JPH09187750A - 廃棄物処理剤および廃棄物処理方法 - Google Patents

廃棄物処理剤および廃棄物処理方法

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JPH09187750A
JPH09187750A JP8002727A JP272796A JPH09187750A JP H09187750 A JPH09187750 A JP H09187750A JP 8002727 A JP8002727 A JP 8002727A JP 272796 A JP272796 A JP 272796A JP H09187750 A JPH09187750 A JP H09187750A
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JP
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waste
waste treatment
carbonate
weight
treatment agent
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JP8002727A
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Hidetoshi Kuromatsu
秀寿 黒松
Toru Yoshida
融 吉田
Takashi Funahashi
孝 舟橋
Masakazu Kamikita
正和 上北
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pbなどの重金属を含有する廃棄物中の重金属
の溶出を防止する、廃棄物処理剤および処理方法を提供
する。 【解決手段】 可溶性珪酸塩の水溶液と多価金属塩を含
まない可溶性の炭酸塩を主たる構成成分としてなる廃棄
物処理剤を、Pbなどの重金属を含有する廃棄物と、更に
必要に応じて水を添加し、混練することからなる廃棄物
処理方法であり、廃棄物中の重金属を安定化し、溶出を
防止することに有効である。特に、廃棄物焼却飛灰中の
Pbの安定化に有効である。また、処理剤のハンドリング
性も良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物中の重金属
などを安定化するのに有効な廃棄物処理剤および廃棄物
処理方法に関するものであり、特に、鉛(Pb)の溶出
を防止することが困難な廃棄物焼却飛灰を安定化処理す
るのに有効な廃棄物処理剤および廃棄物処理方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、重金属などを含む廃棄物を処分す
る際には、運搬中の飛散を防止する目的で、加湿処理が
行われてきた。しかしながら、このような方法は、重金
属の安定化処理をなんら行っていないため、その取扱に
充分注意が払わなければ、廃棄物から重金属が溶出し、
二次公害が発生する恐れがある。特に、都市ごみ焼却施
設において、電気集塵器やバグフィルターで捕捉される
飛灰は、Pbなどの低融点の重金属が高濃度に含まれて
いるにもかかわらず、加湿処理のみで埋立処分されてき
た。しかし、この廃棄物焼却飛灰に多く含まれているP
bは両性金属であるため、アルカリ雰囲気下で溶出しや
すいことが一般的に知られており、なんら安定化処理を
行っていない廃棄物焼却飛灰からは多くのPbが溶出す
る。今日、埋立処分地が不足する中、処分地自らが自主
的に廃棄物の受入基準を設けるなどの処置がとられてお
り、前記の廃棄物焼却飛灰のように重金属が溶出する恐
れがある廃棄物は、そのまま処分地に投棄できず問題と
なっている。そこで、Pbなどの重金属を含有する廃棄
物に対して、重金属の溶出を防止し、安定化する処理技
術が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
廃棄物処理の現状を鑑み、廃棄物中の種々の重金属を確
実に安定化し、その溶出を防止することが可能な廃棄物
処理方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来技術における問題点を解決する目的で鋭意検討した結
果、この目的を達成しうる新たな廃棄物処理剤および廃
棄物処理方法を得るに至った。即ち、本発明は、可溶性
珪酸塩の水溶液と、多価金属を含まない可溶性の炭酸塩
を主たる構成成分としてなる廃棄物処理剤、および、前
記処理剤と、Pbなどの重金属を含有する廃棄物、更に
必要に応じて水を添加し、混練する廃棄物処理方法を内
容とするものである。
【0005】上記のような本発明の廃棄物処理剤および
処理方法は、Pbなどの重金属に対して高い安定化性能
を示す。そこで、まず、本処理剤における可溶性珪酸塩
の水溶液の作用について説明する。本発明の廃棄物処理
剤と、Pbなどの重金属を含有する廃棄物とを、必要に
応じて水を添加し、混練すると、処理剤中の可溶性珪酸
塩と廃棄物から溶出したPbなどの重金属イオンが反応
して不溶化物を生成し、重金属を安定化することができ
る。また、珪酸塩と、廃棄物から溶出したCaなどの多
価金属イオンが反応し、その反応生成物(ゲル化物)中
に重金属が包含されるか、反応生成物表面に吸着され、
重金属が安定化される。
【0006】次に、処理剤中の炭酸塩の作用について説
明する。上記のような可溶性珪酸塩と廃棄物との反応生
成物(ゲル化物)の重金属吸着能力は、珪酸塩量に対す
る廃棄物から溶出するCaなどの多価金属イオン量に依
存することがわかっている。珪酸塩量に対して多価金属
イオンが多すぎると、重金属吸着能力が低い形態のゲル
化物を生成する傾向にある。確かな数値は不明である
が、珪酸塩と多価金属イオンの量的関係において、その
最適な値が存在すると考えられる。そこで、炭酸塩を処
理剤中に配合することによって、多価金属イオン量を減
らす方向へ、適宜調節することが可能となり、多価金属
イオンが過剰に溶出する廃棄物に対して、珪酸塩の重金
属安定化性能を飛躍的に向上させることが可能となる。
なお、珪酸塩が最適なゲル化物を生成するのに満たない
量の多価金属イオンしか溶出しない廃棄物に対しても、
多価金属塩をあらかじめ廃棄物に配合させるか、あるい
は、処理剤と同時に、廃棄物に多価金属塩を添加するこ
とで、上述したことと同様の作用が期待でき、処理剤の
安定化性能を発現せしめることが可能である。また、こ
のような廃棄物処理方法も本発明の範疇である。
【0007】また、本発明において炭酸塩は、上記のよ
うな重金属安定化の性能面のみならず、処理剤のハンド
リング性を向上させるのに非常に重要な役割を果たす。
可溶性珪酸塩の水溶液は、珪酸塩濃度が濃い場合、非常
に高い粘度を示す。例えば、珪酸塩濃度が約54.5%
であるJIS規格品の珪酸ソーダ1号の場合、20℃に
おける粘度は、1000ポイズを超えるため、加温する
などの措置をとらなければ、そのハンドリング性は非常
に悪い。ところが、処理剤中の固形分濃度(可溶性珪酸
塩と炭酸塩の重量和)を一定にした状態で、炭酸塩の配
合量を増やしていくことによって、処理剤の粘度は著し
く低下し、それに伴ってハンドリング性も向上する。ま
た、前述したように、処理剤の重金属安定化性能の向上
も期待できる。よって、本発明において処理剤中に炭酸
塩を配合することは、可溶性珪酸塩の水溶液の性能を向
上させるだけでなく、処理剤のハンドリング性も著しく
向上させる。
【0008】
【発明の実施の形態】可溶性珪酸塩の水溶液について更
に詳しく説明する。本発明で使用する可溶性珪酸塩の水
溶液は、汎用のものでよく、珪酸リチウム、珪酸ソーダ
(珪酸ナトリウム)、珪酸カリウム、珪酸アンモニウム
などが例示できる。これら珪酸塩の固形分はM2 O・n
SiO2 (ただし、Mは珪酸塩のカチオン)で表され、
n(SiO2 /M2 O組成比)はその珪酸塩のモル比を
表す。本発明において、可溶性珪酸塩の水溶液の重金属
安定化性能は、その固形分量に依存する。そのため、珪
酸塩の濃度が高いものほど、可溶性珪酸塩の水溶液とし
ての添加量は少なくても、充分な性能を発現することが
可能である。その濃度は、可溶性珪酸塩の種類、モル
比、溶液の温度などによって、調製可能な濃度が異なる
ため、一概にはいえないが、おおよそ50重量%以上が
好ましい。また、ハンドリング性などの制限を受けない
場合は、その上限値は、調製可能な極限値と一致する。
【0009】可溶性珪酸塩の種類としては、上に例示し
たように多種のものが工業的に生産されているが、重金
属の安定化性能、工業的入手の容易さ、価格の点から珪
酸ソーダであることが好ましい。また、可溶性珪酸塩
は、一般的にモル比が高いほど、重金属や多価金属との
ゲル化反応が速い。珪酸ソーダの場合、市販品におい
て、そのモル比はおおよそ0.5〜4.2の範囲である
が、その重金属安定化性能はモル比が高いほど優れるこ
とから、モル比は、おおよそ2.0以上であることが好
ましい。
【0010】可溶性珪酸塩の調製可能な濃度、重金属に
対する安定化性能、工業的入手の容易さ、価格などを考
慮すると、可溶性珪酸塩の水溶液として、JIS規格品
の珪酸ソーダ1号を選択することが、より好ましい。
【0011】次に、炭酸塩について説明する。本発明に
使用される炭酸塩は、可溶性であり、珪酸塩とゲル化反
応を行うような多価金属イオンを放出しないものであれ
ば良い。工業的入手の容易さ、価格の点を考慮すると、
炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムのうちから選択する
のが好ましい。炭酸ナトリウムはソーダ灰とも呼ばれ、
非常に安価であるが、水に対する溶解度があまり高くな
い。即ち、可溶性珪酸塩の水溶液中に配合する場合、水
で充分希釈を行わなければ、溶解しきれなかった炭酸ナ
トリウムが沈降する。また、処理剤の単位溶液当たりの
珪酸塩および炭酸イオンの濃度が低くなり、それに伴っ
て重金属に対する安定化性能も低下する。一方、炭酸カ
リウムは炭酸ナトリウムと比較して水に対する溶解度が
高く、炭酸ナトリウムほど低濃度に希釈する必要はな
い。そのため、処理剤の単位溶液当たりの珪酸塩および
炭酸イオンの濃度を高くすることが可能となり、重金属
に対する安定化性能も優れる。なお、これらの炭酸塩の
選択に関しては、実使用の条件に応じて適宜設定するこ
とが望ましい。また、必要に応じて炭酸カリウムと炭酸
ナトリウムを併用してもよい。さらに、炭酸塩を水溶液
として用いることは、処理剤の調製を容易にし、かつ、
処理剤調製後の、炭酸塩の沈降(析出)を防止する観点
から、好ましい。
【0012】また、本発明の処理剤における固形分濃度
(可溶性珪酸塩と炭酸塩の重量和)は、50重量%以上
であることが好ましい。処理剤の重金属安定化性能は、
可溶性珪酸塩と炭酸塩の量に依存し、濃度が低い場合に
は、単位溶液当たりの性能が低下し、好ましくない。
【0013】可溶性珪酸塩と炭酸塩の配合比について説
明する。珪酸塩と炭酸塩の配合比は、任意に選択するこ
とができる。本発明では、廃棄物の性状に応じて、珪酸
塩(可溶性珪酸塩の水溶液の固形分)と炭酸塩の重量比
が、99:1〜30:70の間で選択するのが好まし
い。炭酸塩の配合量は、廃棄物の性状、特に、Caをは
じめとする多価金属イオンの溶出量によって決定される
ものであり、炭酸塩の量が少ない場合には、多価金属イ
オンの不溶化量あるいは封鎖量が少ないため、炭酸塩を
配合した効果が殆ど発現されない。しかしながら、廃棄
物によっては、多価金属イオンの溶出量が非常に少ない
場合があり、そのようなものに対しては、炭酸塩の量は
非常に少量で充分である。また、炭酸塩の量が多い場合
には、実質的に処理剤中の珪酸塩の量が少なくなり、重
金属安定化性能が不充分となる。これらのことから、実
際は廃棄物の性状に応じて、適宜最適な配合量が異な
る。
【0014】先に述べたように、処理剤の粘度が高いと
いうことは、そのハンドリング性が悪く、はなはだ取扱
いが面倒である。この点を考慮すると、処理剤の25℃
における粘度が、100ポイズ以下であることが好まし
い。処理剤の粘度がこれ以上高くなると、多くの廃棄物
処理施設で、大がかりな設備の改良を要することが想定
され、その設備償却費などが廃棄物処理のランニングコ
ストに上乗せされるため、好ましくない。
【0015】本発明方法における廃棄物に対する処理剤
の添加量は、処理剤中の珪酸塩と炭酸塩の配合比、処理
剤の濃度によって性能が異なるため、一概には言えない
が、廃棄物中の重金属および多価金属塩含有量、無処理
の場合の廃棄物からの重金属の溶出量、更には目標とす
る重金属の溶出許容量などを考慮し、実用的にはコスト
的な面から最も少ない処理剤の添加で目標溶出量以下に
することが、添加量を決定する要因となる。そして、実
際には、処理剤中の固形分(珪酸塩と炭酸塩の重量和)
添加量が、廃棄物100重量部に対し、3〜30重量部
程度の添加で、重金属の溶出量を法規制値以下に抑制す
ることが可能である。処理剤がこの範囲を超えて添加さ
れた場合、廃棄する処理物の体積(重量)が増大し、固
化物の埋立地が確保できない、運送コストがアップする
などの問題が生じる。また、3重量部未満となる量で
は、ほとんど重金属の溶出がないような廃棄物を除いて
は、その効果を示すには不充分な量である。前記理由か
ら、本発明の処理剤の添加量は、廃棄物の乾燥重量10
0重量部に対し、3〜30重量部が好ましい範囲であ
り、特に溶出抑制が困難なPbに対しても法規制値であ
る0.3mg/L以下に抑制することが可能である。
【0016】本発明の廃棄物処理方法において、処理剤
の単位重量あたりの性能を考慮した場合、珪酸塩や炭酸
塩の濃度は高いほど好ましいことは既に述べた。しかし
ながら、濃度が高くなった場合には、珪酸塩や炭酸塩の
析出が生じる。また、珪酸塩の濃度が高くなった場合に
は、処理剤の粘度が高くなり、液体としての流動性が著
しく低下し、取扱いが困難になる。これらの問題を回避
するため、処理剤を保存する貯蔵タンクを保温して使用
するのが好ましい。貯蔵タンクを保温することにより、
珪酸塩および炭酸塩の溶解度が増し、析出が防止でき
る。しかも、処理剤の粘度が著しく低下し、その取扱い
が容易になる。この場合の処理剤の保温温度は、高いほ
ど珪酸塩および炭酸塩の濃度を高くすることができ、粘
度も低下する。しかし、取り扱う上での安全性や作業環
境を考慮すると、実用的には20〜40℃程度に保温す
ることでその目的を達することができ、好ましい。ま
た、これら処理剤が使用される廃棄物焼却施設の焼却時
に生じる余熱を貯蔵タンクの保温に有効に利用すること
も本発明の範疇であり、好ましい。また、必要に応じ
て、保温タンクのみならず、配管など、その他の設備を
保温することも本発明の範疇である。
【0017】本発明の廃棄物処理方法は、処理剤と廃棄
物、更に、処理剤に含まれる水分のみでは、充分な混練
がなされない場合には、必要に応じて水を添加し、混練
することで充分な効果を示す。それに加え、処理物をあ
る一定時間、ある一定温度以上で養生することは、処理
剤の効果をさらに発現せしめるために有効な手段であ
り、本発明の範疇である。これは、本発明の処理剤と廃
棄物成分とが接触することによって瞬時に反応が開始さ
れ、効果が発現するものの、その後にも徐々に反応が進
行することを示唆している。一般的には養生時間は長け
れば長い程好ましい。また、養生中に処理物を加温する
ことで、さらに効果を発現せしめることも可能であり、
廃棄物と処理剤を混練した配合物を所定の温度で養生す
ることで養生時間を短縮でき、処理物を速やかに廃棄す
ることが可能となる。
【0018】
【作用】本発明の廃棄物処理方法がPbなどの有害金属
を安定化する機構は必ずしも明らかではないが、廃棄物
から溶出する有害金属と珪酸塩と反応による有害金属の
封入、固化、あるいは廃棄物と可溶性珪酸塩との反応生
成物への有害金属の吸着などによると考えられる。
【0019】
【発明の効果】本発明の廃棄物処理方法を用いて、有害
金属を含有する廃棄物を処理することにより、有害金
属、特に廃棄物焼却飛灰中のPbが安定化され、溶出量
が減少する。それに加え、固形分を高濃度に含有する可
溶性珪酸塩の水溶液を使用することで、比較的小規模の
施設でも適用が可能となり、適用できる施設が広範にお
よぶ、さらには可溶性珪酸塩の水溶液を保温する設備を
併設することで取扱いやすさが著しく向上し取扱いが困
難であった高濃度の可溶性珪酸塩の水溶液を簡便に取扱
い出来るようになるなど、有害金属安定化性能以外のメ
リットも大きい。また、本発明で得られる廃棄物と処理
剤との配合物は、有害金属の溶出量が極めて少ない材料
として、路盤材、セメントの骨材などに再利用すること
ができ、貴重な資源となり得る。
【0020】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明をさらに具
体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0021】(処理剤の調製)表1に示す配合で処理剤
I〜XIを調製した。なお、珪酸ソーダ1号(J珪酸ソー
ダ1号;固形分濃度54.5重量%)、珪酸ソーダ3号
(J珪酸ソーダ3号;固形分濃度38.5重量%)、お
よび珪酸カリ(1K珪酸カリ;固形分濃度50.2重量
%)は、日本化学工業(株)製のものを使用し、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウム
は、和光純薬(株)の試薬を使用した。また、処理剤の
固形分濃度(可溶性珪酸塩と炭酸塩の重量和)は、所定
量の水を添加して調整した。
【0022】
【表1】
【0023】(比較例1)都市ごみ焼却施設で生成した
バグフィルター捕集飛灰AおよびBの成分結果を表2に
示す。また、この飛灰AおよびBについて、無処理のま
ま、環境庁告示13号法(日本)の溶出試験(以下、単
に「溶出試験」と記す。)を行った結果を表3に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】(比較例2)処理剤I 6.5gを、水2
6.0gで希釈し、上記飛灰A50gに添加(飛灰10
0重量部に対し、処理剤の固形分5重量部)し、混練し
たものを、1日養生固化した。固化後、破砕したもの
を、目開き5mmのふるいで分級し、ふるいを通過した
ものについて、50gを分取し、溶出試験を行った。
【0027】(比較例3)処理剤I 6.5gを添加す
る代わりに、処理剤IIを9.2g添加(飛灰100重量
部に対し、処理剤の固形分10重量部)した以外は、比
較例2と同様にした。
【0028】(比較例4)処理剤IIの代わりに、処理剤
III を9.2g添加(飛灰100重量部に対し、処理剤
の固形分10重量部)した以外は、比較例3と同様にし
た。
【0029】(実施例1)処理剤Iの代わりに、処理剤
IVを6.5g添加(飛灰100重量部に対し、処理剤の
固形分5重量部)した以外は、比較例2と同様にした。
【0030】(実施例2)処理剤Iの代わりに、処理剤
Vを6.5g添加(飛灰100重量部に対し、処理剤の
固形分6.5重量部)した以外は、比較例2と同様にし
た。
【0031】(実施例3)処理剤Iの代わりに、処理剤
VIを6.5g添加(飛灰100重量部に対し、処理剤の
固形分6.5重量部)した以外は、比較例2と同様にし
た。
【0032】(実施例4)処理剤Iの代わりに、処理剤
VII を6.5g添加(飛灰100重量部に対し、処理剤
の固形分6.5重量部)した以外は、比較例2と同様に
した。
【0033】(実施例5)処理剤Iの代わりに、処理剤
VIIIを6.5g添加(飛灰100重量部に対し、処理剤
の固形分6.5重量部)した以外は、比較例2と同様に
した。
【0034】(実施例6)処理剤IIの代わりに、処理剤
IXを9.2g添加(飛灰100重量部に対し、処理剤の
固形分10重量部)した以外は、比較例3と同様にし
た。
【0035】(実施例7)処理剤IIの代わりに、処理剤
Xを9.2g添加(飛灰100重量部に対し、処理剤の
固形分10重量部)した以外は、比較例3と同様にし
た。
【0036】(実施例8)処理剤IIの代わりに、処理剤
XIを9.2g添加(飛灰100重量部に対し、処理剤の
固形分10重量部)した以外は、比較例3と同様にし
た。
【0037】(実施例9)混練後の養生を1週間とした
以外は、実施例7と同様にした。
【0038】以上の比較例2〜4、および実施例1〜9
の溶出試験結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】(実施例10)処理剤IXの20〜40℃に
おける粘度をBM粘度計にて測定した。結果を表5に示
す。
【0041】
【表5】
【0042】(実施例11)飛灰Aの代わりに、飛灰
B、処理剤Iの代わりに、処理剤Xを0.92g添加
(飛灰100重量部に対し、処理剤の固形分1重量部)
した以外は、比較例2と同様にした。
【0043】(実施例12)処理剤Xを2.8g添加
(飛灰100重量部に対し、処理剤の固形分3重量部)
した以外は、実施例11と同様にした。
【0044】以上の実施例11、12の結果を表6に示
す。
【0045】
【表6】
【0046】比較例1、2と実施例1の比較から、可溶
性珪酸塩の水溶液と多価金属を含まない可溶性の炭酸塩
を主たる構成成分としてなる処理剤が、有効であること
が示された。
【0047】実施例1と実施例2〜5の比較から、処理
剤における固形分濃度が濃い方が、単位溶液当たりの性
能が優れることが明らかとなった。その結果、処理剤の
固形分濃度(可溶性珪酸塩と炭酸塩の重量和)が、50
重量%以上であることが有効であることが示された。ま
た、固形分濃度が50重量%未満の可溶性珪酸塩の水溶
液、例えば、珪酸ソーダ3号(38.5重量%)に炭酸
塩を添加し、処理剤の固形分濃度が、50重量%以上の
処理剤を調製しようとしたところ、可溶性珪酸塩と炭酸
塩の重量比が、約80:20のものまでしか調製できず
(理由?)、可溶性珪酸塩の配合比が高いものは調製で
きなかった。よって、可溶性珪酸塩の水溶液の固形分濃
度は、50重量%以上であることが好ましいことが明ら
かとなった。
【0048】比較例3、4と実施例6〜8の比較から、
処理剤における可溶性珪酸塩と炭酸塩の配合比は、9
9:1〜30:70の範囲で、可溶性珪酸塩ソーダ単独
の性能を上回ることが明らかとなった。また、炭酸塩の
配合比の増加に伴い、処理剤の粘度が低下し、ハンドリ
ング性が向上した。
【0049】実施例7と実施例9の比較から、混練後の
養生時間が長くなるに伴って性能が向上することが明ら
かとなった。
【0050】実施例10から、処理剤を保温することに
よって、その粘度が低下することが明らかとなり、処理
剤の貯蔵タンクを保温することが有効であることが示さ
れた。
【0051】比較例1、実施例11と、実施例12との
比較から、処理剤の固形分添加量を、廃棄物100重量
部に対して、3重量部以上とすることで、Pb溶出量の
埋立基準値をクリアーできることが明らかとなった。
【0052】以上により、本発明の廃棄物処理方法が有
効であることが示された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 B09B 3/00 ZAB (72)発明者 上北 正和 大阪府摂津市鳥飼西5丁目1番1号 鐘淵 化学工業株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶性珪酸塩の水溶液と、多価金属を含
    まない可溶性の炭酸塩を主たる構成成分とする廃棄物処
    理剤。
  2. 【請求項2】 処理剤の固形分濃度(可溶性珪酸塩と炭
    酸塩の重量和)が、50重量%以上である請求項1記載
    の廃棄物処理剤。
  3. 【請求項3】 前記可溶性珪酸塩の水溶液の固形分が、
    50重量%以上である請求項1または2記載の廃棄物処
    理剤。
  4. 【請求項4】 前記可溶性珪酸塩が、珪酸ソーダである
    請求項1〜3のいずれかに記載の廃棄物処理剤。
  5. 【請求項5】 前記珪酸ソーダが、JIS規格品の珪酸
    ソーダ1号である請求項4記載の廃棄物処理剤。
  6. 【請求項6】 前記炭酸塩として、炭酸塩水溶液を用い
    てなる請求項1または2記載の廃棄物処理剤。
  7. 【請求項7】 前記炭酸塩が、炭酸カリウムまたは炭酸
    ナトリウムのうちの少なくとも1種である請求項1、
    2、または6に記載の廃棄物処理剤。
  8. 【請求項8】 前記可溶性珪酸塩と炭酸塩の重量比が、
    99:1〜30:70である請求項1〜7のいずれかに
    記載の廃棄物処理剤。
  9. 【請求項9】 25℃における粘度が、100ポイズ以
    下である請求項1〜8のいずれかに記載の廃棄物処理
    剤。
  10. 【請求項10】 前記請求項1〜9記載の廃棄物処理剤
    と、Pbなどの重金属を含有する廃棄物、更に必要に応
    じて水を添加し、混練することを特徴とする廃棄物処理
    方法。
  11. 【請求項11】 前記廃棄物が、可溶性の多価金属塩を
    含有することを特徴とする請求項10記載の廃棄物処理
    方法。
  12. 【請求項12】 前記多価金属塩が、Ca水酸化物、C
    a酸化物、もしくはCa塩化物などのCa化合物である
    請求項11記載の廃棄物処理方法。
  13. 【請求項13】 前記廃棄物が、廃棄物焼却施設から排
    出される廃棄物焼却飛灰である請求項10〜12のいず
    れかに記載の廃棄物処理方法。
  14. 【請求項14】 請求項10〜13のいずれかに記載の
    廃棄物処理方法において、混練後、養生してなる廃棄物
    処理方法。
  15. 【請求項15】 請求項10〜14のいずれかに記載の
    廃棄物処理方法において、処理剤の貯蔵タンクを20〜
    40℃に保温してなる廃棄物処理方法。
  16. 【請求項16】 前記貯蔵タンクの保温に、廃棄物焼却
    施設で生じる余熱を利用してなる請求項15記載の廃棄
    物処理方法。
  17. 【請求項17】 請求項10〜16のいずれかに記載の
    廃棄物処理方法において、処理剤の固形分(可溶性珪酸
    塩と炭酸塩の重量和)添加量が、廃棄物100重量部に
    対し、3〜30重量部である廃棄物処理方法。
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