JPH10500627A - ビール濾過用多管式濾過装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ビール濾過用多管式濾過装置に関するものである。このような装置において原液及び濾過助剤の均一な流入を確保するために、入れ子体の内部に、少なくとも１つの分配孔を有する被濾過物用分配立上り管と転向装置が設けられており、この転向装置で被濾過物がその流れ方向を数回変える。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の名称〕 ビール濾過用多管式濾過装置 〔技術分野〕 本発明は、下端と上端とにそれぞれ少なくとも１つの開口部が設けられている 濾過槽と、濾過槽の流出部の下側領域で下側開口部の上に配置されて実質的に下 から上へと先細となった入れ子体とを有するビール濾過用多管式濾過装置に関す るものである。 〔背景技術〕 従来の多管式濾過装置は実質的に円筒形の上側濾過管受容室を有し、そのなか に互いに離間して垂直に配置される多数の棒状濾過管が収容されている。濾過管 受容室は下方に向かって先細流出部によって延長される。特に濾過槽の下側及び 上側領域に設けられる複数の送り管及び排出管を介して、処理段階に応じてさま ざまな流動媒体が給排される。 被濾過ビールと、珪藻土とすることのできる濾過助剤は通常、全濾過操作の間 、濾過槽の下側開口部を通して流入する。濾過時間全体にわたって均一に高い濾 過品質、濾過助剤の極力均一な分布及び極力均一なプリコートを達成するために 、濾過槽の横断面全体にわたってビール及び濾過助剤を適宜に均一に流入させる 必要がある。入れ子体を有する多管式濾過装置は実用新案公報第9411930号に記 載されている。 そこで本発明の課題は、原液及び濾過助剤の流入の均一性と濾過管での濾滓厚 の均一性とを向上する冒頭に指摘した種類の多管式濾過装置を提供することであ る。 〔発明の開示〕 この課題は、本発明によれば、請求の範囲１の特徴部分によって解決される。 ビール及び濾過助剤が分配立上り管と分配孔と転向装置とに通されて、この転向 装置で濾材がその流れ方向を数回転向されることによって、被濾過物のきわめて 均一な流入挙動を達成することができる。こうして濾材は層流となって濾過槽内 を上昇して、例えば、それまで濾過槽内に含まれていた水を押しのけるとき鋭い 境界面を形成する。こうして、僅かな”ビール混合”が予想されるだけである。 本発明の有利な構成では、転向壁が管状に構成されており、原液と濾過助剤が 実質的にＳ字状流れ曲線となって転向壁の脇を噴出孔へと達する。 本発明の他の有利な構成では、分配立上り管が入れ子体用保持機構として役立 ち、分配立上り管の中心軸線が濾過槽の中心軸線に一致するように、分配立上り 管が配置されている。こうして一方で、流入する被濾過物の均一性を妨げる他の 保持装置が必要ではなくなり、他方で分配立上り管が、従って入れ子体も、中心 で垂直に配置されていることで、被濾過物が濾過槽内部に均一に流入することが 促進される。 更に、請求の範囲４、５の特徴は本発明による要求条件を満たすのに役立つ。 分配立上り管と入れ子体の外側との間との間が半穴及び貫通孔を介して更に貫 流接続されていることで、入れ子体から濾過槽内部への流出成分が付加的に均一 化されている。更に、分配立上り管・入れ子体の系の排気が簡単に可能となって おり、特に始動段階のとき例えば分配孔より上の分配立上り管の上側領域内に空 気包含物が生じることはない。最後に、貫通孔を通して送られる圧縮空気が、圧 縮された濾滓を解すのに利用されることによって、濾滓の排出が効果的に簡易化 される。 実施例と付属の図面とに基づいて、以下、本発明を詳しく説明する。 〔図面の簡単な説明〕 図１は、本発明による多管式濾過装置の下側原液入口領域の略示縦断面図であ る。 図２は、入れ子体を図１のＡ−Ａ線に沿って示す略示水平断面図である。 〔発明を実施するための最良の形態〕 図１は公知の多管式濾過装置の実施例のうち実質的に下側領域のみを示してお り、この領域に下向き円錐状先細流出部３が構成され、そのなかに入れ子体11が 設けられている。濾過槽２は上に向かって（図１には図示しない）実質的に円筒 形の公知の濾過管受容室によって延長される。入れ子体11は槽内部空間のなかで 流出部３の下から３分の１の高さに受容されており、例えば濾過管の交換を目的 に濾過槽２を開かねばならないとき、入れ子体11は濾過槽２の下側部分内に留ま る。 分配立上り管50は下から垂直に濾過槽内部の流出部３内に突出している。分配 立上り管50は濾過槽２の下側開口部10に挿通されており、この開口部は流出部３ の切頭円錐体の下側流出口若しくは下側開口部10に設けられる好ましくは斜めの 蓋板51に設けられる。分配立上り管50の中心軸線は濾過槽２の中心軸線18に実質 的に一致する。分配立上り管50の上端領域に入れ子体11が固着されている。従っ て分配立上り管50は中心で下から入れ子体11の内部に突出する。 入れ子体11は実質的に中実体として構成される切頭円錐形キャップ52を上側部 分内に有する。このキャップ52によって与えられる円錐形状が（図１で）下向き に等角度で遮蔽壁53として延長される。こうして入れ子体11の殆ど下半分が中空 室を備えており、そのなかに転向装置54が挿入されている。保持円板56は分配立 上り管10の上端領域でこれに溶接されている。（図１で）上からキャップ52内に 垂直にねじ込まれる複数のねじ55、例えば六角ボルトが、キャップ52を保持円板 56に押しつけ、転向装置54の水平方向保持輪部分57がキャップ52と保持円板56と の間で調心される。 図１と図２からわかるように、転向装置54は小さな第１環状転向壁58と直径の 大きな第２環状転向壁59とを有する。第１転向壁58の上端領域に内側で保持輪57 が形成されている。第１転向壁58は入れ子体11の遮蔽壁53によって形成される中 空室のほぼ全高にわたって延びている。第２転向壁59は第１転向壁58と同様に垂 直に、つまり分配立上り管50の壁と平行に延びて、第１転向壁58と分配立上り管 50との間の距離の約３倍の距離だけ分配立上り管50から離間している。第２転向 壁59はその垂直方向長さの約３分の１だけが入れ子体11の中空室内に突出し、残 りの部分は入れ子体11から（図１で）下方に突出している。第２転向壁59はその 下端が水平方向環状底円板60によって分配立上り管50の壁に結合されており、こ うして環状槽形中空室が形成される。更に、半径方向に延びる複数の安定化支柱 61が設けられており、これらの支柱は分配立上り管の外壁を第１転向壁58の下端 と第２転向壁59の内壁とに結合する。図２に示すように、例えば４本の安定化支 柱61を使用することができる。 更に、分配立上り管50の上端に、つまり入れ子体11の中空室の内部に、周面に 均一に配設して複数の穿孔分配孔62が設けられている。分配立上り管50の壁の周 面にわたって分布したこれらの分配孔62が図２に短い一点鎖線で示唆されている 。図１に示すように、例えば３列の分配孔62を分配立上り管50に上下で設けてお くことができる。 遮蔽壁53の下側成端縁64と第２転向壁59との間で前記実施態様の入れ子体11の 下面に環状隙間が形成されており、この隙間は均一に流入する原液及び濾過助剤 のための噴出孔63として役立つ。噴出孔63の半径方向開口幅は遮蔽壁53の成端縁 64と分配立上り管50の壁との間の総距離の約３分の１である。 更に、入れ子体11のなかで半径方向で周面に配設して貫通孔33、34、35がキャ ップ52と遮蔽壁53との間の移行領域に設けられている。貫通孔33、34、35は、実 質的に外面の高さで、入れ子体11の中空室に至る貫通孔として実施されており、 これらの孔33、34、35を介しても液体又は気体は噴出することができる。各第３ 穴は水平線に対して代表的には35°の角度を成す貫通孔33として設けられている 。それらの間にある両方の貫通孔34、35は更に斜め上を向いて、水平線に対して 約50°若しくは55°の角度を成す。この実施態様では貫通孔33、34、35がそれぞ れ直径約2.5 mmである。 この実施態様では、入れ子体11の内部に貫通孔33、34、35が中空室としてキャ ップ52のすぐ下に設けられている。転向壁58と分配立上り管の外壁との間の上側 領域に、及び分配立上り管の内部に、例えば半穴（図示せず）が設けられており 、これらの半穴はキャップ52へと延びて、貫通孔33、34、35に至る貫流接続を実 現する。 この実施態様の入れ子体11の多管式濾過装置内での作用形態を以下に説明する 。 被濾過ビールと濾過助剤は供給導管65を介して分配立上り管50の下側開口部10 を通して濾過槽２に入れられる。この被濾過物は分配立上り管50の分配孔62から 転向装置54に流入する。Ｓ字状流れ曲線と同様に、被濾過物は第１、第２転向壁 58、59の脇を流れて、入れ子体11の下面から環状噴出孔63を通して流出する。被 濾過物は図１若しくは図２に矢印67若しくは68で示唆した流れ曲線に従い、その 間に入れ子体の周面全体にわたってほぼ同じ流速に達し、被濾過物は入れ子体11 の外面と流出部３の内壁とによって形成されるやはり環状の隙間を通してきわめ て均一に上方に、図示しない濾過管受容室に向かって流れる。付加的に濾材の一 部は貫通孔33、34、35を通して入れ子体11から流出して、引き続き、流出部内で 上昇する液体の均一化を促進する。しかし濾材のこの成分は、先に説明したよう に環状噴出孔63を介して入れ子体から流出する成分よりもはるかに少ない。 濾滓を出口部66内に運び去るとき入れ子体11の円錐形状は流出の均一化に役立 ち、しかもなお、圧縮された濾過助剤領域は分配立上り管50及び貫通孔33、34、 35を介して圧縮空気を吹き込むことによって解して均一化することができる。 同様に、洗浄を目的に貫通孔33、34、35を通して例えば水等の洗浄液を送るこ とができ、特に、特別圧縮された濾過助剤が押しつけられた流出部３の内壁は効 果的に洗浄することができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．下端と上端とにそれぞれ少なくとも１つの開口部が設けられている濾過槽 と、濾過槽の流出部の下側領域で下側開口部の上に配置されて実質的に下から上 へと先細となった入れ子体とを有するビール濾過用多管式濾過装置において、入 れ子体(11)の内部で被濾過物用分配立上り管(50)が少なくとも１つの分配孔(62) を有し、更に、入れ子体(11)の内部に転向装置(54)が設けらており、この転向装 置で被濾過物がその流れ方向を数回変えることを特徴とする多管式濾過装置。 ２．被濾過物が転向装置(54)に流入し、垂直環状転向壁(58，59)の脇を実質的 にＳ字状流れ曲線(67)で流れて入れ子体(11)の噴出孔(63)に達することを特徴と する請求の範囲第１項に記載の多管式濾過装置。 ３．分配立上り管(50)が濾過槽(2)の下側開口部(10)と入れ子体(11)との間を 垂直に、濾過槽(2)の中心軸線(18)の周りで中心に配置されており、入れ子体(11 )が分配立上り管(50)によって所定の位置で保持されていることを特徴とする請 求の範囲第１項又は第２項に記載の多管式濾過装置。 ４．分配立上り管(50)の上端で、周面に配設された多数の分配孔(62)が入れ子 体(11)の内部に通じていることを特徴とする請求の範囲第１〜３項の内のいづれ か１項に記載の多管式濾過装置。 ５．被濾過物用噴出孔(63)が実質的に入れ子体(11)の下面に設けられて、環状 孔として構成されていることを特徴とする請求の範囲第１〜４項の内のいづれか １項に記載の多管式濾過装置。 ６．入れ子体(11)に更に貫通孔(33,34,35)が設けられており、分配立上り管(5 0)と入れ子体(11)の外部との間に他の貫流接続が構成されていることを特徴とす る請求の範囲第１〜５項の内のいづれか１項に記載の多管式濾過装置。 ７．転向壁(58)の上側領域で、分配立上り管(50)の外側及び／又は内側に、キ ャップ(52)に至る半穴が設けられており、これらの半穴が貫通孔(33,34,35)に至 る貫流接続を実現することを特徴とする請求の範囲第１〜６項の内のいづれか１ 項に記載の多管式濾過装置。