JPH1044414A - 液体吐出ヘッドおよびヘッドカートリッジおよび液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよびヘッドカートリッジおよび液体吐出装置

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JPH1044414A
JPH1044414A JP20012196A JP20012196A JPH1044414A JP H1044414 A JPH1044414 A JP H1044414A JP 20012196 A JP20012196 A JP 20012196A JP 20012196 A JP20012196 A JP 20012196A JP H1044414 A JPH1044414 A JP H1044414A
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JP
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liquid
discharge
ink
head
groove
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JP20012196A
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Torachika Osada
虎近 長田
Hiroshi Sugitani
博志 杉谷
Kazuaki Masuda
和明 益田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間に亙って放置した後にプリントを行っ
た場合、良好なプリントを行い得ない。 【解決手段】 インクジェットヘッド41は、それぞれ
吐出液体を吐出するための複数の吐出口48と、これら
吐出口48にそれぞれ連通して吐出液体の流路を形成す
るための複数の第1の溝部49と、これら第1の溝部4
9に連通して共通液室を形成するための凹部50と、こ
の凹部50に連通して吐出液体供給源からの吐出液体を
当該凹部50に導くための吐出液体供給口47と、凹部
50に形成されて両端部が第1の溝部49側の凹部50
の端部と吐出液体供給口47とに連通する第2の溝部5
1とを有する溝付き板45を具える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体吐出ヘッドお
よびこの液体吐出ヘッドを組み込んだヘッドカートリッ
ジおよびこのヘッドカートリッジを用いる液体吐出装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の液体吐出装置では、液体
吐出ヘッドを具え、その流路にインクやプリント媒体に
吐出されるインクの特性を調整する処理液(以下、これ
らを吐出液体と総称する)を吐出させるために利用され
る吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生手段を
有し、吐出液体をその供給口から共通液室を介して上記
流路に導き、ここで吐出液体に吐出エネルギー発生手段
から与えられた吐出エネルギーにより吐出液体を吐出口
から飛翔的液滴となしてプリント媒体に向けて飛翔さ
せ、その着弾によりプリントが行われるように構成され
ている。
【0003】中でも、熱エネルギーを利用して吐出液体
を吐出するインクジェットヘッドは、プリント用のイン
ク滴を吐出して飛翔用液滴を形成するための吐出口を高
密度に配列することができるため、高解像力のプリント
をすることが可能である他、全体的コンパクト化も容易
であることなどの利点があるので実用化されている。
【0004】ところで、従来のプリントにおいては、吐
出液体を使用しているために吐出液体を収容する吐出液
体収容タンクからの吐出液体の供給を受けてプリントを
行う形式のものや、吐出液体を保持する吐出液体収容タ
ンクをインクジェットヘッドと一体化した使い捨て形式
のもの等があるが、吐出液体のみが導かれるべきインク
流路や共通液室内に気泡が形成されることは好ましいこ
とではない。特に、このような気泡が発生した後にその
気泡が増大すると、プリント不良や上記熱エネルギーに
よる異常昇温によって上記の熱エネルギーを発生する吐
出エネルギー発生手段としての電気熱変換体がその機能
を失う場合もあるため、プリント不良が生じた時、ある
いはプリント不良が予測される時など、条件に応じてイ
ンクジェットヘッドの吐出口側から吐出液体の吸引によ
って不良状態を回復したり、共通液室に加圧した吐出液
体や洗浄液を流し込み、吐出口側から供給した吐出液体
と共に気泡を除去しようとする回復手段が提案されてき
た。なお、かかる回復手段では、従来、気泡を除去する
ためにその回数を増すようにするか、吸引量や加圧量を
大きくすることで対応を図ってきており、そのために、
プリント中断時間の増大をきたし、また、中途半端な回
復状態のための回復処理の問隔が短くなるという点があ
る。
【0005】さらにまた、別の気泡除去手段としては、
発生した気泡を大気に連通する部屋に集め、自然に除去
する構成も提案されているが、装置の大型化をもたらす
上に、密閉式の共通液室や流路には採用できない。
【0006】特に、上述したように強制的に吐出液体を
流通させる回復動作では、その回復動作時に、吐出液体
が流路を直線的に流れるため、流路に隣接する共通液室
内の曲面部や吐出液体の受け入れ側に気泡が滞留してい
ると、かかる気泡は除去されないばかりでなく、時間の
経過と共に増大するという傾向があった.そして、これ
ら従来のインクジェットヘッドは、1ヵ月以上3ヵ月程
度の長期放置により、共通液室内に400μm程度の大
きな泡が発生した。このような大きな気泡が発生する
と、上記回復手段を講じてもこれを除去できず、インク
ジェットヘッド交換を余儀なくせざるを得なかった。さ
らに、インクジェットヘッド内部で発生して前記共通液
室内部に侵入し、成長した気泡は共通液室内部から完全
に抜くことができず、50〜100μm程度の気泡が分
散状態で残留していることが判明した。
【0007】これらの課題の解決策として、図11〜図
13に示すような溝付き板を用いる特開平4−2500
47号公報などに記載されたインクジェットヘッドが提
案されている。すなわち、図11は従来の溝付き板の底
面形状を表し、図12, 図13はその XII−XII,XIII−
XIII矢視断面形状をそれぞれ表す。ここで、50は共通
液室を構成するための溝付き板45に形成された凹部、
48は溝付き板45と一体形成された吐出口形成部材4
6に穿設された吐出口、49は凹部50から吐出口11
に吐出液体を導く流路となる溝部49である。
【0008】このように構成されたインクジェットヘッ
ドでは、図示しない吐出液体供給源、例えばインクタン
クからインク供給口47を介して凹部50に導かれたイ
ンクは、ここから複数の並列に配設される溝部49に導
かれ、各溝部49毎に設けられる図示しない電気熱変換
体の選択的駆動により、吐出口48から吐出されるよう
になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図11〜図13に示し
た従来のインクジェットヘッドでは、通常、回復直後は
プリントの問題はないが、数日以上放置すると共通液
室、つまり凹部50内の気泡が成長し、溝部49ヘの吐
出液体の供給が間に合わなくなり、プリント不良が発生
する場合がある。そして、これら吐出液体の供給不足に
よるプリント不良は、特にインク供給口47から最も遠
い、その配列方向に沿った両端の溝部49に対応する箇
所で多く発生することが判明した。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は、長期間の放置後でも良
好なプリントを行い得る液体吐出ヘッドを提供すること
にある。
【0011】また、本発明の他の目的は、この液体吐出
ヘッドを組み込んだヘッドカートリッジを提供すること
にある。
【0012】さらに、本発明の別な目的は、上述した液
体吐出ヘッドが取り付けられる液体吐出装置を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の形態は、
それぞれ吐出液体を吐出するための複数の吐出口と、こ
れら吐出口にそれぞれ連通して吐出液体の流路を形成す
るための複数の第1の溝部と、これら第1の溝部に連通
して共通液室を形成するための凹部と、この凹部に連通
して吐出液体供給源からの吐出液体を当該凹部に導くた
めの吐出液体供給口と、前記凹部に形成されて両端部が
前記第1の溝部側の前記凹部の端部と前記吐出液体供給
口とに連通する第2の溝部とを有する溝付き板を具えた
ことを特徴とする液体吐出ヘッドにある。
【0014】本発明の第1の形態によると、凹部、つま
り共通液室内で気泡が成長したりしても、第2の溝部を
通って第1の溝部、つまり流路に吐出液体が供給され
る。
【0015】また、本発明の第2の形態は、液体吐出ヘ
ッドと、この液体吐出ヘッドに供給するための吐出液体
を蓄える吐出液体収容タンクとを具えたヘッドカートリ
ッジであって、前記液体吐出ヘッドは、それぞれ吐出液
体を吐出するための複数の吐出口と、これら吐出口にそ
れぞれ連通して吐出液体の流路を形成するための複数の
第1の溝部と、これら第1の溝部に連通して共通液室を
形成するための凹部と、この凹部に連通して前記吐出液
体収容タンクからの吐出液体を当該凹部に導くための吐
出液体供給口と、前記凹部に形成されて両端部が前記第
1の溝部側の前記凹部の端部と前記吐出液体供給口とに
連通する第2の溝部とを有する溝付き板を具えたを特徴
とするヘッドカートリッジにある。
【0016】本発明の第2の形態によると、凹部、つま
り共通液室内で気泡が成長したりしても、吐出液体収容
タンク内の吐出液体は、第2の溝部を通って第1の溝
部、つまり流路に吐出液体が供給される。
【0017】さらに、本発明の第3の形態は、液体吐出
ヘッドの取り付け部を具えた液体吐出装置であって、前
記液体吐出ヘッドは、それぞれ吐出液体を吐出するため
の複数の吐出口と、これら吐出口にそれぞれ連通して吐
出液体の流路を形成するための複数の第1の溝部と、こ
れら第1の溝部に連通して共通液室を形成するための凹
部と、この凹部に連通して吐出液体供給源からの吐出液
体を当該凹部に導くための吐出液体供給口と、前記凹部
に形成されて両端部が前記第1の溝部側の前記凹部の端
部と前記吐出液体供給口とに連通する第2の溝部とを有
する溝付き板を具えたを特徴とする液体吐出装置にあ
る。
【0018】本発明の第3の形態によると、凹部、つま
り共通液室内で気泡が成長したりしても、第2の溝部を
通って第1の溝部、つまり流路に吐出液体が供給され
る。
【0019】
【発明の実施の形態】第1の形態の本発明において、第
2の溝部は、複数形成されていてもよく、この場合、第
1の溝部の配列方向に沿ってその両端側に位置する第1
の溝部にそれぞれ臨むように、2つの第2の溝部の一端
部が配置されていることが望ましい。また、複数の流路
には、吐出口から吐出液体を吐出するための熱エネルギ
ーを発生させる複数の電気熱変換体がそれぞれ設けられ
ていてもよい。
【0020】また、第2の形態の本発明において、吐出
液体は、インクおよび/またはプリント媒体に吐出され
るインクの特性を調整する処理液であってよく、複数の
流路には、吐出口から吐出液体を吐出するための熱エネ
ルギーを発生させる複数の電気熱変換体がそれぞれ設け
られていてもよい。
【0021】さらに、第3の形態の本発明において、吐
出液体は、インクおよび/またはプリント媒体に吐出さ
れるインクの特性を調整する処理液であってよく、液体
吐出ヘッドの取り付け部は、液体吐出ヘッドから液滴が
吐出されるプリント媒体の搬送方向と交差する方向に走
査移動可能なキャリッジであってもよく、この場合、液
体吐出ヘッドは、キャリッジに対して着脱自在であるこ
とが有効である。
【0022】
【実施例】本発明の一実施例について、図1〜図8を参
照しながら詳細に説明する。ただし、本実施例はプリン
ト媒体にインクを吐出するものを対象としたものである
が、プリント媒体に吐出されるインクの特性を調整する
処理液を吐出するものや、あるいはインクおよび処理液
をそれぞれ吐出可能なものにも本発明を応用することが
できることはいうまでもない。
【0023】図4〜図6に示すように、ヘッドカートリ
ッジとしての本実施例におけるインクジェットカートリ
ッジ10は、インクタンク部11とヘッドユニット40
とからなるシリアルタイプのものであり、吐出液体であ
るインクの収容力を比較的大きく設定している。そし
て、インクジェットカートリッジ10の一部を構成する
インクタンク部11(図6参照)の前面よりもわずかに
ヘッドユニット40の先端部が突出した形状をなす。ま
た、このインクジェットカートリッジ10は、本発明の
液体吐出装置としてのインクジェット装置100に設け
られたキャリッジ101(図8参照)の電気的接点を介
して後述する位置決め手段により固定支持されるもの
で、キャリッジ101に対して着脱可能なディスポーザ
ブルタイプとなっている。
【0024】ヘッドユニット40は、電気信号に応じて
膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギー
を生成する電気熱変換体を用いてプリントを行うバブル
ジェット方式のインクジェットヘッド41をユニット化
したものである。
【0025】図5において、42は本発明の液体吐出ヘ
ッドとしてのインクジェットヘッド41を構成するヒー
タボードであり、このヒータボード42には、シリコン
基板上に複数の列状に配された電気熱変換体と、これに
電力を供給するアルミニウムなどの電気配線とが成膜技
術により形成されている。43はヒータボード42に対
する配線基板であり、ヒータボード42の配線に対応し
て例えばワイヤボンディングにより接続される配線と、
この配線の端部に位置してインクジェット装置100の
本体側からの電気信号を受けるパッド44とを有してい
る。
【0026】45は、吐出口形成部材46およびヒータ
ボード42と共にインクジェットヘッド41を形成して
いる溝付き板であり、この溝付き板45には、図示しな
い複数の流路をそれぞれ区分するための隔壁や、各流路
へインクを与えるためにインクを収納するための共通液
室などが設けられていて、インクタンク部11から供給
されるインクを受けて上述の共通液室へ導入するインク
供給口47と、各流路に対応した吐出口48(図2参
照)を複数有する吐出口形成部材46とが溝付き板45
と一体成型されている。
【0027】上述した溝付き板45の底面形状を図1に
示し、そのII−II矢視断面形状, III−III 矢視断面形
状をそれぞれ図2, 図3に示す。すなわち、本実施例の
溝付き板45は、これと一体の吐出口形成部材46に形
成されてそれぞれインクを吐出するための複数の吐出口
48と、これら吐出口48にそれぞれ連通してインクの
流路を形成するための複数の第1の溝部49と、これら
第1の溝部49に連通して共通液室を形成するための凹
部50と、この凹部50に連通してインクタンク部11
からのインクを凹部50に導くためのインク供給口47
と、凹部50に形成されて両端部が第1の溝部49側の
凹部50の端部(図1中、上側)とインク供給口47と
に連通する第2の溝部51とを有する。
【0028】ヒータボード42とで共通液室を形成する
凹部50は、インク供給口47が開口する上壁部52
と、インク供給口47を挟んで上壁部52の両側に位置
する一対の側壁部53と、これら上壁部52および一対
の側壁部53に連なると共に第1の溝部49に向けて傾
斜する前壁部54と、インク供給口47に連なって一対
の側壁部53から立ち上がる縦壁部55とで囲まれてい
る。前記第2の溝部51は、上壁部52および前壁部5
2を通るように形成されている。
【0029】従って、長期間の放置に起因して凹部5
0、つまり共通液室内に介在する気泡が成長したりして
も、第2の溝部51を通って流路、つまり第1の溝部4
9にインクを供給することができ、気泡の妨げによるプ
リント不良の心配がなく、正常なプリントを行うことが
できる。
【0030】56は、配線基板43の裏面を平面で支持
する例えば金属製の支持体であり、ヘッドユニット40
の底板となる。57は押さえばねであり、ほぼM字形状
をなし、その中央部が溝付き板45の共通液室の近傍を
軽圧で押圧すると共にその前だれ部58が流路の一部、
好ましくは吐出口48の近傍の領域を線圧で集中押圧す
る。かくして、押さえばね57の脚部が支持体56の穴
59を通って支持体56の裏面側に係合することで、ヒ
ータボード42および溝付き板45を支持体56との間
に挟み込んだ状態で両者を係合させることができ、押さ
えばね57とその前だれ部58の集中付勢力によってヒ
ータボード42と溝付き板45とを圧着固定する。
【0031】また、支持体56は、インクタンク部11
の2つの位置決め突起12および連結突起13, 14
(図6参照)に係合する位置決め用穴60および連結用
穴61, 62を有する他、インクジェット装置100の
キャリッジ101に対する位置決め用突起63, 64を
裏面側に有している。加えて、支持体56はインクタン
ク部11からのインクの供給を可能とする後述のインク
供給管65を貫通可能にする穴66をも有している。な
お、このような支持体56に対し、配線基板43を取り
付けるにあたっては、接着剤などで貼着して行われる。
【0032】また、支持体56の凹部67は、それぞれ
位置決め用突起63, 64の近傍に設けられており、組
立てられたインクジェットカートリッジ10(図4参
照)において、その支持体56の周囲の3辺に形成され
る複数の平行溝68, 69によって画成されるインクジ
ェットヘッド41の先端延長域にあって、ゴミや吐出液
体などの不要物が位置決め用突起63, 64に至ること
がないようにしている。
【0033】蓋部材15は、図4および図7からもわか
るように、インクジェットカートリッジ10の外壁を形
成すると共に、インクタンク部11との間にヘッドユニ
ット40を収納する空問部を形成している。また、前記
平行溝69が形成されたインク供給部材70には、前述
したインク供給管65に接続する導管71のインク供給
管65側が固定された片持ち梁状態で形成されており、
この導管71の固定側とインク供給管65との間には、
毛管現象を確保するための封止ピン72が挿入されてい
る。なお、73はインクタンク部11とインク供給管6
5との間を結合シールするパッキン、74はインク供給
管65のタンク側端部に設けられたフィルタである。
【0034】このインク供給部材70は、モールド成型
されるもので、廉価でしかも位置精度が高く、形成上の
精度低下をなくしているだけでなく、導管71を片持梁
構造としたことによって大量生産においてもインク供給
口47に対する導管71の安定した圧接状態が得られ
る。本実施例では、このような圧接状態下で封止用接着
剤をインク供給部材70側から流し込むだけで、より完
全な連通状態を確実に得るようにしている。
【0035】なお、支持体56に対するインク供給部材
70の固定は、支持体56に形成した一対の穴75に対
してインク供給部材70の図示しない裏面側ピンを貫通
突出させた上、この支持体56の裏面側に突出した部分
を熱融着することで容易に行われる。なお、この熱融着
された裏面部のわずかな突出領域は、インクタンク部1
1のヘッドユニット取付面を構成する壁面の図示しない
くぼみ内に収められるので、ヘッドユニット40を正確
に位置決めすることができる。
【0036】前記インクタンク部11は、後に詳述する
インク吸収体16と、インク吸収体16をインクタンク
部の前記ユニット取付面とは反対側の側面から挿入した
後、これを封止する蓋部材17とを有する。インク吸収
体16は、インクを含浸保持するためのものであり、イ
ンクタンク部11内に配置される。
【0037】18は、ヒーターボード42, 配線基板4
3, 吐出口形成部材46, 支持体56, 押さえばね5
7, インク供給部材70からなるヘッドユニット40に
対してインクを供給するためのインク導出口であるが、
インクタンク部11とヘッドユニット40とをインクジ
ェットカートリッジ10として組み立てる前の工程で、
インクをインクタンク部11内に注入することにより、
インク吸収体16へのインク含浸を行うための注入口と
しても機能する。
【0038】本実施例におけるインクタンク部11の場
合、インクの供給が可能な部分は、大気連通孔19およ
びこのインク導出口18であるが、インクインク吸収体
16からのインクの供給を良好に行うため、インクタン
ク部11内には線状リブ20が突設され、また蓋部材1
7には点状リブ21がそれぞれ突設されており、これら
によってインクタンク部11内に空気存在領域を形成
し、かかる空気存在領域が大気連通孔19側からインク
導出口18に最も遠い角部領域に亙って連統的に形成さ
れている結果、インクをインク導出口18側からインク
吸収体16へ良好かつ均一に供給することができる。
【0039】より具体的には、インクタンク部11内に
は、インクジェットカートリッジ10の後面において、
キャリッジ101の移動方向と平行な線状リブ20が4
本突設されており、インク吸収体16がインクタンク部
11の内壁に密着することを防止している。また、蓋部
材17の点状リブ21は、インクタンク部11の線状リ
ブ20に対応してその延長上に設けられているが、イン
クタンク部11の線状リブ20とは異なり、分割された
状態となっており、空間が前者より多くなるように配慮
している。なお、蓋部材17の点状リブ21は、この蓋
部材17の全面積の半分以下を占めており、これら線状
リブ20および点状リブ21によってタンクインク導出
口18から最も遠いインクインク吸収体16の角部の領
域のインクをより安定させつつ、しかも確実にインク導
出口18側に毛管力で導くことができる。
【0040】22は大気連通孔19の内方に配置される
撥液材であり、これにより大気連通孔19からのインク
漏洩を防止している。
【0041】前述したインクタンク部11内のインク収
容空間は直方体形状であり、その長辺がインクジェット
カートリッジ10の側面となるので、上述した線状リブ
20および点状リブ21の配置構成は特に有効である。
このインク収容空間がキャリッジ101の移動方向に沿
った長辺を持つ場合、またはインク収容空間が立方体の
場合には、蓋部材17全体にリブを設けることにより、
インク吸収体16からインクの供給を安定化させること
ができる。限られた空間内にインクをできるだけ収納す
るためには、立方体形状が適しているが、この収納され
たインクを無駄なくプリントに使用するためには、上述
したように、角部の領域に近接する2面領域に上記作用
を行える線状リブ20の如き突起状物を形成することが
重要である。
【0042】本実施例におけるインクタンク部11の線
状リブ20は、直方体形状のインク吸収体16の厚み方
向に対してほぼ均一な分布で配置されるため、インク吸
収体16全体のインク消費に対し、大気圧分布を均一化
しつつインク残量をほとんど無ならしめることができる
ため、重要な構成となる。特に、直方体の4角上面にお
いて吐出液体のインク導出口18の投影位置を中心とし
て、長辺を半径とする円弧を描いた時、その円弧よりも
外側に位置するインク吸収体16に対して大気圧状態が
早期に与えられるように、この円弧よりも外側の面に上
記線状リブ20を配設することが重要となる。この場
合、大気連通孔19は、線状リブ20の配設領域に大気
を導入できる位置であれば、本実施例の位置に限られる
ものではない。
【0043】また、本実施例では、インクジェットカー
トリッジ10のインクジェットヘッド41に対する後面
を平面化し、装置に組み込まれた時の必要スペースを最
小化ならしめると共に、インクの収容量を可能な限り大
きくなるように配慮しているため、インクジェット装置
100の小型化を達成できるだけでなく、インクジェッ
トカートリッジ10の交換頻度を減少できるという優れ
た利点が得られる。そして、インクタンク部11とヘッ
ドユニット40とを一体化するための空間の後方部を利
用し、ここに大気連通孔19のための突出部分を形成
し、この突出部分の内部を空洞化し、ここにインク吸収
体16の厚み全体に対応する大気圧供給空間23を形成
している。
【0044】なお、この大気圧供給空間23は、従来よ
りもはるかに大きい容積を占めている上、その上方に大
気連通孔19を配置しているため、何らかの異常でイン
ク吸収体16からインクが遊離しても、この大気圧供給
空間23によってインクが一時的に保持し、再びインク
を確実にインク吸収体16に含浸させることができる。
【0045】図6は、インクタンク部11を前記ユニッ
ト取付面側から見た外観を示すものであり、L1 は吐出
口形成部材46の突出口列のほぼ中央を通り、インクタ
ンク部11の底面もしくはキャリッジ101表面の載置
基準面と平行な直線であり、図5に示す支持体56の二
つの位置決め用穴60に係合する2つの位置決め突起1
2がそれぞれこの直線L1 上に位置している。これら位
置決め突起12の高さは、支持体56の厚みよりわずか
に低く設定されている。また、図6中の直線L1 の延長
上には、図7に示すキャリッジ101の位置決め用フッ
ク102の90度角の係合面103と係合する爪24が
配設されており、キャリッジ101に対する位置決めの
作用力がこの直線L1 を含む上記載置基準面と平行に作
用するように構成されている。このような関係により、
インクタンク部11自体の位置決め精度をインクジェッ
トヘッド41の吐出口48の位置決め精度と同等にまで
高めることができるという効果が得られる。
【0046】また、支持体56に形成された連結用穴6
1, 62のそれぞれに対応するインクタンク部11の連
結突起13, 14は、前述の位置決め突起12よりも長
く設定され、支持体56を貫通して突出した部分を熱融
着することにより、支持体56をユニット取付面に固定
するためのものである。そこで上述の直線L1 と直交
し、かつ連結突起13を通る直線をL3 、連結突起14
を通る直線をL2 とした時、直線L3 上には上記インク
導出口18のほぼ中心が位置するように設定されてお
り、これによってインク導出口18とインク供給管65
との結合状態を安定化させ、落下や衝撃によってもこれ
らの結合状態への負荷を軽減できるように配慮してい
る。また、直線L2 , L3 が一直線上に並んでおらず、
インクジェットへッド41の吐出口48側の位置決め突
起12の周辺に連結突起13, 14が存在しているた
め、さらにインクジェットヘッド41のタンクに対する
位置決めの補強効果が得られる。なお、L4 で示される
曲線は、インク供給部材70の装着時の外壁位置を示し
ている。連結突起13, 14は、この曲線L4 に沿って
形成されているので、インクジェットヘッド41の先端
側構成の重量に対しても充分な強度と位置精度とを与え
ている。
【0047】25はインクタンク部11の先端鍔部であ
り、図7に示すようにキャリッジ101の前板104の
溝孔に挿入されて、インクタンク部11の変位が極端に
悪くなるような異変時に対して備えている。また、図6
および図7に示す26は、キャリッジ101に対する抜
け止めで、キャリッジ101の図示しないバーに対応し
て設けられている。この抜け止め26は、インクジェッ
トカートリッジ10が後述のように旋回装着された位置
でこのバーの下方に進入し、不要に位置決め位置から離
脱させる上方向への力が作用しても装着状態を維持する
ための保護用部材である。インクタンク部11は、ヘッ
ドユニット40が装着された後に蓋部材15で覆蓋され
ることにより、下方開口を除いてヘッドユニット40を
取囲む形となる。ただし、インクジェットカートリッジ
10としては、キャリッジ101に搭載するための下方
開口部がキャリッジ101に近接する結果、実質的には
ここに5方を包囲した空間が形成されることになる。従
って、この包囲空問内にあるインクジェットヘッド41
からの発熱がこの空問内に溜り、保温空間として有効と
なるものの、長時間連続使用の場合には、わずかながら
昇温する結果を生じる。このため、本実施例では支持体
56の自然放熱を助けるためにインクタンク部11の上
部にスリット27を設け、昇温を防止しつつヘッドユニ
ット40全体の温度分布の均一化を図り、環境に左右さ
れないように配慮している。
【0048】さて、インクジェットカートリッジ10が
組み立てられると、インクタンク部11内のインクがイ
ンク導出口18, 支持体56に設けた穴66, インクタ
ンク部11の中裏面側に設けた図示しない開口を介して
インク供給部材70に供給される。そして、インク供給
部材70のインク供給管65および溝付き板45のイン
ク供給口47を介して共通液室内へと流入する。以上に
おけるインク連通用の接続部には、例えばシリコンゴム
やブチルゴムなどのパッキンが配設され、これにより封
止が行われ、インクの供給路が確保される。
【0049】なお、本実施例においてはインクジェット
ヘッド41の溝付き板45として、耐インク性に優れた
ポリサルフォン, ポリエーテルサルフォン, ポリフェニ
レンオキサイド, ポリプロピレンなどの樹脂が用いら
れ、また、吐出口形成部材46と共に金型内で一体に同
時成型される。
【0050】上述のように、インク供給部材70と溝付
き板45と吐出口形成部材46とをヘッドユニット40
として一体化すると共にインクタンク部11を一体成形
部品としたので、組立て精度が高水準になるばかりでな
く、大量生産の品質向上に極めて有効である。また部品
点数の個数は従来に比較して減少できているので、優れ
た所望特性を確実に発揮できる。
【0051】また、本実施例では、上記組立後の形状に
おいて、図4〜図6で示されるように、インク供給部材
70は、その上面部76がインクタンク部11のスリッ
ト27を備えた屋根部の端部28との間に図4に示した
ようにスリット29を形成し、同様に、インク供給部材
70の下面部77と、蓋部材15が接着される薄板状の
側方鍔部30との間にも、上記スリット29と同様の図
示しないスリットが形成される。このようにしてインク
タンク部11とインク供給部材70との間に形成したス
リット29により、上記スリット27の放熱を一層促進
させる作用を実質的に行うと共に、インクタンク部11
へ不要な圧力が加わっても、これを直接インク供給部材
70、ひいてはヘッドユニット40に悪影響を及ぼすこ
とを防止する効果が得られる。
【0052】図7において、105はプラテンローラ
で、プリント媒体であるプリント用紙Pを図の紙面に対
して垂直方向にその裏面側から表面側へと案内する。キ
ャリッジ101は、プラテンローラ105に沿って移動
するもので、キャリッジ101にはその前方のプラテン
ローラ105側に、インクジェットカートリッジ10の
前面側に位置する厚さが例えば2mmの前板104と、イ
ンクジェットカートリッジ10の配線基板43のパッド
44に対応するパッド106を具備したフレキシブルシ
ート107およびこれを裏面側から各パッド106に対
して押圧する弾性力を発生するためのゴムパッドシート
108を保持する電気接続部用支持板109と、インク
ジェットカートリッジ10をプリント位置に固定するた
めの位置決め用フック102とが設けられている。
【0053】前板104は、位置決め用突起110をイ
ンクジェットカートリッジ10の支持体56の前述した
位置決め用突起63, 64にそれぞれ対応して2個有
し、インクジェットカートリッジ10の装着後は、これ
ら位置決め用突起110に垂直な力が付加される。この
ため、図示しない複数の補強用リブが力の方向に沿つて
前板104のプラテンローラ105側に設けられてい
る。なお、これら補強用リブは、インクジェットカート
リッジ10を装着した時の前面位置L5 よりもわずか
に、例えば約0. 1mm程度プラテンローラ105側に突
出するへッド保護用突出部をも構成する。
【0054】前記電気接続部用支持板109は、補強リ
ブ111を紙面とは垂直の方向に複数有し、プラテン1
05側から位置決め用フック102側に向って個々の側
方への突出割合を漸減させることにより、インクジェッ
トカートリッジ10を装着した時の位置を図7のように
傾斜させるための機能を持たせている。また、電気接続
部用支持板109は、電気的接触状態を安定化するた
め、上記2つの位置決め用突起110がインクジェット
カートリッジ10に及ぼす作用方向と逆方向に,インク
ジェットカートリッジ10への作用力を及ぼすため、位
置決め用フック102側の位置決め面112を位置決め
用突起110に対応して2個有し、これらの間にパッド
コンタクト域を形成すると共に、パッド106に対応す
るゴムパッドシート108のボッチの変形量を一義的に
規定する。これらの位置決め面112は、インクジェッ
トカートリッジ10がプリント可能な位置に固定される
と、配線基板43の表面に当接した状態に保たれる。
【0055】なお、本実施例では、さらに配線基板43
のパッド44を前述した直線L1 に関して対称となるよ
うに配置しているので、ゴムパッドシート108の各ボ
ッチの変形量を均一化してパッド44, 106の当接圧
をより安定化させることができる。本実施例のパッド4
4は、上方および下方に2列、縦に2列それぞれ配置し
ている。
【0056】位置決め用フック102は、固定軸113
に係合する長孔を有し、この長孔の移動空間を利用して
図の状態から反時計方向に回動した後、プラテンローラ
105に沿って左方側へ移動することでキャリッジ10
1に対するインクジェットカートリッジ10の位置決め
を行う。この位置決め用フック102の回動機構は、ど
のようなものでもよいが、レバーなどで行える構成が好
ましい。何れにしても、この位置決め用フック102の
回動時に、インクジェットカートリッジ10はプラテン
ローラ105側に移動しつつ、位置決め用突起63, 6
4が前板104の位置決め用突起110に当接可能な位
置へ移動し、位置決め用フック102の左方側移動によ
ってその係合面103がインクジェットカートリッジ1
0の爪24に密着しつつインクジェットカートリッジ1
0を位置決め用突起63, 110同志の接触域を中心に
水平面内で旋回させて最終的にパッド44, 106の接
触が始まる。
【0057】かくして位置決め用フック102が所定位
置、すなわち固定位置に保持されると、パッド44, 1
06の完全接触状態と、位置決め用突起63, 110の
完全面接触と、係合面103およびインクジェットカー
トリッジ10の爪24の2面接触と、配線基板43と位
置決め面112との面接触とが同時に形成されてキャリ
ッジ101に対するインクジェットカートリッジ10の
保持が完了する。
【0058】図8は、本実施例におけるインクジェット
装置の外観を示す斜視図である。ここで、114はキャ
リッジ101を矢印a, b方向に案内する案内軸、11
5は送りねじ軸116に形成されている螺旋溝であり、
キャリッジ101は送りねじ軸116の正逆回転に従っ
て案内軸114に沿い矢印a, b方向に走査移動する。
そして、移動しながらキャリッジ101に搭載されたイ
ンクジェットカートリッジ10のインクジェットヘッド
41により、プリント用紙Pに向けてプリントが行われ
る。
【0059】117はキャリッジ駆動モータ、118,
119はキャリッジ駆動モータ117の駆動力を送りね
じ軸116に伝達するためのギヤ、120はプリント用
紙Pをプラテン105に向けて押付けているシート押え
板である。また、本実施例では開口部121を有すると
共にインクジェットヘッド41の吐出口形成部材46
(図5参照)を覆蓋するキャップ部材122と、このキ
ャップ部材122に連結されると共に回復動作時にキャ
ップ部材122を介してインクジェットヘッド41から
インクを吸引する吸引手段123と、さらに回復動作の
前後などに使用されるクリーニングブレード124と、
キャップ部材122を支持する支持部材125とを具え
ており、クリーニングブレード124はその支持部材1
26を介して矢印方向に移動させられ、インクジェット
ヘッド41の吐出口面78(図2参照)を掃拭する。
【0060】127は、ギヤ128およびカム129を
介して吸引手段123を駆動するためのレバーであり、
これらレバー127とギヤ128とカム129とで伝達
手段を構成する。そして、吸引動作時にはキャリッジ駆
動モータ117により図示しないクラッチ切換手段およ
びこの伝達手段を介してその駆動力が伝達される。ま
た、130, 131は、キャリッジ101のホームポジ
ションを検知するためのフォトカプラであり、キャリッ
ジ101に設けられた突出レバー132の光路遮断によ
り、ホームポジションが検知され、キャリッジ駆動モー
タ117の正逆回転方向の切り換えなどが行われる。
【0061】なお、本実施例ではこれらのキャッピン
グ, クリーニング, 吸引回復は、キャリッジ101がホ
ームポジション側領域に来た時に送りねじ軸116の作
用によって、それらの対応位置で所望の処理が行えるよ
うに構成されているが、周知のタイミングで所望の作動
を行うように構成されるものであれば、どのような構成
であってもよい。
【0062】上述した実施例では、溝付き板45の凹部
50に第2の溝部51を2つ設けたが、3つ以上設ける
ことも可能であり、このような本発明の他の実施例の底
面形状を図9に示し、そのX−X矢視断面を図10に示
すが、先の実施例と同一機能の部分にはこれと同一符号
を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。
【0063】すなわち、上壁部52および前壁部52を
通るように形成される第2の溝部51の一端部は、第1
の溝部49の配列方向(図9中、左右方向)に沿ったそ
の両端部と中央部とに臨むように3つ設けられている。
【0064】従って、長期間の放置に起因して凹部5
0、つまり共通液室内に介在する気泡が成長したりして
も、先の実施例と同様に、第2の溝部51を通って流
路、つまり第1の溝部49にインクを供給することがで
きる。
【0065】なお、本発明は、特にインクジェット方式
の中でも、吐出液体の吐出を行わせるために利用される
エネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例え
ば、電気熱変換体やレーザ光など)を具え、前記熱エネ
ルギーにより吐出液体の状態変化を生起させる方式の液
体吐出ヘッドや、ヘッドカートリッジ、あるいは液体吐
出装置において優れた効果をもたらすものである。かか
る方式によれば、プリントの高密度化および高精細化が
達成できるからである。
【0066】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書や、同第474
0796号明細書に開示されている基本的な原理を用い
て行うものが好ましい。この方式は、いわゆるオンデマ
ンド型およびコンティニュアス型の何れにも適用可能で
あるが、特に、オンデマンド型の場合には、吐出液体が
保持されているシートや流路に対応して配置される電気
熱変換体に、プリント情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生させ、液体吐出ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せ、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した吐出液体
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長
および収縮により、吐出口を介してインクを吐出させ、
少なくとも1つの吐出液体の液滴を形成する。この駆動
信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮
が行われるので、特に応答性に優れた吐出液体の吐出が
達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号と
しては、米国特許第4463359号明細書や、同第4
345262号明細書に記載されているようなものが適
している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発
明の米国特許第4313124号明細書に記載されてい
る条件を採用すると、さらに優れたプリントを行うこと
ができる。
【0067】また、液体吐出ヘッドの構成としては、上
述の各明細書に開示されているような吐出口と流路と電
気熱変換体との組合せ構成(直線状液流路または直角液
流路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されてい
る構成を開示する米国特許第4558333号明細書
や、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も
本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変
換体に対し、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部
とする構成を開示する特開昭59−123670号公報
や、熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対
応させる構成を開示した特開昭59−138461号公
報に基いた構成としても、本発明の効果は有効である。
すなわち、液体吐出ヘッドの形態がどのようなものであ
っても、本発明によればプリントを確実に効率良く行う
ことができるようになるからである。
【0068】さらに、液体吐出装置がプリントできるプ
リント媒体の最大幅に対応した長さを有するフルライン
タイプの液体吐出ヘッドに対しても本発明は有効に適用
できる。そのような液体吐出ヘッドとしては、複数の液
体吐出ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成
や、一体的に形成された1個の液体吐出ヘッドとしての
構成の何れでもよい。
【0069】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された液体吐出ヘッド、あるい
は装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接
続や装置本体からの吐出液体の供給が可能になる交換自
在のチップタイプの液体吐出ヘッド、あるいは液体吐出
ヘッド自体に一体的に吐出液体を貯えるタンクが設けら
れたヘッドカートリッジを用いた場合にも、本発明は有
効である。
【0070】また、本発明の液体吐出装置の構成とし
て、液体吐出ヘッドの吐出回復手段や、予備的な補助手
段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
液体吐出ヘッドに対してのキャッピング手段や、クリー
ニング手段, 加圧あるいは吸引手段, 電気熱変換体やこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせを用い
て加熱を行う予備加熱手段、プリントとは別の吐出を行
なう予備吐出手段を挙げることができる。
【0071】また、搭載される液体吐出ヘッドの種類や
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、プリント色や濃度を異にする
複数のインクに対応して複数個数設けられるものであっ
てもよい。すなわち、例えば液体吐出装置のプリントモ
ードとしては黒色等の主流色のみのプリントモードだけ
ではなく、液体吐出ヘッドを一体的に構成するか、複数
個の組み合わせによるか何れでもよいが、異なる色の複
色カラーまたは混色によるフルカラーの各プリントモー
ドの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有
効である。
【0072】さらに加えて、本発明にかかる液体吐出装
置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画
像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合
せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミ
リ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0073】
【発明の効果】本発明によると、それぞれ吐出液体を吐
出するための複数の吐出口にそれぞれ連通して吐出液体
の流路を形成するための複数の第1の溝部と、これら第
1の溝部に連通して共通液室を形成するための凹部と、
この凹部に連通して吐出液体供給源からの吐出液体を当
該凹部に導くための吐出液体供給口とを有する溝付き板
の凹部に、両端部が第1の溝部側の凹部の端部と吐出液
体供給口とに連通する第2の溝部を形成したので、凹
部、つまり共通液室内で気泡が成長したりしても、第2
の溝部を通って第1の溝部、つまり流路に吐出液体を供
給することができ、気泡の妨げによるプリント不良の心
配がなく、正常なプリントを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体吐出ヘッドをインクジェット
ヘッドに応用した一実施例における溝付き板の底面図で
ある。
【図2】図1中のII−II矢視断面図である。
【図3】図1中の III−III 矢視展開断面図である。
【図4】本発明によるヘッドカートリッジをインクジェ
ットカートリッジに応用した一実施例の外観を表す斜視
図である。
【図5】図4に示したインクジェットカートリッジの分
解斜視図である。
【図6】図4に示したインクジェットカートリッジのイ
ンクタンク部の外観を表す斜視図であり、ヘッドユニッ
ト組み付け前の状態を表す。
【図7】本発明による液体吐出装置をインクジェット装
置に応用した一実施例におけるキャリッジとインクジェ
ットカートリッジとの連結構造を表す概念図である。
【図8】図7に示したインクジェット装置の外観を模式
的に表す斜視図である。
【図9】本発明によるインクジェットヘッドの他の実施
例における溝付き板の底面図である。
【図10】図9中のX−X矢視断面図である。
【図11】従来のインクジェットヘッドの一例における
溝付き板の底面図である。
【図12】図11中の XII−XII 矢視断面図である。
【図13】図11中のXIII−XIII矢視断面図である。
【符号の説明】
10 インクジェットカートリッジ 11 インクタンク部 12 位置決め突起 13, 14 連結突起 15 蓋部材 16 インク吸収体 17 蓋部材 18 インク導出口 19 大気連通孔 20 線状リブ 21 点状リブ 22 撥液材 23 大気圧供給空間 24 爪 25 先端鍔部 26 抜け止め 27 スリット 28 端部 29 スリット 30 側方鍔部 40 ヘッドユニット 41 インクジェットヘッド 42 ヒータボード 43 配線基板 44 パッド 45 溝付き板 46 吐出口形成部材 47 インク供給口 48 吐出口 49 第1の溝部 50 凹部 51 第2の溝部 52 上壁部 53 側壁部 54 前壁部 55 縦壁部 56 支持体 57 押さえばね 58 前だれ部 59 穴 60 位置決め用穴 61, 62 連結用穴 63, 64 位置決め用突起 65 インク供給管 66 穴 67 凹部 68, 69 平行溝 70 インク供給部材 71 導管 72 封止ピン 73 パッキン 74 フィルタ 75 穴 76 上面部 77 下面部 78 吐出口面 100 インクジェット装置 101 キャリッジ 102 位置決め用フック 103 係合面 104 前板 105 プラテンローラ 106 パッド 107 フレキシブルシート 108 ゴムパッドシート 109 電気接続部用支持板 110 位置決め用突起 111 補強リブ 112 位置決め面 113 固定軸 114 案内軸 115 螺旋溝 116 送りねじ軸 117 キャリッジ駆動モータ 118, 119 ギヤ 120 シート押え板 121 開口部 122 キャップ部材 123 吸引手段 124 クリーニングブレード 125 支持部材 126 支持部材 127 レバー、 128 ギヤ 129 カム 130, 131 フォトカプラ 132 突出レバー P プリント用紙

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ吐出液体を吐出するための複数
    の吐出口と、 これら吐出口にそれぞれ連通して吐出液体の流路を形成
    するための複数の第1の溝部と、 これら第1の溝部に連通して共通液室を形成するための
    凹部と、 この凹部に連通して吐出液体供給源からの吐出液体を当
    該凹部に導くための吐出液体供給口と、 前記凹部に形成されて両端部が前記第1の溝部側の前記
    凹部の端部と前記吐出液体供給口とに連通する第2の溝
    部とを有する溝付き板を具えたことを特徴とする液体吐
    出ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第2の溝部は、複数形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第1の溝部の配列方向に沿ってその
    両端側に位置する前記第1の溝部にそれぞれ臨むよう
    に、2つの前記第2の溝部の一端部が配置されているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記複数の流路には、前記吐出口から吐
    出液体を吐出するための熱エネルギーを発生させる複数
    の電気熱変換体がそれぞれ設けられることを特徴とする
    請求項1から請求項3の何れかに記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 液体吐出ヘッドと、この液体吐出ヘッド
    に供給するための吐出液体を蓄える吐出液体収容タンク
    とを具えたヘッドカートリッジであって、 前記液体吐出ヘッドは、それぞれ吐出液体を吐出するた
    めの複数の吐出口と、これら吐出口にそれぞれ連通して
    吐出液体の流路を形成するための複数の第1の溝部と、
    これら第1の溝部に連通して共通液室を形成するための
    凹部と、この凹部に連通して前記吐出液体収容タンクか
    らの吐出液体を当該凹部に導くための吐出液体供給口
    と、前記凹部に形成されて両端部が前記第1の溝部側の
    前記凹部の端部と前記吐出液体供給口とに連通する第2
    の溝部とを有する溝付き板を具えたを特徴とするヘッド
    カートリッジ。
  6. 【請求項6】 吐出液体は、インクおよび/またはプリ
    ント媒体に吐出されるインクの特性を調整する処理液で
    あることを特徴とする請求項5に記載のヘッドカートリ
    ッジ。
  7. 【請求項7】 前記複数の流路には、前記吐出口から吐
    出液体を吐出するための熱エネルギーを発生させる複数
    の電気熱変換体がそれぞれ設けられることを特徴とする
    請求項5または請求項6の何れかに記載のヘッドカート
    リッジ。
  8. 【請求項8】 液体吐出ヘッドの取り付け部を具えた液
    体吐出装置であって、 前記液体吐出ヘッドは、それぞれ吐出液体を吐出するた
    めの複数の吐出口と、これら吐出口にそれぞれ連通して
    吐出液体の流路を形成するための複数の第1の溝部と、
    これら第1の溝部に連通して共通液室を形成するための
    凹部と、この凹部に連通して吐出液体供給源からの吐出
    液体を当該凹部に導くための吐出液体供給口と、前記凹
    部に形成されて両端部が前記第1の溝部側の前記凹部の
    端部と前記吐出液体供給口とに連通する第2の溝部とを
    有する溝付き板を具えたを特徴とする液体吐出装置。
  9. 【請求項9】 吐出液体は、インクおよび/またはプリ
    ント媒体に吐出されるインクの特性を調整する処理液で
    あることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
  10. 【請求項10】 前記液体吐出ヘッドの取り付け部は、
    前記液体吐出ヘッドから液滴が吐出されるプリント媒体
    の搬送方向と交差する方向に走査移動可能なキャリッジ
    であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載
    の液体吐出装置。
  11. 【請求項11】 前記液体吐出ヘッドは、前記キャリッ
    ジに対して着脱自在であることを特徴とする請求項10
    に記載の液体吐出装置。
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