JPH1048173A - 金属配管の外面腐食測定装置 - Google Patents

金属配管の外面腐食測定装置

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JPH1048173A
JPH1048173A JP8220807A JP22080796A JPH1048173A JP H1048173 A JPH1048173 A JP H1048173A JP 8220807 A JP8220807 A JP 8220807A JP 22080796 A JP22080796 A JP 22080796A JP H1048173 A JPH1048173 A JP H1048173A
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JP
Japan
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corrosion
metal pipe
signal
corrosion measurement
measuring
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JP8220807A
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English (en)
Inventor
Yutaka Tanaka
豊 田中
Shigeo Iwahashi
茂雄 岩橋
Masazumi Miyazawa
正純 宮澤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
  • Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外装材や保温材等で被覆した金属配管での外
面腐食の状態を信頼性よく且つ工業的にも有利に検査可
能にする。 【解決手段】 金属配管10の長手方向外面に密着保持
されて、該長手方向に沿う所定区間毎に個々の腐食測定
用センサー部21(211 、212 、‥‥、21n )を
配したセンサーケーブル20と、個々の腐食測定用セン
サー部21からの腐食測定信号S(S1 、S2 、‥‥、
n )を順次に取り出す信号検出器30(301 、30
2 、‥‥、30n )と、信号検出器30から順次に取り
出される各腐食測定信号Sを無線方式で送信する現場無
線送信手段32と、現場無線送信手段32によって送信
される各腐食測定信号Sを移動無線方式で受信収集し且
つ記憶するデータ収集部50と、データ収集部50から
取り入れる各腐食測定信号Sに基づいて、金属配管10
の該当部分の外面腐食状態を電気化学的測定法によって
解析するデータ処理部70とを備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属配管の外面腐
食測定に適用される腐食測定装置に関し、さらに詳しく
は、金属配管の外面腐食を電気化学的測定法によって測
定する金属配管の外面腐食測定装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】化学プラントや石油化学コンビナート等
の施設においては、適用する原料、製品、ユーティリテ
ィー(蒸気、窒素ガス、燃料ガス等)等の輸送に関して
パイプライン等の配管が数多く使用される。これらの配
管、特に金属配管については、一般に大気中に暴露して
用いられるために、通常の場合、その外面腐食を防止す
る観点から、該金属配管の外側表面に対して防食塗装等
を施した上で、さらに保温材や外装材等による被覆を施
行することにより、大気中の湿気や雨水等が内部に浸入
しないような処置が講じられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の金
属配管における外面腐食は、想定される種々の各要因、
例えば、構造的な要因(枝管の分岐部分や外装材との境
界部分等)、稼動運転上の要因(運転温度と結露や使用
年数等)、設計上の要因(配管の使用材質とか肉厚や施
行方法等)、外装的な要因(保温材および外装材の劣化
や施行不良等)、それに、環境的な要因(気温状況や降
雨等)等によって惹き起こされる場合が多い。
【0004】即ち、例えば、配管材質に炭素鋼を用いた
金属配管の場合には、次のような各要因によって外面腐
食を発生する。 (a)金属配管の外面に施した外装材が、施行不良や経
年劣化等によってシール不良となり、雨水が内部に浸入
して滞溜し、該当外面部分に腐食を生じさせる。 (b)金属配管の外面に施されている防食塗装が、熱履
歴による経年変化や水分の接触による劣化等によって剥
離し、金属表面が外部に露出して外面腐食を生じさせ
る。 (c)金属配管の使用温度が常時20〜85℃程度の範
囲であるとか、使用年数が15年程度を越える場合に
は、外面腐食の発生割合も著しく高くなる。
【0005】また、配管材質にステンレス鋼を用いた金
属配管の場合には、雨水の浸入と保温材からの塩素イオ
ンの濃縮とで、応力腐食割れを発生する。
【0006】一方、上記構成での金属配管における外面
腐食の測定ないしは検査方法については、従来から、配
管自体の外面にあらかじめ被覆されている外装材や保温
材等を一旦取り除いた上で、該金属配管の外面を目視確
認して実施する手段がよく知られている。
【0007】しかしながら、この目視による検査方法で
は、検査対象部分が比較的広範囲な金属配管の全長に及
ぶことから、実際上すこぶる困難且つ面倒なものであ
り、しかも検査終了後には、該検査対象部分に再度、外
装材や保温材等を被覆させる必要があって手間がかか
り、且つ費用もまた嵩むことを避けられず、決して工業
的に有利な手段とは言い得ないものであった。
【0008】本発明は、このような従来における金属配
管の外面検査方法の問題点を改善しようとするもので、
その目的とするところは、外装材や保温材等で被覆した
金属配管での外面腐食の状態を信頼性よく且つ工業的に
も有利に検査可能にする金属配管の外面腐食測定装置を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る金属配管の外面腐食測定装置は、特
に、金属配管の外面にあらかじめ被覆施行されている外
装材や保温材等を取り除いたりせずに、検査対象部分の
外面腐食の状態を電気化学的測定法を用いて定量的に測
定し得るようにしたものである。
【0010】即ち、本発明に係る請求項1に記載の発明
は、外面に保温材および/または外装材等を被覆させた
金属配管の外面腐食状態を測定する装置であって、前記
金属配管の長手方向外面に密着保持されて、該長手方向
に沿う所定区間毎に個々の腐食測定用センサーを配した
センサーケーブルと、前記個々の腐食測定用センサーか
らの腐食測定信号を順次に取り出す信号検出器と、前記
信号検出器から順次に取り出される前記各腐食測定信号
を無線方式で送信する現場無線送信手段と、前記現場無
線送信手段によって送信される前記各腐食測定信号を移
動無線方式で受信収集し且つ記憶するデータ収集部と、
前記データ収集部から取り入れる前記各腐食測定信号に
基づいて、前記金属配管の該当部分の外面腐食状態を電
気化学的測定法によって解析するデータ処理部とを少な
くとも備えることを特徴とする金属配管の外面腐食測定
装置である。
【0011】請求項1の発明では、金属配管における該
当外面部分の腐食測定信号がセンサーケーブルに配され
たそれぞれの対応する各腐食測定用センサーで検出され
ると共に、該検出された各腐食測定信号が現場無線送信
手段によって無線送信され、且つ無線送信される各腐食
測定信号は、移動無線方式のデータ収集部に受信されて
収集且つ記憶された上で、データ処理部に取り入れら
れ、該取り入れた各腐食測定信号に基づき、金属配管の
該当部分の外面腐食状態が電気化学的測定法によって解
析される。
【0012】本発明に係る請求項2に記載の発明は、外
面に保温材および/または外装材等を被覆させた金属配
管の外面腐食状態を測定する装置であって、前記金属配
管の長手方向外面に密着保持されて、該長手方向に沿う
所定区間毎に個々の腐食測定用センサーを配し、且つ前
記金属配管の特定配管グループ毎に長手方向に僅かな間
隔を隔てて順次連続的に設けた複数の各センサーケーブ
ルと、前記特定配管グループ毎に包括される各センサー
ケーブルに付設されて、該各センサーケーブルの各腐食
測定用センサーからの腐食測定信号を順次に取り出す同
数の各信号検出器と、受信選択された前記信号検出器か
ら順次に取り出される各腐食測定信号を無線方式で送信
する特定配管グループ毎の各現場無線送受信手段と、前
記各現場無線送受信手段を選択すると共に、選択された
現場無線送受信手段によって送信される前記各腐食測定
信号を移動無線方式で収集且つ記憶するデータ収集部
と、該データ収集部から取り入れる前記各腐食測定信号
に基づいて、前記金属配管の該当部分の外面腐食状態を
電気化学的測定法によって解析するデータ処理部とを備
えることを特徴とする金属配管の外面腐食測定装置であ
る。
【0013】請求項2の発明では、特定配管グループ毎
の金属配管における該当外面部分の腐食測定信号が該当
するセンサーケーブルに配されたそれぞれの対応する各
腐食測定用センサーで検出された上で、該検出された腐
食測定信号が各信号検出器に順次に取り出されることに
なり、この状態で、移動無線方式のデータ収集部からの
信号によって受信選択された特定配管グループに属する
各腐食測定信号のみが現場無線送受信手段によって無線
送信され、且つ無線送信される特定配管グループの各腐
食測定信号は、データ収集部に受信されて収集且つ記憶
された上で、データ処理部に取り入れられ、該取り入れ
た各腐食測定信号に基づき、特定配管グループに属する
金属配管の該当部分の外面腐食状態が電気化学的測定法
によって解析される。
【0014】本発明に係る請求項3に記載の発明は、前
記請求項1または2の何れかに記載の金属配管の外面腐
食測定装置の構成において、前記金属配管の長手方向外
面に密着保持されるセンサーケーブルが、該金属配管の
外面に浸入する雨水等が滞溜し易い外面部分に配置され
ることを特徴としている。
【0015】請求項3の発明では、雨水等が浸入して滞
溜し易く、従って腐食を生ずることの多い金属配管にお
ける外面部分の腐食状態が余すところなく検出される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る金属配管の外
面腐食測定装置の実施形態例につき、図1ないし図6を
参照して詳細に説明する。
【0017】図1は、本実施形態例を適用した測定対象
の金属配管を含む外面腐食測定装置の全体構成の概要を
模式的に示す斜視説明図であり、図2は、前記金属配管
を水平方向に配置させた場合の一態様例を模式的に示す
縦断面図、図3は、同上センサーケーブルを取り出して
模式的に示す説明図である。図4(a)、(b)は、前
記金属配管を垂直方向に配置させた場合の一態様例を模
式的に示す横断面図および縦断面図である。
【0018】これらの図1ないし図4に示す装置構成に
おいて、本実施形態例の場合、金属配管10には、全長
に亘る外面に接して保温材11と外装材12とが順次に
被覆されている。
【0019】前記金属配管10、ここでは水平方向に配
置される金属配管10の外面下側、つまり腐食原因とな
る雨水等が浸入して滞溜する惧れのある外面下側対応の
ボトム部には、図1および図2から明らかな如く、適宜
に固定バンド13等を用いることで、長手方向に沿わせ
た所定区間、例えば、10〜100m程度の範囲、望ま
しくは20〜50m程度、特に、約30m程度毎に僅か
な間隔を隔てて外面腐食測定用のセンサーケーブル20
を密着状態で且つ連続的に配備させると共に、信号入出
力端として、その一方のケーブル端を外部に引き出して
信号検出器30に接続させてある。
【0020】この場合、前記個々の各センサーケーブル
20については、例えば、図3に示す如く、長さ方向へ
数m程度の間隔毎に数cm程度の長さ範囲の複数個のセ
ンサー部211 、212 、‥‥、21n をそれぞれに有
しており、該各センサー部211 、212 、‥‥、21
n は、ケーブル20の被覆を剥離して内部銅線を露出さ
せることで電極とし、各センサー部211 、212 、‥
‥、21n で検出される腐食測定信号(電気信号)は、
センサーケーブル20を経て個々選択的に前記信号検出
器30に取り出される。ここで、センサーケーブル20
には、例えば、2芯または3芯の家庭用電力ケーブル等
を用いることができ、熱電対用の保証銅線、クロメル−
アロメル等の異種金属は信号特性が良くて効果的な使用
が可能である。
【0021】一方、前記金属配管10が垂直方向に配置
されるときには、図4に示す如く、浸入する雨水が外面
に接して上方から下方へ流れて配管相互を接続するフラ
ンジ部10aに滞溜することが多いので、この場合、該
フランジ部10aを含む外面側部に沿って配備させるの
が好ましい。
【0022】そして、前記信号検出器30に取り出され
る個々の腐食測定信号は、詳細については後述するよう
に、次のデータ収集部50に収集された上でデータ処理
部70に取り入れられ、その腐食測定信号から前記金属
配管10の該当外面部における腐食解析が実施されるこ
とになる。
【0023】ここで、この種の金属腐食の検出法、つま
り本実施態様例による金属配管10の外面腐食測定方法
としては、この場合、電気化学的測定法、例えば、電気
抵抗測定法、分極抵抗測定法〔直流分極抵抗法、交流分
極抵抗法(いわゆるインピーダンス法)〕、電気化学雑
音法(いわゆるノイズ法)の各手段をそれぞれに適用で
きる。
【0024】前記分極抵抗測定法は、電気化学的な分極
抵抗から測定時点での腐食速度を求める手段であり、例
えば、2つの電極間に直流または交流の微小電位差(1
0mV程度)を印加させ、それによって生ずる電流の変
化を測定することで、瞬時に該当金属部分の全面腐食速
度を求める手段である。
【0025】前記電気抵抗測定法は、金属エレメントの
腐食に伴って断面積が減少し、その電気抵抗値が増加す
ることを利用するもので、一定期間毎に該金属エレメン
トの電気抵抗値を測定し、その測定値勾配から該当時間
における平均腐食速度を求める手段である。
【0026】前記電気化学雑音法は、2つの電極間のカ
ップリング電流と電気化学的電流ノイズとの測定を行っ
て、これらの双方を比較することによって該当金属部分
の局所腐食の程度を求めると共に、さらに該2つの電極
間に生じている電気化学的電位ノイズを測定し、該電位
ノイズと前記電流ノイズとの比較で抵抗/インピーダン
スノイズを得た後、該抵抗/インピーダンスノイズ出力
と前記局所腐食の程度とを比較して局所腐食の腐食速度
を判断する手段である。
【0027】そして、前記信号検出器30で検出された
腐食測定信号(電気信号)は、この場合、無線方式によ
って前記データ収集部50に収集された後、先にも述べ
たように前記データ処理部70に送られて処理されるこ
とになる。
【0028】次に、前記各信号検出器30とデータ収集
部50との詳細ならびに前記データ処理部70の詳細に
ついて述べる。
【0029】図5は、前記各信号検出器、ここでは特定
される配管グループの各信号検出器からの腐食測定信号
を集約する現場ターミナル盤と、巡回車(パトロールカ
ー)形式を用いたデータ収集部との各構成の概要を示す
説明図であり、図6は、同上回路構成の詳細を示すブロ
ック図である。
【0030】先ず、図5に示す装置構成において、前記
特定される配管グループの各信号検出器301 、30
2 、‥‥、30n を包括する現場ターミナル盤31に
は、これらの各信号検出器301 、302 、‥‥、30
n からのそれぞれの各信号S1 、S2 、‥‥、Sn を入
力処理する現場無線送受信装置32と、電波の到達距離
を大きくし、且つ不要な方向への放射を少なくするため
に指向性をもたせた送受信アンテナ33とが設けられて
いる。
【0031】また、前記データ収集部50としてのパト
ロールカー51には、通常の場合、VHF帯以上の高い
周波数を用いる移動局無線送受信装置52が搭載され、
且つ指向性を与えた送受信アンテナ53が設けられると
共に、別に移動局無線送受信装置52に動作命令を入力
する操作部54と、例えば、LSIカードメモリ等によ
る受信信号のデータ記憶手段55と、保守員に装置の動
作状況等を判断音等によって報知するスピーカ56と、
データ記憶手段55としてのLSIカードメモリの記憶
内容を出力する出力端子57と、それに、各機器類の電
源となる内部電源58とを有している。ここで、前記L
SIカードメモリは、データ記憶手段55から任意に取
り出すことが可能であり、前記データ処理部70に設け
られるカードリーダによってその記憶内容を読み出すこ
とができる。また、前記出力端子57は、前記LSIカ
ードメモリ、ひいてはデータ記憶手段55の記憶内容を
出力し、前記データ処理部70に設けられるインタフェ
ースを介して測定データ解析用コンピュータ等との間で
データ授受を行うことができる。
【0032】次に、図6に示す回路構成において、前記
現場無線送受信装置32は、送受信アンテナ33に到来
する受信波を検波し、該受信波に含まれている起動信号
および送受信装置識別番号(配管番号および信号検出器
番号を含む)を復調して出力する復調部41と、該復調
部41の出力を解読して自己の識別番号、つまり送受信
装置32が指定されているときに装置動作を開始させる
信号検知部42と、前記各信号検出器301 、302
‥‥、30n から入力されるそれぞれの各信号S1 、S
2 、‥‥、Sn を送信に適する信号に変換する入力変換
部43と、信号検知部42の出力に含まれる各信号検出
器301 、302 、‥‥、30n 等の指定対応に入力変
換部43からの各信号S1 、S2 、‥‥、Sn を所定順
序で制御出力する制御部44と、それに、制御出力され
る各信号S1 、S2 、‥‥、Snを変調する変調部45
とによって構成されており、この場合、変調部45で変
調された各信号S1 、S2 、‥‥、Sn は、制御部44
による制御のもとで送受信アンテナ33から送信され
る。
【0033】また、前記移動局無線送受信装置52は、
送信先現場無線送受信装置の識別番号(配管番号および
信号検出器番号を含む)を発生する識別番号発生部61
と、送信先現場無線送受信装置の起動信号と識別番号発
生部61からの識別番号、必要に応じて信号検出器番号
等を変調した上で、送信、受信切替え用のサーキュレー
タ63を介して送受信アンテナ53から送信する送信器
62とを有し、また、送受信アンテナ53からサーキュ
レータ63を介した受信波を検波し、該受信波に含まれ
ている受信信号、ここでは前記それぞれの各信号S1
2 、‥‥、Sn を復調して再生する復調部64と、こ
れらの制御部65と、それに、受信信号の表示と装置の
調整等に用いる表示器66とによって構成されており、
該制御部65への操作部54による入力操作により、前
記した送信または受信の切替え指示、受信内容の記憶、
判断音の発生、記憶内容の読出し、ならびにLSIカー
ドメモリの出し入れ等の所定動作が行われるのである。
【0034】引続き、前記現場ターミナル盤31とパト
ロールカー51との組み合せによる操作ならびにその動
作について述べる。
【0035】図5および図6に関して、データ収集部5
0としての巡回中のパトロールカー51は、所定プロセ
スにおける被腐食測定金属配管10の部分に対応する箇
所、ここでは、各信号検出器301 、302 、‥‥、3
n の現場ターミナル盤31の付近に到着した状態で、
先ず、該パトロールカー51側の送受信アンテナ53を
現場ターミナル盤31側の送受信アンテナ33に向ける
と共に、操作部54における収集開始スイッチを閉路操
作して収集を開始する。この収集開始に伴い、移動局無
線送受信装置52では、配管外面の腐食測定を予定して
いる送信先現場無線送受信装置32の起動信号とその識
別番号、必要に応じては信号検出器番号等を送受信アン
テナ33から送信する。
【0036】前記各信号検出器301 、302 、‥‥、
30n を包括する現場無線送受信装置32においては、
送受信アンテナ53で受信した受信信号を復調部41で
検波且つ復調して送信元の起動信号と識別番号および信
号検出器番号とを再生し、さらに信号検知部42によっ
て、識別番号および信号検出器番号が自己の番号に該当
するものであることを確認した時点で、制御部44を介
し装置を起動させて次の各動作を開始する。
【0037】即ち、前記信号検出器番号が各信号検出器
301 、302 、‥‥、30n に該当している場合、入
力変換部43は、導入されている各信号S1 、S2 、‥
‥、Sn を送信に適した信号に変換して順次に出力し、
変調部45では、該変換された各信号S1 、S2 、‥
‥、Sn を搬送波に変調して送受信アンテナ53から送
出する。ここで、前記搬送波としては、通常の場合、受
信波の周波数と同じ周波数の搬送波を発振させるが、電
波の到達距離が数m程度と極めて短くてよいときには、
出力波の電力も小さくて済む。
【0038】次いで、前記現場無線送受信装置32側の
送受信アンテナ53から送出された搬送波は、再度、前
記パトロールカー51側の送受信アンテナ53によって
受信されると共に、該受信信号が切替えられたサーキュ
レータ63を介して復調部64で検波且つ復調され、送
信元の信号検出器番号データ、ここでは各信号検出器3
1 、302 、‥‥、30n と、該当する配管外面の腐
食測定データとして各腐食測定信号S1 、S2 、‥‥、
n 等とが再生されるのであり、これらの各データは、
データ記憶手段55としてのLSIカードメモリに記憶
され、同時に表示器66に表示されて確認できる。ま
た、前記LSIカードメモリに記憶された各データは、
別途外付けのカードリーダによって読み出すか、あるい
は出力端子57から読み出して、次の前記データ処理部
70でコンピュータ処理することができ、しかも、ここ
での信号授受の過程は、警報を含めてスピーカ56から
通報できるのであり、さらに、これらの各動作は、操作
部54の操作によって開始され、制御部65にあらかじ
め登録されているプログラムに従って順次に実行される
のである。
【0039】続いて、前記データ処理部70について述
べる。
【0040】前記パトロールカー51、ひいてはデータ
収集部50によって検出された前記各信号検出器30
1 、302 、‥‥、30n の識別と、腐食測定データと
しての各腐食測定信号S1 、S2 、‥‥、Sn 等とは、
先にも述べたようにデータ処理部70に取り入れられた
上で、測定データ解析用コンピュータ(あらためては図
示せず)等において前記電気化学的測定法で処理され、
このようにして所期通りの該当する配管外面の腐食デー
タ解析が実施される。
【0041】この場合、前記コンピュータ等の処理によ
る配管外面の腐食データ解析については、先に述べた電
気化学的測定法の種類、例えば、電気抵抗測定法、分極
抵抗測定法および電気化学雑音法のそれぞれによって異
なるが、何れの手段を採用するにしても、各腐食測定信
号S1 、S2 、‥‥、Sn 等の各データに基づいて、そ
れぞれの各金属配管10における外面腐食の状態や、そ
のトレンド値の推移および比較等の解析がなされ、解析
結果がCRT画面やプリンタ等に出力表示されることに
なる。
【0042】ここでは、前記配管外面の腐食データ解析
の一例として電気化学的測定法の内で、電気化学雑音法
(いわゆるノイズ法)を適用する場合を以下に述べる。
【0043】即ち、電気化学雑音法は、先にも述べた如
く、外面腐食信号として、カップリング電流(Imean
と電気化学的電流ノイズ(In )や、電気化学的電圧ノ
イズの各測定データを前記データ処理部70に取り入れ
て行なうもので、該カップリング電流(Imean)と電気
化学的電流ノイズ(In )とを対比することによって外
面腐食の程度、換言すると局部腐食の程度を容易に把握
できる。
【0044】この場合、前記カップリング電流In /電
気化学的電流ノイズImeanの比によって腐食の形態を次
の4通りに区分することができる。 全 面 腐 食 : 0.001<In /Imean<0.01 混 合 腐 食 : 0.01 <In /Imean<0.1 局 所 腐 食(部分): 0.1 <In /Imean<1.0 ピッチング(孔状腐食): 1.0 <In /Imean
【0045】そして、前記In /Imeanの比をCRT画
面やプリンタ等に出力表示させることで、前記各信号検
出器301 、302 、‥‥、30n 毎の腐食測定の瞬時
値や、該瞬時値を時系列で表示したトレンド値の推移か
ら、該腐食の形態の推移を極めて容易に確認且つ把握で
きる。
【0046】さらに、前記出力表示については、前記腐
食の形態に加えて、先のカップリング電流(Imean)や
電気化学的電流ノイズ(In )、それに電気化学的電位
ノイズ(Vn )等の各データの瞬時値、時系列で表示し
たトレンド値の推移やその累積値等をそれぞれ別に、ま
たは相互に関連付けて表示させることにより、該当する
配管の外面腐食の判断を一層的確に行い得るのである。
【0047】
【発明の効果】以上実施態様例によって詳述したよう
に、本発明の請求項1に記載の発明によれば、外面に保
温材および/または外装材等を被覆させた金属配管の外
面腐食状態を測定する装置において、金属配管での該当
外面部分の腐食測定信号をセンサーケーブルに配された
それぞれの対応する各腐食測定用センサーによって検出
した後に、該検出された各腐食測定信号を現場無線送信
手段によって無線送信し、また、該無線送信される各腐
食測定信号を移動無線方式のデータ収集部により受信す
ることで収集し、且つ該データ収集部に記憶させ、さら
に、収集した各腐食測定信号をデータ処理部に取り入れ
た上で、電気化学的測定法によって解析するようにした
ので、金属配管の外面に被覆されている保温材および/
または外装材等を全く取り除くことなしに、該金属配管
の該当部分の外面腐食状態を容易且つ的確に信頼性よく
検出して把握できるのであり、しかも金属配管からデー
タ収集部への腐食測定信号の授受に無線方式を採用して
いるために、より一層効果的且つ実際的で工業的にも有
利な測定をなし得るという優れた特長を有するものであ
る。
【0048】本発明の請求項2に記載の発明によれば、
同様に、外面に保温材および/または外装材等を被覆さ
せた金属配管の外面腐食状態を測定する装置において、
特定配管グループ毎の金属配管での該当外面部分の腐食
測定信号を該当するセンサーケーブルに配されたそれぞ
れの対応する各腐食測定用センサーによって検出した後
に、該検出された腐食測定信号を各信号検出器に順次に
取り出すようにすると共に、この状態で、移動無線方式
のデータ収集部からの信号によって受信選択された特定
配管グループに属する各腐食測定信号を現場無線送受信
手段によって無線送信し、また、該無線送信される特定
配管グループの各腐食測定信号をデータ収集部により受
信することで収集し、且つ該データ収集部に記憶させ、
さらに、収集した各腐食測定信号をデータ処理部に取り
入れた上で、電気化学的測定法によって解析するように
したので、上記請求項1の場合と同様な効果が得られる
ほかに、ここでは特定配管グループに属する金属配管毎
に、その金属配管の該当部分の外面腐食状態をより一層
迅速に検出できるという特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例を適用した測定対象の金
属配管を含む外面腐食測定装置の全体構成の概要を模式
的に示す斜視説明図である。
【図2】同上金属配管を水平方向に配置させた場合の一
態様例を模式的に示す縦断面図である。
【図3】同上金属配管のセンサーケーブルを取り出して
模式的に示す説明図である。
【図4】同上金属配管を垂直方向に配置させた場合の一
態様例を模式的に示す横断面図(同図(a))および縦
断面図(同図(b))である。
【図5】同上特定される配管グループの各信号検出器か
らの腐食測定信号を集約する現場ターミナル盤とパトロ
ールカー形式を用いたデータ収集部との各構成の概要を
示す説明図である。
【図6】同上現場ターミナル盤とパトロールカーとの回
路構成の詳細を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 金属配管 11 保温材 12 外装材 13 固定バンド 20 センサーケーブル 21 腐食測定用センサー部 30(301 、302 、‥‥、30n ) 信号検出器 31 現場ターミナル盤 32 現場無線送受信装置 33 現場無線送受信装置の送受信アンテナ 41 復調部 42 信号検知部 43 入力変換部 44 制御部 45 変調部 50 データ収集部 51 パトロールカー 52 移動局無線送受信装置 53 移動局無線送受信装置の送受信アンテナ 54 操作部 55 記憶手段 56 スピーカ 57 出力端子 61 識別番号発生部 62 送信器 63 サーキュレータ 64 復調部 65 制御部 66 表示器 70 データ処理部 S1 、S2 、‥‥、Sn 腐食測定信号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外面に保温材および/または外装材等を
    被覆させた金属配管の外面腐食状態を測定する装置であ
    って、 前記金属配管の長手方向外面に密着保持されて、該長手
    方向に沿う所定区間毎に個々の腐食測定用センサーを配
    したセンサーケーブルと、前記個々の腐食測定用センサ
    ーからの腐食測定信号を順次に取り出す信号検出器と、
    前記信号検出器から順次に取り出される前記各腐食測定
    信号を無線方式で送信する現場無線送信手段と、前記現
    場無線送信手段によって送信される前記各腐食測定信号
    を移動無線方式で収集し且つ記憶するデータ収集部と、
    前記データ収集部から取り入れる前記各腐食測定信号に
    基づいて、前記金属配管の該当部分の外面腐食状態を電
    気化学的測定法によって解析するデータ処理部とを少な
    くとも備えることを特徴とする金属配管の外面腐食測定
    装置。
  2. 【請求項2】 外面に保温材および/または外装材等を
    被覆させた金属配管の外面腐食状態を測定する装置であ
    って、 前記金属配管の長手方向外面に密着保持されて、該長手
    方向に沿う所定区間毎に個々の各腐食測定用センサーを
    配し、且つ前記金属配管の特定配管グループ毎に長手方
    向に僅かな間隔を隔てて順次連続的に設けた複数の各セ
    ンサーケーブルと、前記特定配管グループ毎に包括され
    る各センサーケーブルに付設されて、該各センサーケー
    ブルの各腐食測定用センサーからの腐食測定信号を順次
    に取り出す同数の各信号検出器と、受信選択された前記
    信号検出器から順次に取り出される各腐食測定信号を無
    線方式で送信する特定配管グループ毎の各現場無線送受
    信手段と、前記各現場無線送受信手段を選択すると共
    に、選択された現場無線送受信手段によって送信される
    前記各腐食測定信号を移動無線方式で収集し且つ記憶す
    るデータ収集部と、該データ収集部から取り入れる前記
    各腐食測定信号に基づいて、前記金属配管の該当部分の
    外面腐食状態を電気化学的測定法によって解析するデー
    タ処理部とを備えることを特徴とする金属配管の外面腐
    食測定装置。
  3. 【請求項3】 前記金属配管の長手方向外面に密着保持
    されるセンサーケーブルが、該金属配管の外面に浸入す
    る雨水等が滞溜し易い外面部分に配置されることを特徴
    とする請求項1または2の何れかに記載の金属配管の外
    面腐食測定装置。
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