JPH10504372A - 摩耗インジケーターを有したブレーキパッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は摩耗インジケーター（５）を有するブレーキパッド（１）に関するものである。該ブレーキパッド（１）は、摩擦ライニング（２）のブレーキ面（４）において開放した第１孔（２０）と、該第１孔（２０）および該ライニングのエッジ（２３）において開放した第２孔（２２）と、さらに、該第１孔（２０）と、該第２孔（２２）と、該エッジ（２３）と、該ブレーキ面（４）との間に延在した溝（２４）とを有している。前記インジケーター（５）は第１孔（２０）にはめ込まれた小円板（６）と、インジケーター（５）の導線（１２ａ，１２ｂ）に滑動的に取り付けられ、かつインジケーター（５）の接続端子（１５）を押し付けている弾性的なシース（１６）によって小円板（６）に押し付けられたスリーブ（１４）とからなっている。該スリーブ（１４）の直径は第２孔（２２）の直径とほぼ等しい。前記溝（２４）は、インジケーター（５）をブレーキパッド（１）上に据え付けている間に、スリーブ（１４）を小円板（６）から引き離した後に、導線ワイヤ（１２ａ，１２ｂ）を通過させるための役目を果たす。

Description

【発明の詳細な説明】 摩耗インジケーターを有したブレーキパッド 本発明は、自動車のブレーキのためのブレーキパッドにおいて、該パッドは摩 擦ライニングと、それに固定された摩耗インジケーターとを有し、該インジケー ターは絶縁材料でできた本体と、電気的なインジケーター回路に接続されるよう に設計された電気導線であって、該導線の一部分は、前記摩擦ライニングが所定 の厚さよりも薄い厚さにまで減少された場合に、それ自身がブレーキの回転部分 によって摩耗されるように前記本体の中に配置されている、その電気導線とを具 備した自動車のためのブレーキパッドに関するものである。 ブレーキパッドには大地から絶縁されたインジケーターがしばしば取り付けら れている。そのようなインジケーターは、それが大地と接続されたディスクある いは回転部分と接触すると同時に、自動車のダッシュボード上の警報灯を点灯さ せる。 一般的には、摩耗インジケーターの本体は、ライニングの存在していない領域 における摩耗インジケーターのための支持板に形成された開口の中に、前記回転 部分に対面した面あるいはその反対側の面のいずれかを介して埋め込むことがで きるスタッドからなっている。従来技術の状況は、仏国特許第２、３８５、９５ ０号、仏国特許第２、５１３、７１６号、仏国特許第２、５６７、６０１号、仏 国特許第２、６４７、８６８号、および仏国特許第２、６１９、３４８号によっ て説明されている。そのような状況の中で、前記スタッドの軸線方向の移動を防 止するための装置、即ちフランジあるいはスナップ止め装置のいずれかを設ける 必要がある。 前記摩耗インジケーターはまた仏国特許第２、４６５、９２４号によって知ら れており、そこでは前記本体は摩擦ライニングのための支持板に取り付けられて いる。米国特許第３、９６７、１６７号は、ライニング支持板の面で回転部分か ら離れた方の面において開放した孔の中で受け留められた摩耗インジケーターや 、該支持板上でスナップ止めされたくさび板によって保持されたインジケーター を 提供している。 これらの装置は全て、形状が複雑なインジケーターかあるいはブレーキパッド 上にインジケーターを保持するための付加的な部品を必要としている。さらに、 そのような要素を据え付けることは複雑なことであり、特殊な工具を必要とし、 また該インジケーターを取り外すことは困難であるか、あるいは不可能ですらあ る。 摩耗インジケーターはまた接着材によって摩擦ライニングの中へ固定されるこ とも知られている。しかしながら、そのようなインジケーターはブレーキ作動中 に高温にさらされる。温度がそのようにして上昇すると、インジケーターはライ ニングに関して相対的にゆるむことになる。さらに、インジケーターが一度この ようにして固定されると、自動車のブレーキパッドを交換する時に、たとえイン ジケーター自身が摩耗されていなくともリサイクルすることができない。 本発明の目的は、インジケーターの据え付けが容易な上述した型のブレーキパ ッドを提供することにある。 本発明によると、提案しているブレーキパッドは、前記本体が、前記摩擦ライ ニングの中に形成されかつ該ライニングのブレーキ面において開放した第１ブラ インド孔の底部に受け留められる形状になっており、前記ライニングにインジケ ーターを固定するための装置が、前記本体の近くの電気導線において滑動的に取 り付けられた剛的なスリーブを有し、これは、前記ライニングの中に形成されか つ前記第１孔およびライニングの１つのエッジにおいて開放した第２孔の中で受 け留められるのに適しており、また、前記摩擦ライニングには溝が設けられてお り、該ライニング上に摩耗インジケーターを据え付ける間に電気導線を通過させ ることができ、該溝がスリーブの直径より狭く、前記第１孔と、前記第２孔と、 前記エッジと、前記ブレーキ面との間を延在していることを特徴としている。 このような配置関係になっているので、前記摩耗インジケーターは工具を用い たり、接着剤を用いたりすることなしに据え付けられ、スリーブを本体から引き 離し、該本体を第１孔の中へ滑らせ、その間に導線を溝の中に通させればよい。 本体が第１孔の端部に着くと、導線は第２孔の中央に位置することになり、該ス リーブを本体の方へ移動させ、スリーブを第２孔の中へ貫通させるとよい。イン ジケーターの取り外しはこの逆の順序で行えば良い。即ち、スリーブを導線に沿 ってそれが第２孔から出るまで滑らせ、その後で導線を溝に通すことによって本 体は第１孔から取り外される。本体が回転部分によって摩耗されると、該本体は 第１孔の端部に保持される。このことによって、摩擦ライニングが所定の厚さよ りも薄い特定の厚さに到達した時に、警報信号を発することを保証することがで きる。 有利なことに、スリーブを第２孔に保持するための装置が設けられている。こ れらの装置は電気導線の上を滑動し、かつその一端を介してスリーブに力を加え るのに適した弾性的なシースからなっている。この力は本体に向けられ、該シー スの他端はインジケーターの電気回路に接続するために導線に取り付けられたプ ラグを押し付けている。 前記インジケーターの本体は有利なことに小円板の形をしている。好的実施例 においては、前記小円板はその外周部において環状の溝を有しており、前記電気 導線は該溝の中に受留られたループを有した絶縁導線である。 本発明の他の利点と特徴とは、例示的に与えられた以下の説明を読み、添付図 面を参照すれば明らかになる。 第１図は、回転部分と協動するようになったブレーキ面を示すブレーキパッド の図である。 第２図は、第１図のブレーキパッドを第１図の矢印（Ａ）の方向から見た平面 図である。 第３図は第１図のブレーキパッドに適用される本発明の摩耗インジケーターを 示した、第４図の線III−IIIから見た拡大断面図である。 第４図は本発明の摩耗インジケーターを示した、第３図の線IV−IVから見た拡 大断面図である。 第５Ａ図、５Ｂ図、５Ｃ図は第３図および第４図の摩耗インジケーターを、第 １図および第２図のブレーキパッドに据え付ける各種段階を示す図である。 第６図は本発明の摩耗インジケーターの他の実施例を示す透視図である。 図面においては、番号１はディスクブレーキのためのブレーキパッドを示し、 該パッドは支持板３に取り付けられた摩擦ライニング２を有している。該ライニ ング２は自動車の車軸に関連したディスクと摩擦によって協動するように設計さ れたブレーキ面４を有している。前記ブレーキパッドには以下に詳述するような 摩耗インジケーター５が設けられている。 第３図および第４図でわかるように、前記摩耗インジケーター５は絶縁材料で できた小円板６によって形成された本体からなり、該本体はその外周部７におい て溝８を有しており、該溝の中に絶縁された導線ワイヤ１０のループ９が受留め られている。 前記ループ９から２本のワイヤ１２ａ，１２ｂが突出している前記小円板６の 領域１１において、後で説明するような目的のために凹所１３が設けられている 。 この領域１１の近くにおいて、前記ワイヤ１２ａ，１２ｂの長さ部分の上を滑 動自在の剛的なスリーブ１４が設けられている。前記ワイヤ１２ａ，１２ｂの長 さ方向の端部は、導線ワイヤ１０をライニング２の摩耗度を表示するための電気 回路に接続するために、プラグ１５として固定されており、該インジケーター回 路は、例えば、自動車のダッシュボードに取り付けられた表示灯によって、ある いは聴き取り可能な警報装置によって構成されている。前記プラグ１５とスリー ブ１４との間には弾性的でかつ水密性のシース１６が設けられており、該シース の一端１７は前記プラグ１５に固定され、その他端１８は、好ましくは、スリー ブ１４の少なくとも一部分を覆っている。前記シース１６の目的は、スリーブ１ ４上に小円板６の方へ向かう力を伝達することであり、従ってプラグ１５から離 れた方の該スリーブ１４の端部１９は小円板６の凹所１３の中で受留められるよ うになる。 第１図および第２図、さらに第５Ａ図、５Ｂ図、５Ｃ図でわかるように、前記 ライニング２は、ブレーキ面４において開放した第１のブラインド孔２０を有し ており、その端壁２１は有利なことに支持板３によって構成されている。第２の 孔２２が該第１孔２０とライニング３のエッジ２３とを連結している。該第２孔 ２２は第１孔の端壁２１の近くにおいて該第１孔２０の中へ開き込んでいる。前 記ライニング２はまた、第１孔２０と第２孔２２とエッジ２３とブレーキ面４と の間を延在した溝２４を有している。またパット１に関して使用することが必要 であると考えられる場合には、ライニング２の冷却を容易にするための別の溝２ ５を選択的に有している。 第１孔２０の寸法は、前記小円板６が前記第１孔２０の中へ通すことができる ような寸法に設計されている。 第２孔２２の直径は、前記弾性シース１６の中に覆われたスリーブ１４の直径 にほぼ等しい。前記溝２４の巾はスリーブ１４の直径より小さく、導線ワイヤ１ ０の厚さより少し大きい。 前記摩耗インジケーター５は、第５Ａ図、５Ｂ図、５Ｃ図に示したような方法 によってブレーキパッド１に取り付けられる。 第５Ａ図でわかるように、作業者は小円板６を第１孔２０の開口部にあてがい 、弾性シース１６によって与えられる対抗力を相殺する力（Ｆ）をスリーブ１４ に加えることにより、スリーブ１４を手動で小円板６から離れる方向へ引っ張る 。ワイヤ１２ａ，１２ｂの長さ部分が溝２４に向かって配置される。その後で、 インジケーター５を矢印（Ｄ）の方向へ移動させるとよい。 第５Ｂ図に示したように、小円板が第１孔２０の端部２１の中へ配置されると 、ワイヤ１２ａ，１２ｂの長さ部分は第２孔２２のほぼ中央に位置する。小円板 ６を第１孔２０の中で固定するために、次に作業者はスリーブ１４を離す。する とシース１６はスリーブ１４に小円板６の方へ向かう力（Ｆ）を加える。該スリ ーブ１４は自動的に第２孔２２の中へ貫通していく。必要に応じて、作業者はス リーブ１４を指で押してスリーブを小円板６に対して押し付けることにより、該 スリーブに付加的な力を加えてもよい。 第５Ｃ図は組立て作業終了時における、第２孔２２の中で固定されたスリーブ １４を示している。スリーブ１４の端部１９は凹所１３の中で受留められている 。 前記摩耗インジケーター５は次のように作動する。摩耗が原因でライニング２ の厚さが小円板６の厚さよりも薄くなった時には、ブレーキの回転部分が小円板 の材料を摩耗させる。ループ９自身が摩耗されるような瞬間が来ると、ブレーキ が作動している間に導線ワイヤ１０は前記回転部分と電気的に接触される。該回 転部分は大地と接しているので、電気インジケーター回路が閉じられる。 ブレーキパッド１を交換する時には、もしその小円板６自身が摩耗されていな ければ、本発明の摩耗インジケーター５を再使用することができる。そのような 場合には、スリーブ１４を第２孔２２から引き出して、ワイヤ１２ａ，１２ｂの 長さ部分を溝２４に通すことによって小円板６を第１孔から引き抜くとよい。支 持板３における貫通孔２６はインジケーター５の導線を通過させる役目を果たす 。孔２７はブレーキパッドをブレーキのキャリパーを取り付ける役目を果たす。 上述した実施例においては、弾性シース１６の端部１８はスリーブ１４の少な くとも一部分を覆っている。明らかに、シース１６の端部１８は単にスリーブ１ ４の外端を押えているだけである。同様に、ループ９は小円板６の本体の中に埋 め込めまれた端子と交換してもよく、ワイヤ１２ａ，１２ｂの長さ部分はそれに 対して電気的に接続される。そのような場合には、小円板６は最早溝８を有して おらず、凹所１３も省略することができる。同様に、支持板３の孔２６、２７も 本質的なものではない。 第６図に示した別の実施例においては、小円板には半径方向のロッド３０が設 けられており、その直径は溝２４の厚さより小さい。小円板６と、半径方向のロ ッド３０とは、ループ９および該ループ９から延在した２本のワイヤ１２ａ，１ ２ｂを被覆鋳造することによって形成される。小円板６が第１孔２０の端部２１ に配置された時には、半径方向のロッド３０は第２孔２２の中央に位置する。こ の実施例においては、スリーブ１４は都合よく弾性シース１６の端部１８に置き 換えてもよく、これは第２孔２２の中に受留められ、半径方向ロッド３０を捕獲 的に保持する。このような配置にすることによって、小円板６を第１孔２０の端 部２１において正確に保持することが可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カズロ，ジャン ミシェル フランス国 エフ − 95200 サルセル, リュ モンフリュエリ 11 (72)発明者 キャロン，ジャン − ピエール ニコラ ス フランス国 エフ − 60400 ヌワイヨ ン，キュト，リュ ド ラ ラメー，539 (72)発明者 ドギュイズ，アラン ベルナール フランス国 エフ − 60400 ヌワイヨ ン，アレ デ セリルシェール ２，アパ ルトマン 65 ボセジュール

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．自動車のブレーキのためのブレーキパッドにおいて、該パッドは摩擦ライ ニング（２）と、固定装置によって固定された摩耗インジケーター（５）とを有 し、該インジケーター（５）は絶縁材料でできた本体（６）と、電気的なインジ ケーター回路に接続されるように設計された電気導線（１０）であって、該導線 （１０）の一部分（９）は、前記摩擦ライニング（２）が所定の厚さよりも薄い 厚さにまで減少された場合に、それ自身がブレーキの回転部分によって摩耗され るように前記本体（６）の中に配置されている、その電気導線とを具備し、前記 本体（６）が、前記摩擦ライニング（２）の中に形成されかつ該ライニングのブ レーキ面（４）において開放した第１ブラインド孔（２０）の底部に受け留めら れる形状になっており、前記ライニング（２）にインジケーター（５）を固定す るための装置が、前記本体（６）の近くの電気導線（１０）において滑動的に取 り付けられた剛的なスリーブ（１４）を有し、これは、前記ライニング（２）の 中に形成されかつ前記第１孔（２０）およびライニング（２）の１つのエッジ（ ２３）において開放した第２孔（２２）の中で受け留められるのに適しており、 また、前記摩擦ライニングには溝（２４）が設けられており、該ライニング（２ ）上に摩耗インジケーター（５）を据え付ける間に電気導線（１０）を通過させ ることができ、該溝（２４）がスリーブ（１４）の直径より狭く、前記第１孔（ ２０）と、前記第２孔（２２）と、前記エッジ（２３）と、前記ブレーキ面（４ ）との間を延在していることを特徴とする自動車のためのブレーキパッド。 ２．請求の範囲第１項に記載された装置において、前記第２孔（２２）の中で 前記スリーブを保持するための装置が設けられている自動車のためのブレーキパ ッド。 ３．請求の範囲第２項に記載された装置において、前記電気導線（１０）の自 由端が電気的なインジケーター回路に接続するためのプラグ（１５）を有してお り、また第２孔（２２）内でスリーブ（１４）を保持するための装置が、電気導 線の上を滑動することができ、かつ前記スリーブ（１４）に対して本体（６）の 方へ向かった力（Ｆ）を加えることのできる弾性的なシース（１６）を有する自 動車のためのブレーキパッド。 ４．請求の範囲第３項に記載された装置において、前記スリーブ（１４）が前 記弾性シース（１６）の一端に挿入されている自動車のためのブレーキパッド。 ５．請求の範囲第１項から第４項のいずれか１項に記載された装置において、 前記本体（６）が小円板（６）の形をしている自動車のためのブレーキパッド。 ６．請求の範囲第５項に記載された装置において、前記小円板（６）が、その エッジ（７）において、環状の溝（８）を有し、また電気導線（２０）が該溝（ ８）内に受け留められたループを形成する、絶縁された導線ワイヤである自動車 のためのブレーキパッド。 ７．請求の範囲第６項に記載された装置において、前記小円板（６）が、その エッジ（７）において、スリーブ（１４）の内端（１９）を受け留めるようにな った凹所（１３）を有している自動車のためのブレーキパッド。 ８．請求の範囲第１項に記載された装置において、前記本体が、その直径が前 記溝（２４）の厚さより大きくない半径方向ロッド（３０）を備えた小円板（６ ）の形をしており、該小円板（６）と該ロッド（３０）とが電気導線（１０）の 一部分（９、１２ａ，１２ｂ）を被覆鋳造することによって形成されている自動 車のためのブレーキパッド。 ９．請求の範囲第８項に記載された装置において、前記スリーブが弾性シース （１６）の端部（１８）によって構成されている自動車のためのブレーキパッド 。