JPH10501862A - 液体循環システムを備えた回転式容積圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 好ましくはスクリュー・ロータ型である回転式容積圧縮機において、液体噴射装置（１５）を持つ第一液体循環回路及び圧縮機の出口チャンネル（１４）における液体分離器（１６）が設けられている。ポンプ（２０）を含む第二液体循環回路が軸受（９，１０）を潤滑するために設けられており、その回路は第一回路より低い圧力レベルで操作される。それにより、軸受（９，１０）に供給された液体の中に溶解している圧縮ガス量はその液体、通常は油、の潤滑能力が維持されるような低圧に保持される。本発明によれば、圧縮機の作用空間（３）の高圧端部を第二回路の液体タンク（２６）と結ぶ漏出接続部（３１）が存在し、そしてドレーン接続部（３２）を介してそのタンク（２６）はより低い圧力で圧縮機作用空間（３）と連通している。ドレーン接続部（３２）を介して第二回路の圧力はそのより低い圧力に対応し、そしてそれから二つの接続部（３１，３２）を介して第二回路の液体の量が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】 液体循環システムを備えた回転式容積圧縮機 本発明は請求の範囲第１項の前文により特定される種類の回転式容積圧縮機に 関するものである。 この種の圧縮機の作用空間の中へ潤滑、密封、及び冷却用の液体、通常は油を 噴射することは、特にスクリュー圧縮機において広く使用されている。この油噴 射のために、そして軸受潤滑のために別々の回路を使用することは、圧縮機が高 圧で、そして油中に溶解することのできる作用媒体で運転される時、有利である 。油の圧力が高いほど、作用媒体は多く油の中に溶解する。油の中に溶解した作 用媒体は油の粘性とそれに伴うその潤滑能力を低下させる。軸受潤滑のための分 離回路の提供は圧縮機出口圧力が支配する油分離器から油を取り出す時よりも低 い圧力を軸受潤滑のために使用することを可能にする。それにより上記の問題は 避けられる。そのようなシステムは早くから、例えば英国特許ＧＢ−Ａ−２００ ８６８４や米国特許ＵＳ−Ａ−４３９４１１３から知られている。 英国特許ＧＢ−Ａ−２００８６８４は油分離器の中の油の部分が絞られ、そし てより低い圧力で第二油分離器へ導かれる油噴射回転スクリュー圧縮機を開示し ている。この第二分離器から油は軸受へポンプで圧送され、その 軸受から油はポンプへ戻って行く。この配置は臨時の油分離器とその分離器の中 の作用媒体のための循環回路を必要とし、したがって幾分回りくどい。 米国特許ＵＳ−Ａ−４３９４１１３は油分離器を含む主油循環回路と油タンク を含む第二油循環回路を持つ回転スクリュー圧縮機を開示しており、その第二の 回路はより低い圧力で操作され、軸受を潤滑する役目を持つ。油は一方の回路か ら他方の回路へ漏出するので、第二回路の中に適当量の油を維持するための装置 が備えられる。これらの装置は油分離器と油タンクを結ぶ流路を含み、その流路 は油タンク内の油面センサーにより制御されるソレノイド弁を備えている。この センサーはまたタンク内の過剰油を圧縮機入口へ抜き出すための流路の中の別の 弁を制御する。これらの制御装置は圧縮機を複雑にする。 本発明の目的はこの種の問題を持つ圧縮機に単純で信頼性のある二重液循環シ ステムを備えさせることである。 本発明によれば、これは、請求の範囲第１項の全文により特定されるような圧 縮機がその請求の範囲の特徴記述部分で特定される特徴を備えることにより達成 される。 タンクをドレーン接続部を介して或程度の中間圧力が支配する作用空間に接続 することにより、タンク内の油はその圧力の支配を受ける。漏出接続部を経由し て少量の油が軸受潤滑回路内に十分の量の油を確保するために圧縮機の高圧側か らタンクへ漏出し、また、ドレーン接 続部を経由してその回路内の過剰油が作用空間へ戻る。これらの接続部はかくし て適当な油の体積が軸受潤滑回路内に維持されるようにそのシステムを調整する 。 圧縮機は好ましくはスクリュー圧縮機である。好ましくは第一空洞は圧縮機の 出口圧力であり、第二空洞は入口圧力より少し高い中間圧力である。本発明の有 利な実施例において、漏出接続部はロータの高圧軸ジャーナルの周囲の隙間によ り構成される。 本発明の他の有利な実施例は請求の範囲の従属項において特定される。 本発明をさらに、以下の好ましい実施例による詳細な説明を用いて、かつ、本 発明による圧縮機を概念的に図示する添付図面を参照して説明する。 図面の中の圧縮機１はバレル部分４、入口端部５及び出口端部６により限定さ れる作用空間３の中で雌ロータ（図示せず）と噛み合う雄ロータ２を持つ回転ス クリュー圧縮機である。雄ロータはエンジンとの駆動接続のため低圧端部５を貫 通する軸ジャーナル７を持つ。反対側に別の軸ジャーナル８が出口端部６の中に 伸び出している。各軸ジャーナルは軸受９及び１０にそれぞれ取り付けられてい る。圧縮機は入口ポート１１を介して低圧でガスを受け入れ、そして圧縮された ガスは出口チャンネル１４に接続する出口ポート１２を介して送り出される。 圧縮機は油噴射タイプであり、このタイプでは冷却、潤滑及び密封の目的のた めの油が油噴射ポート１５によ り噴射される。出口チャンネル１４においては、油分離器１６が備えられており 、その油分離器においては、油が圧縮ガスから分離し、圧力油流路１８及び噴射 ポート１５を経由して作用空間３に循環し、そして油を除去されたガスは吐出チ ャンネル１７を経由して分離器を離れ去る。 第二の油回路は各軸ジャーナル７，８における軸受９，１０を潤滑するために 設けられる。その回路において循環ポンプ２０は流路２１及び枝流路２２，２３ を介して軸受９，１０へ油を圧送し、その軸受から油は出口端部６に設けられた 油タンク２６へ落ちていく。出口端部自身はそのタンクの一部を構成する。入口 端部５における軸受９からの排出は抜き出し流路２５を経由して達成され、出口 端部６における軸受１０からの排出は直接この部分の内側を通って達成される。 出口端部における軸ジャーナル８の間の隙間は漏出通路３１を構成し、その漏出 通路を経由して油は圧縮機の高圧端から出口端部６、すなわち油タンク２６の中 へ漏出することができる。そしてドレーン接続部３２を介してタンク２６は圧縮 機の作用空間に連通し、その接続部の端部は圧力が圧縮機出口端圧力より低い、 好ましくは入口圧力より少し高い作用空間に接続しており、その接続部圧力はか くして油タンク２６に及ぶ。同じ圧力はまた入口端部５にも及ぶ。 潤滑油は循環ポンプ２０によりタンク２６から吸い出され、そのポンプは油を フィルター２９、流路２１並び に枝流路２２及び２３を経由して軸受９，１０へ送り出すに十分な圧力を発生さ せる。軸受潤滑回路における比較的低い圧力により、油中に溶解した作用媒体の 量は適度であり、油の潤滑能力は十分維持される。 油噴射回路からの油は軸ジャーナル８に沿って圧縮機作用空間の高圧端部から 出口端部６へ漏出することが可能であるため、十分の油が潤滑回路に存在する。 その回路における過剰の油はすべてドレーン接続部３２を介して作用空間へ返流 する。過剰油は圧縮サイクルの初期の段階においてその作用空間に導入される。 上記のようにして、軸受潤滑回路と油噴射回路は異なる圧力レベルで操作され 、軸受潤滑油用には比較的低い圧力を可能にする。そして両回路の間の油の少量 の交換が行われ、それにより潤滑回路内の油量は単純で信頼性のある方法で制御 される。潤滑回路内の油は噴射回路内の油よりも高程度に粒子の含有を避けなけ ればならず、そして細かいメッシュの高品質フィルターにより濾過されるが、こ れに対して油噴射回路内のフィルター３０はより単純な種類とすることができる 。したがって、高品質フィルター２９は油がすべて高度に濾過されなければなら ない普通のシステムで要求されるものに比べて比較的小さい量の粒子を処理する ような寸法とすることができる。本発明によるシステムにおけるこのフィルター ２９の前後のより低い圧力差のため、この点でもフィルターの必要性はより低く 、より安価なフィルターを用いる ことを可能にする。 図示の実施例において、軸受潤滑回路はまた油を駆動軸の軸封部３３に供給す るためにも使用され、その軸封部へは油は枝流路２４を介して供給されて流路３ ５を介して返流する。圧縮機はまた軸推力釣合ピストンを備えており、油は油分 離器１６から圧力油枝流路３６を介してその軸推力釣合ピストンへ供給され、そ して軸推力釣合ピストン３４を通過する漏出油量はドレーン流路３７を介して潤 滑システムの油タンク２６へ排出される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．入口（１３）及び出口（１４）チャンネル手段を持ち、軸受（９，１０） に取り付けられた少なくとも１個のロータ（２）を持ち、そして作用空間（３） 内で作用を起こす回転式容積圧縮機であって、 −液体を前記作用空間（３）内に噴射するための液体噴射手段（１５）、 −圧縮ガスから液体を分離するための前記出口チャンネル手段（１４）内の 液体分離手段（１６）、 −前記液体分離手段（１６）と前記液体噴射手段（１５）とを結ぶ圧力液体 流路手段（１８）、及び −液体タンク手段（２６）、ポンプ手段（２０）、液体を前記ポンプ手段（ ２０）から前記軸受（９，１０）に供給するための供給流路手段（２１）、液体 を前記軸受（９，１０）から前記タンク手段（２６）へ抜き出すための抜出し流 路手段（２５）、そして液体を前記タンク手段（２６）から前記ポンプ手段に供 給するためのポンプ入口流路手段（２７）を含む軸受潤滑手段、 を備えた回転式容積圧縮機において、 漏出接続部（３１）が前記タンク手段（２６）と前記作用空間（３）の中の 第一空洞を結び、ドレーン接続部（３２）が前記タンク手段（２６）と前記作用 空間（３）の中の第二空洞を結び、そして前記第一空洞は前記第二空洞より高い 圧力を持つこと を特徴とする液体循環システムを備えた回転式容積 圧縮機。 ２．２個の噛み合うスクリュー・ロータ（２）を持つスクリュー圧縮機である ことを特徴とする請求の範囲第１項に記載の圧縮機。 ３．前記第一空洞は圧縮機出口端圧力であり、そして前記第二空洞は圧縮機入 口圧力より少し高い圧力であることを特徴とする請求の範囲第２項に記載の圧縮 機。 ４．前記漏出接続部（３１）は圧縮機の高圧端部においてロータ軸ジャーナル （８）の周囲の隙間により構成され、そして前記ドレーン接続部（３２）は前記 漏出接続部（３１）より低い圧力レベルで前記タンク手段（２６）と連通してい ることを特徴とする請求の範囲第３項に記載の圧縮機。 ５．前記供給流路手段（２１）は第一フィルター手段（２９）を備え、前記圧 力液体流路手段（１５）は第二フィルター手段（３０）を備え、そして前記第一 フィルター手段（２９）は前記第二フィルター手段（３０）より小さい粒子を分 離することができることを特徴とする請求の範囲第１項から第４項までの何れか 一項に記載の圧縮機。 ６．軸受に達する液体と実質的に同じ圧力の液体の供給を要する別の手段（３ ３）を有しており、枝流路手段（２４）が前記別の手段（３３）を前記供給流路 （２１）と結んでいることを特徴とする請求の範囲第１項から第４項までの何れ か一項に記載の圧縮機。 ７．軸受に達する液体より高い圧力の液体の供給を要する付加的圧力要求手段 （３４）を有しており、圧力液体枝流路手段（３６）が前記圧力要求手段（３４ ）を前記圧力液体流路手段（１８）と結び、そして液体ドレーン流路手段（３７ ）が前記圧力要求手段（３４）を前記タンク手段（２６）と結んでいることを特 徴とする請求の範囲第１項から第４項までの何れか一項に記載の圧縮機。