JPH10502588A - 複合板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 複合パネルは衛生用インサート（浴槽、シャワー台、流し、洗面ボール）に深絞り成形される。ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）アクリルガラス）の被膜（３）が特にアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン（ＡＢＳ）製の基体上に施される。アクリルガラス被膜は耐衝撃性の変性ＰＭＭＡと標準ＰＭＭＡの混合物から成る。

Description

【発明の詳細な説明】 複合板 技術分野 本発明は、特に浴槽、シャワー台、便器、洗面ボールなど衛生用品のインサー トを深絞りにより製造するための複合板に関するものであり、ポリメチルメタク リレート（ＰＭＭＡ、アクリルガラス）の被膜が特にアクリロニトリル・ブタジ エン・スチレン（ＡＢＳ）の支持体上に施されて成る。 背景技術 現在、成形されたアクリロニトリルまたはＡＢＳ／ＰＭＭＡの共押し出し板か ら成るプラスチック板が衛生用品（浴槽、便器、シャワー用台、シャワー用パネ ル）の様々なインサートに使用されている。 ヨーロッパ規格 ＥＮ ２６３ は、風呂桶およびシャワーベースに使用する 成形アクリル板を家庭用に用いる場合に満たさなければならない要件と試験方法 を厳密に記載している。 これまでＥＮ ２６３ に規定される要件（さらに、成形アクリル板に使用さ れる原料に関連する一般的な要件）に部分的にでも合致していたのは、ポリメチ ルメタクリレート（ＰＭＭＡ）の被膜を有するＡＢＳ共押し出し板であった。 これまで、共押し出しＡＢＳ／ＰＭＭＡ板は、ヨーロッパ規格 ＥＮ ２６３ の９節、「熱湯に対する耐性」に記載されている要件に１００％確実に従うこと はできなかった。更に、多くの国で洗浄剤の成分として許可されている高活性(a ggresslve)溶剤の、熱湯に対するプラスチック材料の耐性に及ぼす影響を考慮し ない限り、規定されている試験は充分に現実的ではないという経験があった。従 って、衛生物用品向けの共押し出し成形されたＡＢＳ／ＰＭＭＡ板の開発に際し て、出願人は独自の試験を開発したが、これは共押し出し成形板をＥＮ ２６３ 規格第９節の手順に従って試験する場合に、各周期の間に市 販の高活性洗浄剤を使う洗浄作業を付け加えるものであった。 本発明は、ポリメチルメタクリレートの被膜においては十分高いレベルの化学 薬品耐性および熱湯／冷水耐性がある場合にのみこの試験を通過できるという認 識に基づいている。 さらに、使用原料の分子量をできるだけ高くした場合、またはメルトフローイ ンデックス（ＭＦＴ）をできるだけ低くした場合の、ＰＭＭＡ被膜層が上記要件 を満たすことは周知である。本出願人のＥＰ−Ｂｌ−２２５ ５００には、深絞 り浴槽インサートの製造用のＡＢＳ複合板およびＰＭＭＡ被膜について記載され ているが、これは幅広のスロットのノズルから同時に共押し出し成形されるもの であり、被膜を形成するアクリルガラスは ２３０℃／３．８において最大２ｇ ／１０分のメルトフローインデックスＭＦＩ（ドイツ規格ＤＩＮ ５３７３５に よる）を有することを特徴とする。これは上記試験を常に通過するには不充分で あることが判明した。 さらに、ＥＰ−Ｂｌ−３０４ ６７９には、ＡＢＳとＰＭＭＡの複合板に関し て熱湯−冷水耐性および応力亀裂耐性を改良する可能な方法について記載されて おり、そこではＡＢＳの支持体上にＰＭＭＡの被膜が別の被膜層と共に提供され 、後者の被膜層は３０〜７０重量％のＰＶＤＦ（ポリフッ化ビニリデン）と残り がＰＭＭＡから成る。これらの板を使用すれば、家庭用浴槽およびシャワー台に 用いる成形アクリル板に関しては、ＥＮ ２６３に挙げられている要件に合致す ることは実質的に可能であった。 しかし、アルコール、特にメタノールに対する応力亀裂耐性は、ＥＮ ２６３ 規格第９節に従う試験ではさらに別の洗浄作業を伴うので、なお不充分であると 裁定された。 発明の開示 本発明は、以下に記載される複合板を提供するものである。 （１）衛生用品（浴槽、シャワー台、便器および洗面ボール）用インサートを深 絞りにより製造するための複合板であって、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭ Ａ、アクリルガラス）の被膜が特にアクリロニトリル・ブタジエン・スチ レン（ＡＢＳ）の支持体上に施され、アクリルガラスの被膜は衝撃強靭変性ＰＭ ＭＡと標準ＰＭＭＡとの混合物から成ることを特徴とする複合板。 （２）前記混合物のＭＦＩがドイツ規格 ＤＩＮ ５３７３５に従う ２３０℃ ／３．８で０．８ｇ／１０分以下であることを特徴とする、上記（１）記載の複 合板。 （３）被膜に使用される前記混合物の弾性率が２５００から２８００ ＭＰａの 範囲であることを特徴とする上記（１）または（２）記載の複合板。 （４）衝撃強靭性変性ＰＭＭＡがメタクリル酸メチルと３０％未満（質量％）、 好ましくは１０％未満のアクリル酸エステルとの共重合体であることを特徴とす る上記（１）〜（３）のいずれか１項記載の複合板。 （５）アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルまたはアクリル酸メチルが前記アク リル酸エステルとして使用されることを特徴とする上記（４）記載の複合板。 図面の簡単な説明 第１図は、本発明の複合板を示す断面図である。 発明を実施するための最良の形態 本発明の目的は本明細書の最初に記載されている一般的な種類の複合板を提供 することであり、これは熱湯−冷水耐性のレベルが改良されたばかりでなく、洗 浄剤に含まれる薬剤、特にアルコールに対する応力亀裂耐性のレベルも改良され たことを特色とする。本発明により、この特色はアクリルガラス被膜が衝撃強靭 性変性ＰＭＭＡと標準的ＰＭＭＡとの混合物から成ることによって達成される。 標準的ＰＭＭＡという用語はホモポリメチルメタクリレートを明示的に表すた めに使用される。衝撃強靭性変性ＰＭＭＡという用語は、特にメチルメタクリレ ートと３０％未満（質量％）、好ましくは１０％未満の他のアクリル酸エステル （特にアクリル酸ブチル、アクリル酸エチルまたはアクリル酸メチル）との共重 合体（合金）を明示的に表すために使用される。 出願人の調査から、ＰＭＭＡの場合に特にアルコールに関する応力亀裂耐性 のレベルが改良され、弾性率が低いほどＭＦＩ（メルトフローインデックス）が 低くなることが判明した。一般の場合、この目的は衝撃強靭性変性高分子型のＰ ＭＭＡにより充分に達成される（低いフローメルトインデックスとは、一般に、 ドイツ規格 ＤＩＮ ５３７５３によると、２３０℃／３．８で２．０ｇ／１０ 分以下である）。 しかし、これらの衝撃強靭性変性型ＰＭＭＡの欠点は、非衝撃強靭性変性ＰＭ ＭＡと比べて引っかき耐性のレベルが低いことであり、長期間にわたり熱湯を貯 蔵する場合に、ＰＭＭＡ層に白化効果または「曇り」が発生することである。こ の理由により、これまでＡＢＳとＰＭＭＡの共押し出し板に高分子の衝撃強靭性 変性型ＰＭＭＡを使用して浴槽およびシャワー台用インサートを製造することが できなかった。 さて、本発明の基本的な考えは、ＰＭＭＡの被膜を有する複合板の場合に被覆 層として高分子ＰＭＭＡ（低いＭＦＩ）と高分子衝撃強靭変性ＰＭＭＡとを特に 慎重に混合することにより、熱湯−冷水耐性および化学薬品に対する応力亀裂耐 性ばかりでなく同時に引っかき耐性をも低下させないように実質的改良を達成す ることである。 衝撃強靭性変性ＰＭＭＡと標準ＰＭＭＡとの混合物は基本的に所望の諸特性を 改良できるが、混合物に関して出願人が行った調査によると、熱湯−冷水耐性お よび化学薬品応力亀裂耐性に関して、比較的狭い範囲の混合物だけが最も高い要 件（特に高活性な市販の洗浄剤による別の洗浄作業を伴うＥＮ ２６３規格）を 満たすことが明らかにされた。その狭い範囲とは、衝撃強靭性変性ＰＭＭＡと標 準ＰＭＭＡの混合物のメルトフローインデックスおよび／または弾性率により最 もよく説明され、ＭＦＩが０．８以下であり、弾性率が２５００〜２８００ＭＰ ａである。 この結果に基づき、極めて高い熱湯−冷水耐性および応力亀裂耐性（特にアル コールに関する耐性）が衝撃強靭変性ＰＭＭＡと標準ＰＭＭＡとの混合物により 達成されるが、この混合物は、ドイツ規格 ＤＩＮ ５３７５３によるＭＦＩが ２３０℃／３．８において最大０．８であり、同時に（ＩＳＯ ５２７による） 弾性率は２５００〜２８００ ＭＰａである。 本発明による複合板は、例えば、厚さが数ミリメートルで、ＡＢＳとおそらく ＰＭＭＡとを混合したものから成る支持板１から構成される。２として示される 次の層は、厚さが（全体の厚さの）約１０〜２０％を占めるＡＢＳの層であり、 厚さが全体の厚さの１〜３０％を占めるアクリルガラス（ＰＭＭＡ）の被膜３の 着色支持体を形成する。複合板は、例えば、幅広のスロットのノズルでこれらの 層を共押し出し成形することにより製造できる。 産業上の利用可能性 以上説明したように、本発明の複合板は熱湯−冷水耐性のレベルが改良された ばかりでなく、洗浄剤に含まれる薬剤、特にアルコールに対する応力亀裂耐性の レベルも改良されたものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)， ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，Ｃ Ｈ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，Ｍ Ｎ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＴ， ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．衛生用品（浴槽、シャワー台、便器および洗面ボール）用インサートを深絞 りにより製造するための複合板であって、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ 、アクリルガラス）の被膜（３）が特にアクリロニトリル・ブタジエン・スチレ ン（ＡＢＳ）の支持体上に施され、アクリルガラスの被膜は衝撃強靭変性ＰＭＭ Ａと標準ＰＭＭＡとの混合物から成ることを特徴とする複合板。 ２．前記混合物のＭＦＩがドイツ規格 ＤＩＮ ５３７３５に従う ２３０℃／ ３．８で０．８ｇ／１０分以下であることを特徴とする、請求の範囲第１項記載 の複合板。 ３．被膜（３）に使用される前記混合物の弾性率が２５００〜２８００ ＭＰａ の範囲であることを特徴とする請求の範囲第１項または第２項記載の複合板。 ４．衝撃強靭性変性ＰＭＭＡがメタクリル酸メチルと３０％未満（質量％）、好 ましくは１０％未満のアクリル酸エステルとの共重合体であることを特徴とする 請求の範囲第１項〜第３項のいずれか１項記載の複合板。 ５．アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルまたはアクリル酸メチルが前記アクリ ル酸エステルとして使用されることを特徴とする請求の範囲第４項記載の複合板 。