JPH1048301A - 電気自動車用電池の残存容量検出方法および残存容量検出・表示装置 - Google Patents

電気自動車用電池の残存容量検出方法および残存容量検出・表示装置

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JPH1048301A
JPH1048301A JP8219068A JP21906896A JPH1048301A JP H1048301 A JPH1048301 A JP H1048301A JP 8219068 A JP8219068 A JP 8219068A JP 21906896 A JP21906896 A JP 21906896A JP H1048301 A JPH1048301 A JP H1048301A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気自動車に用いる電池の残存容量を、残存
容量の多少にかかわらず、正確かつ高速に検出できる、
残存容量検出方法および残存容量検出・表示装置を提供
する。 【解決手段】 電気自動車用電池の残存容量検出方法で
は、回生時において電池について実測され得る物理量
と、当該電池の残存容量との相互関係を、予め測定して
おき、実稼働電池11の残存容量を、前記相互関係と、
回生時に実測した前記物理量とに基づき検出することを
特徴とする。特に、前記物理量が、前記電池の内部抵抗
であること、または前記電池の内部抵抗および電池温度
であること、前記実稼働電池の残存容量が多いときに適
用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車に用い
る電池の残存容量を、正確かつ高速に検出できる、残存
容量検出方法および残存容量検出・表示装置に関する。
【0002】
【技術背景】電気自動車では、ドライバーに電池の残存
容量を正確に知らせる必要がある。これにより、ドライ
バーは、次に充電するべき時期や、充電せずにあとどれ
だけの距離を走行できるかを正しく知ることができる。
【0003】電気自動車では、以下のような電池の残存
容量を推定する技術が知られている。 (1)電池の開放端子電圧を測定する方法:この方法で
は、電池の開放端子電圧を測定していることから、通
常、数分から数十分の、十分に長い待ち時間が必要とさ
れる。このため、リアルタイムで電池の残存容量を検出
することはできず、この検出値を、容量メータに表示す
るためのデータとして使用することは実質上できない。
【0004】(2)定電流走行時の電池の端子電圧を測
定する方法:ある一定の電流で放電したときの端子電圧
から、電池の残存容量を検出するもので、一般のカムコ
ーダ,ノートブック型コンピュータ,携帯型シェーバー
等の、電池が一定の負荷電流で使用される機器に実用さ
れている。しかし、負荷の変動が極めて大きく、かつ急
峻である電気自動車では、負荷電流が一定の状況が常に
得られるとは限らず(むしろ、負荷電流が一定しないこ
とが前提である)ことから、簡便な「容量メータ」とし
て使用できても、実用に適した(すなわち、正確な)
「容量メータ」としては使用できない。
【0005】(3)充電および放電の電流値の時間積算
により電池の残存容量を推定する方法:従来、最も実用
的な容量推定方法である。この方法では、電池ごとの充
・放電の効率曲線(充・放電電流と、効率値との関係)
を、温度や充・放電の電流量(時間積算値)に応じて多
数用意しておき、充・放電電流に、上記効率値を乗じて
充・放電電流を積算し、電池の残存容量を算出する。し
かし、この方法では、電池ごとに上記効率曲線を得るた
めの作業(電池ごとの充・放電によるデータの採取)が
必要となる。また、電池ごとの効率曲線から残存容量を
算出するために、演算が複雑となり、しかも誤差の累積
を避けることができない。さらに、電池の充・放電特性
が経時的に変化することもある。したがって、この方法
によっても、電池の残存容量を正確に検出することがで
きない。
【0006】(4)電池の内部抵抗を測定する方法:電
池の残存容量と、電池の内部抵抗との間には、一定の関
係を有することが知られている。この関係の一例は、本
発明の実施例において説明する図4(B)に示されてい
る。図4(B)に示すように、残存容量が多い領域で
は、残存容量(図4(B)ではEr)の変化に対する
内部抵抗(図4(B)ではr)の変化が大きいので、
残存容量の測定は容易である。しかし残存容量が多くな
い(中位の、あるいは少ない)領域では、残存容量の変
化に対する内部抵抗の変化が緩慢となるため、残存容量
の検出を正確に行うことができない。すなわち、この方
法による場合には、電池の残存容量が少なくならない限
り、当該残存容量を正確に知ることができない。
【0007】なお、一般の二次電池では、電池内の電界
液の比重やpHを測定することで、電池の残存容量を推
定する方法が知られている。上記比重やpHの測定によ
る電池の残存容量の検出は、振動を伴う環境では実質上
できないため、電気自動車における電池の残存容量の検
出には適用されていない。
【0008】以上のように、電気自動車では、従来、電
池の残存容量を正確に検出する技術は知られていない。
また、電気自動車では、一充電走行距離が、ガソリンエ
ンジン等の燃料により走行する自動車(以下、「燃料自
動車」と称する)より短い。これと、電池の残存容量を
正確に検出できないこととが合い俟って、電気自動車の
普及を大幅に遅らせている。したがって、電池の残存容
量を正確に測定するようにすることが、電気自動車普及
のために急務となっている。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような問題を解決する
ために提案されたものであって、電気自動車に用いる電
池の残存容量を、残存容量の多少にかかわらず、正確か
つ高速に検出できる、残存容量検出方法および残存容量
検出・表示装置を提供することである。
【0010】
【発明の概要】本発明者は、(1)電気自動車では、力
行動作中に回生動作が突如として行われる(すなわち、
電池が放電しているときに突然、当該電池の充電が行わ
れる)と言った、電池を使用した他の機器や装置、ある
いは力行や回生が行われる他の装置には見られない独自
の現象が生じること、(2)回生時における電池の内部
抵抗等の物理量の変化特性は、必ずしも力行時における
当該物理量の変化特性とは同じではないこと、に着目し
た。そして、回生時における前記物理量の変化と、電池
の残存容量との関係をも考慮すれば、極めて正確かつ高
速に当該残存容量の検出を行うことができる、との結論
に達し、本発明をなすに至った。
【0011】本発明の電気自動車用電池の残存容量検出
方法では、回生時において電池について実測され得る物
理量と、当該電池の残存容量との相互関係を、予め測定
しておく。「回生時において電池について実測され得る
物理量」は、回生時における内部抵抗(以下、「回生時
内部抵抗」と言う)、またはこの内部抵抗および電池温
度である。なお、内部抵抗値は、電流の変化した値を、
電圧降下の変化した値で除算したものとして定義され
る。すなわち、内部抵抗r、電流値I、電圧値Vとする
と、 r=−dV/dI として定義される。なお、電流Iは、力行方向(放電方
向)を正とする。
【0012】前記物理量(たとえば、回生時内部抵抗)
と、電池の残存容量との相互関係は、たとえば、電池の
メーカーにより測定される。この測定は、通常、当該電
池そのもの、または当該電池と同一仕様の電池につい
て、実使用に近い環境下で行われる。上記物理量が、電
池の回生時内部抵抗と電池温度であるときには、たとえ
ば、複数の設定温度下において、それぞれ回生時内部抵
抗と、電池の残存容量との相互関係を求める。これによ
り、当該物理量と電池の残存容量との相互関係を得るこ
とができる。また、回生時内部抵抗と、電池の残存容量
とを、所定の関数(たとえば、回生時内部抵抗をパラメ
ータとする関数、または回生時内部抵抗および電池温度
をパラメータとする関数)を介して相互に関係付けるこ
ともできる。
【0013】本発明では、回生時に前記物理量を実測
し、前記相互関係とこの物理量の実測値とに基づき、実
稼働電池の残存量を検出する。
【0014】本発明の残存容量検出方法は、残存容量の
変化に対して回生時内部抵抗の変化が大きい、残存容量
領域において使用される。通常、電池の残存容量が多い
残存容量領域がこれに相当する。本発明の残存容量検出
方法では、力行時において電池について実測され得る物
理量と、当該電池の残存容量との相互関係を予め測定し
ておき、前記電池の残存容量が少ないときには、前記相
互関係と力行時に実測した前記物理量とに基づき、実稼
働電池の残存容量を検出することができる。この場合
に、力行時において電池について測定され得る物理量
を、前記電池の内部抵抗、または該内部抵抗と電池温度
とすることができる。
【0015】また、本発明の残存容量検出方法では、前
記実稼働電池の残存容量が多くなく、かつ少なくないと
きには、 (i)回生時において電池について実測され得る物理
量と、当該電池の残存容量との相互関係と、回生時に
実測した前記物理量と、に基づき算出した残存容量、 (ii)力行時において電池について実測され得る物
理量と、当該電池の残存容量との相互関係と、力行時
に実測した前記物理量とに基づき算出した実稼働電池の
残存容量、の平均値により実稼働電池の残存容量を検出
することもできる。
【0016】本発明の電気自動車用電池の残存容量検出
・表示装置は、所定の記憶手段と、内部抵抗検出手段
と、所定の演算手段と、残存容量表示装置とを有してい
る。上記の記憶手段には、予め電池の残存容量の多少に
応じて測定された、電池の回生時内部抵抗と残存容量と
の相互関係(第1の相互関係)、前記電池の力行時にお
ける内部抵抗(以下、「力行時内部抵抗」と言う)と残
存容量との相互関係(第2の相互関係)が格納されてい
る。
【0017】内部抵抗実測手段は、通常は、実稼働電池
を流れる電流を測定するための電流検出手段、および実
稼働電池の端子間電圧を測定するための電圧検出手段と
からなり、これらにより実稼働電池の内部抵抗を実測す
る。上記の演算手段は、実稼働電池の残存容量を、内部
抵抗実測手段により実測された回生時内部抵抗の値と第
1の相互関係とから、および/または内部抵抗実測手段
により実測された力行時内部抵抗の値と第2の相互関係
とから求める。残存容量表示装置は、通常は、インジケ
ータにより残存容量を表示できる「容量メータ」であ
り、残存容量の演算値を表示する。
【0018】なお、回生時内部抵抗と残存容量との関係
(第1の相互関係)は、たとえば、内部抵抗の前述の算
出式、 r=−dV/dI において、内部抵抗をdI>0の条件で算出したとき
と、dI<0の条件で算出したときとで異なる場合があ
る。同様に、力行時内部抵抗と残存容量との関係(第2
の相互関係)は、同じく、内部抵抗をdI>0の条件で
算出したときと、dI<0の条件で算出したときとで異
なる場合がある。このような場合に、回生時や力行時に
おける内部抵抗を実測は、上記相互関係における条件
(dI>0,dI<0)と同一条件で行うことが好まし
い。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の残存容量検出方法が適用さ
れる電気自動車の電源系を示す図である。同図に示すよ
うに、電源系1にはインバータ41と駆動用電動機42
とからなる負荷系4が接続されている。
【0020】また、残存容量検出系2は、物理量測定手
段21と、記憶手段22と、残存容量演算部23とから
なる。物理量測定手段21は、回生時および力行時にお
いて電源系1を構成する電池11の物理量を測定する。
ここでは、回生時の物理量は、回生時内部抵抗rと電
池温度Tであり、力行時の物理量は、力行時内部抵抗r
と電池温度Tである。記憶手段22には、電池11の
残存容量が少ないときの、回生時内部抵抗rと残存容
量Erとの相互関係が記憶されている。この相互関係
は、複数の電池温度Tに対応して、電池11と同一仕様
の電池について、予めそれぞれ測定される。
【0021】図2(A)は、各電池温度に応じた、回生
時内部抵抗rと残存容量Erとの第1の相互関係M
を例示するグラフ、図2(B)は、各電池温度に応じ
た、力行時内部抵抗rと残存容量Erとの第2の相互
関係Mを例示するグラフである。残存容量演算部23
は、物理量測定手段21からの実測内部抵抗r,r
と実測電池温度Tと、記憶手段22に格納された、上記
図2(A),(B)に示される第1,第2の相互関係M
,Mとを比較する。
【0022】ここでは、残存容量演算部23は、電池1
1の残存容量が多いときには、回生時内部抵抗rと第
1の相互関係Mとから、電池11の残存容量Er
求め、これを残存容量検出値Erとしている。電池11
の残存容量が少ないときには、力行時内部抵抗rと第
2の相互関係Mとから、電池11の残存容量Er
求め、これを残存容量検出値Erとしている。また、電
池11の残存容量が中位であるときには、(i)回生時
内部抵抗rと第1の相互関係Mから求めた電池11
の残存容量Erと、(ii)力行時内部抵抗rと第
2の相互関係Mとから求めた電池11の残存容量Er
と、を平均して、これを残存容量検出値Erとしてい
る。このようにして検出された残存容量検出値Erは、
容量メータ31に表示される。
【0023】次に、本発明の残存容量検出方法の他の実
施例を、図3のシステム構成図、図4(A),(B)の
相互関係グラフおよび図5,図6のフローチャートを用
いて、より詳細に説明する。図3に示す残存容量検出系
2および容量メータ31とが、本発明の残存容量検出・
表示装置を構成している。図3では、物理量測定手段2
1が測定する物理量は電池11の回生時内部抵抗r
力行時内部抵抗rのみである。物理量測定手段21
は、電流センサ21a,電圧モニタ21b,A/D変換
回路21cとから構成されている。
【0024】図4(A),(B)は、ある電池温度にお
ける、回生時内部抵抗rと残存容量Erとの相互関
係(第1の相互関係M)、力行時内部抵抗rと残存
容量Erとの相互関係(第2の相互関係M)をそれ
ぞれ例示するグラフである。ここで、特に、第1の相互
関係Mは、dI>0、すなわち回生時の電流I(電流
の方向は放電方向を正とする)が増加(電流Iの絶対値
が減少)したときの電流変化分dIと、それに対する電
圧変化分dVとから、内部抵抗r(=−dV/dI)
を算出し、これと残存容量Erとの相互関係を示した
ものである。本実施例では、電流センサ21a,電圧モ
ニタ21b、A/D変換回路21cを介して、電池11
の電流値Iおよび電圧値Vが、残存容量演算部23にサ
ンプリングされる(ステップS1)。
【0025】そして、電流値Iと、前回のサンプリング
における電流値との差、dIが算出される(ステップS
2)。このdIの絶対値が小さすぎるときは、電圧降下
の変化dVも小さい。したがって、ノイズの影響を受け
やすいため、電池11の内部抵抗の正しい算出ができな
い。そこで、dIの絶対値がある設定値ΔI(図5で
は、0.2C、但し、Cは定格容量)に満たないとき
(dI<ΔI)には、その後の処理を行わず、上記の
ステップS1に戻り、dIの絶対値が上記ΔIを超え
るとき(dI≧ΔI)には次のステップS4に進む
(ステップS3)。
【0026】前述したように、図4(A)に示した第1
の相互関係Mは、回生時において、dI>0の条件で
内部抵抗を算出し、そのときの回生時内部抵抗rと残
存容量Erとの関係を示したものである。したがっ
て、ここではdI>0のときには、第1の相互関係M
を用いて残存容量検出の検出のための内部抵抗算出を行
うが、dI≦0のときには残存容量検出の検出を行わな
いこととした。すなわち、ステップS4では、負荷系4
が回生動作しているか、力行動作しているかを判断す
る。そして、ステップS4で、負荷系4が回生動作して
いるときは、回生時の電流Iが減少しているか、増加し
ているかを判断し、電流Iが一定であるか減少している
とき(dI≦0)には、ステップS1に戻り、電流Iが
増加しているとき(dI>0)には、次のステップS6
1aに進む(ステップS5)。
【0027】ステップ61aでは、内部抵抗(すなわ
ち、回生時内部抵抗r)を、測定時電流(すなわち、
回生時の電流I)で正規化し、正規化回生時内部抵抗r
を算出する。この後、この正規化回生時内部抵抗r
と、過去の数個(ここでは、最新の3個の正規化回
生時内部抵抗r )との平均値(回生時内部抵抗平均
値〈r〉)を計算し(ステップS62a)、次のステ
ップS7に進む。
【0028】ステップS4で、負荷系4が力行動作して
いるときは、内部抵抗(すなわち、力行時内部抵抗
)を、測定時電流(すなわち、力行時の電流I)で
正規化し(ステップS61b)、正規化力行時内部抵抗
を算出する。この後、この正規化力行時内部抵抗
と、過去数個(ここでは、最新の3個の正規化力
行時内部抵抗r )との平均値(力行時内部抵抗平均
値〈r〉)を計算し(ステップS62b)、次のステ
ップS7に進む。
【0029】ステップ7では、上記のようにして測定さ
れた、回生時内部抵抗平均値〈r〉と力行時内部抵抗
平均値〈r〉との差、〈r〉−〈r〉を求める。
この差が、ある設定値R(たとえば、0.5mΩ)を
超えるか否かが判断される(ステップS8)。
【0030】ここで、前記平均値の差、〈r〉−〈r
〉がRを超える(すなわち、〈r〉−〈r〉≧
)ときは、図4(A),(B)からもわかるよう
に、電池11の残存容量は多いので、図4(A)の回生
時の相互関係Mに基づき、残存容量Er(すなわち、
Er)を求める(ステップS9)。一方、前記平均値
の差、〈r〉−〈r〉がRに満たない(すなわ
ち、〈r〉−〈r〉<R)ときは、ステップS1
0に進む。
【0031】ステップS10では、前記平均値の差、
〈r〉−〈r〉が、ある設定値R(たとえば、
0.2mΩ)を超えるか否かが判断される。ここで、前
記平均値の差、〈r〉−〈r〉がRに満たない
(すなわち、〈r〉−〈r〉<R)ときは、図4
(A),(B)からもわかるように、電池11の残存容
量は少ないので、図4(B)の力行時の相互関係M
基づき、残存容量(すなわち、Er)を求める(ステ
ップS11)。
【0032】一方、前記平均値の差、〈r〉−
〈r〉がRを超える(すなわち、〈r〉−
〈r〉≧R)ときは、図4(A),(B)からもわ
かるように、電池11の残存容量は少なくもなく多くも
ない(すなわち、中程度である)。この場合には、図4
(A)の回生時の相互関係Mおよび図4(B)の力行
時の相互関係Mそれぞれにに基づき、残存容量Er
およびErを求め(ステップS12)、これらの平均
値(Er+Er)/2により残存容量Erを求める
(ステップS13)。ステップS9、S11およびS1
3により求められた残存容量は、容量メータ31により
表示される(ステップS14)。
【0033】なお、本発明の残存容量検出方法および残
存容量検出・表示装置は、上記の実施例に限定されな
い。たとえば、図5や図6のフローチャートにおいて、
適宜、あるステップの内容の変更、あるステップの削
除、新たなステップの追加が可能である。また、正規化
の方法や、回生時内部抵抗平均値や力行時内部抵抗平均
値の定義の方法も、上記の実施例には限定されない。も
ちろん、図5や図6のフローチャートに示される方法以
外により、本発明の残存容量検出方法を実現すること、
図1や図3に示した以外の構成により本発明の残存容量
検出・表示装置を構成できる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、実稼働電池の残存容量の検出
に際し、特に、力行時において電池について実測され得
る物理量(たとえば、力行時内部抵抗値)のみを用いる
のではなく、回生時において電池について実測され得る
物理量(例えば、回生時内部抵抗値)を用いている。こ
れにより、力行時における内部抵抗のみに基づき電池の
残存容量を検出する従来技術における、正確な検出がで
きない残存容量領域(たとえば、残存容量が多い領域)
においても、正確かつ高速な残存容量の検出が可能とな
り、また実用に適した正確な「容量メータ」の提供も可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の残存容量検出方法を実施するための、
電気自動車の電源系を示す図である。
【図2】(A)は電池温度ごとの、回生時内部抵抗と残
存容量との関係を例示するグラフ、(B)は電池温度ご
との、力行時内部抵抗と残存容量との関係を例示するグ
ラフである。
【図3】本発明の残存容量検出方法を実施するための電
気自動車の電源系を示すと共に、本発明の残存容量検出
・表示装置を示す図である。
【図4】(A)は回生時内部抵抗と残存容量との関係を
例示するグラフ、(B)は力行時内部抵抗と残存容量と
の関係を例示するグラフである。
【図5】本発明の残存容量検出方法を実施するための処
理の前半を示すフローチャートである。
【図6】本発明の残存容量検出方法を実施するための処
理の後半を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 電源系 11 電池 2 残存容量検出系 21 物理量測定手段 21a 電流センサ 21b 電圧モニタ 21c A/D変換回路 22 記憶手段 23 残存容量演算部 31 容量メータ 4 負荷系 41 インバータ 42 駆動用電動機

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回生時において電池について実測され得
    る物理量と、当該電池の残存容量との相互関係を、予め
    測定しておき、 実稼働電池の残存容量を、前記相互関係と、回生時に実
    測した前記物理量とに基づき検出することを特徴とする
    電気自動車用電池の残存容量検出方法。
  2. 【請求項2】 前記物理量が、前記電池の内部抵抗であ
    ること、または前記電池の内部抵抗および電池温度であ
    ること、 を特徴とする請求項1に記載の電気自動車用電池の残存
    容量検出方法。
  3. 【請求項3】 前記実稼働電池の残存容量が多いときに
    適用されることを特徴とする、請求項1または2に記載
    の電気自動車用電池の残存容量検出方法。
  4. 【請求項4】 力行時において電池について実測され得
    る物理量と、当該電池の残存容量との相互関係を予め測
    定しておき、 実稼働電池の残存容量が少ないときには、前記実稼働電
    池の残存容量を、前記相互関係と、力行時に実測した前
    記物理量とに基づき検出すること、を特徴とする、請求
    項1〜3の何れかに記載の電気自動車用電池の残存容量
    検出方法。
  5. 【請求項5】 前記実稼働電池の残存容量が多くなく、
    かつ少なくないときには、(i)回生時において電池に
    ついて実測され得る物理量と、当該電池の残存容量との
    相互関係と、 実稼働電池について回生時に実測した前記物理量と、に
    基づき算出した残存容量、(ii)力行時において電池
    について実測され得る物理量と、当該電池の残存容量と
    の相互関係と、 実稼働電池について力行時に実測した前記物理量と、に
    基づき算出した残存容量、の平均値により実稼働電池の
    残存容量を検出すること、を特徴とする、請求項4に記
    載の電気自動車用電池の残存容量検出方法。
  6. 【請求項6】 力行時において電池について測定され得
    る物理量が、前記電池の内部抵抗であること、または前
    記電池の内部抵抗および電池温度であること、を特徴と
    する請求項4または5に記載の電気自動車用電池の残存
    容量検出方法。
  7. 【請求項7】 予め電池の残存容量の多少に応じて測定
    された、 前記電池の回生時における内部抵抗と残存容量との第1
    の相互関係、 前記電池の力行時における内部抵抗と残存容量との第2
    の相互関係、が格納された記憶手段と、 実稼働電池の内部抵抗を実測するための内部抵抗実測手
    段と、 前記実稼働電池の残存容量を、 (i)前記内部抵抗実測手段により実測された前記内部
    抵抗の値と、前記第1の相互関係、および/または(i
    i)前記内部抵抗実測手段により実測された前記内部抵
    抗の値と、前記第2の相互関係、から求める演算手段
    と、 前記実稼働電池の残存容量の演算値を表示する残存容量
    表示装置と、を有することを特徴とする電気自動車用電
    池の残存容量検出・表示装置。
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