【発明の詳細な説明】
ウイルス感染症及び場合により炎症の予防及び/又は
治療用医薬組成物並びにそれらの治療方法 発明の分野
本発明は、ウイルス感染症及び、場合により、ウイルス感染症に随伴する炎症
の予防及び治療用医薬組成物に関する。更に詳細には、本発明は、抗ウイルス活
性物質としてβ−ルペオール(β-lupeol)を含有する医薬組成物に関する。更に
、本発明は、予防及び治療の必要なヒトに上記医薬組成物を経口投与することに
よるウイルス感染症及び、場合により、炎症の予防及び治療方法に関する。背景技術
現在まで、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス等のよ
うなカゼウイルス等、又は上気道中のその他のウイルスによって起こるウイルス
感染症を予防及び/又は治療するのに有効な組成物を提供することは不可能であ
った。実際に、すべてのヒトは時々カゼや流行性感冒のような上気道における感
染症を患う。これらの感染症の症状には、咽喉炎及び耳痛(耳炎)、鼻水の出る
鼻、かゆい眼、並びに筋肉痛及び関節痛等がある。感染症は、種々の異なるウイ
ルスによって起こり、これらは一緒にして「カゼウイルス」と呼ばれる。限られ
た数のインフルエンザ菌株に対してワクチンが利用できるが、上気道中のほとん
どの感染症を予防又は治療するための有効な方法は知られていない。このような
、例えば、ライノウイルスによって起こるウイルス感染症は上気道中のすべての
ウイルス感染症の約50%について原因となっているが、広く流行し、健康を害
する原因となり得、又は子供、老人、及びエイズ、癌患者等のような免疫不全を
患っている人のような感染し易い群では直接死に至る可能性がある。これらの症
状及び潜在性感染症の治療方法は非常に重要である。
英国特許出願第2,198,041A号は、特に、ルペオールを含有する組成
物を開示する。この組成物はアルコール中毒に効果があると記載されているが、
この効果がルペオールに起因するとすることができることは明らかでない。
欧州特許出願0287000号は、特に、ルペオールを含有する可能性のある
植物抽出物の製造方法を開示する。これらの抽出物は前立腺肥大の治療に応用で
きる旨記載されているが、その効果がルペオールに起因するかどうか明らかでな
い。
国際特許出願第90/14764号は抗ウイルス作用を有する多くのテルペノ
ゾニド類を開示する。しかし、これらの化合物は、3個の酸素原子を含有してト
リオキシシクロペンタン環系を形成するので、本質的にβ−ルペオールと異なる
。この抗ウイルス作用はこのトリオキシシクロペンタン環系に起因する。
経口投与される薬用ニンジンの未精製水性抽出物は長年の間中国において慢性
肝炎に対して使用されている。しかし、上記治療により活性のある化学化合物(
単一又は複数)は知られていない。従って、薬用ニンジンから特定のフラクショ
ン、即ち、本明細書中で記載される予期されない有用な効果を有するβ−ルペオ
ール、が抽出され得るということが予見できない。発明の簡単な記述
第一の態様では、本発明はウイルス感染症の予防及び/又は治療用医薬組成物
に関し、この組成物は、式
[式中、Rは水素原子、直鎖又は枝分かれした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル基
(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合
を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分かれしてもよく、
二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。
)
、又はヒト若しくは動物の身体中で通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオー
ル誘導体を遊離する基である]の一種以上のβ−ルペオール誘導体並びに慣用的
な、薬物学的に許容されている佐薬、添加剤及びキヤリアーを含有することを特
徴とする。
脂肪族C1〜6ヒドロカルビル基には、メチル、エチル、分枝している及び分
枝していないプロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシル、エテニル、分枝して
いる及び分枝していないプロペニル、ブテニル、ペンテニル及びヘキセニル、エ
チニル、分枝している及び分枝していないプロピニル、ブチニル及びヘキシニル
並びに2個以上の二重結合又は三重結合を含有する相当する化合物等がある。
C1〜6アシル基には、メタノイル、エタノイル、分枝している及び分枝して
いないプロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル及びヘキサノイル、エテノイル
、分枝している及び分枝していないプロペノイル、ブテノイル、ペンテノイル及
びヘキセノイル、ブチノイル、分枝している及び分枝していないプロピノイル、
ブチノイル、ペンチノイル及びヘキシノイル並びに2個以上の二重結合又は三重
結合を含有する相当する化合物等がある。
ヒト若しくは動物の身体における通常の条件下で容易に分解する基には生理学
的条件でβ−ルペオールに変換できるいずれの基も含まれることを了解すべきで
ある。
本発明の特に好適な実施態様では、Rは水素である。
更に、アンモニウムイオンの存在が、VSV(= Vesicular Stomatitis Viru
s、水疱性口炎ウイルス)及びセムリキ(Semliki)ウイルスのような多くの実験
室ウイルスに対して並びに例えばライノウイルスに対して抗ウイルス作用を示す
ことが見いだされた。アンモニウムイオンにより媒介される抗ウイルス作用の最
も可能性のあるメカニズムは、アンモニウムイオンが目標細胞上のウイルスレセ
プターに対するアンモニウム感受性ウイルスの結合を妨害し、従って、非特異性
細胞プロセスにより、若しくは適当な抗体による中性化によりウイルスを排除す
る宿主又は環境の能力を改良する事実に関連があると思われる。このようなウイ
ルスには、例えば、HIVウイルス、肝炎ウイルス、普通のカゼウイルス(例え
ば、ライノウイルス、インフルエンザウイルス等)又はその他の感染性ア
ンモニウム感受性ウイルス等がある。
予備的な実験を基礎にすると、アンモニウムイオンは、最適な抗ウイルス作用
を与えるために細胞培養中にウイルスを導入するときに常に存在しなければなら
ないので、膜様相互作用によりレセプターレベルに専ら効果を及ぼすと思われる
。
従って、本発明の別の態様は、上記式Iのβ−ルペオール誘導体並びにアンモ
ニウムイオン放出化合物を含有する医薬組成物を提供することである。
アンモニウムイオンは、好ましくは、薬学的に許容できる無機酸又は有機酸の
塩から誘導される。いずれの薬学的に許容できる酸でも使用でき、その例は、塩
酸、硫酸、リン酸、炭酸、酢酸、及び酒石酸である。塩化アンモニウム、硫酸ア
ンモニウム、炭酸水素アンモニウム又はリン酸二水素アンモニウムが好適に使用
される。
アンモニウムイオンは、一般式II
[式中、X1〜X4は同一又は異なっていてもよく、水素、C1〜6アルキル(直
鎖若しくは枝分かれした飽和若しくは不飽和であってもよく、場合により、水素
、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ若しくはアミノから選択される1個以上の置
換基を含有してもよい。)、アリール(場合により、C1〜4アルキル、ハロゲ
ン、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ若しくはアミノで置換される。)であり、
Yは生理学的に許容できる塩形成性アニオン、好ましくは、F-、Cl-、Br-
及びI-から選択される。]を有する化合物から更に誘導してもよい。
β−ルペオール及びアンモニウムイオンの組み合わせがVSV、ライノウイル
スのような多くのウイルスに対して、そして、恐らくインフルエンザウイルスに
対しても相乗効果のある抗ウイルス作用を与えることが見いだされた。
本発明の第三の態様は、上記で定義した通りの医薬組成物であり、1種以上の
モノ若しくはポリ硫酸化一、オリゴ若しくは多糖類又はその類似体及び/又は誘
導体(本質的な抗凝血特性を有しないヘパリン若しくはヘパラン構造をもつ化合
物を含む)を更に含むものに関する。
ウイルス感染症は、影響を受ける領域中に蓄積された好中性顆粒球により恐ら
く媒介されて炎症を生じさせることが知られており、サイトカイン(cytokines
)やその他のメデイエーターのような種々の物質の放出により更に炎症を起こす
。更に、好中性顆粒球に隣接した又は好中性顆粒球中のカチオンプロテインコン
プレックスが、公知のカゼの症状(咽喉炎、関節痛、発熱等)を起こす炎症反応
を促進させるので、重要な役割を果たしていると考えられる。予備実験によると
、ヘパリン構造であるが、ヘパリンの抗凝血作用のない、例えば、スクロースオ
クタサルフエートのナトリウム塩(sodium salt of sucrose octasulphate:SO
S)又はその他のSOS様成分、に関連する高度にアニオン性の物質が存在する
だけで、場合により、蓄積した好中性顆粒球中に存在するカチオン性プロテイン
の電荷を「中和する」可能性があるので、このプロセスを妨害し得ることを示す
。前記好中性顆粒球はICAM−1−マーカーによりウイルス感染細胞に結合さ
れ、普通の炎症反応が相当に減少されるか又は完全に阻止される結果を伴う。
胃腸部位の炎症の治療に又は炎症の予防若しくは治療のための皮膚の局所塗布
のためにショ糖オクタサルフエートのアルミニウムコンプレックス(スクラルフ
アート)を含む硫酸化糖の使用が知られている。例えば、DK出願公報(printed
accepted)第165,357号及びDK−PS第169,018号を参照。更に
、欧州特許出願第0 230 032号(A2)は、潰瘍治癒を促進させるための
硫酸化オリゴ糖類(ショ糖オクタサルフエートを含む)を含有する医薬組成物を
開示する。従って、SOSと局所成長因子(local growth factor)が潰瘍治癒
促進過程をもたらす成長因子を各々開始し且つ安定化させる生物学的に活性なコ
ンプレックを形成すると思われる。
上気道中又はその周辺における硫酸化糖類の存在は、これらの物質が微生物の
軽症の感染の間、特に炎症を起こすウイルス感染の間、例えば、カチオン物質の
存在により、咽喉又は口腔内の潰瘍治癒を促進できる点で利点があると考えられ
る。硫酸化糖類は炎症部位に留まり、それにより作用部位の炎症過程を減少させ
る。
本発明の特殊な態様は、従って、下気道(咽頭鼻部より下)の周辺の、各々、
口腔内及びリンパ輪において、抗炎症剤物質として、並びにこの部位における炎
症の治療法として使用するための硫酸化糖類である。
本発明の実施態様では、糖は、モノ又はポリ硫酸化した、一、二、三又は四糖
類である。特定の実施態様では、糖はキシロース、フルクトース及びグルコース
から選択される一糖類又はスクロース、ラクトース、マルトース及びセロビオー
スから選択される二糖類である。
好適な実施態様では、糖はアンモニウムイオンと若しくはAl,Na,K,C
a,Mg,Ba,Zn,Cu,Zr,Ti,Bi,Mn及びOsから選択される
金属と若しくはアミノ酸と錯体又は塩を形成する。
本発明の好適な実施態様では、硫酸化二糖類はシヨ糖オクタサルフエート又は
シヨ糖オクタサルフエートとアンモニウムイオン若しくはAl,Na,K,Ca
,Mg,Ba,Zn,Cu,Zr,Ti,Bi,Mn及びOsから選択される金
属との錯体若しくは塩、又はシヨ糖オクタサルフエートとアミノ酸との塩である
。
これらのうち、シヨ糖オクタサルフエート又はそのナトリウム、カリウム若し
くはNH4 +塩、又はシヨ糖オクタサルフエートのアルミニウム錯体(スクラルフ
アート)が好適である。
通常のウイルス感染症下、特にカゼに関連して普通に存在するインターフエロ
ンはβ−ルペオール及びアンモニウムイオンの抗ウイルス作用を強めることが示
された。従って、0.1〜2単位/mlの比較的低濃度のインターフエロンが抗
ウイルス作用を強めることが判明した。更に、医薬組成物の追加成分として、微
生物(ウイルス)等のようなカゼを悪化させる物質に対して向けられるヒト又は
非ヒト免疫グロブリンを使用することが有利であり得る。
本発明の特殊な実施態様では、医薬組成物は、従って、追加の成分としてヒト
又は非−ヒト免疫グロブリンを含有する。
医薬組成物は、好ましくは、チユーイングガム剤、ローゼンジ(lozenges)、咀
嚼剤、リソルビレット(resorbilets)、滴剤、トローチ剤、ゲル剤、口内軟膏剤
、
液剤の形態又は粘液粘着性製剤の形態、好ましくは、デポ剤の形態である。ちな
みに、デポ剤とは活性成分のコントロールされた徐放性製剤として理解される。
医薬組成物は、好ましくは、チユーイングガム剤の形態であり、1個のチユー
イングガム当たり500〜3000mg(好ましくは、約1000mg)の重量
を有するものであり、
a) β−ルペオールとして計算して、1個当たり0.01〜2000μg
、好ましくは、0.15〜1000、特に好ましくは、1〜800(例えば、2
0〜600μg)のβ−ルペオール誘導体、
b) 塩化アンモニウムとして計算して、1個当たり0〜100mg、好ま
しくは、1〜50、特に好ましくは、2〜40(例えば、30mg)のNH4 +イ
オン、
c) SOSとして計算して、1個当たり0〜1000mg、好ましくは、
10〜500、特に好ましくは、25〜250mgの硫酸化糖
並びに、慣用的なチユーイングガム成分
を含有する。
チユーイングガム剤は、慣用的なチユーイングガムベース並びに、例えば、甘
味剤、芳香剤、着色剤、軟化剤、及び口当たり改良物質のような慣用的なチユー
イングガム用添加剤により調製する。更に、本明細書で開示される薬学的に活性
な物質をチユーイングガムから放出するために可溶化剤又はその他の放出コント
ロール手段を使用することが必要であり得る。可溶化剤の別の例証を、例えば、
欧州特許第 0 486 563 B1に見いだすことができ、当該明細書中には、
チユーイングガムの製造の一般的な言及が、適用できるチユーイングガム成分の
例示と共に見いだされる。
本発明は、更に、式I
[式中、Rは水素原子、直鎖又は枝分かれした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル基
(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合
を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分かれしてもよく、
二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。
)、又はヒト若しくは動物の身体中で通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオ
ール誘導体を遊離する基を表す]の一種以上のβ−ルペオール誘導体のウイルス
感染症の予防及び/又は治療用薬剤の製造のための使用に関する。
更に、本発明は、式I
[式中、Rは水素原子、直鎖又は枝分かれした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル基
(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合
を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分かれしてもよく、
二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。
)、又はヒト若しくは動物の身体中で通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオ
ール誘導体を遊離する基を表す]の一種以上のβ−ルペオール誘導体並びに一種
以
上のアンモニウムイオン放出性化合物のウイルス感染症の予防及び/又は治療用
薬剤の製造のための使用に関する。
更に、本発明は、式I
[式中、Rは水素原子、直鎖又は枝分かれした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル基
(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合
を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分かれしてもよく、
二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。
)、又はヒト若しくは動物の身体中で通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオ
ール誘導体を遊離する基を表す]の一種以上のβ−ルペオール誘導体並びに一種
以上のモノ若しくはポリ硫酸化した一、オリゴ若しくは多糖類又はそれらの類似
体若しくはそれらの誘導体のウイルス感染症並びに関連する炎症の予防及び/又
は治療用薬剤の製造のための使用に関する。
最後に本発明は、式I
[式中、Rは水素原子、直鎖又は枝分かれした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル基
(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合
を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分かれしてもよく、
二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。
)、又はヒト若しくは動物の身体中で通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオ
ール誘導体を遊離する基を表す]の一種以上のβ−ルペオール誘導体、一種以上
のアンモニウムイオン放出性化合物、並びに一種以上のモノ若しくはポリ硫酸化
した一、オリゴ若しくは多糖類のウイルス感染症並びに関連する炎症の予防及び
/又は治療用薬剤の製造のための使用に関する。
従って、本発明は、上気道における感染症、特に、ライノウイルス、インフル
エンザウイルス、エンテロウイルス、コックスサッキーウイルス及びその他のカ
ゼウイルス類のようなカゼウイルス類に特に有用である。
更に、本発明により、上記活性成分の一種若しくはそれ以上の使用がHIV、
肝炎ウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス及びその他のウイルス
感染症の治療、並びに、アテローム性動脈硬化症の治療、更には腫瘍細胞の増殖
の抑制をできる。
抗ウイルス活性物質は次のような種々の方法で機能できる。即ち、
(i)目標細胞を保護できる物質として、但し、それがウイルスと同時に存在す
ること。もし後者が抗ウイルス活性を生じさせるための条件である場合、抗ウイ
ルス作用は抗ウイルス物質がウイルス若しくはそのレセプター又はそれらの組み
合わせに直接結合することを含む可能性が高い。多くの植物抽出物は、この種の
「非特異性」のレセプター依存性抗ウイルス作用を示す。頻繁に、この種の抗ウ
イルス作用を生じることのみが可能、但し、前記物質があらゆるとき、特にウイ
ルスが加えられたときから存在すること。
(ii)又は、例えば、目標細胞と以前接触したことに関連するように実際のウイ
ルス感染の間には存在することなくして、或は、ウイルス感染後であるが、しか
し実質的なウイルスの産生が起こる前に存在することにより、作用を示すことが
できる物質として。この種の抗ウイルス物質により、細胞内部に一層基本的な変
化を細胞間タンパク質/酵素の合成を介して産生され、二次的にウイルスの転写
及び/又は変位の比較的に特異的阻止が、新しい細胞間タンパク質がいわゆる細
胞の「抗ウイルス状態」をもたらすような方式で起こると確信される。この抗ウ
イルス状態が細胞内に生じると、物質は、もはや、細胞が一定期間の間保護され
るので、原則として存在する必要はないが、保護は時間が経過するに従って次第
に減少すると予測される筈である。
アンモニウムイオンは、作用メカニズムにおいて(i)の種類に属すると思わ
れるが、確かにあるが、しかし一層弱い抗ウイルス作用を、感染後2〜4時間に
NH4 +を添加することにより細胞培養中で測定できる。
β−ルペオールは作用メカニズムにおいて(ii)の種類に属すると思われる。
β−ルペオールは多くの植物中、例えば、ルピナスの種子の殻中に、チクルゴ
ム中に、イチジクやゴムの木由来のラテックス中に、そしてチヨウセンニンジン
からの抽出物のような種々の薬用植物中に存在する。β−ルペオールは市販され
ており、例えば、シグマ社から得ることができる。
本発明の適応性の範囲は、下記に示す図面及び実施例を参照することにより明
らかになるであろう。しかし、詳細な記述及び特定の実施例は単に好適な実施態
様を例証するために含ませたものであり、保護の範囲内で種々の変更及び修正が
詳細な記述を基礎にして当業者にとって自明であることを了解すべきである。図面の簡単な説明
本発明を図面に言及してより詳細に説明する。即ち、
図1は、ライノウイルスに対するβ−ルペオール(B1−gとも呼ぶ)の抗ウイ
ルス活性を示す。
図2は、ライノウイルスに対するインターフエロン−α(HuIFN−α)の抗
ウイルス活性を示す。
図3は、EMCウイルスに対するB1−gの抗ウイルス活性を示す。
図4Aは、種々の希釈におけるライノウイルスに対するB1−gの抗ウイルス活
性を示す。
図4Bは、ライノウイルスに対するB1−gプラスインターフエロン−αの抗ウ
イルス活性を示す。
図5は、VSV、セムリキウイルスEMCIIIウイルスに対するNH4 +イオン
の抗ウイルス活性を示す。
図6は、ライノウイルスに対するNH4Clの抗ウイルス活性を示す。
図7Aは、ライノウイルスに対する、B1−g、B1−gプラスNH4Cl、並
びにB1−g、NH4ClプラスSOS(SOS希釈が水中20%SOSストッ
ク溶液に関して1:100)の抗ウイルス活性を示す。
図7Bは、SOS希釈が1:200における同じ活性を示す。
図7Cは、SOS希釈が1:400における同じ活性を示す。
図8は、ライノウイルスに対するB1−g、NH4Cl、SOS及びインターフ
エロン−αの抗ウイルス活性を示す。そして、
図9は、抗ウイルス状態の誘導の動力学を示す。発明の詳細な記述
抗ウイルス活性を決定するのに使用した方法を以下に記載する。
使用する細胞培養はVERO細胞、WISH細胞、MDBK細胞及びHEP細
胞であり、これらは一般的な実験室用細胞培養であり、Berg,K氏著、「ネ
ズミ及びヒトインターフエロンの精製と特徴(Purification and characteri-zat
ion of murine and human interferons)」に非常に詳細に記載されている。19
70年代の文献の総説(論題)、Acta.Pathol.Microbiol
.Scand.,Sec.C.,Suppl.279:第1〜136頁(198
2年)。使用するウイルスはVSV、EMC、セムリキウイルス、インフルエン
ザウイルス及びライノウイルスである。
手短に言えば、単一層の細胞培養をミクロトレー中で確立する。適切に希釈し
た一定量の抗ウイルス活性物質を、適切量のウイルス(「チヤレンジウイルス」
)と共に細胞培養に加えるか、又は一定量の抗ウイルス活性物質を細胞培養に加
え、次いで適切量のチヤレンジウイルスを加える。対照培養はチヤレンジウイル
ス以外何も加えない。ウイルス感染した培養物を、ウイルスの産生がウイルス対
照培養中で明瞭になるまで培養する(ライノウイルスに関しては4〜5日間)。
1.0mlのMTSストック溶液(110μgのMTS+39.2mlのPBS
、暗所+4℃で保存したときのpH値5.6)、2.3mlの培地及び30μl
のPMSストック溶液(13mgのPMS(シグマ社製、H5004、ロット1
3、
P.9625)+最上のパラフイン油層で暗所+4℃で保存した6.5mlの蒸
留水)を含有するMTS/PMS溶液を加え、OD(光学濃度)スキャナーでの
OD読みを基準にしてウイルスの攻撃に対する細胞の相対保護を計算できる。高
いOD読みは細胞がウイルスに対して保護されることを示し、低いOD値はウイ
ルスにより細胞が殺されることを示す。従って、ウイルス対照培養物は典型的に
<0.100のOD値であるが、非感染対照細胞培養物は>1.000のOD値
である。抗ウイルス活性物質は、従って、培地及びチヤレンジウイルスの存在下
で有能であり、細胞培養中の試験ウイルスに対して保護を与える。
MTS法に関する限り、Berg,K氏、B.H.Simonsen氏、M.
B.ハンセン氏及びS.Nielsen氏により更に言及がなされている。即ち
、生物学的物質、特にウイルスの存在のための試料の分析方法、生物学的物質の
定量方法の使用及び当該方法によって決定される新規物質として使用するための
薬剤である。(PCT/DK/89/00010、1〜32、1989年)
Hansen M.B.氏、S.E.Nielsen氏及びK.Berg氏著
、「細胞生長/細胞死の精密且つ迅速染色測定法の再評価及び更なる進展(Re-e
xamination and further developement of a precise and rapid dye method fo
r measuring cell growth/cell kill)」、J.Immunol.Method
s.119:第203頁〜第210頁(1989年)
Berg,K.氏、M.B.Hansen氏及びS.E.Nielsen氏著
、「細胞中のミトコンドリアデヒドロゲナーゼ機能を介して測定されたインター
フエロン活性の精密な定量化のための感受性バイオアッセイ(A sensitive bioas
say for precise quantification of interferon activity as measured via th
e mitochondrial dehydrogenase function in cells)(MTT−法)」、AMP
IS 98、第156頁〜第162頁(1990年)
実施例 実施例1 MTSシステムを用いて測定したβ−ルペオールの抗ウイルス活性
100μl培地中の500〜1000WISH−細胞をマイクロトレー中のウ
エルに接種し、5%CO2を含有する雰囲気中で34℃で24時間にわたって培
養した。β−ルペオール希釈物を含有する新たな培地(25〜1.6μg/ml
、図1を参照)により培地を置換し、5%CO2を含有する雰囲気中で34℃で
24時間にわたって更に培養した。翌日、チャレンジライノウイルスを加え、5
%CO2を含有する雰囲気中で34℃で4〜5日後、MTSを2時間にわたって
加え、その後、マイクロトレーをOD−スキャナーで測定した。ライノウイルス
に対する完全保護を3μg/mlβ−ルペオール(=B1−g)で得た。しかし
、高濃度のβ−ルペオールにおいて、細胞数を減少させたことにより、このよう
な高濃度においてβ−ルペオールがある程度の毒性があるに違いないということ
が明らかである。実施例2 ライノウイルスに対するインターフエロン−α(rHulFn−α−2b、“in tron A”)の抗ウイルス活性
マイクロトレー中に10,000WISH細胞を接種し、翌朝、2%血清を含
有する新たな培地中の2倍希釈のHulFN−α−2b(“intron A”)によ
り培地を置換した(図2参照)。翌朝、ライノウイルスを含有する新たな培地に
より培地を置換した。図2の結果は、ライノウイルスがHulFN−α−2bに
比較的感受性があり、且つ約90%の保護を約8単位IFN/mlにおいて達成
することを明らかに示している。更に、intron Aの毒性は無視し得ると思われ
る。実施例3 B1−gの抗ウイルス活性
10,000WISH細胞を実施例2に記載したのと同様にして接種し、37
℃で24時間にわたって培養し、B1−gの希釈物を実施例1に示した濃度範囲
に相当する希釈状態で培養物に加えた。24時間後、培地を新たな培地中のチヤ
レンジウイルスに置換し、同時にチヤレンジウイルス対照培養物及び非感染対照
培養物を増殖させた。24時間後、これらの培養物を37℃で2時間にわたって
MTSで培養し、トレーを上述したようにしてスキャンした。
結果(図3)は、B1−gがEMCウイルスに対して穏やかな抗ウイルス活性
を有することを示す。VSV及びセムリキウイルスに対しても同様の結果を得た
。少量のインターフエロン−αの添加は対応する抗ウイルス活性を強化した。従
って、0.5単位ほどの少量のインターフエロンはインターフエロン添加なしの
30%保護に比較してほとんど80%保護をもたらした。かなりの頻度でインタ
ーフエロンは通常のカゼなどのような穏やかなウイルス感染症を患っている患者
中に前記の量(0.2〜0.6単位/ml)で存在することに気づかなければな
らない。実施例4 B1−gの抗ライノウイルス活性
ライノウイルスについて上述したと同様にして相当する実験を行った。80〜
90%よりも多くまでウイルス感染を押さえることができるので、図4Aに例証
されているように、ライノウイルスは、例えば、(B1−gの1mg/mlスト
ック溶液からの)VSV及びEMCよりも、1:100〜1:200の希釈にお
いてB1−gに対して一層感受性が高いと思われる。対応する結果がインフルエ
ンザウイルスによって予期される。従って、B1−gは、VSV及びEMCに対
する効果と比較してライノウイルスに対して非常に強力な抗ウイルス活性を有す
ると思われる。この差は予知することができない。
0.5単位/mlのインターフエロンの添加は有意な程度まで抗ウイルス活性
を強化した(第4図参照)。実施例5 NH4 +の抗ウイルス活性
マイクロトレー中のウエルに10,000WISH細胞を24時間にわたって
接種し、5%CO2を含有する雰囲気中で37℃で24時間にわたって培養した
。次いで、培地をNH4 +の希釈物及びウイルスを含有する新たな培地によって置
換し、そして、5%CO2を含有する雰囲気中で37℃で24時間にわたって培
養
した後、MTSを5%CO2含有雰囲気中で37℃で2時間にわたって加え、そ
の後、マイクロトレーをODスキャナー中で測定した。
図5に例証されているように、NH4 +イオンはVSVを阻止でき、そしてセム
リキウイルスを小程度で阻止できる一方、EMCに対して保護を示さない。実施例6 NH4 +の抗ライノウイルス活性
実施例5で記載したと同様にして、ライノウイルスに対するNH4 +の抗ウイル
ス活性を試験し、そして、5%CO2を含有する雰囲気中で37℃で24時間に
わたって培養した後、MTSを5%CO2含有雰囲気中で37℃で2時間にわた
って加え、その後、マイクロトレーをODスキャナー中で測定した。
図6の結果から明らかなように、飽和NH4 +Cl溶液の1:900希釈物によ
り強力な抗ウイルス活性を得た。対照的に、使用した実験室培養についてより高
濃度のNH4 +において、毒性が現れる。しかし、ヒトに対するインビボの毒性は
、よく知られているように無視でき、なかんずく、塩化アンモニウムはカンゾウ
の一成分である。
図5及び6から明らかなように、NH4 +は異種のウイルスに対して変動する抗
ウイルス強度を有し、そして、さらに、NH4 +濃度は変動し、各の特定のケース
において最適の抗ウイルス作用を与える。実施例7 ライノウイルスに対するB1−g、B1−g+NH4Cl並びにB1−g+NH4 Cl+SOSの抗ウイルス活性
実施例5に記載したと同様にして試験を行ったが、しかし、温度は34℃であ
り培養を4〜5日間にわたって行った。結果は図7A、7B及び7Cにより明ら
かにされている。
1:100、1:200又は1:400の希釈におけるSOS単独の使用ばか
りでなく、1:1000又は1:2000の希釈におけるNH4Cl単独の使用
もNH4ClとSOSの組み合わせも有意な抗ウイルス作用を有しない。
B1−g単独の使用は良好な作用を示し、NH4Cl(単独では34℃におい
てのみ非常に低い保護を与える)の同時使用により強化される。それにもかかわ
らず、NH4 +濃度の増加に伴って作用が増加する。1:100の希釈のSOSの
追加使用では穏やかな作用の増加のみ与えられる。
図7A、7B及び7Cを比較すると、B1−g、NH4Cl及びSOSの組み
合わせの良好な作用が1:400のSOS希釈で最も顕著であり(図7C)、こ
の場合、ほとんど95%の保護は1μg/mlよりも相当低いB1−g濃度に対
応して見いだされる。試験したSOSの最も低い濃度において最も良好な作用が
得られるという事実は、多分、使用した実験室用細胞に対するSOSのある程度
の毒性に原因があると思われる。しかし、SOSは実際における関連するすべて
の濃度でヒトに対して完全に毒性がないことが知られている。実施例8 B1−g、NH4Cl、SOS及びインターフエロン−αの抗ライノウイルス活 性
実施例5に記載したと同様にして試験を行ない、ここでは、すべての物質をウ
イルスと同時に加えた。結果は図8より明らかにされている。それが明らかにさ
れているように、0.5単位/mlの量のインターフエロンが、NH4Cl、B
1−g及びSOSの組み合わせにより得られる良好な作用を更に強化し、それに
より、B1−g、NH4 +イオン及びインターフエロン−αの使用によりほとんど
完全な保護が得られる。
従って、感染中のヒトにおけるインターフエロンの自然の存在が、B1−g及
びNH4 +の作用を強化することが期待されるに違いない。類似の結果が、1:2
00及び1:400の希釈におけるSOSを用いて明らかにされる(示していな
い)。同様の結果が0.25及び0.125単位のインターフエロン/mlを用
いて得られる。実施例9 B1−g、NH4 +イオン、SOS、インターフエロン及びこれらの組み合わせの 抗ウイルス活性
上述した方法に従って抗ウイルス活性を測定した。4種の異なるウイルス(E
MC、VSV、セムリキ森林ウイルスとライノウイルス)及び3種の異なる細胞
系(A−549、WISH、VERO)をこの試験のために使用した。結果が次
表により明らかにされている。
上表により明らかにされているように、ライノウイルスがアンモニウムイオン
により及びB1−gにより並びにインターフエロン−αにより阻止される。イン
フルエンザウイルスもアンモニウムイオンにより阻止されると推定される。SO
SはEMCに対してある程度の抗ウイルス作用を有することが明らかにされてい
るが、ライノウイルスに対する抗ウイルス活性を検出できない。ライノウイルス
(カゼウイルスの例)はB1−g、NH4 +、インターフエロン±SOSの組み合
わせにより阻止される。実施例 10 動力学試験
ウイルス感染の確立に関連する抗ウイルス処理の開始のための時間の関数とし
ての抗ウイルス作用の差の可能性を調べるための試験を行った。
500〜1000WISH細胞を1日目にマイクロトレー中のウエルに接種し
、3群に分けた。細胞の第1群(群−24h)にB1−gを25〜1.6μg/
mlの範囲の種々の濃度で添加し、その後、すべての細胞を5%CO2を含有す
る雰囲気中で37℃で24時間にわたって培養した。0日目で、ライノーチヤレ
ンジウイルスをすべてのウエルに加え、同時にB1−gを別の群の細胞(群Oh
)に添加した。5%CO2を含有する雰囲気中で34℃で24時間にわたって培
養を継続した。続いて、第3の群の細胞はB1−gを受け(群+24h)、更に
すべての細胞を5%CO2を含有する雰囲気中で34℃で4〜5日間にわたって
培養し、次いで、MTS処理をし、上述した通りにしてODスキャナーで測定し
た。結果が図9により明らかにされている。
明らかなように、抗ウイルス作用は、B1−gの添加がウイルス感染前24時
間又は当該ウイルス感染と同時に行われるか否かにかかわらず殆ど同じである。
更に、たとえB1−g処理がウイルス感染後24時間まで、即ち、ウイルス感
染がそれ自身明らかになる時まで、開始されない場合であっても、明瞭な抗ウイ
ルス作用が得られるということが判明している。
本発明をその特定の実施態様を参照して記載したが、多くの方法に変動できる
ことは明らかである。このような変動は本発明の範囲から逸脱と考えるべきでな
く、当業者にとって自明であるようなすべての修正も請求の範囲により含まれる
と考えるべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年6月19日
【補正内容】
請求の範囲
1. 式
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分かれした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル
基(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結
合を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、
二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。
)、又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオ
ール誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体、並びに
アンモニウムイオン放出化合物、モノ若しくはポリ硫酸化一、オリゴ若しくは多
糖類又はそれらの類似体および/又はそれらの誘導体、およびヒトおよび非−ヒ
ト免疫グロブリンの中から選択される1種以上の成分並びに薬学的に許容できる
慣用佐薬、添加剤及びキヤリアーを含有することを特徴とする、ウイルス感染症
の予防及び/又は治療用医薬組成物。
2. Rが水素原子を表すことを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の医薬組
成物。
3. 式
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分かれした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル
基(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結
合を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、
二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。
)、又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオ
ール誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体並びにア
ンモニウムイオン放出化合物を含有することを特徴とする、請求の範囲第1項又
は第2項に記載の医薬組成物。
4. アンモニウムイオンが、薬学的に許容できる無機酸又は有機酸、好ましく
は、塩酸、硫酸、リン酸、炭酸、酢酸及び酒石酸から選択される酸の塩から誘導
されることを特徴とする、請求の範囲第3項に記載の医薬組成物。
5. アンモニウムイオンが、一般式II
[式中、X1〜X4は、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲンから選択さ
れる;C1〜6アルキル(直鎖若しくは枝分かれした飽和若しくは不飽和である
ことができ、場合によって、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ又はア
ミノから選択される1以上の置換基を含有できる);アリール(場合によって、
C1〜4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ又はアミノで置
換される。)、並びに、Yは生理学的に許容できる塩形成アニオン、好ましくは
、F-、Cl-、Br-及びI-から選択されるアニオンである。]の化合物から誘
導されることを特徴とする、請求の範囲第3項に記載の医薬組成物。
6. 式
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分かれした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル
基(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結
合を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、
二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。
)、又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオ
ール誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体並びに1
種以上のモノ若しくはポリ硫酸化一、オリゴ若しくは多糖類若しくはそれらの類
似体及び/又はそれらの誘導体を更に含有することを特徴とする、請求の範囲第
1項〜第5項のいずれかに記載の医薬組成物。
7. 1種以上のモノ若しくはポリ硫酸化一、オリゴ若しくは多糖類若しくはそ
れらの類似体及び/又は誘導体を更に含有することを特徴とする、請求の範囲第
3項に記載の医薬組成物。
8. 糖類がモノ若しくはポリ硫酸化、一、二、三若しくは四糖類であることを
特徴とする請求の範囲第6項又は第7項に記載の医薬組成物。
9. 糖類がキシロース、フルクトース及びグルコースから選択される一糖類で
あることを特徴とする、請求の範囲第6項又は第7項に記載の医薬組成物。
10. 糖類がスクロース、ラクトース、マルトース及びセロビオースから選択
される二糖類であることを特徴とする、請求の範囲第6項又は第7項に記載の医
薬組成物。
11. 糖類が、アンモニウムイオンと、又はAl、Na、K、Ca、Mg、B
a、Zn、Cu、Zr、Ti、Bi、Mn及びOsから選択される金属と、又は
アミノ酸と錯体又は塩を形成することを特徴とする、請求の範囲第1項〜第10
項のいずれかに記載の医薬組成物。
12. 硫酸化二糖類が、スクロースオクタサルフエート、スクロースオクタサ
ルフエートとアンモニウムイオン若しくはAl、Na、K、Ca、Mg、Ba、
Zn、Cu、Zr、Ti、Bi、Mn及びOsから選択される金属との錯体又は
塩、又はスクロースオクタサルフエートとアミノ酸との塩であることを特徴とす
る、請求の範囲第10項に記載の医薬組成物。
13. 硫酸化二糖類が、スクロースオクタサルフエート又はそのナトリウム、
カリウム若しくはNH4 +塩又はスクロースオクタサルフエートのアルミニウム錯
体(スクラルフアート)であることを特徴とする、請求の範囲第12項に記載の
医薬組成物。
14. 式
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分かれした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル
基(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結
合を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、
二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。
)、又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオ
ール誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体並びに1
種以上のヒト又は非−ヒト免疫グロブリンを更に含有することを特徴とする、請
求の範囲第1項に記載の医薬組成物。
15. チユーイングガム剤、ローゼンジ剤、咀嚼錠剤、リソルビレット剤、滴
剤、トローチ剤、ゲル剤、口内軟膏剤、液剤、粘液粘着性製剤及びデポ剤の形態
であることを特徴とする、請求の範囲第1項〜第14項のいずれかに記載の医薬
組成物。
16. チユーイングガムの形態であり、一個のチユーイングガムが
a) β−ルペオールとして計算して、一個当たり0.01〜2000、好
ましくは、0.15〜1000、特に好適には、20〜600μgのような1〜
800μgのβ−ルペオール誘導体
b) 塩化アンモニウムとして計算して、一個当たり0〜100、好ましく
は、1〜50、特に好適には、5〜30mgのような2〜40mgのNH4 +イオ
ン
c) スクロースオクタサルフエートとして計算して、一個当たり0〜10
00、好ましくは、10〜500、特に好適には、25〜250mgの硫酸化糖
類
並びに慣用チユーイングガム成分を含有することを特徴とするチユーイングガム
の形態の、請求の範囲14項に記載の医薬組成物。
17. 一般式I
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分かれした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル
基(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結
合を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、
二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。
)、又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオ
ール誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体、並びに
アンモニウムイオン放出化合物、モノ若しくはポリ硫酸化一、オリゴ若しくはそ
れらの多糖類又はそれらの類似体および/又は誘導体、およびヒトおよび非−ヒ
ト免疫グロブリンの中から選択される1種以上の成分の、ウイルス感染症の予防
及び/又は治療のための医薬の製剤のための使用。
18. 一般式I
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分れした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル基
(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合
を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、二
重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。)
、又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオー
ル誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体並びに1種
以上のアンモニウムイオン放出化合物のウイルス感染症の予防及び/又は治療の
ための医薬の製剤のための請求の範囲第17項に記載の使用。
19. 一般式I
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分れした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル基
(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合
を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、二
重結合及び三重結合から選択される1涸以上の不飽和結合を含有してもよい。)
、
又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオール
誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体並びに1種以
上のモノ若しくはポリ硫酸化一、オリゴ若しくはそれらの多糖類又はそれらの類
似体及び/又はそれらの誘導体のウイルス感染症及び関連する炎症の予防及び/
又は治療のための医薬の製剤のための請求の範囲第17項に記載の使用。
20. 一般式I
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分れした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル基
(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合
を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、二
重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。)
、又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオー
ル誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体、1種以上
のアンモニウムイオン放出化合物並びに1種以上のモノ若しくはポリ硫酸化一、
オリゴ若しくは多糖類又はそれらの類似体及び/又はそれらの誘導体のウイルス
感染症及び関連する炎症の予防及び/又は治療のための医薬の製剤のための請求
の範囲第17項に記載の使用。
21. 上気道における感染症、特に、ライノウイルス及びインフルエンザウイ
ルスのようなカゼウイルスの感染症の予防及び/又は治療のための請求の範囲第
17項〜第20項のいずれかに記載の使用。
22. 一般式I
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分れした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル基
(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合
を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、二
重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。)
、又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオー
ル誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体、ライノウ
イルス及びインフルエンザウイルスのような特にカゼのウイルスの上気道におけ
る感染症の予防及び/又は治療のための医薬の製剤のための使用。
23. 薬学的に許容できるキヤリアー中の一般式I
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分かれした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル
基(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結
合を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、
二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。
)
、又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオー
ル誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体、並びにア
ンモニウムイオン放出化合物、モノ若しくはポリ硫酸化一、オリゴ若しくは多糖
類又はそれらの類似体および/又はそれらの誘導体、およびヒトおよび非−ヒト
免疫グロブリンの中から選択される1種以上の成分の、薬学的に抗ウイルス量の
経口投与を含むことを特徴とするウイルス感染症の予防及び/又は治療方法。
24. 薬学的に許容できるキヤリアー中の一般式I
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分れした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル基
(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合
を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、二
重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。)
、又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオー
ル誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体並びに1種
以上のアンモニウムイオン放出化合物の薬学的に抗ウイルス量の経口投与を含む
ことを特徴とするウイルス感染症の予防及び/又は治療方法。
25. 薬学的に許容できるキヤリアー中の一般式I
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分れした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル基
(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合
を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、二
重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。)
、又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオー
ル誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体並びに1種
以上のモノ若しくはポリ硫酸化一、オリゴ若しくは多糖類又はそれらの類似体及
び/又はそれらの誘導体の薬学的に抗ウイルス量の経口投与を含むことを特徴と
するウイルス感染症及び関連する炎症の予防及び/又は治療方法。
26. 薬学的に許容できるキヤリアー中の一般式I
[式中、Rは、水素原子、直鎖又は枝分かれした脂肪族C1〜6ヒドロカルビル
基(飽和であっても、二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結
合を含有してもよい。)、C1〜6アシル基(直鎖若しくは枝分れしてもよく、
二重結合及び三重結合から選択される1個以上の不飽和結合を含有してもよい。
)、又はヒト若しくは動物の身体中の通常の条件下で容易に分解してβ−ルペオ
ール誘導体を遊離する基である。]の1種以上のβ−ルペオール誘導体、1種以
上のアンモニウムイオン放出化合物並びに1種以上のモノ若しくはポリ硫酸化一
、オリゴ若しくは多糖類又はそれらの類似体及び/又はそれらの誘導体の薬学的
に抗ウイルス量の経口投与を含むことを特徴とするウイルス感染症及び関連する
炎症の予防及び/又は治療方法。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 39/395 ABE A61K 39/395 ABEY
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,
UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 ボイェ−クヌードセン,カルステン
デンマーク王国デーコー−2200 コペンハ
ーゲン・エヌ,2.テーヴェー,エギルス
ガーデ 19
(72)発明者 ミン,チェン
デンマーク王国デーコー−2100 コペンハ
ーゲン・オー,1.テーヴェー,ヘンリ
ク・ハルペストレングス・ヴァイ 5
(72)発明者 シモンセン,ベス
デンマーク王国デーコー−2960 ラングス
テド,フライヘスヴァイ 6