JPH1046240A - 極低炭素冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
極低炭素冷延鋼板の製造方法Info
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- JPH1046240A JPH1046240A JP19736596A JP19736596A JPH1046240A JP H1046240 A JPH1046240 A JP H1046240A JP 19736596 A JP19736596 A JP 19736596A JP 19736596 A JP19736596 A JP 19736596A JP H1046240 A JPH1046240 A JP H1046240A
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- JP
- Japan
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- rolling
- low carbon
- steel sheet
- carbon steel
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 製造のために消費するエネルギーが少なく、
しかも品質上欠点のない極低炭素冷延鋼板の製造方法を
提供する。 【解決手段】 950 〜1100℃に加熱された極低炭素鋼ス
ラブに粗圧延終了温度が950 ℃以下Ar3変態点超の温度
でかつ最終粗スタンドの圧下率が20%以上の粗熱間圧延
および仕上圧延の後段が、Ar1変態以下750 ℃以上のフ
ェライト単相式でかつ最終スタンドの圧下率が20%以上
である仕上圧延を施したのち、酸洗、冷間圧延、再結晶
焼鈍により極低炭素冷延鋼板を得る。
しかも品質上欠点のない極低炭素冷延鋼板の製造方法を
提供する。 【解決手段】 950 〜1100℃に加熱された極低炭素鋼ス
ラブに粗圧延終了温度が950 ℃以下Ar3変態点超の温度
でかつ最終粗スタンドの圧下率が20%以上の粗熱間圧延
および仕上圧延の後段が、Ar1変態以下750 ℃以上のフ
ェライト単相式でかつ最終スタンドの圧下率が20%以上
である仕上圧延を施したのち、酸洗、冷間圧延、再結晶
焼鈍により極低炭素冷延鋼板を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極低炭素冷延鋼板
の製造方法に関し、特に極低炭素冷延鋼板用素材の熱間
圧延方法に関する。
の製造方法に関し、特に極低炭素冷延鋼板用素材の熱間
圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷延鋼板の素材である熱延鋼板を製造す
るには、鋼スラブを1150〜1280℃といった高温に加熱し
たのち熱間圧延する方法が用いられてきたが、これは合
金元素の溶体化や変形抵抗が低いことを利用して、圧延
動力の減少を図るほか、仕上圧延終了時の鋼板温度(仕
上温度)を鋼板の合金成分等により決まるAr3変態点以
上とするため、加熱後の粗圧延、仕上圧延段階での温度
降下を補償することにある。
るには、鋼スラブを1150〜1280℃といった高温に加熱し
たのち熱間圧延する方法が用いられてきたが、これは合
金元素の溶体化や変形抵抗が低いことを利用して、圧延
動力の減少を図るほか、仕上圧延終了時の鋼板温度(仕
上温度)を鋼板の合金成分等により決まるAr3変態点以
上とするため、加熱後の粗圧延、仕上圧延段階での温度
降下を補償することにある。
【0003】熱延鋼板の仕上温度がAr3変態点以下にな
ると、熱延鋼板の材質およびこれを素材とした冷延鋼板
の材質が悪くなる。一般的には、スラブ加熱温度を高く
とり、熱延仕上温度がAr3変態点以上とすれば熱延鋼板
の結晶方位もランダム化し、これを素材とする冷延鋼板
も良好な材質が得られる。しかし、特公昭57-32696号公
報には、Ar3変態点以下で熱間圧延する低炭素冷延鋼板
の製造方法が開示されている。この方法は、Ar3変態点
以下 600℃以上のオーステナイト+フェライトの2相域
で仕上圧下率を20〜60%とする熱間圧延を行うことによ
り、Ar3変態点以上で圧延された鋼板の材質と比較して
遜色のない低炭素冷延鋼板を得ることを目的としてい
る。しかし、この方法によっても、冷間圧延後に板表面
に残るリジング状のしわを解消することができないこ
と、2相域で圧延すると圧延が不安定になり板厚、板幅
精度が低下することなど材質上の問題点は依然として残
されている。
ると、熱延鋼板の材質およびこれを素材とした冷延鋼板
の材質が悪くなる。一般的には、スラブ加熱温度を高く
とり、熱延仕上温度がAr3変態点以上とすれば熱延鋼板
の結晶方位もランダム化し、これを素材とする冷延鋼板
も良好な材質が得られる。しかし、特公昭57-32696号公
報には、Ar3変態点以下で熱間圧延する低炭素冷延鋼板
の製造方法が開示されている。この方法は、Ar3変態点
以下 600℃以上のオーステナイト+フェライトの2相域
で仕上圧下率を20〜60%とする熱間圧延を行うことによ
り、Ar3変態点以上で圧延された鋼板の材質と比較して
遜色のない低炭素冷延鋼板を得ることを目的としてい
る。しかし、この方法によっても、冷間圧延後に板表面
に残るリジング状のしわを解消することができないこ
と、2相域で圧延すると圧延が不安定になり板厚、板幅
精度が低下することなど材質上の問題点は依然として残
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決し、製造のために消費するエネルギーが少なく、し
かも品質上欠点のない極低炭素冷延鋼板の製造方法を提
供することを目的とする。
解決し、製造のために消費するエネルギーが少なく、し
かも品質上欠点のない極低炭素冷延鋼板の製造方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 950〜1100℃
に加熱された極低炭素鋼スラブあるいは再加熱すること
なく 950〜1100℃の温度を有する極低炭素鋼スラブに、
粗圧延終了温度が 950℃以下Ar3変態点超の温度範囲で
あり、かつ最終粗スタンド圧下率が20%以上である粗圧
延を施し、ついで仕上前段圧延およびAr1変態点以下 7
50℃以上の温度範囲で、かつ最終スタンド圧下率が20%
以上である仕上後段圧延により熱延板としたのち、酸洗
し冷間圧延し、ついで再結晶焼鈍を行うことを特徴とす
る極低炭素冷延鋼板の製造方法である。
に加熱された極低炭素鋼スラブあるいは再加熱すること
なく 950〜1100℃の温度を有する極低炭素鋼スラブに、
粗圧延終了温度が 950℃以下Ar3変態点超の温度範囲で
あり、かつ最終粗スタンド圧下率が20%以上である粗圧
延を施し、ついで仕上前段圧延およびAr1変態点以下 7
50℃以上の温度範囲で、かつ最終スタンド圧下率が20%
以上である仕上後段圧延により熱延板としたのち、酸洗
し冷間圧延し、ついで再結晶焼鈍を行うことを特徴とす
る極低炭素冷延鋼板の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明における限定理由を
述べる。本発明では、極低炭素鋼スラブの加熱温度を 9
50〜1100℃に限定する。本発明で使用する極低炭素鋼ス
ラブは、重量%でCが50ppm 以下、Siが0.5 %未満、Mn
が0.5 %未満のものをいう。他の元素については要望さ
れる特性に応じ、必要に応じ添加できる。スラブは分塊
圧延、連続鋳造いずれで製造してもよく、特に限定しな
い。加熱温度が950 ℃未満では、熱量の節約効果は著し
いが、スラブの変形抵抗が急激に増大するため、圧延動
力が大きくなり過ぎて経済効果を失う。又、1100℃を超
えると熱量の節約効果がなくなり本発明の目的の一つが
達せられない。このように、スラブ加熱温度は950 〜11
00℃の範囲とした。
述べる。本発明では、極低炭素鋼スラブの加熱温度を 9
50〜1100℃に限定する。本発明で使用する極低炭素鋼ス
ラブは、重量%でCが50ppm 以下、Siが0.5 %未満、Mn
が0.5 %未満のものをいう。他の元素については要望さ
れる特性に応じ、必要に応じ添加できる。スラブは分塊
圧延、連続鋳造いずれで製造してもよく、特に限定しな
い。加熱温度が950 ℃未満では、熱量の節約効果は著し
いが、スラブの変形抵抗が急激に増大するため、圧延動
力が大きくなり過ぎて経済効果を失う。又、1100℃を超
えると熱量の節約効果がなくなり本発明の目的の一つが
達せられない。このように、スラブ加熱温度は950 〜11
00℃の範囲とした。
【0007】なお、連続鋳造後、スラブの保有熱で上記
温度が確保できれば、再加熱することなく、そのまま、
あるいは若干の加熱により上記温度に加熱してのち、熱
間圧延してもよい。粗圧延では、粗圧延終了温度を950
℃以下、Ar3変態点超の温度範囲でかつ、最終スタンド
における圧下率を20%以上に限定した。
温度が確保できれば、再加熱することなく、そのまま、
あるいは若干の加熱により上記温度に加熱してのち、熱
間圧延してもよい。粗圧延では、粗圧延終了温度を950
℃以下、Ar3変態点超の温度範囲でかつ、最終スタンド
における圧下率を20%以上に限定した。
【0008】終了温度がAr3変態点以下では粗圧延時の
オーステナイト+フェライト2相圧延による集合組織異
常や歪みの不均質化による材質劣化が起こる。また、95
0 ℃を超えると仕上前段(仕上6〜7スタンドでは前段
の3スタンド範囲)までに変態を終了させるのに時間を
要し、圧延ラインにおける圧延能率の阻害となる。リジ
ングの発生程度を示すリジング評点と粗最終スタンド圧
下率との関係を図1に示す。図中に示すリジング評点は
1がリジング発生なし、2がリジングわずかに発生、3
がリジング発生ありである。図1から粗圧延最終スタン
ドで20%未満の圧下率では、冷間圧延後の板表面に発生
するリジング状しわの抑制ができない。このリジング状
しわの抑制のため、粗圧延最終スタンドで少なくとも圧
下率20%以上の圧下を必要とする。なお、さらに好まし
くは、圧下率30%以上である。また、圧下率の上限は、
圧延荷重、圧延トルク等ミル能力で決定され、圧下率50
%以下が好ましい。
オーステナイト+フェライト2相圧延による集合組織異
常や歪みの不均質化による材質劣化が起こる。また、95
0 ℃を超えると仕上前段(仕上6〜7スタンドでは前段
の3スタンド範囲)までに変態を終了させるのに時間を
要し、圧延ラインにおける圧延能率の阻害となる。リジ
ングの発生程度を示すリジング評点と粗最終スタンド圧
下率との関係を図1に示す。図中に示すリジング評点は
1がリジング発生なし、2がリジングわずかに発生、3
がリジング発生ありである。図1から粗圧延最終スタン
ドで20%未満の圧下率では、冷間圧延後の板表面に発生
するリジング状しわの抑制ができない。このリジング状
しわの抑制のため、粗圧延最終スタンドで少なくとも圧
下率20%以上の圧下を必要とする。なお、さらに好まし
くは、圧下率30%以上である。また、圧下率の上限は、
圧延荷重、圧延トルク等ミル能力で決定され、圧下率50
%以下が好ましい。
【0009】仕上熱間圧延は、仕上前段と仕上後段に分
けられ、仕上前段の圧延条件は特に規定しない。仕上前
段までに、変態を完了させる必要がある。仕上前段まで
に変態を終了させるのは、通板性と板厚・板幅精度を確
保し、後段スタンドをフェライト単相で圧延することを
目的としている。仕上後段圧延は、Ar1変態点以下750
℃で圧延し、かつ最終スタンドでの圧下率を20%以上と
する。
けられ、仕上前段の圧延条件は特に規定しない。仕上前
段までに、変態を完了させる必要がある。仕上前段まで
に変態を終了させるのは、通板性と板厚・板幅精度を確
保し、後段スタンドをフェライト単相で圧延することを
目的としている。仕上後段圧延は、Ar1変態点以下750
℃で圧延し、かつ最終スタンドでの圧下率を20%以上と
する。
【0010】低炭素鋼(C<50ppm )では(γ+α)の
2相域が非常に狭く、Ar3変態点から10〜20℃低くなる
と単相のフェライトになる。したがって、仕上後段では
フェライト単相で圧延でき、しかも仕上温度を750 ℃以
上、最終スタンドで20%以上の圧下率とすることにより
熱延組織の微細化がはかれ、すぐれた材質が確保でき
る。最終スタンドの圧下率が20%未満ではリジングの解
消が不十分である。
2相域が非常に狭く、Ar3変態点から10〜20℃低くなる
と単相のフェライトになる。したがって、仕上後段では
フェライト単相で圧延でき、しかも仕上温度を750 ℃以
上、最終スタンドで20%以上の圧下率とすることにより
熱延組織の微細化がはかれ、すぐれた材質が確保でき
る。最終スタンドの圧下率が20%未満ではリジングの解
消が不十分である。
【0011】本発明では、従来法における鋼スラブの加
熱温度よりも50〜300 ℃低い加熱温度で熱間圧延を行
う。従来、鋼スラブを加熱するにあたり、連続加熱炉で
は一般に25〜35万Kcal/Tの熱量を用いている。この熱量
は常温の鋼スラブを1150〜1280℃に昇温せしめるのに必
要な熱量である。本発明者等の経験から従来法の1250℃
熱間圧延を開始した場合と、本発明法による1000℃の熱
間圧延開始とを比較した場合、それまでに必要な熱量の
差は6万Kcal/Tに達する。
熱温度よりも50〜300 ℃低い加熱温度で熱間圧延を行
う。従来、鋼スラブを加熱するにあたり、連続加熱炉で
は一般に25〜35万Kcal/Tの熱量を用いている。この熱量
は常温の鋼スラブを1150〜1280℃に昇温せしめるのに必
要な熱量である。本発明者等の経験から従来法の1250℃
熱間圧延を開始した場合と、本発明法による1000℃の熱
間圧延開始とを比較した場合、それまでに必要な熱量の
差は6万Kcal/Tに達する。
【0012】又、極低炭素鋼スラブは加熱温度の低下に
より粗圧延における変形抵抗が大きくなり粗圧延時の圧
延動力が増大するが、仕上圧延においては従来オーステ
ナイト域で圧延していたのをフェライト単相圧延するこ
とにより変形抵抗が小さくなり仕上圧延時の圧延動力が
減少する。この粗圧延時の圧延動力増大分と仕上圧延時
の圧延動力減少分を考えると、仕上圧延時の圧延動力減
少分の方が大きくなる。それゆえ本発明は、熱消費量が
少なく経済的に有利な製造方法である。極低炭素冷延鋼
板の高温加熱Ar3点以上仕上の従来法と本発明法におけ
る仕上圧延での変形抵抗を比較し、表1に示す。ここに
示した極低炭素冷延鋼板は、C:0.005 %以下でシート
バー厚45mm、熱延仕上板厚 3.0mmである。本発明法にお
いては、仕上圧延の後段はフェライト域圧延であり、従
来法の仕上圧延はオーステナイト域圧延である。本発明
法の圧延温度は、従来法に比べ約 150℃低いにもかかわ
らず、変形抵抗が小さくなる。これにより仕上圧延時の
圧延動力が減少する。これはフェライト域圧延とオース
テナイト域圧延では、圧延材の結晶構造が違うからであ
る。
より粗圧延における変形抵抗が大きくなり粗圧延時の圧
延動力が増大するが、仕上圧延においては従来オーステ
ナイト域で圧延していたのをフェライト単相圧延するこ
とにより変形抵抗が小さくなり仕上圧延時の圧延動力が
減少する。この粗圧延時の圧延動力増大分と仕上圧延時
の圧延動力減少分を考えると、仕上圧延時の圧延動力減
少分の方が大きくなる。それゆえ本発明は、熱消費量が
少なく経済的に有利な製造方法である。極低炭素冷延鋼
板の高温加熱Ar3点以上仕上の従来法と本発明法におけ
る仕上圧延での変形抵抗を比較し、表1に示す。ここに
示した極低炭素冷延鋼板は、C:0.005 %以下でシート
バー厚45mm、熱延仕上板厚 3.0mmである。本発明法にお
いては、仕上圧延の後段はフェライト域圧延であり、従
来法の仕上圧延はオーステナイト域圧延である。本発明
法の圧延温度は、従来法に比べ約 150℃低いにもかかわ
らず、変形抵抗が小さくなる。これにより仕上圧延時の
圧延動力が減少する。これはフェライト域圧延とオース
テナイト域圧延では、圧延材の結晶構造が違うからであ
る。
【0013】
【表1】
【0014】酸洗は、熱延板の表面スケールを除去する
ために行うが、酸洗液、処理条件は通常公知の方法でよ
い。冷間圧延は、所定の製品厚となればよく、本発明で
は特に冷延条件を規定しない。冷延後の再結晶焼鈍は通
常行われている、バッチ焼鈍、連続焼鈍いずれでもよ
く、温度は600 ℃以上900 ℃以下の範囲で行う。
ために行うが、酸洗液、処理条件は通常公知の方法でよ
い。冷間圧延は、所定の製品厚となればよく、本発明で
は特に冷延条件を規定しない。冷延後の再結晶焼鈍は通
常行われている、バッチ焼鈍、連続焼鈍いずれでもよ
く、温度は600 ℃以上900 ℃以下の範囲で行う。
【0015】
(実施例1)C:0.002 wt%, Si:0.01wt%, Mn:0.15
wt%, P:0.015wt %, S:0.0100wt%,N:0.0030wt
%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる連鋳
製極低炭素鋼スラブ(スラブ厚220mm 、Ar1変態点 870
℃)を 970℃に加熱し、粗圧延によりシートバー厚45mm
としたのち、仕上圧延により3.0mm 厚とした。
wt%, P:0.015wt %, S:0.0100wt%,N:0.0030wt
%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる連鋳
製極低炭素鋼スラブ(スラブ厚220mm 、Ar1変態点 870
℃)を 970℃に加熱し、粗圧延によりシートバー厚45mm
としたのち、仕上圧延により3.0mm 厚とした。
【0016】粗圧延、仕上圧延条件は、表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】従来例として、スラブ高温加熱、Ar3変態
点以上の仕上圧延による例を示す。すなわち、同一組成
の連鋳製の極低炭素鋼スラブ(スラブ厚220mm )を1230
℃に加熱し、粗圧延、仕上圧延によりAr3変態点以上の
仕上温度で同じ寸法の熱延板とした。圧延条件を表2に
併記した。この加熱圧延条件における加熱炉原単位およ
び電力原単位を表2に併せて示す。この結果から本発明
方法は従来法に比べ熱間圧延時に熱量で6万Kcal/Tと、
動力で4万KwH/T が節減できることは明らかである。
点以上の仕上圧延による例を示す。すなわち、同一組成
の連鋳製の極低炭素鋼スラブ(スラブ厚220mm )を1230
℃に加熱し、粗圧延、仕上圧延によりAr3変態点以上の
仕上温度で同じ寸法の熱延板とした。圧延条件を表2に
併記した。この加熱圧延条件における加熱炉原単位およ
び電力原単位を表2に併せて示す。この結果から本発明
方法は従来法に比べ熱間圧延時に熱量で6万Kcal/Tと、
動力で4万KwH/T が節減できることは明らかである。
【0019】つぎに、上記条件で得られた本発明例、従
来例の熱延板を用い、酸洗したのち、冷間圧延により0.
65mm厚の鋼板とした。その後、800 ℃×30sec の再結晶
焼鈍を施し、冷延製品とした。そのときの機械的性質を
表3に示す。表3から、本発明によって製造した冷延鋼
板は従来法のものに比し結晶粒がやや大きくなるが、引
張強さ(T.S )、伸び、r値にあまり差がなく同様な用
途に用いてもさしつかえない。
来例の熱延板を用い、酸洗したのち、冷間圧延により0.
65mm厚の鋼板とした。その後、800 ℃×30sec の再結晶
焼鈍を施し、冷延製品とした。そのときの機械的性質を
表3に示す。表3から、本発明によって製造した冷延鋼
板は従来法のものに比し結晶粒がやや大きくなるが、引
張強さ(T.S )、伸び、r値にあまり差がなく同様な用
途に用いてもさしつかえない。
【0020】
【表3】
【0021】(実施例2)C:0.003 wt%, Si:0.01wt
%, Mn:0.15wt%, P:0.015wt %, S:0.0100wt%,
N:0.0030wt%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物
からなる極低炭素鋼スラブ(スラブ厚220mm )を1000〜
1010℃に加熱し、粗圧延の最終スタンドでの圧下率を変
えて圧延し、仕上圧延を行い、3.0mm 厚熱延板とした。
この熱延条件を表4に示す。
%, Mn:0.15wt%, P:0.015wt %, S:0.0100wt%,
N:0.0030wt%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物
からなる極低炭素鋼スラブ(スラブ厚220mm )を1000〜
1010℃に加熱し、粗圧延の最終スタンドでの圧下率を変
えて圧延し、仕上圧延を行い、3.0mm 厚熱延板とした。
この熱延条件を表4に示す。
【0022】この熱延板を酸洗し、冷間圧延して0.50mm
厚の冷間板としたのち、800 ℃×30sec の再結晶焼鈍に
より製品とした。製品のリジングを評価した。評価は、
×:リジング発生あり、△:リジングわずかに発生、
○:リジング発生なし。
厚の冷間板としたのち、800 ℃×30sec の再結晶焼鈍に
より製品とした。製品のリジングを評価した。評価は、
×:リジング発生あり、△:リジングわずかに発生、
○:リジング発生なし。
【0023】
【表4】
【0024】表4から、粗圧下率が従来と同等であれば
リジングが発生するが、粗圧下率を増やしていけばリジ
ングが軽減でき圧下率30%まで取ればリジングが解消で
きることがわかる。
リジングが発生するが、粗圧下率を増やしていけばリジ
ングが軽減でき圧下率30%まで取ればリジングが解消で
きることがわかる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、品質上欠点のない極低
炭素冷延鋼板が容易に製造でき、しかも製造時に消費さ
れる総エネルギー量を著しく低減でき、きわめて経済的
に有利となる。さらに、加熱温度が低くてすむため、加
熱炉の設備費、補修費の低減、スラブのスケール生成量
の減少、各種ロールの摩耗量の減少などの効果が期待で
きる。
炭素冷延鋼板が容易に製造でき、しかも製造時に消費さ
れる総エネルギー量を著しく低減でき、きわめて経済的
に有利となる。さらに、加熱温度が低くてすむため、加
熱炉の設備費、補修費の低減、スラブのスケール生成量
の減少、各種ロールの摩耗量の減少などの効果が期待で
きる。
【図1】リジング発生の程度を示すリジング評点と粗最
終スタンド圧下率との関係を示すグラフである。
終スタンド圧下率との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 950〜1100℃に加熱された極低炭素鋼ス
ラブあるいは再加熱することなく 950〜1100℃の温度を
有する極低炭素鋼スラブに、粗圧延終了温度が 950℃以
下Ar3変態点超の温度範囲であり、かつ最終粗スタンド
圧下率が20%以上である粗圧延を施し、ついで仕上前段
圧延およびAr1変態点以下 750℃以上の温度範囲で、か
つ最終スタンド圧下率が20%以上である仕上後段圧延に
より熱延板としたのち、酸洗し冷間圧延し、ついで再結
晶焼鈍を行うことを特徴とする極低炭素冷延鋼板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19736596A JPH1046240A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 極低炭素冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19736596A JPH1046240A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 極低炭素冷延鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1046240A true JPH1046240A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=16373289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19736596A Pending JPH1046240A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 極低炭素冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1046240A (ja) |
-
1996
- 1996-07-26 JP JP19736596A patent/JPH1046240A/ja active Pending
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Legal Events
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060725 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070418 |