JPH10504114A - クラリネットバレル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 クラリネットバレルは互いにねじ込まれる二つの部分（２と３）からなる。内側部材（２）は、内側ねじ（１５）が設けられた外側部材（３）のリング形状部材（１４）にねじ込まれる外側ねじ（９）を有するリング（８）を備えている。内側部材（２）は円筒状部分（４）を有し、そこには外側部材（３）の部分（１１）をシールするシールリング（２１）が設けられる。穴（Ｍ）は同じ大きさで、部分（７）の内側穴の領域と、リング（８）の領域と、リング形状部材（１４）に隣接するショルダー（１６）の領域には段差が無い。クラリネットバレル（１）の実効的な長さは変えることができ、クラリネットは部材（２と３）を互いに反対に回転させることによって調音できる。

Description

【発明の詳細な説明】 クラリネットバレル 本発明は、独立請求項１の前段部に記載の特徴を有するクラリネットバレルに 関する。 クラリネットの調音は、普通、トップジョイントに対してバレルの位置を変化 させて行なわれる。この目的のために、クラリネットバレルはトップジョイント から約１〜２ｍｍ引き上げられる。バレルは単にトップジョイントに押し込まれ ている（クラリネットのトップジョイントのコルクのほぞがクラリネットバレル のソケットを支えている）だけなので、つまり連結が単純なプッシュプルタイプ であるので、楽器を調音するためにバレルとトップジョイントの相対位置を正確 に調整することが難しいだけでなく、トップジョイントに対するバレルの位置が 知らず知らずのうちに変化してしまうおそれがある。 この手法には更に次の様な欠点がある。クラリネットバレルに嵌め込まれてい るクラリネットのトップジョイントのほぞとクラリネットバレル自体との間のつ なぎの部分において、穴の直径（クラリネットの内径）に違いがあるために、ト ップジョイントの端とクラリネットバレルの間に隙間ができてしまう。これは、 短音符のＡフラットとＢフラットのイントネーションに悪影響を与える。 米国特許第５２４９Ａ号において、クラリネットの調音のために実効的な長さ が変えられる、互いにねじ込まれた二つの部材からなるクラリネットバレルが知 られている。米国特許第５２４９Ａ号のクラリネットバレルは、トップジョイン トに取り付けられた固定部材と、固定部材の外側ケースによって所定位置にねじ 込むことができるねじ連結部材とで構成されている。さらに、米国特許第５２４ ９４９９Ａ号によるクラリネットバレルは、クラリネットのマウスピースに連結 される部材を備えており、延長ソケットによって、固定部材の延長ソケットに差 し込まれる。クラリネットのマウスピースに連結されるクラリネットバレルの部 分は、ねじ部材の内側のねじにねじ込まれる外側ねじを有している。ねじ部材の 回転によってマウスピースに連結されるクラリネットバレルの部分が回転の方向 に応じて固定部材に向けてあるいはそれから遠ざかるように移動され、その結果 、クラリネットバレルを短縮あるいは伸長する。 本発明は、クラリネットの簡単で確実な調音を可能にし、しかも通常の延長不 能なクラリネットバレルと異なる外見を持たない簡単な構造のクラリネットバレ ルを詳述する。 本発明において、これは請求項１の特徴部の構成を備えたクラリネットバレル によって達成される。 本発明によるクラリネットバレルは、クラリネットのトップジョイントに対し てクラリネットバレルの位置を変えることなく、クラリネットを簡単に調音する ことを可能にする。本発明によるクラリネットバレルの使用は、クラリネットを 調音する際に内径に違いを生じさせないので、短音符についての問題を引き起こ さない。 本発明では、クラリネットの調音の必要な、マウスピースとトップジョイント の間の距離を変えるためのクラリネットバレルの長さの必要な変化は、非常に簡 単に達成し、クラリネットバレルの空間的に都合の良い配置と簡単な設計を可能 にする。本発明によるクラリネットバレルでは、クラリネットバレルの内側部材 がねじ連結によってバレルの外側部材に連結されているので、内側部材に対して 外側部材を回転させることによってクラリネットバレルの長さが簡単に調節でき る。本発明では、クラリネットバレルの長さの調節が変化してしまうという心配 も全くない。 互いに組み合うクラリネットバレルの二つの部材は、好ましくは、クラリネッ トバレルの内側部材の外側面にリング形状溝を設けることによりシールされる。 この溝は、クラリネットバレルの外側部材の内側面を押すシールリングを収容す る。 本発明のひとつの実施の形態では、外側ねじを支持する延長部を構成するリン グがクラリネットバレルの内側部材に固定され、内側ねじを支持するリング形状 部材がクラリネットバレルの外側部材に取り付けられる。この実施の形態は、ね じ部はクラリネット要素の外側部材または内側部材を直接切ることを必要としな いので製造が容易である。 実施の形態においては、クラリネットバレルの内側部材と外側部材は木で作ら れるが、ねじを有する部材は合成物質で作られると良好である。この実施の形態 は、適切な細かいねじが形成でき、クラリネットバレルにとって木の利点をその まま残しながら、木が持つねじ部材に対する不具合を伴うことなく、クラリネッ トバレルの長さの正確な調整を可能とするという利点を有している。 本発明の好ましい実施の形態では、外側ねじを有するリングがクラリネットバ レルの内側部材からその端を越えて突出し、内側ねじを有するリング形状部材が クラリネットバレルの外側部材の円形ショルダーに取り付けられる。この実施の 形態では、外側部材の内側に位置する円形ショルダーは、内側ねじを有する円形 部材を越えて内側に放射状に突出している。これは、クラリネットバレルの内側 部材と外側部材の間、特に内側ねじと外側ねじのところに、段差の無い連結部を 与える。 本発明では、クラリネットバレルの内側部材と外側部材の穴の内径が、外側ね じを有するリングと円形ショルダーの内径と同じ大きさで、クラリネットの穴に 等しいと好適である。 本発明の実施の形態では、クラリネットバレルの内側部材はマウスピースに連 結される端部の外側に金属リングを備えている。さらに、クラリネットのトップ ジョイントに連結されるクラリネットバレル外側部材の端部は金属リングを備え ている。これらの金属リングは、例えば表面がぎざぎざしており、クラリネット バレルの長さを所望の長さに調節する際に、クラリネットバレルの二つの部材の 調節を容易にする。 最後に、本発明では、クラリネットのマウスピースとトップジョイントのほぞ を受けるクラリネットバレルのそれぞれの端の部分は、クラリネットの穴よりも 大きい穴になっている。 本発明の更なる詳細は、添付の図面を参照して行なう、続く本発明のクラリネ ットバレルの説明に述べられている。図１はクラリネットバレルの断面を示し、 図２は内側部材の断面を、図３は外側部材の断面を示している。 クラリネットバレル１は内側部材２と外側部材３とからなる。内側部材２と外 側部材３は共に好ましくはクラリネットの製造において当たり前な様に木で作ら れている。 内側部材２は回転対称な部材であり、本質的に円筒状の外観形状をしている。 内側部材２の円筒状外側面４に溝が切られており、その中にシールとしてのリン グ２１（図２には図示せず）が挿入される。 内側部材２の内側穴は直径の大きい部分６を有し、その中にクラリネットマウ スピースのほぞが挿入される。内側部材２の穴の続く部分７の直径はクラリネッ トの穴の直径Ｍに一致している。 内側部材２の部分６の反対側の端には、外側面に外側ねじ９を有するプラスチ ック製のリング８が挿入される。リング８の内側の直径は、内側部材２の部分７ の穴（直径Ｍ）に一致するように選ばれている。 図３に示される外側部材３もまた回転対称性を持つ部材で、例えば膨らんだあ るいは広がった外側面１０を有しており、同様に好ましくは木で作られている。 外側部材３には、数段の穴が設けられており、その部分１１は、円形溝５を備 えた内側部材２の（外側壁４を有する）部分とそこには嵌められたシールリング ２１とを受けるように設計されている。外側部材３の内側面１２の内側穴の部分 １１は円筒形状をしている。 外側部材３の部分１３には、内側ねじ１５を有する円形部材１４が挿入され、 その中に外側ねじを有する内側部材２のリング８がねじ込まれる。外側ねじ９と 内側ねじ１５は互いに合うねじである。 部分１３に隣接している外側部材３の円形ショルダー１６は円形部材１４を越 えて突出し、その内径Ｍはクラリネットの穴に一致している。クラリネットバレ ル１が互いに完全にねじ込まれたとき、ケース８の前側端１７はそれに面する円 形ショルダー１６の後ろ側面に圧する。 本発明によるクラリネットバレル１の外側部材３は、クラリネットのトップジ ョイントのほぞを受けるため、広い径の部分２０を有している。 内側部材２と外側部材３には共にそれぞれ金属リング２１と２２が取り付け可 能であり、これらはクラリネットバレル１の端の領域における安定性を向上させ るだけでなく、リング２１と２２が摩擦を増大させるように（例えばぎざぎざや 波形に）作られていれば、部材１と２が互いに反対に回転されるときの、クラリ ネットバレルの長さの調整を容易にする。 要約すると、本発明の実施の形態は以下の様に述べることができる。 クラリネットバレルは互いにねじ込まれる二つの部材２と３からなり、内側部 材２は、内側ねじ１５が設けられた外側部材３のリング形状部材１４にねじ込ま れる外側ねじ９を有するリング８を備えている。内側部材２は円筒状部分４を有 し、そこには外側部材３の部分１１をシールするシールリング２１が設けられる 。穴Ｍは同じ大きさで、部分７の内側穴の領域と、リング８の領域と、リング形 状部材１４に隣接するショルダー１６の領域には段差が無い。クラリネットバレ ル１の実効的な長さは変えることができ、クラリネットは部材２と３を互いに反 対に回転させることによって調音できる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．クラリネットのマウスピースとトップジョイントの間に取り付けられるク ラリネットバレル（１）であって、クラリネットバレル（１）の部材を回転させ ることによってその実効的な長さが変えられるクラリネットバレル（１）におい て、クラリネットバレル（１）は互いに組み合ってシールされる二つの部材（２ と３）からなり、クラリネットバレル（１）の内側部材（２）は膨らんだほぞの 上に外側ねじ（９）を備え、クラリネットバレル（１）の外側部材（３）の内側 面には内側ねじ（１５）が設けられており、内側部材（２）の外側ねじ（９）が 外側部材（３）の内側ねじ（１５）にねじ込まれることを特徴とするクラリネッ トバレル。 ２．請求項１によるクラリネットバレルにおいて、クラリネットバレル（１） の内側部材（２）の外側面（４）に円形溝（５）が設けられており、この溝には クラリネットバレル（１）の外側部材（３）の内側面を押すシールリング（２１ ）が配置されることを特徴とするクラリネットバレル。 ３．請求項１または請求項２によるクラリネットバレルにおいて、クラリネッ トバレル（１）の内側部材（２）には外側ねじ（９）を支持する膨らんだほぞを 構成するリング（８）が固定されており、クラリネットバレル（１）の外側部材 （３）には内側ねじ（１５）を有する円形部材（１４）が取り付けられているこ とを特徴とするクラリネットバレル。 ４．請求項１ないし請求項３のいずれか一つによるクラリネットバレルにおい て、クラリネットバレル（１）の内側部材（２）と外側部材（３）は木で作られ ているが、ねじ（９，１５）を有する部材（８，１４）は合成物質で作られてい ることを特徴とするクラリネットバレル。 ５．請求項３または請求項４によるクラリネットバレルにおいて、ねじ（９） を支持しているリング（８）はクラリネットバレル（１）の内側部材（２）から 後者の端を越えて突出し、ねじ（１５）を支持しているリング形状部材（１４） はクラリネットバレル（１）の外側部材（３）に円形ショルダー（１６）を備え ていることを特徴とするクラリネットバレル。 ６．請求項５によるクラリネットバレルにおいて、外側部材（３）の内側に位 置している円形ショルダー（１６）は、内側ねじ（１５）を支持しているリング 形状部材（１４）を越えて内側に放射状に突出している。 ７．請求項５または請求項６によるクラリネットバレルにおいて、クラリネッ トバレル（１）の内側部材（２）の穴の内径と、外側部材（３）の穴の内径と、 外側ねじ（９）を支持しているリング（８）の穴の内径と、円形ショルダー（１ ６）の穴の内径は同じ大きさで、これらはクラリネットの穴（Ｍ）に一致してい ることを特徴とするクラリネットバレル。 ８．請求項１ないし請求項７のいずれか一つによるクラリネットバレルにおい て、クラリネットバレル（１）の内側部材（２）は、クラリネットのマウスピー スに連結される外側部材の端部および／またはトップジョイントに接続される端 部の外側に金属リング（２１，２２）を備えていることを特徴とするクラリネッ トバレル。 ９．請求項８によるクラリネットバレルにおいて、金属リング（２１，２２） がギザギザした外側面を有していることを特徴とするクラリネットバレル。 １０．請求項１ないし請求項８によるクラリネットバレルにおいて、クラリネ ットバレル（１）の両端部には、クラリネットのマウスピースとトップジョイン トのほぞを受けるため、クラリネットの穴（Ｍ）よりも大きい直径の部分（６， ２０）が設けられていることを特徴とするクラリネットバレル。