JPH10500296A - β−(1−6)−エンドグルカナーゼ活性を有する酵素 - Google Patents

β−(1−6)−エンドグルカナーゼ活性を有する酵素

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JPH10500296A JP7529295A JP52929595A JPH10500296A JP H10500296 A JPH10500296 A JP H10500296A JP 7529295 A JP7529295 A JP 7529295A JP 52929595 A JP52929595 A JP 52929595A JP H10500296 A JPH10500296 A JP H10500296A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、DNA配列によりコードされるエンド−β−グルカナーゼ活性を有する酵素に関する。さらに、本発明は、酵素をコードするDNA構築物、酵素の製造方法、酵素を含有する酵素製剤、β−(1−6)−グルカナーゼ含有物質の分解又は修飾を含めた多数の用途のための上記酵素又は上記製剤の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 β−(1−6)−エンドグルカナーゼ活性を有する酵素 産業上の利用分野 本発明は、β−(1−6)−エンドグルカナーゼ活性を有する酵素、その酵素 をコードするDNA構築物、その酵素の製造方法、その酵素を含有する酵素製剤 ならびにβ−グルカン含有物質の分解および修飾のためのその酵素および酵素製 剤の使用に関する。 発明の背景 β−(1−6)−エンドグルカナーゼ(E.C 3.2.1.75)は、真菌 (酵母菌を含む)細胞の細胞壁の主成分であるβ−グルカン中のβ−(1−6) 結合の切断を触媒する酵素である。これらの酵素は、プストランpustulanを分解 するその能力によりプストラナーゼとも呼ばれる。 真菌類の微生物、例えば酵母菌および真菌の細胞壁は、β−グルカンのほかに 多数の他の成分を含有する複雑な構造を示す。例えば、酵母菌細胞壁は、グルカ ン層の他にタンパク質−マンナン複合体層を含み(Andrews and Asenjo,1987) 、糸状真菌はさらに種々の量のキチンおよびキトサンを含有する(Hudson,H.J .,1986と比較)。 微生物が単離が望ましい多数の有効な物質、例えば着色剤、風味剤、ビタミン を産生することは十分公知である。細胞内産生物質の単離には、微生物産生者の 細胞壁を破裂させるか又は溶解させる必要がある。 微生物細胞壁の複雑な組成のために、細胞壁の破裂または溶解は 強力な化学物質及び/又は機械的手段の使用を含めたかなり強硬な処置により伝 統的に実施されてきた。 微生物細胞の酵素的溶解および破裂は、酵母菌抽出物又はその他の細胞内産生 物質の産生における化学的又は機械的破裂に代わるものとして望ましいことが示 唆されている(Andrew and Asenjo(1987),Phaff(1977))。さらに、酵素的溶 解は真菌又は酵母菌からのプロトプラストの調製に用いることが示唆されている (Hamlyn et al.,1981)。酵母菌及び真菌細胞の酵素的溶解に有用な多数の市 販の酵素製剤が入手可能である。このような物質は通常、例えばβ−(1−3) −び/又はβ−(1−6)−グルカナーゼ、プロテアーゼ、キチナーゼ、マンナ ナーゼ及び細胞壁成分を切断し得るその他の酵素を含めた多面的酵素活性を包含 する。 Dubourdieu等(1985)(Carbohydrate Research,144,277-287-287)は、他 のグルカナーゼのうちβ−(1−6)−テエンドグルカナーゼを包含するトリコ デルマ種 Trichoderma harzianumの一系統から得られる工業的酵素製剤(Novo I ndustri A/S)を調べた。 Pitson等(1993)によれば、糸状真菌類、例えばPenicillium brefeldianum、 Trichoderma harzianum 及び酵母菌、例えばSaccharomyces cervisiae はβ−( 1−6)−エンドグルカナーゼ活性を示す酵素を産生することが公知である。 このような酵素製剤の細胞壁分解又は修飾する能力を改良し得ること、さらに 特定の細胞壁成分の分解又は修飾をより特異的に制御し得ることが望ましい。 発明の要約 本発明は、ここで意外にも、新規の検定の使用により、β−(1−6)−グル カナーゼ活性を示す酵素をコードするDNA配列を単 離し、特性表示し、そうしてそれが単一成分β−(1−6)−グルカナーゼを調 製し得るようにするのに成功した。 したがって、第一の局面では、本発明はβ−(1−6)−グルカナーゼ活性を 示す酵素をコードするDNA配列を包含し、DNA配列が以下の: a)配列番号3で示されるDNA配列、又は b) i)配列番号3で示されるDNA配列と相同であり、及び/ 又は ii)配列番号3で示されるDNA配列と同一のオリゴヌクレオチドプローブ とハイブリダイズし、及び/又は iii)配列番号3で示されるDNA配列によりコードされるポリペプチドと 相同であるポリペプチドをコードし、及び/又は iv)トリコデルマ種 Trichoderma harzianum,CBS 243.71から得られる配列 番号4で示される精製β−(1−6)−グルカナーゼに対して生じる抗体と免疫 学的に反応するポリペプチドをコードする 配列番号3で示されるDNA配列の類似体 を含んで成るDNA構築物に関する。 本明細書中では、配列番号3で示されるDNA配列の「類似体」とは、β−( 1−6)−グルカナーゼ活性を示す酵素をコードし、上記の特性i)〜iv)を 有するあらゆるDNA配列を示すものとする。典型的には、類似DNA配列は、 − 配列番号3で示されるDNA配列、又は配列番号1又は2で示されるあら ゆる部分DNA配列を基礎にして、例えば本明細書中に記載の手法を用いて、β −(1−6)−グルカナーゼ活性を有する酵素を産生することが公知であるか又 は予測される別の又は関連する(例えば同一の)生物から単離するか、あるいは − 配列番号3で示されるDNA配列、又は配列番号1又は2で示されるあら ゆるDNA配列を基礎にして、例えばDNA配列によりコードされるβ−(1− 6)−グルカナーゼの別のアミノ酸配列を生じないが、酵素の産生を意図された 宿主生物のコドン使用法に対応するヌクレオチド置換の導入により、あるいは本 来の酵素とは異なる特性を有するβ−(1−6)−グルカナーゼ突然変異体を生 じ得る異なるアミノ酸配列を、したがっておそらくは異なるタンパク質構造を生 じるヌクレオチド置換の導入により構築する。考えられる修飾のその他の例とし ては、配列中への1つ又はそれ以上のヌクレオチドの挿入、配列のいずれかの末 端での1つ又はそれ以上のヌクレオチドの付加、もしくはいずれかの末端の又は 配列内の1つ又はそれ以上のヌクレオチドの欠失がある。例えば、類似DNA配 列は配列番号3で示されるDNA配列のサブ配列でも、あるいは配列番号1又は 2で示されるあらゆるDNA配列であってもよい。 配列番号1又は2で示されるDNA配列は、β−(1−6)−グルカナゼ活性 を有する酵素をコードする全DNA配列を単離するために用いられる部分配列で あると理解される。「類似体」という用語は、配列番号1又は2で示される1つ 又はそれ以上の部分配列、あるいはその一部を包含する上記の全DNA配列を含 むものとする。 上記のi)で言及されたハイブリダイゼーションは、後述の材料と方法の項に 詳細に記載するある特定の条件下で類似DNA配列がβ−(1−6)−グルカナ ーゼ酵素をコードするDNA配列として同一プローブにハイブリダイズすること を示すものとする。通常は、類似DNA配列は、本発明のβ−(1−6)−グル カナーゼをコードする上記のあらゆる配列と少なくとも70%、例えば少なくと も75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90 %または少なくとも95%相同であるようにDNA配列と高度に相同である。 上記のi)に示した相同の程度は、第二配列からの第一配列配列の誘導を示す 2つの配列間の同一性の程度として確定される。相同は、当業界で公知のコンピ ュータープログラムによって適切に確定し得る。典型的には、DNA配列は、配 列番号3で示される全DNA配列、又は配列番号1及び/又は2で示される部分 DNA配列を包含するDNA構築物と少なくとも70%の、例えば少なくとも8 0又は90%の同一性の程度を示す。 上記のiii)に示された相同の程度は、第二配列からの第一配列の誘導を示 す2つの配列間の同一性の程度として確定される。相同は、当業界で公知のコン ピュータープログラムによって適切に確定し得る。典型的には、類似DNA配列 によりコードされるポリペプチドは、配列番号3で示される全DNA配列、又は 配列番号1及び/又は2で示される部分DNA配列を包含するDNA構築物によ りコードされる酵素と少なくとも70%の、例えば少なくとも80%又は90% の相同の程度を示す。 上記の特性iii)に関連して「得られる」という用語は、CBS 243. 71株により産生されるβ−(1−6)−グルカナーゼを示すだけでなく、CB S 243.71株から単離され、上記のDNA配列で形質転換される宿主生物 中で産生されるDNA配列によりコードされるβ−(1−6)−グルカナーゼを も示すものとする。免疫学的反応性は、下記の材料と方法の項に記載される方法 により確定し得る。 さらなる局面において、本発明は本発明のDNA構築物を保有する発現ベクタ ー、DNA構築物又は発現ベクターを包含する細胞、及び酵素を産生させる条件 下で上記の細胞を培養し、培養から酵素 を回収することから成るβ−(1−6)−グルカナーゼ活性を示す酵素の製造方 法に関する。 さらに別の局面において、本発明は、 a)本発明のDNA構築物によりコードされ、 b)本発明の方法で製造され、及び/又は c)トリコデルマ種 Trichoderma harzianum,CBS 243.71由来の配列番号4で 示される精製β−(1−6)−グルカナーゼに対して生じる抗体と免疫学的に反 応する β−(1−6)−グルカナーゼ活性を示す酵素に関する。 本発明の上記の単離酵素は、以下の実施例に記載されているように特性表示さ れている。例えば、SDS−PAGE電気泳動により測定される見かけの分子量 (Mw)は約 50 kDa であることが判明した。さらに見かけのpI(等電点)は 約 5.6であることが分かった。 動力学的パラメーター及び特異的活性も測定した。30℃,pH 5.0での単離プス トラナーゼの特異的活性は約100 U/mg酵素で、Kmは約0.3 % プストランであっ た。 さらに、本発明のプストラナーゼはpH 4.0〜6.0 の間でその40% 以上の活性を 有し、約 pH 5.0 で最適活性を有することが観察された(図1参照)。相対的酵 素活性は、50℃で40 %、30〜40℃で最適であることが判明した(図2参照)。 本酵素は、β−(1−6)−グルカナーゼの定義(E.C.3.2.1.75 )にしたがってβ−(1−6)−グルカン(プストラン)を脱重合することが示 された。 さらにべつの局面では、本発明は、物質、特に微生物細胞壁物質を含有するβ −グルカンの分解又は修飾に有用な酵素製剤であって、上記のようなβ−(1− 6)−グルカナーゼ活性を示す酵素を多 く含む製剤に関する。 図面の簡単な説明 図1は、30℃でのpHの一関数としてのプストラナーゼの相対的活性を示す。 図2は、pH 5.0での温度の一関数としての本発明のプストラナーゼの相対的活 性を示す。 図3は、本発明のプストラナーゼによるプストランの脱重合を示す。 発明の詳細な説明 β−(1−6)−グルカナーゼ活性を示す酵素をコードする本発明のDNA配 列は、以下の: − トリコデルマ種 Trichoderma harzianumからのDNAライブラリーを適切 なベクター中でクローニングし、 − 適切な酵母菌宿主細胞を上記のベクターで形質転換し、 − 適切な条件下で宿主細胞を培養してDNAライブラリー中のクローンによ りコードされる当該酵素を発現させ、 − このようなクローンにより産生される酵素のβ−(1−6)−グルカナー ゼ活性を測定することにより陽性クローンをスクリーニングし、そして − このようなクローンから酵素コード化DNAを単離する工程を含む一般的 方法により単離し得る。 一般的方法はさらにWO 93/11249(この記載内容は、参照により本明細書中に 含まれる)に開示されている。スクリーニング方法のさらに詳細な説明を下記の 実施例1に示す。 本酵素をコードするDNAは、例えば、Centraalbureau voor Sc himmelcultures,Delft,NL から公的に入手可能なトリコデルマ種 Trichoderma harzianumの例えばCBS243.71 株のcDNAライブラリーをスクリーニングし、 DCS−プストランのような適切な基質のβ−(1−6)−グルカン結合を加水 分解する酵素の能力により適切な酵素活性(即ち上記のβ−(1−6)−グルカ ナーゼ活性)を発現するクローンを選択することにより単離し得る(後述の材料 と方法の項を比較)。次に適切なDNA配列を、例えば実施例1に記載されてい るような標準手法により、クローンから単離する。 相同性酵素をコードするDNA配列、即ち類似DNA配列は他の微生物から得 られると予期される。例えば、DNA配列は、別の微生物、特に真菌類、例えば アスペルギルスAspergillus 種の菌株、特にA.aculeatus又は黒色アスペルギル ス A.niger、別のトリコデルマ Trichoderma種、特にT.reeside、T.viride、 T.longibrachiatum又はT.koningil、あるいはフザリウム Fusarium 種、特にF .oxysporumの菌株、あるいはヒュミコラHumicola種の菌株、あるいはAcremoniu m種の菌株、あるいはペニシリウム Penicillium種の菌株のcDNAライブラリ ーを同様にスクリーニングすることにより得られる。 あるいは、本発明のβ−(1−6)−グルカナーゼをコードするDNAは、十 分公知の手法にしたがって、本明細書に開示されたDNA配列を基礎にして調製 される合成オリゴヌクレオチドプローブを用いて、上記のあらゆる微生物からの DNAから単離するのが便利である。例えば、配列番号3で示される全長ヌクレ オチド配列、又は配列番号1及び2で示されるあらゆる部分ヌクレオチド配列を 基礎にして、適切なオリゴヌクレオチドプローブを調製し得る。 次いで、DNA配列を組換え体発現ベクターに挿入する。これは組換え体DN A操作を受けると便利であるあらゆるベクターであり 、ベクターの選択はしばしば、それが導入されるべき宿主細胞に依る。したがっ て、ベクターは自律的複製ベクター、即ちその複製が染色体の複製とは無関係で ある染色体外独立体、例えばプラスミドとして存在するベクターである。あるい は、ベクターは、宿主細胞に導入されると、宿主細胞ゲノムと一体化されて、そ れが一体化された染色体と一緒に複製されるものである。 ベクター中では、β−(1−6)−グルカナーゼをコードするDNA配列は、 適切なプロモーター及びターミネーター配列と操作可能的に結合される必要があ る。プロモーターは、選択した宿主細胞中で転写活性を示すあらゆるDNA配列 であり、宿主細胞と同種又は異種のタンパク質をコードする遺伝子から得られる 。β−(1−6)−グルカナーゼをコードするDNA配列を結紮し、それらを適 切なベクター中に挿入するのに用いられる手法は、当業者には十分公知である( 例えば,Sambrook et al.,Molecular Cloning .A Laboratory Manual ,Cold S pring Harbor,NY,1989)。 本発明の酵素をコードするDNA配列で形質転換される宿主細胞は、好ましく は真核細胞、特に真菌細胞、例えば酵母菌又は糸状真菌細胞である。特に、細胞 はアスペルギルスAspergillus 種、最も好ましくはA.oryzae又は黒色アスペルギ ルス A.niger に属する。真菌細胞は、それ自体公知の方法でのプロトプラスト 形成およびプロトプラストの形質転換とその後の細胞壁の再生から成る工程によ り形質転換し得る。宿主微生物としてのアスペルギルス種の使用は、欧州特許第 238 023 号(Novo Nordisk A/S)に記載されている(その記載内容は、参照によ り本明細書中に含まれる)。宿主細胞は、酵母菌細胞、例えばSaccharomyces 種 の菌株、特にSaccharomyces cerevisiae、Saccharomyces kluyveri又は Sacchar omyces uvarum、Schizosaccharomyces種、例えば Schizosaccharomyces pombe 、Hansenula 種の菌株、Pichia種、Yarrowia種、例えばYarrowia lipolytica、 又はKluyveromyces 種、例えばKluyveromyces lactis、又はAcremonium種であっ てもよい。 さらに別の局面では、本発明は本発明の酵素の製造方法であって、酵素をコー ドするDNA配列で形質転換される適切な宿主細胞を酵素を産生させる条件下で 培養し、その結果生じる酵素を培養から回収する方法に関する。 形質転換宿主細胞を培養するために用いられる培地は、問題の宿主細胞を増殖 させるのに適したあらゆる慣用的培地である。発現されたβ−(1−6)−グル カナーゼは培地中に分泌されるのが便利であり、遠心分離又は濾過により培地か ら細胞を分離し、硫酸アンモニウムのような塩により培地のタンパク質様成分を 沈殿させ、その後クロマトグラフィー法、例えばイオン交換クロマトグラフィー 、アフィニティークロマトグラフィー等により処理することを含む十分公知の方 法により、そこから回収される。 さらに別の局面において、本発明は、物質を含有するβ−グルカンの修飾又は 分解に有用な酵素製剤であって、上記のようなβ−(1−6)−グルカナーゼ活 性を示す酵素に富む製剤に関する。 本発明の酵素に富む酵素製剤は、例えば多くの酵素活性を有する酵素製剤、特 に微生物細胞壁の修飾又は分解に必要な異なる酵素活性を包含する酵素製剤であ る。このような酵素製剤の例としては、特に微生物(真菌又は細菌)起源の、例 えばトリコデルマ種の菌株、例えば Trichoderma harzianum、Trichoderma vir ide又はTrichoderma reesie、Oerskovia 種の菌株、例えばOerskovia xanthineo lytica、アルトロバクター Arthrobacter 種の菌株、例えばArthrobacter luteu s、Rhizoctonia 種の菌株、又はCytophaga 種、ブトウ球菌Staphylococcus種の 菌株、又はストレプトミセスStreptom yces種の菌株の溶解性酵素系が挙げられる。本発明の酵素により便 手可能)、Cellulase(Merkから入手可能)、Cellulase CP及びCellulase CT( いずれもSturgeから入手可能)、及び/又はChitinase(Sigmaから入手可能)が 挙げられる。 本明細書中で、「富む」という用語は、酵素製剤のβ−(1−6)−グルカナ ーゼが、上記の方法により調製される本発明の酵素を付加すると便利であるため 、例えば少なくとも1.1の豊富因子により増強されたことを示すものとする。 あるいは、β−(1−6)−グルカナーゼ活性を示す酵素に富む酵素製剤は主 要酵素成分として本発明の酵素を含むもの、例えば単一成分酵素製剤である。 酵素製剤は当業界で公知の方法により調製し、液体又は乾燥製剤の形態をとる 。例えば、酵素製剤は顆粒又は微細顆粒の形態である。製剤に含まれる酵素は、 当業界で公知の方法により安定化し得る。 本発明の酵素製剤は、本発明のβ−(1−6)−グルカナーゼの他に、1つ又 はそれ以上の細胞壁分解酵素、例えば、セルロース分解活性、マンノース分解活 性、キチン分解活性又はタンパク質分解活性を有するもの、例えばセルラーゼ、 エンドグルカナーゼ、β−(1−3)−グルカナーゼ、マンナナーゼ、エンド− 又はエキソキチナーゼ、プロテアーゼ、α−又はβ−マンノシダーゼ又はムタナ ーゼを含有する。アスペルギルス属に属する微生物、好ましくは黒色アスペルギ ルス Aspergilus niger、Aspergillus aculeatus、Aspergillus awamori 又はAs pergillus oryzae、あるいはトリコデルマ属 Trichoderma、あるいは上記のあら ゆる微生物により、市販 の酵素製剤とともに、さらに別の酵素(単数又は複数)を産生できる。 本発明の酵素製剤の好ましい使用例を下記に示す。本発明の酵素製剤の投与量 及び製剤を用いるその他の条件は、当業界で公知の方法に基づいて確定し得る。 本発明の酵素製剤は、好ましくは微生物細胞壁のような物質を含有するβ−グ ルカンの分解又は修飾のための薬剤として用いる。特に、本発明の酵素製剤は、 微生物の細胞壁を破裂又は溶解させ、それによって微生物により産生される所望 の物質の回収を可能にするために用い得る。 使用される酵素製剤の特定の組成は、破裂又は溶解される細胞壁の組成に合わ せる必要があると理解される。例えば、酵母菌細胞は2つの主要な層、即ちタン パク質−マンナン複合体の外層とグルカンの内層から成ることが判明している。 酵母菌の細胞壁を有効に破裂させるためには、酵素製剤は少なくともプロテアー ゼ、マンナナーゼ、キチナーゼ及びβ−グルカナーゼ活性を包含するのが望まし い。 微生物細胞壁の破裂後に回収される抽出物は、通常は多数の異なる成分、例え ばビタミン、着色剤、風味剤、乳化剤および安定化剤を含む。酵母菌の破裂によ り得られた抽出物、即ち酵母菌抽出物はこのようなものとして、例えば食品又は 飼料用に用いるか、あるいはその成分を回収し、任意にさらに処理加工し得る。 このような物質の例としては、乳化剤、安定化剤、ビタミン、着色剤(例えば 、カロテノイド、Q−10及びアスタキサチン)、酵素、タンパク質及び風味成 分又は風味増強剤(例えば、MSG、5’−GMP及び5’−IMP)が挙げら れる。回収される物質は、当該微生物の固有の物質であるか、又はそれを生成す るために微生 物が構築された物質、例えば組換え体物質である。 さらに、本発明のプストラナーゼは、酵母菌細胞壁、例えばビール酵母菌 Sac charomyces cerevisiae の細胞壁の外層からマンナンタンパク質を抽出するため に用い得る。マンノプロテインは有効な生物乳化剤として用い得る。 さらに、本発明の酵素製剤は、酵母菌(例えばSaccharomyces 種又はSchzosac charomyces種)からの又は真菌(例えばAspergillus 種又はPenicillium 種)か らのプロトプラストの産生に用い得る。このような生物からのプロトプラストの 調製及び再生は、融合、形質転換及びクローニング試験において重要である。プ ロトプラストの産生は、当業界で公知の方法により実施し得る。 さらに、本発明の酵素製剤は、β−1,6−結合によるβ−グルカン、例えば プストラン、及びその他のβ−グルカンの修飾に用い得る。 プストランのようなβ−グルカンに対する活性により、本発明のプストラナー ゼ及びその相同体はブドウのワイン又は圧搾ジュースの製造工程における濾過性 を改良するのに有用となる。 本発明のプストラナーゼは、ブドウに感染する微生物、例えばBotrytis ciner eaの増殖を阻害することにより濾過性を改良する。 本発明はさらに、義歯用清掃組成物中の活性成分としてのプストラナーゼ又は その酵素製剤の使用を意図する。その組成物は、義歯の表面から微生物を除去し 得る。 さらに、プラーク除去組成物中での、例えば口腔内洗浄液中での使用も意図さ れる。歯の表面に形成されるプラークは、主に多糖類から成る。それらは歯の表 面に粘着し、微生物は口腔内に存在する。本発明のプストラナーゼは、この情況 で、ムタナーゼ及びデキストラナーゼのような他のグルカナーゼと組合せて用い 得る。 例えばコンタクトレンズケースの表面に形成される生物薄膜も、本発明のプス トラナーゼを含めたグルカナーゼの作用により除去し得る。 さらにコーティング上のカビも、本発明のプストラナーゼを含む組成物を用い て除去し得る。 抗真菌剤としてのプストラナーゼの使用も意図される。 織物からの余分の染料の除去に関連して、本発明のプストラナーゼを用いると 有益である。 以下の実施例で本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定され ない。 材料と方法 プストラン(β−1,6−グルカン)の染色及び架橋 以下の手順を用いてDCL−プストランを調製した:プストラン(Roth,Art ,6637)2g を水100 mlに溶解し、pHを7に調整した。染料(cibacron C2-R bl au,Ciba Geigy)1g を加えて、反応混合物を50℃に加熱した。Na2SO4 10g を加え、50℃で40分間攪拌した後、Na3 PO4x12H2O 1.5 g を付加し てpHを11に調整し、さらに1時間攪拌した。一夜流水に対して透析するか、も しくは96% エタノール400 ml で沈殿させて、遠心分離して、余分の染料を確実 に除去した。水 200mlに溶解して染色したプストランを架橋し、pH12に調整し て、ジビニルフルホンDivinylsulphon(Fluka)10ml及び96% エタノール 800ml を付加した。室温で60分間反応を進行させ、中和及び遠心分離により反応を停止 させた。沈殿物を沸騰水中に再懸濁し、遠心分離した。染色架橋プストラン(D CL−プストラン)を沈殿物として回収し、プストラナーゼ(β−1,6−グル カナーゼ)に関するプレートスクリーニング検定に用いた。 ドナー生物: トウモロコシ小粒含有発酵培地中で十分酸素を送るために攪拌 しながら増殖させたトリコデルマ属 Trichoderma harzianum,CBS243.71 からm RNAを単離した。3〜5日増殖させた後に菌糸を収穫し、直ちに液体窒素中で 凍結させて、−80℃で保存した。 酵母菌株: 使用したビール酵母菌株は、yNG231(MATα、leu2 、ura−52、his4−539、pep4−δ1、cir+)又はJG16 9(MATα;ura 3−52;leu 2−3,112;his 3−D2 00;pep 4−1137;prc1::HIS3; prb1::LEU2 ;cir+)であった。 プラスミド: 酵母菌TPIプロモーターを含有する発現プラスミドpYHD 17を、市販のプラスミドpYES 2.0(Invitrogen)から調製した。プラ スミド及びその構築は、WO 93/11249 に記載されている(その記載内容は、参照 により本明細書中に含まれる)。 アスペルギルス属発現ベクターpHD414は、プラスミドp775(欧州特許 第238 023 号に記載)の誘導体である。pHD414の構築はWO 93/11249 に記 載されている。 総RNAの抽出: 本質的にはChirgwin et al.,1979及びWO 94/14952に記載 されている通りに、グアニジニウムチオシアネートで抽出し、その後5.7MCsC lクッションを通して超遠心分離して、総RNAを調製した。 ポリ(A)+RNAの単離: オリゴ(dT)−セルロースアフィニティーク ロマトグラフィーによりWO 94/14952 に記載されている手順を用いて、ポリ(A )+RNAを単離した。 cDNA合成及び修飾: ヘアピン修飾を用いてRNアーゼ H 法(Gubler & Hoffman 1983,Sambrook et al.,1989)により、ポリ(A)+RN A5μg から二本鎖cDNAを合成した。二本鎖cDNAの合成はWO 95/02044 で初めに記載されているように実施したが、但し無作為ヘキサヌクレオチドプラ イマー(Gibco BRL,USA)25 ng を第一鎖合成反応混合物に加えた。メーカーの 指示に従って、緑豆ヌクレアーゼ(Bethesda Research Laboratories)で処理後 、dscDNAをT4DNAポリメラーゼ(Invitrogen)で平滑端化し、cDN Aを非回帰性BstX Iアダプター(Invitrogen)と結紮した。 cDNAライブラリーの構築: 適合dscDNAを遠心分離により回収し、 70% エタノール中で洗浄し、蒸留水 25ml中に再懸濁した。大規模ライブラリー 結紮前に、1μl のds cDNA(反応試験管#1〜#3)、2単位のT4リ ガーゼ(Invitrogen)、並びに50 ng(試験管#1)、100 ng(試験管#2)及 び200 ng(試験管#3及び#4)Bst XI切断酵母菌発現ベクター(pYE S 2.0ベクター(Invitrogen)又はyHD13)を各々含有する結紮緩衝液 (上記)10μl 中で4つの試験結紮を実施した。16℃で12時間インキュベートし 、70℃で5分間加熱して結紮反応を実施し、各結紮物1μl をてコンピテント大 腸菌1061細胞に対して電気穿孔(200Ω、2.5 kV、25μF)した(OD600 = 0.9 LBブロス1リットル中。冷蒸留水中で2回、10% グリセロール 20ml中で 1回洗浄。10% グリセロール 2ml中に再懸濁)。各形質転換混合物にSOC 1mlを付加後、37℃で1時間、細胞を増殖させて、50μl をLB+アンピシリン プレート上(100μg/ml)に広げ、37℃で12時間増殖させた。 最適条件を用いて、T4リガーゼ 9単位を含有する結紮緩衝液40μl 中で大 規模結紮を設定し、反応液を16℃で12時間インキュベ ートした。70℃で5分間加熱して結紮反応を停止し、−20℃で12時間エタノール 沈殿させて、遠心分離により回収し、蒸留水10μl 中に再懸濁した。上記と同じ 電気穿孔条件を用いてアリコート1μl をエレクトロコンピテント大腸菌1061細 胞中で形質転換し、形質転換細胞を滴定して、5000〜7000 c.f.u./プレートでL B+アンピシリンプレート上でライブラリーを広げた。各プレートに、培地3ml を加えた。細菌を掻き取り、グリセロール1mlを加えて、プールとして−80℃で 保存した。残りの2mlはDNA単離用に用いた。DNAの量が必要数の酵母菌形 質転換体を生じるのに不十分である場合には、一夜増殖させた−80℃細菌ストッ ク50 μl を接種した培地(TB)500mlから、大規模DNAを調製した。 酵母菌ライブラリーの構築: 全細菌クローンが酵母菌で試験されたことを保 証するために、元のプール中の細菌クローン数の5倍以上の数の酵母菌形質転換 体を限度として設定した。 個々のプールからの精製プラスミドDNA(100 ng/μl)のアリコート1μl を、コンピテント S.cerevisiae JG 169(OD600 =1.5、YPD 500 ml中。 冷蒸留水中で2回、冷1M ソルビトール中で1回洗浄。1M ソルビトール 0.5 ml中に懸濁。Becker & Guarante,1991)中に電気穿孔(200 Ω、1.5 kV、25μF )した。1M ソルビトール1ml を付加後、アリコート80μl をSC+グルコー ス−ウラシル寒天プレート上に広げて250 〜400c.f.u./プレートとして、30℃で 3〜5日間インキュベートした。 陽性コロニーの同定: 3〜5日間増殖後、寒天プレートを数組のSC+ガラ クトース−ウラシル寒天プレート上にレプリカ培養した。次いで、DCL−プス トランを含有する1組のプレートを30℃で3〜5日間インキュベートして、β− (1−6)−グルカナーゼ活性を検出した。陽性コロニーは、青色景に取り囲ま れたコロニー として同定された。 酵素陽性コロニーからの細胞を単一コロニー単離のために寒天上に広げ、同定 されたβ−(1−6)−グルカナーゼ産生コロニーの各々に関して酵素産生単一 コロニーを選択した。 陽性コロニーの特性表示: 陽性コロニーを単一コロニーとして得て、ビオチ ニル化ポリリンカープライマーを用いてcDNA挿入物を酵母菌コロニーから直 接増幅し、磁気ビーズ(Dynabead M-280,Dynal)系により精製し、鎖終結法(S anger et al.,1977)及 NAクローンの5’末端をシーケンシングすることにより個々に特性表示した。 アスペルギルス属における発現のためのcDNA遺伝子の単離: 1つ又はそれ以上のβ−(1−6)−グルカナーゼ産生コロニーを、50mlガラ ス試験管中のYPDブロス 20mlに接種した。試験管を30℃で2日間振盪した。 3000 rpm で10分間遠心分離して細胞を収穫した。 細胞を1mlの0.9 M ソルビトール、0.1 M EDTA,pH 7.5に再懸濁した。ペ レットをエッペンドルフ試験管に移して、全速で30秒間回転させた。細胞を0.4 mlの0.9 M ソルビトール、0.1 M EDTA、14mM β−メルカプトエタノール中 に再懸濁した。2 mg/ml チモラーゼ Zymolase 100μl を加え、懸濁液を37℃で3 0分間インキュベートして、30秒間回転させた。ペレット(スフェロプラスト) をTE 0.4 ml 中に再懸濁した。90μl の(1.5 mlの0.5 M EDTA,pH 8.0、 0.6 mlの2 M Tris-Cl,pH 8.0、0.6 mlの10% SDS)を付加し、懸濁液を65℃ で30分間インキュベートした。80μl の5 M KOAcを加え、懸濁液を氷上で 少なくとも60分間インキュベートして、全速で15分間回転させた。上清をEtO H(室温)を入 れた新しい試験管に移し、その後徹底的にしかし静かに混合し、30秒間回転させ た。ペレットを冷70% EtOHで洗浄し、30分間回転させて、室温で乾燥した。 ペレットを50μl のTE中に再懸濁し、15分間回転させた。上清を新しい試験管 に移した。10mg/ml RNアーゼ 2.5μl を加え、その後37℃で30分間インキュベ ートして、静かにかき混ぜながらイソプロパノール 500μl を付加した。混合物 を30秒間回転させ、上清を除去した。ペレットを冷96% EtOHですすぎ、室温 で乾燥させた。DNAを水 50 μl に溶解して、採集濃度を約100μg/mlとした 。 標準手法により、DNAを大腸菌中で形質転換させた。標準手法を用いてプラ スミドDNAを大腸菌から単離し、制限酵素分析により分析した。cDNA挿入 物を適切な制限酵素を用いて切断し、アスペルギルス属発現ベクター中に結紮し た。 Aspergillus oryzae又はAspergillus niger の形質転換(一般手法): YP D(Sherman et al.,Methods in Yeast Genetics,Cold Spring Harbor Labora tory,1981)100ml に A.oryzae 又はA.nigerの胞子を接種して、37℃で約2日 間振盪しながらインキュベートした。ミラクロス(miracloth)を通して濾過す ることにより菌糸体を収穫し、0.6 M MgSO4200 mlで洗浄した。菌糸体を15m lの1.2M MgSO4、10mM NaH2 PO4,pH = 5.8中に懸濁 87を含有する緩衝液1ml を加えた。5分後、12mg/ml BSA(Sigma タイプ H2 5)1mlを加えて、顕微鏡下で検査した標本中に多数のプロトプラストが見える ようになるまで、37℃で1.5 〜2.5 時間、しずかに攪拌しながらインキュベート した。 懸濁液をミラクロスを通して濾過し、濾液を滅菌試験管に移して、5mlの0.6 M ソルビトール、100 mM Tris-HCl,pH=7.0 で上層 を覆った。100 gで15分間遠心分離を実施して、プロトプラストをMgSO4ク ッションの上部から採集した。STC(1.2 M ソルビトール、10mM Tris-HCl , pH = 7.5,10 mM CaCl2)2容積をプロトプラスト懸濁液に加え、混合物を1 000gで5 分間遠心分離した。プロトプラストペレットをSTC 3 ml 中に再懸 濁し、再ペレット化した。これを繰り返した。最後に、プロトプラストをSTC 0.2 〜1 ml中に再懸濁した。 プロトプラスト懸濁液100μl をSTC 10μl に溶解した適切なDNA 5〜25 μg と混合した。プロトプラストをp3SR2(A.nidulans amdS遺伝子保 有プラスミド)と混合した。混合物を室温で25分間放置した。0.2 mlの60% PE G4000(BDH 29576)、10mM CaCl2及び10mM Tris-HCl,pH 7.5を加えて 、注意深く混合し(2回)、最後に同一溶液 0.85ml を加えて、注意深く混合し た。混合物を室温で25分間放置し、2500gで15分間回転させて、ペレットを1.2 M ソルビトール 2 ml 中に再懸濁した。もう一度沈殿後、プロトプラストを適切 なプレート上に広げた。プロトプラストを、1.0 M スクロース,pH 7.0、10mM アセトアミド(窒素供給源として)、及び20mM CsCl(バックグラウンド増 殖阻止のため)を含有する最小プレート(Cove Biochem.Biophys.Acta 113(19 66)51-56)上に広げた。37℃で4〜7日間インキュベーション後、胞子を摘み 取って、単一コロニー用に広げた。この手順を繰り返して、二次再単離後の単一 コロニーの胞子を限定形質転換体として保存した。 A.oryzae形質転換体の試験 各形質転換体を、DCLプストランを含有するFG−4寒天上に接種した。30 ℃で5日間接種後、β−(1−6)−グルカナーゼ活性を上記のように同定した 。 ハイブリダイゼーション条件(本発明のDNA構築物の特性i)の評価に用い られる): オリゴヌクレオチドプローブと「類似」DNA配列との間のハイブリダイゼー ションを測定するのに適した条件としては、5 xSSC中でハイブリダイズする ためにDNA配列を含有するフィルターを予め浸漬し、5 xSSC、5 x Denha rdt 溶液、50mMリン酸ナトリウム,pH 6.8及び50μg の変性音波処理仔ウシ胸腺 DNAの溶液中で−40℃で1時間、配列を予備ハイブリダイズし、その後、50μ Ci 32−P−dCTP標識化プローブを補充した同一溶液中で−40℃で18時間 ハイブリダイゼーション後、40℃で30分間、2 xSSC,0.2 % SDS中で3回 洗浄した。 ハイブリダイゼーションに用いられる適切なオリゴヌクレオチドプローブは、 配列番号3で示されるDNA配列、あるいは配列番号1又は2で示されるDNA 配列を基礎にして調製し得る。 免疫学的交差反応性: 免疫学的交差反応性の測定に用いられる抗体は、精製 β−(1−6)−グルカナーゼを用いて調製し得る。さらに、本発明のβ−(1 −6)−グルカナーゼに対する抗血清は、N.Axelsen等(A Manual of Quantita tive Immunoelectrophoresis,Blackwell Scientific Publications,1973,Cha pter 23)、又はA.Johnstone と R.Thorpe(Immunochemistry in Practice,Bl ackwell Scientific Publications,1982,(特にpp.27-31))が記載した手法に したがって、ウサギ(又はその他のげ歯動物)を免疫化することにより産生し得 る。例えば、塩沈殿((NH42SO4)、その後の透析及び、例えばDEAE −セファデックス上でのイオン交換クロマトグラフィーにより、抗血清から精製 イムノグロブリンが得られる。タンパク質の免疫化学的特性表示は、オクテルロ ニー二重拡散法(O.Ouchterlony: Handbook of Experiment al Immunology(D.M.Weir,Ed.),Blackwell Scientific Publications,1967 ,pp.655-706)により、交差免疫電気泳動(N.Axelsen et al.,上記。Chapter 3 d4)により、又はロケット免疫電気泳動(N.Axelsen et al.,Chapter2)に より成し得る。 クーマシー染色: ゲルをガラスプレートから注意深く除去し、以下の溶液約 100ml中で振盪台をゆっくり回転させながらインキュベートする: 1)40 % v/v エタノール;5 % v/v 酢酸中で30分 2)40 % v/v エタノール;5 % v/v 酢酸+クーマシーブリリアントブルー R250中で30分 3)バックグラウンドが十分に低減されるまで、40 % v/v エタノール;5 % v/v 酢酸中で30分、脱染色 4)最後に、保存溶液:5 % v/v 酢酸;10% v/vエタノール;5 % v/v グ リセロール中でゲルをインキュベートし、2枚のセロハン膜の間で風乾させる。 銀染色: ゲルをガラスプレートから注意深く除去し、以下の溶液約 100ml中 で振盪台をゆっくり回転させながらインキュベートする: 1)40 % v/v エタノール;5 % v/v 酢酸中で30分 2)10 % v/v エタノール;5 % v/v 酢酸中で20分 3)0.0057% w/v APS(0.25mM)中で20分 4)0.1 % w/v AgNO3中で60分 5)現像のために、ゲルを現像液:0.015 % ホルムアルデヒド;2 % w/v Na CO3に30〜60分浸ける。次いで、たんぱく質が満足のいく染色が成されるまで 2回目の現像液中でゲルをインキュベートする(5〜15分)。最後に、保存溶液 :5%v/v 酢酸;10% v/vエタノール;5% v/vグリセロール中でゲルをインキュベ ートし、2 枚のセロハン膜の間で風乾させる。 培地 YPD: 酵母菌抽出物 10g、ペプトン 20g、水 〜810 ml。オートクレー ブ処理し、20% グルコース(滅菌濾過)90ml を加えた。 10 x基礎塩: 酵母菌窒素塩基 66.8 g、コハク酸 100g、NaOH 60g、水〜 1000ml、滅菌濾過。 SC−URA: 10 x基礎塩 90 ml、20% カザミノ酸 22.5 ml、1 % トリプト ファン 9 ml、水〜806 ml、オートクレーブ処理し、5 % トレオニン 3.6 ml 及 び20 %グルコース又は20 %ガラクトースを加えた。 SC−Hブロス: アミノ酸を含まない酵母菌窒素塩基 7.5 g/l、コハク酸 1 1.3 g/l、NaOH 6.8 g/l、ビタミンを含まないカザミノ酸 5.6 g/l、トリプ トファン 0.1 g/l。 121 ℃で20分間オートクレーブ処理。処理後、30% ガラク トース溶液 10ml、30% グルコース溶液5 ml 及び5 % トレオニン溶液0.4 mlを培 地100 ml当たりで付加した。 SC−H寒天: アミノ酸を含まない酵母菌窒素塩基7.5 g/l、コハク酸 11.3 g/l、NaOH 6.8 g/l、ビタミンを含まないカザミノ酸 5.6 g/l、トリプトフ ァン 0.1 g/l、及び寒天(Bacto)20 g/l。121 ℃で20分間オートクレーブ処理 。処理後、22% ガラクトース溶液 55ml 及び5 % トレオニン溶液1.8ml を寒天45 0 ml当たりで付加した。 YNB−1寒天: KH2 PO43.3 g/l、寒天16.7 g/l、pHを7 に調整。121 ℃で20分間オートクレーブ処理。処理後、アミノ酸を含まない13.6 % 酵母菌窒 素塩基 25 ml、40% グルコース溶液25ml、1 % L−ロイシン溶液 1.5ml及び1 % ヒスチジン溶液 1.5 mlを寒天450 ml当たりで付加した。 YNB−1ブロス: YNB−1と同じ組成であるが、寒天は含まない。 実施例1 150 のプール中の約106個の個々のクローンから成るトリコデルマ属 T.harzi anum からの大腸菌ライブラリーを構築した。 ライブラリーからの20の個々のクローンからDNAを単離し、cDNA挿入に 関して分析した。挿入頻度は>90% であることが判明した。いくつかのプールか らのDNAを酵母菌中で形質転換して、200 〜500 個の酵母菌コロニーを含有す る50〜100 プレートを各プールから得た。 陽性コロニーを同定し、寒天上で単離した。cDNA挿入物を酵母菌コロニー から直接増幅し、上記の材料と方法の項に記載したように特性表示した。β−( 1−6)−グルカナーゼをコードするcDNA配列の全長配列を配列番号3に示 す。 実施例2 全DNAを酵母菌コロニーから単離し、プラスミドDNAを上記のような大腸 菌の形質転換により救い出した。アスペルギルス属中でプストラナーゼを発現さ せるために、DNAをHindIII/XbaIで消化し、ゲル上でサイズ分画 化し、プストラナーゼ遺伝子に対応する断片を精製した。次いで、遺伝子をHi ndIII/XbaI消化pHD414と結紮した。 大腸菌中でのDNAの増幅後、プラスミドpA1PU1を上記のようにAsperg illus oryzae中で形質転換した。 A.oryzae形質転換株の試験 各形質転換株を、上記のようにプストラナーゼ活性に関して調べ た。いくつかの形質転換株は、Aspergillus oryzaeバックグラウンドより有意に 大きいプストラナーゼ活性を有した。これは、Aspergillus oryzae中でのプスト ラナーゼの有効な発現を立証する。最高プストラナーゼ活性を有する形質転換株 を選択し、YPM培地を入れた500 ml振盪フラスコ中に接種した。曝気をよくす るために十分攪拌しながら3〜5日間発酵後、培養ブロスを2000gで10分間遠心 分離し、上清を回収した。 実施例3 プストラナーゼの精製 プストラナーゼを発現するAspergillus oryzae又はA.nigerの発酵による培養 上清を遠心分離し、0.2 μM フィルターを通して濾過して、菌糸体を取り出した 。濾過上清(組換え体酵素 5〜50mg)35〜50mlを10 kDa膜を備えたAmicon限外濾 過装置で限外濾過して10倍の濃度に達した。この濃縮物を、同一装置で連続限外 濾過して、25mM Tris,pH 8.0で100 倍に希釈した。この限外濾過標本を1.5 ml /分で、25mM Tris,pH 8.0で平衡させたPharmacia XK16/10 Fast Flow Q Sepha rose陰イオン交換物質上に載せた。標本適用後、カラムをカラム容積の2倍の25 mM Tris,pH 8.0で洗浄し、結合タンパク質を、25mM Tris,pH 8.0中の0〜0.5 M NaClの線状漸増NaCl勾配で溶離した。5 ml分画を収集し、上記のよう にプストラナーゼ活性に関して検定した。プストラナーゼを約0.1 M NaClで 溶離した。カラムから溶離したプストラナーゼは純粋ではなかった。したがって 、プストラナーゼ含有分画をプールし、10 kDa膜を備えたAmicon限外濾過装置で 限外濾過して10倍の濃度にした。この濃縮物を、同一装置で連続限外濾過して、 10mMリン酸ナトリウム,pH 6.8で100 倍に希釈した。この限外濾過標本を1 ml/ 分で、10mMリン酸ナトリウム,pH 6.8で平衡させたBioGel HTP (BioRad, USA)を充填したPharmacia XK10/20 カラム上に載せた。標本適用後、カラムを カラム容積の2倍の10mM リン酸ナトリウム,pH 6.8で洗浄し、結合タンパク質 を、0.01〜0.5 M の線状漸増濃度のリン酸ナトリウムで溶離した。5ml 分画を収 集し、プストラナーゼ活性に関して検定した。プストラナーゼは、これらの条件 下ではある程度までカラム上に保持された。プストラナーゼを含有する分画をFi ltron Macrosep 10 kDa 装置で濃縮して、最終容積を3 mlとした。 この標本を1 ml/分の流速で、0.25 M 酢酸アンモニウム,pH 5.5で平衡させた Pharmacia Superdex G75カラム上に載せた。5ml 分画を収集し、プストラナーゼ 活性に関して検定した。このカラムから溶離したプストラナーゼは、SDS P AGEから判定して純度95% 以上であり、その後の特性表示に用いた。 実施例4 SDS PAGE電気泳動による分子量確定 Laemli法の変法(Laemli 1970; Christgau,Schierbeck et al.1991)として 、Mini-Leak 4電気泳動ユニット(Kem-En-Tec,Copenhagen)でSDS−PAG E電気泳動を実施した。手短に言えば、分離ゲルを12% アクリルアミド;0.2 % BISアクリルアミド;0.1 % SDS;0.375 M Tris pH 8.8;0.04% APS( 過硫酸アンモニウム)及び0.04% TEMEDとともに流し入れた。6 〜15時間重 合後、積重ゲルを4.5 % w/w アクリルアミド;0.075 % BIS−アクリルアミド ;0.1 % SDS;66.5 mM Tris pH 6.8;0.4 % w/w APS(過硫酸アンモニウ ム)及び0.4%TEMEDとともに流し入れた。電極室を流緩衝液:25 mM Tris− 塩基;0.192 M グリシン及び0.05% SDSで充填し、その後、標本緩衝液含有標 本を入れて、ゲルを2 〜4 mA/ゲルで一夜動かし、10〜30 mA/ゲルで速く動か して、その後ゲルを取り出して、材料と方法の項に記載したコーマ シー染色か又は銀染色で染色した。 見かけの分子量は約50 kDaであることが判明した。 実施例5 等電点電気泳動によるpI確定 メーカーの指示に従って、Multiphor 電気泳動ユニットのAmpholine PAGプ レート pH 3.5〜9.5(Pharmacia,Upsala)上で等電点電気泳動を実施した。電 気泳動処理後、ゲルを上記のようにコーマシー染色か又は銀染色で染色したが、 但し、染色前に、20% TCA(トリクロロ酢酸)中で20分間、ゲルをインキュベ ートした。 見かけの等電点(pI)は約5.6 であることが判明した。 実施例6 最適pH 0.1 M リン酸三ナトリウムと0.1 M クエン酸を混合して、2.5 〜8.0 のpH値を 有する緩衝液を作った。プストラナーゼを希釈して、検定反応が確実に検定の線 状範囲内になるようにした。基質はクエン酸/リン酸緩衝液を1:1に混合した プストランの0.5%溶液で、最終基質濃度は0.25% プストランであった。1.5 mlエ ッペンドルフ 後、分離Thermomixer 中で95℃で20分間、酵素を加熱不活性化した。酵素不活性 化後の還元糖の濃度を、微小滴定プレートでの、パラヒドロキシ安息香酸ヒドラ ジド(Sigma H-9882)0.15 g、カリウム−ナトリウム酒石酸塩(Merk 8087)0.5 0 g 及び2 % NaOH溶液 10.0mlまでを包含するPHBAH試薬との反応によ り確定した。グルコースを標準として用い、ブランクを差し引いた。 最適pHに関しては、インキュベーションは30℃で実施した。各pH値に関しては 、3本の試験管に酵素を入れ、加熱不活性化前にイン キュベートしたが、一方1本の試験管(ブランク)には酵素を入れて直ちに加熱 不活性化した。3つのインキュベート標本の平均値を算出し、ブランク値を差し 引いた。最適pHでの値は100 % と定義した。 30℃でのpHの一関数としてのプストラナーゼの活性を、表1に示す。プストラ ナーゼは、pH 4.0〜6.0 では40% 以上の活性を示し、pH 5.0で最適活性を示すこ とが観察された。 実施例7 最適温度 最適温度に関しては、インキュベーションはpH 5.0 クエン酸/リン酸緩衝液 中で上記と同様に実施した。温度は30℃〜80℃の範囲であった。各温度に関して は、3つのインキュベーションを実施し、平均を算出した。3つのブランクは酵 素の直接加熱不活性化により生じさせ、平均をインキュベート標本値から差し引 いた。最適温度での活性を100 % と定義した。 pH 5.0 での温度の一関数としてのプストラナーゼの活性を、表2に示す。プ ストラナーゼは、50℃以下の温度では40% 以上の活性を示し、30〜40℃で最適活 性を示すことが観察された。 実施例8 動力学的パラメーター クエン酸/リン酸緩衝液 pH 5.0 中で0.1 〜1% の範囲のプストラン濃度( S)で30℃で15分間インキュベーションを実施して、Km及び特異的活性を確定 した。反応速度(v)は、還元糖生成/分として測定した。還元糖は、前記のよ うにPHBAH試薬により測定した。次に、S/vをSの関数として描き出して 、線状回帰分析を実施した。勾配(=1/Vmax)及び切片(Km/Vmax )を用いてKm及び特異的活性(=Vmax/E)を算出したが、 ここで、Eは付加した酵素の量である。特異的活性は、U/酵素1mg(ここで、 1U=1μmol 還元糖/分)として測定した。 30℃、pH 5.0 でのプストラナーゼの特異的活性は約100 U/酵素1mg、Km は約0.3 % プストランであった。 実施例9 β−1,6−グルカンの脱重合 ゲル濾過クロマトグラフィーのために、プストランの1% 溶液のアリコート1 mlを0.2 mg/ml 酵素溶液 20μl とともに30℃で加熱不活性化前に,0、1、2 、4及び24時間インキュベートした。標本25μl を連続した(PW G4000、P W G3000、PW G2500)3つのTSKカラム(TosoHaas)中に注入し、0.4 M 酢酸緩衝液pH 3.0を用いて0.8 ml/分で糖類を溶離した。Shimadzu RI 検出器 で溶離糖類を測定し、データ収集は注入後15分で開始した。Dionexソフトウエア でデータを処理した。デキストラン(Serva)を分子量標準として用いた。 プストラナーゼはプストランを容易に脱重合した(図3参照)。これらの結果 は、エンド−β−1,6−グルカナーゼ活性の定義に従った(E.C.3.2. 1.75)。 実施例12 単離酵母菌細胞壁物質に関する加水分解試験 製パン用酵母菌であるビール酵母菌 Saccharomyces cerevisiae450 g を水135 0g に懸濁した。50℃で18時間攪拌しながら原形質分離を実施した。標本 10ml を0、0.5 時間、1、17、17.5及び18時間目に採取した。標本をLabofuge遠心分 離機(Heraeus)で3400 xg(使用遠心分離機で4500rpm と等価)で5分間遠心分 離した。反応後、Advanced Wide-Range Osmometer 3W2(Advanced Instruments )を用いて、浸透度について上清を測定した。DUR REFRACTOMETE R-Electronic(Schmidt Haensch)を用いて、これらの遠心分離物の乾燥物質含 量を調べた。表1に示したデータから、以下のことが判明した: 18時間後、Sorvall RC-3G 冷却遠心分離機を用いて、30分間、全含有物を4500 rpmで遠心分離した。上清 1475.8 g 及び固相 227.3g を収集した。固体を水14 75.8 g中に懸濁し、Sorvall RC-3G 冷却遠心分離機を用いて、30分間、4500 rpm で再び遠心分離した。最後に、洗浄細胞壁物質 266.1 gを収集した。 乾燥物質測定は、105 ℃で一夜実施した。乾燥物質含量は22.8% w/w であった 。この物質を、酵母菌からの単離細胞壁物質と呼ぶ。 ブランク加水分解試験を、単離湿潤細胞壁物質 21.9 g を用いて実施した。こ の物質を250 mlエーレンメーヤーフラスコに入れた水約70mlに懸濁した。6 N H Clを用いてpHを5.0 に調整した。エーレンメーヤーフラスコ中の総含有量を10 0 mlに調整した。標本をt=1、5、10、20、30、60、90、120、180、240 分に 採取した。標本をLabofuge遠心分離機(Heraeus)で3400 x g(使用遠心分離 機で4500rpm と等価)で5分間遠心分離した。反応後、Advanced Wide-Range Os mometer 3W2(Advanced Instruments)を用いて、浸透度について上清を測定し た。DUR REFRACTOMETER-Electronic(Schmidt Haensch)を用いて、これらの遠 心分離物の乾燥物質含量を調べた。 上記と同様に加水分解試験を実施したが、pH調整後に、エーレンメーヤーフラ スコ中の総含有量を95 ml に調整した。調温後、水 5mlに溶解したプストラナー ゼ約 2.5 mg を加えた。加水分解反応は、水浴中に置いたエーレンメーヤーフラ スコを用いて磁気攪拌しながら50℃で実施した。標本を上記と同様に採取し、測 定した。 表2に示したデータは、ブランク加水分解及びプストラナーゼ処理酵母菌細胞 壁物質に関するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12P 21/00 9548−4B A23L 2/26 //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:885) (C12N 1/14 C12R 1:69) (C12N 1/14 C12R 1:685) (C12N 9/24 C12R 1:685) (C12N 9/24 C12R 1:69) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 カウッピネン,マルクス サカリ デンマーク国,デーコー−2880 バグスバ エルト,ノボ アレ,ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ(番地なし) (72)発明者 クリストガウ,ステファン デンマーク国,デーコー−2880 バグスバ エルト,ノボ アレ,ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ(番地なし) (72)発明者 ダルボイェ,ヘンリック デンマーク国,デーコー−2880 バグスバ エルト,ノボ アレ,ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ(番地なし) (72)発明者 オルセン,ハンス セイエ デンマーク国,デーコー−2880 バグスバ エルト,ノボ アレ,ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ(番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.β−(1−6)−グルカナーゼ活性を示す酵素をコードするDNA配列を 包含するDNA構築物であって、DNA配列が以下の: a)配列番号3で示されるDNA配列、又は b)i)配列番号3で示されるDNA配列と相同であり、及び/又は ii)配列番号3で示されるDNA配列と同一のオリゴヌクレオチドプローブ とハイブリダイズし、及び/又は iii)配列番号3で示されるDNA配列によりコードされるポリペプチドと 相同であるポリペプチドをコードし、及び/又は iv)トリコデルマ種 Trichoderma harzianum,CBS 243.71から得られる配列 番号4で示される精製β−(1−6)−グルカナーゼに対して生じる抗体と免疫 学的に反応するポリペプチドをコードする 配列番号3で示されるDNA配列の類似体 を含んで成るDNA構築物。 2.β−(1−6)−グルカナーゼ活性を示す酵素をコードするDNA配列を 包含するDNA構築物であって、DNA配列が配列番号1又は2で示される部分 配列の少なくとも1つを含むDNA構築物。 3.β−(1−6)−グルカナーゼ活性を示す酵素をコードするDNA配列が 微生物から得られる請求項1又は2記載のDNA構築物。 4.DNA配列が糸状真菌又は酵母菌から得られる請求項3記載のDNA構築 物。 5.DNA配列がトリコデルマ属、アスペルギルス属、ペニシリウム属、フザ リウム属又はヒュミコラ属から得られる請求項4記載のDNA構築物。 6.DNA配列がトリコデルマ属の菌株、特に Trichoderma harzianumの菌株 から得られる請求項5記載のDNA構築物。 7.DNA配列がトリコデルマ属 Trichoderma harzianum,CBS 243.71のDN Aライブラリーを基礎にして単離されるか又は産生される請求項6記載のDNA 構築物。 8.請求項1〜7のいずれかに記載のDNA構築物を包含する組換え体発現ベ クター。 9.請求項1〜7のいずれかに記載のDNA構築物又は請求項8記載の組換え 体発現ベクターを包含する細胞。 10.真核細胞、特に真菌細胞、例えば酵母菌細胞又は糸状真菌細胞である請 求項9記載の細胞。 11.アスペルギルス属の菌株、特に Aspergillus niger 又はAspergillus oryzae の菌株に属する請求項10記載の細胞。 12.β−(1−6)−グルカナーゼ活性を示す酵素の製造方法であって、酵 素の製造を可能にする条件下で請求項9〜11のいずれかに記載の細胞を培養し 、培養から酵素を回収することから成る方法。 13.a)請求項1〜7のいずれかに記載のDNA構築物によりコードされ、 b)請求項12記載の方法で製造され、及び/又は c)トリコデルマ属 Trichoderma harzianum,CBS 243.71由来の配列番号4で 示される精製β−(1−6)−グルカナーゼに対して生じる抗体と免疫学的に反 応する β−(1−6)−グルカナーゼ活性を示す酵素。 14.Kmが約0.3 % プストランである請求項13記載の酵素。 15.見かけのpIが約 5.6である請求項13記載の酵素。 16.見かけの分子量が約 50 kDa である請求項13記載の酵素。 17.最適温度が30〜40℃である請求項13記載の酵素。 18.最適pHが4.0 〜 6.0、特に約 5.0 である請求項13記載の酵素。 19.特異的活性が約100 U/酵素1mgである請求項13記載の酵素。 20.β−グルカン含有物質の修飾又は分解に有用な酵素製剤であって、請求 項13〜19のいずれかに記載のβ−(1−6)−グルカナーゼ活性を示す酵素 を豊富に含む酵素製剤。 21.グルカナーゼ、プロテアーゼ、キチナーゼ、マンナナーゼ及び/又はキ トサナーゼから成る群から選択される少なくとも1つの酵素をさらに包含する請 求項20記載の製剤。 22.β−グルカン含有物質の修飾又は分解のための請求項13〜19のいず れかに記載の酵素又は請求項20記載の酵素製剤の使用。 23.β−グルカン含有物質が微生物細胞壁である請求項22記載の使用。 24.酵素又は酵素製剤をプロトプラストの調製に用いる請求項22又は23 記載の使用。 25.酵素又は酵素製剤を酵母菌抽出物の調製に用いる請求項22又は23記 載の使用。 26.ブドウワイン及び圧搾ジュース製造のための請求項22記載の使用。 27.抗真菌剤としての請求項22記載の使用。 28.織物処理のための請求項22記載の使用。 29.コーティング上のカビを除去するための請求項22記載の使用。 30.パーソナルケア製品における請求項22記載の使用。 31.義歯清掃用組成物のための請求項30記載の使用。 32.プラーク除去組成物における請求項31記載の使用。 33.表面から生物薄膜を除去するための請求項22記載の使用。 34.微生物細胞壁からマンノプロテインを抽出するための請求項22又は2 3記載の使用。
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