JPH1046717A - コンクリート壁構築用セパレータおよびそれを用いた鉄筋組構造 - Google Patents

コンクリート壁構築用セパレータおよびそれを用いた鉄筋組構造

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JPH1046717A
JPH1046717A JP20240096A JP20240096A JPH1046717A JP H1046717 A JPH1046717 A JP H1046717A JP 20240096 A JP20240096 A JP 20240096A JP 20240096 A JP20240096 A JP 20240096A JP H1046717 A JPH1046717 A JP H1046717A
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reinforcing bar
separators
concrete wall
hooked
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Application number
JP20240096A
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English (en)
Inventor
Toshiro Fujiwara
原 俊 郎 藤
Tamotsu Kawai
合 保 河
Yukio Fukazawa
沢 幸 雄 深
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TOHOKU SHIZAI KOGYO KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
TOHOKU SHIZAI KOGYO KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長い鉄筋材を使用しなくても配筋作業を行う
ことができ、かつ鉄筋の強度も十分に強く、また、断熱
性能に優れた型枠ブロックに適用することも可能で、さ
らには壁の厚さを自由に設定することができるコンクリ
ート壁構築用セパレータおよびそれを用いた鉄筋組構造
を提供する。 【解決手段】 コンクリート壁構築用セパレータとし
て、コンクリート壁の打設幅を規定する平板部12と、
係止部13と、長孔17と、フック付き鉄筋41,42
の一端部を係止する鉄筋固定部14,15を備えたもの
を用意する。また、フック付鉄筋41,42をセパレー
タ11に係止させつつ、これらを連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンクリート壁構築
用セパレータおよびそれを使用した鉄筋組構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】建築物の壁等を構築する壁構築法の一つ
として、矩形状の型枠ブロックを使用してこれを上下左
右方向に平面状に敷き並べるようにした、いわゆる型枠
ブロック造が一般に知られている。
【0003】この種の型枠ブロック造における建築物の
壁の従来の一般的な工法の概要を図12及び図13に示
す。同図において、付番1はコンクリート製の基本型枠
ブロック(H形ブロック)で、この型枠ブロック1は、
所定間隔離間して互いに並行に配置された一対の矩形状
のパネル部2,3を備え、このパネル部2,3をその対
向面で板状のリブ部4で一体に連結して略H状に形成さ
れている。
【0004】前記リブ部4は、その高さがパネル部2,
3の高さhよりも低く設定されているとともに、長さ方
向の内側に互いに離間して配置されており、これによっ
て、この内部及び左右の突合わせ部に縦筋5の通る中空
部が、上部に横筋6の通る空間がそれぞれ形成されるよ
う構成されている。
【0005】そして、前記型枠ブロック1を、内部に縦
筋5及び横筋6を配筋しながら上下左右に敷き並べつ
つ、前記空間及び中空部内に現場打ちコンクリート7を
打設し前記縦筋5及び横筋6を該コンクリート7内に埋
設することによって、建築物の壁を構築するようになっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の鉄筋組構造は、縦横に鉄筋材を配筋しつつ、これら
を結束線で連結し、コンクリートの硬化後、突出した鉄
筋端部を切断するなどの端部処理を行なうので、長い鉄
筋材を多量に用意しなければならず、しかも手間のかか
る作業となっていた。
【0007】また、上記従来の壁構造では、そのいずれ
もがコンクリート製のブロックによって主に構成されて
おり、コンクリートは、一般に断熱性能に劣るため、建
物全体を断熱材で覆った断熱構造とする場合には、断熱
材を別途用意して、これを建屋全体を包囲する如く壁の
周囲に取付ける必要があった。また、コンクリート製の
型枠ブロックは、運搬や取扱いの便を図る上で、その大
きさが限定されているのが現状で、例えば、図12に示
す型枠ブロックの場合、その幅tは200mmに設定
(規格化)されているため、これより厚みのある壁ある
いはこれより厚みの少ないコンクリート壁を構築するこ
とは困難であった。
【0008】本発明は上記実情に鑑み、長い鉄筋材を使
用しなくても配筋作業を行うことができ、かつ鉄筋の強
度も十分に強く、また、断熱性能に優れた型枠ブロック
に適用することも可能で、さらには壁の厚さを自由に設
定することができるコンクリート壁構築用セパレータお
よびそれを用いた鉄筋組構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来から使用
されている長尺物の長い縦筋の代わりに、両端部にフッ
ク部を備えた短いフック付き鉄筋を用いるようにしてい
る。そして、このフック付き鉄筋を、一組の壁構築用コ
ンクリート型枠部材間に差し渡される壁構築用セパレー
タを介して互いに連結するようにしている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係るコンクリート壁構築
用セパレータでは、その端部を型枠部材の端面に引っ掛
けても良く、または型枠部材の内面に突起を設け、この
突起に支持させてもよい。また、フック付縦筋は、斜め
上方あるいは斜め下方に配置される2つのセパレータ
間、あるいは左右に隣接して配置される2つのセパレー
タ間に掛け渡すと良い。このようなフック付き鉄筋を使
用してセパレータ間を連結していくことにより、強固な
鉄筋組構造を実現することができる。
【0011】また、コンクリート壁構築用セパレータの
直線部の長さを調整することで、種々の壁の厚さに対応
することができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。図1は本発明の一実施例により使用さ
れるコンクリート壁構築用セパレータを示した斜視図で
ある。
【0013】このコンクリート壁構築用セパレータ11
は、例えば鋼板からなるもので、長方形状の平板部12
の両端部に、断面コ字状の係止部13、13が折曲形成
されている。なお、この係止部13は、コ字状に何ら限
定されず、型枠部材19に係止できる形状であれば、他
の形状であっても良い。
【0014】また、上記平板部12の表裏面の略中央に
は、それぞれ突起物からなる板状の鉄筋固定部14、1
5が溶接により1つずつ溶着され、これらの固定部1
4、15には、鉄筋を係止するための孔16が形成され
ている。また、平板部12の一方の隅部には、長孔17
が形成されている。
【0015】一方、図2に示したように、このようなセ
パレータ11が差し渡されることにより、一定の間隔に
保持されるコンクリート型枠18は、発泡合成樹脂から
形成されている。また、このコンクリート型枠18は、
図3に示したように、発泡合成樹脂からなる矩形状の型
枠部材19から構成されている。コンクリートの打設幅
を規定するコンクリート型枠18は、この実施例のよう
に別体で形成した2つの型枠部材19、19を、所定間
隔はなして互いに対向させて構成しても良いが、リブ等
で連結して一体成形しても良い。
【0016】本実施例で形成された型枠部材19、19
は同一形状であり、同じ型で型内発泡したものが使用さ
れている。ここに、これら型枠部材19を形成する樹脂
発泡体は、例えば発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタ
ン、発泡ポリ塩化ビニルまたは発泡ポリオレフィン等の
ように、合成樹脂を発泡させて形成したものであり、こ
の発泡倍率は、例えば5〜100倍、好ましくは、20
〜80倍、更に好ましくは、30〜70倍程度である。
【0017】このように、型枠部材19を発泡合成樹脂
で形成することにより、この軽量化を図るとともに、型
枠部材19自体に高い断熱性能と吸音効果を持たせ、更
に腐蝕の防止とコストダウンを図ることができる。
【0018】図3に示したように、型枠部材19の内面
側すなわち打設コンクリートの外表面を形成する側の内
面には、凸部20が所定間隔おきに一体成形されてい
る。これにより、凸部20間に上下方向に連通する中空
部21が形成されている。
【0019】前記凸部20は、所定のピッチp1 で形成
されているとともに、最外方に位置する両凸部20は、
型枠部材19の端面から前記ピッチp1 の半分の距離a
(p 1 /2)だけ内方に配置され、これによって2個の
型枠部材19を図3において左右方向に突き合わせて配
列した時、隣接する型枠部材19間にも所定のピッチp
1 で縦方向に連通する中空部21が構成されるようにな
っている。
【0020】さらに、前記凸部20は、高さ方向の略中
央に形成されているので、これによって、凸部20の上
方および下方に横方向に連通する空間22が構成されて
いる。
【0021】前記中空部21は、信号配分のためのEP
S(電気配管線スペース)、空調ダクトのためのDS
(ダクトスペース)および給排水管路のためのPS(配
管スペース)等として利用されるともに、場合によって
は、この内部に上下方向に延びる縦筋を挿通させること
もできる。
【0022】また、前記空間22は、前記中空部21を
互いに連通させている。図4に示したように、前記凸部
20には、縦方向に切込み溝24が形成されるととも
に、この切込み溝24に連通して貫通した縦孔25が形
成されている。そして、この縦孔25には、例えば両端
が折曲されたコ字状の幅筋23の一端が係止される。
【0023】なお、凸部20内に係止される幅筋23の
形状は、コ字状に限定されず、両端部が折曲されていな
い真っ直ぐなI字状などであっても良い。その場合、凸
部20に、縦孔25を形成する必要はない。また、壁の
厚さを厚くするには、幅筋23の直線部の長さを長く設
定すれば良く、その長さを自由に設定することができ
る。
【0024】ここに、前述のように、発泡合成樹脂によ
ってコンクリート型枠18を構成することにより、この
軽量化を図ることができるため、図2に示したように、
例えばその長さLが約900mm、その高さH1 が約3
00mmにそれぞれ設定されている。また、図5に示し
たように型枠部材19、19間に幅筋23を差し込んだ
状態での幅T1 は適宜設定することができるが、実施例
では約240mmである。
【0025】そして、前記型枠部材19の外表面は、壁
材塗布面26となされている。すなわち、壁材塗布面2
6は、ここにセメントモルタル27等の外装材を塗布し
て壁材を構成するためのものであり、そのほぼ全域に亘
って多数の下地溝28が並列的に形成されている。
【0026】下地溝28は、図2に示したように、上方
に向かって徐々に肉厚内方に傾斜するテーパ面29の周
囲を、肉厚方向に立ち上がる周壁溝30で下方に開口す
る平面略コ字状に囲繞して構成されている。ただし、こ
の下地溝28は、実施例の形状に限定されず、例えば、
実施例と逆の形状、すなわち、下方に向かって除々に傾
斜するテーパ面であっても良い。
【0027】このように、下地溝28が形成されたコン
クリート型枠18を敷き並べた後、図5に示したように
内部にコンクリート39を打設し、この壁材塗布面26
に、例えばセメントモルタル27等を塗布して外壁を構
築するのであるが、このときセメントモルタル27の一
部が、前記下地溝28内に入り込んで下方に流れでない
ように保持される。
【0028】上記壁構築用のコンクリート型枠11は型
内発泡成型によって成形されているが、下地溝28の形
状に沿った外形を有する焼き鏝等を使用した後加工、さ
らには切削加工等によって形成することができる。
【0029】更に、この実施例においては、下地溝28
を並列的に、すなわち縦横方向に等間隔で配置している
が、この下地溝28を千鳥状に配置したり、ランダムに
配置しても良いことは勿論である。
【0030】この実施例では、一方の型枠部材19を該
型枠部材19自体で相互に位置決めを行いつつ積み重ね
られるようにするため、前記型枠部材19の上下両端面
には、以下のような凹凸嵌合部が備えられている。
【0031】すなわち、型枠部材19の上端面には、そ
の長さ方向に沿って2列に凹凸嵌合部が形成されてい
る。このうち、内側の凹凸嵌合部は、2つの突起31
a,31aからなる凸部31と、この外側に隣接する凹
部32とからなるもので、2つの突起31a,31a間
には、平坦面が形成されている。この平坦面には、前述
した平板状のセパレータ11が差し渡される。なお、こ
の平坦面は、セパレータ11の厚さに見合った深さだけ
低く形成されている。
【0032】また、長さ方向に沿って外側に配置される
凹凸嵌合部は、凸部33と凹部34とが交互に形成され
ているが、両端の凸部31は中央に近い凸部31に比べ
て約1/2程度の長さに形成されている。このように、
型枠部材19の上下両面には互いに相補的形状の凹凸嵌
合部が構成されている、また、左右両端部にも、縦方向
に延出された突条からなる凹凸嵌合部が形成されてい
る。
【0033】一方、本実施例では、従来のような長い縦
筋、あるいは、布筋、さらには横筋の代わりに、図6に
示したように、両端部にフック部40,40を備えたフ
ック付き鉄筋41,42が使用される。ここで、フック
付き鉄筋41とフック付き鉄筋42との違いは、直線部
の長さを違いである。すなわち、短い方のフック付き鉄
筋41は、図7に示したように、横方向に延びる従来の
布筋の代わりに、横方向に屈曲しながら配筋される。ま
た、長い方のフック付鉄筋42は、上下方向でかつ斜め
方向に傾斜して掛け渡される。
【0034】以下、上記のようなコンクリート型枠18
と、壁構築用セパレータ11と、幅筋23と、フック付
き鉄筋41,42とを使用して、建築物の壁用型枠を組
んでいくときの作業手順について説明する。
【0035】先ず、コンクリート型枠18を構成する2
つの型枠部材19,19を、建築物内方に配置される型
枠部材19と建築物外方に配置される型枠部材19と
に、互いに離間させて配置する。この作業を行いなが
ら、対向する型枠部材19の凸部20間に、断面コ字状
の幅筋23を掛け渡し、型枠部材19間の間隔を一定に
規定する。なお、この幅筋23の直線部の長さは、予め
壁の厚さに対応する長さに設定され、切断されている。
幅筋23を掛け渡した後、あるいは幅筋23を掛け渡す
前に、対向する型枠部材19,19間に、コンクリート
壁構築用セパレータ11を設置する。このとき、セパレ
ータ11は、図2に示したように1つ置きに姿勢を18
0度変えながら設置する。
【0036】こうして、一段目に並ぶ一対の型枠部材1
9間に壁構築用セパレータ11を設置したら、その上に
2段目の型枠部材19を合致させ、同様に幅筋23およ
びセパレータ11を設置する。
【0037】そして、最初の1,2段あるいは3段まで
の型枠部材19の敷設が終了したら、図7に示したよう
にフック付鉄筋41と42とを、以下のように掛け渡す
ことが可能となる。
【0038】すなわち、先ず、一番下段のA列に並ぶ各
2つのセパレータ11,11の長孔17内に、短い方の
フック付鉄筋41の端部を係止させていく。このとき、
横方向に並ぶセパレータ11は、姿勢が1つおきに18
0°異なる姿勢に配置されているため、これらに係止さ
れるフック付鉄筋41は、図示したようにくの字を描く
ように配筋される。そして、1つの長孔17内には、2
本のフック付鉄筋41の端部が差し込まれることにな
る。
【0039】他方、B列に並ぶ多数のセパレータ11
と、その下方のA列に並ぶ多数のセパレータ11との間
に、長い方のフック付鉄筋42が斜めに掛け渡される。
この長いフック付鉄筋42を差し渡すには、A列のセパ
レータ11の上面に設けられた鉄筋固定部14に、フッ
ク付鉄筋42の一方のフック40を引っかけるととも
に、他方のフック40をB列にあるセパレータ11の下
面に形成された鉄筋固定部15に引っ掛ければ良い。こ
うして、フック付鉄筋42をA列とB列とで対角状に位
置するセパレータ11の鉄筋固定部14,15間に差し
渡していくと、1つ置きの空間部にフック付鉄筋42の
クロス部Xが形成されることになる。なお、このクロス
部Xは、上下方向でも一つおきの空間に形成されること
になる。
【0040】このようにして、A列,B列およびその上
のC列に、各々型枠部材19,セパレータ11およびフ
ック付鉄筋41,42が組み込まれていく。上記のよう
にして、上位の型枠部材19と下位の型枠部材19と
が、以後一段づつ連結されていく。
【0041】こうして、一段ずつ型枠部材19を高さ方
向に延ばしていけば、所定の高さのコンクリート型枠を
構築することができる。このようにして、上下左右方向
への型枠部材19の組み付けが終了したら、図5に示し
たように、中空部21および空間22内にコンクリート
39を打設し、しかる後、室内側および室外側の下地溝
28内にセメントモルタル27等の壁材を塗布し、さら
に外装板あるいは内装板を取り付けることによって建築
物の壁を構築することができる。
【0042】また、通常の型枠ブロックと略同じ要領
で、かなり大型の壁用型枠を使用して、断熱構造の壁を
迅速かつ容易に構築することができる。本実施例によれ
ば、従来必須であった直線状の長い鉄筋材が不要とな
り、しかも両端にフック部40が具備され、このフック
部40を介してセパレータ11に係止されるので、鉄筋
組構造の強度が強くなる。しかも、フック付鉄筋41,
42としては、予め、ある長さに設定された2種類のフ
ック付鉄筋41,42を用意すれば良く、準備段階での
作業が簡単になるとともに、配筋作業を容易に行なって
いくことができる。また、上記実施例では、型枠部材1
9を発泡合成樹脂から形成しているが、発泡合成樹脂に
代えて木材から形成しても良い。
【0043】また、上記実施例では、セパレータ11に
1つの長孔17を形成したが、図8に示したように、長
孔17を平板部12の両端部にそれぞれ1つずつ、計2
つ設けても良い。このように、セパレータ11の両端部
に一つずつ長孔17を設ければ、横方向に並ぶセパレー
タ11,11間に2本のフック付鉄筋41,41を差し
渡すことができる。これにより、横方向に隣接して並ぶ
セパレータ11間に、くの字ではなく、鉄筋が交差する
クロス部Xを構成することができる。
【0044】また、上記の実施例では、上下両面に各々
1つの鉄筋固定部14,15をそれぞれ設けたが、これ
に代え、上面に2つの鉄筋固定部14を、下面に2つの
固定部15をそれぞれ設ければ、クロス部Xを連続した
空間に形成することができる。
【0045】また、上記実施例では、別体で形成した板
状の突起からなる鉄筋固定部14,15を溶接により固
着しているが、これらの鉄筋固定部は、一枚の板に切り
込みを形成し、この切り込みを立て起こして形成するこ
ともできる。例えば、図9に示したセパレータ50で
は、平板部12に切り込み43と、切り込み44とを形
成し、これによって形成される切り起こし片43a,4
4aの中央に、それぞれ双葉状の孔45,46を形成し
ている。このような切り起こし片43a,44aを所定
の方向に立て起こすことで、2本のフック付鉄筋42,
42を双葉状の孔45,46内に係止させることができ
る。
【0046】さらに、図10(a),(b)に示したよ
うに、長孔17を中央部に設け、その両側に所定の切り
込み43、44を形成し、切り込み43で形成される切
り起こし片43aを上方に、切り込み44で形成される
切り起こし片44aを下方に、それぞれ立て起こしても
良い。この場合には、フック付き鉄筋41、42等をク
ロスさせないで直線状にならべることができ、またこれ
らの鉄筋材をコンクリート厚の中央付近に集中させるこ
とができる。
【0047】また、このように、切り起こしにより鉄筋
材の固定部を形成する場合は、平板部の強度が若干弱く
なる虞れがあるが、その場合には、板厚を厚くするなど
して対処すれば良い。
【0048】また、上記の実施例では、型枠部材19の
端部にセパレータ11の係止片13,13を被せるよう
に取り付けているが、図11に示したように、型枠部材
19の端部近傍に内側に膨出する膨出部47を設け、こ
の膨出部47にセパレータ48の端部49を引っ掛ける
ようにしても良い。
【0049】このように、本発明による壁構築用セパレ
ータに形成する鉄筋固定部、長孔、係止部等の形状は実
施例に何ら限定されない。これらは、フック付鉄筋の両
端部のフックの形状あるいは型枠部材の形状に対応し
て、種々の態様を採用することができる。
【0050】また、鉄筋強度をさらに高めるために、必
要に応じて長尺ものの縦筋を配筋することもできる。さ
らに、フック付鉄筋41あるいはフック付鉄筋42同士
のクロス部Xを結束線で結束しても良い。
【0051】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係るコ
ンクリート壁構築用セパレータおよびそれを用いた鉄筋
組構造によれば、長尺ものの鉄筋材を使用する代わりに
短い長さに切断し規格化されたフック付鉄筋を用いて、
縦横方向に容易に配筋作業を行なっていくことができ
る。また、フック付鉄筋で斜め方向にセパレータを引っ
張るとともに、セパレータに鉄筋のフック部が係止され
るため、鉄筋の強度も十分に強くなる。
【0052】さらに、この鉄筋組構造とセパレータを使
用することで、断熱構造を有する発泡合成樹脂からなる
型枠部材を用いた場合に、その型枠部材を下方から上方
に向かって一段づつ積み上げていくことができる。
【0053】また、同一形状の縦筋部材および同一形状
の幅筋が多数使用されるので、加工の準備に手間がかか
ることがなく、しかも壁の厚さを自由に設定することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係るコンクリート壁
構築用セパレータの斜視図である。
【図2】図2は同実施例に係るコンクリート壁構築用セ
パレータを設置したコンクリート型枠の斜視図である。
【図3】図3は図2に示したコンクリート型枠を構成す
る一方の型枠部材に幅筋を差し込んだ状態を示す斜視図
である。
【図4】図4は同実施例の型枠部材の一部を拡大して示
す斜視図である。
【図5】図5は同実施例のコンクリート型枠にコンクリ
ートを打設したときの断面図である。
【図6】図6は同実施例で採用されたフック付鉄筋の平
面図である。
【図7】図7は同実施例によるセパレータを採用したと
きの鉄筋組構造を示す斜視図である。
【図8】図8は本発明の他の実施例によるコンクリート
壁構築用セパレータとこれを使用したときの鉄筋組構造
の斜視図である。
【図9】図9は本発明のさらに他の実施例によるコンク
リート壁構築用セパレータを示す平面図である。
【図10】図10(a)は本発明のさらに他の実施例に
よる壁構築用セパレータを示す正面図、図10(b)は
その平面図である。
【図11】図11は、壁構築用セパレータを型枠部材に
係止させる他の例を示す断面図である。
【図12】図12は従来の型枠ブロックを示す斜視図で
ある。
【図13】図13は従来の型枠ブロックを使用して壁を
構築する時の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 コンクリート壁構築用セパレータ 12 平板部 13 係止部 14,15 鉄筋固定部 17 長孔 18 コンクリート型枠 19 型枠部材 20 凸部 23 幅筋 24 切り込み溝 25 縦孔 39 コンクリート 40 フック部 41,42 フック付鉄筋

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート壁の打設幅を規定する平板
    部と、この平板部の両端部に具備され所定間隔はなして
    離して配置される型枠部材に係止される係止部と、前記
    平板部に形成され水平方向に掛け渡されるフック付き鉄
    筋の一端部が係止される長孔と、この平板部の表裏面略
    中央に各々形成されフック付き鉄筋の一端部が係止され
    る鉄筋固定部と、を備えていることを特徴とするコンク
    リート壁構築用セパレータ。
  2. 【請求項2】 前記鉄筋固定部が、前記平板部の表裏面
    にそれぞれ一つずつ、または2つずつ形成されているこ
    とを特徴とするコンクリート壁構築用セパレータ。
  3. 【請求項3】 前記長孔が、前記平板部の一方の端部に
    1つ、または両方の端部に各々1つずつ形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート壁構築
    用セパレータ。
  4. 【請求項4】 前記鉄筋固定部は、前記平板部に形成さ
    れた切り込みを上面あるいは裏面側に各々立て起こすこ
    とにより形成されることを特徴とする請求項2に記載の
    コンクリート壁構築用セパレータ。
  5. 【請求項5】 前記鉄筋固定部は、前記平板部に溶接に
    より固着されていることを特徴とする請求項1または2
    に記載のコンクリート壁構築用セパレータ。
  6. 【請求項6】 互いに対向して配置されるべき一対の型
    枠部材間に、所定長さに形成された複数のコンクリート
    壁構築用セパレータを差し渡し、このコンクリート壁構
    築用セパレータによりコンクリート壁の打設幅を設定す
    るとともに、斜め上方または斜め下方、あるいは左右方
    向に隣接する2つのセパレータ同士を、所定長さに切断
    され両端部にフック部を備えたフック付き鉄筋で連結す
    ることを特徴とする鉄筋組構造。
JP20240096A 1996-07-31 1996-07-31 コンクリート壁構築用セパレータおよびそれを用いた鉄筋組構造 Pending JPH1046717A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063987A (ja) * 1999-12-15 2007-03-15 Japan Tsusho:Kk 組立式ドーム
JP3936583B2 (ja) * 1999-12-15 2007-06-27 有限会社ジャパン通商 組立式ドーム

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