JPH10501655A - 陰極線管及び陰極線管用偏向ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 少なくとも１個の電子ビームを発生するための電子銃と、表示スクリーンを横切って前記の電子ビームを偏向するための偏向ユニットとを具えている陰極線管である。前記の偏向ユニットはコイル保持器（42）の内側の第１装置と鞍形状の偏向コイルからできた第２装置（43）とを具えている。前記の偏向コイル装置は相互に対して柔軟に配設された接続片（41，51，63，64）を介して相互接続されているので、偏向コイル装置の間の熱膨張の差が電子ビームの偏向に少ししか影響を有しない。

Description

【発明の詳細な説明】 陰極線管及び陰極線管用偏向ユニット 本発明は、排気された容器内に、少なくとも１個の電子ビームを発生するため の手段と表示スクリーンとを具えている陰極線管に関するもので、前記の陰極線 管はその表示スクリーンを横切って電子ビームを偏向するための偏向ユニットを 設けられており、且つ前記の偏向ユニットは少なくとも１個の鞍形状の偏向コイ ルの装置を具えている。 本発明は陰極線管用偏向ユニットにも関係している。 そのような陰極線管は、なかんずく、テレビジョン受信機、コンピュータ等の ために用いられる。 冒頭部分に記載した種類の陰極線管は周知である。前記陰極線管の動作中に、 電子ビームが偏向ユニットにより表示スクリーンを横切って偏向される。 その陰極線管の動作中に、陰極線管の温度と偏向ユニットの温度とが、なかん ずく、熱が偏向コイル内で発生されると言う事実の結果として増大する。これが コイルの位置を、互いに対してと陰極線管の残りに対してとの双方又はいずれか 一方に対して変えさせる。この位置の変化が電子ビームの偏向に影響を有する。 冒頭部分に記載した種類の陰極線管と陰極線管用偏向ユニットとを提供するこ とが本発明の目的であり、それが電子ビームの偏向への陰極線管の温度の上昇の 影響が低減されることを保証する。 この目的は、冒頭部分に記載された種類の陰極線管による本発明の第１態様に 従って達成され、それは鞍形状の偏向コイルの第１及び第２装置を具え、且つそ れは本発明に従って偏向コイル装置が相互に対して柔軟に配置された接続片を介 して相互接続されたことを特徴としている。 本発明の第２の態様によると、鞍形状の偏向コイルと偏向コイル保持器との装 置を具えている冒頭部分に記載された種類の陰極線は、本発明に従って、偏向コ イル装置と偏向コイル保持器とが相互に対して柔軟に配設された接続片を介して 相互接続されていることを特徴としている。 周知の偏向ユニットにおいては、鞍形状のコイルが硬いコイル保持器上に取り 付けられている。前記のコイル保持器は固く、多少とも漏斗形状の、合成樹脂本 体で構成されている。このコイル保持器が上に偏向コイルとあらゆる他の構成要 素とが設けられる偏向ユニットの支持器を形成している。偏向コイルは、しばし ば漏斗形状のコイル保持器の内側と外側とに固定される。温度の上昇が偏向コイ ルと保持器とを膨張させる。これが相互に対する偏向コイルの位置の変化になり 得る。これが電子ビームの偏向に良くない影響を有する。 本発明による陰極線管、又は本発明による陰極線管用偏向ユニットは、相互に 対して柔軟に配設された接続片を介して相互接続された鞍形状の偏向コイル装置 を具え、あるいは、鞍形状の偏向コイルの唯一の装置が有る場合には、前記の装 置とコイル保持器とが相互に対して柔軟に配設された接続片により相互接続され ている。前記の切続片の柔軟な配設のおかげで、コイル装置とコイル保持器との 熱膨張係数の間の差が陰極線管の使用の間に対して補償される。結果として、コ イル装置は相互に対して整列されたままである。既知の構造以上の利点は、前記 の既知の構造には（金属、主に銅で圧倒的に構成される）コイルと一般に合成樹 脂で作られるコイル保持器との間の熱膨張のかなり大きい差があり、一方本発明 による陰極線管においては、相互に対して接続片の柔軟な配設によって、熱膨張 でのこの差がほとんど役を演じないか又は多分全く演じないと言う事実により起 こされる。双方のコイル装置は、それらが一緒に延びて熱膨張に関しては完全な 部分を構成するような方法で相互接続される。周知の偏向ユニットにおいては、 コイル装置がコイル保持器により分離され、且つコイルの熱膨張値の間に関係が 無い。 偏向ユニットは好適には、偏向コイルの第１装置を内側に設けられ、偏向コイ ルの第２装置を外側に設けられたコイル保持器を具え、且つ接続片は柔軟な接続 を介してコイル保持器へ接続されている。前記の柔軟な接続は保持器とコイル組 立品との間の膨張の差を補償する。 一実施例においては、接続片が相互から幾らかの距離でｚ軸に沿って配置され た接続片の第１組及び第２組を具え、第１組と第２組との間の接続はコイルのみ により形成されている。この実施例においては、コイルは前記の接続片により相 互接続され、前記のコイルが自己支持する完全な部分を形成し且つ従って偏向ユ ニットの支持部分を構成する。これらの実施例においては、コイル保持器の主な 機能は双方のコイル装置の組立品により引き継がれる。 本発明のこれらの態様が以下に記載される実施例から明らかにされ、本発明の その他の態様が以下に記載される実施例を参照して説明されるであろう。 図において、 図１は陰極線管の断面図であり、 図２は偏向ユニットを具えている陰極線管の周知の構造の図式的な断面図であ り、 図３は周知のコイル保持器の、非常に単純化された斜視図であり、 図4A及び4Bは本発明による偏向ユニットの詳細を示し、 図5A，5B及び6A，6Bは本発明による偏向ユニットの別の実施例の詳細を示して いる。 これらの図は比例尺では描かれていない。図において類似の参照番号は一般に 類似の部分を参照させる。 カラー陰極線管１は表示窓３、円錐部分４及び頸部５を具えている排気された 容器２を有している。前記の頸部５内に３個の電子ビーム７，８及び９を発生す るための電子銃６が設けられている。表示スクリーン10が表示窓の内側に置かれ ている。前記の表示スクリーン10は赤、緑及び青で発光する発光体素子でできた 発光体パターンを具えている。表示スクリーンへの路上で、電子ビーム７，８及 び９は偏向ユニット11によって表示スクリーン10を横切って偏向され、表示窓３ の前方に配置され且つ開口部13を有する薄板を具えているカラー選択電極12を通 過する。このカラー選択電極は懸架手段14によって表示窓体に懸架されている。 前記の３個の電子ビームはシャドーマスクの開口部を通過し且つ各電子ビームが 唯一のカラーの発光体素子に衝突する。 図２は偏向ユニット11を具えている周知の構造の陰極線管の図式的な断面図で ある。前記の偏向ユニットは、前端部分19と後端部分20とを有する電気的絶縁材 料（しばしば合成樹脂）でできたコイル保持器18を具えている。前記の両端部の 間で、コイル保持器の内側に、水平（ライン）偏向において電子銃６により発生 される電子ビームを偏向させるための（ライン）偏向磁界を発生するためのライ ン偏向コイル装置21があり、且つ垂直方向での（フィールド）偏向磁界を発生す るためのフィールド偏向コイル装置22は、そのコイル保持器の外側に置かれてい る。各コイル装置は一般に２個の補助コイルを具えている。 双方のコイル装置がコイル保持器へ取り付けられる。陰極線管の動作中に、そ れの温度及び、特に偏向ユニットの温度が増大する。それらのコイル装置はコイ ル保持器へ（例えば接着剤によって又は鉤によって）取り付けられている。コイ ル保持キャリアとコイルとの間の熱膨張の差が、ライン偏向コイル装置21の位置 とフィールド偏向コイル装置22の位置とに相互に対する変化を生じさせ、コイル 装置21，22とコイル保持器18との間に熱応力を引き起こす。これらの結果が偏向 磁界の質に良くない影響を有する。 図３は補助コイル32を有する周知のコイル保持器31の非常に単純化された斜視 図である。この場合には、前記の補助コイルが鉤33によってコイル保持器へ取り 付けられている。 図4Aは本発明による偏向ユニット用のコイル保持器の斜視図である。接続片41 がばねによってコイル保持器42へ柔軟に取り付けられている。図4Bおにいては、 図4Aに示されたコイル保持器がコイル43を設けられている。２個のコイル43がコ イル保持器42の外側へ接続片41を介して取り付けられるコイル装置を形成する。 このコイル保持器は（図示しない）２個のコイルをも内側に設けられ、それらの コイルは接続片41へ取り付けられる。これらのコイル装置は、例えば、接着剤に よって接続片へ取り付けられる。温度が増大した場合に、これらのコイル装置は 互いに対してとコイル保持器に対してと同時に延び得る。従って、相互に対する コイル装置の位置は変化しない。この実施例においてはコイル保持器がまだ用い られている。この実施例においては、２個のコイル装置がコイル保持器へ取り付 けられる。代わりの実施例においては、一方のコイル装置、例えば図4Bに示され たコイル43により形成されたコイル装置がコイル保持器へ取り付けられ得るけれ ども、他方のコイル装置はいわゆる環状コイル装置であり、すなわち２個のコイ ルが磁心の周りに巻かれるので、コイルを具えているその磁心はリングのような コイル43の周りに配設される。そのような実施例の利点は、コイル43がコイル保 持器に対して柔軟に配置されているので、コイル保持器とコイル43との間の熱応 力が防がれる。 図5A及び5Bは本発明による偏向ユニット用のコイル保持器の別の実施例を示し ている。この例はコイル保持器のスケルトン構造を多少とも表現している。この 例においては、接続片51が中に膨張ベンド53が形成された合成樹脂ストリップ52 により相互接続されて、それが接続片が相互に対して動き得ることを保証する。 図5Aはコイル無しで保持器を示しており、図5Bはコイル55を有する保持器を示し ている。 図6A及び6Bは本発明による偏向ユニットのもう一つの実施例を示している。こ の実施例においては、コイル保持器が前部61と後部62とにより置き換えられてい る。前記の前部は接続片63を具え、後部は接続片64を具えている。前記の接続片 は前部及び後部へ弾性的に取り付けられている。図6Aは接続するコイル無しでコ イル保持器の種々の構成要素を示しており、図6Bはコイル65を有するコイル保持 器を示している。 図6A及び6Bに示された実施例においては、接続片が二組の接続片（63及び64） を具えて、それらが相互から幾らかの距離でｚ軸に沿って配置され、第１組と第 ２組との間の接続はコイル65によってのみ形成されている。前記のコイル65は自 然に幾らか柔軟である。 本発明は次の洞察力にも基づいている。 偏向ユニットの製造において、及び陰極線管への偏向ユニットの位置決めにお いて、力が前記の偏向ユニット上に及ぼされる。陰極線管の輸送及び使用の間に も、偏向ユニットが力を受ける。今までは、そのような力に耐えるために、偏向 コイルが硬いコイル保持器へ取り付けられねばならないと想定されていた。しか しながら、本発明は接続片を介して相互に双方のコイル装置を固定することによ り、コイル製造の技術が、コイルと接続片との組立品が自己支持され得るような 程度に改善されることが認識されるようになった。 本発明の範囲内で多くの変形が可能であることは明らかであろう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シーベン ヨハネス ヘンリクス フラン シスカス コルネリス オランダ国 5621 ベーアー アインドー フェン フルーネヴァウツウェッハ １

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．排気された容器内に、少なくとも１個の電子ビームを発生するための手段と 表示スクリーンとを具えている陰極線管であって、前記の表示スクリーンを横切 って電子ビームを偏向するための偏向ユニットを設けられており、且つ前記の偏 向ユニットは少なくとも１個の鞍形状の偏向コイルの装置を具えている陰極線管 において、 前記の偏向ユニットが相互に対して柔軟に配置された接続片を介して相互接 続された鞍形状の偏向コイルの第１及び第２装置を具えていることを特徴とする 陰極線管。 ２．請求項１記載の陰極線管において、前記の偏向ユニットがコイル保持器と、 コイル保持器の内側に置かれている偏向コイルの第１装置とコイル保持器の外側 に置かれている偏向コイルの第２装置と、柔軟な接続を介してコイル保持器へ接 続さている接続片と、を具えていることを特徴とする陰極線管。 ３．請求項１記載の陰極線管において、前記の接続片が相互から幾らかの距離で ｚ軸に沿って配設された接続片の第１組及び第２組を具えており、第１組と第２ 組との間の接続はコイルのみにより形成されていることを特徴とする陰極線管。 ４．排気された容器内に、少なくとも１個の電子ビームを発生するための手段と 表示スクリーンとを具えている陰極線管であって、前記の表示スクリーンを横切 って電子ビームを偏向するための偏向ユニットを設けられており、且つ前記の偏 向ユニットは少なくとも１個の鞍形状の偏向コイルの装置を具えている陰極線管 において、 前記の偏向ユニットが偏向コイル保持器と相互に対して柔軟に配置された接 続片を介して相互接続された鞍形状の偏向コイルの装置とを具えていることを特 徴とする陰極線管。 ５．請求項１〜４のうちのいずれか１項記載の陰極線管に適して使用され得る偏 向ユニット。