JPH10503572A - プランジャポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、プランジャポンプ（１０）であって、プランジャ（１４）が設けられており、該プランジャが、シリンダ（１２）内で行程運動を行うように偏心ピン（２４）によって駆動可能である形式のものに関する。リングシール部材（４２）の損傷を回避するために、本発明の構成では、リングシール部材（４２）をプランジャ（１４）のためのガイドスリーブ（３６）から所定の間隔を置いてシリンダ（１２）内に保持する支持リング（４０）が設けられており、該支持リングが少なくともプランジャ（１４）の行程長さに等しいようにした。これにより、プランジャ（１４）の走行痕がリングシール部材（４２）に接触することが回避される。

Description

【発明の詳細な説明】 プランジャポンプ 背景技術 本発明は、自動車のアンチロックブレーキシステムの液圧ユニットのための再 循環ポンプとして、および／または、駆動時スリップコントロール装置の循環ポ ンプとして設けられた、請求項１に記載の形式のプランジャポンプに関する。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第４１３３３９１号明細書に基づき、このよう なプランジャポンプが公知である。プランジャとシリンダとの相対運動に基づき 、この公知のプランジャポンプの使用中には、走行痕、つまり粗面化部または条 溝がプランジャ周面またはシリンダ孔に形成される。これらの走行痕がプランジ ャの行程運動によって、プランジャをシリンダに対してシールするリングシール 部材に接触する場合には、これらの走行痕はこのリングシール部材を損傷してし まう。 発明の利点 請求項１に記載の特徴を有する本発明によるプランジャポンプの場合、プラン ジャはシリンダ孔において軸線方向に、プランジャ行程運動時にリングシール部 材に接触する領域の外部で案内されている。リングシ ール部材がプランジャ周面またはシリンダ孔に接触する領域においては、プラン ジャとシリンダ孔、もしくはシリンダ孔内に挿入された充填材とは互いに接触し ない。プランジャの行程運動中にリングシール部材が摺動する、プランジャまた はシリンダにおけるシール面は、プランジャガイドとは分離されている。こうし て、リングシール部材と接触する領域に走行痕が生じるのが阻止される。このこ とは、リングシール部材がプランジャと一緒に運動させられるか、またはシリン ダ孔内に定置に挿入されているかどうかには無関係に当てはまる。 本発明の利点は、リングシール部材がプランジャの行程運動時には常に、リン グシール部材によって擦過される摺動・シール面だけに沿って摺動し、これによ りこの摺動・シール面がプランジャポンプの全使用時間にわたって元来の、摩擦 の少ない作業状態を維持することである。リングシール部材はさほど消耗されず 、損傷されることはない。プランジャとシリンダ孔との間の良好なシール作用は 、ほぼ無期限に保証される。 請求項２以下には、本発明によるプランジャポンプの有利な構成が記載されて いる。 以下に本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。唯１つの図面は、本発明 によるプランジャポンプの縦断面図を示している。 図面に示された、本発明によるプランジャポンプ１０は液圧ブロック１２に収 納されている。この液圧ブロックは、自動車ブレーキ装置のアンチロックシステ ムおよび駆動時スリップコントロール装置の液圧的な制御のために設けられてい る。この液圧ブロック１２のうち、プランジャポンプ１０を収容する領域のみが 図示されている。この領域は本発明によるプランジャポンプ１０のシリンダ１２ を形成している。 プランジャ１４は長手方向摺動可能に、シリンダ孔１６内で案内されている。 図示の実施例においては、プランジャ１４としては、ニードル軸受けのローラが 使用される。このローラは硬化され、研削され、かつ研磨されている。このよう なプランジャ１４は大量生産品であるので極めて低廉である。このプランジャは その表面品質に基づき、摩擦の少ない極めて良好なシール面を保証する。 プランジャ１４の一方の端部は、液圧ブロック１２内に設けられた偏心ピン室 １８内に突入しており、この場所でプランジャの端面２０は、偏心ピン２４の周 面２２に当接している。この偏心ピンは偏心距離ｅを有するように、偏心ピン軸 ２６の端面に一体的に装着されている。この偏心ピン軸は、プランジャ１４に対 して直角に配置されていて、回転可能に液圧ブロック１２に支承されている。図 面では見ることのできない電動モータによって偏心ピン軸２６が回転駆動される ことにより、プランジャ１４は、偏心ピン２４を介してシリンダ孔１６内で往復 行程運動するように駆動可能である。 プランジャ戻しばね２８として形成された圧縮コイルばねは、プランジャ１４ の、偏心ピン２４とは離反した側の端面３０に作用し、このプランジャを偏心ピ ン２４の周面２２に当て付けた状態にしておく。プランジャ戻しばね２８は閉鎖 キャップ３２に支持されている。この支持キャップは、偏心ピン２４から離反し た側で、シリンダ孔１６の開口に挿入されており、シリンダ孔１６を閉鎖してい る。閉鎖キャップ３２は、液圧ブロック１２のかしめ締結部３４によって保持さ れている。 本発明によるプランジャポンプ１０に流入する流体の圧力が、プランジャポン プ１０を充填し、かつプランジャ１４を戻すのに十分である場合にはプランジャ 戻しばね２８は省かれてよい。自吸式のプランジャポンプ１０のためにはプラン ジャ戻しばね２８は必要である。このプランジャ戻しばねはさらに、このプラン ジャ戻しばねがプランジャ１４を偏心ピン２４に当て付けた状態にしておくこと により、プランジャ戻しばねがない場合にプランジャ１４が偏心ピンに衝突する ことにより生ぜしめられるようなばたつきノイズが回避されるという利点を有し ている。 プランジャ１４は、ポンプシリンダを形成する液圧 ブロック１２に直接的に支承されていてよい。図示の実施例においては、偏心ピ ン室１８に続いてガイドスリーブ３６がシリンダ孔１６内にプレス嵌めされてい る。このガイドスリーブは、滑り軸受け材料から成っている。硬化され、研削さ れ、かつ研磨されたプランジャ１４と一緒に、ガイドスリーブ３６は摩擦および 摩耗を減じ、ひいては、本発明によるプランジャポンプ１０の高い耐用寿命のた めに役立つ。 ガイドスリーブ３６が位置し、かつプランジャの半分よりも僅かに短い支承・ ガイド区分のあとには、シリンダ孔１６は偏心ピン室１８とは離反した側で環状 段部３８を成して拡大しており、この環状段部３８に続いて、プラスチック支持 リング４０が設けられており、このプラスチック支持リングに続いては、リング シール部材４２がプランジャ１４を取り囲むように、シリンダ孔１６の拡大され た室内に挿入されている。このリングシール部材４２はエラストマから成るＯリ ングである。 プラスチック支持リング４０の幅、つまりこのプラスチック支持リングの、プ ランジャ１４の軸線方向における延在長さは、偏心距離ｅの二倍に相当する、プ ランジャ１４の行程長さよりも僅かに大きい。こうして、リングシール部材４２ がプランジャ１４の走行痕に接触することが阻止される。このような走行痕は、 プランジャの往復運動に基づき、プランジャ１４がシ リンダ孔１６内で案内される領域において生じうる。走行痕は、プランジャ１４ とシリンダ１２との相対運動に基づく粗面化部または条溝として形成される。プ ランジャ１４の周面の、リングシール部材４２によって擦過される領域（シール 面）はこうして永続的に、製造時と同じように平滑なままである。従って、研削 されかつ研磨されたプランジャにより、プランジャ１４とシリンダ１２との間に 摩擦および摩耗の少ない、永続的なシール作用が得られる。 リングシール部材４２と閉鎖キャップ３２との間には、中空円筒形のプラスチ ック充填材４４がシリンダ孔１６内に挿入されている。このプラスチック充填材 の内径は、プランジャの直径に対して若干の遊びを有している。このようなプラ スチック充填材４４はデッドスペース（Ｔｏｔｒａｕｍ）を小さくし、こうして 本発明によるプランジャポンプ１０の効率を高める。プランジャポンプ１０の押 し退け室４６はプラスチック充填材４４の内室に位置している。さらに、プラス チック充填材４４とプラスチック支持リング４０との間には、簡単にリングシー ル部材４２のための溝が形成される。ほぼ唯１つの環状段部３８しか備えていな いシリンダ孔１６は簡単に製造可能である。リングシール部材４２の組み付けは 、プラスチック支持リング４０およびプラスチック充填材４４と一緒にシリンダ 孔１６内に押し込むことにより、最小限の手間しかかけずに行 われる。 プラスチック充填材４４は、一貫して延びる横方向孔４７を備えている。この 横方向孔は液圧ブロック１２の流入孔４８と流出孔５０とを連通させる。これら の流入孔および流出孔は、、閉鎖キャップ３２と、プランジャ１４の閉鎖キャッ プに向いた端面３０との間でシリンダ孔１６に開口している。流入孔４８および 流出孔５０には各１つの逆止弁がそれぞれ流入弁５２および流出弁５４として挿 入されている。 圧縮コイルばねとして形成されたプランジャ戻しばね２８内には、円筒形の押 し退け体５６が配置されている。この押し退け体５６は押し退け室４６の容積と 共にデッドスペースをもさらに小さくし、これにより、本発明によるプランジャ ポンプ１０の効率を付加的に増大する。このような押し退け体５６は、プランジ ャ戻しばね２８とプランジャ１４との間に挿入されたフランジ５８を有している 。プランジャ戻しばね２８は押し退け体５６のフランジ５８を、プランジャ１４ の前記フランジに向いた端面３０に圧着させ、このフランジ５８を介してプラン ジャ１４を偏心ピン２４の周面２２に圧着させる。押し退け体５６は、この押し 退け体がプランジャ１４の行程運動時に閉鎖キャップ３２には衝突しないように 短く形成されている。この押し退け体は、プランジャ１４に配置される代わりに 閉鎖キャップ３２に配置されてよい。押し退け体５６ は、プランジャ戻しばね２８のための屈曲防止手段としても役立つ。 ガイドスリーブ３６がシリンダ孔１６内にプレス嵌めされていない場合、シリ ンダ孔１６はプランジャ１４のためのガイド領域において研磨されている。これ により、摩擦および摩耗の少ないプランジャ支承・ガイドが達成される。支持リ ング４０は、その周面の所定の個所にスリットを施されるか、または図示の実施 例におけるように一貫して延びるように形成されていてよい。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゲルハルト ヴェッツェル ドイツ連邦共和国 Ｄ−70825 コルンタ ール−ミュンヒンゲン アウグステ−ズッ パー−ヴェーク １ (72)発明者 クラウス シュミット ドイツ連邦共和国 Ｄ−71696 メークリ ンゲン シュールシュトラーセ 11 (72)発明者 ハラルト オット ドイツ連邦共和国 Ｄ−71254 ディッツ ィンゲン ゾリトゥーデシュトラーセ ６

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．プランジャポンプであって、シリンダ内で往復行程運動するように駆動可能 なプランジャと、プランジャ周面をシリンダ孔に対してシールするリングシール 部材とが設けられている形式のものにおいて、 プランジャ（１４）が、軸線方向で見てリングシール部材（４２）を超えて 両方向に少なくともプランジャ行程長さだけ延びる領域において、シリンダ孔（ １６）から所定の半径方向の間隔を有していることを特徴とする、プランジャポ ンプ。 ２．プランジャポンプが、リングシール部材（４２）の一方の側に支持リング（ ４０）を有しており、支持リングの幅がプランジャ行程長さよりも大きい、請求 項１記載のプランジャポンプ。 ３．プランジャポンプが、シリンダ孔（１６）の部分である押し退け室（４６） 内に挿入された充填材（４４）を有しており、該充填材が、リングシール部材（ ４２）のための環状溝の環状の溝側面を形成している、請求項１または２記載の プランジャポンプ。 ４．プランジャポンプが、押し退け室（４６）に配置されたプランジャ戻しばね （２８）と、該プランジャ戻しばね（２８）内に配置された押し退け 体（５６）とを有している、請求項１から３までのいずれか１項記載のプランジ ャポンプ。 ５．シリンダ孔（１６）内に、プランジャ（１４）がシリンダ孔（１６）から半 径方向の間隔を有している領域の外部で、プランジャ（１４）のためのガイドス リーブ（３６）が挿入されている、請求項１から４までのいずれか１項記載のプ ランジャポンプ。 ６．ニードル軸受けのニードルローラがプランジャ（１４）を形成している、請 求項１から５までのいずれか１項記載のプランジャポンプ。