding: Theory and Pr actice,Westview Press,Boulder,San Francisco, Oxford)。スウイ−トコ− ンでは、近傍に連結した遺伝子Y(白胚乳)および遺伝子ms(雄性不稔)を用い た、雄穂を取り除くことなくハイブリッドトウモロコシの種子を産生する遺伝系 が示唆されたが、5%の組み換えによる混入のために一度も使われることはなか った。ガリナト(Galinat)は、電気的色ソ−タ−を使用して白いカ−ネルから 黄色いカ−ネルを分離することによりこの問題を解決する、2ステップの種子産 生スキ−ムを記述した(1975,J.Hered.66:387-388)。この方法は、商業的に は利用されていない(Kankis and Davis,1986,in "Breeding Vegetable Crops ",the Avi Publishing Company Inc.Westport,Conneticut,U.S.A.,p.498) 。 EP 0,198,288、およびUS特許4,717,219には、標識遺伝子(可視標識または優 性の条件的標識であってもよい)を、核内雄性不稔遺伝型を有する内在性の核内 遺伝子座に連結する方法が記載されている。 EP 412,911には、除草剤抵抗性遺伝子や、花弁細胞、葉細胞、または種子細胞 、のような特異的細胞内、好ましくは種子の外層での発現を行わせるプロモ−タ の制御下にある、色素をコ−ドする遺伝子(例えばA1遺伝子)を包含する標識遺 伝子に連結された外来性回復遺伝子(例えば雄しべ特異的プロモ−タの制御下に あるバ−スタ−のコ−ド領域)が記載されている。 発明の要約 この発明は、ゲノム中に以下のものを具備した細胞を必須的に含む維持用植物 に関する: 第一遺伝子座における同型接合体の雄性不稔遺伝型; 第二遺伝子座における、外来DNA Rfに関して異型接合体(Rf/-)である有色 連鎖回復遺伝型であって以下の二つを具備したもの: a)前記雄性不稔性遺伝型の表現型発現を防ぐことが可能な、繁殖性回復遺伝 子 b)前記植物中の少なくとも種子中に、外側から視覚的に確認できる程度に、 アントシアニンを合成することが可能な、植物中の種子細胞中のアントシアニン 生合成の制御に関わる、少なくとも一つのアントシアニン制御遺伝子。 本発明はまた、短くしたR、B、またはC1アントシアニン制御遺伝子か、短くし たR、B、またはC1アントシアニン制御遺伝子の組み合わせであって、該遺伝子が アリュ−ロン(aleurone)中でのアントシアニン産生を制御及び調節するものに 関する。 本発明はまた、植物中で雄性不稔性遺伝型の表現型発現を妨害することが可能 な、繁殖性回復遺伝子と、植物中の少なくとも種子中に、外側から視覚的に確認 できる程度に、アントシアニンを合成することが可能な、該植物の種子細胞での アントシアニンの生合成の制御に関わる、少なくとも一つのアントシアニン制御 遺伝子とを具備したプラスミドのようなDNAを包含する。 本発明の範囲に含まれるものとしては更に、以下のステップを具備した雄性不 稔性植物系統を維持するプロセスがある: i) a)第一遺伝子座に同型接合体の雄性不稔性遺伝型を有する、該系統の雄性 不稔性親系統と、 b)第一遺伝子座にある同型接合体の雄性不稔性遺伝型、並びに 1)該雄性不稔性遺伝型の表現型発現を妨害することが可能な、繁殖性回 復遺伝子、及び 2)植物中の少なくとも種子中に、外側から視覚的に確認できる程度に、 アントシアニンを合成することが可能な、該植物の種子細胞でのアントシアニン の生合成の制御に関わる、少なくとも一つのアントシアニン制御遺伝子、 を具備した外来DNAに対して異型接合体である、第二遺伝子座の有色連鎖回復 遺伝型 を具備し、尚且つこれらが核内のゲノムに安定に挿入るされた細胞を必須的に 有する上記系統の維持用親系統とを交配させる; ii)該親系統より種子を得る;そして iii)アントシアニンが一切発現されずに雄性不稔性の親植物に成長する種子 を色を基にして分離する。 雄性不稔性親植物のゲノムは、該植物中の種子内でのアントシアニン生合成を 制御して、種子中に外側から視覚的に確認できる程度に、アントシアニンを合成 するのに必要なアントシアニン制御遺伝子を一つも含まないことが好ましい。一 つの態様においては、前記の雄性不稔性親系統植物のゲノムが、第一のアントシ アニン制御遺伝子を含み、前記の維持用親系統植物のゲノムが、植物のゲノム中 に前記の第一のアントシアニン制御遺伝子とともに存在するときには、種子中に 外側から視覚的に確認できる程度のアントシアニンの産生を調節することが可能 である、第二のアントシアニン制御遺伝子を含んでいる。 本発明は更に、以下の工程を具備する、維持用植物系統を維持するためのプロ セスに関する: i) a)上記の雄性不稔性親系統と、 b)上記の維持用親系統とを交配させる; ii)該雄性不稔性親系統より種子を得る:そして iii)アントシアニンが発現されて維持用親植物に成長する種子を色を基にし て分離する。 本発明は更に、雄性不稔性植物系統、または維持用植物系統を維持するための 、以下のものを具備したキット: a)前記した系統の雄性不稔性親植物であって、第一遺伝子座に同型接合体の 雄性不稔性遺伝型を有し、種子中に外側から視覚的に確認できる程度のアントシ アニンの産生を行わせることができないもの、および b)前記した系統の維持用親植物。 本発明の範囲には更に、以下のものを具備した前記のキットを維持するための プロセスが含まれる: 前記の雄性不稔性親植物を前記の維持用親植物と交配させる; 前記の雄性不稔性親植物から種子を得て、また随意に、アントシアニンの産 生が全く起こらない前記の維持用親植物から種子を得る;そして 随意に前記の種子を成長させて、雄性不稔性親植物及び維持用親植物にする 。 上記したとおり、本発明は、特にトウモロコシやコムギに関しての雄性不稔性 植物系統を維持する方法を提供する。これらの方法は、以下のステップを具備し たプロセスの形で表すことができる: i)以下のものを交配する: A)前記の系統の第一の親植物で、少なくとも一つのアントシアニン制御遺 伝子が欠損し、そのために種子中、特にアリュ−ロン層でアントシアニンの産生 を行うことができないことで遺伝的に特徴付けられ、また第一遺伝子座に同型接 合体の雄性不稔性遺伝型を有することで遺伝的に特徴付けられているもの; B)前記の系統の第二の親植物で、雄性繁殖性であり、また第一遺伝子座に 前記の同型接合体の雄性不稔遺伝型を有し、更に別個の第二の遺伝子座に遺伝型 Rf/-を有することで遺伝的に特徴付けられているもの; ここでRfは、以下のものを具備した該植物の核内ゲノムに安定に導入された 、外来性のキメラDNA(色連鎖回復遺伝子)である: a)前記雄性不稔遺伝型の表現型発現、すなわち雄性不稔を阻止することが可 能な繁殖性回復遺伝子; b)少なくとも種子、特に穀類植物のアリュ−ロン中でアントシアニンを産生 することが可能な前記の穀類植物の種子細胞中でのアントシアニンの生合成を制 御するのに関わる、前記の少なくとも一つのアントシアニン制御遺伝子(色遺伝 子); ii)前記の第一親植物より種子を得る; iii)アントシアニンが全く産生されず、また第一遺伝子座の遺伝型が前記同 型接合体の雄性不稔遺伝型であり、第二遺伝子座の遺伝型が-/-である種子を、 アントシアニンが産生されて、また第一遺伝子座の遺伝型が前記の同型接合体の 雄性不稔遺伝型で、第二遺伝子座の遺伝型がRf/-である種子から、色を基にして 分離する。 本発明の特に興味深い点は、第二の親植物であって、該親植物中の前記の少な くとも一つのアントシアニン制御遺伝子が、R、またはB遺伝子のゲノムクロ−ン 由来の遺伝子、特にアリュ−ロン中でのアントシアニン産生を調節するRまたはB 遺伝子、好ましくはB-peru対立遺伝子(例えばpCOL13中の短くしたB-peru遺伝子 )を具備し、および/またはC1遺伝子(例えば配列認識番号1または5の配列を 有する遺伝子)若しくはC1-S遺伝子を具備しでいることである。 第一の遺伝子座は前記系統の植物に対して内在性であるが(この場合同型接合 体 の雄性不稔遺伝型はm/mとなる)、好ましくは遺伝型がs/sである外来性遺伝子座 である(ここでSは、植物中で発現したときに該植物を雄性不稔にすることが可 能な外来性DNAである)。好ましい外来DNAは少なくとも以下のものを具備する: s1)植物の細胞内で産生または過剰産生されたときに、細胞の代謝、機能、 および/または発生を顕著に妨害するRNA、タンパク質、またはポリペプチドをコ −ドした、雄性不稔DNA;および s2)植物の雄しべ細胞、好ましくはタペ−タム細胞において選択的に雄性不 稔DNAの発現を行わせることが可能な不稔性プロモ−タであって、該不稔性プロ モ−タDNAが不稔性プロモ−タと同じ転写単位にあって、またそれにより制御さ れる、上記の不稔性プロモ−タ。 上記のような外来性の雄性不稔遺伝型が使用される場合には、外来性DNAのRf 中の繁殖性回復遺伝子は、好ましくは以下のものを具備する: a1)前記雄性不稔遺伝子Sとして、上記雄しべ細胞中で産生または過剰産生さ れたときに、Sを具備した前記の外来性雄性不稔遺伝型の表現型発現を妨害する 回復RNA、タンパク質、またはポリペプチドをコ−ドした、繁殖性回復DNA;及び a2)少なくと上記の雄しべ細胞内での繁殖性回復DNAの発現を行わせることが 可能な回復プロモ−タであって、該細胞中で該雄性不稔遺伝子の表現型発現が妨 害されるように、該雄性不稔遺伝子を発現させ、また、繁殖性回復DNAが回復プ ロモ−タと同じ転写単位にあり、尚且つその制御下にある、回復プロモ−タ。 劣性の雄性不稔対立遺伝子(m)に対して同型接合体である、内在性の雄性不 稔遺伝型の場合には、繁殖性回復遺伝子は、好ましくは前記遺伝子座の優性対立 遺伝子Mを具備したDNAである, 本発明はまた、第二の親植物中で使用されるキメラDNAのRf、該キメラ遺伝子 を具備したプラスミド、および該プラスミドを具備した宿主細胞を提供する。 本発明はまた、pCOL13中の短くしたB-peru遺伝子(配列認識番号6)、および 短くしたC1遺伝子、特にpCOL9中のEcoRI-SfiI断片(配列認識番号5)を提供す る。 本発明は更に、核内ゲノムが外東性のキメラDNAであるRfにより形質転換され た植物、特に第二の親植物を提供する。 雄性不稔植物は、雄性不稔遺伝子を有する外来性雄性不稔遺伝型のような、雄 性 不稔遺伝型の発現のために雄性不稔となったある一定の植物種の植物である。回 復性植物は、雄性不稔植物と回復性植物との間の交配によって得た子孫において 雄性の繁殖性を回復させることが可能な繁殖性回復遺伝子を、ゲノム内に少なく とも一つ有し、雄性不稔遺伝型および繁殖性回復遺伝子の双方を有する、上記植 物種と同じ種の植物である。回復済み植物は、雄性繁殖性であって、そのゲノム 内に雄性不稔遺伝型および繁殖性回復遺伝子を有する、上記と同じ種の植物であ る。 系統とは、ある一定の植物個体の子孫である。 本願で使用する遺伝子とは概して、適切なオペレ−タおよび3’制御配列に、 機能するように連結された、RNA、タンパク質、またはポリペプチドのコ−ド領 域を少なくとも一つ具備しているものと理解される。構造遺伝子は、その産物が 例えば酵素、構造タンパク質、tRNA、またはrRNAである遺伝子のことである。例 をあげると、アントシアニン構造遺伝子は、植物細胞中でアントシアニンの生合 成に直接関わる酵素(例えばチャルコ−ンsynthase)をコ−ドする。制御遺伝子 とは、一つ以上の構造遺伝子の転写を制御する制御タンパク質をコ−ドする遺伝 子である。例を挙げると、R、B、およびC1遺伝子は、アントシアニン構造タンパ ク質の転写を制御する制御遺伝子である。 本発明の目的に対し、遺伝子発現とは、遺伝子のプロモ−タが、生物学的活性 のあるmRNA、すなわち別のRNAを相互作用できるものに転写させることが可能で あるか、または生物学的活性のあるポリペプチドまたはタンパク質に翻訳させる ことが可能なmRNAにDNAを転写させることを意味する。 表現型とは遺伝型、すなわち一つの遺伝子、または一つのセット遺伝子(例え ば雄性不稔性、種子色、特異的植物組織内に存在するタンパク質、またはRNA等 )の発現の外見のことである。 本願で用いる遺伝子座とは、核内ゲノム中、すなわち植物の特別の染色体内の 、ある一定の遺伝子の一部のことである。二つの遺伝子座は異なる染色体に存在 することが可能であり、独立して分離する。二つの遺伝子座は同じ染色体上に存 在することができ、このときには(十分な組み換えが二つの遺伝子座間で起こら ないならば)「連鎖している」と一般にはとらえられている。 内在性の遺伝子座とは、植物中に天然に存在する遺伝子座のことである。外来 性遺伝子座とは、遺伝的形質転換により外来DNAを挿入することにより植物内に 形成さ れたものである。 二倍体の植物では、その他のいかなる二倍体の生物体におけるように、どの常 染色体性の遺伝子座にも2コピ−の遺伝子が存在する。どのような遺伝子も、対 立遺伝子と呼ばれる、いくつかの変異状態として核内ゲノムに存在することが可 能である。二つの同等な対立遺伝子が、一つの遺伝子座に存在するときは、その 遺伝子座は同型接合体であるといい、もし異なる対立遺伝子が存在するときには 、その遺伝子座は異型接合体であるという。一つまたは一セットの遺伝子座の対 立遺伝子の構成を、遺伝型という。遺伝子座におけるいかなる対立遺伝子も、概 して別々のシンボル(例えばMとm、Sと-で、ここでは該遺伝子が存在しないこと を意味する)であらわせられる。外来性の遺伝子座は慨して、外来DNAの存在お よび/または非存在により特徴付けられる。一つの対立遺伝子において上記外来 性DNAが存在しない、異型接合体の遺伝型はまた、半接合性であるという(例え ばRf/-)。優性の対立遺伝子は慨して、大文字で表されて、通常は生物学的活性 のある遺伝子産物(例えばタンパク質)の存在、および確認可能な表現型効果に 関連しでいる(例えばRは、ある組織中での、活性制御タンパク質の産生および 適切な条件下でのアントシアニン産生を意味し、一方rは活性制御タンパク質が 全く産生されず、おそらくアントシアニン産生が起きないことを意味する)。 少なくとも一つの遺伝子座の対立遺伝子の状態を同定することにより、植物を 遺伝的に特徴付けることが可能である。どのような遺伝子座の遺伝型も、該遺伝 子座に存在する二つの対立遺伝子のシンボルで表すことができる(例えばM/m、m /m、やS/-)。連鎖していない二つの遺伝子座は、それぞれの遺伝子座の遺伝型 の配列(例えばS/S,Rf/-)で表すことができる。 本願で使用する核内の雄性不稔遺伝型とは、植物の核内ゲノム中の少なくとも 一つ、好ましくは唯一の遺伝子座の遺伝型であって、その対立遺伝子の構成によ り、植物内で雄性不稔が起こるものを意味する。雄性不稔遺伝子座は、植物に対 して内在性であってもよいが、慨して植物に対して外来性であることが好まれる 。 外来性の雄性不稔遺伝子座は、植物細胞内で発現された時に該植物を雄性不稔 にするが、該植物の増殖および発生には実質的に影響を与えない外来性DNA配列S により雄性不稔になる対立遺伝子である。このような雄牲不稔遺伝子は好ましく は、少なくとも以下のものを具備している: s1)植物の雄しべ細胞で産生または過剰産生されたときに該細胞の代謝、機 能及び/または発生を著しく妨害する不稔性RNA、タンパク質、またはポリペプチ ドをコ−ドする、雄性不稔DNA;および s2)植物の雄しべ細胞(例えば、葯の細胞またはタペ−タム細胞)において 選択的に雄性不稔DNAの発現を行わせることが可能な不稔性プロモ−タであり、 該雄性不稔DNAが不稔性プロモ−タと同じ転写単位にあり、またそれにより制御 される、前記不稔性プロモ−タ。 雄性不稔遺伝子座はまた、好ましくは以下のものを具備した、少なくとも一つ の標識遺伝子Tを、同じ遺伝子座内に有する: t1)第一標識のRNA、タンパク質、またはポリペプチドをコ−ドする第一標識 DNA、すなわち植物中の少なくとも特異的組織又は特異的細胞に存在するときに 、該植物を、前記の第一標識DNAがコ−ドする第一の標識のRNA、タンパク質、ま たはポリペプチドを、少なくとも特異的組織、又は特異的細胞に含まない植物か ら、容易に分離せしめるもの; t2)前記の第一の標識DNAの発現を、少なくとも特異的組織または特異的細胞 内で行わせることが可能な第一の標識のプロモ−タであって、前記の第一の標識 DNAが、前記第一の標識プロモ−タと同じ転写単位内にあって、またその制御下 にある、上記の第一の標識のプロモ−タ。 上記の優性の雄性不稔遺伝子は常に、上記の外来性雄性不稔遺伝子座において 優性な対立遺伝子である。劣性の対立遺伝子は該植物内の核内ゲノム中に雄性不 稔遺伝子が欠損していることに相当する。 本発明の第一の親系統中の雄性不稔遺伝子中で使用される雄性不稔DNAおよび 不稔性プロモ−タは、以前記載されたものである(EP 0,344,029およびEP 0,412 ,911)。本発明の目的に対し、植物細胞中における優性不稔遺伝子の発現は、例 えば適切な繁殖性回復遺伝子を該植物細胞中で発現することにより、阻害、また は抑圧することが可能であるべきである。この点に関して、特に有益な雄性不稔 DNAはバ−ナ−ゼをコ−ドしている(Hartley,J.Mol.Biol.1988 202:913)。 不稔性プロモ−タは、どのようなものであてもよいが、少なくとも雄しべ細胞、 特にタペ−タム細胞において活性でなくてはならない。特に有益な不稔性プロモ −タには、以下のような雄しべ細胞内で活性のあるプロモ−タがある:タバコ、 ナタネ、レタス、シチョリ −(cichory)、トウモロコシ、イネ、コムギやその他の植物種中で使用するこ とが可能な、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)TA29遺伝子のタペ− タム特異的プロモ−タ(EP 0,344,029);イネ、トウモロコシ、コムギ、および その他の植物種で使用することが可能な、イネ由来のPT72,PT42,およびPE1プ ロモ−タ(WO92/13956);トクモロコシ、イネ、コムギ、およびその他の植物種 で使用することが可能な、トウモロコシ由来のPCA55プロモ−タ;およびアラビ ド−シス・タリアナ(arabidopsis thaliana)のタペ−タム特異的遺伝子のA9プロ モ−タ(Wyatt et al.,1992,Plant Mol.Biol.19:611-922)。しかしながら 不稔性プロモ−タは更に、雄しべの外側の細胞内で不稔性DNAの発現を行わせる ことが可能であり、特に雄性不稔DNAの発現効果が、雄しべ細胞の代謝、機能お よび/または発生を顕著に阻害して花粉が全く確認できないようになる時にはそ うである。このような雄性不稔DNAの一つの例は、チャルコ−ン(chalcone)シ ンセタ−ゼ遺伝子のmRNAに対して相補的であるアンチセンスRNAをコ−ドするDNA である(van der Meer et al.,1992,The Plant Cell 4:253-262)。この点に おいて、有益なプロモ−タは35Sプロモ−タであり(EP 0,344,029を参照された し)、特にヴァンデルメ−ア(van der Meer)らによって記載された(The Plan t Cell,4:253-262)、タペ−タム細胞中で活性が促進されるように修飾された3 5Sプロモ−タ("35S tap プロモ−タ")である。 好ましい内在性優性不稔遺伝子座は、同型接合体の状態にある(m/m)劣性の 対立遺伝子(以後mと命名する)が、優性不稔となるものである。そのような遺 伝子座では、雄性繁殖性は対応する優性対立遺伝子(M)によりコ−ドされる。多 くの植物種において、上記のような内在性雄性不稔遺伝子座が知られている(Ka ul,1988,前出;トウモロコシに関しては、Department of Agronomy and U.S. Department of Agriculture,University of Missouri,Columbia,Missouri,U .S.A.発行のMaize Genetics Cooperation Newsletter の最近の号を参照のこと )。mおよびMに対応した、植物中の核内ゲノムのDNA配列は、遺伝子タグ、すな わちトランスポゾンを使用した変異挿入、またはT-DNA組み込みにより同定する ことが可能である(例えば、Wienand and Saedler,1987,In "Plant DNA Infec tious Agents",Ed.by T.H.Hohn,and J.Schell,Springer Verlag,Wien Ne w York,p.205; Shepherd,1988,In" Plant Molecular Biology: a Practical Approach",TRL,Pross,p.187; Teeri et al.,1986,EMBO J.5:1755)。本 発明の第一および第二の親植物に おいて、S/Sはプロセスの結果に影響を与えることなくm/mで置換することが可 能であるのは明らかであろう。実際に、本発明のプロセスの一つの特徴は、雄性 不稔遺伝子座が同型接合体であるために、劣性の雄性不稔対立遺伝子を使用する ことができることである。 本発明の第二親系統中の繁殖性回復遺伝子において使用することが可能な繁殖 性回復DNAは、以前に記載されている(EP 0,412,911)。この点に関して、繁殖 性回復DNAがバ−スタ−(Hartley,J.Mol.Biol.1988 202:913)をコ−ドする 繁殖性回復遺伝子は、バ−ナ−ゼをコ−ドする雄性不稔DNAの発現を阻害するの に特に有益である。この点に関して、バ−スタ−タンパク質の変異体、すなわち 該タンパク質中の40位のシステイン残基がセリンで置換されているものをコ−ド する繁殖性回復DNAは(Hartly,1989,TIBS 14:450)、ある種の回復した植物中 での繁殖性回復に関して、よりよく機能すると考えられている。 原則として、本発明の第二の親系統中の繁殖性回復遺伝子の回復プロモ−タに は、どのようなプロモ−タも使用することができる。唯一の前提条件は、色遺伝 子および繁殖性回復遺伝子の両方を含んでいる上記の第二の親植物が、表現型的 に正常で雄性繁殖性でなくてはならないことである。このためには、繁殖性回復 遺伝子中の回復性プロモ−タは、雄性不稔DNAの発現を行わせることが可能な雄 性不稔遺伝子の不稔性プロモ−タを有する、該植物種の細胞中で少なくとも活性 でなくてはならない。この点に関して、不稔性プロモ−タと回復性プロモ−タは 同じであることが好ましく、両者は例えば、雄しべ特異的プロモ−タ(例:TA29 プロモ−タやCA55プロモ−タ)や、構成的プロモ−タ(例:35Sプロモ−タや35S −タップ・プロモ−タ)であってもよい。しかしながら、不稔性プロモ−タは雄 しべ細胞のみで活性であって、一方、回復性プロモ−タはまた、その他の細胞に おいても活性である。例えば、不稔性プロモ−タは雄しべ特異的(TA29やCA55プ ロモ−タのように)であり、一方、回復性プロモ−タは35S-タップ・プロモ−タ である。 劣性対立遺伝子mに対して同型接合体である、内在性の雄性不稔遺伝子座にお ける雄性不稔遺伝型のために、雄性不稔が回復するには、繁殖性回復遺伝子は上 記雄性不稔遺伝子座の雄性対立遺伝子であることが好ましく、またそれ自身のプ ロモ−タの制御下にあることが好ましい。そのような雄性の対立遺伝子に一致す るDNAにはその天然のプロモ−タが含まれ、上記した遺伝子タグの方法により、 植物中の核内プ ロモ−タより分離することが可能である。 本発明の第二の親植物中の色連鎖回復遺伝子に使用される色遺伝子の性質は、 同じ系統で形質転換していない植物の遺伝型に依存する。好ましくは、種子、好 ましくはアリュ−ロン中に外側から視覚的に確認できる程度のアントシアニンの 産生の調節を行わない遺伝型を有する穀類植物のみが、第二の親植物を産生する ことができる。この植物は通常、RもしくはB遺伝子、および/またはC1遺伝子の ような適切な制御遺伝子の機能性コピ−が存在しない遺伝型を有する。 例えばトモロコシでは、アメリカ合衆国で現在使用されている純系の系統の全 てはr-r(葯、葉の先端、および植物基部がピンク色)か、r-g(緑)であり、こ れらのほとんどは、c1およびp1であり、B−遺伝子座ではB-peru対立遺伝子は非 常にまれである(Coe et al.,1988,In "Corn and Corn Improvement",3rd ed ition,G.F.Sprague and J.W.Dudley,eds.America Science of Agronomy,In c.Publishers,Madson,Wisconsin,U.S.A.)。結果として、アントシアニンは 上記系統中のアリュ−ロンでは産生されず、カ−ネルは黄色である。このように なるために、上記の系統が色連鎖回復性遺伝子で形質転換される時には、上記色 遺伝子はアリュ−ロン中でアントシアニンの産生を調節する機能性のRまたはB遺 伝子を有し、またアリュ−ロン中でのアントシアニン産生を調節する機能性C1遺 伝子を通常有していなくてはならない。 有益なRまたはB遺伝子は、B-peru遺伝子であるが、もちろんR(S)遺伝子のよう なその他のR遺伝子も使用することが可能である(Perrot and Cone,1989,Nucl .Acids Res.17:8003)。 この点に関して、B-peru遺伝子のゲノムクロ−ンより由来した遺伝子は、特に 有益であると考えられている(Chandler et al.,1989,The Plant Cell 1:1175 -1183)。しかしながら、このゲノムDNAの長さ(11kbp)のため、実用上の操作 や、直接的遺伝子トランスファ−による形質転換のために使用するのは難しく、 回復性遺伝子やC1遺伝子のようなその他の遺伝子と組み換えたときには疑いなく 難しい。 本発明の一つの進歩的側面は、トウモロコシのような植物の種子のアリュ−ロ ン中でのアントシアニンの産生を、適切な条件下で調節する、B-peru遺伝子の能 力を維持しつつも、その長さを顕著に短くすることが可能であることを見出した ことである。短くした好ましいB-peru遺伝子は例2.2のものであって、プラスミ ドpCOL13 (受入れ番号LMBP3041の下に寄託されている)中に含まれるものである。 有益なC1遺伝子はハズ−アレス(Paz-Ares)らが記載したゲノムクロ−ンであ る(1987,EMBO J.6:3553-3558)。しかしながら、このゲノムDNAの長さ(4kbp )のために、実用的な操作および直接的トランスファ−による形質転換を行うこ とは難しく、回復遺伝子やB-peru遺伝子のようなその他の遺伝子との組み換えた ときには疑いなく難しい。しかしながらC1遺伝子のその他の変異体もまた使用す ることが可能である。この点に関して、シェフラ−(Scheffler)らは、パズ− アレス(Paz-Ares)らのC1対立遺伝子と比較したときに、CAATボックスの近傍の プロモ−タ領域で2、3ヌクレオチド異なり、野生型対立遺伝子C1に対して優性で あるC1-S対立遺伝子を記載し、また色素沈着の促進を示した(1994,Mol.Gen. Genet.242:40-48)。本発明においてこのC1-S遺伝子は、C1遺伝子を適切に変化 させることで容易に使用することができる。例えば、配列認識番号1の935位か ら939位にあるTGCAAAG(これは配列認識番号5では884位から888位にある)は、 TTAGGに容易に変化させることができ、これによりC1-S対立遺伝子を生じさせる ことができる(pCOL9S)。 本発明の進歩性の一つの側面は、トウモロコシのような穀類植物の種子のアリ ュ−ロン中でのアントシアニンの産生を、適切な条件下で調節する、C1遺伝子( およびC1-S遺伝子)の能力を維持しつつも、その長さを顕著に短くすることが可 能であることを見出したことである。短くした好ましいC1遺伝子は、例えば例2. 1のものであり、配列認識番号5の配列を有するpCOL9に包含されるものや、特に pCOL9のEcoRI部位とSfiI部位との間に包含されるもの、およびpCOL9S中の対応し た、短くしたC1-S遺伝子である。 短くしたB-peruおよびC1遺伝子の転写される領域には、取り除いても遺伝子の 機能に影響を与えない小さいイントロンがいくつかがまだ含まれている。更に短 くしたB-peruおよびC1遺伝子は、アリュ−ロン中でのその発現に影響を与えるこ となく5’および3’を更に切り詰めることが可能であると考えられている。特に 配列認識番号6の1位から3272位の間の配列もまた、適切なB-peru遺伝子として使 用することが可能であると考えられている。更にこの遺伝子は、配列認識番号6 の2940位から3000位の間の部位にまで3’末端を切り詰めることが可能であると も考えられている。 B-peru遺伝子およびC1遺伝子、特に短くしたB-peruおよび/または短くしたC1 また はC1-S遺伝子のゲノム配列を使用することが好ましく、R、B、またはC1遺伝子の キメラも使用することもまた可能である。例えば、機能性の、いかなるRまたはB 遺伝子(すなわち植物中のいかなる場所においてもアントシアニンの産生を調節 するもの)のコ−ド領域であって、アリュ−ロン中でアントシアニンの産生を調 節するRまたはB遺伝子(例:R(S)またはB-peru)のプロモ−タ領域に機能するよ うに連結されたものを具備したキメラ遺伝子を使用することが可能である。アン トシアニンの存在は、植物細胞の成長、発生および機能にマイナスの影響を与え ないので、構成的プロモ−タ(例えば35Sプロモ−タ)、または少なくともアリ ュ−ロン中で発現を行わせるプロモ−タを、上記のキメラ遺伝子中で使用するこ とが可能である。この点に関して、C1遺伝子のプロモ−タはまた、適切なRまた はB遺伝子、特にB-peru遺伝子のコ−ド領域を具備したDNAの発現を行わせるのに 使用することが可能である。 同様に、C1遺伝子のコ−ド領域(例えばcDNAから得たもの)を、少なくともア リュ−ロン中で発現を行わせる遺伝子のプロモ−タに機能するように連結するこ とが可能である。この点に関しては、B-peru遺伝子のプロモ−タもまた、配列認 識番号1のC1遺伝子やC1−S遺伝子のような、適切なC1遺伝子のコ−ド領域を 具備したDNAの発現を行わせるのに使用することが可能である。 本発明の別の進歩性の側面において、以下の配列により特徴付けられるDNAが 具備したプロモ−タは、たいていの場合、選択的ではないにしろ、いかなるDNA 、好ましくは植物の種子中のアリュ−ロン層における非相同的なDNAの発現を行 わせることを見出したことである: 配列認識番号1の1位から1077位の間の配列; 特に、配列認識番号1の447位から1077位の間の配列; ことさらには、配列認識番号1の447位から1061位の間の配列;および 配列認識番号6の1位から575位の間の配列; 特に、配列認識番号6の1位から188位の間の配列。 もちろん、ゲノム中にすでに機能するC1遺伝子が存在する細胞においては、色 遺伝子は適切な、機能するRまたはB遺伝子(または代わりとしてキメラ)のみを 有することが可能である。もしくは、仮に系統がすでに、アリュ−ロン中でのア ントシアニン産生を調節することが可能である機能性のRまたはB遺伝子を有する が、機能性のC1遺伝子は含まない場合には、機能性のC1遺伝子のみが色遺伝子と して必要で ある。 本発明の色遺伝子は、穀類植物において特に有益であり、トウモロコシおよび コムギにおいて特にそうであり、ことさらトウモロコシにおいてそうであると考 えられている。 本発明の目的のため、第二の親植物においては、「Rf」遺伝子座および雄性不 稔遺伝子座(例えば「S」)は連鎖しておらず、また独立して分離することが好 ましい。 第二の親植物においては、繁殖性回復遺伝子、B-peru遺伝子、およびC1遺伝子 は近くで連鎖していることが好ましい。これはもちろん、上記遺伝子を単一の形 質転換用外来DNA(Rf DNA)として植物の核内ゲノムに導入すること、すなわち 外来性のRf遺伝子座を形成することで成し遂げられる。または、繁殖性回復遺伝 子および色遺伝子は、通常植物ゲノム中に単一の遺伝子座挿入を起こす共形質転 換により、別個に導入することが可能である。 第二の親植物中で使用される色連鎖回復遺伝子Rfもまた、少なくとも以下の物 を具備する: c)少なくとも以下のものを具備した第二の標識DNA: c1)第二の標識RNA、タンパク質、又はポリペプチドをコ−ドした第二の標識 DNAであって、植物中の、少なくとも特異的組織または特異的細胞に存在すると きには、該第二の標識DNAがコ−ドする、該第二の標識RNA、タンパク質、または ポリペプチドを、前記の特異的組織または特異的細胞内に有さないその他の植物 と容易に見分けをつけさせる、上記の第二の標識DNA;および、 c2)第二の標識プロモ−タであって、少なくとも特異的組織、または特異的 細胞において第二の標識DNAの発現を行わせることが可能な上記の第二の標識プ ロモ−タ:ここで第二標識DNAは上記の第二の標識プロモ−タと同じ転写単位に あり、またその制御下にある。 本発明における第一および第二の遺伝子内で使用することが可能な、第一およ び第二の標識DNA、並びに第一および第二の標識プロモ−タはよく知られている (EP 0,344,029; EP 0,412,911)。この点に関しては、第一および第二のプロモ −タが同じであっても、第一および第二の標識DNAは異なっていることが好まし い。 繁殖性回復遺伝子、外来性雄性不稔遺伝子、B-peru遺伝子、およびC1遺伝子、 ま たは第一若しくは第二の標識遺伝子のような、外来性DNAもまた、好ましくは適 切な、以下のものを備えている: 繁殖回復性DNAおよび雄性不稔性DNAのそれぞれのコ−ド配列の下流(すなわ ち3’側)の3’転写制御配列およびポリアデニレ−ション配列; 色遺伝子(B-peru遺伝子および/またはC1遺伝子)のコ−ド領域; 第一または第二の標識DNA。 この点に関しては、キメラ遺伝子を発現させるのに適切な、外来性または内在 性どちらかの、転写の末端の形成およびポリアデニレ−ションシグナルを使用す ることが可能である。例えば、以下のような、外来性遺伝子の3’非翻訳末端を 使用することが可能である: 遺伝子7(Velten and Schell(1985)Nucl.Acids Res.13:6998); オクトピン(octopine)シンセタ−ゼ遺伝子(De Greve et al.,1982,J. Mol.Appl.Genet.1:499; Gielen et al.,(1983)EMBO J.3:835; Ingelbrecht et al.,1989,The Plant Cell 1:671); アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)Ti −プラスミドのT-DNA領域のノパリン(nopaline)シンセタ−ゼ遺伝子(De Pick er et al.,1982,J.Mol.Appl.Genet.1:561);または チャルコン(chalcon)・シンセタ−ゼ遺伝子(Sommer and Saedler,1986 ,Mol.Gen.Genet.202:429-434);または CaMV19S/35S転写単位(Morgan et al.,1990,The Plant Cell 2:1261-12 72)。しかしながら本発明の前記色遺伝子は、内在性の転写3’末端形成および ポリアデニレ−ションのシグナルを有することが好ましい。 本発明にそった、繁殖性回復遺伝子、雄性不稔遺伝子、色遺伝子、または第一 若しくは第二の標識遺伝子は一般的には外来性DNAであり、好ましくは外来性の キメラ遺伝子である。この点に関しては、上記DNAに関する「外来性」および「 キメラ」という表現はEP 0,344,029及びEP 0,412,911に記載されているものと同 じ意味を有する。 植物、特にほとんどの双子葉植物(例:ブラシカ・ナパス(Brassica napus) )およびいくつかの単子葉植物のような、アグロバクテリウムに感染する能力の ある植物の細胞は、雄性不稔遺伝子、色連鎖回復遺伝子、またはその両方を有す る、無 害の(disarmed)Ti-プラスミドで、アグロバクテリウムに運ばれるベクタを使 用して形質転換させることが可能である。この形質転換は、例えばEP 0,116,718 や、EP 0,270,822に記載されている工程により行うことが可能である。好ましい Ti-プラスミドベクタは、境界配列の間の外来性DNAを有するか、または少なくと もT1-プラスミドのT−DNAの右側の境界配列の左側に位置している。もちろん、 その他のタイプのベクタも上記の植物を形質転換するのに使うことが可能であり 、その中には以下のものがある:直接的遺伝子導入(例えばEP 0,233,247に記載 されているもの)、花粉介在性形質転換(例えばEP 0,270,356、PCT特許公報"WO "85/01856、およびUS特許4,684,611に記載されているもの)、植物RNAウイルス 介在性形質転換(例えばEP 0,067,553およびUS特許4,407,956に記載されている もの)、並びにリポソ−ム介在性形質転換(例えばUS特許4,536,475)。トウモ ロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、およびライムギを含む、主要な穀類のような 単子葉植物の細胞は、密集した胚発生性のカルス(例えばトウモロコシの未成熟 の胚)を形成することができる無傷の組織を、負傷させるか酵素で分解させたも のを使用するか、または上記のようにして得た胚発生カルス(例えばトウモロコ シのI型のカルス)を使用して、(例えば電気穿孔法により)形質転換させるこ とが可能である。形質転換する植物がトウモロコシの場合、例えばトウモロコシ のある種に対して記載された以下のような、最近開発されたその他の方法を使用 することが可能である(Fromm et al.,1990,Bio/Technology 8:833; Gordon-K amm et al.,1990,Bio/Technology 2:603; Gould et.al.,1991,Plant Physio l.95:426)。形質転換する植物がイネの場合、例えばイネのある種に対して記 載された以下のような、最近開発されたその他の方法を使用することが可能であ る(Shimamoto et al.,1989,Nature 338:274; Datta et al.,1990,Bio/Tecn ology 8:736; Hayashimoto et al.,1990,Plant Physiol.93:857)。 形質転換細胞は成熟した植物に再生することが可能であり、得られる形質転換 植物は、同じ特徴を有する形質転換植物をより多く産生させる、通常の繁殖計画 に使用することが可能であり、または関連した同じ植物種のその他の変異体へ、 雄性不稔遺伝子、色連鎖回復性遺伝子、(またはその両方)を導入する通常の繁 殖計画に使用することが可能である。形質転換された植物から得られる種子には 、安定なゲノム挿入物としての、本発明のキメラの遺伝子が含まれる。よって、 本発明の雄性 不稔遺伝子、または色連鎖回復遺伝子は、ある特定の植物系統に導入されたとき には、常に戻し交配によりその他の系統へ導入することができる。 本発明の第一の親植物には、そのゲノム中に安定な挿入体として雄性不稔遺伝 子が含まれる(すなわち、該植物は雄性不稔植物である)。本発明の目的のため には、第一の親植物は、同型接合体の状態で雄性不稔遺伝子を含み、該遺伝子を その子孫全てに伝搬できるようになっていることが好ましい。 本発明の第二の親植物には、雄性不稔遺伝子および色連鎖回復遺伝子が、その ゲノム中に安定な挿入体として含まれる(すなわち、該植物は回復している植物 である)。雄性不稔遺伝子は同型接合体の状態で、第二の親植物が該遺伝子をそ の子孫全てに伝搬できるようになっていて、また色回復性遺伝子は異型接合体の 状態で、第二の親植物が該遺伝子をその子孫の半分のみにに伝搬できるようにな っていることが好ましい。 第一および第二の親植物は、ある植物種の形質転換されていない、同じ系統よ り産生させることが好ましく、特に該種の同じ純系系統より産生させることが好 ましい。 本発明の第一および第二の親植物は、該植物の種子が無限に維持でき、いかな る所望の量にまで増幅させることが可能である(例えば、上記の二つの植物系統 の連続した交雑により)という特別な利点を有する。 本発明の色遺伝子は、形質転換した植物の種子中に外来性DNA(すなわち導入 遺伝子)が存在することを検出し、外来性DNAを有する種子を単離する価値のあ るいかなる状況においても、標識遺伝子として利用することが可能である。この 点に関しては実質上、いかなる外来性DNA、特にキメラ遺伝子は色遺伝子の連結 させることが可能である。 上記のような外来性DNAの例には、殺虫性(例えばバシラス・スリンギエンシ ス(Bacillus thuringiensis))、殺真菌性、殺線虫性タンパク質をコ−ドした 遺伝子がある。同様に色遺伝子は、本発明において使用する雄性不稔遺伝子であ る外来性DNAに連結することが可能である。 しかしながら色遺伝子は、雄しべ特異的プロモ−タ(例えばPTA29)の制御下 の繁殖性回復遺伝子(例えばバシラス・アミロリクエファシエンス(Bacillus a myloliquefaciens))を具備した外来性DNA中に存在する、本発明のプロセスに お いて特に有益であると考えられている。適切な状況においては、色遺伝子を使用 しすることで、雄性不稔性植物になる、収穫した種子と、雄性繁殖性になる、収 穫した種子との分離を容易にする。この点に関して種子は、以下の性質を有する 雄性不稔性植物(第一親植物)から収穫することが好ましい: 雄性不稔遺伝子座(例えばPTA29遺伝子の制御下のバ−ゼ−ゼ遺伝子を具備 した遺伝子座)において同型接合体であるもの; 以下のものをゲノム中に有する回復性植物により受粉したもの; 二つの非連鎖遺伝子座であって、そのうちの一つが当該雄性不稔遺伝子に 関して同型接合体であり、もう一方が適切な繁殖性回復遺伝子(すなわち、その 発現は雄性不稔遺伝子の発現と相殺する)を具備した外来性の遺伝子座である当 該雄性不稔遺伝子座;および 本発明の色遺伝子であって、特にアリュ−ロン中で発現するRまたはB遺伝 子、および/またはC1遺伝子であり、好ましくはB-peru遺伝子およびC1遺伝子( 例えば例に記載されているもの)。第一および第二の親植物は本質的に、例に記 載されて図1に要約されているようにして産生することが可能である。図1の第 8ステップにおいて、本発明の第一と第二の親植物の交雑により、約50%の新 しい第一親植物(すなわち雄性不稔性)が生じ、約50%の第二親植物(すなわ ち雄性繁殖性)が生じ、またこれらの二つのタイプの植物が、色を基にして種子 の段階ですでに分離されていることが証明されている。赤色のカ−ネルは雄性繁 殖性植物に成長し、黄色いカ−ネルは雄性不稔性植物に成長する。 故に本発明の、雄性不稔性の第一親植物の系統は、本発明の第二の親植物と連 続して交雑し、それぞれの世代において雄性不稔性植物より種子を収穫して、黄 色と赤色のカ−ネルを分離することにより容易に維持することが可能である。も ちろんこのようにして、純系の系統のような特定の系統のための、基礎となる種 子の産生用の種子を、いかなる所望の量においても容易に得ることができる。 穀類植物(例えば、本発明の第一の親植物)より収穫した赤色および黄色の種 子は、手で分離することができる。しかしながら、このような分離は、機械的に 行うことができる。トウモロコシのカ−ネル、およびその他の顆粒状産物の色分 類機は、例えばゼルトロン(Xeltron)US社(Redmond,Washington,U.S.A.)よ り入手可能である 表示しないかぎり、組み換えDNAの操作に関する全ての実験手順は、以下の標 準的な手順によった(Sambrooket al.,1989,"Molecular Cloning: a Laborator y Manual",Cold Spring Harbor Laboratory; Ausubel et al.,1994,"Current Protocols in Molecular Biology",John Wiley & Sons)。 ポッリメラ−ゼ連鎖反応(PCR)を使用して、DNA断片のクロ−ニングおよ び/または増幅を行った。重複伸長によるPCRを使用して、キメラ遺伝子を構築し た(Horton et al.,1989,Gene 77:61-68; Ho et al.,1989,Gene 77:51-59) 。 全てのPCR反応は、サ−モコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis) (Neuner et al.,1990,Arch.Microbiol.153:205-207)より分離したVentTM ポリメラ−ゼ(カタログ#254L-BioLabs New England,Beverley,MA 01915,U. S.A.)を使って、通常の条件下で行った。オリゴヌクレオチドは、例えばクラマ −(Kramer)とフリッツ(Fritz)が概略を記載した、既知のル−ルにそって設計 し(1968,Methods in Enzymology 154:350)、ホスホアミダイト法(Beaucage and Caruthers,1981,Tetrahedron Letters 22:1859)によりアプライド・バイ オシステムの380ADNA合成機(Applied Biosystems B.V.,Maarssen,Netherland )で合成した。 以下の例では、以下に示した配列リストおよび図を参照している: 配列リスト 配列認識番号1:C1遺伝子の配列 配列認識番号2:プラスミドpTS256 配列認識番号3:キメラのPCA55-バ−スタ−-3'nosを具備したpTS200のEcoRi- HindIII領域(省略した領域はpUC19に由来する) 配列認識番号4:オリゴヌクレオチド1 配列認識番号5:C1遺伝子を短くしてEcoRI−SfiI断片にしたものを含むpCOL9 配列認識番号6:短くしたB-peru遺伝子を有するpCOL13ののEcoRI-HindIIIの 仮定の配列(プラスミドのその他の部分はpUC19)。Nヌクレオチドの伸展は、B- peru遺伝子のゲノムクロ−ンに由来するがその配列は確認する必要のある、おお よその長さの領域に対応する。 配列認識番号7:短くしたB-peru遺伝子を含んだpCOL13のEcoRI-FlindIIIの実 際の配列(該プラスミドの残りの部分はpUC19である)。 図 図1:本発明の第一および第二の親植物を得るための繁殖計画。 図2:pCOL25,pCOL26,pCOL27,pCOL28,pCOL100,およびpDE110の概略図。 例 例1:TA29プロモ−タおよびバ−ナ−ゼコ−ド領域を具備した雄性不稔遺伝子 を含んだプラスミドの構築 トウモロコシ植物の形質転換に有益なプラスミドで、雄性不稔遺伝子および選 択性標識遺伝子を有するものが、WO 92/09696および WO 92/00275に記載されて いる。 プラスミドpVE107には、以下のキメラ遺伝子が含まれている: 1)PTA29-バ−ナ−ゼ-3'nos、すなわち、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)のTA29遺伝子の雄しべ特異的プロモ−タ(PTA29)、およびアグロバク テリウノ・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のノパリン(nopal ine)シンセタ−ゼ遺伝子のポリアデニレ−ション・シグナルを含んだ、3’制 御配列に対して、機能するように連結された、バシラス・アミロリクエファシエ ンス(Bacillus amyloliquefaciens)のバ−ナ−ゼをコ−ドしたDNA(バ−ナ− ゼ)、および 2)P35S-neo-3'ocs、すなわちカリフラワ−モザイクウイルスの35Sプロモ− タ(P35S)、およびアグロバクテリウム・ツメファシエンスのオクトピン( octopine)シンセタ−ゼ遺伝子のポリアデニレ−ションを含んだ3’制御配列( 3’ocs)に対して、機能するように連結されてた、ネオマイシン・ホスポトラ ンスフェラ−ゼをコ−ドした、大腸菌(E.coli)のTn5遺伝子のコ−ド領域(neo )。 プラスミドpVE108は、以下のキメラ遺伝子を有する: 1)PTA29-バ−ナ−ゼ-3'nos、および 2)P35S-bar-3'nos、すなわちP35Sおよび3'nosに対して、機能するように連 結された、ホスフィノトリシン(phosphinothricin)・アセチル・トランスフェ ラ−ゼをコ−ドする、ストレプトコッカス・ハイグロスコピカス(EP 242236) の遺伝子。 PTA29-バ−ナ−ゼ-3'nosは、本発明で使用する外来性の雄性不稔遺伝子(S) の例 である。 例2:色連鎖回復遺伝子を有するプラスミドの構築 2.1短くした、機能性のC1遺伝子の獲得 トウモロコシのC1遺伝子は、転移性の誘導済み変異体よりクロ−ニングされ、 その配列が報告されている(Paz-Ares,1987,EMBO J.6:3553-3558)。この配 列を配列認識番号1に再度記載する。C1のゲノムクロ−ンを具備したプラスミド p36(またはpC1LC5kbとか、更にプラスミドpXX036という別名を与えられてい る)は、サエドラ−(H.Saedler)博士と、ヴィ−ナンド(Wienand)博士より入 手した(Max Planck Institut fur Zuchtungsforschung,Koln,Germany)。pXX 036をSnaIおよびHindIIIで消化し、クレノウで埋め込み、自己閉冠させてプラス ミドpCOL9を生成した。pCOL9は、EcoRIおよび修飾したHindIII部位の間に、pXX 036の2189塩基対のEcoRI-SnaI断片(配列認識番号1の448位から2637位の間の配 列に対応)を有している、pUC19に一致している。 pXX036を更に、SfiIおよびHindIIIで消化し、クレノウで処理して平滑末端化 した。連結後にSfiI部位の下流のDNAを欠損させたプラスミドをpCOL12と命名し た。 pCOL9中のTGCAG配列(配列認識番号5の884位から888位の配列に対応)をTTAG Gに変化させ、pCOL9Sを生じさせるが、これは短くしたC1遺伝子の代わりに、短 くした過剰発現C1−S遺伝子を含む(Schleffer et al.,1994,Mol.Gen.Genet .242:40-48)。同様の変化をpCOL12へ導入し、pCOL12Sを得る。 2.2短くしたB-peru遺伝子の獲得 プラスミドpBP2(更にpXX004と命名されている)は、B-peru遺伝子のゲノムク ロ−ンを有するプラスミドpTZ18Uである。プラスミドp35SBPcDNA(更にpXX002と 命名されている)は、B-peru遺伝子に対応するcDNAを有したプラスミドpMF6であ る。両方のプラスミドは、オレゴン大学(Oregon,U.S.A.)のチャンドラ−(V .Chandler)博士より入手した。2660塩基対からなる、翻訳開始コドン周辺のゲ ノムクロ−ンの配列が報告されている(EMBL/Genbank/DDBJデ−タベ−ス;座位 名ZMBPERUA、受入れ番号X70791;以下も参照されたし:Radicella et al.,1992 ,Genes & Development 6:2152-2164)B-peruのcDNAの配列もまた報告されてい る(Radicella et al.,1991,Plant Mol.Biol.17:127-130)。 かなりの量の、5’および3’のフランキング配列をpXX004から取り除いき、 ゲノムクロ−ンのコ−ド領域中のMluI-MunI断片を、cDNAクロ−ンの1615塩基対 のMluI-MunI断片で置換した。得られたプラスミドをpCOL13と命名し、ベルギ− 微生物コ−ディネイテッド・コレクション(Belgian Coordinated Collection o f Microorganisms)(LMBPコレクション、Laboratory Molecular Biology,Univ ersity of Ghent,K.L.Ledganckstraat 35,B-9000 Ghent,Belgium)に寄託し 、受入れ番号LMBP 3041を交付された。短くしたが機能性を保持したB-peru遺伝 子は、約4キロ塩基対の長さを有するEcoRI-SalI断片として、pCOL13に含まれる (配列認識番号6)。 2.3 C1およびB-peru遺伝子の結合 次いで、pCOL9中のC1遺伝子、およびpCOL13中のB-peru遺伝子を以下のように して結合させた。pCOL13の4キロ塩基対のEcoRi-SalI断片をpBluescript II SK(- )ベクタ(Stratagene)のEcoRIおよびSalI部位の間に導入し、#7B SK(-)を産生 させる。pCOL9をSfiIで消化して、クレノウで処理して突出末端を埋めて、更にE coRIで消化した。1978塩基対のSfiI(クレノウ)/EcoRIを次いで、#7 BSK(-)のEco RIおよびSmaI部位の間へ導入し、#7 B+C SK(-)を産生させる。最後に、C1配列中 のXhoI部位を以下のようにして取り除いた。#7 B SK(-)の、950塩基対からなるE coRI−SacII断片(EcoRI部位は配列認識番号1の1506位のEcoRI部位に相当する ;SacII部位は、pBluescriptリンカ−由来である)を、ファ−ジスクリプト(Ph agescript)ベクタ(Stratagene)のEcoRIおよびSacII部位の間に挿入して、pCO L21を産生させた。pCOL21の一本鎖を調製して、以下の合成オリゴヌクレオチド 1(配列認識番号4)にハイブリダイズさせ、その結果サイレント変化(silent change)(CTCGAG→CTCGAA)が起き、XhoI部位が取り除かれる: 5’−CGT TTC TCG AAT CCG ACG AGG−3’。 次いで、#7 B SK(-)の、710塩基対からなるAatII-SacII断片を、変異型pCOL21 の対応したAatII-SacII断片と交換し、pCOL23を産生させた。 次いでpCOL23を、SacIIで直鎖状にし、クレノウで処理し、XhoIリンカ−配列 に連結して、pCOL24を産生させた。 pCOL9Sの短くしたC1-S遺伝子を、上記と同じ方法により、pCOLの短くしたB-pe ru遺伝子と結合させて、pCOL24Sを産生させた。 2.4 C1およびB-peru遺伝子と同様、雄性不稔遺伝子および選択性標識遺伝 子を具備したベクタの構築 pTS256はpUC19由来であり、以下の二つのキメラ遺伝子を有する:1)P35S-ba r3'-nos、および2)PTA29-バ−スタ−3'-nos、すなわちPTA29および3’nosに 対して機能するように連結されている、バシラス・アミロリクエファシエンス( Bacillus amyloliquefaciens)(バ−スタ−またはbar*)のバ−スタ−をコ−ドし たDNA。pTS256の全配列を配列認識番号2に示した。 pTS200はpUC19由来で、以下の二つのキメラ遺伝子を有している:1)P35S-ba r3'-nos、および2)PCA55-バ−スタ-3'-nos、すなわちゼア・メイズ(Zeamays )の雄しべ特異的プロモ−タPCA55および3’nosに対して機能するように連結さ れている、バ−スタ−。pTS200の全配列を配列認識番号3に示した。 ユニ−クなSspIおよびSmaI部位の両方にNotIリンカ−(Stratagene)を挿入し て、pTS256を修飾し、pTS256NNを産生させた。次いでpTS256NNの、より短いBspE I-SacII断片を、pTS200の、より短いBspEI-SacII断片で置換し、pTS256+200を産 生させた。 pTS256NNには、NotIカセット上に、p35S-bar3'-nosとPTA29-バ−スタ−3'-nos とが含まれている。pTS256NN+200には、NotIカセット上にp35S-bar3'-nosとPCA5 5-バ−スタ−3'-nosとが含まれている。 pTS256NNのNotIカセットをpCOL24のNotIカセットに挿入し、短くしたC1遺伝子 に関してP35-bar3'-nosの遺伝子の向きが異なっている、pCOL25およびpCOL26を 産生させた(図2)。 pTS256NN+200のNotIカセットをpCOL24のNotI部位へ挿入し、短くしたC1遺伝子 に関してP35-bar3'-nosの遺伝子の向きが異なっている、pCOL27およびpCOL28を 産生させた(図2)。 プラスミドpCOL25、pCOL26、pCOL27、またはpCOL28には、色連鎖回復性遺伝子 Rf、および選択性標識遺伝子(P35S-bar-3'nos)が含まれている。Rfは、短くした 、C1およびB-peru遺伝子、並びにキメラのバ−スタ−遺伝子(PTA29-バ−スタ− -3'nosまたはpcA55-バ−スタ−-3'nosの何れか)を具備している。 上記の短くしたC1遺伝子の代わりに短くしたC1-S遺伝子を含んでいるプラスミ ドpCOL25、pCOL26、pCOL27、またはpCOL28は、pCOl24の代わりにpCOL24Sを使用 して、同様に得た。 2.5 C1およびB-peru遺伝子と同様、雄性不稔遺伝子を具備したベクタの構 築 プラスミドpTS256(配列認識番号2のもの)の、1位から1470位まで伸展して いる断片(キメラ遺伝子P35S-bar-3'nosを具備)を、配列TATGATAで置換するこ とにより、プラスミドpTS59が得られる。次いでNotIリンカ−(Stratagene)をp TS59のEcoRVおよびSmaI部位へ導入して、pTS59NNを産生させた。最終的には、キ メラ遺伝子PTA29-バ−スタ−-3'nosを具備したNotI断片を#7 B+C SK(-)のNotI 部位へ導入して、pCOL100を産生させた(pCOL100およびpCE110の概略的構造を図2 に示してある)。 2.6 トウモロコシ種子中のアリュ−ロンにおける、短くした、C1およびB-p eru遺伝子の発現 乾燥させた種子を一晩、室温で水でインキュベ−ションし、次いで皮をむいて 半分に切断した。半分にしたカ−ネルを4から6個、切断面をぬれた濾紙に接し て置き、DNAでコ−ティングしたタングステンの粒子で砲撃した(bombard)。 粒子の砲撃は本質的には、粒子ガン、を使用して、ズンブラン(Zumbrunn)ら (1989、Technique,1:204-216)の記載した方法にそって行った。組織を停止板 から10cmの所に置き、一方100μmのメッシュを停止板から5cmの所に置いた。 以下の、プラスミド中のDNAを使用した: −pXX002:35Sプロモ−タ制御下のB-peru cDNA; −pXX002:35Sプロモ−タ制御下のC1 cDNA; −pCOL13:例2.2に記載の、短くしたB-peru遺伝子; −pCOL12:例2.1に記載の、短くしたC1遺伝子; −pCOL100:例2.5に記載の、短くしたB-peruおよびC1、並びにPTA29-バ−スタ −-3'nos。 砲撃後、組織をぬれた濾紙上で27℃で2日間インキュベ−ションし、次いでア ントシアニン合成の印である赤い点の存在を調べた。 3つの周知の系統、および種々の供給源より得た9つの異なる、商業的に重要 で、専売の純系の系統に関する結果を、表1に示してある。c-rug系統は、制御 因子Uq(Cormack et al.,1988,Crop Sci.28:941-944)に対する受容体を挿入 されて不 活化したC1対立遺伝子に関して同型接合体である、試験系統である。 rおよびc1である全ての系統は、機能性のB-peruおよびC1遺伝子の双方を導入 すると、アリュ−ロン中でアントシアニンを合成した。RおよびC1である系統は 、機能性のc1遺伝子を導入すると、アントシアニンを合成した。rおよびC1であ る系統は、機能性のB-peru遺伝子を導入すると、アントシアニンを合成した。こ のことは、B-peruおよびC1遺伝子が、ほとんどのトウモロコシの系統中でアント シアニンを合成させるのに十分であることを証明している。表1のデ−タからは 、短くしたB-peruおよびC1遺伝子でさえも機能性であり、適切な遺伝型のトウモ ロコシ系統のアリュ−ロン中でアントシアニンを合成する能力を有することが明 らかである。 例3:例1のプラスミドを使った、トウモロコシの形質転換による第一の親ト ウモロコシ植物の産生 ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)のTA29のプロモ−タの制御下に ある、バシラス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)バ −ナ−ゼをコ−ドしたDNAを具備した雄性不稔遺伝子で、形質転換したH99系統の トウモロコシ植物は、WO 92/09696に記載されている。形質転換した植物は、雄 性不稔であることが示された。 例4:例2のプラスミド使った、トウモロコシの形質転換による第二の親トウ モロコシ植物の産生 トウモロコシの純系系統のH99およびPa91を、例2のプラスミド(pCOL25,pCOL 26,pCOL27,またはpCOL28)を使用して、WO 92/09696に記載の方法で形質転換 する。雄性繁殖性であって、短くしたC1およびB-peru、並びにP35S-bar-3'nosお よびPTA29-バ−スタ−-3'nos(若しくはPCA55-バ−スタ−-3'nos)を発現している 、再生植物を選択する。 または、SおよびRf遺伝子が異なる選択性標識遺伝子に連結しているならば、 例3の雄性不稔植物(すでにS遺伝子を有するもの)を、例2のプラスミド(pCOL2 5,pCOL26,pCOL27,またはpCOL28)で形質転換させてもよい。 同様に、形質転換したトウモロコシ植物は、例2のプラスミド(pCOL25,pCOL2 6,pCOL27,またはpCOL28)を使用して得られる。 別の実験系において、本発明の第二の親植物は、一方が色連鎖回復性遺伝子を 有したもの(pCOL100)で、もう一方がキメラのbar遺伝子のような適切な選択性 標識を有したもの(pDE110)である二つの別個のプラスミドで、H99,Pa91,およ び(Pa91X H99)X H99の系統であるトウモロコシ植物を、形質転換することにより 得られた。pDE110はWO 92/09696に記載されており、pCOL100の構築は例2.5に記 載されている。 また別の実験系において、本発明の第二の親植物は、例2.4のプラスミドの精 製断片でトウモロコシ植物を形質転換することにより得られる。上記の精製断片 は例2.4のプラスミドを、XhoIで消化してから、ゲル濾過のような通常の方法に より精製することにより得られる、、 H99またはPa91系統のトウモロコシ植物で、形質転換してないものは、房を取 り除き、Rf DNAで形質転換された植物の花粉で受粉する。f遺伝子は、メンデル の法則にしたがって分離し、該植物から収穫した種子は有色:非有色(黄色)の 比が1:1であることが観察されている。種子の赤色はRf遺伝子の存在と相関し ている。 例5:本発明の、第一および第二の親植物の産生 本発明の、第一および第二(すなわち維持用)の親植物は、図1のようにして 産生される。 ステップ1の雄性不稔植物は、例1で産生されたものである。ステップ2の色 連鎖回復性遺伝子で形質転換されたトウモロコシ植物は、例4のものである。 例1の植物、および例4の植物を交雑させ(ステップ3)、S/-,Rf/-の遺伝 型の子孫植物を、例えば核内ゲノム中にS遺伝子とRf遺伝子の両方が存在するこ とを証明することにより(例えばPCRにより)選択する(ステップ4)。 次いで、ステップ4で選択した植物を、S/-の遺伝型の有背不稔植物と交配さ せる(ステップ5)。有色種子(すなわちRf遺伝子を有するもの)を選択し、植 物へ成長させ、SおよびRf遺伝子の双方が存在することを調べる(例えばPCRによ り)。SおよびRf遺伝子双方が存在する植物を自己増幅させて、それぞれの植物 の種子を、色を基にして調べる(黄色か赤色)。非有色種子を、自己増殖したも のの子孫から植物へと成長させる(ステップ6)。全ての非有色種子が雄性不稔 植物へ成長する、自己増殖させたものの子孫を保定する(ステップ6)。上記の 雄性不稔植物は全て、S遺伝子に関して同型接合体であり、その繁殖性の同胞( 遺伝型がS/S,Rf/Rf,また はS/S,Rf/-)と交雑される。いくつかの交雑では、雄性不稔植物より得られる 種子は50%が有色で50%が非有色である(ステップ7)。有色種子は全て、 本発明の維持用植物か第二の親植物である、遺伝型がS/S,Rf/-の繁殖性トウモロ コシ植物に成長する。非有色種子は全て、本発明の第一の親植物である、遺伝型 がS/S,-/-の繁殖性トウモロコシ植物に成長する(ステップ7)。 第一および第二の親植物を交雑し、雄性不稔植物より得た種子を、色を基にし て分離した(ステップ8)。有色の種子はまた全て、第二の親植物に成長し、非 有色の種子は全て、第一の親植物に成長し、それによって、トウモロコシの純粋 な雄性不稔系統の、容易な維持を確立した。 例1の植物のS遺伝子を挟む植物DNAが特徴付けられているならば、ステップ8 の交雑の子孫で遺伝型がS/S,-/-,およびS/S,R/-であるものは、上記のフラン キングな植物DNAに一致したプロ−ブを使用したPCR法により容易に同定できる。 このようにして、ステップ6は省略することが可能であるが、それは有色種子( 遺伝型はS/S,Rf/-)より成長する、ステップ5の植物は、遺伝型がS/S,-/-であ る植物と(ステップ7のように)直接交雑することが可能であるためである。 本願で引用する全ての文献を参照することで、本願に取り込む。 例6:C1-S遺伝子のプロモ−タの制御下にあるB-peru遺伝子のコ−ド領域を具 備した色連鎖回復性遺伝子を有する維持用植物 通常の技術を利用して、プラスミドpUC19のポリリンカ−のEcoRIとHindIIIと の間に、キメラ遺伝子を挿入する。キメラ遺伝子は以下のエレメントを配列中に 具備している: i)C1-S遺伝子のプロモ−タ領域、すなわち配列認識番号1の配列中の447位か ら1076位のヌクレオチドのDNA断片で、935-939の配列がTGCAGの代わりにTTAGGに なっているもの; ii)単一のCヌクレオチド; iii)B-peru遺伝子のコ−ド領域、および3’の非翻訳領域、すなわち配列認識 番号7の576位から4137位のヌクレオチドの配列を有するDNA断片。 このプラスミド(pLH52)を、例2のプラスミドpCOL9S(C1-Sを具備)および配 列認識番号2のpTS256(以下のキメラ遺伝子を具備:P35S-bar-3'nosおよびPTA2 9-バ −スタ−-3'nos)とともに使用して、例4に本質的に記載されているようにして 、トウモロコシを形質転換する。次いで、形質転換した植物を使用して例5に記 載されているようにして第二の親植物を得る。 例7:35Sプロモ−タの制御下にあるB-peru遺伝子のコ−ド領域を具備した色連 鎖回復性遺伝子を有する維持用植物 通常の技術を利用して、プラスミドpUC19のポリリンカ−のEcoRIとHindIIIと の間に、キメラ遺伝子を挿入する。キメラ遺伝子は以下のエレメントを配列中に 具備している: i)35Sプロモ−タのプロモ−タ領域、すなわちWO92/09696(この文献を参照し て本願に組み込む)の配列認識番号4に記載された配列の396位から1779位までの 配列を本質的に有するpDE110のDNA断片; ii)B-peru遺伝子のコ−ド領域および3’非翻訳領域、すなわち配列認識番号 7の576位から4137位までの配列を有するDNA断片。 このプラスミド(pP35S-Bpと命名)を、例2のプラスミドpCOL9S(C1-S遺伝子を 具備)、および例2のpTS256(以下のキメラ遺伝子を具備:P35S-bar-3'nosおよび PTA-29-バ−スタ−-3'nos)とともに、本質的に例4に記載されているようにして トウモロコシを形質転換した。次いで、形質転換した植物を使用して例5に記載 されているようにして第二の親植物を得る。 またはプラスミドp35SBperuを、ゴッフ(Goff)らが記載したように(1990,EM BO J.9:2517-2522)して、pP35SBpの代わりにして使用した。 例8:C1-S遺伝子のプロモ−タの制御下にあるトウモロコシP遺伝子のコ−ド領 域を具備した色連鎖回復性遺伝子を有する維持用植物 通常の技術を利用しで、プラスミドpUC19のポリリンカ−のEcoRIに、キメラ遺 伝子を挿入する。キメラ遺伝子は以下のエレメントを配列中に具備している: i)C1-S遺伝子のプロモ−タ領域、すなわち配列認識番号1の配列中の447位か ら1076位のヌクレオチドのDNA断片で、935-939の配列がTGCAGの代わりにTTAGGに なっているもの; ii)単一のCヌクレオチド; iii)グロテウォルド(Grotewold)らが記載した(1991、PNAS、88:4587-4591 )、 トウモロコシP遺伝子のコ−ド領域と3’非翻訳領域を具備したDNA配列。上記の トウモロコシP遺伝子は、赤いホルバフェン(pholbaphene)の色素沈着、アント シアニンの生合成経路に関わるフラボノイド色素沈着を特定化するアントシアニ ン制御遺伝子である。実際、P遺伝子がコ−ドしているタンパク質はとりわけ、 アントシアニンとフロバフェン(phlobaphene)の色素沈着に必要なA1遺伝子を 活性化する。二つのcDNAクロ−ンが同定され、グロテウォルド(Grotewold)ら により配列決定され、上記の参考文献中に記載されている。このキメラ遺伝子の 構築に特に興味深いのは、より長いcDNAである。しかしながら、別の方法として 、より短い転写産物をこのキメラ遺伝子同様、C1-S遺伝子リ−ダ配列の代わりに P遺伝子リ−ダ配列中で使用することも可能である。色素沈着するには、P遺伝子 は機能性のRまたはB遺伝子を要求しない。維持用植物の種子中で合成される可視 の色素沈着は、アントシアニン生合成に直接関わるフラボノイド色素(アントシ アニンのように)である、フロバフェン(phlobaphene)である。 iv)アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacteium tumefaciens)の ノパリンシンタ−ゼ遺伝子のポリアデニレ−ションシグナルを有するDNA断片、 すなわち配列認識番号2の1600位から2909位のヌクレオチド配列を有するDNA断 片。 得られたプラスミド(pPCS1-Pと命名)を、配列認識番号2のpTS256とともに使 用して、本質的に例4に記載されているようにして、トウモロコシを形質転換さ せる。形質転換した植物を序で使用して、例5に記載されたようにして第二の親 植物を得る。 例9:B-peruプロモ−タの制御下にあるB-peru遺伝子のコ−ド領域を具備した 色連鎖回復遺伝子を有する維持用植物 通常の技術を利用して、プラスミドpUC19のポリリンカ−のEcoRIとHindIIIと の間に、キメラ遺伝子を挿入する。キメラ遺伝子は以下のエレメントを配列中に 具備している: i)B-peru遺伝子のプロモ−タ、すなわちEMBLデ−タバンクに受入れ番号X70791 の下に寄託されて開示された、1952塩基対のDNA配列: ii)B-peru遺伝子のコ−ド領域、および3’非翻訳領域、すなわち配列認識番 号7の576位から4137位のヌクレオチド配列を有するDNA断片。このプラスミド( pCOL11と命名)を、例2のpCOL9S(C1-S遺伝子を具備)および配列認識番号2の pTS256(以下のキメラ遺伝子を具備:P35S-bar-3'nosおよびPTA29-バ−スタ−-3' nos)とともに使用して、本質的に例4に記載されているようにしてトウモロコシ を形質転換した。次いで、形質転換した植物を使用して、例5に記載されている ようにして第二の親植物を得る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ゲノム中に以下のものを具備した細胞を必須的に含む植物: 第一遺伝子座における同型接合体の雄性不稔遺伝型 第二遺伝子座における、外来DNA Rfに関して異型接合体(Rf/-)である色連 鎖(color-linked)回復遺伝型であって、以下のものを具備した色連鎖回復遺伝 型: a)前記雄性不稔遺伝型の表現型発現を防ぐことが可能な、繁殖性回復遺伝子 ;および b)前記植物中の少なくとも種子中に、外側から視覚的に確認できる程度に、 アントシアニンを合成することが可能で、植物中の種子細胞中のアントシアニン 生合成の制御に関わる、少なくとも一つのアントシアニン制御遺伝子。 2.前記の色遺伝子が、前記の、植物の種子中の少なくともアリュ−ロン中で アントシアニンを合成することが可能な、請求項1に記載の植物。 3.植物細胞中で産生されたときに、該植物の増殖及び発生に関して実質的な 影響を与えずに、該植物を雄性不稔にする雄性不稔遺伝子を具備した外来RNA S に関して、前記の第一遺伝子座が同型接合体である(S/S)、請求項1に記載の植 物。 4.以下のs1およびs2を具備した雄性不稔遺伝子を具備する外来DNA Sに関し て、前記の第一遺伝子座が同型接合体であり、更に前記第二遺伝子座中の前記の 繁殖性回復遺伝子が少なくとも以下のa1およびa2を具備している、請求項1に記 載の植物: s1)植物の雄しべ細胞で産生または過剰産生されたときに、該細胞の代謝、 機能及び/または発生を著しく妨害するRNA、タンパク質、またはポリペプチドを コ−ドする、雄性不稔DNA; s2)前記植物の雄しべ細胞、好ましくはタペ−タム細胞において、選択的に 雄性不稔DNAの発現を行わせることが可能な不稔性プロモ−タであり、該雄性不 稔DNAが不稔性プロモ−タと同じ転写単位にあり、またそれにより制御される、 前記不稔性プロモ−タ; a1)前記の雄性不稔遺伝子Sが発現している細胞と同じ細胞内で産生または過 剰産生されたときに、Sの表現型発現を妨害する回復RNA、タンパク質、またはポ リペプチドをコ−ドした、繁殖性回復DNA;及び a2)少なくとも前記の雄性不稔遺伝子が発現している細胞内で、該雄性不稔 遺伝 子の表現型発現を妨害するように、繁殖性回復DNAの発現を行わせることが可能 な回復プロモ−タであって、上記繁殖性回復DNAが、上記回復プロモ−タと同じ 転写単位にあり、尚且つその制御下にある、上記の回復プロモ−タ。 5.前記雄性不稔DNAがバ−ナ−ゼ(barnase)をコ−ドし、前記繁殖性回復DN Aがバ−スタ−(barstar)をコ−ドする、請求項1に記載の植物。 6.前記不稔性プロモ−タ及び/または回復プロモ−タが、PTA29,PCA55,PT7 2,PT42,及びPE1 からなる群より選択される、請求項1に記載の植物。 7.前記の同型接合体の雄性不稔遺伝型が内在性であり、また劣性対立遺伝子 mに関して同型接合体であり(m/m)、更に前記の繁殖性回復遺伝子が、上記の内在 性雄性不稔遺伝型の優性対立遺伝子Mである、請求項1に記載の植物。 8.前記植物が、トウモロコシ、コムギ、及びイネからなる群より選択される 穀類植物である、請求項1に記載の植物。 9.前記アントシアニン制御遺伝子が、短くしたR、B、またはC1遺伝子か、短 くしたR、B、またはC1遺伝子の組み合わせであり、該遺伝子がアリュ−ロン中で のアントシアニン産生を制御及び調節する機能を有する、請求項1に記載の植物 。 10.前記アントシアニン制御遺伝子が、 配列認識番号1の447位から2418位の間の配列と一致するヌクレオチド配列 を有する、短くしたC1またはC1ーS遺伝子、 配列認識番号6の1位から3272位の間の配列に一致するヌクレオチド配列を 有する、短くしたB-peru遺伝子、及び pCOL13からの約4000塩基対の長さを有するEco-SalI断片、 からなる群より選択される、請求項9に記載の植物。 11.前記アントシアニン制御遺伝子がイントロンを一切含まない、請求項1 0に記載の植物。 12.前記アントシアニン制御遺伝子が、短くした、C1またはC1-S遺伝子、及 び短くしたB-peru遺伝子を具備した、請求項9に記載の植物。 13.前記アントシアニン制御遺伝子が、アリュ−ロン特異的プロモ−タに機 能するように連結された、R若しくはB遺伝子、及び/またはC1遺伝子のコ−ド領 域を具備したキメラDNAである、請求項9に記載された植物。 14.前記アリュ−ロン特異的プロモ−タが、配列認識番号1の1位から10 7 7位、または447位から1077位の間の配列、及び配列認識番号6の1位か ら575位の間の配列からなる群より選択される、請求項13に記載の植物。 15.前記アリュ−ロン特異的プロモ−タが、配列認識番号1の1位から10 61位、または447位から1061位の間の配列、及び配列認識番号6の1位 から188位の間の配列からなる群より選択される、請求項14に記載の植物。 16.短くした、R、B、もしくはC1遺伝子、または短くした、R、B、もしくは C1遺伝子の組み合わせであって、アリュ−ロン内でのアントシアニンの産生を調 節、制御する機能のある、アントシアニン制御遺伝子を具備したDNA。 17.短くした、C1またはC1-S遺伝子、および短くしたB-peru遺伝子を具備し た、請求項16に記載のDNA。 18.短くしたB-peru遺伝子であって、配列認識番号6の1位から3272位の間 の配列と一致したヌクレオチド配列を有する遺伝子、 短くしたB-peru遺伝子であって、pCOL13からの4000塩基対の長さを有す るEcoRI-SalI断片、及び 短くした、C1またはC1-S遺伝子であって、配列認識番号1の447位から2 418位の間の配列と一致するヌクレオチド配列、 からなる群より選択した、少なくとも一つの遺伝子を具備する、請求項16に 記載のDNA。 19.前記の短くした、B-peru、C1、またはC1-S遺伝子が更に、イントロンを 一切含まないことで特徴付けられる、請求項18に記載のDNA。 20.前記の短くした、C1、C1-S、またはB-peru遺伝子が、 配列認識番号1の1位から1077位、または447位から1077位の間 の配列、及び 配列認識番号6の1位から575位の間の配列、 からなる群より選択されるアリュ−ロン特異的プロモ−タに、機能するように 連結されている、請求項16に記載のDNA。 21.前記アリュ−ロン特異的プロモ−タが、 配列認識番号1の1位から1061位、または447位から1061位の間 の配列、及び 配列認識番号6の1位から188位の間の配列、 からなる群より選択される、請求項19に記載のDNA。 22.前記のDNAが、植物中で雄性不稔遺伝型の表現型発現を妨害することが 可能な、繁殖性回復遺伝子を更に具備している、請求項16に記載のDNA。 23.前記繁殖性回復遺伝子がバ−スタ−をコ−ドしている、請求項22に記 載のDNA。 24.前記バ−スタ−がPTA29,PCA55,PT72,PT42,及びPE1からなる群より選 択されたプロモ−タの制御下にある、請求項23に記載のDNA。 25.配列認識番号1の1位から1077位、または447位から1077位の間 の配列、及び配列認識番号6の1位から575位の間の配列からなる群より選択 される、アリュ−ロン特異的プロモ−タ。 26.配列認識番号1の1位から1061位、または447位から1061位 の間の配列、及び配列認識番号6の1位から188位の間の配列からなる群より 選択される、アリュ−ロン特異的プロモ−タ。 27.以下の工程を具備した、雄性不稔植物系統を維持するためのプロセス: i)以下のa)およびb)を交配させる: a)第一遺伝子座に同型接合体の雄性不稔遺伝型を有する、前記の雄性不稔 親植物系統; b)第一遺伝子座にある同型接合体の雄性不稔遺伝型、並びに 1)該雄性不稔遺伝型の表現型発現を妨害することが可能な、繁殖性回復 遺伝子、及び 2)前記植物中の少なくとも種子中に、外側から視覚的に確認できる程度 に、アントシアニンを合成することが可能であり、該植物の種子細胞でのアント シアニンの生合成の制御に関わっている、少なくとも−つのアントシアニン制御 遺伝子、 を具備した外来DNAに対して異型接合体である、第二遺伝子座の有色連鎖 (colored-linked)回復遺伝型、 を具備し、尚且つこれらが核内のゲノムに安定に挿入された細胞を必須的に有 する上記系統の維持用親系統; ii)該親系統より種子を得る;そして iii)アントシアニンが一切発現されずに雄性不稔の親植物に成長する種子を 、色を基にして分離する。 28.前記植物の種子中でアントシアニンの生合成を制御して、該種子中で外 側から視覚的に確認できる程度のアントシアニンの産生を起こさせるのに必要な 、アントシアニン制御遺伝子を、前記の雄性不稔親植物のゲノムが、少なくとも 一つ含んでいない、請求項27に記載のプロセス。 29.前記の雄性不稔親植物のゲノムが、第一のアントシアニン制御遺伝子を 含み、また植物のゲノム中に前記の第一のアントシアニン制御遺伝子とともに存 在するときに、種子中に外側から視覚的に確認できる程度のアントシアニンの産 生を調節することが可能である、第二のアントシアニン制御遺伝子を、前記の維 持用親系統植物のゲノムが含んでいる、請求項28に記載のプロセス。 30.以下の工程を具備する、維持用植物系統を維持するためのプロセス: i)以下のa)およびb)を交配させる: a)第一遺伝子座に同型接合体の雄性不稔遺伝型を有する、前記の雄性不稔 親植物系統; b)第一遺伝子座にある同型接合体の雄性不稔遺伝型、並びに 1)該雄性不稔遺伝型の表現型発現を妨害することが可能な、繁殖性回復 遺伝子、及び 2)前記植物中の少なくとも種子中に、外側から視覚的に確認できる程度 に、アントシアニンを合成することが可能であり、該植物の種子細胞でのアント シアニンの生合成の制御に関わっている、少なくとも一つのアントシアニン制御 遺伝子、 を具備した外来DNAに対して異型接合体である、第二遺伝子座の有色連鎖 (colored-linked)回復遺伝型、 を具備し、尚且つこれらが核内のゲノム、に安定に挿入された細胞を必須的に有 する上記系統の維持用親系統; ii)該雄性不稔親植物より種子を得る;そして iii)アントシアニンが発現された、維持用親植物に成長する種子を、色を基 にして分離する, 31.前記植物の種子中でのアントシアニンの生合成を制御して、該種子中に 外側から視覚的に確認できる程度にアントシアニンを産生させるのに必須のアン トシアニン制御遺伝子の少なくとも一つを、前記の雄性不稔親植物のゲノムが含 んでいない、請求項30に記載のプロセス。 32.前記の雄性不稔親植物のゲノムが、第一のアントシアニン生合成遺伝子 を含み、また前記の第一のアントシアニン制御遺伝子とともに植物中のゲノム内 に存在するときには、種子中に外側から視覚的に確認できる程度にアントシアニ ンの産生を調節することが可能な第二のアントシアニン制御遺伝子を、前記の維 持用親植物が含んでいる、請求項31に記載のプロセス。 33.雄性不稔植物系統、または維持用植物系統を維持するための、以下のa) およびb)を具備したキット: a)第一遺伝子座に同型接合体の雄性不稔遺伝型を有する、前記の雄性不稔 親植物系統; b)第一遺伝子座にある同型接合体の雄性不稔遺伝型、並びに 1)該雄性不稔遺伝型の表現型発現を妨害することが可能な、繁殖性回復 遺伝子、及び 2)植物中の少なくとも種子中に、外側から視覚的に確認できる程度に、 アントシアニンを合成することが可能で、該植物の種子細胞でのアントシアニン の生合成の制御に関わる、少なくとも一つのアントシアニン制御遺伝子、 を具備した外来DNAに対しで異型接合体である、第二遺伝子座の有色連鎖 回復遺伝型、 を具備し、尚且つこれらが核内のゲノムに安定に挿入された細胞を必須的に有す る上記系統の維持用親系統。 34.前記植物の種子中でアントシアニンの生合成を制御して、外側から視覚 的に確認できる程度のアントシアニンの産生を該種子中で起こさせるのに必要な 、アントシアニン制御遺伝子の少なくとも一つを、前記の雄性不稔親植物のゲノ ムが含んでない、請求項33に記載のプロセス。 35.前記の雄性不稔親植物が、第一のアントシアニン制御遺伝子を含み、ま た、植物のゲノム中に上記の第一のアントシアニン制御遺伝子とともに存在する ときには、種子中に外側から視覚的に確認できる程度のアントシアニンの産生を 調節することが可能である、第二のアントシアニン制御遺伝子を、前記の維持用 親植物のゲノムが含んでいる、請求項34に記載のプロセス。 36.以下のものを具備した、請求項33に記載のキットを維持するためのプ ロセス: 前記の雄性不稔親植物を前記の維持用親植物と交配させる; 前記の雄性不稔親植物から種子を得て、また随意に、アントシアニンの産生 が全く起こらない前記の維持用親植物から種子を得る;そして 随意に上記の種子を成長させて、雄性不稔親植物及び維持用親植物にする。
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