JPH10502451A - 多数の試料を検定するための自動化システムに含まれているインキュベータモジュールの性能をモニタする方法およびこの方法で使用するのに適したキット - Google Patents

多数の試料を検定するための自動化システムに含まれているインキュベータモジュールの性能をモニタする方法およびこの方法で使用するのに適したキット

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JPH10502451A JP8503667A JP50366796A JPH10502451A JP H10502451 A JPH10502451 A JP H10502451A JP 8503667 A JP8503667 A JP 8503667A JP 50366796 A JP50366796 A JP 50366796A JP H10502451 A JPH10502451 A JP H10502451A
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Abstract

(57)【要約】 たとえば、多数のマイクロタイタプレート内で多数の試料を検定するため、所望により多数の同時検定のために、自動化システムに含まれ、多数の試料を定められた温度でイキュベートする(たとえば、マイクロタイタプレートをイキュベートするため)ための適当なインキュベータモジュールの性能をモニタするための方法およびキット。

Description

【発明の詳細な説明】 多数の試料を検定するための自動化システムに含まれているイ ンキュベータモジュールの性能をモニタする方法およびこの方 法で使用するのに適したキット 多数の検定(assay)を行うための自動化システムは当技術分野において周知で ある。そのような自動化システムには検定、インキュベーション(incubation)、 試薬付加、洗浄、吸光度測定、振とうおよび試料輸送を処理するためのいくつか の機能を組み込むことができる。後者は、自動化システムが、システムソフトウ エアに存在する検定プロトコルに従って、オペレータが介在することなしに、完 全な検定手順を基本的に完全に実行することを意味する。それらの検定プロトコ ルは、もちろん、試験キット梱包封入物における指示に基づいている。特にバイ オテクノロジの分野においては、たとえば免疫技術(immunotechnology)の領域に おいては、多数の試料を処理しなければならない。一般にバイオテクノロジの分 野においてはマイクロプレート(microplate)が反応を行わせるための好ましい容 器である。 「良好な研究所慣行(Good Loboratory Practice,GLP)」の 一つとして、研究所の計器類を適正に機能しているかどうか定期的に点検するこ とがある。多数の検定を行うための自動化システムの機能の大部分については、 それらの機能の性能を点検するのに適当な手段が存在する。その例外がインキュ ベータモジュール(incubator module)である。たとえばマイクロプレート中に存 在する試料を定められた温度まで加熱し、その温度を定められた時間にわたって 維持するためにそれらのインキュベータモジュールを使用する。 現在まで利用できる手段はインキュベータモジュールの場所で試料の温度を間 接的には、測定する必要がある。そのような間接測定には、たとえばインキュベ ータモジュールの加熱要素の温度を測定することが含まれる。これは明らかに実 際の試料温度の非常に不完全な測定であり、モジュール、試料容器、および試料 自体をインキュベータモジュールの設定温度まで加熱しなければならないことを 考慮していない。また、これはマイクロプレートにおける温度分散の正確な分析 を可能にするものでもない。他の方法は、マイクロプレートが存在する環境の温 度を測定するものであるが、これもウォーミングアップと温度分散決定に関して は同じ欠点を有する。他の方法はインキュベ ートされている試料の温度を、試料中に浸された温度センサを用いて直接測定す ることである。しかしこれは、マイクロプレート上に存在する試料など試料の数 が多い場合は、それと等しい多数の温度センサが必要となるために望ましくない 。そうするとシステムの適応に費用がかさみ、システムのコストが受け入れるこ とができないほど上昇する。バイオテクノロジ的な性質の検定でしばしば用いら れるような小さい試料に温度センサを使用することが実際的でないことは、イン キュベーション温度と、センサ自体の存在による検定自体との干渉からも生ずる 。試料のサイズは非常に小さいため、金属センサ自体を通じての熱輸送が試料の 温度に影響する。したがって、マイクロプレート中に存在する一つの試料内の温 度の決定でさえも正確であると考えることはできない。 小さい試料の検定に特に適した、定められた温度で多数の試料を同時に検定す るための自動化システムに含まれているインキュベータの性能検査では、インキ ュベーションの場所におけるインキュベーション中の温度および特に温度分布の 定量化を行えるようにする、マイクロプレートに適合する媒体および手段が必要 である。システム中のインキュベータの不適切な性能 を検出できるようにするために、この方法は1℃より高い確度と0.1℃より高 い精度を持たなければならない。 熱変色性(thermochromic property)を持つ液体が、Microplate P rocessor 3000(MPP)などの、検定を行うための自動化システ ムの光度計(photometer)を、吸光度を温度に結び付ける定量化の手段として使用 できるようにするので、その液体は溶液として最も適当である。そのような液体 の化学式を探すために文献調査では使用できるものはなんら見つからなかったの で、代わりのものを調べた。それらは、温度(T)に依存する大きな酸性度(p H)を有する緩衝液および酸性度(pH)に依存する大きな吸光度(A)を有す る、酸をベースとする指示薬である。その結果は狙い通りであり、その吸収スペ クトルが温度に依存する溶液が得られる。 本発明は自動検定システム内のインキュベータ中の試料の実際の温度に関して 、および同時にインキュベートされているいくつかの試料全体にわたる温度分散 に関してさえも、希望の確度および精度を得るための方法を得ることに向けられ ている。特に、本発明はマイクロプレートの自動化処理に向けられたシステムに おけるこの情報を得ることに向けられる。本発明は、 技術的な面に関しての従来の不適切さを克服するばかりでなく、解決策が簡単で 比較的コストが低く、実行が簡単で、既存の自動化システムに対する調整をほと んど要しないという追加の利点を有する。 本発明は多数の試料を同時に定められた温度でイキュベートするため(たとえ ば、マイクロタイタプレート(microtitre plates)をイキュ ベートするため)に適当であり、かつ希望により、たとえば、多数のマイクロタ イタプレート内で、多数同時検定で多数の試料を検定する、ための自動化システ ムに含まれているインキュベータモジュールの性能をモニタする方法であって、 1) 少なくとも二つの異なる波長λ1およびλ2における温度依存溶液(tempe rature dependent solution)の吸光度を光度計(phot2)で測定し、温度依 存溶液の吸光度をインキュベーションの場所とは異なる場所で、インキュベーシ ョンの後の時刻に決定し、前記温度依存溶液は温度に依存するpHを持つ緩衝剤 と、pHに結び付けられた吸光度スペクトルを持つ酸をベースとする指示薬とを 含み、δA/δTが、一つの波長に対して正で、他の波長に対して負であるよう に前記波長を選択 し、前記測定により吸光度値Atest,phot2, λ1とAtest,phot2, λ2が得られ、Atest,phot2, λ1 は、波長λ1における温度依存溶液(test)について光度計 (phot2)で決定した吸光度(A)を示し、Atest,phot2, λ2は、波長λ2 における温度依存溶液(test)について光度計(phot2)で決定した吸 光度(A)を示すステップと、 2) ステップ1)におけるデータをデータファイルに保存するステップと、 3) ステップ1)の二つの波長λ1およびλ2に対する温度独立の較正溶液(c alibration solution)の吸光度を光度計(phot2)で測定し、温度とは独立 の前記較正溶液は定められた温度における温度依存溶液の吸光度スペクトルと同 じ吸光度スペクトルを示し、前記測定により吸光度値Acal,phot2, λ1とAcal,p hot2, λ2 が得られ、Acal,phot2, λ1は、波長λ1における温度独立の較正溶液 (cal)について光度計(phot2)で決定した吸光度(A)を示し、Aca l,phot2, λ2 は、波長λ2における温度独立の較正溶液(cal)について光度 計(phot2)で決定した吸光度(A)を示すステップと、 4) ステップ3)におけるデータをデータファイルに保存するステップと、 5) 保存したデータと式 ln(Atest,phot2, λ1/Atest,phot2, λ2)=α″+ β′T を用いて温度依存溶液の実際の温度Tを計算し、α″=α′−ln(Acal,ph ot1, λ1 /Acal,phot1, λ2)+ln(Acal,phot2, λ1/Acal,phot2, λ2)で、 α′−ln(Acal,phot1, λ1/Acal,phot1, λ2)の値は、ステップ1)の二つ の波長λ1およびλ2に対して温度独立の較正溶液を他の光度計(phot1) で吸光度を測定することにより得ることができ、それによりAcal,phot1, λ1と Acal,phot1, λ2を得、Acal,phot1, λ1は、波長λ1における温度独立の較正溶 液(cal)について他の光度計(phot1)で決定した吸光度(A)を示し 、Acal,phot1, λ2は、波長λ2における温度独立の較正溶液(cal)につい て他の光度計(phot1)で決定した吸光度(A)を示し、そのステップ5の データをデータファイルに保存し、かつ、温度依存溶液についてステップ1)の 異なる二つの波長λ1およびλ2 に対して吸光度および温度を他の光度計(phot1)で測定することにより、 既知の温度における吸光度値Atest,phot1, λ1とAtest,phot1, λ2を得、それか ら、式ln(Aλ1/Aλ2)=α′+β′Tを用いて、α’とβ’が計算でき、 そのデータをデータファイルに依存するステップと、 6) モジュール内でインキュベートされている温度依存溶液の修正した温度お よび修正した温度分布を確かめるために、モジュールが設定されている定められ た温度と比較するステップと を含む、 インキュベータモジュールの性能をモニタする方法を対象とする。 一つの波長における吸光度測定値を用いる代わりに二つの異なる波長における 吸光度測定値の比を用いるといくつかの興味のある利点が得られる。信号と温度 との間の関係を式2 ln(Aλ1/Aλ2)=(αλ1−αλ2)+(βλ1−βλ2)T=α′+β′T (2) として表すことができる。 δA/δTの値が正である範囲内に一つの波長があり、δA /δTの値が負である範囲内に他の波長がある時は、二つの吸光度測定値の比を 用いると下記の利点が得られる。 − 方法の感度が高くなる。 − 光度計(phot1)と(phot2)で検定される試料の異なる光路長に より生じる誤差、したがって、マイクロプレートの場合における容量差によりひ き起こされる誤差がなくされるためにこの方法の確度が高くなる。 − 発色団(chromophore)濃度の違いにより生じる誤差がなくなるためにシステ ムの確度が高くなる。 Clinical Chemistry 39/2、251〜256(199 3)でSchilling他が、多重セル光度計の温度決定におけるTRIS/ クレゾールレッド(CresolRed)などの熱変色指示薬とHEPESおよびリン酸塩 の緩衝液へのクレゾールレッドの温度独立の溶液との組合せを、光路長の変化と ウェル(well)のブランク透過率(blank transmittance)と により生じる光学測定誤差をなくすようにして使用することを記述している。し かし、彼等は加熱される試料の場所において吸光度を決定できないという主題と する問題に直面していない。彼等は温度測定場所において吸光 度を測定した、すなわち、温度決定の場所で光度計により試料を測定した。彼等 は、光度計を較正するために一つのウェルの中で電子プローブを使用している。 更に、異なる光路長または発色団濃度に関する誤差をなくすための二つの波長の 商(quotient)に加えて、異なるブランク透過率により発生される誤差をなくすた めに第三の波長が必要であった。この引用した文献においては、本方法のように 較正の目的ではなくて、方法の確度と精度に対する光度計のノイズの影響につい て単に研究するために、温度独立の緩衝液を用いている。引用した方法は本発明 の方法に類似するプロセスを対象とするために、冷却効果についての問題はその 方法には存在しない。本発明の方法にSchilling他の記述されている方 法を単に実施するだけでは本発明の方法が解決する問題は解決しない。 このシステムを本発明の方法でひとたび適正に較正すると、たとえば、マイク ロプレートが、インキュベータモジュールを含んでいる自動化検定システムのイ ンキュベータモジュール内にある間に、マイクロプレートのウェルの中の液体の 温度を決定できるようにする。本発明の方法を実施できるシステムの適当な例が Microplate Processor 300 0である。 文献調査に基づいて、塩酸(HCl)に組み合わせたトリス(ヒドロキシルメ チル)アミノメタン(TRIS)を、本発明の方法で使用する緩衝系の極めて適 当な例として選択した。これは主に、そのδpH/δT値が約−0.03pH単 位/℃と大きいためである。温度独立の溶液の緩衝系は大きいδpH/δT、好 ましくは、少なくとも0.02pH単位/℃の絶対値を有することが好ましい。 絶対値が大きくなると温度のどのように小さな変化も、測定される吸光度を変化 させるpHの気付くことができる変化としてよりよく記録されることになり、そ れによりこの方法の感度を高くする。これと一致して大きいδA/δpH値を示 す温度依存溶液が好ましい。大きさは、少なくとも0.1℃の精度と、少なくと も0.5℃、好ましくは少なくとも0.3℃の確度になるのに十分な値として適 当に定量化できる。TRIS以外のいくつかの緩衝剤も本発明の方法に使用する ために適当である。適当な例がクエン酸塩、酒石酸塩、フタル酸塩、リン酸塩、 トリス(ヒドロキシルメチル)アミノメタン(TRISとしても知られている) 、ホウ砂(Borax)および重炭酸ナトリウムから選択した水溶液を含む。 この方法のために温度依存溶液と温度独立の溶液とに酸ベースとするいくつか の指示薬を使用できる。適切な指示薬の選択は、この説明を考慮して本発明を考 察した後では当業者には明らかであろう。温度依存溶液と温度独立の較正溶液と の酸をベースとする指示薬の溶解度は、測定可能で確実な吸光度値を得るために は十分でなければならない。一般に、現在の装置は0.5AUより高い吸光度を 測定できるから、定められた温度および波長λ1とλ2でそのような吸光度にす る指示薬濃度を受け入れることができる。0.5AUと1.5AUの間の吸光度 にする濃度を選択することが好ましい。TRISのpH緩衝範囲のために適用で きる、酸をベースとする指示薬から、クレゾールレッドを選択した。その理由は 、主として、溶解して大きいδA/δpH値になるその良い溶解度にある。pH 指示薬としてフェノールフタレインを用いる初期の研究[1]は、TRIS緩衝 液中へのフェノールフタレインの溶解度が低いためにたとえば不十分な結果を与 えた。 ある温度で温度依存溶液のスペクトルと同一である、温度独立のスペクトルを 生ずる較正溶液により、ある興味ある可能性がもたらされる。まず、そのような 較正溶液によりこの方法の 精度を実験的に決定する可能性が得られる。第二に、そのような較正溶液により この方法を較正し(測定した温度と吸光度値を用いてのα′とβ′の決定)およ び実際の温度測定(既知のα′とβ′および測定した吸光度値でTを計算する) のために種々の光度計を使用する可能性が得られる。 光度計の間の違いを補償するために温度独立の較正溶液を用いることは下記の ように作用する[4]。 測定すべき温度はある予測される値を有する。そうすると、その予測した温度 における温度依存溶液のスペクトルとほぼ同一のスペクトルを有する較正溶液を 使用できなければならない。これで光度計(phot1)を用いて温度依存溶が 較正された(α′とβ′が決定された)。また、対象とする二つの波長における 温度独立の較正溶液の吸光度値が光度計1で測定された。(Acal,phot1, λ1お よびAcal,phot1, λ2) 対象とする温度依存溶液と温度独立の較正溶液との、二つの波長における、吸 光度値(Atest,phot2, λ1およびAtest,phot2, λ2)および(Acal,phot2, λ1 およびAcal,phot2, λ2)を測定するために第二の光度計を用いる。 ここで光度計2からの、両方の波長に対する温度依存溶液の測 定値を光度計1の吸光度単位、すなわち、修正した吸光度値で表すことができる 。 Acorr=(Acal,phot1/Acal,phot2)・Atest,phot2 (3) 修正した吸光度値を用いることにより実際の温度を今計算できる。式(2)と (3)を組み合わせると次式が得られる。 ln(Atest,phot2,λ1/Atest,phot2, λ2)=α″+β′T (4) ここで である。したがって、実際に、α′はα″に再較正される。 この方法は、 − ブランク媒体(blank media)、たとえば水対空気中の小さい差。 − 光路長の差。 − 光干渉フィルタにおける小さいスペクトル差(使用する波長におけるδβ/ δλの値に依存する)。 を補償する。 文献[2]に記載されているように、上記較正溶液が存在する。TRIS/ク レゾールレッド温度依存溶液の場合には、TRIS/クレゾールレッド溶液中の TRISはHEPESとリン酸塩の混合物で置換される。較正溶液のpHを設定 することにより、較正溶液のスペクトルを、対象とする範囲中の任意の温度でT RIS/クレゾールレッド溶液のスペクトルにほぼ同一にでき、それにより温度 独立の較正溶液の生産を可能にする。 温度依存溶液を含んでいる容器、たとえば、TRIS/クレゾールレッド溶液 などの温度依存溶液が満たされているマイクロプレートはインキュベータモジュ ールから光度計(phot2)(以後の記載ではリーダーモジュールとも呼ぶ) への輸送中に冷却するから、得た吸光度値はマイクロプレートがインキュベータ モジュール内に実際に静止していた時の温度を正確に表さない。したがって、本 発明の方法では光度計(phot2)で決定した吸光度を、インキュベーション の場所と吸光度測定場所の間で起きる冷却の影響に関して修正するために計算手 段を用いる。不正確さを最小にする方法は光度計をインキュベータにできるだけ 接近させ、雰囲気をインキュベータの温度にできるだけ近くすることが好ましい 。輸送に起因する不正確さを 克服する方法は、容器内部の試料の冷却曲線を、好ましくは、マイクロプレート を使用しているならば、マイクロプレートの各ウェルについて、記録すること、 およびそれらがインキュベータモジュール中にある時の温度を見積もるためにそ れらの曲線を使用することである。 したがって、本発明は、温度独立の較正溶液を満たした第一のマイクロプレー トを光度計(phot2)まで輸送し、二つの波長λ1とλ2で吸光度を読み出 し、測定データをデータファイルに保存し、除去すべき出力モジュールにそのマ イクロプレートを取り付け、温度依存溶液を含んでいる第二のマイクロプレート をインキュベータモジュールに取り付け、インキュベータモジュールの設定に従 った定められた温度でインキュベートし、インキュベーションが終わったらその マイクロプレートを光度計(phot2)まで輸送し、そこで二つの波長λ1と λ2において、好ましくはソフトウエアタイマにより制御される時間間隔で吸光 度を何回も読み出し、全てのデータをデータファイルに保存する上記方法を目的 ともするものである。そのような実施形態では、インキュベーションの終了と光 度計(phot2)における最初の読出しとの間の時間間隔はでき るだけ短くすることが好ましい。それはマイクロプレートをインキュベータモジ ュールから光度計(phot2)まで輸送するために要する時間により制限され る。その時間間隔は45秒より短い、25〜35秒が適当である。 温度依存溶液を含む容器をインキュベータから除去した後で二つの波長で何回 も吸光度を読み出す、この方法の好適な実施例は、光度計(phot2)におけ る吸光度測定の間の時間間隔が、二つの波長λ1とλ2において吸光度を測定す るために要する時間の長さと、データをファイルに保存するために要する時間の 長さにより決定される。前記時間間隔は一般に25秒より長く、好ましくは45 秒より長く、30秒が適当である。 本発明の方法では、0.98に等しいか、それより大きい回帰係数(regressio n coefficient)R2を使用できるように、光度計(phot2)からの吸光度デ ータに基づいて決定した温度を、インキュベータモジュールから前記光度計計算 手段への輸送の間に起きる冷却に対して、冷却のパターンに適合する数学関数に 基づいて、修正する。使用する計算手段は、たとえば、時間に対する吸光度関数 を、光度計(phot2)で得た吸光度測定データに最小二乗的に適合可能にし て、インキュベータ モジュールから温度依存溶液を取る時すなわち時刻零にインキュベータモジュー ル内の実際の吸光度の計算を可能にし、それにより時刻零におけるインキュベー タモジュール内の実際の温度の以後の計算を可能にできる。 更に詳しくいえば、マイクロプレートを冷却するために下記のことを確認した 。時間tの関数として一定温度Tenvの環境内に置かれ、最初の温度がTinitで ある物体の温度Tは理論的に次式で与えられる。 T(t)=Tenv+(Tinit−Tenv)・e-t/ τ (6) (τは時定数) しかし、冷却するマイクロプレートでは、環境は一定ではなく、ウェルごとに異 なるために一層複雑である。実際に、これに対する理論的モデルを設けることは ほとんど不可能である。実際に、温度の代わりに吸光度値を時間の関数として測 定する。温度一時間関係に対するモデルを適用する代わりに、吸光度一時間関係 に対するモデルとして二次多項式または三次多項式を使用することを決定した。 これは、 A(t)=a+bt+ct2(+dt3) (7) (a、b、cおよびdは定数) のような関数を用いて行った。このモデルを最小二乗的に測定データに適合する ことにより、aは時刻零における吸光度値の計算値である。 マイクロプレートの場合のように多数のサンプルを同時にイキュベートすると き、各ウェル中の試料の温度は隣接するウェルの影響を受ける。この影響はウェ ルの位置によって変わる。本発明による方法の確度を高めるため、計算中にデー タフィルタリングを適用することができる。 Microplate Processor 3000などの自動検定システ ムのインキュベータモジュールは低周波特性を持つ、すなわち、マイクロプレー ト上の温度分布が温度勾配、冷たい領域、暖かい領域、または端部効果を示すこ とができる。ウェルごとに上昇したり低下したりする温度値(高周波挙動)は可 能ではない。これはこの方法により得られる温度分布中のどのような高周波成分 も、いわゆる「二次元ローパス」フィルタにより除去できる。 一般に用いられる多くのデータフィルタリング技術は周波数領域内の適切な関 数を乗ずること(信号のフーリエ変換で)、 または適切な関数による信号のくりこみ(convolution)を行うことに基づいてい る。それらの技術は無限の信号または少なくとも比較的大きい領域にわたって定 義された信号を要する。温度に対してはマイクロプレートの場合には限られた数 (8×12)の値を利用できるだけなので、マイクロプレートの縁部における温 度についての、最も興味深い、信頼できるフィルタリングされた値は計算できな いために、このフィルタリング方法は適用できない。 すなわち、各ウェルの温度をウェル自体の温度と、そのウェルに最も近い8個 のウェルの温度との関数として定義するために代わりのフィルタリング方法につ いて調べた。たとえば、 TfiltD6=f1・TC5+f2・TC6+f3・TC7+f4・TD5+f5・TD6+f6・TD7 +f7・TE5+f8・TE6+f9・TE7 (8) ここでTfiltはフィルタリング後に計算した温度、f1からf9は定数である。定 数は、線形モデルを最小二乗法で9個のウェルの正方形ブロックの温度データに フィットさせることにより計算される。(二次元線形回帰) Model:Tfilt=a・rownumber+b・col umnnumber+c (9) (a、bおよびcは定数) 結果を最小二乗法で最小にすると最小化関数Fが得られる: F=Σ(Tfilt(welli)−T(welli))2(i=1〜9) (10) これはδF/δa=δF/δb=δF/δc=0であることを意味する。ここで 、a、b、cはT(welli)で表すことができ、係数f1からf9を計算でき る。(8)におけるように、マイクロプレートの縁部にないウェルについては、 全ての係数fiは1/9に等しい。マイクロプレートの縁部にあるが、隅にない ウェルについては、次式が有効である:たとえば、 TfiltA6=f1・TA5+f2・TA6+f3・TA7+f4・TB5+f5・TB6+f6・TB7 +f7・TC5+f8・TC6+f9・TC7 (11) ここでf1=f2=f3=5/18、f4=f5=f6=2/18およびf7=f8=f9 =−1/18である。 TfiltA6を計算するために使用した線形回帰は、(11)におけるように、TfiltB6 を計算するためにも用いられることに注目できる。 マイクロプレートの隅にあるウエルについては、次式が有効である。たとえば 、 TfiltA1=f1・TA1+f2・TA2+f3・TB1+f4・TA3+f5・TB2+f6・ TC1+f7・TB3+f8・TC2+f9・TC3 (12) ここでf1=8/18、f2=f3=5/18、f4=f5=f6=2/18、f7= f8=−1/18およびf9=−4/18である。 TfiltA1を計算するために使用した線形回帰は、(12)におけるように、TfiltA2 、TfiltB1およびTfiltB2を計算するためにも用いられることに注目でき る。 この空間ローパスフィルタリング技術を第1図に示す。この図では温度分布を 、ガウスノイズ(Ggaussian noise)が加えられている明確に定義された関数によ り表している。インキュベータモジュール内の温度の計算は、二次元線形モデル を最小二乗法で試料のマトリックスの温度データに適合することにより、確実に 行われ、マイクロプレートについての上記9個のウェルの正方形は単なる例であ ることは当業者には理解できよう。 本発明は上で例により説明した本発明を実施するために必要 な部品を含む試験キット(test kit)をも対象とする。その試験キットは少なくと も、定められた温度で波長λ1およびλ2において0.5AUより高い吸光度を 少なくとも示し、かつ温度に依存するpHを持つ緩衝系とpHに結び付けられた 吸光度スペクトルを有する酸をベースとする指示薬とを含む温度依存溶液を含ん でいる容器と、定められた温度における温度依存溶液の吸光度スペクトルと同一 の吸光度スペクトルを示し、かつ好ましくは温度依存溶液の組成にできるだけ近 い組成を有する少なくとも一つの温度独立の較正溶液を含む容器とを備える。最 も望ましくは、そのようなキットの溶液は、 a) 測定を行う、好ましくは20〜60℃の範囲内である希望の温度範囲内で ある定められた温度において温度依存溶液の緩衝系の動作範囲内において、 b) 測定を行う定められた温度において酸をベースとする指示薬の指示範囲内 で、 c) 二つの波長λ1およびλ2における吸光度が、指定した範囲の中間におい て相互にできるだけ近いように、 d) CO2の吸収をできるだけ少ないことが好ましい、 pHを有する。 特に、いくつかの定められた温度をインキュベータ上で調べる時は、いくつか の定められた温度に対して多数の温度独立の較正溶液を含み、温度独立の溶液の 吸光度スペクトルがその定められた温度における温度依存溶液の吸光度スペクト ルに等しいように、各温度独立の較正溶液のpHを選択した、上記キットを使用 する。この方法の説明から、温度依存緩衝剤はクエン酸塩、酒石酸塩、フタル酸 塩、リン酸塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ホウ砂(Borax)ま たは重炭酸ナトリウムの水溶液、好ましくはトリス(ヒドロキシメチル)アミノ メタンの水溶液を含むことができることが明らかであろう。また、酸をベースと する指示薬がクレゾールレッドであって、それが溶解できる形で存在しているキ ットが適当な実施形態であることが本発明の方法の説明から明らかであろう。そ のようなキットでは、温度独立の較正溶液はHEPES、リン酸塩およびクレゾ ールレッド溶液を含むことができ、かつそれがトリス(ヒドロキシメチル)アミ ノメタンを緩衝剤として、およびクレゾールレッド溶液を酸をベースとする指示 薬として含む温度依存溶液と更に同一であることが好ましい。微生物による劣化 を防止するために、アジ化物などの、この技術で一般に用いられて いる微生物防止剤(anti microbial agents)をキット中の溶液に加えることが好 ましい。特定の国における法規を考慮して、シンナムアルデヒド(cinnamaldehyd e)およびゲンタミシン(gentamicin)硫酸塩を用いることが好ましい。例はキット 中に存在できる溶液の一層正確な詳細と、それらをどのようにして使用できるか の実施例を提供するものである。本発明のキットは光度計(phot1)を用い ると求められる較正データを含み、それにより実際の応用を極めて簡単かつ使用 者にとって都合の良いものにすることが好ましい。 一般に、本発明の方法およびキットは、開示する種々の実施例において、いく つかの異なる定められた温度においてインキュベータモジュールの温度分散を調 べるために使用でき、前記方法およびキットは異なる温度の数に等しい数の温度 独立の較正溶液を要する。特に、本発明の方法を実施している間に自動化システ ムにおける自動検定を実行できる。 実施例 インキュベータを備えた自動検定システムとしてMicroplate Pr ocessor 3000を用いて本発明の方法を実施した。 下記の試薬を使用した。 1.トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)TRIS緩衝系の動 作範囲はpH7からpH9である。文献[4、5]で報告されているように、温度 −pH関係はこの範囲ではほとんど直線的であって0.1mol/L溶液ではd pH/dT=−0.03pH単位/℃である。TRISをNEN1級品質の水に 溶解することにより0.1mol/L(12.114g/L)TRIS緩衝剤の ストックを準備した。 高濃度HCl溶液(4〜10mol/L)を少量加えることにより溶液のpH を設定した。温度依存性のために、調整した温度でこれを行わなければならず、 または希望のpHを実際の温度に対して計算しなければならない。 2.クレゾールレッド クレゾールレッドの指示範囲の一つが、黄色から赤色への色変化でpH7.2 からpH8.8までであると報告されている[6]。これは、可視スペクトルの 低い方の領域において酸性度が高くなる(pHが小さくなる)につれて吸光度が 高くなり、可視スペクトルの高い方の領域において酸性度が高くなるにつれて吸 光度が低くなる。 高濃度のエタノール溶液はクレゾールレッドのための最も便利な調剤の形であ ると考えられた。このために、クレゾールレッド(Kodak)をエタノール( Baker、96%)に10.0g/Lの濃度に溶解することによりストック溶 液を準備した。 3.HEPES/リン酸塩溶液 この方法の正確さを実験的に確認するため、および較正のために、温度独立して いるが、ある温度ではTRIS/クレゾールレッド溶液の吸光度スペクトルと同 一である吸光度スペクトルを持つ溶液を用意する必要が感じられた。 文献[2]に記載されているように、TRIS/クレゾールレッド溶液中のT RISをHEPESとリン酸塩の混合物で置換することにより調製できる。 HEPES(Organon)とリン酸ナトリウム一塩基(Baker)をN EN1級品質の水にそれぞれ26mmol/L(=6.196g/L)および7 6.2mmol/L(=11.289g/L)の濃度で溶解することにより、H EPES/リン酸塩のストックを調製した。 4.防腐剤 この方法は商用の製品に使用することを意図するものなので、TRIS/クレゾ ールレッドおよび較正溶液は長期間にわたって安定でなければならない。そのた めに、微生物による劣化を阻止するために防腐剤を添加しなければならない。一 般に使用されているものであるが、アジ化ナトリウムはある国では制限されてい るために、選択しなかった。その代わりに、最新のOrganon Tekni ka Microelisa検定のいくつかの成分に使用されているように、シ ンナムアルデヒドおよびゲンタミンリン酸塩を使用した。 96%のエタノール+5%のメタノール(Baker)中に200ml/Lの 濃度でシンナムアルデヒドを希釈することによりシンナムアルデヒドのストック 溶液を調製した。 シンナムアルデヒド(Merck)およびゲンタミンリン酸塩(USBC)を 、最終濃度が0.2ml/Lおよび0.1g/Lにそれぞれなるまで、TRIS およびHEPES/リン酸塩溶液に加えた。 TRIS/クレゾールレッド温度依存溶液および温度独立の較正溶液を下記の ようにして調製した。 TRIS/クレゾールレッド溶液のクレゾールレッドの濃度設定およびpH設 定のために、下記事項を考慮した、 − pHは対象とする温度範囲内のTRIS緩衝剤の動作範囲内になければなら ない。 − pHは対象とする温度範囲内のクレゾールレッドの指示範囲内になければな らない。 − CO2吸収を最小にするためにpHはできるだけ低くなければならない。 − pH設定は、対象とする温度範囲の中間(約37℃)で、使用する二つの波 長における吸光度がほぼ等しいようなものでなければならない。 − クレゾールレッドの濃度は、使用する二つの波長における吸光度値が、対象 とする温度範囲内で0.5〜1.5AUの範囲(MPPのリーダーモジュールの 最適動作範囲)であるようなものでなければならない。 防腐剤を添加した、TRIS緩衝剤のストック溶液のpHを37℃で7.80 に設定した。このストック溶液の一部にクレゾールレッド(ストック溶液から) を、分光光度計で測定するための最終濃度30mg/Lまで加えた。他の部分に クレゾー ルレッドを、MPPで測定するための最終濃度75mg/Lまで加えた。クレゾ ールレッドを添加してもpHには測定可能な影響を及ぼさなかったことが確認さ れた。 二つの較正溶液を用意しなければならない。すなわち、一つは37℃に設定さ れているインキュベータモジュールでの温度を測定するためのものであり、他の ものは50℃でのインキュベーションのためのものである。較正溶液を調製する ために、HEPES/リン酸塩ストック溶液(防腐剤添加済み)から二つの部分 を取った。それらの部分のpHをそれぞれ7.80と7.46に設定した。それ らのpH値は、それぞれ37℃と50℃におけるTRIS/クレゾールレッド溶 液のpHに対応する。二つの部分をおのおの二つの部分に分割した。それらの部 分にクレゾールレッド(ストック溶液)をそれぞれ30mg/Lおよび75mg /Lの最終濃度まで加えた。クレゾールレッドを添加してもpHには測定可能な 影響を及ぼさなかったことが確認された。 測定手順は次の通りであった。 1.較正手順 Pye Unicam Model PU8700分光光度計 および内部幅が約1cmのポリスチレン・キュベット(cuvettes)(光路長1cm) を用いて、可視領域、400から700nm、内のスペクトルを記録した。温度 調節されている水浴にこの計器の二重壁セルホルダーを配管とポンプを介して連 結する。キュベット内の温度を、分光光度計により発生される光ビームの真上に 配置されている熱電対により測定する。熱電対を、80TK熱電対モジュールを 備えたFluke Model 27マルチメータに接続する。キュベト内の流 体の量は、熱電対を浸す深さが約3mmであるようなものである。 較正溶液のスペクトルを室温で記録し、後での処理のためにデータファイルに 保存した。毎測定の直前には、水を含んでいるキュベットに対して分光光度計を ブランク(blanked)にした。 TRIS/クレゾールレッド溶液のスペクトルを室温から52℃の範囲内で記 録した。実際的な理由から、毎測定のためにキュベット内の温度を安定させる代 わりに、キュベット内の液体の加温中または冷却中にスペクトルを記録した。 キュベット内で6分間に約1℃の温度上昇が行われるようにして水浴の加熱を 設定した。そうすることにより、スペクトルを記録するためにある時間を要する (約20秒)ことに起因す る測定温度誤差が0.1℃より小さい。熱電対システムの測定確度は0.1℃で ある。スペクトルを約2℃間隔で記録し、後での処理のためにデータファイルに 保存した。記録した各スペクトルごとに、キュベット内部の流体温度を記載した 。毎回の測定の直前に水を含んでいるキュベットに対して分光光度計をブランク にした。 水浴の内部に配置されて、内部を(冷えた)水道水が流れるコイル状のチュー ブへの熱伝導により水浴は冷却される。6分間に約1℃の温度降下が行われるよ うにして水道水の流量を設定した。加熱中と同様のやり方でスペクトルを記録し た。 2.Microplate Processor 3000における測定 これらの測定を、12個のウェル・ストリッププレート(well stripplate)を 有し、縁部が湾曲している平底のGreiner型マイクロプレートで行った。 各ウェルに100mlの流体を、較正した1チャネルピペットで注いだ。ピペッ トで注ぐ前に全ての流体を室温になるようにし、注がれたプレートを気泡の有無 について調べた。この体積およびこの種のプレートの光路長は約4mmである。 光路長が1cmである分光光度計の吸光度 値とほぼ同じ吸光度値を得るために、MPPのために使用する較正流体内および TRIS/クレゾールレッド流体内のクレゾールレッド濃度はクレゾールレッド 濃度の2.5倍であった。上記のように信号は発色団濃度とは独立している。 使用したMPPはプロトタイプソフトウエアで設定した、すなわち、MS−D OSの下で動作するTurbo Cで作成された5つのプロトタイプのうちの一 つである。実験のために、本質的にはインキュベーション温度が異なるだけであ る二つのプロトコル、すなわち、37℃のインキュベーションのためのプロトコ ルと、50℃のインキュベーションのためのプロトコルとをMPPのためにプロ グラムした。37℃と50℃は、MPPのインキュベータモジュールを確度と、 マイクロプレートにわたる温度分布とについて試験する二つのインキュベーショ ン温度である。 各プロトコルは下記の処理ステップを実行した。 − 較正流体を満たされた第一のマイクロプレートをリーダーモジュールへ輸送 し、二つの波長で読み出す(端点読出し)。 − 測定データをデータファイルに保存し、除去するためにオペレータがマイク ロプレートを出力モジュールに取り付ける。 − 第二のマイクロプレートをリーダーモジュールに取り付け、二つの波長でそ れを読み出す(端点読出し)。それらの読み出しはMPPの外部温度と計器の内 部温度とに関連付けられる。 − その後でマイクロプレートをインキュベータモジュール#3に取り付け、3 7℃設定点で20分間または50℃設定点で40分間イキュベートする。 − インキュベーションが終わった後で、マイクロプレートをリーダーモジュー ルに取り付け、そこでプレートを2つの波長で、ソフトウエアタイマにより制御 される時間間隔をおいて10回読み出した。時刻零を、輸送モジュールでマイク ロプレートをインキュベータプレートキャリッジから取り上げた時刻と定義した 。第一の波長の正確な測定時刻は30、60、90、120、150、180、 210、240、270および300秒である。第二の波長ではそれらの時刻は 35、65、95、125、155、185、215、245、275および3 05秒である。後での処理のために全てのデータをデータファイルに保存した。 − 全ての測定が終わった後で、除去するためにオペレータがマイクロプレート を出力モジュールに取り付ける。 − 30秒の時間間隔を選択した理由は、マイクロプレートをインキュベータモ ジュールからリーダーモジュールへ輸送するためにほぼこれ位の時間を要するた めである。二つの波長でリーダーモジュールにより読み出し、かつ測定データを データファイルに保存するために必要な時間は同様に約30秒かかる。Lotu s Symphonyを用いてデータの処理および整理のために、データファイ ルをRS−232接続およびLANを介してPCへ送った。 下記の結果を得た。 1.TRIS緩衝剤の温度−ph関係 37℃でpH=7.80であるTRIS緩衝剤0.1mol/Lを使用した。溶 液のpHを約20〜53℃の温度範囲で測定した。その測定データに対して線形 回帰を最小二乗法的に行った。その結果は次の通りであった。 pH(T)=8.83−0.0277・T (Tは℃) (13) R2=0.999およびSterrYest=0.0087である。それはpHの測 定確度より十分低い。値δpH/δT=−0.0277(標準誤差が0.000 16)は文献[4,5] で報告されている値に従って良好である。 結果を第2図に示す。 2.温度の関数としてのTRIS/クレゾールレッド溶液の吸光度スペクトル 上記のようにして調製したTRIS/クレゾールレッド溶液の吸光度スペクトル を26〜52℃の温度範囲で記録した。その結果を第3図に示す。図から分かる ことは、400〜473nmの範囲では、吸光度が温度上昇とともに高くなり( βが正)、473〜600nmの範囲では、吸光度が温度上昇とともに低くなる (βが負)ことである。イソベスチック(isobestic)(温度独立の) 点が473nmに存在し、極大が576nmと435nmにある。 波長の関数としての式(1)からαの値とβの値とのインプレッション(impre ssion)を得るために、26℃と52℃における吸光度スペクトルのみを用いてそ れらの値を計算した。(そうすると各波長ごとに、αとβを計算できる二つの式 を利用できる)。結果を第4図に示す。MPPのリーダーモジュールにおいて光 干渉フィルタを利用できる対象である関連する波長を第4図に垂直線(405、 450、492および540nm) として引いてある。それらの波長を使用できるだけであるという制約により、式 (2)におけるβ′の最大絶対値に対応する最高の温度感度が405および54 0nmを用いた時に得られることが明らかである。 温度の関数としてのln(A540/A405)値を計算し、式(2)からのα′と β′を最小二乗法的に線形回帰で計算した。結果を第5図に示す。回帰データは 下記の通りである。 α′=1.4939 (標準誤差は0.0108) β′=−0.03958 (標準誤差は0.00026) R2 =0.999 SterrYest=0.0093 二つの較正溶液の吸光度値を分光光度計で540nmと405nmにおいて読 み出した。求めた値を用い、式(2)とα′およびβ′について計算した値とを 使用して実際の温度を計算した。驚いたことに、計算した実際の温度は予測した 温度より数度高かった、すなわち、37.0℃を予測した場合は40.4℃で、 50.0℃を予測した場合は56.6℃であった。較正溶液について見積もった δpH/δT値に基づいて、(7.80−7.46)(40.4−56.6)= −0.021であ る。pH設定をそれぞれ7.87および7.60にした新しい溶液を調製した。 それらの新しい溶液についての分光光度計による吸光度測定により次の値が得ら れた。 50℃の較正溶液に対してA540=0.695AUおよびA405=1.138A U。 37℃の較正溶液に対してA540=0.997AUおよびA405=0.943A U。 式(2)とα′およびβ′について計算した値とを用いてそれらの溶液の実際 の温度を計算すると、値50.2℃と36.3℃がそれぞれ得られた。溶液のス ペクトルはそれらの温度におけるTRIS/クレゾールレッド溶液のスペクトル に非常に良く一致した。 明らかに、吸光度スペクトルも、pH以外に、溶液がTRISまたはHEPE S/リン酸塩を含んでいるかどうかによって僅かに影響を受ける。 3.MICROPLATE PROCESSOR 3000における測定 3.1 冷却挙動 37℃でのインキュベーションのために設定したMPPのイン キュベータモジュールで実験を4回行い、50℃でのインキュベーションのため に設定したインキュベータモジュールで実験を一回行った。 測定データに対して二次多項式を最小二乗法的に適用することにより、MPP のインキュベータモジュール内にマイクロプレートが静止している時の吸光度値 を見積もった。回帰データは二次多項式が冷却挙動のための良いモデルであるこ とを極めて良く示した。三次多項式を用いても改善は示されなかった。 回帰解析におけるSterrYest値はMPPのリーダーモジュールの測定確 度より十分下である。 全ての実験に対する回帰データを表1に見ることができ、吸光度値のいくつか の典型的な例を時間の関数として(測定およびモデル)第6図と第7図に示す。 3.2 確度および精度 この方法の確度を、インキュベータモジュール内のマイクロプレートのウェル中 の流体の計算した平均温度対実際の平均温度における誤差として定義する。精度 は温度の引き続く決定において得た変化量として定義される。 確度は下記のことに主として依存する。 − α′とβ′を決定する確度。 − TRIS/クレゾールレッド溶液および較正溶液の劣化。 − 吸光度−時間曲線(冷却)の記録のための時刻零の定義。 式(4)から温度Tを計算する時は、計算した温度の分散を Var(T)=[Var(ln(A540/A405))+Var(α″)+T2・ Var(β′)+2・T−Cov(α″,β′)]/β′2 (14) に従って計算できる。 確度は多数の絶対値の平均値に基づいているから、式(14)中のVar(l n(A540/A405))は無視できる。分光光度計での較正流体の絶対値測定の不 正確さを無視できると更に仮定すると、Var(α″)はVar(α′)に等し く、Cov(α″,β′)はCov(α′,β′)に等しい。そうすると式(1 4)は Var(T)=[Var(α′)+T2・Var(β′)+2T・Cov(α ′,β′)]/β′2 (15) になる。この方法の確度を決定するために式(15)を用いると、温度に依存す る0.3〜0.4℃の範囲内の標準誤差が与えられる。標準誤差は20℃で0. 31℃、37℃で0.37 ℃、50℃で0.43℃である。 溶液の劣化については調べなかった。明らかな劣化による影響が二カ月の期間 にわたるMPP実験において観察されなかったことを述べることができるだけで ある。 冷却曲線の時刻零の決定の不正確さにより、系統誤差が生ずることになる。そ の誤差は別の実施例においては、何回かの実験に基づいて時刻零を再び定めるこ とにより修正できる。 温度独立の、較正溶液用の、精度が非常に良く決定できる二つの較正溶液の1 :1混合液を用意し、二つのマイクロプレートの各ウェルに100μlずつ満た した。各プレートをMPPのリーダーモジュール内で540nmおよび405n mで読み出した。他のプレートを較正プレートとして用いて1枚のプレートのウ ェルの実際の温度を計算した。この実験を二回行った。最初の実験では、較正プ レートの全部で96個のウェルの吸光度値の平均を用いてα″を計算した。結果 に満足しなかったので、12個のウェルの行ごとにα″を計算する効果について 調べ、かつ計算した実際の温度に空間ローパスフィルタを適用する効果について 調べた。その結果を表2に示す。 表2の結果から、全部で96個のウェルの平均吸光度に基づいて、および12 個のウエルの各行の平均吸光度に基づいて計算されるα″の精度(標準誤差)に 劇的な差が存在することが明らかである。空間ローパスフィルタリングを適用す ることの最大の相対的な効果は、個々の各ウェルの吸光度値に基づいて計算され るα″に見られる。これは意味を持つ。その理由はその場合に各ウェルについて 計算した温度が四つの個々の吸光度値に基づいており、その結果としてMPPの リーダーモジュールからの光電ノイズおよび電子的ノイズの相対的な最大の影響 が加えられることになるからである。 それぞれ0.03℃および0.06℃の精度(標準誤差)に ローパスフィルタリングを行うことに対して得られる。 α″の計算方法に基づいた精度が違う理由が、MPPのリーダーモジュール内 にあることが見出された。種々の実験において用いた較正プレートの吸光度値に ついて調べると、ウェルの場所に関連が存在することがわかる。12個のウェル の行の平均吸光度値は行ごとに異なり、8個のウェルの列の平均吸光度値は列ご とに異なるが、全ての違いはリーダーモジュールの測 定確度内にあるようである。しかしより重要なことは行依存性は波長に依存する ようであるのに、列依存性は波長とは独立しているらしいことである。温度計算 のために行われているように、二つの波長における吸光度値の比をとると、列依 存性が自動的に補償されるが、行依存性は理論的には一層悪化することさえある 。表3はこの効果を示すデータを与える。12個のウェルの行ごとに、または個 々のウェルごとにα″を計算する時のみ、行依存性が同様に補償される。 3.3 温度決定 37℃でのインキュベーションのために設定したMPPのインキュベータモジュ ールで実験を四回行い、50℃でのインキュベーションのために設定したインキ ュベータモジュールで実験を1回行った。 全部で五回の実験において、較正マイクロプレートの48のウェル(列1から 列6)を37℃の較正流体で満たし、他の48のウェル(列7から列12)を5 0℃の較正流体で満たした。 残念ながら、個々のウェルごとに計算したα″での温度計算は、実験設定のた めに48のウェルについて行うことができる だけである。しかし、実験を行った時にα″の計算方法は重要な役割を演ずるこ とは予測されていなかった。その理由は、精度を決定するための実験が後の段階 で行われたためである。 結果を表4から表8に見ることができる。第8図から第13図に、五回の実験 におけるプレート上の温度分布を示す。それらの図は行ごとに計算されているα ″に対応する。表4から表8におけるデータからは空間ローパスフィルタリング の効果は明らかではない。第8図(空間ローパスフィルタリングなしの実験1) と第9図(空間ローパスフィルタリングを含む同じ実験)を比較することにより 効果は明らかである。第9図から第13図は空間ローパスフィルタリングを加え た結果を示す。 表6から表8における結果から、個々のウェルごとにα″を計算し、空間ロー パスフィルタリングを適用することにより最良の結果が得られることが明らかで ある。それはこの方法の精度を決定する実験に従ったものである。これは各較正 溶液のために十分なマイクロプレートを必要とすることを意味する。 4.考察 全ての温度決定実験はA1ウェル領域における平均よりいくら か温度が低いことを示している。その理由は加熱要素の機械的な構造によって非 常に良く説明できる。また、50℃実験において縁部効果を特に見ることができ る。またこれは加熱要素の機械的な構造によってひき起こされるようである。 この方法の確度を考慮に入れると、全部で五回の実験において計算した平均温 度は、インキュベータモジュールの設定したインキュベーション温度に非常に良 く従っていると述べることができる。4回の37℃実験における計算した平均温 度のばらつきはこの方法の確度に従ったものである。温度分布に関する限りは、 この方法の精度を考慮すると、37℃インキュベーションについてのどのような 不十分な性能も疑う理由は存在しない。50℃インキュベーションについては、 特にかなり低い温度がA1ウェル領域に見られるために、性能は疑問があると考 えることができる。したがって、本発明の方法の使用の効果を示す。 水が満たされているキュベットに対して分光光度計がブランクにされ、かつM PPのリーダーモジュールが空気に対してブランクにされているので、マイクロ プレート自体の吸光度のためにこの方法に誤差が生ずる。第三の(基準)波長で の吸光度 測定でMPPのリーダーモジュールにおけるすべての吸光度測定を修正すること は、十分に正確な操作方法である。しかし、使用している吸光度レベルでは効果 は不十分なだけであり、追加の測定を行ってもこの方法の精度は悪影響を受ける ことになる。その他に、温度計算でα′の代わりにα″を用いることにより、誤 差は既に部分的に修正されている。 5.結論 1℃より高い確度および0.1℃より高い精度という目的は達成された。この方 法の確度および精度は、インキュベータモジュールをその技術的仕様について試 験するために十分高いばかりでなく、全ての手段によってインキュベータの重大 な欠陥を検出するためには十分である。 この方法は実施が簡単である。特に、Microplate Process or 3000における処理ルーチンおよび計算ルーチンの利用可能性を含めて 、商用製品に組み込まれると、インキュベータモジュールの性能検査のための実 施が容易で独特の方法を顧客は入手できるであろう。 参考文献 表および図面 表1 冷却中の吸光度値に対する回帰データ。 表2 較正プレートの実際の温度決定。 表3 較正プレートで測定したリーダーモジュールの行・列依存性。 表4 プレートごとにa"を計算したプレートの全数についての温度決定。 表5 行ごとにa"を計算したプレートの全数についての温度決定。 表6 プレートごとにa"を計算したプレートの半数についての温度決定。 表7 行ごとにa"を計算したプレートの半数についての温度決定。 表8 ウェルごとにa"を計算したプレートの半数についての温度決定。 第1図A 二次元線形回帰による空間ローパスフスルタリング。 第1図B 二次元線形回帰による空間ローパスフスルタリング。 第2図 0.1mol/L TRIS緩衝剤のpH−温度関係。 第3図 種々の温度におけるTRIS/クレゾールレッド溶液の吸光度スペクト ル。 第4図 αおよびβの波長依存性。 第5図 TRIS/クレゾールレッド溶液についての温度の関数としてのIn( A540/A405)。 第6図 37℃インキュベーションについての時間の関数としての吸光度。 第7図 50℃インキュベーションについての時間の関数としての吸光度。 第8図 空間ローパスフィルタリングなしの実験1の温度分布。 第9図 空間ローパスフィルタリングを含む実験1の温度分布。 第10図 空間ローパスフィルタリングを含む実験2の温度分布。 第11図 空間ローパスフィルタリングを含む実験3の温度分布。 第12図 空間ローパスフィルタリングを含む実験4の温度分布。 第13図 空間ローパスフィルタリングを含む実験5の温度分布。 略字 A 吸光度 AU 吸光度単位 Cov() 共変数 δA/δT 感度、温度による吸光度の変化 GLP 良好な研究所の慣行 HCl 塩酸 λ 波長 LAN ローカル・エリア・ネットワーク MPP Microplate Processor 3000 NEN Nederlandse Eenheids Norm(Du tch Standard Norm) PC パーソナルコンピュータ pH 酸度、Log(H3+活動度) R2 相関係数 RS−232 直列通信規格 sec 秒 Sterr 標準誤差 SterrYest Yの想定標準誤差 T 温度℃ TRIS トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン Var0() 分散
───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.多数の試料をある定められた温度で同時にイキュベートするため(たとえ ば、マイクロタイタプレートをイキュベートするため)に適当であり、かつ希望 により、たとえば、多数のマイクロタイタプレート内で、多数の同時検定で多数 の試料を検定するための自動化システムに含まれているインキュベータモジュー ルの性能をモニタする方法であって、 1)少なくとも二つの異なる波長λ1およびλ2における温度依存溶液の吸光度 を光度計(phot2)で測定し、温度依存溶液の吸光度をインキュベーション の場所とは異なる場所で、インキュベーションの後の時刻に決定し、前記温度依 存溶液は温度に依存するpHを持つ緩衝剤とpHに結び付けられた吸光度スペク トルを持つ酸をベースとする指示薬とを含み、δA/δTが、一つの波長に対し て正で、他の波長に対して負であるように前記波長を選択し、前記測定により吸 光度値Atest,phot2, λ1とAtest,phot2, λ2が得られ、Atest,phot2, λ1は、波 長λ1における温度依存溶液(test)について光度計(phot2)で決定 した吸光度(A)を示し、 Atest,phot2, λ2は、波長λ2における温度依存溶液(test)について光度 計(phot2)で決定した吸光度(A)を示すステップと、 2)ステップ1)におけるデータをデータファイルに保存するステップと、 3)ステップ1)の二つの波長λ1およびλ2に対する温度独立の較正溶液の吸 光度を光度計(phot2)で測定し、温度独立の前記較正溶液は定められた温 度における温度依存溶液の吸光度スペクトルと同じ吸光度スペクトルを示し、前 記測定により吸光度値Acal,phot2, λ1とAcal,phot2, λ2が得られ、Acal,phot 2, λ1 は、波長λ1における温度独立の較正溶液(cal)について光度計(p hot2)で決定した吸光度(A)を示し、Acal,phot2, λ2は、波長λ2にお ける温度独立の較正溶液(cal)について光度計(phot2)で決定した吸 光度(A)を示すステップと、 4)ステップ3)におけるデータをデータファイルに保存するステップと、 5)保存したデータと式 ln(Atest,phot2, λ1/Atest,phot2, λ2)=α″ + β′T を用いて温度依存溶液の実際の温度Tを計算し、α″=α′−ln(Acal,ph ot1, λ1 /Acal,phot1, λ2)+α′ln(Acal,phot2, λ1/Acal,phot2, λ2) で、α′-ln(Acal,photl, λ1/Acal,phot1, λ2)の値は、あらかじめ決め おくか、あるいはステップ1)の、二つの波長λ1およびλ2に対して温度独立 の較正溶液を他の光度計(phot1)で吸光度を測定することにより得ること ができ、それによりAcal,phot1, λ1とAcal,phot1, λ2を得、Acal,phot1, λ1 は、波長λ1における温度独立の較正溶液(ca1)について他の光度計(ph ot1)で決定した吸光度(A)を示し、Acal,phot1, λ2は、波長λ2におけ る温度独立の較正溶液(cal)について他の光度計(phot1)で決定した 吸光度(A)を示し、そのステップ5)データをデータファイルに保存し、かつ 、温度依存溶液についてステップ1)の異なる二つの波長λ1およびλ2に対し て吸光度および温度を他の光度計(phot1)で測定することにより、既知の 温度における吸光度値Atest,phot1, λ1とAtest,photl, λ2を式In(Aλ1/ Aλ2)=α′+β′Tを用いて、α′と β′を計算することにより得て、このデータをデータファイルに保持するステッ プと、 6)モジュール内でインキュベートされている温度依存溶液の修正した温度およ び修正した温度分布を確かめるために、モジュールが設定されている定められた 温度と比較するステップ を備えるインキュベータモジュールの性能をモニタする方法。 2.計算手段を用いて、光度計(phot2)で決定した吸光度をインキュベ ーションおよび吸光度測定の場所間に起こる冷却作用について修正する請求の範 囲第1項に記載の方法。 3.温度独立の較正溶液が満たされている第一のマイクロプレートを光度計( phot2)まで輸送し、二つの波長λ1とλ2で吸光度を読み出し、測定デー タをデータファイルに保存し、除去するために出力モジュールにそのマイクロプ レートを取り付け、温度依存溶液を含んでいる第二のマイクロプレートをインキ ュベータモジュールに取り付け、インキュベータモジュールの設定に従った定め られた温度でインキュベートし、インキュベーションが終わったらそのマイクロ プレートを光度計(phot2)まで輸送し、そこで二つの波長λ1とλ2で、 好ましくはソフトウエア・タイマにより制御される時間間隔で 吸光度を何回も読み出し、全てのデータをデータファイルに保存する請求の範囲 第1項または第2項に記載の方法。 4.インキュベーションの終了と光度計(phot2)における最初の読出し との間の時間間隔ができるだけ短く、それはマイクロプレートをインキュベータ モジュールから光度計(phot2)まで輸送するために要する時間により制限 され、前記時間間隔は45秒より短いことが好ましく、25〜35秒が適当であ る請求の範囲第3項に記載の方法。 5.光度計(phot2)における吸光度測定の間の時間間隔が、二つの波長 λ1とλ2において吸光度を測定するために要する時間の長さと、データをファ イルに保存するために要する時間の長さとにより決定され、前記時間間隔は一般 に25秒より長く、好ましくは45秒より短く、30秒が適当である請求の範囲 第3項または第4項に記載の方法。 6.回帰係数R2が0.98に等しいか、それより大きいように、冷却のパタ ーンに適合する数学関数に基づいて、光度計(phot2)からの吸光度データ に基づいて決定した温度を、インキュベータモジュールから前記光度計への輸送 の間に起きる冷却に対して計算手段を用いて修正する請求の範囲第1項か ら第5項のいずれか一項に記載の方法。 7.時間に対する吸光度についての関数を、光度計(phot2)で得た吸光 度測定データに最小二乗的に適合可能にして、インキュベータモジュールから温 度依存溶液を取る時すなわち時刻零にインキュベータモジュール内の実際の吸光 度の計算を可能にし、それにより時刻零におけるインキュベータモジュール内の 実際の温度の以後の計算を可能にする計算手段を用いる請求の範囲第1項から第 6項のいずれか一項に記載の方法。 8.関数がn次であって、時間に対する吸光度の関係について、A(t)=a +bt+ct2に類似の二次多項式が適当であり、この式でa、b、およびcは 定数であり、aはt=0、すなわち、光度計(phot2)まで輸送するために 除去すべきインキュベータモジュールから温度依存溶液が取り出された時刻にお ける吸光度である請求の範囲第7項に記載の方法。 9.光度計(phot2)の不正確さに起因する温度分布中の高周波成分を除 去するために計算手段をまた用いる請求の範囲第1項から第8項のいずれか一項 に記載の方法。 10.二次元ローパスフィルタを用いてフィルタリングを行う請求の範囲9に 記載の方法。 11.インキュベータモジュールの温度の計算で、二次元線形モデルを、試料 のマトリックスの一部分の温度データに最小二乗法でフィットさせることにより 、すなわち、たとえばマイクロプレートについての9個のウェルの正方形ブロッ クにおける二次線形回帰により、たとえばマイクロタイタプレートの多数の試料 の間の相互作用の影響をインキュベータモジュールの温度の計算において考慮に 入れる請求の範囲第1項から第10項のいずれか一項に記載の方法。 12.線形モデルを最小二乗法でフィットさせることによる、すなわち、たと えばマイクロプレートについての9個のウェルの正方形ブロックにおける二次線 形回帰による、インキュベータモジュールの温度の計算が、フィルタリング後の 温度を、たとえば、 TfiltD6=f1・TC5+f2・TC6+f3・TC7+f4・TD5+f5・TD6+f6・TD7 +f7・TE5+f8・TE6+f9・TE7 (8) として表すことを含み、ここで、C,D,Eは正方形ブロックの行の名称を表し 、5、6および7は正方形ブロックの行の名称を表し、f1からf9は計算でき る定数である請求の範囲第 11項に記載の方法。 13.計算に モデル:Tfilt=a・rownumber+b・columnnumber+ c (9) (a、bおよびcは定数) を使用し、最小二乗法で最小にすると最小化関数F、 F=Σ(Tfilt(Welli)−T(welli))2(i=1〜9) (10) が得られ、 − マイクロプレートの縁部にないウェルについてはfi=1/9、 − マイクロプレートの縁部にあるが、隅にないウェルについてはf4=f5=f6 =2/18およびf7=f8=f9=−1/18で、 TfiltA6=f1・TA5+f2・TA6+f3・TA7+f4・TB5+f5・TB6+f6・TB7 +f7・TC5+f8・TC6+f9・TC7 (11) − 隅にあるウェルについてはf1=8/18、f2=f3=5/18、f4=f5 =f6=2/18、f7=−1/18、f8 =−1/18およびf9=−4/18で、 TfiltA1=f1・TA1+f2・TA2+f3・TB1+f4・TA3+f5・TB2+f6・ TC1+f7・TB3+f8・TC2+f9・TC3 (12) が成立する請求の範囲第12項に記載の方法。 14.温度依存溶液の緩衝系が、好ましくは少なくとも絶対値0.02pH単 位/℃である大きいδpH/δTを持つ請求の範囲第1項から第13項のいずれ か一項に記載の方法。 15.温度依存溶液が大きいδA/δpH値を示し、大きさは少なくとも精度 が0.1℃で、確度が少なくとも0.5℃、好ましくは0.3℃となるのに十分 である請求の範囲第1項から第14項のいずれか一項に記載の方法。 16.温度依存溶液と、温度独立の較正溶液とへの指示薬の溶解度が、測定可 能で信頼できる吸光度値、好ましくは、定められた温度および波長λ1およびλ 2において0.5〜1.5AUの間の吸光度値を確保できるために十分である請 求の範囲第1項から第15項のいずれか一項に記載の方法。 17.光度計(phot1)と光度計(phot2)で使用する温度依存溶液 中および温度独立の較正溶液中の酸をベース とする指示薬の濃度が、二つの光度計内部の試料を通る光路の長さの比が濃度比 と同一である請求の範囲第1項から第16項のいずれか一項に記載の方法。 18.少なくとも、定められた温度で波長λ1およびλ2において0.5AU より高い吸光度を少なくとも示し、かつ温度に依存するpHを持つ緩衝系とpH に結び付けられた吸光度スペクトルを有する酸をベースとする指示薬とを含む温 度依存溶液を含んでいる容器と、定められた温度における温度依存溶液の吸光度 スペクトルと同一の吸光度スペクトルを示し、かつ温度依存溶液の組成にできる だけ近い組成を有することが好ましい少なくとも一つの、前記温度独立の較正溶 液を含む容器とを備える請求の範囲第1項から第17項のいずれか一項に記載の 方法を実施するのに適したキット。 19.溶液のpHが、 a)測定を行う、好ましくは20〜60℃の範囲内である所望の温度範囲内であ る定められた温度において、温度依存溶液の緩衝系の動作範囲内にあり、 b)測定を行う定められた温度において、酸をベースとする指示薬の指示範囲内 にあり、 c)その結果、二つの波長λ1およびλ2における吸光度が、指定した範囲の中 間の温度において相互にできるだけ近くなり、 d)好ましくはCO2吸収を阻止するためにできるだけ低くなる、 請求の範囲第18項に記載のキット。 20.いくつかの定められた温度について、多数の温度独立の較正溶液を備え 、温度独立の較正溶液の吸光度スペクトルが定められた温度における温度依存溶 液の吸光度スペクトルに等しくなるように、各温度独立の較正溶液のpHが選択 される請求の範囲第19項に記載のキット。 21.温度依存緩衝剤がクエン酸、酒石酸塩、フタル酸塩、リン酸塩、トリス (ヒドロキシルメチル)アミノメタン、ホウ砂および重炭酸ナトリウム、好まし くはトリス(ヒドロキシルメチル)アミノメタンの水溶液を含む請求の範囲第1 8項から第20項のいずれか一項に記載のキット。 22.酸をベースとする指示薬がクレゾールレッドであって、溶解可能な形で 存在する請求の範囲第18項から第21項のいずれか一項に記載のキット。 23.温度独立の較正溶液がHEPES、リン酸塩、および クレゾールレッド溶液を含み、かつ好ましくは更に、緩衝剤としてトリス(ヒド ロキシルメチル)アミノメタンを含み、酸をベースとする指示薬としてクレゾー ルレッド溶液を含む、温度依存溶液と同一である請求の範囲第18項から第22 項のいずれか一項に記載のキット。 24.前記容器が、アジ化物および好ましくはシンナムアルデヒドおよび硫化 ゲンタミシンなどの、微生物による劣化に対する薬剤を更に含む請求の範囲第1 8項から第23項のいずれか一項に記載のキット。 25.いくつかの異なる定められた温度でインキュベータモジュールの温度分 散を決定するために、前記方法または前記キットが異なる温度の数に等しい数の 温度独立の較正溶液を要する請求の範囲第1項から第24項のいずれか一項に記 載の方法またはキットの使用。 26.自動化した多数試料システムが正常に動作している時にそのシステムの インキュベータモジュールの温度分散を決定するための請求の範囲第1項から第 24項のいずれか一項に記載の方法またはキットの使用。
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