JPH10445A - 廃棄物処理剤および処理方法 - Google Patents

廃棄物処理剤および処理方法

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JPH10445A
JPH10445A JP8156469A JP15646996A JPH10445A JP H10445 A JPH10445 A JP H10445A JP 8156469 A JP8156469 A JP 8156469A JP 15646996 A JP15646996 A JP 15646996A JP H10445 A JPH10445 A JP H10445A
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waste
silicate
agent
treatment
water
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JP8156469A
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Hidetoshi Kuromatsu
秀寿 黒松
Toru Yoshida
融 吉田
Takashi Funahashi
孝 舟橋
Masakazu Kamikita
正和 上北
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pbなどの重金属を含有する廃棄物からの重
金属の溶出を抑制する処理剤および処理方法を提供す
る。 【解決手段】 可溶性珪酸塩と、該珪酸塩のゲル化剤と
なる、酸、炭酸水素塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、エ
ステル、アルデヒド等、および水とからなり、ゾル状あ
るいは水分散状の処理剤を、水とともにPbなどの重金
属を含有する廃棄物を収容した水槽に添加することから
なる廃棄物の処理方法であり、廃棄物中の重金属の溶出
を抑制するのに有効で、特に、廃棄物焼却主灰および/
またはばいじん中のPbの安定化に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Pb、Cd、Cr
6+、As、Hg、Cu、Znなどの重金属を含有する廃
棄物からの前記重金属の溶出を抑制する処理剤および処
理方法に関するものであり、特に、鉛(Pb)の溶出を
抑制することが困難な廃棄物焼却主灰やばいじん(飛
灰)を安定化処理するのに有効な処理剤および処理方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、重金属などの有害物質を含有する
廃棄物の処分には、運搬中の飛散を防止するため加湿処
理が行われたり、固化成型を主たる目的としてセメント
処理が行われてきた。しかしながら、これらの方法は、
廃棄物からの重金属の溶出を抑制するといった観点から
は、問題が多く、その取扱に充分注意を払わなければ、
重金属が溶出し、二次公害が発生する恐れがある。
【0003】例えば、都市ごみの焼却施設は、代表的に
は、焼却炉、排ガスの冷却を目的とした熱交換機や水噴
霧装置、塩化水素ガスなどの酸性ガスの中和を目的とし
た消石灰吹き込み装置(排ガス誘導管内への吹き込
み)、および集塵機などから構成されており、更に硫黄
酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ダイオキシ
ンなどの有害成分除去装置・機器が付加されていること
もある。このような焼却施設における廃棄物の焼却時に
発生するばいじんには、粉塵、消石灰と塩化水素ガスな
どの酸性ガスとの反応生成物、消石灰の未反応分、およ
びPbなどの重金属類などが含有されている。このばい
じんは、重金属が溶出しないように中間処理を行った
後、最終処分地に埋め立てられる。上記した廃棄物処理
に関するPbなどの重金属溶出の問題は、このような都
市ごみ等の廃棄物の焼却時に発生する排ガスから集塵機
で捕捉されるばいじんにおいて特に顕著である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来では、
Pbなどの重金属を含有する廃棄物からの重金属の溶出
を確実に抑制することは困難であり、廃棄物中の重金属
などが確実に封入され、陸上埋立処分時においても再溶
出しないように処理可能な処理剤や処理方法が望まれて
いた。本発明は、このような廃棄物処理の現状に鑑み、
廃棄物、特に都市ごみ焼却時に発生する、ごみのもえが
らである主灰や、焼却時の排ガスから捕集されるばいじ
ん中の種々の重金属を確実に安定化し、その溶出を抑制
することが可能な廃棄物処理剤および処理方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな廃棄物処理の現状に鑑み鋭意検討した結果、この目
的を達成しうる新たな処理剤および処理方法を得るに至
った。即ち、本発明は、可溶性珪酸塩、該珪酸塩のゲル
化剤、および水からなり、その形態がゾル状あるいは水
分散状である廃棄物処理剤を内容とする。また、本発明
の廃棄物処理方法は、水とともにPbなどの重金属を含
有する廃棄物を収容した水槽に、前記処理剤を添加する
ことを内容とするものである。
【0006】このような本発明の廃棄物処理剤および処
理方法は、都市ごみ焼却施設などで発生するごみのもえ
がらからなる主灰や、排ガスから電気集塵機やバグフィ
ルターで捕捉されるばいじんに含有されるPbなどの重
金属の溶出の抑制に高い性能を示す。
【0007】本発明の処理剤における可溶性珪酸塩の作
用について説明する。この作用については、充分解明さ
れていないが、以下のように推定しうる。即ち、 (1)処理剤中の可溶性珪酸塩が、廃棄物から溶出す
る、または、廃棄物中に存在するPbなどの重金属イオ
ンと反応し、不溶性の重金属珪酸塩を生成する。 (2)可溶性珪酸塩が、廃棄物から溶出する、または、
廃棄物中に存在する多価金属イオン(排ガス中の塩化水
素ガスなどの酸性ガスを中和する目的で吹き込まれる消
石灰に由来するCaなど)と反応し、その反応物中に重
金属を包含するか、あるいは、その表面に重金属を吸着
する。 以上の(1)、(2)の作用により、重金属を安定化す
ると考えられる。しかしながら、前記(1)の作用にお
いては、珪酸塩の重金属に対する選択性が充分高いとは
いえず、この作用のみでPbの埋立基準値である0.3
mg/L以下を達成することが困難な場合がある。ま
た、前記(2)の作用においては、珪酸塩と廃棄物から
の多価金属イオンとの反応物の性状が、それらの量的関
係に強く依存するにもかかわらず、経時的に性状が変化
する廃棄物焼却主灰やばいじんなどの廃棄物中の多価金
属イオンと珪酸塩の量的関係を最適値近傍に制御するの
は甚だ困難なことである。
【0008】このように、処理剤として珪酸塩を単独で
使用したのでは、常に所望の性能を発現して廃棄物中の
重金属を安定化するのが困難な場合もある。そこで、本
発明の処理剤には、このような珪酸塩単独使用時の欠点
を補う目的で、あらかじめ珪酸塩のゲル化剤が添加され
ている。このゲル化剤の作用については、次のように推
定しうる。つまり、珪酸塩と、廃棄物からの多価金属イ
オンとの反応物(ゲル化物)は、処理剤として添加され
る珪酸塩と廃棄物からの多価金属イオンとの量的関係に
より著しく異なる形態を示すことが明らかとなってい
る。即ち、珪酸塩に対して、多価金属イオンの量が過剰
に存在すると、重金属の包含や吸着の能力が乏しい反応
物を生成する傾向がある。また、そのときの反応物の形
態は流動性を示さない完全なゲル化物や固体である場合
が多い。一方、珪酸塩に対して多価金属イオンの量が少
ないと、その反応物は水中に浮遊しやすく、廃棄物と充
分接触しにくくなり、所望の性能を示さない傾向にあ
る。また、そのときの反応物の形態は、均一な液状のも
のである場合が多い。
【0009】これに対し、本発明では、可溶性珪酸塩
と、該珪酸塩のゲル化剤とで処理剤を調製することによ
り、処理剤中にあらかじめ好ましい形態の反応物を存在
させ、これを廃棄物に作用させることが可能となる。こ
のときの処理剤の形態は、ゾル状あるいは固体(ゲル)
が水に分散した水分散状となることが好ましい。上記処
理剤が完全なゲルや固体となった場合には、処理剤の運
搬、供給、その他のハンドリング性が著しく低下する。
また、既に述へたように、性能面でも好ましくないこと
が多い。一方、このときの処理剤が均一な液体、あるい
は、非常に希薄なゾル状物である場合には、添加したゲ
ル化剤が珪酸塩に対して充分に作用しているとはいえ
ず、好ましくない。これらに対し、前記のように処理剤
がゾル状あるいは固体(ゲル)が水に分散した水分散状
である場合には、処理剤が水中に浮遊することなく、珪
酸塩とゲル化剤との反応物は沈降し、廃棄物と良好に接
触することが可能であり、好ましい。また、このような
状態において、重金属の包含や吸着能にも優れる。
【0010】なお、本発明の処理剤中の珪酸塩による重
金属の安定化性能は、前述したように、廃棄物に由来す
る多価金属イオンの量に依存するため、廃棄物に由来す
る多価金属イオンの量をより少ない方へ適宜調節するた
めに、炭酸塩やリン酸塩など、多価金属イオンと反応し
て不溶性または難溶性の塩を生成する化合物をあらかじ
め処理剤に配合しておくことも好ましい。
【0011】次に、本発明の処理剤における水の作用に
ついて説明する。本発明の処理剤の性能および形態は、
珪酸塩とゲル化剤の量的関係とともに、処理剤中のそれ
らの濃度にも強く依存することが明らかとなっている。
従って、より好ましい処理剤を調製するために、必要に
応じて水を添加し、珪酸塩およびゲル化剤の濃度を調節
することが好ましい。更に、処理剤のハンドリング性、
特に、流動性を維持する目的で水を添加することも好ま
しい。なお、処理剤の調製後、余分な水分が生じた場合
には、処理剤の単位重量当たりの性能を向上させるとい
った観点から、余分な水分は分離除去するのがよい。
【0012】従来、廃棄物から溶出する重金属を安定化
する技術としては、リン酸塩やカルバミン酸系のキレー
ト剤を添加する方法があったが、このような方法では廃
棄物から溶出した重金属のみしか安定化することができ
ず、また、廃棄物中の重金属は水槽内で水と接触しても
短時間では溶出せず、廃棄物中に残存している重金属
が、処理後、処分地で新たに溶出する危険性が伴う。こ
れに対して、本発明の処理剤および処理方法は、前述し
たように廃棄物から溶出した重金属のみならず、溶出し
ていない廃棄物中の重金属についても、珪酸塩とゲル化
剤との反応物、または珪酸塩と廃棄物に由来する多価金
属イオンとの反応物の内部、あるいは、それらの表面に
安定化することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で使用される珪酸塩につい
て詳細に説明する。本発明に使用される珪酸塩は可溶性
である。ここで、可溶性とは、珪酸塩がある程度の濃度
(10重量%以上)で水に溶解する性状を示すことを意
味する。既に述べたように、本発明の処理剤の性能は、
珪酸塩とそのゲル化剤とを反応させ、ゾル状あるいは固
体(ゲル)が水に分散した液状となるように調製するこ
とによって発現する。つまり、珪酸塩とそのゲル化剤を
あらかじめ反応せしめることが必須条件となる。従っ
て、珪酸塩は可溶性のものを使用する必要があり、水溶
液のものがより好ましい。この珪酸塩は汎用のものでよ
く、珪酸リチウム、珪酸ソーダ(珪酸ナトリウム)、珪
酸カリウム、珪酸アンモニウムなどが例示できる。中で
も、重金属の安定化性能、工業的入手の容易さ、価格の
点から珪酸ソーダが好ましく、水溶液状であるJIS規
格品の珪酸ソーダ3号などが好適なものとして例示でき
る。
【0014】次に、珪酸塩のゲル化剤について説明す
る。珪酸塩のゲル化剤としては、酸、炭酸水素塩、硫酸
水素塩、リン酸水素塩、エステル、およびアルデヒドな
どが例示できる。これらは、固体でも液体でも構わない
が、前述した珪酸塩と同様の理由から、水溶液である方
が好ましい。また、固体の場合は、可溶性珪酸塩の水溶
液や必要に応じて添加した水に速やかに溶解しなければ
ならない。これらのゲル化剤は、重金属の安定化性能、
工業的入手の容易さ、価格などを考慮して選択すること
になる。
【0015】本発明において、処理剤を調製する際、珪
酸塩とゲル化剤、更に必要に応じて水を添加した後、混
合・攪拌することは好ましい。上記操作によって、より
均一で、形態および性能にばらつきが少ない処理剤を得
ることが可能となる。一方、攪拌を行わない場合、珪酸
塩とゲル化剤の接触近傍とその他の部分で異なる形態の
反応物が生成する恐れがあり、好ましくない。また、処
理剤を運搬・保管する際に、固形物の沈降を防止するた
めにも、処理剤を攪拌することは好ましい。
【0016】本発明の廃棄物の処理方法の好適な実施形
態について説明する。本発明の廃棄物処理方法は、水と
ともにPbなどの重金属を含有する廃棄物を収容した水
槽に、前記のような処理剤を添加することからなるが、
ここでの水槽とは、廃棄物とともに、その数10倍の水
を収容しうるものであればよく、例えば、主灰やばいじ
ん等の乾物の廃棄物を加湿・冷却するために使用される
水槽であり、その構造については特に限定はない。
【0017】本発明において、廃棄物と処理剤が均一に
反応する、あるいは、廃棄物と処理剤の混合物(処理
物)が均一なものであることは、処理剤の性能を充分発
現せしめるために重要である。従って、水槽内を攪拌
し、廃棄物と処理剤を混合するのは好ましい。
【0018】本発明の廃棄物処理方法は、バッチ式、あ
るいは、連続式で実施される。バッチ式とは、水槽内に
廃棄物と処理剤をある一定量供給し、所定の時間が経過
した後、廃棄物と処理剤の混合物(処理物)を完全に排
出してから、次の処理を行うものである。この方式は、
比較的規模が小く、簡便な設備で済む利点がある。特
に、郊外にある比較的小規模の都市ごみ焼却施設や産業
廃棄物処理施設などには適しており、好ましい。この処
理方式において、処理物を回収した後、水槽内の残液を
再び利用して、次の処理を実施することもできる。
【0019】また、連続式とは、水槽内に廃棄物と処理
剤が連続して供給され、その混合物(処理物)が連続し
て排出される方式である。この方式は、都市ごみ焼却施
設に併設される湿式灰冷却装置(クリンカチャンネル、
灰出しフライトコンベア、灰出し装置)などがこれに該
当するが、本発明はこれに限定されるものではない。特
に、大都市近郊の都市ごみ焼却施設は、昼夜を問わずご
みの焼却が行われており、主灰およびばいじんが連続的
に排出される。このように定常的に廃棄物が排出される
場合には、連続的に処理を実施する方が好ましく、作業
効率に優れる。
【0020】図1に前記湿式灰冷却装置を用いて本発明
の廃棄物処理方法を連続式で実施する際のフロート図を
示す。この湿式灰冷却装置は、都市ごみ焼却施設に併設
される装置の一例であるが、この装置内に供給された廃
棄物は、処理物払い出しコンベアにて水槽から処理物と
して排出されるのである。
【0021】本発明における処理剤の添加量は、可溶性
珪酸塩およびゲル化剤の種類や両者の配合比、さらには
必要に応じて添加する水の量、すなわち珪酸塩やゲル化
剤の濃度などによって処理剤単位重量当たりの重金属安
定化性能が異なるため、一概にいえないが、廃棄物中の
重金属含有量、無処理の場合の廃棄物からの重金属の溶
出量、更には目標とする重金属の溶出許容量などを考慮
し、実用的にはコスト的な面から最も少ない処理剤の添
加で目標溶出量以下にすることが、処理剤の添加量を決
定する要因となる。そして、実際には、処理剤の添加量
が、廃棄物の乾燥重量100重量部に対し、処理剤中の
珪酸塩の固形分が0.1〜5重量部となる量の添加で重
金属の溶出量を法規制値以下に抑制することが可能であ
る。処理剤がこの範囲を超えて添加された場合、廃棄す
る処理物の体積(重量)が増大し、固化物の埋立地が確
保できない、運送コストがアップするなどの問題が生じ
る。また、珪酸塩が0.1重量部未満となる量では、ほ
とんど重金属の溶出がないような廃棄物を除いては、そ
の効果を示すには不充分な量である。前記理由から、本
発明の処理剤の添加量は、廃棄物の乾燥重量100重量
部に対し、処理剤中の珪酸塩の固形分が0.1〜5重量
部となる量が好ましい範囲であり、特に溶出抑制が困難
なPbに対しても法規制値である0.3mg/L以下に
抑制することが可能である。
【0022】
【作用】本発明の廃棄物の処理剤および処理方法がPb
などの重金属の溶出を抑制する機構は必ずしも明らでは
ないが、以下のように推定しうる。 (1)処理剤中の珪酸塩が、Pbなどの重金属イオンと
反応し、不溶性の重金属珪酸塩を生成し、重金属の溶出
を抑制する。 (2)処理剤中の珪酸塩とそのゲル化剤との反応物、お
よび処理剤中の珪酸塩と廃棄物に由来する多価金属イオ
ンとの反応物の内部に重金属が包含され、溶出が抑制さ
れる。 (3)上記反応物表面に重金属が吸着され、溶出が抑制
される。従って、本発明の廃棄物の処理剤および処理方
法を用いることにより、廃棄物中の重金属、特に廃棄物
焼却主灰やばいじん中のPbを安定化し、その溶出を抑
制することが可能となる。
【0023】
【発明の効果】本発明の廃棄物処理剤および処理方法を
用いて、重金属を含有する廃棄物を処理することによ
り、特に廃棄物焼却主灰やばいじん中のPbが安定化さ
れ、溶出量が減少する。また、本発明により処理した結
果得られる廃棄物と処理剤との配合物は重金属の溶出量
が極めて少ない材料として、路盤材、セメントの骨材な
どに再利用することができ貴重な資源となり得る。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】(比較例1)都市ごみ焼却施設より排出さ
れた廃棄物A(主灰とばいじんの混合物)乾燥重量10
0gを1000gの水が入った水槽に添加し、30分水
槽内を攪拌した。30分静置後、沈降した廃棄物を回収
し(図2(a)参照。)、環境庁告示13号法(日本)
に従って、溶出試験を行い、Pb溶出量を測定した。
【0026】(比較例2)30分水槽内を攪拌した後、
珪酸ソーダ3号(日本化学工業株式会社製:J珪酸ソー
ダ3号,固形分濃度38.5%)を3.0g(廃棄物乾
燥重量100重量部に対し、珪酸塩の固形分が1.2重
量部)添加し、更に10分攪拌した(図2(b)参
照。)以外は、比較例1と同様にした。
【0027】(比較例3)珪酸ソーダ3号を5.0g
(廃棄物乾燥重量100重量部に対し、珪酸塩の固形分
が1.9重量部)添加した以外は、比較例2と同様にし
た。
【0028】以上の比較例1〜3の溶出試験結果を下記
表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】(処理剤の調製)下記表2に示す配合に従
って調製したものを処理剤とした。
【0031】
【表2】
【0032】(実施例1)珪酸ソーダ3号を3.0g添
加した代わりに、処理剤Iを3.0g(廃棄物乾燥重量
100重量部に対し、珪酸塩の固形分が0.58重量
部)添加した以外は、比較例2と同様にした。
【0033】(実施例2)処理剤Iの添加量を6.0g
(廃棄物乾燥重量100重量部に対し、珪酸塩の固形分
が1.2重量部)にした以外は、実施例1と同様にし
た。
【0034】(実施例3)処理剤Iの代わりに、処理剤
IIを3.0g(廃棄物乾燥重量100重量部に対し、珪
酸塩の固形分が0.58重量部)添加した以外は、実施
例1と同様にした。
【0035】(実施例4)処理剤Iの代わりに、処理剤
III を3.0g(廃棄物乾燥重量100重量部に対し、
珪酸塩の固形分が0.58重量部)添加した以外は、実
施例1と同様にした。
【0036】以上の実施例1〜4の溶出試験結果を下記
表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】(実施例5)実施例1と同様の実験を行
い、任意に2点サンプリングし、Pb溶出量を測定し
た。
【0039】(実施例6)処理剤添加後の攪拌を行わな
かった以外は、実施例5と同様にした。
【0040】以上の実施例5、6の溶出試験結果を下記
表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】比較例1〜3と実施例1〜4の比較から、
珪酸ソーダ3号を処理剤として添加することによって、
無処理のものと比較してPb溶出量は低下したが充分な
ものではなかった。一方、本発明に従って調製した処理
剤I〜III を処理剤とした場合には、珪酸ソーダ3号を
単独で処理剤とする場合と比較してPb溶出量が顕著に
低下した。特に、比較例2と実施例2の比較から、単位
珪酸塩固形分当たりの性能が、顕著に向上していること
が明らかとなった。更に、処理物、および処理物を回収
した後の溶液を観察したところ、比較例2および3で
は、溶液中に存在する浮遊ゲルが多量に観察され、処理
物中には僅かにゲルが存在するのみであった。一方、実
施例1〜4の場合、溶液中に浮遊するゲルはほとんど観
察されず、処理物中には白色のゲルが混在しているのが
観察された。これらから、あらかじめ珪酸塩とゲル化剤
を反応せしめ、処理剤とすることによって、廃棄物と混
合されやすく、性能が発現しやすいことが明らかとな
り、本発明の処理剤および処理方法が有効であることが
示された。さらに、実施例5と6の比較から、処理時の
水槽内を攪拌することによって、処理物が均一となり、
処理剤の性能がより発現されやすくなることが明らかで
あり、本発明の処理方法が有効であることが示された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の処理方法を連続式で実施する場合の
1例を示すフロート図である。
【図2】 (a)、(b)は、いずれも実施例における
廃棄物処理方法を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上北 正和 大阪府摂津市鳥飼西5丁目1番1号 鐘淵 化学工業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pbなどの重金属を含有する廃棄物を処
    理するための処理剤であって、可溶性珪酸塩と、該珪酸
    塩のゲル化剤、および水とからなり、ゾル状あるいは水
    分散状であることを特徴とする廃棄物処理剤。
  2. 【請求項2】 前記珪酸塩が水溶液である請求項1記載
    の処理剤。
  3. 【請求項3】 前記珪酸塩が珪酸ソーダである請求項1
    または請求項2記載の処理剤。
  4. 【請求項4】 前記珪酸ソーダがJIS規格品の珪酸ソ
    ーダ3号である請求項3記載の処理剤。
  5. 【請求項5】 前記ゲル化剤が、酸、炭酸水素塩、硫酸
    水素塩、リン酸水素塩、エステル、およびアルデヒドか
    らなる群から選択される少なくとも1種である請求項1
    記載の処理剤。
  6. 【請求項6】 前記ゲル化剤が水溶液である請求項1ま
    たは請求項5記載の処理剤。
  7. 【請求項7】 前記処理剤を調製するにあたり、可溶性
    珪酸塩の水溶液、および、該珪酸塩のゲル化剤、更に必
    要に応じて水を添加した後、混合、攪拌することを特徴
    とする請求項1に記載された処理剤を調製する方法。
  8. 【請求項8】 水とともにPbなどの重金属を含有する
    廃棄物を収容した水槽に、前記請求項1〜6のいずれか
    に記載の処理剤を添加することを特徴とする廃棄物処理
    方法。
  9. 【請求項9】 前記処理方法において、水槽内を攪拌す
    ることを特徴とする請求項8記載の処理方法。
  10. 【請求項10】 前記廃棄物が、都市ごみ焼却施設から
    排出される主灰、ばいじん、またはそれらの混合物であ
    る請求項8または請求項9記載の処理方法。
  11. 【請求項11】 前記処理方法が、バッチ式で行われる
    請求項8または請求項9記載の処理方法。
  12. 【請求項12】 前記処理方法が、廃棄物と処理剤が連
    続して水槽内に供給され、廃棄物と処理剤の混合物が連
    続して水槽内から排出されて連続式で行われる請求項8
    または請求項9記載の処理方法。
  13. 【請求項13】 前記水槽が、廃棄物処理施設に併設さ
    れる湿式灰冷却装置である請求項10記載の処理方法。
  14. 【請求項14】 前記処理剤の添加量が、廃棄物乾燥重
    量100重量部に対して、処理剤中の珪酸塩の固形分が
    0.1〜5重量部となる量である請求項8記載の処理方
    法。
JP8156469A 1996-06-18 1996-06-18 廃棄物処理剤および処理方法 Pending JPH10445A (ja)

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JP8156469A Pending JPH10445A (ja) 1996-06-18 1996-06-18 廃棄物処理剤および処理方法

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JP (1) JPH10445A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111365963A (zh) * 2020-03-26 2020-07-03 广东睿泽环境科技有限公司 胶状废弃物蒸发干燥控制工艺
CN111392905A (zh) * 2020-03-26 2020-07-10 广东睿泽环境科技有限公司 废弃物成胶处理方法

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