JPH1046083A - 水系顔料インク - Google Patents

水系顔料インク

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JPH1046083A
JPH1046083A JP21026396A JP21026396A JPH1046083A JP H1046083 A JPH1046083 A JP H1046083A JP 21026396 A JP21026396 A JP 21026396A JP 21026396 A JP21026396 A JP 21026396A JP H1046083 A JPH1046083 A JP H1046083A
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JP
Japan
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water
ink
weight
monomer
copolymer
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JP21026396A
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English (en)
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Tadashi Sakuma
正 佐久間
Masukame Ishii
萬壽亀 石井
Hideki Yanagi
秀樹 柳
Shoichi Suzuki
祥一 鈴木
Shigemi Wakabayashi
繁美 若林
Yoshiaki Tsujii
善明 辻井
Kenji Aida
健二 會田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷像の印字濃度が高く、且つ長期間保存下
での分散安定性に優れ、特にインクジェット記録用イン
クとして適した水系顔料インクを提供すること。 【解決手段】 顔料、高分子分散剤、水溶性溶剤及び水
を主成分とする本発明の水系顔料インクは、上記高分子
分散剤として、アルキレンオキシド付加単量体(イ)、
及び該単量体(イ)と共重合可能な単量体(ロ)を、該
単量体(イ)が10〜50重量部〔但し、該単量体
(イ)及び該単量体(ロ)の合計は100重量部であ
る。〕となる比率で用いて得られる重量平均分子量50
00〜20万の共重合体(A)又は該共重合体(A)を
中和して得られる共重合体(B)を用いたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系顔料インクに
関し、更に詳しくは印刷像の印字濃度が高く、且つ長期
保存下での分散安定性に優れた水系顔料インクに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来用
いられている水系インクとしては、染料インク及び顔料
インクが主である。これらのインクのうち顔料インク
は、染料インクに比して印刷像の耐水性や耐光性に優れ
るものの、顔料の分散安定性が十分でないことが知られ
ている。
【0003】例えば、水系顔料インクとして、顔料、バ
インダー、界面活性剤及び水からなる塗布及び筆記面の
レベリング性に優れた水系顔料インクが知られている
(特開昭59−199780号公報等)。しかしなが
ら、かかる水系顔料インクは、印刷像の印字濃度が未だ
に不十分であり、しかも顔料の分散安定性、特に長期間
保存下における分散安定性に劣るものである。特に、顔
料の低分散安定性は、かかる水系顔料インクをインクジ
ェット記録用インクとして用いた場合にヘッドでの目詰
まりを起こすという大きな問題となる。
【0004】従って、本発明の目的は、印刷像の印字濃
度が高く、且つ長期間保存下での分散安定性に優れた水
系顔料インクを提供することにある。また、本発明の目
的は、特にインクジェット記録用インクとして適した水
系顔料インクを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、特定の高分子分散剤を用いることにより、上記
目的を達成し得る水系顔料インクが得られることを知見
した。
【0006】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、顔料、高分子分散剤、水溶性溶剤及び水を主成分と
する水系顔料インクにおいて、上記高分子分散剤とし
て、下記一般式(I)で表されるアルキレンオキシド付
加単量体(イ)、及び該単量体(イ)と共重合可能な単
量体(ロ)を、該単量体(イ)が10〜50重量部〔但
し、該単量体(イ)及び該単量体(ロ)の合計は100
重量部である。〕となる比率で用いて得られる重量平均
分子量5000〜20万の共重合体(A)又は該共重合
体(A)を中和して得られる共重合体(B)を用いたこ
とを特徴とする水系顔料インクを提供することにより上
記目的を達成したものである。
【0007】
【化2】
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の水系顔料インクは、上述
の通り顔料、高分子分散剤、水溶性溶剤及び水を必須成
分として含有し、該高分子分散剤として特定の共重合体
を用いたことを特徴とするものである。以下、本発明の
水系顔料インクを構成する上記各成分についてそれぞれ
説明する。
【0009】上記高分子分散剤は、上記一般式(I)で
表されるアルキレンオキシド付加単量体(イ)、及び該
単量体(イ)と共重合可能な単量体(ロ)を、該単量体
(イ)が10〜50重量部〔但し、該単量体(イ)及び
該単量体(ロ)の合計は100重量部である。〕となる
比率で用いて得られる重量平均分子量5000〜20万
の共重合体(A)又は該共重合体(A)を中和して得ら
れる共重合体(B)である。
【0010】上記一般式(I)で表される単量体(イ)
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等の
エチレン系不飽和カルボン酸の誘導体であり、その具体
例としては、−1)該不飽和カルボン酸の一価又は二
価アルコールエステル、−2)該不飽和カルボン酸と
ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシドとのエ
ステル、−1)該不飽和カルボン酸のアルカノールア
ミンによるアミド、−2)該不飽和カルボン酸をアン
モニアでアミド化させ、次いでエチレンオキシドやプロ
ピレンオキシドを付加させて得られるアミド等が挙げら
れる。これらの単量体(I)は、単独で又は二種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0011】また、上記単量体(イ)において、n、p
又はqで表されるエチレンオキシド又はプロピレンオキ
シドの1分子当たりの付加数は、上述の通りそれぞれ独
立に1〜300であり、2〜150であることが好まし
く、4〜130であることが更に好ましい。エチレンオ
キシド又はプロピレンオキシドの付加数が1に満たない
と分散剤としての分散効果が発現せず、300を超える
と、分散効果はあるものの、共重合体とした際に高分子
量化の為に増粘して、取り扱い性が低下し、また、イン
ク化時の粘度上昇に伴うインク吐出性や印字品質等の低
下をおこす。尚、上記単量体(イ)においては、アルキ
レンオキシドとしてエチレンオキシド又はプロピレンオ
キシドの何れか一方のみが付加されていてもよく、或い
は双方が付加されていてもよい。更に、n、p又はqの
何れかが2以上の場合(即ち、ポリアルキレンオキシド
鎖が形成される場合)、該ポリアルキレンオキシド鎖
は、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの何れか
一方のみから形成されていてもよく、或いは双方から形
成されていてもよい。この場合、両者の付加形態は、ブ
ロック付加、交互付加、ランダム付加の何れでもよく、
エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの付加モル比
(前者:後者)は、10:90〜90:10であること
が望ましく、10:90〜60:40であることが更に
望ましい。
【0012】上記単量体(ロ)としては、上記単量体
(イ)と共重合可能な単量体が用いられる。該単量体
(ロ)の例としては、特に制限されないが、炭素数1〜
20の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエス
テル;マレイン酸やフマル酸などの二塩基性カルボン酸
と炭素数1〜20の脂肪族アルコール又は炭素数2〜4
の脂肪族グリコール若しくは該脂肪族グリコールのポリ
マー〔即ち、ポリアルキレングリコール(付加モル数は
2〜100程度)〕とのジエステル;(メタ)アクリル
アミドや(メタ)アクリルアルキルアミドなどの不飽和
アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニ
ルエステル類;スチレンなどの芳香族ビニル化合物類;
ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホエチル
(メタ)アクリレート及びスチレンスルホン酸などの不
飽和スルホン酸類並びにそれらの一価金属塩、二価金属
塩、アンモニウム塩、有機アミン塩類等が挙げられる。
該単量体(ロ)は、一種又は二種以上を組み合わせて用
いることができる。
【0013】また、上記単量体(ロ)として下記一般式
(II)で表される単量体を用いることもできる。
【0014】
【化3】
【0015】上記一般式(II)で表される単量体として
は、特に制限されないが、例えばアクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸等のエチレン系不飽和カルボン酸;該
エチレン系不飽和カルボン酸の一価金属塩、二価金属
塩、アンモニウム塩及びアミン塩;イタコン酸の一価又
は二価アルコールエステル;イタコン酸とポリエチレン
オキシドやポリプロピレンオキシドとのモノエステル;
イタコン酸のアルカノールアミンによるモノアミド;イ
タコン酸をアンモニアでアミド化させ、次いでエチレン
オキシドやプロピレンオキシドを付加させて得られるモ
ノアミド等が挙げられる。これらの単量体は一種又は二
種以上を組み合わせて用いることができる。尚、上記一
般式(II)で表される単量体に関し特に詳述しなかった
点については、上記一般式(I)で表される単量体
(イ)に関して詳述した説明が適宜適用される。
【0016】上記共重合体(A)及び(B)において
は、上記単量体(イ)及び上記単量体(ロ)の合計を1
00重量部とした場合に、該単量体(イ)が10〜50
重量部含まれ、好ましくは15〜45重量部含まれ、更
に好ましくは25〜40重量部含まれる。該単量体の量
が10重量部に満たないと分散剤としての分散機能が発
現しないことがあり、50重量部を超えると、分散効果
はあるものの、共重合体とした際に高分子量化の為に増
粘して、取り扱い性が低下し、また、インク化時の粘度
上昇に伴うインク吐出性や印字品質等の低下をおこすこ
とがあるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0017】上記単量体(イ)及び(ロ)の共重合様式
は、ランダム共重合、ブロック共重合、交互共重合、グ
ラフト共重合の共重合様式をとることができ、得られる
共重合体(A)及び(B)の高分子分散剤としての機能
を損なわない限り特に制限されない。
【0018】上記共重合体(A)及び(B)は、その重
量平均分子量が5000〜20万である。該共重合体
(A)及び(B)の分子量が上記範囲を超えて高くなり
過ぎると増粘して取り扱い性に劣り、またインクにした
時にインクの粘度が上昇しインクの性能が低下してしま
う。上記重量平均分子量は、5000〜7万であること
が望ましい。
【0019】上記共重合体(A)の調製方法は、該共重
合体(A)の高分子分散剤としての機能を損なわない限
り特に制限されず、従来公知の調製方法が用いられる。
調製方法の具体例としては、特公平2−7898号公報
の第6欄10行〜第7欄7行に記載の方法や特公平2−
7901号公報の第8欄4行〜第9欄1行に記載の方法
等が挙げられる。また、上記共重合体(B)は、上記共
重合体(A)を例えばアルカリ性物質、具体的には一価
金属や二価金属の水酸化物、塩化物及び炭酸塩;アンモ
ニア;有機アミン等で中和することにより得られる。
【0020】本発明の水系顔料インクにおいて、高分子
分散剤として上記共重合体(A)又は(B)を用いるこ
とにより顔料の分散性が向上する理由は定かではない
が、下記の通りであると推察される。即ち、上記共重合
体(A)及び(B)はインク中において、その分子中に
おける電荷(極性)を有する部位(例えばカルボニル部
位)が顔料表面に吸着すると共に側鎖のポリオキシアル
キレン基が外方を向いた状態で該顔料の表面を取り囲ん
でいる。該ポリオキシアルキレン基は鎖長が長く立体障
害性が高いので、顔料同士の凝集が該ポリオキシアルキ
レン基によって阻害される。その結果、顔料の分散性や
保存安定性が向上すると考えられる。上記ポリオキシア
ルキレン基による立体障害性は、本発明の水系顔料イン
クのpHが高い場合に特に顕著に発現するので、後述す
るように本発明の水系顔料インクのpHを高い領域に設
定することが好ましい。
【0021】高分子分散剤として用いられる上記共重合
体(A)又は(B)は、本発明の水系顔料インク中に
0.05〜10重量%配合されることが好ましい。該共
重合体の配合量が0.05重量%に満たないと顔料を十
分に安定させるだけの配合量に達していないので保存安
定性に欠けることがあり、10重量%を超えると分散性
や保存安定性がそれ以上向上しないばかりかインクの粘
度を上昇させてしまうことがあるので上記範囲内とする
ことが好ましい。該共重合体の配合量は、0.1〜4重
量%であることが更に好ましく、0.5〜3重量%であ
ることが一層好ましい。尚、本発明においては、上記共
重合体(A)及び(B)を併用してもよい。
【0022】次に、本発明の水系顔料インクにおける、
上記高分子分散剤以外の必須成分について説明する。本
発明の水系顔料インクにおいて用いられる顔料は、その
種類に特に制限は無く、例えば、カーボンブラック;
C.I.ピグメント・イエロー1、5、12、14、1
7、24、42、53、83、95、97、98及び1
00;C.I.ピグメント・レッド1、3、4、5、1
7、22、31、48、49、53、63、64、8
1:1、88及び101;C.I.ピグメント・ブルー
1、15、16、27、28、29、56、60及び6
3並びに;C.I.ピグメント・ブラック1及び11等
を用いることができ、特に、カーボンブラックを用いる
ことが好ましい。上記顔料は、本発明の水系顔料インク
中に1〜15重量%配合されることが好ましく、2〜1
0重量%配合されることが更に好ましい。該顔料の配合
量が1重量%に満たないと印字濃度が不十分であり、1
5重量%を超えて使用しても印字濃度の大幅な向上が図
れないので、上記範囲内とすることが好ましい。また、
上記顔料は、インクの保存安定性向上の点から、その平
均粒径が0.05〜3μmであることが好ましく、0.
05〜1μmであることが更に好ましい。
【0023】本発明の水系顔料インクを用いて減法混色
法によりカラー印刷を行う場合には、黒色、イエロー、
マゼンタ、及びシアンそれぞれの顔料を含有する4種類
のインク(黒色インク、イエローインク、マゼンタイン
ク、シアンインク)からなる水系顔料インクセットを用
いることが好ましい。この場合、黒色顔料としてカーボ
ンブラックを用い、イエロー顔料としてC.I.ピグメ
ント・イエロー17及び83から選ばれる顔料を用い、
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメント・レッド48:
3、83及び122から選ばれる顔料を用い、シアン顔
料としてC.I.ピグメント・ブルー15:3を用いる
と、色再現性が向上するので好ましい。
【0024】本発明の水系顔料インクにおいて用いられ
る水溶性溶剤は、湿潤剤ないし保湿剤としての機能を有
するものであればその種類に特に制限は無く、例えばエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール及びポリエチレングリコール等のグリコール
類;グリセリン;ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブ
チルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ジ
エチルカルビトール、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等の
多価アルコールのエーテル類、アセテート類;チオジグ
リコール;N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメ
チルイミダゾリジノン;トリエタノールアミン;ホルム
アミド;ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物類、ジ
メチルスルホキシドの一種又は二種以上を使用すること
ができる。これらの水溶性溶剤は、本発明の水系顔料イ
ンク中に0.1〜30重量%配合されることが好まし
く、0.1〜15重量%配合されることが更に好まし
い。
【0025】本発明の水系顔料インク(特にインクジェ
ット記録用インクとして用いた場合)において水は媒体
として用いられるものであり、70〜98重量%配合さ
れることが好ましく、85〜95重量%配合されること
が更に好ましい。
【0026】上述の必須成分に加えて、本発明の水系顔
料インクには必要に応じて以下に述べるような各種成分
を配合することもできる。
【0027】本発明の水系顔料インクにおいては、上記
高分子分散剤と共に分散性向上剤を併用することが好ま
しい。該分散性向上剤としては、アニオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等の各種界面活性
剤を用いることができる。該界面活性剤は全体として、
本発明の水系顔料インク中に0.01〜10重量%配合
されることが好ましく、0.05〜5重量%配合される
ことが更に好ましい。
【0028】上記アニオン界面活性剤としては、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン
酸塩、アルカン又はオレフィンスルホン酸塩、アルキル
硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル又はアル
キルアリールエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、エー
テルカルボキシレート、アルキルスルホコハク酸エステ
ル塩、α−スルホ脂肪酸エステル、及び脂肪酸塩よりな
る群から選ばれる界面活性剤や、高級脂肪酸とアミノ酸
の縮合物、ナフテン酸塩等を用いることができる。好ま
しく用いられるアニオン界面活性剤は、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩(とりわけ直鎖アルキルのもの)、アル
カン又はオレフィンスルホン酸塩(とりわけ第2級アル
カンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩)、ア
ルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル又
はアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩(とりわけ
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル
塩)、アルキルリン酸塩(とりわけモノアルキルのも
の)、エーテルカルボキシレート、アルキルスルホコハ
ク酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル、及び脂肪酸塩より
なる群から選ばれる界面活性剤であり、特に好ましく
は、アルキルベンゼンスルホン酸塩(とりわけ直鎖アル
キルのもの)、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキ
ルアリールエーテル硫酸エステル塩(とりわけポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩)、及びア
ルキル硫酸エステル塩である。これらは単独で又は二種
以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】上記ノニオン界面活性剤としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及
びアルキル(ポリ)グリコキシドよりなる群から選ばれ
る界面活性剤等を用いることができる。好ましく用いら
れるノニオン界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルアリールエ
ーテルより選ばれる界面活性剤等である。これらは単独
で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】上記両性界面活性剤としては、アミノ酸型
化合物、ベタイン型化合物等を用いることができる。
【0031】特に、上記界面活性剤を用いる場合には、
アニオン界面活性剤を用いるか、又はアニオン界面活性
剤とノニオン界面活性剤とを併用し、両者の配合量をそ
れぞれ0.01〜5重量%(特に0.01〜3重量%、
とりわけ0.05〜2重量%)とし、且つ両者の配合比
を該アニオン界面活性剤:該ノニオン界面活性剤=10
0:1〜1:100(特に90:1〜1:70、とりわ
け70:1〜1:50)の重量比となるように用いるこ
とが、印刷像の印字濃度、及び長期間保存下での分散安
定性の向上の点から好ましい。
【0032】また、上記界面活性剤としてアニオン界面
活性剤を用いる場合には、上記高分子分散剤と該アニオ
ン界面活性剤とは、両者の配合比が該高分子分散剤:該
アニオン界面活性剤=1:2〜30:1の重量比で用い
られることが好ましい。該高分子分散剤の配合量が上記
範囲を超えて多くなると、高分子分散剤の顔料に対する
濡れ性が不足し、分散性が低下することがある。一方、
該アニオン界面活性剤の配合量が上記範囲を超えて多く
なると、インクの泡立ち性が増大し取り扱い性に劣るこ
とがある。両者の配合比は、該高分子分散剤:該アニオ
ン界面活性剤=1:1〜15:1であることが更に好ま
しく、1:1〜10:1であることが一層好ましい。
【0033】本発明の水系顔料インクにおいては、イン
クの記録紙への浸透性の向上と裏抜け(記録紙への裏側
へのインクのしみ出し)防止とのバランスを図るため
に、ポリプロピレングリコールを配合することが好まし
い。ポリプロピレングリコールは、その分子量が400
〜3000であることが好ましく、400〜2000で
あることが更に好ましい。ポリプロピレングリコール
は、本発明の水系顔料インク中に0.01〜3重量%配
合されることが好ましく、0.01〜1重量%配合され
ることが更に好ましい。
【0034】また、インクの乾燥性を向上させるため
に、本発明の水系顔料インクに脂肪族一価アルコールを
配合することが好ましい。該脂肪族一価アルコールとし
ては、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、及
び2−プロピルアルコールのうちの一種又は二種以上を
用いることが好ましく、1−プロピルアルコールを用い
ることが特に好ましい。該脂肪族一価アルコールは、本
発明の水系顔料インク中に好ましくは0.01〜10重
量%配合され、更に好ましくは0.1〜8重量%配合さ
れる。特に、該脂肪族一価アルコールの配合量を、上記
高分子分散剤の配合量との関係において、両者の配合比
が該高分子分散剤:該脂肪族一価アルコール=1:10
〜1:1となるように調整することにより、インクの乾
燥性が一層向上する。
【0035】更に、本発明の水系顔料インクにおいて
は、特にインクジェット記録用インクとして用いた場合
の間欠吐出性を向上させるために、分子量が400〜3
500(特に、400〜2000)であるポリエチレン
グリコールジサルフェート塩を配合することもできる。
該ポリエチレングリコールジサルフェート塩は、本発明
の水系顔料インク中に0.01〜3重量%配合されるこ
とが好ましく、0.01〜1重量%配合されることが更
に好ましい。
【0036】同様に、間欠吐出性を向上させるために、
本発明の水系顔料インクに糖類を配合することもでき
る。該糖類としては、D−グルコース、フルクトース、
マルトース及びサッカロースのうちの一種又は二種以上
を用いることが好ましく、サッカロースを用いることが
特に好ましい。該糖類は、本発明の水系顔料インク中に
好ましくは0.1〜5重量%配合され、更に好ましくは
0.1〜3重量%配合される。特に、該糖類の配合量
を、上記高分子分散剤の配合量との関係において、両者
の配合比が該高分子分散剤:該糖類=20:1〜1:3
となるように調整することにより、間欠吐出性が一層向
上する。
【0037】また同様に、間欠吐出性を向上させるため
に、本発明の水系顔料インクにN−メチル−2−ピロリ
ドンや1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の窒
素含有複素環化合物を配合することもできる。これらの
窒素含有複素環化合物は、本発明の水系顔料インク中に
好ましくは0.01〜10重量%配合され、更に好まし
くは0.1〜5重量%配合される。
【0038】更に同様に、間欠吐出性を向上させるため
に、本発明の水系顔料インクに非プロトン性極性溶媒を
配合することもできる。該非プロトン性極性溶媒として
は、ジメチルスルホキシド、及びスルホランのうちの一
種又は二種以上を用いることが好ましい。該非プロトン
性極性溶媒は、本発明の水系顔料インク中に好ましくは
0.01〜10重量%配合され、更に好ましくは0.1
〜5重量%配合される。
【0039】間欠吐出性を向上させ得るこれらポリエチ
レングリコールジサルフェート塩、糖類、窒素含有複素
環化合物、及び非プロトン性極性溶媒は、特に、平均粒
径が0.05〜3μmの顔料と併用することにより間欠
吐出性が更に一層向上する。
【0040】また、本発明の水系顔料インクにおいて
は、インクの定着性を向上させるために、アクリル系、
水性ウレタン系、スチレン−ブタジエン系、ポリエステ
ル系等のエマルションを配合することが好ましい。とり
わけ、アクリル−ウレタン共重合体エマルションを配合
することが好ましい。該エマルションとしては、アクリ
ルーウレタンブロック共重合体(アクリル鎖からなる主
鎖の側鎖にウレタンがグラフトした共重合体)エマルシ
ョンを用いることが好ましい。該エマルションにおける
共重合体の重量平均分子量は10000〜300000
であることが好ましく、20000〜250000であ
ることが更に好ましい。該エマルションは、固形分濃度
として、本発明の水系顔料インク中に0.01〜10重
量%配合されることが好ましく、0.05〜5重量%配
合されることが更に好ましい。
【0041】同様に、インクの定着性を向上させるため
に、本発明の水系顔料インクに重量平均分子量が800
〜300000であるポリエチレンイミンを配合するこ
ともできる。該ポリエチレンイミンとしては、アクリル
鎖からなる主鎖の側鎖にグラフトされたポリエチレンイ
ミン、水酸化処理されたポリエチレンイミン、及び両性
イオン化されたポリエチレンイミンのうちの一種又は二
種以上を用いることが好ましく、水酸化処理されたポリ
エチレンイミンを用いることが特に好ましい。該ポリエ
チレンイミンは、本発明の水系顔料インク中に0.01
〜10重量%配合されることが好ましく、0.05〜5
重量%配合されることが更に好ましい。
【0042】本発明の水系顔料インクにおいては、更に
必要に応じてシリコーン系化合物等の消泡剤、クロロメ
チルフェノール系化合物等の防黴剤、EDTA等のキレ
ート剤、亜硫酸塩等の酸素吸収剤等を配合することもで
きる。
【0043】本発明の水系顔料インクは、印刷像の印字
濃度、特に黒色の印字濃度を向上させ得る点から、その
pHが9.5〜13.0であることが好ましく、10.
0〜12.0であることが更に好ましい。pHを上記範
囲内とするためには、本発明の水系顔料インクにpH調
整剤、例えばアミノアルコールを配合すればよい。該ア
ミノアルコールとしては、モノエタノールアミン(例え
ば、2−アミノエタノール)、トリエタノールアミン等
を用いることが好ましい。
【0044】上述の各成分を混合して本発明の水系顔料
インクを調製する方法に特に制限はなく、従来公知の装
置、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、バ
スケットミル、ロールミル等を使用して調製することが
できる。本発明の水系顔料インクの調製に際しては、粗
大粒子を除去することが好ましい。例えば、上述の各成
分を配合して得られたインクを、遠心分離機で遠心分離
(2500G、20分間)することによって、好ましく
は2μm以上、更に好ましくは1μm以上の粒子を除去
する。これによって、目詰まりのないインクが得られる
ので好ましい。
【0045】本発明の水系顔料インクは、万年筆やボー
ルペン、マジックペン、サインペン等の通常の筆記具用
のインクとして用いられ、特にインクジェット記録用イ
ンクとして好適に用いられる。本発明の水系顔料インク
をインクジェット記録用インクとして用いる場合には、
インクジェット記録方式を用いたプリンターであれば、
如何なるプリンターにおいても用いることができる。例
えば、プリンターヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒ
ーター等による熱エネルギーを用いて記録を行う熱ジェ
ット記録方式のプリンター、及びプリンターヘッドに配
設された圧電素子を用いて記録を行う圧電素子記録方式
のプリンターの何れにも使用することができる。
【0046】
【実施例】以下、実施例をもって本発明の有効性を例示
する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制
限されるものではない。尚、以下の例中、「部」及び
「%」は特に断らない限りそれぞれ重量部及び重量%を
表す。
【0047】〔実施例1〕 ・顔料A 15部 ・高分子分散剤A 3部 ・ジエチレングリコール 5部 ・2−アミノエタノール 1部 ・水 残部(76部) 上記成分をサンドミルで4時間分散し、分散液Aとし
た。次いで、分散液A及び下記成分を下記の配合比とな
るようにディゾルバーで希釈した。 ・分散液A 33部 ・ジエチレングリコール 4部 ・水 残部(63部) 上記の成分を配合後、遠心分離機で遠心分離(2500
G、20分間)し、粗大粒子を除去して水系顔料インク
を得た。この水系顔料インクの保存安定性及び印字濃度
を下記〔測定方法〕に従い測定した。尚、上記の成分に
おいて、顔料A及び高分子分散剤Aの詳細は表2に示す
通りである。
【0048】〔測定方法〕保存安定性 得られたインクを60℃で120時間保存した後、25
00Gで20分間遠心分離し、遠心分離後のインクの固
形分濃度(wt%)を測定した。同様の方法で常温保存
(25℃、120時間)されたインクの固形分濃度(w
t%)を測定した。測定値を下記式(1)に代入し、イ
ンクの固形分濃度変化(%)を算出した。算出されたイ
ンクの固形分濃度変化値からインクの保存安定性を下記
の基準で評価した。
【0049】
【数1】
【0050】評価基準 0≦インクの固形分濃度変化≦3・・・◎ 3<インクの固形分濃度変化≦5・・・○ 5<インクの固形分濃度変化≦10・・・△ 10<インクの固形分濃度変化・・・・・×
【0051】印字濃度 プリンターヘッドに発熱抵抗素子のヒーターが配設され
た熱ジェットプリンタ−(キャノン製 BJ−10 L
ite)、及びプリンターヘッドに圧電素子が配設され
たインクジェットプリンター(エプソン製 MJ−50
0C)を用いて、PPC用再生紙〔日本加工製紙(株)
社製〕にベタ印字し、1時間以上放置した後、ベタ印字
部の光字濃度をマクベス濃度計RD918(マクベス社
製)で測定した。
【0052】〔実施例2及び3並びに比較例1及び2〕
顔料及び高分子分散剤の種類及び配合量をそれぞれ表1
に示す通りとする以外は実施例1と同様にして水系顔料
インクを得た。得られた水系顔料インクについて実施例
1と同様の測定を行った。尚、実施例2及び3並びに比
較例1及び2で用いられた顔料及び高分子分散剤の詳細
は表2に示す通りである。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】実施例及び比較例で得られた水系顔料イン
クについて、保存安定性及び印字濃度を上述の方法で測
定した結果、特定の高分子分散剤を用いた本発明の水系
顔料インク(実施例1〜3)は比較例の水系顔料インク
に比して印刷像の印字濃度が高く、且つ長期間保存下で
の分散安定性に優れていることが分かった。また、本発
明の水系顔料インクは、熱エネルギー及び圧電素子を用
いて記録を行うインクジェット記録方法の何れにおいて
も良好な結果が得られることが分かった。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、印刷像の印字濃度が高
く、且つ長期間保存下での分散安定性に優れた水系顔料
インクが得られる。また、本発明によれば、特にインク
ジェット記録用インクとして用いた場合の吐出安定性に
優れた水系顔料インクが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 祥一 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 若林 繁美 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 辻井 善明 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 會田 健二 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、高分子分散剤、水溶性溶剤及び水
    を主成分とする水系顔料インクにおいて、 上記高分子分散剤として、下記一般式(I)で表される
    アルキレンオキシド付加単量体(イ)、及び該単量体
    (イ)と共重合可能な単量体(ロ)を、該単量体(イ)
    が10〜50重量部〔但し、該単量体(イ)及び該単量
    体(ロ)の合計は100重量部である。〕となる比率で
    用いて得られる重量平均分子量5000〜20万の共重
    合体(A)又は該共重合体(A)を中和して得られる共
    重合体(B)を用いたことを特徴とする水系顔料イン
    ク。 【化1】
  2. 【請求項2】 インクジェット記録用インクである、請
    求項1記載の水系顔料インク。
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