JPH1047413A - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents

減衰力調整式油圧緩衝器

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JPH1047413A
JPH1047413A JP21792196A JP21792196A JPH1047413A JP H1047413 A JPH1047413 A JP H1047413A JP 21792196 A JP21792196 A JP 21792196A JP 21792196 A JP21792196 A JP 21792196A JP H1047413 A JPH1047413 A JP H1047413A
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spool
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比例ソレノイドによって減衰力調整弁の弁体
を駆動する減衰力調整式油圧緩衝器において、比例ソレ
ノイドの可動鉄心を円滑に移動させる。 【解決手段】 シリンダ2内にピストンロッド6を連結
したピストンを嵌装し、シリンダ2の側面部に減衰力発
生機構13を設ける。比例ソレノイド本体19のコイル40に
通電して、可動鉄心を兼ねるスプール45を移動させて減
衰力を調整する。固定鉄心である案内部41内に、非磁性
体からなるライナ54,55を圧入し、ライナ54,55によっ
てスプール45を案内するとともに、案内部41の案内ボア
42とスプール45との間に磁気通路Lを横切るギャップG
を形成する。ライナ54,55によって案内ボア42とスプー
ル45との吸着を防止して、ギャップGを確保することが
できるので、吸着による摩擦力の増大を抑制してスプー
ル45の移動を円滑し、安定した減衰力制御を行うことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両の
懸架装置等に装着される減衰力調整式油圧緩衝器に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両の懸架装置に装着される
油圧緩衝器には、路面状況、走行状況等に応じて乗り心
地や操縦安定性を向上させるために減衰力を適宜調整で
きるようにした減衰力調整式油圧緩衝器がある。
【0003】減衰力調整式油圧緩衝器は、一般に、油液
を封入したシリンダ内にピストンロッドを連結したピス
トンを摺動可能に嵌装してシリンダ内を2室に画成し、
ピストン部にシリンダ内の2室を連通させる主油液通路
およびバイパス通路を設け、主油液通路にはオリフィス
およびディスクバルブからなる減衰力発生機構を設け、
バイパス通路にはその流路面積を調整する減衰力調整弁
を設けた構成となっている。なお、シリンダ内の一方の
室には、ピストンロッドの伸縮にともなうシリンダ内の
容積変化をガスの圧縮、膨張によって補償するリザーバ
がベースバルブを介して接続されている。
【0004】この構成により、減衰力調整弁によってバ
イパス通路を開いてシリンダ内の2室間の油液の流通抵
抗を小さくすることによって減衰力を小さくし、また、
バイパス通路を閉じて2室間の流通抵抗を大きくするこ
とによって減衰力を大きくする。このように、減衰力調
整弁の開閉により減衰力特性を適宜調整することができ
る。
【0005】また、減衰力調整式油圧緩衝器には、減衰
力調整弁の弁体を比例ソレノイドによって駆動すること
により、コイルへの通電電流に応じて減衰力を調整可能
としたものがある。この種の減衰力調整式油圧緩衝器で
は、一般に、小型化を図るため、減衰力調整弁の弁体
は、比例ソレノイドのプランジャ(可動鉄心)を兼ねて
いる。このため、弁体は、比透磁率の大きな磁性材料で
構成され、固定鉄心によって案内されて、固定鉄心との
摺動面が磁気通路を横切るようになっている。そして、
弁体は、油圧緩衝器の作動油中に配置され、固定鉄心と
の間に摺動を可能とするためのクリアランスが設けられ
ており、このクリアランスに作動油の油膜を形成するこ
とによって摩擦抵抗を軽減して円滑な移動を可能として
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の比例ソレノイドを用いた減衰力調整式油圧緩衝器で
は、次のような問題がある。可動鉄心である弁体と固定
鉄心との間には、比例ソレノイドの作動(通電によるコ
イルの励磁)によって径方向に吸引力が発生する。この
吸引力は、弁体と固定鉄心とのギャップの2乗に反比例
し、これらが接触したとき最大となる。したがって、弁
体は、この吸引力によって固定鉄心の案内部の径方向一
側に押しつけられることになり、摺動部の摩擦抵抗が増
大して円滑な移動が妨げられる虞がある。
【0007】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、比例ソレノイドの可動鉄心を円滑に移動させる
ようにした減衰力調整式油圧緩衝器を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、油液が封入されたシリンダ
と、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、
一端が該ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部
に延出されたピストンロッドと、前記ピストンの摺動に
よって油液を流通させる油液通路と、該油液通路の油液
の流通を制御して減衰力発生させるとともに前記油液通
路の流路面積を変化させて減衰力を調整可能とした減衰
力調整弁と、該減衰力調整弁の弁体を駆動する比例ソレ
ノイドとを備えてなる減衰力調整式油圧緩衝器におい
て、前記比例ソレノイドの可動鉄心を案内する固定鉄心
の案内部の両端側に、前記可動鉄心に当接する凸部を設
け、該凸部間で、かつ、前記案内部と前記可動鉄心との
間に磁気通路を横切るギャップを形成したことを特徴と
する。
【0009】このように構成したことにより、比例ソレ
ノイドの励磁によって、可動鉄心が固定鉄心の案内部の
径方向一側に吸引された場合でも、凸部によって案内部
と可動鉄心との間に所定のギャップが確保されるので、
可動鉄心と固定鉄心との吸着による摩擦力の増大を抑制
することができる。
【0010】また、請求項2の発明の減衰力調整式油圧
緩衝器は、上記請求項1の構成に加えて、凸部は、非磁
性材料からなるライナによって形成されていることを特
徴とする。
【0011】このように構成したことにより、凸部の可
動鉄心との摺動面に作動油中の鉄粉等が吸着することが
ない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0013】第1実施形態について図1および図3を参
照して説明する。図1および図3に示すように、減衰力
調整式油圧緩衝器1は、シリンダ2の外側に外筒3を設
けた二重筒構造となっており、シリンダ2と外筒3との
間にリザーバ4が形成されている。シリンダ2内には、
ピストン5が摺動可能に嵌装されており、このピストン
5によってシリンダ2内がシリンダ上室2aとシリンダ下
室2bの2室に画成されている。ピストン5には、ピスト
ンロッド6の一端がナット7によって連結されており、
ピストンロッド6の他端側は、シリンダ上室2aを通り、
シリンダ2および外筒3の上端部に装着されたロッドガ
イド(図示せず)およびオイルシール(図示せず)に挿
通されてシリンダ2の外部へ延出されている。シリンダ
2の下端部には、シリンダ下室2bとリザーバ4とを区画
するベースバルブが設けられている。そして、シリンダ
2内には油液が封入されており、リザーバ4内には油液
およびガスが封入されている。
【0014】ピストン5には、シリンダ上下室2a,2b間
を連通させる油路8およびこの油路8のシリンダ下室2b
側からシリンダ上室2a側への油液の流通のみを許容する
逆止弁9が設けられている。また、ベースバルブには、
シリンダ下室2bとリザーバ4とを連通させる油路(図示
せず)およびこの油路のリザーバ4側からシリンダ下室
2b側への油液の流通のみを許容する逆止弁(図示せず)
が設けられている。
【0015】シリンダ2には、チューブ10が外嵌され
て、シリンダ2とチューブ10との間に環状通路11が形成
されている。環状通路11は、シリンダ2の側壁の上端部
付近に設けられた油路(図示せず)によってシリンダ上
室2aに連通されている。また、チューブ10の側壁には開
口部12が設けられている。
【0016】外筒3の側面部には、減衰力発生機構13が
取付けられている。減衰力発生機構13は、円筒状のケー
ス14のフランジ部14a を有する一端開口部が外筒3の側
壁に溶接されている。ケース14内には、フランジ部14a
側から順に互いに当接するように、通路部材15、バルブ
部材16、円筒部材17およびガイド部材18が挿入されてい
る。そして、ケース14の他端開口部内には、比例ソレノ
イド本体19が嵌合され、リテーナ20にねじ込まれて固定
されており、比例ソレノイド本体19をガイド部材18に当
接させることによって、通路部材15、バルブ部材16、円
筒部材17およびガイド部材18が固定されている。
【0017】通路部材15は、一端側の小径開口部15a が
チューブ10の開口部12に嵌合されており、通路部材15内
に形成された油室15b が環状通路11に連通されている。
通路部材15および円筒部材17とケース14との間には、環
状油路21が形成されており、環状油路21は、ケース14の
フランジ部14a に設けられた油路22を介してリザーバ4
に連通されている。円筒部材17の内側には、環状の副バ
ルブ部材23が配置されており、副バルブ部材23は、その
中央開口部にピン24が挿通されてナット25によってバル
ブ部材16に固定されている。
【0018】バルブ部材16は、略円板状の部材で、周方
向に沿って配置された複数(2つのみ図示する)の油路
26が軸方向に貫通されている。バルブ部材16の一端部に
は、複数の油路26の内周側に環状の内側シール部27が突
設され、複数の油路26の外周側に環状の弁座28が突設さ
れ、弁座28の外周側に環状溝29が形成され、さらに、環
状溝29の外周側に環状の外側シール部30が突設されてい
る。外側シール部30の外周部は、円筒部材17の内周面に
当接している。また、環状溝29は、油路31によって環状
油路21に連通されている。
【0019】バルブ部材16には、内周部が内側シール部
27に固定され、外周部が弁座28に着座するディスクバル
ブ32が設けられている。ディスクバルブ32の背面部に
は、環状のシールディスク33の内周部が当接され、シー
ルディスク33の外周部が外側シール部30に当接されてい
る。シールディスク33は、内周部がピン24に固定され複
数枚積層された円板状の弁ばね34の外周部が当接され
て、ディスクバルブ32とともに外側シール部30側へ押圧
されている。そして、ディスクバルブ32およびシールデ
ィスク33によって、円筒部材17内にパイロット室35が形
成されている。
【0020】バルブ部材16、ディスクバルブ32、シール
ディスク33およびパイロット室35によってパイロット形
主減衰弁A(以下、主減衰弁Aという)が構成されてお
り、主減衰弁Aは、ディスクバルブ32が油路26からの油
液の圧力を受けて開弁して、その開度に応じた減衰力を
発生させ、また、パイロット室35の圧力(主減衰弁Aを
閉弁させる方向に作用する)によって、その開弁圧力が
調整されるようになっている。
【0021】副バルブ部材23には、ピン24に形成された
油路36および固定オリフィス37を介して、油室15b とパ
イロット室35とを連通させる油路38が設けられている。
副バルブ部材23には、油路38の油液の圧力を受けて開弁
して、その開度に応じて減衰力を発生させる常閉の副デ
ィスクバルブ39が設けられている。また、副ディスクバ
ルブ39には、油路38とパイロット室35とを常時連通させ
るオリフィス39a (切欠)が設けられている。そして、
副ディスクバルブ39およびオリフィス39a によって、副
減衰弁Bを構成している。
【0022】ガイド部材18には、比例ソレノイド本体19
のコイル40に対向させて、円筒状の案内部41が設けられ
ており、案内部41内に、パイロット室35に連通する案内
ボア42が形成されている。案内ボア42の内周面には、環
状溝43が形成されており、環状溝43は、油路44によって
環状油路21に連通されている。案内ボア42には、スプー
ル45が摺動可能に嵌装されている。そして、案内ボア42
とスプール45とで可変オリフィスC(減衰力調整弁)を
構成しており、スプール45を軸方向に移動させて環状溝
43を開閉することによって案内ボア42と油路44との間の
流路面積を調整するようになっている。
【0023】比例ソレノイド本体19は、略有底円筒状の
ケース46内にコイル40が収容され、ケース46の開口部に
取付けられた環状のリテーナ47によってコイル40が固定
されている。リテーナ47の中央開口部には、プラグ48が
取付けられ、プラグ48とケース46の底部との間に円筒状
のスペーサ49が介装されている。そして、ケース46の底
部の中央開口部が、ガイド部材18の案内部41を嵌合さ
せ、プラグ48が案内ボア42に嵌装されたスプール45の一
端部に対向するようになっている。
【0024】また、スプール45の両端部とピン24および
プラグ48との間には、それぞれ圧縮ばね50,51が介装さ
れており、圧縮ばね50,51のばね力によってスプール45
がピン24側の閉弁位置へ付勢されている。スプール45に
は、軸方向に貫通する油路52が設けられており、その両
端の油室間で油路52を介して油液を流通させることによ
り、スプール45が案内ボア42内を円滑に移動できるよう
になっている。なお、図1中、53はコイル40に通電する
ための導線である。
【0025】ケース46、リテーナ47、プラグ48およびガ
イド部材18の案内部41は、比透磁率の大きな磁性材料か
らなり、これらによって固定鉄心が形成されている。ス
ペーサ49は、非磁性体である。また、スプール45は、非
透磁率の大きな磁性材料からなり、可動鉄心を兼ねてお
り、ソレノイド本体19、案内部材18およびスプール45に
よって比例ソレノイドが構成されている。そして、これ
ら固定鉄心および可動鉄心によって磁気通路Lが形成さ
れており、コイル40への通電によって磁気通路Lに沿っ
て磁束が発生し、固定鉄心を構成するプラグ48と可動鉄
心であるスプール45との間に、吸引力が発生して、スプ
ール45をばね50,51のばね力に抗して開弁方向すなわち
プラグ48側へ移動させることにより、コイル40への通電
電流に応じて可変オリフィスCの流路面積を調整できる
ようになっている。
【0026】ガイド部材18の案内部41内に形成された案
内ボア42の両端部には、SUS304またはオーステナイト等
の非磁性材料(固定鉄心および可動鉄心よりも比透磁率
の小さい材料)からなる環状のライナ54,55が嵌合、圧
入されている。ライナ54,55は、スプール45に当接する
凸部を形成し、その内周部によって、スプール45を摺動
可能に案内している。案内ボア42の内径は、ライナ54,
55の内径よりも50μm程度大きくしてあり、スプール45
との間に所定のギャップGが形成されている。また、ラ
イナ54によって環状溝43の一端部が形成されている。そ
して、案内ボア42の環状溝43とライナ55との間隔Dにわ
たって形成されたギャップGが磁気通路Lすなわちコイ
ル40の励磁による磁束を横切るようになっている。
【0027】以上のように構成した第1実施形態の作用
について次に説明する。
【0028】ピストンロッド6の伸び行程時には、ピス
トン5の移動にともない、ピストン5の逆止弁が閉じ、
シリンダ上室2a内の油液が加圧されて、環状通路11およ
び小径開口部15a を通って減衰力発生機構13の油室15b
へ流れ、さらに、油路36、固定オリフィス37、油路38、
副減衰弁B、パイロット室35、案内ボア42、環状溝43、
油路44、環状油路21および油路22を通ってリザーバ4へ
流れる。このとき、シリンダ上室2a側の圧力が主減衰弁
Aの開弁圧力に達すると、主減衰弁Aが開いて油液が油
室15b から油路26、環状溝29および油路31を通って環状
油路21へ流れる。一方、ピストン3が移動した分の油液
がリザーバ4からベースバルブの逆止弁を開いてシリン
ダ下室2bへ流れる。
【0029】ピストン速度が小さく、主減衰弁Aの開弁
前は、副減衰弁Bおよび可変オリフィスCの流路面積に
よって減衰力が発生する。このとき、副減衰弁Bでは、
ディスクバルブ39の開弁前においては、オリフィス39a
によってオリフィス特性の減衰力を発生させ、ディスク
バルブ39の開弁後は、その開度に応じて流路面積を調整
してバルブ特性の減衰力を発生させる。このようにし
て、ピストン速度の低速域から中速域にかけて適切な減
衰力を得ることができる。
【0030】ピストン速度が大きくなり、シリンダ上室
2a内の圧力が上昇して主減衰弁Aが開弁すると、その開
度に応じた減衰力が発生する。このとき、可変オリフィ
スCの流路面積が小さいほど、圧力損失が大きく、その
上流側のパイロット室35内の圧力が高くなるので、主減
衰弁Aのパイロット圧力が高くなり、このパイロット圧
力は、ディスクバルブ32を閉弁させる方向に作用するの
で、主減衰弁Aの開弁圧力が高くなる。よって、コイル
40への通電電流によって可変オリフィスCの流路面積を
変化させることにより、直接オリフィス特性を調整する
とともに、パイロット室35の圧力(パイロット圧力)を
変化させ、主減衰弁Aの開弁圧力を変化させて、バルブ
特性を調整することができる。これにより、ピストン速
度の低速域から高速域にわたって減衰力特性を調整する
ことができ、減衰力特性の調整範囲を広くすることがで
きる。
【0031】また、ピストンロッド6の縮み行程時に
は、ピストン5の移動にともない、ベースバルブの逆止
弁が閉じ、シリンダ下室2bの油液がピストン5の逆止弁
9を開いてシリンダ上室2aに流入して、ピストンロッド
6がシリンダ2内に侵入した分の油液が、シリンダ上室
2a側から、上記伸び行程時と同様の流路を通って、リザ
ーバ4側へ流れる。
【0032】よって、上記伸び行程時と同様、ピストン
速度が小さく主減衰弁Aの開弁前は、副減衰弁Bおよび
可変オリフィスCの流路面積によってオリフィス特性の
減衰力が発生し、ピストン速度が大きくなり、シリンダ
上室2a側の圧力が上昇して主減衰弁Aが開弁すると、そ
の開度に応じてバルブ特性の減衰力が発生する。
【0033】そして、コイル40への通電電流によって可
変オリフィスCの流路面積を変化させることにより、直
接オリフィス特性を調整するとともに、パイロット室35
の圧力を変化させてバルブ特性を調整することができ、
ピストン速度の低速域から高速域にわたって減衰力特性
を調整することができる。なお、縮み行程時は、上記伸
び行程時に対してピストンロッドの受圧面積が小さいの
で、その分だけ上記伸び行程時よりも減衰力が小さくな
る。
【0034】このように、副減衰弁Bによってピストン
速度の低速域から中速域にかけて適切な減衰力を得るこ
とができ、可変オリフィスCの流路面積を調整すること
によって、伸び側および縮み側のオリフィス特性および
バルブ特性を調整することができるので、ピストン速度
の低速域から高速域まで全域にわたって適切な減衰力を
得ることができる。また、主減衰弁Aと副減衰弁Bとを
並列に配置しているので、主減衰弁Aの開弁点とは独立
して副減衰弁Bの特性を設定できるので、減衰力特性の
設定の自由度を高めることができる。
【0035】比例ソレノイドは、ガイド部材18の案内ボ
ア42に、非磁性体からなるライナ54,55を圧入し、ライ
ナ54,55によって可動鉄心であるスプール45を摺動可能
に案内して、案内ボア42とスプール45との間にギャップ
Gを形成しているので、コイル40の励磁による案内ボア
42とスプール45との吸着を防止して、これらの間にギャ
ップGを確保することができる。その結果、案内ボア42
とスプール45との間で生じる径方向の吸引力の増大を抑
制することができ、スプール45の移動を円滑にして、安
定した減衰力制御を行うことができる。このとき、非磁
性体であるライナ54,55は、磁気通路L(磁束)を横切
るギャップGの間隔Dの外側に配置されているので、磁
束への影響が小さく、比例ソレノイドの出力をほとんど
低下させることがない。
【0036】また、ライナ54,55を非磁性体としたこと
により、ライナ54,55の摺動面に作動油中の鉄粉等が吸
着することがなく、鉄粉等の吸着による摺動部の摩耗お
よび作動不良を防止することができる。さらに、ライナ
54が環状溝43の一端部を形成しており、可変オリフィス
Cの流量制御を行うコントロールエッジ部を兼ねている
ので、ガイド部材18とは別体のライナ54を加工すること
により、高精度が要求されるコントロールエッジ部を容
易に加工することができる。
【0037】次に、本発明の第2実施形態について図2
および図4を参照して説明する。なお、第2実施形態
は、上記第1実施形態に対して、ガイド部材の案内部の
構造が異なる以外は同様の構造であるから、第1実施形
態と同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分に
ついてのみ詳細に説明する。
【0038】図2および図4に示すように、第2実施形
態に係る減衰力調整式油圧緩衝器56では、上記第1実施
形態のライナ54,55の代わりに、ガイド部材38の案内部
41の案内ボア42の両端部に、小径の摺動部57,58が一体
に形成されている。摺動部57,58は、スプール45に当接
する凸部を形成しており、その内周部によって、スプー
ル45を摺動可能に案内している。案内ボア42の内径は、
摺動部57,58の内径よりも50μm 程度大きくしてあり、
スプール45との間に所定のギャップGが形成されてい
る。また、摺動部57によって環状溝43の一端部が形成さ
れている。そして、案内ボア42の環状溝43と摺動部58と
の間隔Dにわたって形成されたギャップGが磁気通路L
すなわちコイル40の励磁による磁束を横切るようになっ
ている。
【0039】このように構成したことにより、コイル40
の励磁によって、スプール45が摺動部57,58に吸着され
た場合でも、案内ボア42とスプール45との間にギャップ
Gが確保されるので、案内ボア42とスプール45との間で
生じる径方向の吸引力の増大を抑制して、スプール45の
移動を円滑にすることができる。このとき、摺動部57,
58は、磁性体であるガイド部材18と一体に形成されてい
るが、磁気通路L(磁束)を横切るギャップGの間隔D
の外側に配置されているので、摺動部57,58とスプール
45との間で生じる吸引力を充分小さくすることができ
る。また、摺動部57,58の摺動面に作動油中の鉄粉等が
吸着しにくく、鉄粉等の吸着による摺動部の摩耗および
作動不良を防止することができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
係る減衰力調整式油圧緩衝器は、比例ソレノイドの可動
鉄心を案内する固定鉄心の案内部に、可動鉄心に当接す
る凸部を設け、案内部と可動鉄心との間に磁気通路を横
切るギャップを形成したことにより、比例ソレノイドの
励磁によって、可動鉄心が固定鉄心の案内部の径方向一
側に吸引された場合でも、凸部によって案内部と可動鉄
心との間に所定のギャップが確保されるので、可動鉄心
と固定鉄心との吸着による摩擦力の増大を抑制すること
ができる。その結果、可動鉄心の移動を円滑にして、安
定した減衰力制御を行うことができる。
【0041】また、請求項2の発明に係る減衰力調整式
油圧緩衝器は、上記請求項1の構成に加えて、凸部を非
磁性材料からなるライナによって形成したことにより、
凸部の可動鉄心との摺動面に作動油中の鉄粉等が吸着す
ることがないので、鉄粉等の吸着による摺動部の摩耗お
よび作動不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の減衰力調整式油圧緩衝
器の要部の縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態の減衰力調整式油圧緩衝
器の要部の縦断面図である。
【図3】図1の装置の比例ソレノイドの可動鉄心を案内
する固定鉄心の案内部を拡大して示す図である。
【図4】図2の装置の比例ソレノイドの可動鉄心を案内
する固定鉄心の案内部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1 減衰力調整式油圧緩衝器 2 シリンダ 5 ピストン 6 ピストンロッド 19 比例ソレノイド本体(比例ソレノイド) 41 案内部(固定鉄心、比例ソレノイド) 45 スプール(弁体、可動鉄心、比例ソレノイド) 46 ケース(固定鉄心) 47 リテーナ(固定鉄心) 48 プラグ(固定鉄心) 54,55 ライナ(凸部) 56 減衰力調整式油圧緩衝器 57,58 摺動部(凸部) C 可変オリフィス(減衰力調整弁) G ギャップ L 磁気通路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油液が封入されたシリンダと、該シリン
    ダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が該ピス
    トンに連結され他端が前記シリンダの外部に延出された
    ピストンロッドと、前記ピストンの摺動によって油液を
    流通させる油液通路と、該油液通路の油液の流通を制御
    して減衰力発生させるとともに前記油液通路の流路面積
    を変化させて減衰力を調整可能とした減衰力調整弁と、
    該減衰力調整弁の弁体を駆動する比例ソレノイドとを備
    えてなる減衰力調整式油圧緩衝器において、 前記比例ソレノイドの可動鉄心を案内する固定鉄心の案
    内部の両端側に、前記可動鉄心に当接する凸部を設け、
    該凸部間で、かつ、前記案内部と前記可動鉄心との間に
    磁気通路を横切るギャップを形成したことを特徴とする
    減衰力調整式油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 凸部は、非磁性材料からなるライナによ
    って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    減衰力調整式油圧緩衝器。
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