JPH10501455A - 液体の表面に浮遊する汚染物を分離するための装置および方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、液体域からの浮遊汚染物の分離に使用するための装置であって、対向縁部に直立壁部材（２）を各々有する実質的に矩形の平らなシート（１）を備え、シート（１）が、高速に流れる液体の薄膜をシート（１）の領域の実質的に全体にわたって差し向けるための入口マニホルド（４、５）を、他の縁部の一方（３）に有し、入口マニホルド（４、５）が、加圧状態の液体源に連結される少なくとも１つのパイプ（４）と、入口マニホルドが取付けられるシートの縁部（３）に隣接し且つこの縁部と実質的に平行に設けられたスロット孔（６）とを有し、スロット孔（６）が、入口マニホルド（４、５）への入口のところにパイプ（４）の横断面積よりもかなり小さな面積を有し、シートが、入口マニホルドから遠い方の縁部（７）に、シート（１）上を流れ去る液体を収集するための収集装置（８、９）を更に有する装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 液体の表面に浮遊する汚染物を分離するための装置および方法 本発明は、液体の表面に浮遊する汚染物の分離に使用するための方法、及びこ の装置を使用する分離方法に関する。 液体の表面下に流体ジェットを発生させ、液体の表面の通過時に浮遊汚染物を ジェットの外層に同伴させ表面から運び去って収集することによって、液体（例 えば、水域）の表面から浮遊汚染物を分離するための多くの提案がなされている 。 ＷＯ９２／１６２７８号は、密度の小さな液体汚染物を密度の大きな液体域か ら分離するための方法を開示しており、この方法では、環状の液体柱を高速で液 体域の内部からその表面を経て実質的に垂直に通し、これにより密度の小さな液 体を同伴させて液体域から運び去り収集する段階を含んでいる。ＷＯ９２／１６ ２７８号は又、この方法を実施するための装置を開示している。 この装置および方法は、極めて良好に作動するが、装置が大きいときは、装置 を製造し維持するのが困難である。何故ならば、非常に大きな直径の同心状のチ ューブ間の数ミリメートル程度の一貫した寸法の環状隙間を維持することが極め て困難であるからである。 本発明は、液体域からの浮遊汚染物の分離に使用するための装置であって、対 向縁部に直立壁部材を各々有する実質的に矩形の平らなシートを備え、シートが 、高速に流れる液体の薄膜をシートの領域の実質的に全体にわたって差し向ける ための入口マニホルドを、他の縁部の一方に有し、入口マニホルドが、加圧状態 の液体源に連結される少なくとも１つのパイプと、入口マニホルドが取付けられ るシートの縁部に隣接し且つこの縁部と実質的に平行に設けられたスロット孔と を有し、スロット孔が、入口マニホルドへの入口のところにパイプの横断面積よ りもかなり小さな面積を有し、シートが、入口マニホルドから遠い方の縁部に、 シート上を流れ去る液体を収集するための収集装置を更に有しており、これによ り、作動の際、入口マニホルドおよびシートの関連した縁部が液体域の下方にあ り且つ収集装置およびシートの関連した縁部が液体域の表面の上方にあるように 、シ ートが液体域に角度をなして位置決めされ、そして、液体域の表面の通過時に浮 遊汚染物が液体の薄膜に同伴されて収集装置に運ばれるように、加圧下の液体が 、入口マニホルドおよびスロット孔に通され、シートの表面の実質的に全体を覆 う高速の液体の薄膜として出ることを特徴とする装置を提供する。 入口マニホルドが、フィッシュテイル部分を備え、フィッシュテイル部分が、 シートの平面と直交する方向では、入口パイプの横断面と等しい寸法からスロッ ト孔までテーパしており、シートの平面の方向では、入口パイプの横断面と等し い寸法から、シートが取付けられる縁部の長さと実質的に等しい寸法まで拡がっ ている。フィッシュテイル部分の横断面形状は、上述のようにパイプからスロッ ト孔まで変化するが、フィッシュテイル部分の横断面積は、パイプからスロット 孔まで実質的に一定であり、面積は、スロット孔のところでのみ変化する。 或いは、入口マニホルドが、頂部に隣接してスロット孔が設けられているボッ クス部分を備えていてもよい。好ましくは、スロット孔が、２つの間隔を隔てて 長さ方向に整列したスロットを備えている。ボックス部分は、いずれの好適な形 状のものでもよいが、スロットの形成およびシートへの取付けを容易にするため 、典型的には矩形の横断面を有している。ボックス部分は好ましくは、２つのパ イプを有し、これらのパイプは普通は、入口マニホルドが取付けられるシートの いずれかの縁部の端部に入口が位置決めされるように取付けられる。 スロット孔の面積のパイプの横断面積に対する比率が、１：５以上であり、好 ましくは、１：５〜１：１２であり、より好ましくは、１：１０〜１：１２であ る。この比率が１：５以下である場合には、スロット孔から出る液体の速度は、 表面の汚染物の効果的な同伴を行うには不十分となることがあり、１：１２以上 である場合には、スロット孔からの液体の通過を遮断する程に狭くなることがあ る。１以上の入口パイプが使用されている場合には、上述の比率を計算するのに 使用される横断面積は、各パイプの横断面積の総和である。 収集装置は、シートから、例えばシートの下方に配置されたコレクタに液体流 を差し向けることができる部分円筒形のカウル等を備えていてもよい。 装置を、浮力手段に取付け、液体に固定状態で位置決めしてもよく、或いは、 移動できるようにボート等に取付けてもよい。 次に、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。 第１図は、フィッシュテイル状の入口マニホルドを使用する、本発明による装 置の側面図である。第２図は、第１図の装置の平面図である。第３図は、本発明 に使用される平らなシートおよび入口マニホルドの斜視図であり、入口マニホル ドがボックス部分を備えている。第４図は、第３図の平らなシートおよび入口マ ニホルドの側面図である。第５図は、第３図および第４図に示される入口マニホ ルドの別の斜視図である。 第１図および第２図に示されるように、第１の実施例では、装置は、実質的に 矩形の硬質の平らなシート１を備え、シート１は、対向縁部に直立壁２を有して いる。シート１の第３の縁部３に、入口マニホルドが取付けられ、入口マニホル ドは、加圧状態の液体源に手段（図示せず）によって連結されるような入口パイ プ４と、フィッシュテイル部分５とを備えている。フィッシュテイル部分５は、 シート１の平面と直交した方向から見ると、入口パイプ４の直径と等しい寸法か らシート１の第３の縁部３の長さよりも僅かに小さな寸法に拡がっており、シー ト１の平面と平行な方向から見ると、入口パイプ４の直径と等しい寸法からテー パし、シート１の第３の縁部３に接続する箇所にスロット孔６を構成している。 スロット孔６は、シート１の幅にわたって一定の寸法であり、入口パイプ４の横 断面積よりもかなり小さな面積を有している。第３の縁部３から遠い方のシート １の縁部７のところに、シート１の縁部７から流れ去る液体をコレクタ９に差し 向けるための、一部円筒形のカウルの形態の収集装置８がある。装置は、入口マ ニホルドとシート１の第３の縁部３が液体域の下方にあり且つシート１の縁部７ が液体域の上方にある状態で液体域に位置決めされ支持されるように、浮力手段 （図示せず）によって支持されている。シート１の液体域１０の表面の平面に対 する傾斜角度は、所定の設定状況に応じて所望のように調整することができる。 装置の作動の際、液体（一般には、水）は、入口パイプ４を通して高圧で圧送 され、スロット孔６から、シートの表面の実質的に全体を覆う極めて高速に移動 する薄膜として出る。液体の薄膜の結合性は、表面作用によって実質的に維持さ れ、シート１に密接して移動しようとする。 液体の薄膜が箇所１１のところで液体域の表面を通過すると、液体の薄膜は、 液体域１０に浮遊している表面汚染物を同伴し、液体域１０から上方に運び去る 。同伴した汚染物１２を含む液体は、シート１の遠い方の縁部７のところでカウ ル８に当たり、コレクタ９に差し向けられ、汚染物は、コレクタ９において浮遊 によって分離される。 第３図、第４図および第５図を参照すると、第２の実施例では、入口マニホル ドは、ボックス部分１０５を備え、ボックス部分１０５は、その頂部に隣接して 、２つの間隔を隔てて長さ方向に整列したスロット１０６、１０６ａを有してい る。ボックス部分１０５は、横断面が正方形であり、各端部に入口パイプ１０４ 、１０４ａを有している。平らなシート及びその部品は、（第３図、第４図およ び第５図には図示されていない）収集装置を備えている第１図および第２図に関 連して説明したものと実質的に同じである。 上述の第２の実施例の作動は、原則として、第１の実施例について説明したも のと同じである。すなわち、液体は、パイプ１０４、１０４ａから高圧で圧送さ れ、ボックス部分１０５を充填する。ボックス部分１０５がパイプ１０４、１０ ４ａからの液体圧力で満たされると、ボックス部分１０５内の液体が加圧され、 その結果、液体は、シートの表面の実質的に全体を覆う高速移動する薄膜として スロット１０６、１０６ａから排出される。 第２の実施例を使用した汚染物の同伴は、第１の実施例について説明したもの と同じである。 装置の寸法は、広範な範囲内において明瞭に変えることができるが、３０トン ／時の入口マニホルドからの液体を処理することができる装置の典型的な寸法は 、フィッシュテイル部分については、入口パイプの直径が６５ｍｍ、スロットが ２８５×１ｍｍ、平らなシートが３７０×９００ｍｍであり、ボックス部分につ いては、入口パイプの直径が２×６３．５ｍｍ、スロットが２×４５０×１ｍｍ 、ボックス部分が１５０ｍｍ×１５０ｍｍである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピム ギャレス ウォード イギリス サリー ケイティー８ ９エス エイ ウェスト モルジー チェリーモイ ア ガーデンス 10

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．液体域からの浮遊汚染物の分離に使用するための装置であって、対向縁部に 直立壁部材を各々有する実質的に矩形の平らなシートを備え、該シートが、高速 に流れる液体の薄膜をシートの領域の実質的に全体にわたって差し向けるための 入口マニホルドを、他の縁部の一方に有し、前記入口マニホルドが、加圧状態の 液体源に連結される少なくとも１つのパイプと、入口マニホルドが取付けられる シートの縁部に隣接し且つこの縁部と実質的に平行に設けられたスロット孔とを 有し、該スロット孔が、入口マニホルドへの入口のところにパイプの横断面積よ りもかなり小さな面積を有し、前記シートが、入口マニホルドから遠い方の縁部 に、シート上を流れ去る液体を収集するための収集装置を更に有しており、これ により、作動の際、入口マニホルドおよびシートの関連した縁部が液体域の下方 にあり且つ収集装置およびシートの関連した縁部が液体域の表面の上方にあるよ うに、シートが液体域に角度をなして位置決めされ、そして、液体域の表面の通 過時に浮遊汚染物が液体の薄膜に同伴されて収集装置に運ばれるように、加圧下 の液体が、入口マニホルドおよびスロット孔に通され、シートの表面の実質的に 全体を覆う高速の液体の薄膜として出る、ことを特徴とする装置。 ２．前記入口マニホルドが、フィッシュテイル部分を備え、該フィッシュテイル 部分が、シートの平面と直交する方向では、入口パイプの横断面と等しい寸法か らスロット孔までテーパしており、シートの平面の方向では、入口パイプの横断 面と等しい寸法から、シートが取付けられる縁部の長さと実質的に等しい寸法ま で拡がっていることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の装置。 ３．前記入口マニホルドが、頂部に隣接してスロット孔が設けられているボック ス部分を備えていることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の装置。 ４．前記スロット孔が、２つの間隔を隔てて長さ方向に整列したスロットを備え ていることを特徴とする請求の範囲第３項に記載の装置。 ５．スロット孔の面積のパイプの横断面積に対する比率が、１：５〜１：１２で あることを特徴とする請求の範囲第１項〜第４項のいずれか１項に記載の装置。 ６．収集装置が、シートからコレクタに液体流を差し向けることができる一部円 筒形のカウル等を備えていることを特徴とする請求の範囲第１項〜第５項のいず れか１項に記載の装置。 ７．コレクタがシートの下方に置かれていることを特徴とする請求の範囲第５項 に記載の装置。 ８．浮力手段に取付けられていることを特徴とする請求の範囲第１項〜第７項の いずれか１項に記載の装置。 ９．ボート又は他の推進可能な構造体に取付けられていることを特徴とする請求 の範囲第１項〜第６項のいずれか１項に記載の装置。 10．請求の範囲第１項〜第９項のいずれか１項に記載の装置を使用して、液体の 表面に浮遊している汚染物を液体から分離する方法であって、入口マニホルドお よびシートの関連した縁部が液体域の下方にあり且つ収集装置およびシートの関 連した縁部が液体域の表面の上方にあるように、シートを液体域に位置決めする 段階と、液体域の表面の通過時に浮遊汚染物が液体の薄膜に同伴されて収集装置 に運ばれるように、加圧下の液体を入口マニホルドおよびスロット孔に通して、 シートの表面の実質的に全体を覆う高速の液体の薄膜として出す段階とを備えて いることを特徴とする方法。